(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物:4−メトキシベンジル−1−((4−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(3−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
4−メトキシベンジル1−((4−(4−(1−(3,4−ジフルオロフェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−フルオロ−フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−(2−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
4−メトキシベンジル1−((4−(4−(1−(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)−2−フルオロ−フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(フェニル)−N−(2−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)シクロプロピル)−メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
又はその薬学的に許容可能な塩。
新生物性若しくは増殖性若しくは炎症性疾患、又は移植障害、特に過剰な又は不適切なチロシンキナーゼによって引き起こされるものの治療に使用するための、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の化合物。
新生物性若しくは増殖性若しくは炎症性疾患、又は移植障害、特に過剰な又は不適切なチロシンキナーゼによって引き起こされるものの治療に使用するための薬物の製造における、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の化合物の使用。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、c−Met及びVEGFのようなタンパク質チロシンキナーゼを阻害できる新規化合物、及び過剰又は不適切な血管新生によって引き起こされる新生物性又は増殖性又は慢性炎症性又は血管新生性疾患の治療において、それを必要とする哺乳動物でc−Met又は血管新生を阻害するための前記化合物の使用に関する。
【0014】
式(I)の化合物において
X及びYはO、Sから各々独立して選択され;好ましくは、X及びYはOであり;
W及びZはO、S、N−R又はCH−Rから各々独立して選択され;好ましくは、W及びZはO又はN−Rから選択され;
GはC−R、C−(CN)又はNから選択され;好ましくは、C−R又はNから選択され;
RはH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル又は低級アルキルヘテロシクリルから選択され;好ましくはH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;
R
1、R
2、R
3及びR
8は、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、又は低級アルキニルから各々独立して選択され;好ましくは、H、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシから選択され;
R
4、及びR
5はH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル、低級アルキルヘテロシクリル、低級アルキル−OC(=O)−、アリール−OC(=O)−、低級アルキルアリール−OC(=O)−、ヘテロシクリル−OC(=O)−、低級アルキルヘテロシクリル−OC(=O)−、低級アルキレニルアリール−OC(=O)−、低級アルキル−C(=O)−、アリール−C(=O)−、低級アルキレニルアリール−C(=O)−、低級アルキル−SO
2−、アリール(ary)−SO
2−、低級アルキレニルアリール−SO
2−、低級アルキル−N(R)C(=O)−、アリール−N(R)C(=O)−、又は低級アルキレニルアリール−N(R)C(=O)−から各々独立して選択され;好ましくは、H、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、低級アルコキシ、低級アルキル−OC(=O)−、アリール−OC(=O)−、低級アルキルアリール−OC(=O)−、ヘテロシクリル−OC(=O)−、低級アルキルヘテロシクリル−OC(=O)−、低級アルキレニルアリール−OC(=O)−から選択され;R
4及びR
5は、互いに結合してその結合窒素と共に3〜8員の飽和又は不飽和環を形成し;好ましくは、R
4及びR
5は互いに結合してシクロアルキル又はヘテロシクリルを形成し;
R
6、R
7及びR
9はH、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキルから選択され;好ましくはHであり;
R
10はH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシ、低級アルケニル、低級アルキニル、アミノ、アルキルアミノ、アルコキシアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル又は低級アルキルヘテロシクリルから選択され;好ましくはアリールであり、さらに好ましくはフェニル、置換フェニル、又はヘテロシクリルから選択され;
a及びcは0、1、2、3又は4から各々独立して選択され;好ましくは0、1又は2から選択され;
b及びdは1、2、3、4又は5から各々独立して選択され;好ましくは1、2又は3から選択され;
環Qは、5〜13員の単環、二環又は三環部分であり、該部分は飽和でも不飽和でもよく、芳香族でも非芳香族でもよく、O、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を任意選択的に含有してもよく;好ましくは、環Qはアリールであり、さらに好ましくはフェニル又は置換フェニルから選択され;又は環QはO、N及びSから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員のヘテロ芳香族部分であり、好ましくはピリジンである;
又はその薬学的に許容可能な塩。
【0015】
用語「ハロゲン」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード、例えばフルオロ及びクロロを包含する。
【0016】
