特許第5939494号(P5939494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5939494
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】食品製品及び食品製品の提供方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20160609BHJP
【FI】
   A23L1/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-184653(P2015-184653)
(22)【出願日】2015年9月18日
【審査請求日】2015年11月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】708000579
【氏名又は名称】東屋株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100194984
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 圭太
(72)【発明者】
【氏名】末松 大吉
(72)【発明者】
【氏名】山口 順子
【審査官】 長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】 県の職員が弊社の「ちばエコ農産物認定茶園」の現場チェックに来ました,マルハチ社長はっちゃん[online],2010年 4月22日,検索日2016.01.06,URL,http://hattyan.jugem.jp/?eid=42
【文献】 地域の話題2012(1月号)農業災害対策の根幹を担って,十勝NOSAI[online],2012年 1月,検索日2016.01.06,URL,http://www.tokachi-nosai.or.jp/kouhou/tiikinowadai/tiikinowadai_2012_1.html
【文献】 「私の青汁」3タイプ発売”国産の大麦若葉を使用 キリンヤクルトネクストステージ,薬事日報[online],2008年 6月 4日,検索日2016.01.06,URL,http://www.yakuji.co.jp/entry6972.html
【文献】 おやつは「そのまんま」が安心!(菓子、デザート),鍵穴のない部屋 日記[online],2013年 3月18日,検索日2016.01.06,URL,http://blogs.yahoo.co.jp/okies_arukasa/24722721.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次産品である所定の食品が生産された生産地に、同生産地の地番が掲載されたウェブサイトにアクセス可能な識別子が表示された標識を形成する工程と、
前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載、及び、前記食品の地番を含む生産地の情報と共に提供する工程とを備える
食品製品の提供方法。
【請求項2】
二次産品である所定の食品の原料が生産された生産地に、同生産地の地番が掲載されたウェブサイトにアクセス可能な識別子が表示された標識を形成する工程と、
前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載、及び、前記食品の原料の地番を含む生産地の情報と共に提供する工程とを備える
食品製品の提供方法。
【請求項3】
一次産品である所定の食品が生産された生産地に、同生産地の地番が掲載されたウェブサイトにアクセス可能な識別子が表示された標識を形成する工程と、
前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載、及び、前記食品の地番を含む生産地の情報を見せて提供する工程とを備える
食品製品の提供方法。
【請求項4】
二次産品である所定の食品の原料が生産された生産地に、同生産地の地番が掲載されたウェブサイトにアクセス可能な識別子が表示された標識を形成する工程と、
前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載、及び、前記食品の原料の地番を含む生産地の情報を見せて提供する工程とを備える
食品製品の提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製品及び食品製品の提供方法に関する。詳しくは、生産地に標識を形成した後に提供される食品製品及び生産地に標識を形成した後に食品を提供する食品製品の提供方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品を中心として商品の安全性が消費者に注目されており、消費者が商品を選択する際に、消費者は商品自体や商品の原料がどの様な物であるのかという点にまで関心を示す様になっている。
【0003】
そのため、商品の提供者は、提供する商品や商品の原料の成分や産地、製造年月日等の情報を商品の包装に貼付したラベルに記載したり、ICタグに記録したりして、商品を提供している。
【0004】
