(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の二次電池と、一方の二次電池の正極端子と他方の二次電池の負極端子とを接続する接続部材とを有し、該接続部材により前記複数の電池が直列に接続されて二次電池列を構成している電池ユニットであって、
二次電池列の一方側の端に配された第1二次電池と、二次電池列の他端の端部に配された第2二次電池とを備え、
前記二次電池列を構成する他の二次電池の正極端子及び負極端子はアルミニウムからなり、
前記第1二次電池は、前記接続部材により他の二次電池と接続されていない末端正極端子を有し、
前記第2二次電池は、前記接続部材により他の二次電池と接続されていない末端負極端子を有し、
前記末端正極端子と前記末端負極端子は、水又は水溶液に接触しても不動態皮膜を形成しない皮膜無形成金属材料を露出した状態であり、
前記末端正極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、水素よりもイオン化傾向が大きい金属からなり、
前記末端負極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、水素よりもイオン化傾向が小さい金属からなり、
前記接続部材は、導電部と、導電部の表面に形成され前記導電部を水又は水溶液から離間させる、不動態皮膜又は絶縁物からなる被覆層である皮膜層とを有し、
前記末端正極端子は、全体が前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属で形成されているか、又は、アルミニウムからなる第1電極部と、該第1電極部の少なくとも一部に設けられ前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属で形成されている第2電極部とからなり、前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属が水又は水溶液中でイオン化する機能を有することを特徴とする電池ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような放電方法を単電池ではなく電池ユニットに適用するために電池ユニットを水又は水溶液に浸漬させて放電させようとすると、放電が進行しないことがある。これは、正極端子のアルミニウムに皮膜が形成されてしまうことで、電池の放電が行われにくくなるからである。また、放電時にバスバーに用いられている銅が水と反応することで水素が発生してしまうことがあるため、安全性をより向上させることが求められている。
【0006】
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決することにあり、放電時にエネルギーの放電を安全に効率よく行うことができる電池ユニットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電池ユニットは、複数の二次電池と、一方の二次電池の正極端子と他方の二次電池の負極端子とを接続する接続部材とを有し、該接続部材により前記複数の電池が直列に接続されて二次電池列を構成している電池ユニットであって、二次電池列の一方側の端に配された第1二次電池と、二次電池列の他端の端部に配された第2二次電池とを備え、
前記二次電池列を構成する他の二次電池の正極端子及び負極端子はアルミニウムからなり、前記第1二次電池は、前記接続部材により他の二次電池と接続されていない末端正極端子を有し、前記第2二次電池は、前記接続部材により他の二次電池と接続されていない末端負極端子を有し、前記末端正極端子と前記末端負極端子は、水又は水溶液に接触しても
不動態皮膜を形成しない皮膜無形成金属材料を露出した状態であり、
前記末端正極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、水素よりもイオン化傾向が大きい金属からなり、前記末端負極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、水素よりもイオン化傾向が小さい金属からなり、前記接続部材は、導電部と、導電部の表面に形成され前記導電部を水又は水溶液から離間させる
、不動態皮膜又は絶縁物からなる被覆層である皮膜層とを有