用語「ハロゲン低級アルキル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、1〜6個のハロゲンで置換されたアルキル、例えばトリフルオロメチルを包含する。
【0017】
用語「低級アルキル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどを包含するがこれらに限定されない直鎖又は分枝部分を有する1〜6個の飽和一価炭化水素ラジカルを包含する。
【0018】
用語「低級アルケニル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する上記の定義による低級アルキル基、例えば−CH
2−CH=CH
2を包含する。
【0019】
用語「低級アルキニル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する上記の定義による低級アルキル基、例えば−CH
2−C≡CHを包含する。
【0020】
用語「低級アルコキシ」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−O−低級アルキル基(ここで低級アルキルは上記の定義による)、例えばメトキシ及びエトキシを包含する。
【0021】
用語「低級アルコキシアルコキシ」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−O−低級アルキル−O−低級アルキル基(ここで低級アルキルは上記の定義による)、例えば−OCH
2CH
2OCH
3を包含する。
【0022】
用語「低級アルキレニル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、1〜6の飽和−CH
2−ラジカルを包含する。
【0023】
用語「アミノ」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−NH
2基、−NH−低級アルキル基、又は−N(低級アルキル)
2基(ここで低級アルキルは上記の定義による)、例えばメチルアミノ及びジメチルアミノを包含する。
【0024】
用語「アルキルアミノ」(alkyamino)は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、低級アルキル−NH
2基、−低級アルキル−NH−低級アルキル基、又は−低級アルキル−N(低級アルキル)
2基(ここで低級アルキルは上記の定義による)、例えば−CH
2CH
2NHCH
3を包含する。
【0025】
用語「アルコキシアミノ」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−O−低級アルキル−NH
2基、−O−低級アルキル−NH−低級アルキル基、又は−O−低級アルキル−N(低級アルキル)
2基(ここで低級アルキルは上記の定義による)、例えば−OCH
2CH
2NHCH
3を包含する。
【0026】
用語「アリール」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、芳香族炭化水素から1個の水素を除去することによって得られる有機ラジカル、例えばフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルであって、非置換であるか又はハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シアノ、低級アルキルシアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アミノ、カルバモイル、カルバメート(cabamate)、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルスルフィニル(lower alkysulfinyl)、低級アルカンスルホニル、スルホンアミドから選択される1又は2個の置換基によって置換されており;アリールは、飽和環又は部分飽和環などの脂肪族環と縮合した1個の芳香族環、例えば、テトラヒドロナフチルを包含する。
【0027】
用語「ヘテロシクリル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、各環に好適には最大4個のヘテロ原子を含有する非芳香族の飽和又は部分飽和の単一環及び縮合環を包含し、前記ヘテロ原子の各々は、O、N、及びSから独立に選択され、当該環は非置換でも、例えば最大3個の置換基で独立に置換されていてもよい。各複素環は、公的には、4〜7個、好ましくは5又は6個の環原子を有する。縮合複素環系は炭素環を包含してもよく、複素環(部分飽和又は飽和でもよい)を1個だけ包含する必要がある。ヘテロシクリルは、O、N、及びSから各々選択される最大4個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を含む単環、二環、及び三環のヘテロ芳香族環系を含む。各環は、4〜7個、好ましくは5又は6個の環原子を有していてもよい。二環系又は三環系は炭素環を包含してもよい。炭素環は、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアリール環を包含する。ヘテロシクリル基の例としては、これらに限定されないが、次のものが挙げられる:アゼチジン、ピロリジン、ピロリジオン、ピペリジン、ピペリジノン、ピペラジン、モルホリン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、イミダゾリジン、ピラゾリジン及びヒダントイン、ピロール、インドール、ピラゾール、インダゾール、トリゾール、ベンゾトリゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、チオフェン、ベンゾチオフェン、チオゾール、ベンゾチオゾール、フラン、ベンゾフラン、オキサゾール、ベンゾオキサゾール(bezoxazole)、イソオキサゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、インドリン、インドリノン、ベンゾテトラヒドロフラン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、メチレン−ジオキシフェニル。複素環は任意選択的に置換されていてもよく、置換基は、アリールの置換基として上で定義した基から選択されてもよい。
【0028】
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含するがこれらに限定されない、3〜8個の環炭素原子を有する環式ラジカルを包含する。シクロアルキル基は、任意選択的に1回又は複数回置換されてもよく、置換基は、アリールの置換基として上で定義した基、好ましくは、ハロゲン、低級アルキルから選択されてもよい。
【0029】
