(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939455
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
B65D 19/18 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
B65D19/18
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-213523(P2011-213523)
(22)【出願日】2011年9月28日
(65)【公開番号】特開2013-71767(P2013-71767A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102738
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 攻一郎
【審査官】
山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−329969(JP,A)
【文献】
米国特許第05743422(US,A)
【文献】
特開2008−114913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周縁部に周溝を有するパレットと、該周溝に下端部が差し込み可能な筒体と、
該筒体の外周面を囲むように、高さ方向同一面上に水平に保持される環状定形フレームと
を有し、前記パレットの上面と、前記筒体の内周面とにより構成されるスペース内に充填
物が収納可能な組み立て式コンテナにおいて、
前記筒体の外周面に、前記環状定形フレームを高さ方向同一面上に保持可能な凹部または
凸部が設けられ、充填物を前記スペース内に収納した際、前記筒体の上周縁に蓋を被せる
ことが可能なように、前記凹部または凸部が前記筒体の所定高さに設けられている、こと
を特徴とする組み立て式コンテナ。
【請求項2】
前記筒体は、樹脂製であり、それぞれ直交部にヒンジ部を有する、2つのL字状板材から
なり、ヒンジ部の回動軸線が鉛直方向を向くように、それぞれのL字状板材の端縁部同士
を組み付けることにより筒状に形成されている、請求項1に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項3】
前記環状定形フレームは、金属製であり、2つのコの字状部材からなり、それぞれのコの
字状部材の開放部を対向するように組み付けることにより環状に形成されている、請求項
2に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項4】
前記2つのL字状板材の各々は、一方の端縁部に、ヒンジ部を介してフラップ部を有し、
他方の端縁部にフラップ部を有し、一方のL字状板材の一方の端縁部のフラップ部を該ヒ
ンジ部で屈曲させて他方のL字状板材の他方の端縁部のフラップ部に重ね合わせることに
より組み付けられている、請求項3に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項5】
前記L字状板材は、一体成形されている、請求項4に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項6】
前記環状定形フレームの内周部は、前記凹部と相補形状を有し、前記
凹部は、コの字断面の環状の周溝を構成し、前記環状定形フレームは、その環状方向に直
交する断面が、矩形断面を有する、請求項1に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項7】
前記周溝は、前記環状定形フレームを前記周溝に嵌め込んだ場合に、前記環状定
形フレームの外周面が前記筒体の外周面と面一となるような深さを有する、請求項6に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項8】
前記環状凹部または環状凸部は、前記筒体の高さの中央部より高い位置に水平に
設けられている、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の組み立て式コンテナ。
【請求項9】
請求項1に記載の組み立て式コンテナの組み立て方法であって、前記組み立て式コンテナの前記環状定形フレームは、4本の直パイプおよび4本のL字エルボー部材を有し、直パイプの各端にL字エルボー部材の一端を連結し、各L字エルボー部材の他端に直パイプを連結することにより、前記環状定形フレームを大コの字状フレームに組み立てる一方、残りの直パイプの各端にL字エルボー部材の一端を連結して小コの字状フレームに組み立てる段階と、大コの字状フレームを前記凹部または前記凸部により保持する段階と、