し、前記末端正極端子は、全体が前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属で形成されているか、又は、アルミニウムからなる第1電極部と、該第1電極部の少なくとも一部に設けられ前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属で形成されている第2電極部とからなり、前記水素よりもイオン化傾向が大きい金属が水又は水溶液中でイオン化する機能を有することを特徴とする。
【0008】
本発明では、前記末端正極端子と前記末端負極端子は、水又は水溶液に接触しても
不動態皮膜を形成しない皮膜無形成金属材料を露出して構成されることで、末端の端子において
不動態皮膜が形成されないことから、効率的に放電を行うことが可能である。また、前記接続部材は、導電部と、
不動態皮膜又は絶縁物からなる被覆層である皮膜層とを有することで接続部材からの水素の発生を抑制できる。
【0009】
前記末端正極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、
鉄及び鉛から選択される一種又はその合金であることが好ましい。
鉄及び鉛から選択される一種又はその合金であることで、効率的に電池の放電を促進することが可能である。
【0010】
前記末端負極端子を構成する皮膜無形成金属材料は、
銅、銀、金及び白金からなる群から選択される一種又はその合金であることが好ましい。
銅、銀、金及び白金からなる群から選択される一種又はその合金であることで、皮膜無形成金属材料の溶出を抑制することができる。
【0011】
前記接続部材は、水又は水溶液に接触するとその表面に
不動態皮膜が形成されて前記皮膜層とすることができる
、チタン、亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる群から選択される皮膜形成金属材料を露出した状態であり、該皮膜形成金属材料を前記導電部として有することが好ましい。このような皮膜形成金属材料を用いることで、簡易に接続部材を構成することができると共に放電時においてのみ効率的に水素の発生を抑制することができる。
【0012】
前記二次電池列を構成する二次電池のうち、前記第1二次電池以外の二次電池の正極端子及び前記第2二次電池以外の二次電池の負極端子は、
前記アルミニウムを露出した状態であることが好ましい。前記第1二次電池以外の二次電池の正極端子及び前記第2二次電池以外の二次電池の負極端子は、
アルミニウムを露出した状態であることで、これらの端子からの水素の発生を抑制することができる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態としては、前記末端正極端子では、
前記第2電極部は前記第1電極部の先端
又は基端部に設けられ、該第2電極部は鉄からなり、前記末端負極端子は銅
又は銅合金からなることが挙げられる。
【0014】
前記第1二次電池と、前記第2二次電池とは隣接して設置されていることが好ましい。このように設置されることで、電池の放電をより効率的に行うことが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電池ユニットによれば、放電時にエネルギーの放電を安全に効率よく行うことができるという効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、車載用の電池パック(電池ユニット)10は、例えば、電気自動車である電動車両Iの底部(フロア下)に搭載される。電池パック10には、二次電池(リチウムイオン二次電池)が搭載されて、電動車両Iの走行用モータ等に電力を供給する。
【0018】
図2〜
図3を用いて電池パックについて詳細に説明する。電池パック10は、電池パックケース2を有する。電池パックケース2内部には、二次電池1が整列されて配置されている。具体的には、
図2に示すように、電池パックケース2の長手方向に沿って複数の二次電池1が列設されており、二次電池1の列が二列形成されている。
【0019】
二次電池1は、略直方体形状のケース11と、ケース11の開口部に配されてケース11を封止する蓋部12とを備える。ケース11内部は電解液によって満たされており、電極体がこの電解液中に浸漬されている。電極体は、正極板と負極板とがセパレータを介して積層し、これを巻回することで構成されている。
【0020】
負極板は、通常用いられる負極活物質を含む。通常用いられる負極活物質としては、通常用いられる活物質、例えば金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、および黒鉛等の炭素系材料等を挙げることができる。金属酸化物としては、例えばスズ酸化物やケイ素酸化物などの不可逆性容量をもつものが挙げられる。炭素系材料としての黒鉛としては、人造黒鉛であっても天然黒鉛であっても良い。