用語「低級アルキルシクロアルキル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−低級アルキル−シクロアルキル基を包含し、ここで低級アルキル及びシクロアルキルは上記の定義による。
【0030】
用語「シクロアルケニル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する上記の定義によるシクロアルキル基を包含する。
【0031】
用語「低級アルキルアリール」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−低級アルキル−アリール基を包含し、ここで低級アルキル及びアリールは上記の定義による。
【0032】
用語「低級アルキルヘテロシクリル」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−低級アルキル−ヘテロシクリル基を包含し、ここで低級アルキル及びヘテロシクリルは上記の定義による。
【0033】
用語「低級アルキレニルアリール」は、本明細書で使用するとき、特記のない限り、−低級アルキレニルアリール基を包含し、ここでアリール及び低級アルキレニルは上記の定義による。
【0034】
ほとんどのインビトロチロシンキナーゼ阻害活性は、ミリポア社(Millipore Ltd)のキナーゼパネルスクリーニングを用いて試験できる。
【0035】
実施例に記載の化合物は、c−Met及びいくつかの腫瘍細胞系に対して以下の阻害活性を有する。
【0037】
動物の抗腫瘍活性試験は、種々の癌異種移植モデルによって実施できる。
【0038】
式Iの化合物は、単独で又は1つ以上の他の治療剤との組み合わせで投与することができ、該治療剤としては、これらに限定されるものではないが、17a−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプリド、フルタミド、トレミフェン、ゾラデックス、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤が挙げられる。好適なEGFR阻害剤としては、ゲフィチニブ、エルロチニブ、及びセツキシマブが挙げられる。Pan Her阻害剤としては、カネルチニブ、EKB−569、及びGW−572016が挙げられる。VEGF阻害剤、例えばアバスチン、ZD6474及びSU6668、バタラニブ、BAY−43−9006、SU11248、CP−547632及びCEP−7055。Src阻害剤並びにカソデックス@(ビカルタミド、アストラゼネカ)、タモキシフェン、MEK−1キナーゼ阻害剤、MAPKキナーゼ阻害剤、PI3阻害剤、及びイマチニブのようなPDGF阻害剤も挙げられる。IGF1R阻害剤、非受容体及び受容体チロシンキナーゼの阻害剤、並びにインテグリンシグナル伝達の阻害剤も挙げられる。抗血管新生薬及び固形腫瘍への血流を遮断することで癌細胞を栄養不足による静止状態にする血流遮断剤も包含される。さらなる細胞毒性薬としては、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート、トリメトレキセート、ダカルバジン、L−アルパラギナーゼ、カンプトセシン、トポテカン、ビカルタミド、フルタミド、ロイプリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロン、及びインターロイキンが挙げられる。さらなる抗癌剤としては、微小管安定化剤、例えばパクリタキセル、ドセタキセル、09/712,352(2000年11月14日出願)、C−4メチルカーボネートパクリタキセル、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC、エポチロンD、デソキシエポチロンA、デソキシエポチロン及び微小管破壊剤が挙げられる。さらに、CDK阻害剤、抗増殖細胞周期阻害剤、エピドフィロトキシン;抗腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロン;シスプラチン及びカルボプラチンのようなプラチナ配位錯体;生体応答調節剤;成長阻害剤;抗ホルモン治療剤;ロイコボリン;テガフール;並びに造血成長因子も好適である。去勢は、アンドロゲン依存性癌腫を非増殖性とするもので、これも利用できる。可能な併用療法は、固定併用剤又は本発明の化合物及び1つ以上の他の治療剤の時差的投与若しくは互いに独立に与えられる投与、又は固定併用剤及び1つ以上の他の治療剤の併用投与という形態をとる。
【0039】
式Iの化合物は、これ以外に又はこれに加えて、特に腫瘍療法のために、化学療法、放射線療法、外科的介入、又はこれらの組合せと組み合わせて投与することができる。長期療法は、上記のように、他の治療戦略との関連において補助療法と同様に可能である。他の可能な治療は、腫瘍退縮後の患者の状態を維持する療法、又は例えばリスクのある患者における化学的予防療法である。式Iの化合物は、以下を包含するがこれらに限定されない種々の癌の治療に有用である:(a)癌腫、例えば膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、例えば小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌及び皮膚癌、例えば扁平上皮癌;(b)リンパ系の造血器腫瘍、例えば白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫及びバーキットリンパ腫;(c)骨髄系の造血器腫瘍、例えば急性及び慢性骨髄性白血病、脊髄形成異常性症候群及び前骨髄球性白血病;(d)間葉起源の腫瘍、例えば線維肉腫及び横紋筋肉腫;(e)中枢及び末梢神経系の腫瘍、例えば星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫及びシュワン腫;及び(f)その他の腫瘍、例えば黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌若しくはカポジ肉腫。
【0040】
本発明の化合物は、ヒトを管理するためだけでなく、他の温血動物、例えば、商業的に有用な動物を治療するためのものでもある。このような化合物は、他の化合物との比較を可能にするために、上記の試験系の参照標準として使用することもできる。
【0041】
塩は、特に、式Iの化合物の薬学的に許容可能な塩である。好適な薬学的に許容可能な塩は当業者に明らかであり、これには、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載されている塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸又はリン酸;及び有機酸、例えば、コハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸で形成される酸付加塩が包含される。他の塩を、例えば、式(I)の化合物の単離又は精製において使用してもよく、これらも本発明の範囲内に含まれる。