小コの字状フレームを前記凹部または前記凸部にあてがいつつ、保持された大コの字状フ
レームの各端に対して、小コの字状フレームの対応する端を突き合わせて連結することに
より、前記環状定形フレームを完成する、ことを特徴とする組み立て式コンテナの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法に関し、より詳細には、少ない部品点数でありながら胴膨れを有効に防止することが可能であり、かつ効率的に組み立て可能な組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体、粉体、粒体等の不定形物、あるいは定形物の搬送に組み立て式コンテナが用いられてきた。
この組み立て式コンテナは、フォークリフトにより搬送可能なようにフォークリフト差し込み口を備えたパレットと、パレットに組み付けられる筒体とを有し、パレットの上面と筒体の内周面とにより構成されるスペース内に充填物を収納して、場合により、筒体に蓋をしたうえで、フォークリフトによりパレットごと搬送するようにしている。
【0003】
特許文献1および2は、このような組み立て式コンテナの例を開示する。
特許文献1によれば、合成ゴム、天然ゴムベール(直方体の大型固形体)包装品等を収納対象とした組み立て式コンテナが開示され、パレットと、一対の短手側板および一対の長手側板とから構成される筒体をパレットに組み付け、短手側板は、外表面に上部フレーム、中間フレーム、下部フレームおよび短手側柱が取り付けられた側板パネルからなり、一方長手側板も同様に、外表面に上部フレーム、中間フレーム、下部フレームおよび長手側柱が取り付けられた側板パネルからなり、短手側柱および長手側柱が、ラッチ錠により結合されている。
【0004】
特許文献2によれば、液体、粉体、粒体等の不定形物を収納対象とした輸送用コンテナが開示され、パレットと、段ボール製角型筒体と、角型筒体の下縁を支えて角型筒体をパレット上に固定する下枠と、角型筒体の上縁に嵌合させる上枠と、上下枠を連結し、内袋の充填物からの内圧によって生じる角型筒体の胴膨れを支えるステーとを有し、ステーを角型筒体の高さ方向に亘って配設している。
【0005】
しかしながら、このような従来の組み立て式コンテナには、以下のような技術的問題点が存する。
第1に、部品点数が多く、その分、コンテナの組み立てに時間を要するとともに、部品点数が多いわりには、コンテナの筒体の胴膨れを有効に防止するのが困難な点である。
より詳細には、特許文献1および特許文献2ともに、不定形の充填物が筒体の内面になじみ、内面に一様に大きな圧力を及ぼすことから、筒体自体の構造強度を確保するために、特許文献1においては、外表面に上部フレーム、中間フレーム、下部フレームを取り付けた側板パネルを設け、隣接する側板パネル同士をラッチ錠により結合し、一方、特許文献2においては、段ボール製角型筒体の補強をするために、角型筒体の上下縁それぞれに上下枠を設け、上下枠を連結し、内袋の充填物からの内圧によって生じる角型筒体の胴膨れを支えるステーを設けている。
【0006】
以上のように、いずれのコンテナも、筒体自体の材料強度を構造材により補強したうえで、筒体の圧縮強度を含めた構造強度を確保しているが、たとえば、充填物がバラ積みの多数の固形物のような場合、不定形の充填物とは異なり、筒体の内面に一様に圧力は付加されず、むしろ局所的に筒体を胴膨れさせようとする力が作用する。
このような場合には、むしろ充填物の収納による筒体の胴膨れ変形をある程度許容したうえで、その力を利用して、それ以上の胴膨れを防止することで、少ない部品点数でありながら有効に胴膨れの防止が可能で、かつ効率的に組み立て可能な組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法が業界内で要望されている。
【特許文献1】特許第3398489号
【特許文献2】実公平6−13078号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、少ない部品点数でありながら胴膨れを有効に防止することが可能で、かつ効率的に組み立て可能な組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、コンテナの内面に局所的に圧力が付加されるような多数の固形物をバラ積みする際、胴膨れを有効に防止することが可能な組み立て式コンテナおよび組み立て式コンテナの組み立て方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明の組み立て式コンテナは、
