(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記一時停止第2折り制御の適用条件に基づき、前記一時停止第2折り制御を実行するか否かを判断し、前記一時停止第2折り制御を実行するとの判断に基づいて、前記一時停止第2折り制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のシート折り装置。
前記第1ローラーと前記第2ローラーの回転による前記第1ニップに挟まれた前記シートの搬送速度よりも前記第2押込部材の移動速度が大きく設定されていることを特徴とする請求項1から請求項13のうちいずれか一に記載のシート折り装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の従来の3つ折り処理を行うシート折り装置においては、ローラーを回転させた状態で、第1折り動作後から第2折り動作までシートを搬送しながら第2押込部材でシートを第2ニップに押込む制御を行っている。
しかし、このような第2折りにおけるシートを搬送しながら押込部材でシートを押込む制御にあっては、シート搬送速度より押込部材の移動速度を大きくしても、押込部材の前進方向に略直交したシート搬送方向に移動しているシート面に対して押込部材の先端を接近、接触させて押し込んでいくので、押込部材とシートが滑ってしまい折り位置の精度が確保し難いという課題がある。
【0007】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、1枚又は重ねられた複数枚のシートに対し第1折りと当該第1折りの後の第2折りとを実行するシート折り装置において、第2折りの位置精度を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、1枚又は重ねられた複数枚のシートに対し第1折りと当該第1折りの後の第2折りとを実行するシート折り装置において、
前記第1折りを行う第1ニップを構成する片方の第1ローラーと、
前記第1ローラーとともに前記第1ニップを構成する第2ローラーと、
前記第2ローラーとともに第2折りを行う前記第2ニップを構成する第3ローラーと、
前記第1、第2及び第3ローラーを動作させるローラー駆動部と、
前記第1ニップにシートを押し込む第1押込部材と、
前記第1押込部材を動作させる第1押込駆動部と、
前記第2ニップにシートを押し込む第2押込部材と、
前記第2押込部材を動作させる第2押込駆動部と、
前記ローラー駆動部、第1押込駆動部及び第2押込駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1、第2及び第3ローラーを回転させた状態で、前記第1押込部材を前記第1ニップに対して前進させて前記シートを前記第1ニップに押し込んだ後前記第1押込部材を前記第1ニップに対して後退させて前記第1折りを実行させる第1折り制御と、
第1折り制御による前記第1、第2及び第3ローラーの回転を維持して前記シートを所定量搬送した後、前記第1、第2及び第3ローラーの回転を停止するとともに前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させて前記シートを前記第2ニップに押し込んだ後前記第2押込部材を前記第2ニップに対して後退させ、この前進の開始から後退の終了までの間に前記第1、第2及び第3ローラーの回転を再起動して前記第2折りを実行させる一時停止第2折り制御と、
を実行可能に構成
され、前記シートの枚数に応じて、前記一時停止第2折り制御における前記再起動のタイミングを変更するシート折り装置である。
【0009】
請求項2記載の発明は、1枚又は重ねられた複数枚のシートに対し第1折りと当該第1折りの後の第2折りとを実行するシート折り装置において、
前記第1折りを行う第1ニップを構成する片方の第1ローラーと、
前記第1ローラーとともに前記第1ニップを構成する第2ローラーと、
前記第2ローラーとともに第2折りを行う前記第2ニップを構成する第3ローラーと、
前記第1、第2及び第3ローラーを動作させるローラー駆動部と、
前記第1ニップにシートを押し込む第1押込部材と、
前記第1押込部材を動作させる第1押込駆動部と、
前記第2ニップにシートを押し込む第2押込部材と、
前記第2押込部材を動作させる第2押込駆動部と、
前記ローラー駆動部、第1押込駆動部及び第2押込駆動部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1及び第2ローラーを回転させた状態で、前記第1押込部材を前記第1ニップに対して前進させて前記シートを前記第1ニップに押し込んだ後前記第1押込部材を前記第1ニップに対して後退させて前記第1折りを実行させる第1折り制御と、