【0042】
本発明の化合物は、結晶でも非結晶の形態でもよく、結晶の場合、任意選択的に水和又は溶媒和されていてもよい。本発明は、化学量論的水和物及び可変量の水を含有する化合物をその範囲に包含する。
【0043】
本発明は、エナンチオマー及びその混合物、例えば、ラセミ化合物を包含する式(I)の化合物の立体異性体及び幾何異性体を包含するすべての異性体形態に及ぶ。異なる異性体形態を従来方法によって互いに分離又は分割してもよく、あるいは任意の所与の異性体を、従来の合成方法によって、又は立体特異的合成若しくは不斉合成によって得てもよい。
【0044】
当業者は、式Iにより包含される化合物の無毒の薬学的に許容可能なプロドラッグを調製するために使用できる種々の合成方法を認識するであろう。当業者は、本発明の化合物の溶媒和物を調製するために使用できる、水、エタノール、鉱油、植物油、及びジメチルスルホキシドのような多種多様な無毒の薬学的に許容可能な溶媒を認識するであろう。
【0045】
一般式Iの化合物は、従来の無毒の薬学的に許容可能な担体、補助剤、及びビヒクルを含有する投薬単位処方として、経口的、局所的、非経口的に、吸入若しくはスプレーにより、又は直腸に投与されてもよい。丸薬、カプセル、エリキシル、シロップ、ロゼンジ、トローチなどの形態での経口投与が特に好ましい。本明細書で使用するとき、非経口という用語には、皮下注射、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄内、髄腔内への注射又は同様の注射若しくは注入技術が包含される。さらに、一般式Iの化合物及び薬学的に許容可能な担体を含む製剤処方が提供される。1つ以上の一般式Iの化合物が、1つ以上の無毒の薬学的に許容可能な体及び/又は希釈剤及び/又は補助剤、並びに所望の場合には他の活性成分とともに存在していてもよい。一般式Iの化合物を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散性の粉末若しくは顆粒、エマルション、硬質若しくは軟質カプセル、又はシロップ若しくはエリキシルのような、経口使用に好適な形とすることができる。
【0046】
経口使用を意図する組成物は、当該技術分野で既知の医薬組成物製造のための方法に従って調製することができ、このような組成物は、医薬品として見た目も味も良い処方を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、及び防腐剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含有してもよい。錠剤は、錠剤の製造に好適な無毒の薬学的に許容可能な賦形剤と混合された活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;顆粒化剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム、並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってもよい。錠剤はコーティングされていなくてもよく、又は消化管での崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長期間にわたる持続的作用が得られるよう、公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。
【0047】
経口使用のための処方は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が水若しくは油媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パフィン若しくはオリーブ油と混合されている軟質ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
【0048】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合された活性材料を含有する。このような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムであり;分散剤又は湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンであってもよい。水性懸濁液は、1つ以上の防腐剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及び1つ以上の甘味剤、例えば、スクロース又はサッカリンも含有してもよい。
【0049】
油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはヤシ油中、又は流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることによって処方することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有してもよい。味の良い経口製剤を提供するために、上述のような甘味剤、及び香味剤を添加してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤を添加することによって保存されてもよい。
【0050】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性の粉末及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び1つ以上の防腐剤と混合された活性成分を提供する。好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に上述したものによって例示される。さらなる賦形剤、例えば甘味剤、香味剤、及び着色剤も存在してもよい。
【0051】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブ油若しくはラッカセイ油、又は鉱油、例えば、流動パラフィン又はこれらの混合物であってもよい。好適な乳化剤は、天然ゴム、例えば、アラビアゴム若しくはトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば、大豆、レシチン、並びに脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導されるエステル若しくは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、並びに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってもよい。エマルションは、甘味剤及び香味剤も含有してもよい。