しかし、単に情報を記載や記録したものを商品に添付して提供するだけでは、その情報の改竄や偽造等が容易であり、現に情報の改竄や偽造等が行われている事実もあり、消費者の信用度が低く、消費者が安心して商品を選択することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の発明者は、単に情報を記載や記録したものを商品に添付するのではなく、食品の原料を粉末にした原料粉末見本を食品に添付して食品を提供する技術を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−5656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、食品を含む各種商品の品質は、その商品が消費者に提供されるまでの過程における様々な要因に強く影響を受けるものである。
【0008】
そのため、食品の原料粉末見本は、食品の品質についての情報を得ることができる要因ではあるものの、たった1つの要因に過ぎず、原料粉末見本を食品に添付して食品を提供するといった特許文献1に記載の技術のみでは、消費者が安心して食品を選択するといった目的を実現するのに充分ではない場合がある。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、より一層充分に消費者が安心して食品を選択することが可能となる食品製品及び食品製品の提供方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の食品製品では、一次産品である所定の食品と、前記食品が生産された生産地の地番が表示されると共に、同生産地に形成された標識の画像であり、かつ、前記食品と共に提供される付属物とを備える。
【0011】
また、本発明の食品製品では、一次産品である所定の食品と、前記食品が生産された生産地の地番が表示されると共に、同生産地に形成された標識が存在する旨の記載であり、かつ、前記食品と共に提供される標識存在説明部とを備える。
【0012】
更に、本発明の食品製品の提供方法では、一次産品である所定の食品が生産された生産地に、同生産地の地番が表示された標識を形成する工程と、前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載である標識存在説明部と共に提供する工程とを備える。
【0013】
また、本発明の食品製品の提供方法では、一次産品である所定の食品が生産された生産地に、同生産地の地番が表示された標識を形成する工程と、前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載である標識存在説明部を見せて提供する工程とを備える。
【0014】
ここで、食品(一次産品)が生産された生産地に形成された標識に、生産地の地番が表示されていることによって、食品製品の購入者が食品の生産地に足を運んだ場合に、生産地の地番を確認することができる。そして、食品製品の購入者が食品の生産地に足を運んだ場合に、食品の生産地をしっかりと把握でき、確認できることによって、安心して食品製品を選択することが可能となる。
なお、土地には地番があるものの、表示がなされておらず、標識が形成されない場合には、食品製品の購入者は地番を確認することができない点を、念のために付言する。
【0015】
また、食品(一次産品)と共に、食品の名称と、食品を生産した生産者の情報と、食品が生産された生産地の情報とを含む情報である食品情報を提供しても良い。同様に、食品(一次産品)と共に、食品の名称と、食品を生産した生産者の情報と、食品が生産された生産者の情報とを含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報である食品情報を提供しても良い。
【0016】
ここで、食品情報中の食品の名称によって、食品を特定することができる。同様に、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品の名称によって、食品を特定することができる。
【0017】
また、食品情報中の食品を生産した生産者の情報、及び、食品情報中の食品が生産された生産地の情報によって、生産者自身が食品に対して責任の所在を明らかにすることができる。同様に、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品を生産した生産者の情報、及び、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品が生産された生産地の情報によって、生産者自身が食品に対して責任の所在を明らかにすることができる。
【0018】
なお、「食品を生産した生産者」とは、食品(最終製品)を生産した者のみならず、最終製品である食品が生産される過程において関与した者の全てを含む意味である。
【0019】
また、「食品が生産された生産地」は、生産国や生産県といったおおよその地域が特定できるというものではなく、生産地の地番を含む情報である。この様に、実際の生産の現場を特定できるほどの詳細な情報であるために、例えば、食品製品の購入者が生産現場に足を運び、生産の現場を確認することが可能となる。
なお、「食品が生産された生産地」として、牛舎、豚舎、鶏舎、養殖場、田、畑、山林等が挙げられる。
【0020】