第1折り制御による前記第1及び第2ローラーの回転を維持して前記シートを所定量搬送した後、前記第1及び第2ローラーの回転を停止するとともに前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させて前記シートを前記第2ニップに押し込んだ後前記第2押込部材を前記第2ニップに対して後退させ、この前進の開始から前進の終了までの間に前記第2及び第3ローラーの回転を再起動するか、後退の開始から後退の終了までの間に前記第2及び第3ローラーの回転を再起動するかを前記シートの
枚数に基づいて判断し、前記判断に基づき前記第2及び第3ローラーの回転を再起動して前記第2折りを実行させる一時停止第2折り制御と、
を実行可能に構成されたシート折り装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、前記シートの枚数に応じて、前記一時停止第2折り制御における前記再起動のタイミングを変更することを特徴とする請求項2に記載のシート折り装置である。
【0010】
請求項
4記載の発明は、前記制御部は、
前記シートの枚数が所定枚数未満のとき、前記一時停止第2折り制御における前記再起動のタイミングを、前記第2押込部材を後退させている間に設定し、
前記シートの枚数が前記所定枚数以上のとき、前記一時停止第2折り制御における前記再起動のタイミングを、前記第2押込部材を前進させている間に設定することを特徴とする請求項1
から請求項3のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0011】
請求項
5記載の発明は、前記制御部は、
第1折り制御による前記第1、第2及び第3ローラーの回転を維持して前記シートを所定量搬送した後、さらに当該回転を維持したまま前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させて前記シートを前記第2ニップに押し込んだ後前記第2押込部材を前記第2ニップに対して後退させ第2折りを実行させる無停止第2折り制御を、前記一時停止第2折り制御に代えて実行可能に構成されたことを特徴とする請求項1
、並びに、請求項1を引用する請求項4のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
請求項6記載の発明は、前記制御部は、
第1折り制御による前記第1及び第2ローラーの回転を維持して前記シートを所定量搬送した後、さらに当該回転を維持したまま前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させて前記シートを前記第2ニップに押し込んだ後前記第2押込部材を前記第2ニップに対して後退させ第2折りを実行させる無停止第2折り制御を、前記一時停止第2折り制御に代えて実行可能に構成されたことを特徴とする請求項2、請求項3、並びに、請求項2を引用する請求項4のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0012】
請求項7に記載の発明は、前記制御部は、前記一時停止第2折り制御の適用条件に基づき、前記一時停止第2折り制御を実行するか否かを判断し、前記一時停止第2折り制御を実行するとの判断に基づいて、前記一時停止第2折り制御を実行することを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
請求項
8記載の発明は、前記第1折りの前に、前記シートの折り位置に筋付け処理を実行する筋付け部を備え、
前記制御部は、前記筋付け処理が選択されるときは、前記一時停止第2折り制御を実行することを特徴とする請求項
5又は請求項6に記載のシート折り装置である。
【0013】
請求項
9記載の発明は、前記ローラー駆動部は、ステッピングモーターを備えて構成されたことを特徴とする請求項1から請求項
8のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0014】
請求項
10記載の発明は、前記第2押込駆動部に、前記第2押込部材の位置に対応した信号を出力するエンコーダーを備え、
前記制御部は、前記一時停止第2折り制御において、前記エンコーダーが出力する信号に基づき前記第2押込部材が所定の位置で前記第1、第2及び第3ローラーの回転を再起動することを特徴とする請求項1
、請求項1を引用する請求項4、請求項1を引用する請求項5、請求項1を引用する請求項7、請求項5を引用する請求項8、並びに、請求項1を引用する請求項9のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
請求項11記載の発明は、前記第2押込駆動部に、前記第2押込部材の位置に対応した信号を出力するエンコーダーを備え、