【0052】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースとともに処方されてもよい。このような処方は、鎮痛薬、防腐剤並びに香味及び着色剤も含有してもよい。
【0053】
化合物は、薬物の直腸投与又は膣投与のための坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、薬物を、常温では固体であるが、直腸又は膣温度では液体となり、そのため直腸又は膣内で融解して薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料としては、カカオバター及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0054】
医薬組成物は、無菌の注射可能な水性又は油性の懸濁液の形態であってもよい。当該懸濁液は、上述した好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を用いて公知技術に従って処方することができる。無菌注射用製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール溶液のような、非経口的に許容される無毒の希釈剤又は溶媒を用いた無菌の注射可能な溶液又は懸濁液とすることができる。使用してもよい許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンガー溶液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、従来から、溶媒又は懸濁媒体として使用される。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを包含する任意の無刺激性の不揮発性油を使用してもよい。さらに、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の調製に使用されている。
【0055】
本発明の化合物は、当業者に公知の方法を用いて経皮投与することもできる(例えば:Chien;“transdermal Controlled Systemic Medications”;Marcel Dekker,Inc.;1987.Lipp et al.国際公開第94/04157号パンフレット(1994年3月3日)参照)。
【0056】
一般式Iの化合物は、滅菌媒体中で非経口投与されてもよい。使用するビヒクル及び濃度によるが、薬物をビヒクルに懸濁又は溶解させることができる。有利なことに、局所麻酔剤、防腐剤及び緩衝剤のような補助剤をビヒクルに溶解することができる。
【0057】
ヒト以外の動物に投与するために、組成物を動物の飼料又は飲料水に添加してもよい。これらの動物飼料用及び動物飲料水用の組成物を、動物がその食餌とともに適正量の組成物を摂取するように配合するのが好都合であろう。組成物を飼料又は飲料水への添加用プレミックスとして提供することも好都合であろう。
【0058】
式Iの化合物に関して本明細書に開示される全ての使用レジメンについて、1日当たりの経口投与量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mg/Kg全体重であろう。静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、及び非経口注射などの注射、並びに注入技術の使用による投与のための1日投与量は、好ましくは0.01〜200mg/Kg全体重であろう。1日当たりの直腸投与量レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/Kg全体重であろう。1日当たりの膣投与量レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/Kg全体重であろう。1日当たりの局所投与量レジメンは、好ましくは、0.01〜200mgを1日に1〜4回の投与であろう。経皮濃度は、好ましくは、0.01〜200mg/Kgの1日用量を維持するのに必要とされる濃度であろう。1日当たりの吸入投与量レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/Kg全体重であろう。
【0059】
しかしながら、任意の特定の患者についての具体的な用量レベルは、使用する特定の化合物の活性、年齢、体重、全身健康、性別、食餌、投与の時間、投与経路、排泄速度、薬物の組合せ、及び治療を受けている特定の疾患の重症度を包含する種々の要因によって決まることが理解されるであろう。
【0060】
本発明の好ましい化合物は特定の薬理学的特性を有する。このような特性としては、経口バイオアベイラビリティ、低毒性、低血清タンパク質結合並びに望ましいインビトロ及びインビボ半減期が挙げられるが、これらに限定されない。バイオアベイラビリティを予測するために使用されるアッセイは、ヒト腸細胞単層、例えばCaco−2細胞単層を横断する輸送を包含する。培養肝細胞に対する毒性を使用して、化合物の毒性を予測することができる。血清タンパク質結合は、アルブミン結合アッセイから予測することができる。化合物の半減期は、化合物の投与頻度に反比例する。化合物のインビトロ半減期は、ミクロソーム半減期のアッセイから予測することができる。
【0061】
本発明の調製の代表的な実例をスキームI〜スキームIIに示す。当業者は、本発明によって包含される化合物を生成するために、出発材料を変えることができ、追加の工程を利用することができることを理解するであろう。
【0064】
限定するものではないが、次の式IIの例は、スキームI〜スキームIIに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0065】
【化4】
(式中、
W及びZはO、又はN−Rから各々独立して選択され;
GはC−R、又はNから選択され;
RはHであり;
R
1、R
2、R
3及びR
8はH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシから各々独立して選択され;
R
4及びR
5はH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、低級アルコキシ、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル、低級アルキルヘテロシクリル、t−ブチル−OC(=O)−、ベンジル−OC(=O)−、4−メトキシベンジル−OC(=O)−から各々独立して選択され;
R
6、R
7及びR
9はHであり;
R
10はフェニル、置換フェニル、又はヘテロシクリルから選択され;
b及びdは1、2又は3から選択され;
環Qはフェニル、置換フェニル又はピリジンから選択される);
又はその薬学的に許容可能な塩。
【0066】
限定するものではないが、次の式IIIの例も、スキームI〜スキームIIに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0067】