外周縁部に周溝を有するパレットと、該周溝に下端部が差し込み可能な筒体と、
該筒体の外周面を囲むように、高さ方向同一面上に水平に保持される環状定形フレームとを有し、前記パレットの上面と、前記筒体の内周面とにより構成されるスペース内に充填物が収納可能な組み立て式コンテナにおいて、
前記筒体の外周面に、前記環状定形フレームを高さ方向同一面上に保持可能な凹部または凸部が設けられ、充填物を前記スペース内に収納した際、前記筒体の上周縁に蓋を被せることが可能なように、前記凹部または凸部を前記筒体の所定高さに設ける、構成としている。
【0009】
以上の構成を有する組み立て式コンテナによれば、パレットの外周縁部に設けた周溝に筒体の下端部を差し込み、筒体の外周面に設けた保持手段により環状定形フレームを高さ方向同一面上に水平に保持させることにより、パレット、筒体および環状定形フレームのみにより組み立て式コンテナを完成することが可能である。
充填物を前記スペース内に収納した際、凹部または凸部からなる保持手段は、筒体の上周縁に蓋を被せることが可能なように、筒体の所定高さに設けるので、パレットの上面と、筒体の内周面とにより構成されるスペース内に充填物を収納することにより、筒体が胴膨れしようとすることで、筒体の外周面が環状定形フレームの内周面に対して強固に押付され、それにより、環状定形フレームの締め付けにより筒体が胴膨れするのを有効に防止するとともに環状定形フレームを筒体の外周面に保持することが可能であり、総じて、少ない部品点数でありながら胴膨れを有効に防止することが可能で、かつ効率的に組み立て可能である。
【0010】
また、前記筒体は、樹脂製であり、それぞれ直交部にヒンジ部を有する、2つのL字状板材からなり、ヒンジ部の回動軸線が鉛直方向を向くように、それぞれのL字状板材の端縁部同士を組み付けることにより筒状に形成されるのがよい。
さらに、前記環状定形フレームは、金属製であり、2つのコの字状部材からなり、それぞれのコの字状部材の開放部を対向するように組み付けることにより環状に形成されるのがよい。
【0011】
さらにまた、前記2つのL字状板材の各々は、一方の端縁部に、ヒンジ部を介してフラップ部を有し、他方の端縁部にフラップ部を有し、一方のL字状板材の一方の端縁部のフラップ部を該ヒンジ部で屈曲させて他方のL字状板材の他方の端縁部のフラップ部に重ね合わせることにより組み付けられるのがよい。
加えて、前記L字状板材は、ブロー成形により一体成形されるのがよい。
さらに、前記コンテナ内の充填物は、バラ積みされる多数の固形物であるのがよい。
さらにまた、前記環状定形フレームの内周部は、前記凹部または凸部と相補形状を有し、前記凹部は、コの字断面の環状の周溝を構成し、前記環状定形フレームは、その環状方向に直交する断面が、矩形断面を有するのがよい。
上記課題を達成するために、本発明の組み立て式コンテナの組み立て方法は、
請求項1に記載の組み立て式コンテナにおいて、前記環状定形フレームは、4本の直パイプおよび4本のL字エルボー部材を有し、
直パイプの各端にL字エルボー部材の一端を連結し、各L字エルボー部材の他端に直パイプを連結することにより、前記環状定形フレームを大コの字状フレームに組み立てる一方、残りの直パイプの各端にL字エルボー部材の一端を連結して小コの字状フレームに組み立てる段階と、
大コの字状フレームを前記凹部または前記凸部により保持する段階と、
小コの字状フレームを前記凹部または前記凸部にあてがいつつ、保持された大コの字状フレームの各端に対して、小コの字状フレームの対応する端を突き合わせて連結することにより、前記環状定形フレームを完成する構成としている。
【0012】
加えて、前記周溝は、前記環状定形フレームを前記周溝に嵌め込む際、前記環状定形フレームの外周面が前記筒体の外周面と面一となるような深さを有するのがよい。
さらに、前記環状凹部または環状凸部は、前記筒体の高さの中央部より高い位置に水平に設けられるのがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る組み立て式コンテナの実施形態を図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
コンテナ10内には、たとえば野菜、果物等の多数の固形物がバラ積みされる場合を例に説明する。
図1および
図2に示すように、組み立て式コンテナ10は、外周縁部に周溝12を有するパレット14と、周溝12に下端部13が差し込み可能な筒体16と、筒体16の外周面18を囲む環状定形フレーム20と、筒体16の開口22を覆う蓋(図示せず)とから概略構成され、パレット14の上面28と、筒体16の内周面とにより構成されるスペース26内に充填物が収納可能とされる。