前記制御部は、前記一時停止第2折り制御において、前記エンコーダーが出力する信号に基づき前記第2押込部材が所定の位置で前記第2及び第3ローラーの回転を再起動することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項2を引用する請求項4、請求項2を引用する請求項6、請求項2を引用する請求項7、請求項6を引用する請求項8、並びに、請求項2を引用する請求項9のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0015】
請求項
12記載の発明は、前記第1ニップを通過した前記シートの搬送方向の先端位置を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記一時停止第2折り制御において、前記第1折り制御による前記第1、第2及び第3ローラーの回転を維持して前記検知部により前記シートを検知させ、その検知信号に応答して前記第1、第2及び第3ローラーの回転を停止するとともに前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させることを特徴とする請求項1
、請求項1を引用する請求項4、請求項1を引用する請求項5、請求項1を引用する請求項7、請求項5を引用する請求項8、請求項1を引用する請求項9、並びに、請求項1を引用する請求項10のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
請求項13記載の発明は、前記第1ニップを通過した前記シートの搬送方向の先端位置を検知する検知部を備え、
前記制御部は、前記一時停止第2折り制御において、前記第1折り制御による前記第1、第2ローラーの回転を維持して前記検知部により前記シートを検知させ、その検知信号に応答して前記第1、第2ローラーの回転を停止するとともに前記第2押込部材を前記第2ニップに対して前進させることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項2を引用する請求項4、請求項2を引用する請求項6、請求項2を引用する請求項7、請求項6を引用する請求項8、請求項2を引用する請求項9、並びに、請求項2を引用する請求項11のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0016】
請求項
14記載の発明は、前記第1ローラーと前記第2ローラーの回転による前記第1ニップに挟まれた前記シートの搬送速度よりも前記第2押込部材の移動速度が大きく設定されていることを特徴とする請求項1から請求項
13のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0017】
請求項
15記載の発明は、前記第1押込駆動部及び第2押込駆動部は、クランク機構を備えて構成されたことを特徴とする請求項1から請求項
14のうちいずれか一に記載のシート折り装置である。
【0018】
請求項
16記載の発明は、用紙に対して画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置に接続され、前記画像形成装置により画像が形成された用紙に対し、前記第1折り及び第2折りを実行する請求項1から請求項
15のうちいずれか一に記載にシート折り装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、1枚又は重ねられた複数枚のシートに対し第1折りと当該第1折りの後の第2折りとを実行するシート折り装置において、第2折りを行うにあたり、一時的に搬送停止しているシートに対して第2押込部材の先端を接触させてシートを第2ニップに押し込んでいくことが可能であり、
再起動のタイミングを変更しつつ、これにより第2折りの位置精度を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態である画像形成システム1について説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成を示す概略模式図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置100と、中間搬送装置200と、用紙処理装置300と、平綴じ処理装置400と、を有している。
なお、以下の説明において、鉛直方向をZ方向とし、
図1に示す画像形成装置100、中間搬送装置200、用紙処理装置300、及び平綴じ処理装置400が互いに接続される方向に沿う方向をX方向とし、X方向及びZ方向に直交する方向をY方向とする。