【化5】
(式中、
WはO、又はN−Rから選択され;
GはC−R、又はNから選択され;
RはHであり;
R
1及びR
2はH、ハロゲン、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシから各々独立して選択され;
R
4及びR
5はH、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、低級アルコキシ、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル、低級アルキルヘテロシクリル、t−ブチル−OC(=O)−、ベンジル−OC(=O)−、4−メトキシベンジル−OC(=O)−から各々独立して選択され;
R
10はフェニル、置換フェニル、又はヘテロシクリルから選択される);
又はその薬学的に許容可能な塩。
【0068】
限定するものではないが、次の式IVの例も、スキームI〜スキームIIに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0069】
【化6】
(式中、
R
1は2−F又は3−Fから選択され;
R
5はH、ハロゲノ低級アルキル、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルシクロアルキル、アリール、低級アルキルアリール、ヘテロシクリル、低級アルキルヘテロシクリル、t−ブチル−OC(=O)−、ベンジル−OC(=O)−、4−メトキシベンジル−OC(=O)−から選択され;
R
10はフェニル、置換フェニル、又はピリジンから選択される);
又はその薬学的に許容可能な塩。
【0070】
限定するものではないが、次の例も、スキームI〜スキームIIに記載された方法に従って同様に調製することができる。
【0074】
【化10】
又はその薬学的に許容可能な塩。
【0075】
場合によっては、上記の変換のいくつかを達成するために、特定の反応性官能基の保護が必要となる場合がある。一般に、このような保護基の必要性は、このような基を付加及び除去するのに必要な条件と共に、有機合成分野の当業者に明らかであろう。当業者は、特定の例において、上記の変換のいくつかを達成するために、様々な溶媒又は試薬を利用する必要があることを理解するであろう。
【0076】
特許を含む、全ての論文及び参考文献の本出願における開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
本発明を以下の実施例でさらに説明するが、これらの実施例は、範囲又は精神において、本発明をそこに記載の特定の手順に限定するものと解釈されるべきではない。
【0078】
出発材料及び各種中間体は、商業的供給源から入手するか、市販の有機化合物から調製するか、又は周知の合成方法を用いて調製することができる。
【0079】
本発明の中間体の代表的な調製方法を以下の実施例で示す。
【0080】
次の略語を使用し、他のものは全て標準的な化学式表示である。
EtOH:エタノール、MeOH:メタノール、RT:室温、DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン、DCM:ジクロロメタン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、EtOAc:酢酸エチル、HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、MsCl:塩化メタンスルホニル、eq:当量、g:グラム、mg:ミリグラム、ml:ミリリットル。
【実施例1】
【0081】
4−メトキシベンジル−1−((4−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)−フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
【0082】
メチル1−((4−クロロ−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロパン−カルボキシレート(29.2g、US12036244)及び2−フルオロ(fluro)−4−ニトロフェノール(20.5mg)のピリジン(50ml)中混合物を110°Cで4時間加熱し、冷却した。該反応を蒸発処理し、水(300ml)を添加してさらに20分間超音波処理した。固体を濾過し、水、続いてアセトンで洗浄して、生成物をメチル1−((4−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロパンカルボキシレート(32g)として得た。この生成物(3.9g)をLiOH(0.82g)とTHF/H
2O(40ml/20ml)中で混合し、該混合物を4時間還流した。該溶液を蒸発処理し、AcOHで酸性化した。沈殿物を濾過し、水、続いてアセトンで洗浄して、生成物を1−((4−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロ−プロパンカルボン酸として得た。この酸(1g)をDIPEA(0.53ml)とアセトン(50ml)中で混合し、0℃にて冷却した。該反応混合物にイソブチルクロロホルメートをゆっくりと添加し、さらに0℃にて1時間撹拌した。反応にNaN
3(1.52g)の水(2ml)溶液を添加し、さらに0℃で2時間撹拌した。反応にEtOAc(100ml)を添加し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶液を約10mlまで蒸発し、トルエン(70ml)を添加した後、4−メトキシベンジルアルコールを添加した。該溶液を4時間還流し、冷却し、EtOAc(50ml)及び水(50ml)を添加して、さらにEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶液を蒸発処理し、シリカゲルカラムを用いて精製し、Fe粉末(1g)及びNH
4Cl(100mg)とEtOH/H
2O(20ml、16ml/4ml)中で混合された4−メトキシベンジル1−((4−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)−メチル)シクロプロピル−カルバメート(850mg)を得た。溶液を2時間還流し、セライトを通して濾過し、MeOHで洗浄した。濾液を蒸発処理し、水及びDCMで分配し、水層をさらにDCMで2回抽出した。有機層を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。該溶液を蒸発処理して、さらなる精製なく次の工程に使用するための4−メトキシベンジル1−((4−(2−フルオロ−4−アミノフェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート(650mg)を得た。
