(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939241
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】コーマにおけるコーミングシリンダ
(51)【国際特許分類】
D01G 19/10 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
D01G19/10 A
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-257123(P2013-257123)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-113545(P2015-113545A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2015年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】新原 正己
【審査官】
笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−538946(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第10163663(DE,A1)
【文献】
特開昭57−056524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01G 1/00 〜 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダシャフトに直接取り付けられ、かつ外周面にコーミング針を支持するベース体と、前記シリンダシャフトに対して前記ベース体と反対側に直接取り付けられたバランスウエイトとを備えるコーマにおけるコーミングシリンダであって、
前記バランスウエイトは、前記シリンダシャフトに形成された雌ねじ部にバランスウエイト固定用ボルトが螺合した状態で前記シリンダシャフトに固定されており、
前記ベース体は、前記シリンダシャフトの外周面と当接する内側面を有し、前記シリンダシャフトを挟んで前記バランスウエイトと対向しており、前記バランスウエイト側からベース体固定用ボルトが前記シリンダシャフトを貫通して前記内側面に形成された雌ねじ部に螺合した状態で前記ベース体は前記シリンダシャフトに固定されており、前記ベース体固定用ボルトの頭部が接する座面は前記シリンダシャフト内に位置することを特徴とするコーマにおけるコーミングシリンダ。
【請求項2】
前記ベース体固定用ボルトの頭部は、前記座面と接する側と反対側の面が、前記バランスウエイトの貫通孔内に位置するように長く形成されている請求項1に記載のコーマにおけるコーミングシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーマにおけるコーミングシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
コーマは、複数(一般には8個)のコーミングヘッドを配設した作業部を備えている。各コーミングヘッドは、ラップからスライバを作る一連の作用を行う部分である。コーミングヘッドは、一対のラップローラ及びフィードローラの作用により所定量ずつ送り出されて、ボトムニッパ及びトップニッパからなるニッパに把持されたラップの先端をコーミングシリンダにより梳り、梳られたフリースをニッパの前進によってデタッチングローラへ向けて移動させる。このフリースの前進に対応してデタッチングローラが逆転し、先に引き取ったフリース(先行フリース)を後退させ、このフリースの後端部と新たに梳られたフリース(後続フリース)の先端部とを重ね合わせる。その後、デタッチングローラが正転してニッパからフリースを引き取るとともに、フリース内に突き刺されたトップコームによりフリースの後端を梳る。そして、この作用の繰返しにより各コーミングヘッドにおいて作られたフリースを束ねてドラフトした後、カレンダローラで圧縮してスライバとする。
【0003】
図6に示すように、コーミングシリンダ50として、コーマのシリンダシャフト51に一対の取付ボス52(一方のみ図示)が軸方向に所定間隔で左右対称に嵌挿され、その取付ボス52の外周に、断面円弧状のコーミングセグメント53と、バランスウエイト54とがボルト55,56により固定されたものがある(特許文献1参照)。取付ボス52は、内側に内輪57が一体形成され、内輪57は割溝57aを有し、内輪57の外側に割溝57aと直角方向に押ねじ58が螺着された外輪59が嵌合され、押ねじ58をねじ込むことにより、内輪57がシリンダシャフト51を締め付けてコーミングシリンダ50がシリンダシャフト51に固定される。
【0004】
図7及び
図8に示すように、コーミングシリンダ60として、外周面にコーミング針布61を支持するベース体62と、バランスウエイト63とがシリンダシャフト64に対して直接取り付けられたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