また、X方向について前側及び後側を付して説明し、Y方向について右側及び左側を付して説明する。ここで、前側は、画像形成システム1における搬送方向の上流側であり、後側は、その下流側である。また、右側は、用紙処理装置300の中折り・中綴じ処理における搬送方向の上流側であり、左側は、その下流側である。
【0022】
画像形成装置100は、用紙に画像を形成する。
具体的には、画像形成装置100は、例えば、記録媒体として備蓄された用紙を用紙トレイから引き出して搬送する搬送部、ビットマップデータに応じたトナー像を転写ローラー等の一次転写部材に現像する現像部、一次転写部材に現像されたトナー像を転写ドラム150等の二次転写部材に転写する一次転写部、二次転写部材に転写されたトナー像を搬送部により搬送される用紙に転写する二次転写部、転写されたトナー像を用紙に定着させる定着部、及び定着部による定着処理後の用紙を排出する排出部等を備え、用紙に画像を形成する。
また、画像形成装置100は、画像が形成されて排出される用紙を中間搬送装置200に受け渡す。即ち、画像形成システム1は、画像形成装置100から排出される用紙が中間搬送装置200に受け渡されるよう接続されている。
【0023】
中間搬送装置200は、用紙を一時的に待機させると共に、用紙に対して筋付け及び断裁を施すことの可能な装置である。
具体的には、中間搬送装置200は、例えば、画像形成装置100から搬送された用紙を下降させるように搬送して用紙の紙面をZ方向にほぼ沿わせた状態で一旦停止させて待機させる待機部(スタッカー)、待機中の用紙の位置を整合する整合部、整合された用紙に筋付けを行う筋付け部(クリーサー)、及び筋付けが施された用紙を搬送しながら当該用紙の余白部分を断裁する断裁部(スリッター)等を備える。
即ち、中間搬送装置200は、画像形成装置100から受け渡された用紙を待機部において一旦停止させた状態で整合部により整合を行い、次いで筋付け部により筋付け処理を行った後、筋付けが施された用紙を搬送しながら当該用紙の余白部分を断裁部により断裁する。その後、中間搬送装置200は、断裁部により余白部分の断裁された用紙を用紙処理装置300に受け渡す。
なお、中間搬送装置200は、画像形成装置100から受け渡された用紙に対して、中間搬送装置200による各種の処理の一部又は全部を施さずに用紙処理装置300に受け渡すこともできる。
【0024】
図2に示すように用紙処理装置300は、用紙処理制御部505と、3つ折り処理を行うシート折り機構330とを備える。
シート折り機構330は、中間搬送装置200から受け渡された1枚又は複数枚の用紙を、複数枚の場合は重ねた上で、1箇所目の第1折りと2箇所目の第2折りとを順次実行することにより3つ折り処理を行う。用紙処理制御部505はシート折り機構330の3つ折り処理に係る動作の制御を担い、用紙処理制御部505とシート折り機構330とでシート折り装置が構成されている。
図2に示すようにシート折り機構330は、ローラー駆動部331dと、第1押込駆動部332bと、第2押込駆動部333bと、第1用紙検出部335と、第2用紙検出部336と、エンコーダー333dと、スタッカー駆動部334bとを備える。
【0025】
図3は、シート折り機構330の斜視図であり、
図4は、その主要部のXZ断面模式図である。
シート折り機構330は、第1ローラー331aと、第2ローラー331bと、第3ローラー331cと、第1押込部材332aと、第2押込部材333aとを備える。各ローラー331a,331b,331cは、外周面が弾性層で被覆されたものである。第1ローラー331aと第2ローラー331bとが用紙を折るのに必要な圧力で互いに圧接され、第1折りを行う第1ニップN1が構成される。第2ローラー331bと第3ローラー331cとが同じく用紙を折るのに必要な圧力で互いに圧接され、第2ニップN2が構成される。
【0026】
ローラー駆動部331dは、ローラー331a,331b,331cを回転動作させるもので、その回転動力装置としてステッピングモーターを備えて構成される。例えば、ローラー駆動部331dは、ローラー331aを直接的に駆動し、ローラー331b,331cがローラー331aの回転動作に伴って従動回転することで、ローラー331a,331b,331cを回転動作させる。なお、ローラ駆動部331dが直接的に駆動するローラはローラー331aに限られず、ローラー331a,331b,331cのいずれでも構わない。
第1押込駆動部332bは、第1押込部材332aを直線的に往復動作させるもの、第2押込駆動部333bは、第2押込部材333aを直線的に往復動作させるものである。
具体的には、