【0014】
図2に示すように、パレット14は、従来既知の一体ブロー成形により構成される樹脂製であり、上面28を有し、周側面には搬送用フォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入開口32が設けられる。これにより、搬送すべき荷物を上面28の上面に載置し、フォークリフトのフォークをフォーク挿入開口32からパレット14内に挿入し、フォークリフトによりパレット14ごと搬送するようにしてある。周溝12の深さは、後に説明する筒体16を差し込む際、筒体16が自立可能なように定めればよい。
【0015】
筒体16は、矩形開口を有し、筒体16の高さは、収納すべき充填物の量から必要となるスペース26の容積を満足するように決定すればよい。
筒体16の外周面18の全体に亘って、環状定形フレーム20を高さ方向同一面上に保持可能な凹部が設けられ、充填物をスペース26内に収納した際、筒体16の上周縁に蓋を被せることが可能なように、凹部を筒体16の所定高さHに設ける。
図4に示すように、凹部は、コの字断面の環状の周溝19を構成し、周溝19は、環状定形フレーム20を周溝19に嵌め込む際、環状定形フレーム20の外周面18が筒体16の外周面18と面一となるような深さを有するのが好ましい。
より詳細には、
図5に示すように、組み立て式コンテナ10のトラック等への積載可能数量を最大限確保する観点から、少なくとも、パレット14の外周(組み立て式コンテナ10の最大径)よりも環状定形フレーム20の外周面18が外方へ突出しないように、筒体16の厚みと環状定形フレーム20の径との関係に基づいて、周溝19の深さDを設定する必要がある。
図3に示すように、筒体16は、樹脂製であり、それぞれ直交部にヒンジ部36を有する、2つのL字状板材38からなり、ヒンジ部36の回動軸線が鉛直方向を向くように、それぞれのL字状板材38の端縁部40同士を、たとえばネジ止めにより組み付けることにより筒状に形成される。なお、筒体16の内表面に形成される多数の長溝および円形窪みは、筒体16の厚み方向の強度を確保するものである。
【0016】
2つのL字状板材38の各々は、一方の端縁部40に、ヒンジ部36を介してフラップ部42を有し、他方の端縁部41にフラップ部42を有し、一方のL字状板材38の一方の端縁部40のフラップ部42をヒンジ部36で屈曲させて他方のL字状板材38の他方の端縁部41のフラップ部42に重ね合わせることにより組み付けられる。
L字状板材38は、ブロー成形により一体成形されるのが好ましい。
【0017】
環状定形フレーム20は、中空金属製であり、筒体16の外周面18のまわりを囲むように、高さ方向同一面上に水平に保持され、その環状方向に直交する断面が、矩形断面を有する。
環状定形フレーム20は、直パイプ45を4本、エルボー部材47を4本準備し、直パイプ45同士をエルボー部材47で連結することにより、四隅をエルボー部材47で構成する態様でたとえばネジ止めにより組み付けられる。このように組み付けることにより、環状定形フレーム20の内部には、矩形開口が形成され、周溝19を介してこの矩形開口内に筒体16を配置可能としている。
【0018】
図5に示すように、環状定形フレーム20の内周部は、周溝19と相補形状を有し、環状定形フレーム20を周溝19により保持可能としている。この点、組み立て式コンテナ10を組み立て後、コンテナ内に充填物を収納することにより、筒体16が胴膨れしようとすることで、周溝19が環状定形フレーム20の内周部に対して押し付けられることから、最大胴膨れを生じようとする高さに周溝19を設定することにより、環状定形フレーム20は周溝19内に確実に保持されるとともに、環状定形フレーム20が定形性を保持することにより胴膨れを有効に防止することが可能である。この点において、周溝19は、筒体16の高さの中央部より高い位置に水平に設けられるのが好ましい。
なお、筒体16の四隅それぞれには、矩形断面の直立パイプ41があてがわれ、筒体16を補強している。
【0019】
組み立て式コンテナ10の組み立て方法に関し、
図6に示すように、直パイプ45の各端にL字エルボー部材47の一端を連結し、各L字エルボー部材47の他端に直パイプ45を連結することにより、環状定形フレーム20を大コの字状フレーム62に組み立てる一方、残りの直パイプ45の各端にL字エルボー部材47の一端を連結して小コの字状フレーム64に組み立てる段階と、大コの字状フレーム62を周溝19により保持する段階と、小コの字状フレーム64を周溝19にあてがいつつ、保持された大コの字状フレーム62の各端に対して、小コの字状フレーム64の対応する端を突き合わせて連結することにより、環状定形フレーム20を完成するようにしている。