バランスウエイト63は、バランスウエイト63を貫通し、かつシリンダシャフト64に形成された雌ねじ部に螺合する複数本のボルト65によってシリンダシャフト64に固定されている。ベース体62は、バランスウエイト63及びシリンダシャフト64を貫通し、かつベース体62に形成された雌ねじ部に螺合する複数本のボルト66によってシリンダシャフト64に固定されている。なお、ベース体62の両端面には、それぞれ1つのカバー67がねじ68を介して取り付けられている。これによって、ベース体62の中空スペース62aを外部から遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−172474号公報
【特許文献2】特表2013−538946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コーム(コーミングセグメント、コーミング針布)は綿の種類やスライバに求める品質により数種類の針列(歯部)を使い分ける必要がある。コームの種類によりコーム針の本数や形状が異なるためバランスウエイトに要求されるバランス率や形状は異なる。理想的にはコームに対しバランス率や形状が最適なバランスウエイトが選ばれるのが理想である。但し、現実的には要求されるバランス率や形状の違いを無視し、1種類のバランスウエイトで対応してきた。しかし、近年、コーマ機の高速化に伴い振動が増加していることからこのバランス率や形状の違いを無視できなくなってきた。
【0008】
また、コーミングシリンダを構成するコーミングセグメントとして、大きさの異なる針列(歯部)を有する複数のエレメントがベース体に取り外し可能に固定されたものもある。この場合、ベース体をシリンダシャフトから取り外さずに針列を替えることはできる。しかし、針列を替えることによりバランスが変わるため、バランスウエイトを交換する必要がある。
【0009】
特許文献1の構成では、コーミングセグメント53をシリンダシャフト51から取り外すことなくバランスウエイト54をシリンダシャフト51から取り外すことができる。コーマの場合、コーミングセグメント53の外周、即ち針の先端とシリンダシャフト51の中心との距離が小さいことが重要であるが、特許文献1の構成では、コーミングセグメント53とシリンダシャフト51との間に取付ボス52が存在する。そのため、シリンダシャフト51の中心からコーミングセグメント53の外周までの距離を所定の値に設定する場合、誤差が大きくなる。また、コーミングシリンダ50,60は変速駆動されるため、コーミングシリンダ50,60のイナーシャは小さい方が良いが、特許文献1の構成では、取付ボス52が存在するため、イナーシャが大きくなる。
【0010】
一方、特許文献2の構成では、ベース体62が直接シリンダシャフト64に固定されているため、誤差は小さく、イナーシャも小さくなる。しかし、特許文献2の構成では、バランスウエイト63をシリンダシャフト64から取り外すためには、コーム本体、即ちベース体62をシリンダシャフト64から外す必要があるため、作業がやり難いだけでなく、重要部品であるコームの針を傷つけるリスクがあった。
【0011】
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、シリンダシャフトに当接する状態で取り付けられたベース体及びバランスウエイトを、ベース体をシリンダシャフトから取り外すことなく単独でバランスウエイトを交換することができるコーマにおけるコーミングシリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するコーマにおけるコーミングシリンダは、シリンダシャフトに直接取り付けられ、かつ外周面にコーミング針を支持するベース体と、前記シリンダシャフトに対して前記ベース体と反対側に直接取り付けられたバランスウエイトとを備えるコーマにおけるコーミングシリンダであって、前記バランスウエイトは、前記シリンダシャフトに形成された雌ねじ部
にバランスウエイト固定用ボルト
が螺合した状態で前記シリンダシャフトに固定され
ており、前記ベース体は、前記シリンダシャフトの外周面と当接する内側面を有し、前記シリンダシャフトを挟んで前記バランスウエイトと対向
しており、前記バランスウエイト側から
ベース体固定用ボルトが前記シリンダシャフトを貫通して前記内側面に形成された雌ねじ部に螺合
した状態で前記ベース体は前記シリンダシャフトに固定され
ており、前記ベース体固定用ボルトの頭部が接する座面は前記シリンダシャフト内に位置する。
【0013】
この構成によれば、ベース体はバランスウエイト側からシリンダシャフトを貫通するベース体固定用ボルトによりシリンダシャフトに固定され、バランスウエイトはバランスウエイト固定用ボルトによりシリンダシャフトに固定されている。そして、ベース体固定用ボルトの頭部が接する座面はシリンダシャフト内に位置するため、ベース体がベース体固定用ボルトによってシリンダシャフトに固定された状態で、バランスウエイト固定用ボルトの螺合を解除して、バランスウエイトをシリンダシャフトから取り外すことができる。したがって、シリンダシャフトに当接する状態で取り付けられたベース体及びバランスウエイトを、ベース体をシリンダシャフトから取り外すことなく、単独でバランスウエイトを交換することができる。そのため、交換作業の作業性の改善とコーミング針の傷つきのリスクの回避とを図ることができる。