【0083】
1−(メトキシカルボニル)シクロプロパンカルボン酸(4.2g)及び4−フルオロアニリン(3.3g)のDCM(40ml)中混合物に、EDC(7.4g)及びHOBt(4g)を添加し、反応をRTにて4時間撹拌し、1N HCl、NaHCO
3溶液、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶液を蒸発処理し、残渣をNaOH(3.2g)及びMeOH/H
2O(60ml/6ml)と混合した。混合物を30分間還流した後、蒸発処理した。残渣を4N HClで酸性化し、沈殿を濾過した。濾過ケークを水、続いて冷EtOHで洗浄し、生成物を1−(4−フルオロフェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸2.8gとして得た。この生成物(1.8g)をDCM(30ml)及び2滴のDMFと混合した。塩化オキサリル(1.2ml)を前記溶液に添加し、反応を1時間還流した。溶媒を除去した後、DCM(20ml)及びDIPEA(1.3ml)を添加した。上記溶液に4−メトキシベンジル1−((4−(2−フルオロ−4−アミノフェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)−メチル)シクロプロピルカルバメート(1.5g)を添加し、反応をRTにて4時間撹拌した。飽和NaHCO
3(30ml)及びDCM(80ml)を前記反応に添加し、該溶液をさらにDCMで2回抽出した。有機層を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶液を蒸発処理し、シリカゲルカラムで精製して表題の化合物2.1グラムを得た。質量:(M+1)、739。
【実施例2】
【0084】
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0085】
実施例1(2.1g)の生成物を10%TFA/DCM(50ml)と混合し0℃にて2時間撹拌した。飽和NaHCO
3(80ml)を該溶液に0℃にて添加し、該溶液をさらにEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。該溶液を蒸発処理して、さらなる精製なく次の工程に使用するための表題化合物を得た。質量:(M+1)、575。
【実施例3】
【0086】
N−(3−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0087】
実施例2(200mg)の生成物をテトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(45mg)、NaHB(OAc)
3(96mg)及びHOAc(42mg)とDCM(5ml)中で混合した。反応混合物を30℃にて一晩撹拌した。飽和NaHCO
3(20ml)を該反応に添加し、該溶液をさらにEtOAcで2回抽出した。有機層を合わせたものを水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。該溶液を蒸発処理し、分取用TLCプレートで精製して、表題化合物を得た。質量:(M+1)、659。
【実施例4】
【0088】
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0089】
表題化合物を、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンの代わりにシクロヘキサノン
を使用することによって、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、657。
【実施例5】
【0090】
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0091】
表題化合物を、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンの代わりにシクロプロパンカルバルデヒドを使用することによって、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、629。
【実施例6】
【0092】
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0093】
表題化合物を、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オンの代わりにシクロペンタノンを使用することによって、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、643。
【実施例7】
【0094】
4−メトキシベンジル1−((4−(4−(1−(3,4−ジフルオロフェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)−3−フルオロ−フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
【0095】
表題化合物を、1−(4−フルオロフェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸の代わりに1−(3,4−ジフルオロフェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸を使用することによって、実施例1と同様の方法で調製した。2−フルオロ−4−ニトロフェノールの代わりに3−フルオロ−4−ニトロフェノールを使用した。質量:(M+1)、757。
【実施例8】
【0096】
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0097】
表題化合物を、実施例1の生成物の代わりに実施例7の生成物を使用することによって、実施例2と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、593。
【実施例9】
【0098】
N−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−(2−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−シクロプロピル)メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0099】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することによって、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、677。
【実施例10】
【0100】