図3に示すように第1押込駆動部332bは、ステッピングモーター332e、シャフト332f、クランクアーム332g、リンク332hを備えて構成される。ステッピングモーター332eがシャフト332fを回動駆動し、シャフト332fに基端部が固定されたクランクアーム332gが回動する。クランクアーム332gは、シャフト332fの半径方向に延設されており、その先端部がリンク332hの一端部に回転自在に連結されている。リンク332hの他端部が第1押込部材332aに基端部に回転自在に連結されている。第1押込部材332aは第1ニップN1に向う矢印A1方向に直動自在にガイドされている。シャフト332fの回動がクランクアーム332gとリンク332hとにより伝達され直線運動に変換されて矢印A1方向に第1押込部材332aを往復移動させる。
【0027】
第2押込駆動部333bも、ステッピングモーター333e及びシャフト333fを含み第1押込駆動部332bと同じ構成を有するが、配置が異なっており、第2ニップN2に向う矢印A2方向に第2押込部材333aを往復移動させように配置されている。エンコーダー333dは、第2押込駆動部333bのシャフト333f等に対して設置され、第2押込部材333aの位置に対応した信号を出力する。
さらに
図4に示すようにシート折り機構330は、スタッカー334aを備える。
【0028】
シート折り機構330は、図示しない搬送機構により中間搬送装置200から受け渡された用紙を
図4に示す搬送路Paに沿って矢印B1方向に搬送する。搬送路Paに沿って矢印B1方向に搬送された用紙は、その搬送方向先端が第1用紙検出部335によって検出された後、スタッカー334aに当接して止まる。用紙束を3つ折りにする場合は、用紙束を構成する複数枚の用紙が順次重ねられてスタッカー334aによって端部が揃えられて保持される。スタッカー334aはスタッカー駆動部334bによって搬送路Paに沿って移動可能であり、これにより第1押込部材332aの先端に用紙の折り位置を合わせられる。
【0029】
第1押込部材332aがスタッカー334aに保持された用紙に向って矢印A1方向に前進すると、第1ニップN1に用紙が押し込まれて第1折りが実行される。
第1ニップN1を通過した用紙は第1ローラー331a及び第2ローラー331bによって搬送路Pbに沿って矢印B2方向に搬送され、第2用紙検出部336により搬送方向先端が検出される。
第2押込部材333aが、第2用紙検出部336により検出され第1ローラー331a及び第2ローラー331bによって挟持された用紙に向って矢印A2方向に前進すると、第2ニップN2に用紙が押し込まれて第2折りが実行される。
第2ニップN2を通過して3つ折りにされた用紙は第2ローラー331b、第3ローラー331c及び図示しない搬送機構によって搬送路Pcに沿って矢印B3方向に搬送され排出される。
3つ折り処理におけるローラー331a,331b,331cの回転方向は、
図4に円弧矢印で示すとおりである。
【0030】
また、
図2に示すように用紙処理装置300には、中折り部310、中折り部310により中折りされた用紙を重ね合わせ、打針して中綴じ冊子とする中綴じ部320、中綴じ冊子の折り目部近傍を挟持して保持するクランプ部340、クランプ部340により保持された中綴じ冊子の小口の断裁処理を行う断裁部350、中綴じ冊子の背表紙の角背成形処理を行う角背成形部360、中綴じ冊子を外部に排出する排出部370、シート折り機構330によって3つ折り処理された3つ折り用紙を外部に排出する排出部380等が備えられている。
なお、かかる用紙処理装置300は、中間搬送装置200から受け渡された用紙に対して、用紙処理装置300による各種の処理の一部又は全部を施さずに平綴じ処理装置400に受け渡すこともできる。
【0031】
平綴じ処理装置400は、複数の用紙の平綴じ処理等を行う。
具体的には、平綴じ処理装置400は、例えば、用紙処理装置300から受け渡された複数の用紙にステープル処理を施すステープル処理部、ステープル処理が施された複数の用紙のうち背表紙と平行な端部を揃えるために当該端部の一部を切り落とす小口断裁を行うページ端断裁部、及び連結された各装置による処理後の用紙を排出する排出部等を備える。
なお、平綴じ処理装置400は、用紙処理装置300から受け渡された用紙に対して、平綴じ処理装置400による各種の処理の一部又は全部を施さずに排出することもできる。
【0032】
次に、
図2を参照して画像形成システム1の制御についてさらに説明する。
【0033】
画像形成システム1は、画像形成システム1の動作に係るユーザーの入力操作を受け付け、画像形成システム1の動作に係る表示出力を行う操作表示部501、画像形成システム1全体の動作制御を行う中央制御部502、画像形成装置100の動作制御を行う画像形成制御部503、中間搬送装置200の動作制御を行う中間搬送制御部504、用紙処理装置300の動作制御を行う用紙処理制御部(制御部)505、及び平綴じ処理装置400の動作制御を行う平綴じ処理制御部506を有する。
【0034】
操作表示部501は、例えば、タッチパネル方式の操作表示装置や各種の入力のためのスイッチ、キー等を有し、ユーザーの入力内容に応じた信号を中央制御部502に送信する。