【0021】
正極板は、通常用いられる正極活物質を含む。正極板は、通常用いられる正極材料からなる。通常用いられる正極材料としては、例えばリチウムを吸蔵および放出可能な金属酸化物、例えば層状構造型の金属酸化物、スピネル型の金属酸化物及び金属化合物、金属酸化物などが挙げられる。層状構造型の金属酸化物としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、三元系複合酸化物(LiCo
1/3Ni
1/3Mn
1/3O
2)が挙げられる。リチウムニッケル系複合酸化物としては、好ましくはニッケル酸リチウム(LiNiO
2)が挙げられる。リチウムコバルト系複合酸化物としては、好ましくはコバルト酸リチウム(LiCoO
2)が挙げられる。スピネル型の金属酸化物としては、マンガン酸リチウム(LiMn
2O
4)等のリチウムマンガン系複合酸化物が挙げられる。金属酸化物としては、リン酸鉄リチウム(LiFePO
4)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO
4)、リン酸シリコンリチウム等が挙げられる。
【0022】
正極板及び負極板にはそれぞれさらにバインダーが含有されていてもよく、例えばポリフッ化ビニリデンを用いることができる。なお、活物質層にはアセチレンブラック等の導電性向上剤、電解質(例えば、リチウム塩(支持電解質)、イオン伝導性ポリマー等)が含まれていてもよい。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
【0023】
電解液は、通常用いられる電解質、例えば環状炭酸エステルであるエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートと、また、鎖状炭酸エステルでありジメチルカーボネートやエチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートとの混合溶液に六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)を1モル濃度程度溶解した有機電解液が挙げられる。
【0024】
各二次電池1の蓋部12には正極端子13と、負極端子14とが設けられている。本実施形態では、正極端子13及び負極端子14はアルミからなる。正極端子13及び負極端子14は、それぞれ蓋部12を貫通してケース11の内部にまで延設されて、正極端子13には、電極体の正極板が接続される。また、負極端子14には電極体の負極板が接続される。このように構成されることで、電解液中の電極体でリチウムイオンが移動することにより充放電が行われ、この充放電による電流を各端子から取り出すことが可能である。
【0025】
二次電池1は、一つの列において、隣り合う二次電池同士は、正極端子13と負極端子14とが交互に隣接するように配されている。即ち、各列において、正極端子13と負極端子14とが交互に二次電池1の列設方向に配されるように、二次電池1がその向きを変えて配置されている。
【0026】
バスバー21は、アルミからなる上面視において矩形状の板状部材であり、長手方向の端部に二つの貫通孔22を有している。各貫通孔22を一つの電池の正極端子13と、隣接する電池の負極端子14とを挿入し嵌合させることで、同列間で隣接する各二次電池1を直列に接続している。列設されている二次電池の列の端部に位置する二次電池1Xは、異なる列に位置するがその短手方向において隣接する二次電池1Yとバスバー21により接続されている。即ち、電池パック10において、このバスバー21により、それぞれ隣接する二次電池1の負極端子14と正極端子13とが接続され、全ての二次電池1が直列接続された二次電池列15(
図4参照)を形成している。
【0027】
直列接続されている二次電池列15の両端に配されている二次電池(第1二次電池)1Aと二次電池(第2二次電池)1Bでは、それぞれ正極端子(末端正極端子)13A、負極端子(末端負極端子)14Bはバスバー21に接続されていない。これらの正極端子13A、負極端子14Bは、図示しない電動車両に搭載された電装系ユニット(例えばインバータ)に接続されて、電装系ユニットに電力を供給できるように構成されている。
【0028】