【0014】
前記ベース体固定用ボルトの頭部は、前記座面と接する側と反対側の面が、前記バランスウエイトの貫通孔内に位置するように長く形成されている。この構成によれば、ベース体固定用ボルトの頭部がバランスウエイトの役割の一部を担うことにより、バランスウエイトをその分、薄くすることができる。そのため、コーミングシリンダのイナーシャを小さくすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、シリンダシャフトに当接する状態で取り付けられたベース体及びバランスウエイトを、ベース体をシリンダシャフトから取り外すことなく、単独でバランスウエイトを交換することができ、交換作業の作業性の改善とコーミング針の傷つきのリスクの回避とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】ベース体固定用ボルトの位置で切断した断面図。
【
図3】バランスウエイト固定用ボルトの位置で切断した断面図。
【
図4】別の実施形態のコーミングシリンダの断面図。
【
図5】別の実施形態のコーミングシリンダの正面図。
【
図6】従来技術のコーミングシリンダの部分断面図。
【
図7】別の従来技術のコーミングシリンダの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を
図1〜
図3にしたがって説明する。
コーマにおけるコーミングシリンダ11は、シリンダシャフト12に直接取り付けられ、かつ外周面14dにコーミング針(針布)13を支持するベース体14と、シリンダシャフト12に対してベース体14と反対側に直接取り付けられたバランスウエイト15とを備える。
【0018】
図2及び
図3に示すように、コーミング針13は、大きさの異なる針列(歯部)16aを有する複数(この実施形態では4個)のエレメント16がベース体14に取り外し可能に固定された構成になっている。各エレメント16は公知の構成により、ベース体14をシリンダシャフト12から取り外さずにベース体14に対して着脱可能になっている。
【0019】
バランスウエイト15は、断面略扇形に形成され、内側面15aがシリンダシャフト12の外周面12bと当接した状態で、バランスウエイト固定用ボルト17によりシリンダシャフト12に固定されている。バランスウエイト15には段差を有するボルト孔18が形成され、シリンダシャフト12にはボルト孔18と対応する箇所に雌ねじ部12aが形成されている。バランスウエイト固定用ボルト17は、軸部がボルト孔18を貫通し、かつ頭部がボルト孔18の段部と当接した状態で雌ねじ部12aと螺合し、バランスウエイト15をシリンダシャフト12に固定している。即ち、バランスウエイト15は、シリンダシャフト12に形成された雌ねじ部12aに螺合するバランスウエイト固定用ボルト17によりシリンダシャフト12に固定されている。
【0020】
図1及び
図2に示すように、ベース体14は、断面略扇形に形成され、シリンダシャフト12の外周面12bと当接する内側面としての円弧面14aを有し、シリンダシャフト12を挟んでバランスウエイト15と対向する状態で、ベース体固定用ボルト19によりシリンダシャフト12に固定されている。バランスウエイト15にはベース体固定用ボルト19の頭部19aの通過を許容する貫通孔15cが形成され、シリンダシャフト12には貫通孔15cと対応する箇所にベース体固定用ボルト19用のボルト孔20が形成されている。ボルト孔20は、ベース体固定用ボルト19の頭部19aを収容する凹部20aと、軸部の通過を許容する貫通孔20bとが連続するように形成されている。凹部20aの底面はベース体固定用ボルト19の頭部19aが接する座面20cを構成する。即ち、ベース体固定用ボルト19の頭部19aが接する座面20cはシリンダシャフト12内に位置する。ベース体14にはボルト孔20と対応する円弧面14aに雌ねじ部14bが形成されている。ベース体固定用ボルト19は、軸部がボルト孔20を貫通し、かつ頭部がボルト孔20の座面20cと当接した状態で雌ねじ部14bと螺合し、ベース体14をシリンダシャフト12に固定している。なお、ベース体14は中空部14cを有し、ベース体14の両端面には、中空部14cを外部から遮断する図示しないカバーが固定されている。
【0021】
次に前記のように構成されたコーミングシリンダ11の作用を説明する。
コーミングシリンダ11は、コーミング針13を支持するベース体14と、バランスウエイト15とがシリンダシャフト12に直接取り付けられているため、特許文献1のように取付ボスを介してシリンダシャフト12に取り付けられる構成に比べて、シリンダシャフト12の中心から針列16aの各針の先端までの距離の誤差が小さくなる。また、コーミングシリンダ11は、イナーシャも小さくなるため、変速駆動が容易になる。
【0022】
コーマにおいては、綿の種類やスライバに求める品質により適切なコーミング針13、即ちエレメント16を使い分ける必要があり、紡出条件に対応したエレメント16が使用される。エレメント16の交換は、ベース体14がシリンダシャフト12に固定された状態で行われる。エレメント16を交換することにより、バランスウエイト15も交換する必要が有る場合、バランスウエイト固定用ボルト17のシリンダシャフト12の雌ねじ部12aに対する螺合を解除して、バランスウエイト15をシリンダシャフト12から取り外す。そして、適切なバランスウエイト15をシリンダシャフト12に取り付けて、バランスウエイト固定用ボルト17によりシリンダシャフト12に対して締め付け固定する。即ち、バランスウエイト15の交換作業は、ベース体14を取り外すことなく行われる。