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0101】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することによって、実施例4と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、675。
【実施例11】
【0102】
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0103】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することによって、実施例5と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、647。
【実施例12】
【0104】
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(3,4−ジフルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0105】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例8の生成物を使用することによって、実施例6と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、661。
【実施例13】
【0106】
4−メトキシベンジル1−((4−(4−(1−(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボキサミド)−2−フルオロ−フェノキシ)−6−メトキシキノリン−7−イルオキシ)メチル)シクロプロピルカルバメート
【0107】
表題化合物を、1−(4−フルオロフェニルカルバモイル)−シクロプロパンカルボン酸の代わりに1−(フェニルカルバモイル)シクロプロパンカルボン酸を使用することによって、実施例1と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、721。
【実施例14】
【0108】
N−(4−(7−((1−アミノシクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0109】
表題化合物を、実施例1の生成物の代わりに実施例13の生成物を使用することによって、実施例2と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、557。
【実施例15】
【0110】
N−(フェニル)−N−(2−フルオロ−4−(6−メトキシ−7−((1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)シクロプロピル)−メトキシ)キノリン−4−イルオキシ)フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0111】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例14の生成物を使用することによって、実施例3と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、641。
【実施例16】
【0112】
N−(4−(7−((1−(シクロヘキシルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0113】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例14の生成物を使用することによって、実施例4と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、639。
【実施例17】
【0114】
N−(4−(7−((1−(シクロプロピルメチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0115】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例14の生成物を使用することによって、実施例5と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、611。
【実施例18】
【0116】
N−(4−(7−((1−(シクロペンチルアミノ)シクロプロピル)メトキシ)−6−メトキシキノリン−4−イルオキシ)−2−フルオロフェニル)−N−(フェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミド
【0117】
表題化合物を、実施例2の生成物の代わりに実施例14の生成物を使用することによって、実施例6と同様の方法で調製した。質量:(M+1)、625。
【0118】
塩生成の実施例:
実施例1〜18から1つの化合物(100mg)をEtOAc(1ml)に溶解し、該溶液に2N HCl/エーテル溶液(0.5ml)を添加した。溶液を蒸発して、オフホワイトの固体をそのHCl塩として得た。
【0119】
実施例1〜18から1つの化合物(100mg)をEtOH(1ml)と混合し、該混合物に酒石酸(80mg)を添加した。反応を30分間還流し、室温にて冷却した。沈殿を濾過し、酒石酸塩を得た。
【0120】
その他の薬学的に許容可能な塩、例えば、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸;又はコハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸(citic)、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンルスホン酸、ナフタレンスルホン酸の塩を同様の方法で調製することができる。EtOH、MeOH又はイソプロパノール並びにその他の薬学的に許容可能な溶媒を用いて、より高い温度で調製することができる。
【0121】
処方の実施例:
以下は処方の実施例であるが、これらは純粋に例示的なものであり、いかなる形でも制限的なものとして解釈されるべきでない。
【0122】
処方例1:
1カプセルが以下を含有する:
実施例1〜18から1つの化合物 100.0mg
トウモロコシデンプン 23.0mg
カルシウムカルボキシメチルセルロース 22.5mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg
150.0mg
【0123】
処方例2:
溶液が以下を含有する:
実施例1〜18から1つの化合物 1〜10g
酢酸又は水酸化ナトリウム 0.5〜1g
p−ヒドロキシ安息香酸エチル 0.1g
精製水 88.9〜98.4g
100.0g
【0124】
処方例3:
飼料混合用粉末が以下を含有する:
実施例1〜18から1つの化合物 1〜10g
トウモロコシデンプン 98.5〜89.5g
軽質無水ケイ酸 0.5g
100.0g