中央制御部502、画像形成制御部503、中間搬送制御部504、用紙処理制御部505、及び平綴じ処理制御部506はそれぞれ、CPU、RAM、ROM等を有し、処理内容に応じたソフトウェア・プログラムや各種のデータを読み出して実行処理する。
【0035】
中央制御部502は、操作表示部501を介して入力されたユーザーの入力内容に応じて、画像形成システム1に係る各種の条件の設定を行う。
この設定条件には、例えば、用紙のサイズや画像形成時の色数(例えば、カラー・グレースケール・モノクロ等)、3つ折りの制御モード選択条件、3つ折りにする用紙枚数、3つ折りにする用紙の種類、サイズ、坪量、中間搬送装置200の筋付け部(クリーサー)による筋付けの実施/非実施、断裁される端部の幅等が含まれる。
そして、中央制御部502は、画像形成制御部503、中間搬送制御部504、用紙処理制御部505、及び平綴じ処理制御部506の各制御部に対して設定内容に応じた処理を施すための命令を出力する。各制御部は、命令に応じてそれぞれの制御対象である装置の動作を制御する。
【0036】
例えば、中央制御部502は、用紙処理制御部505に対して3つ折り処理を施すための命令を出力する。
用紙処理制御部505は、これに応じて、シート折り機構330を制御し、3つ折り処理を行なわせる。
【0037】
ここで、本実施形態における3つ折り処理の制御の詳細内容について説明する。
かかる制御は、中央制御部502の出力した3つ折り処理を施すための命令に従って用紙処理制御部505によって実行されるものである。用紙処理制御部505は、第1用紙検出部335、第2用紙検出部336及びエンコーダー333dの信号を受信するとともに、ローラー駆動部331d、第1押込駆動部332b、第2押込駆動部333b、及びスタッカー駆動部334bを制御して、以下に説明する制御内容を実行する。
図5は、3つ折り処理の制御内容を示すフロチャートである。
図6は、3つ折り処理に係る作業動作を示す場面ごとの模式図である。
【0038】
用紙処理制御部505はCPU、RAM、ROMを備え、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開し、CPUがプログラムを実行することにより
図5に示す処理を実現する。
図5を参照する。先ず、用紙処理制御部505は、中央制御部502の出力した命令に係る3つ折りにする用紙枚数及び制御モード選択条件等の設定条件を取得する(ステップS1)。
次に、用紙処理制御部505は、中間搬送装置200から受け渡された用紙Sを搬送し、第1用紙検出部335の信号に基づき、取得した用紙枚数のすべてがスタッカー334aに収容されたかを確認する(ステップS2、
図6(a))。
次に、用紙処理制御部505は、シート折り機構330に第1折りを実行させる第1折り制御を実行する(ステップS3)。すなわち、用紙処理制御部505は、この段階までに第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cを回転させておき、その回転させた状態で、第1押込部材332aを第1ニップN1に対して前進させて用紙Sを第1ニップN1に押し込む(
図6(b))。これにより用紙Sは、第1ニップN1に引き込まれて第1折りが施される。用紙処理制御部505は、第1押込部材332aを前進から後退に切り替えて第1ニップに対して後退させる。
このように、本実施形態における第1折り制御では、第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cを回転させた状態で、第1押込部材332aを第1ニップN1に押し込む。これは、
図3(a)を参照して、搬送される用紙Sには重力によって図中下向きの力が働いているところ、ローラーを回転させた状態でシートSを第1ニップN1に押し込むことにより、シートSを精度よくローラー331a,331bに引き込むためである。
【0039】
次に、用紙処理制御部505は、取得した制御モード選択条件を参照し、一時停止第2折り制御の適用条件が成立するか否か判断する(ステップS4)。一時停止第2折り制御の適用条件は、無停止第2折り制御の強制実行が設定されている場合には成立せず制御の流れはステップS4でNoとなり、一時停止第2折り制御の強制実行が設定されている場合には成立し制御の流れはステップS4でYesとなる。また、一時停止第2折り制御の適用条件は、上記強制実行の設定がされておらず、中間搬送装置200の筋付け部(クリーサー)による筋付けが実施の場合に一時停止第2折り制御を実行することが設定されている場合には、筋付けが実施か否かを判断し、筋付けが実施であれば制御の流れはステップS4でYesとなり、筋付けが非実施であれば制御の流れはステップS4でNoとなる。筋付けが実施される場合、その付けられた筋と折り位置とのずれが品質に及ぼす影響が大きく、折り位置の精度が求められるため、一時停止第2折り制御の強制実行が設定されていない場合であっても、筋付けが実施されるときに限って一時停止第2折り制御が自動的に選択されるようにするためである。