正極端子13Aは、アルミからなる第1正極端子部16と、第1正極端子部16の先端に第1正極端子部16と同一径で設けられた鉄からなる第2正極端子部17とを有する。
【0029】
本実施形態では、電池パック10は上述のように端子及びバスバーが構成されていることから、電池パック10は大きな出力を得ることができる電動車両Iの電力源として機能することができる。
【0030】
また、電池パック10では、電池パック10を水中に浸漬させてエネルギー放出を行う際に効率的に二次電池1内に残存した電力を放出することができ、かつ、電力放出時の水素の発生を抑制することが可能である。以下、この点について
図4を用いて説明する。
【0031】
図4は、本実施形態における直列に接続された二次電池列15における構造を概念的に示すものである。直列に二次電池1が接続された二次電池列15の一方側の末端に配された二次電池1Aでは、正極端子13Aにはバスバー21が接続されておらず、負極端子14がバスバー21により下流側の隣接する二次電池1と接続されている。また、直列に接続された二次電池1の他方側の末端に配された二次電池1Bでは、負極端子14Bがバスバー21には接続されておらず、正極端子13がバスバー21により上流側の隣接する二次電池1と接続されている。上述のように、二次電池1では、各端子はそれぞれ電極体における正極23、負極24に接続されているので、
図4中概念的にその様子を示している。
【0032】
このような二次電池列15を有する電池パック10のエネルギーを安全に放出させる場合、電池パック10を水中に浸漬することが考えられる。電池パック10を水中に浸漬した場合、正極端子13Aの先端の第2正極端子部17の表面において、鉄(Fe)イオンが水中に溶け出す。第2正極端子部17の表面で鉄イオンが発生することで発生した電子(e)が第2正極端子部17から正極23側に移動する。
【0033】
一方で、第2正極端子部17から電子が正極23側に移動することで、リチウム(Li)イオンが負極24側から正極23側に移動するので、このリチウムイオンと正極23に移動してきた電子とが反応する。
【0034】
リチウムイオンが負極24側から放出されたことにより、負極24から電子が負極端子14、バスバー21を介して隣接する二次電池1の正極端子13に向かって移動する。
【0035】
そして、隣接する二次電池1に電子が入力されることで、隣接する二次電池1では負極24からリチウムイオンが放出され、これにより放出された電子がさらに隣接する二次電池1の正極端子13に移動する。
【0036】
そして、末端の二次電池1Bでは、隣接した二次電池1の負極端子14から電子が正極端子13に流入することで、二次電池1Bでは負極24から正極23に向かってリチウムイオンが放出される。リチウムイオンが放出されたことで、負極24から負極端子14Bへ電子が流れ、負極端子14Bの先端表面で電子が水素(H)イオンと反応する。これにより、二次電池列15からエネルギーが放出される。
【0037】
このようにして、本実施形態では二次電池列15において効率的に電池パック10からエネルギーを放出することが可能である。即ち、二次電池列15における末端の二次電池1Bの負極端子14Bを、他の二次電池1と同様にアルミから構成すると、二次電池1Bでは負極端子14Bに皮膜25が形成されてしまい、電子が水素イオンと反応しにくいため、効率的にエネルギーを放出することができない。また、二次電池列15における末端の二次電池1Aの正極端子13Aを、他の二次電池1と同様にアルミのみから構成すると、二次電池1Bでは正極端子13に皮膜25が形成されてしまい、正極端子13A側で電子が発生しにくくなり、電子の正極23への流入が生じにくいのでエネルギー放出が行われにくい。
【0038】
そこで本実施形態では、二次電池1Aの正極端子13Aの先端に鉄からなる第2正極端子部17を設けて、鉄イオンが発生して電子が正極23に流入するように構成すると共に、負極端子14Bには銅を用いることで、電子が水素と反応しやすいように構成されている。これにより、効率的に電子が二次電池列15において流れるのでエネルギー放出を効率的に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態では、第1正極端子部16、正極端子13、負極端子14及びバスバー21はそれぞれアルミからなり、水中ではアルミ表面には酸化アルミニウムである皮膜25が形成されている。皮膜25が形成されることで、バスバー21、正極端子13及び負極端子14において電子が水中の水素イオンと反応して水素が発生されることが抑制される。この場合に、負極端子14B表面では電子が水素イオンと反応することで水素が発生するが、他の負極端子14はアルミからなり表面には皮膜25が形成されることで電子が水素イオンと反応しにくいので水素が発生しにくい。水素の発生量は水素イオンと反応する金属量によるが、本実施形態では端子等の表面に皮膜25が形成されることで極力水素イオンと反応しないように構成されている。従って、本実施形態では、エネルギー放出時において水素の発生量が少ない。