【0020】
小コの字状フレーム64を大コの字状フレーム62に連結するのに、図示するように、大コの字状フレーム62の各端に設けたねじ穴(図示せず)に対して小コの字状フレーム64側からボルト固定すればよい。このような組み立て方法によれば、周溝19に嵌め込む前に環状定形フレーム20として完成しておくことができない状況下、2部品の大コの字状フレーム62および小コの字状フレーム64として予め準備しておき、大コの字状フレーム62と小コの字状フレーム64とを筒体16を挟み込む形態で連結するのに、大コの字状フレーム62を周溝19により保持させた状態で、小コの字状フレーム64を組み付けることにより、効率的に環状定形フレーム20を組み立て、以って組み立て式コンテナ10の効率的な組み立てが可能となる。
【0021】
以上の構成を有する組み立て式コンテナ10によれば、パレット14の外周縁部に設けた周溝12に筒体16の下端部を差し込み、筒体16の外周面18に亘って設けた周溝19により環状定形フレーム20を高さ方向同一面上に水平に保持させることにより、パレット14、筒体16および環状定形フレーム20のみにより組み立て式コンテナ10を完成することが可能である。
充填物を前記スペース26内に収納した際、筒体16の上周縁に蓋24を被せることが可能なように、周溝19を筒体16の所定高さに設けるので、パレット14の上面と、筒体16の内周面とにより構成されるスペース26内に充填物を収納することにより、筒体16が胴膨れしようとすることで、筒体16の外周面18が環状定形フレーム20の内周面に対して強固に押付され、それにより、環状定形フレーム20の締め付けにより筒体16が胴膨れするのを有効に防止するとともに環状定形フレーム20を筒体16の外周面18に保持することが可能であり、総じて、少ない部品点数でありながら胴膨れを有効に防止することが可能で、かつ効率的に組み立て可能である。
【0022】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、筒体16の外周面18に環状凹部である周溝12を設け、そこに環状定形フレーム20を嵌め込むことにより、筒体16により環状定形フレーム20が保持されるものとして説明したが、それに限定されることなく、筒体16の外周面18に環状凸部を設ける一方、コの字断面を有する環状定形フレーム20を用意し、コの字断面の開放部から環状定形フレーム20を環状凸部に外嵌させることにより、環状定形フレーム20を保持してもよい。
【0023】
また、本実施形態において、環状定形フレーム20を直パイプ45を4本、エルボー部材47を4本準備し、直パイプ45同士をエルボー部材で連結することにより、四隅をエルボー部材47で構成する態様で組み付けるものとして、それに限定されることなく、2つのコの字状部材44からなり、それぞれのコの字状部材44の開放部46を対向するように組み付けることにより環状に形成するのでもよい。
さらに、本実施形態において、筒体16の外周面に設ける周溝19は、環状に外周面全体に亘って設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、組み付けの際、環状定形フレーム20を筒体16に保持可能である限り、たとえば筒体16の対向面だけに凹部を設けるのでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10の内部を示す部分斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10の筒体16の一部の内部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10の筒体16の一部の外部を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10において、筒体16の周溝19に対して環状定形フレーム20が嵌め込まれた状況を示す部分断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る組み立て式コンテナ10において、環状定形フレーム20の組み立て手順を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0025】
10 組み立て式コンテナ
12 周溝
14 パレット
16 筒体
18 外周面
19 周溝
20 環状定形フレーム
22 フォーク挿入用開口
28 上面
34 凹部
36 ヒンジ部
38 L字状板材
40 端縁部
42 フラップ部
44 コの字状部材
45 直パイプ
47 エルボー部材
62 大コの字状フレーム
64 小コの字状フレーム