ステップS4でYesとなった場合、用紙処理制御部505は、ステップS3の第1折り制御による第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cの回転を維持して第2用紙検出部336により用紙Sを検知させ(
図6(c))、その検知信号に応答して第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cの回転を停止するとともに第2押込部材333aを第2ニップN2に対して前進させる(ステップS5、
図6(d))。なお、第2用紙検出部336の検出信号の受信から、ローラー331a,331b,331cの回転停止までの時間は、中央制御部502の出力した命令に従って特定される第2折り位置の関係から設定される。ステップS5における回転を停止は、用紙Sを第1ニップN1に挟持した状態で実行される。
【0040】
次に、用紙処理制御部505は、3つ折りにする用紙Sの枚数が所定枚数未満か否か判断する(ステップS6)。
用紙処理制御部505は、ステップS6の判断の如何によらず、第2押込部材333aを前進させて用紙Sを第2ニップN2に押し込み、第2押込部材333aを前進から後退に切り替えて第2ニップN2に対して後退させる。なお、ローラー331a,331b,331cの回転による用紙Sの搬送速度よりも第1押込部材332aの移動速度及び第2押込部材333aの移動速度は大きく設定されている。
ステップS6でYesとなった場合、用紙処理制御部505は、第2押込部材333aを後退させている間に第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる(ステップS7)。
図6(e)においては、第2押込部材333aの先端は第2ニップN2に差し込まれ、第2押込部材333aは、前進から後退に切り替わる時点にある。この時点から第2押込部材333aの後退が始り、第2押込部材333aの後退が始まってからローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる。その再起動のタイミングは、第2押込部材333aの位置によって予め定められ、用紙処理制御部505はエンコーダー333dから出力される信号に基づき第2押込部材333aが所定の位置でローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる。なお、位置によらず、第2押込部材333aの前進開始タイミング等を基準に時間で制御してもよい。
以上のように、ローラー331a,331b,331cの回転を停止するとともに第2押込部材333aを前進させ、第2押込部材333aの後退が始まってからローラー331a,331b,331cが回転するので、搬送停止している用紙Sに対して第2押込部材333aが接触して押していき、用紙Sはローラー331a,331b,331cが停止している状態で第2押込部材333aにより第2ニップN2に押し込まれてから、回転を始めたローラー331b,331cにより引き込まれて第2折りが施される(
図6(f))。
このように、一時的に搬送停止している用紙Sに対して第2押込部材333aの先端を接触させてシートを第2ニップN2に押し込んでいくことが可能であり、これにより2箇所目の折りである第2折りの位置精度を向上することができる。
【0041】
ステップS6でYesとなった場合、用紙処理制御部505は、第2押込部材333aを前進させている間に第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる(ステップS8)。
図6(e)においては、第2押込部材333aの先端は第2ニップN2に差し込まれ、第2押込部材333aは、前進から後退に切り替わる時点にある。この時点に至る前にローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる。その再起動のタイミングは、第2押込部材333aの位置によって予め定められ、用紙処理制御部505はエンコーダー333dから出力される信号に基づき第2押込部材333aが所定の位置でローラー331a,331b,331cの回転を再起動させる。なお、位置によらず、第2押込部材333aの前進開始タイミング等を基準に時間で制御してもよい。
第2押込部材333aが前進中にローラー331a,331b,331cが回転するので、用紙Sはローラー331a,331b,331cが回転している状態で第2押込部材333aにより第2ニップN2に押し込まれてローラー331b,331cにより引き込まれて第2折りが施される(