【0040】
上述したように効率的にエネルギーを放出しつつ、かつ水素の発生量を抑制するためには、負極端子14Bは、水又は水溶液に接触しても表面に不導体皮膜を形成しない金属(皮膜無形成金属材料)を表面に露出させていることが挙げられる。皮膜を形成する金属である場合には、負極端子の表面に皮膜を形成してしまい、電子が水素と反応できずにエネルギー放出が十分に行われない可能性がある。また、負極端子14Bを構成する溶液中で表面に不導体皮膜を形成しない金属は、水素よりもイオン化傾向が小さくて溶出しにくいものであると好ましい。水素イオンよりもイオン化傾向が高いと、端子部が溶出して電池内部に溶液が浸入するおそれがあるからである。このような金属としては、銅、銀、金、白金などが挙げられ、本実施形態では上述のように銅を用いている。
【0041】
また、正極端子13Aは、水又は水溶液に接触しても表面に不導体皮膜を形成しない金属を表面に露出させていることが挙げられる。不導体皮膜を形成すると、水中で鉄イオンを放出しにくいからである。また、正極端子13Aは、水素よりもイオン化傾向が大きいことが好ましい。水素よりもイオン化傾向が小さいと十分に水中で反応して電子を正極23に流入させることができないからである。また、このような金属としては、鉄や鉛が挙げられるが、鉛は適用しにくいため、本実施形態に挙げた鉄が好ましい。
【0042】
なお、上記正極端子13A及び負極端子14Bについては不導体皮膜を形成しない金属としたが、これらの金属を用いた合金から構成してもよい。
【0043】
本実施形態では、正極端子13Aの先端に第2正極端子部17を設けたが、正極端子13Aの少なくとも一部に第2正極端子部17としての機能、即ち鉄イオンが発生して電子が正極23に流入するように構成すればよい。例えば、正極端子13A全体を鉄で構成することも可能であり、また、正極端子13Aの基端部、即ち蓋部12側に第2正極端子部17を設けてもよい。
【0044】
バスバー21としては、電子と水中の水素とを反応させないように、導電部の表面に形成され前記導電部を水又は水溶液から離間させる皮膜層が形成されているものであればよい。皮膜層に覆われている金属、例えば表面を完全に樹脂などの絶縁物で覆った電線を用いてもよく、水中において表面に皮膜層を有し、この皮膜層により導電部を水又は水溶液から離間(隔絶)させるものであればよい。例えばバスバー21をチタン、亜鉛、マグネシウム、アルミ等を用いて構成することで、導電部としてこれらの金属が機能すると共に、水又は水溶液に浸漬させた場合に被膜層が形成されることで導電部を水又は水溶液から隔絶できる。本実施形態ではアルミを用いてバスバー21としている。
【0045】
このような本実施形態の電池を水に浸漬させた場合には放電を効率的に行うことができたが、全ての端子がアルミからなる電池の場合には、水に浸漬させたとしても1ヶ月以上放電することができなかった。これは全ての端子がアルミからなる電池では、末端の正極端子及び負極端子にも皮膜層が形成されたからであり、本実施形態の電池のように末端の正極端子及び負極端子には水又は水溶液に接触しても皮膜層が形成されない金属を用いることが好ましいことが分かった。
【0046】
さらにまた本実施形態では、
図2に示すように、正極端子13Aと負極端子14Bとが隣接するように二次電池1A、1Bが設置されている。このように正極端子13Aと負極端子14Bとが近接して設置されていることで、より効率的に二次電池列15においてエネルギーが放出されてやすい。従って、本実施形態ではより効率的にエネルギーを放出することが可能である。
【0047】
本実施形態では、電池パックを水に浸漬させることでエネルギー放出を行ったが、これに限定されない。海水など、水を主成分とする水溶液中に浸漬させることでエネルギー放出を行うことができる。
【0048】
本実施形態では、電気自動車を例として説明したが、これに限定されない。ハイブリッド車両等に用いられる電池パックに適用することも可能である。