【0023】
綿の種類やスライバに求める品質によっては、コーミング針13として4種類の針列16aではなく5種類以上の針列16aを必要とする場合もある。その場合は、ベース体14及びバランスウエイト15の両方を交換する必要がある。ベース体14を交換する場合は、ベース体固定用ボルト19のベース体14の雌ねじ部14bに対する螺合を解除して、ベース体14をシリンダシャフト12から取り外す。そして、適切なベース体14をシリンダシャフト12に取り付けて、ベース体固定用ボルト19によりシリンダシャフト12に対して締め付け固定する。即ち、ベース体14の交換作業は、バランスウエイト15を取り外すことなく行われる。
【0024】
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)コーミングシリンダ11は、シリンダシャフト12に直接取り付けられ、かつ外周面14dにコーミング針13を支持するベース体14と、シリンダシャフト12に対してベース体14と反対側に直接取り付けられたバランスウエイト15とを備える。バランスウエイト15は、シリンダシャフト12に形成された雌ねじ部12aに螺合するバランスウエイト固定用ボルト17によりシリンダシャフト12に固定されている。ベース体14は、シリンダシャフト12の外周面12bと当接する円弧面14a(内側面)を有し、シリンダシャフト12を挟んでバランスウエイト15と対向する状態で、バランスウエイト15側からシリンダシャフト12を貫通して円弧面14aに形成された雌ねじ部14bに螺合するベース体固定用ボルト19によりシリンダシャフト12に固定されている。ベース体固定用ボルト19の頭部19aが接する座面20cはシリンダシャフト12内に位置する。
【0025】
この構成によれば、シリンダシャフト12に当接する状態で取り付けられたベース体14及びバランスウエイト15を、ベース体14をシリンダシャフト12から取り外すことなく、単独でバランスウエイト15を交換することができ、交換作業の作業性の改善とコーミング針13の傷つきのリスクの回避とを図ることができる。
【0026】
(2)コーミング針13は、大きさの異なる針列(歯部)16aを有する複数のエレメント16がベース体14に取り外し可能に固定された構成になっている。したがって、綿の種類やスライバに求める品質により適切なコーミング針13を使い分ける場合、針列16aの数を変更を必要としない場合は、一部のエレメント16の交換と、バランスウエイト15の交換で対応することできる。
【0027】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○
図4に示すように、ベース体固定用ボルト19の頭部19aを、座面20cと接する側と反対側の面19bが、バランスウエイト15の貫通孔15c内に位置するように長く形成してもよい。この構成によれば、ベース体固定用ボルト19の頭部19aがバランスウエイト15の役割の一部を担うことにより、バランスウエイト15をその分、薄くすることができる。そのため、コーミングシリンダ11のイナーシャを小さくすることができる。
【0028】
○
図5に示すように、一部のベース体固定用ボルト19と対応する箇所でバランスウエイト15を複数に分割可能に構成し、対応するベース体固定用ボルト19を分割されたバランスウエイト15の間に配置してもよい。
【0029】
○
図5においては、一部のベース体固定用ボルト19と対応する箇所でバランスウエイト15を分割した。しかし、バランスウエイト固定用ボルト17及びベース体固定用ボルト19の本数によっては、全てのベース体固定用ボルト19と対応する箇所でバランスウエイト15を分割し、全てのベース体固定用ボルト19を分割されたバランスウエイト15の間に配置してもよい。
【0030】
○ コーミング針13を構成する大きさの異なる針列(歯部)16aを有するエレメント16の数は4個に限らず、例えば、5個以上であってもよい。
○ コーミング針13は、大きさの異なる針列(歯部)16aを有する複数のエレメント16がベース体14に取り外し可能に固定された構成に限らず、大きさの異なる針列が一体に形成された針布がベース体14に固定された構成であってもよい。この場合は、紡出条件に対応した針布を有する複数個のベース体14を準備しておき、紡出条件の変更時にはベース体固定用ボルト19を緩めてベース体14を交換し、必要に応じてバランスウエイト固定用ボルト17を緩めてバランスウエイト15を交換する。
【0031】
○ ベース体14の内側面は、矩形面などの円弧面以外の任意の形状であってよい。
【符号の説明】
【0032】
11…コーミングシリンダ、12…シリンダシャフト、12a,14b…雌ねじ部、12b…外周面、13…コーミング針、14…ベース体、14a…円弧面(内側面)、14d…外周面、15…バランスウエイト、15c…貫通孔、17…バランスウエイト固定用ボルト、19…ベース体固定用ボルト、19a…頭部、20c…座面。