図6(f))。
【0042】
ステップS7の制御のように、ローラー331b,331cが停止していて第2ニップN2に用紙Sが引き込まれない状態で第2押込部材333aが後退し始める場合、用紙Sの枚数が多いほど、第2押込部材333aの押し込みによって第2ニップN2に保持される用紙Sの全枚数の保持性が低下し、第2押込部材333aに近い側(折りの内側)の1枚又は複数枚が離れてずれるおそれが高まる。
しかし、ステップS8の制御によれば、用紙Sはローラー331a,331b,331cが回転している状態で第2ニップN2に第2押込部材333aにより押し込まれるので、これを防ぐことができ、2箇所目の折りである第2折りの位置精度を向上することができる。
【0043】
ステップS8における再起動のタイミングを定める第2押込部材333aの位置は、第2押込部材333aの先端が搬送路Pbを超えて第1ニップN2側に進入した位置とすることが好ましい。すなわち、第2押込部材333aが用紙Sを押し始めた後にローラー331a,331b,331cを回転させることが好ましい。これにより2箇所目の折りである第2折りの位置精度を向上することができる。
【0044】
一方、ステップS4でNoとなった場合、用紙処理制御部505は、ステップS3の第1折り制御による第1、第2及び第3ローラー331a,331b,331cの回転を維持したまま、第2用紙検出部336により用紙Sを検知させ(
図6(c))、その検知信号に応じて第2押込部材333aを第2ニップN2に対して前進させて用紙Sを第2ニップN2に押し込んだ後、第2押込部材333aを第2ニップN2に対して後退させ第2折りを実行させる無停止第2折り制御を実行する(ステップSB)。この間、ローラー331a,331b,331cを停止することは無い。
これにより、用紙Sは第2押込部材333aにより第2ニップN2に押し込まれてローラー331b,331cにより引き込まれて第2折りが施される(
図6(f))。
この無停止第2折り制御SBによれば、一時停止第2折り制御(
図5中のステップSA)に比較して、処理時間の短縮を優先した3つ折り処理が可能である。
【0045】
その後、用紙処理制御部505は、以上のステップS7,S8,SBのいずれかを経て、第2折りが施される用紙Sを搬送して排紙処理する(ステップS9)。
なお、以上の
図5及び
図6を参照して説明した制御内容に加え、用紙処理制御部505は、ステップS2において、中央制御部502の出力した命令に係る設定条件に従いスタッカー駆動部334bを制御してスタッカー334aの位置を調整することで、第1折りの位置を制御することをも行う。
【0046】
以上の実施形態によれば、ユーザーは、3つ折りにする書類の用途等に応じて、処理の速さと精度の良さとを考慮して、一時停止第2折り制御SAと無停止第2折り制御SBとを選択することができる。
一時停止第2折り制御SAが選択された場合には処理の精度の良さが優先され、3つ折りにする用紙の枚数に応じて一時停止第2折り制御SAにおける折ローラー331a,331b,331cの再起動のタイミングを変更しつつ、第2折りの位置精度を確保する。
また、ユーザーは、用紙の筋付けが実施される場合のみに一時停止第2折り制御SAを選択して3つ折り用紙の品質を確保することができる。
【0047】
なお、以上の実施形態に拘わらず、筋付けの有無により一時停止第2折り制御SAとするか無停止第2折り制御SBとするかを選択できる機能の実施は任意である。また、筋付けの有無のほか、用紙の仕様や処理内容等の他の条件によって一時停止第2折り制御SAとするか無停止第2折り制御SBとするかを選択できる機能を実施してもよい。
また、ステップS4及びステップSBを排して(ステップS3の次をステップS5として)、第2折りに関して一時停止第2折り制御SAのみが適用される構成を実施してもよい。
また、ステップS6及びステップS8を排して(ステップS5の次をステップS7として)実施してもよく、さらにその場合に、所定枚数以上で無停止第2折り制御SBが適用されるように選択できる機能を実施してもよい。
また、ステップS4、ステップSB、ステップS6及びステップS8を排して(ステップS3の次をステップS5、ステップS5の次をステップS7として)実施してもよい。
また、ステップS6及びステップS7を排して(ステップS5の次をステップS8として)実施してもよい。
また、ステップS4、ステップSB、ステップS6及びステップS7を排して(ステップS3の次をステップS5、ステップS5の次をステップS8として)実施してもよい。
また、上記第1折り、第2折りに加えて折り回数を増やすことで、4つ折り以上にシートを折るように実施することも任意である。