更に、生産者の情報に、生産者の電話番号、生産者のファクシミリ番号、生産者の電子メールアドレス、若しくは、生産者のホームページアドレスの少なくとも1つである生産者の連絡先情報が含まれている場合には、食品製品の購入者が食品の生産者に直接連絡できることとなり、より一層、安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0021】
また、標識の画像である付属物によって、食品製品の購入者に標識の存在を知らしめることができ、食品製品の消費者は、より一層安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0022】
同様に、標識が存在する旨の記載である標識存在説明部によって、食品製品の購入者に標識の存在を知らしめることができ、食品製品の消費者は、より一層安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0023】
また、上記の目的を達成するために、本発明の食品製品は、二次産品である所定の食品と、前記食品の原料が生産された生産地の地番が表示されると共に、同生産地に形成された標識の画像であり、かつ、前記食品と共に提供される付属物とを備える。
【0024】
更に、本発明の食品製品は、二次産品である所定の食品と、前記食品の原料が生産された生産地の地番が表示されると共に、同生産地に形成された標識が存在する旨の記載であり、かつ、前記食品と共に提供される標識存在説明部とを備える。
【0025】
また、本発明の食品製品の提供方法は、二次産品である所定の食品の原料が生産された生産地に、同生産地の地番が表示された標識を形成する工程と、前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載である標識存在説明部と共に提供する工程とを備える。
【0026】
また、本発明の食品製品の提供方法は、二次産品である所定の食品の原料が生産された生産地に、同生産地の地番が表示された標識を形成する工程と、前記標識を形成した後に、前記食品を、前記標識が存在する旨の記載である標識存在説明部を見せて提供する工程とを備える。
【0027】
ここで、食品(二次産品)の原料が生産された生産地に形成された標識に、生産地の地番が表示されていることによって、食品製品の購入者が食品の原料の生産地に足を運んだ場合に、生産地の地番を確認することができる。そして、食品製品の購入者が食品の原料の生産地に足を運んだ場合に、食品の原料の生産地をしっかり把握でき、確認できることによって、安心して食品製品を選択することが可能となる。
なお、土地には地番があるものの、表示がなされておらず、標識が形成されない場合には、食品製品の購入者は地番を確認することができない点を、念のために付言する。
【0028】
また、食品(二次産品)と共に、標識に対応する食品の原料の名称と、標識に対応する食品の原料を生産した生産者の情報と、標識に対応する食品の原料が生産された生産地の情報とを含む情報である食品情報を提供しても良い。同様に、食品(二次産品)と共に、標識に対応する食品の原料の名称と、標識に対応する食品の原料を生産した生産者の情報と、標識に対応する食品の原料が生産された生産地の情報とを含む情報に通信回線を介してアクセス可能な情報である食品情報を提供しても良い。
【0029】
ここで、食品情報中の食品の原料(標識に対応した原料)の名称によって、食品の原料を特定することができる。同様に、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品の原料(標識に対応した原料)の名称によって、食品の原料を特定することができる。
【0030】
また、食品情報中の食品の原料(標識に対応した原料)を生産した生産者の情報、及び、食品情報中の食品の原料(標識に対応した原料)が生産された生産地の情報によって、生産者自身が食品の原料に対して責任の所在を明らかにすることができる。同様に、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品の原料(標識に対応した原料)を生産した生産者の情報、及び、食品情報から通信回線を介してアクセス可能な情報中の食品の原料(標識に対応した原料)が生産された生産地の情報によって、生産者自身が食品の原料に対して責任の所在を明らかにすることができる。
【0031】
なお、「食品の原料を生産した生産者」とは、食品の原料(原料としての最終製品)を生産した者のみならず、最終製品である食品の原料が生産される過程において関与した者の全てを含む意味である。
【0032】
また、「食品の原料が生産された生産地」は、生産国や生産県といったおおよその地域が特定できるというものではなく、生産地の地番を含む情報である。この様に、実際の生産の現場を特定できるほどの詳細な情報であるために、例えば、食品製品の購入者が生産現場に足を運び、生産の現場を確認することが可能となる。
なお、「食品の原料が生産された生産地」として、牛舎、豚舎、鶏舎、養殖場、田、畑、山林等が挙げられる。
更に、「食品の原料が生産された生産地」の情報と共に、「食品の生産地」の情報を提供しても良い。例えば、食品の生産工場の所在地等の情報を提供しても良い。
【0033】
更に、生産者の情報に、生産者の電話番号、生産者のファクシミリ番号、生産者の電子メールアドレス、若しくは、生産者のホームページアドレスの少なくとも1つである生産者の連絡先情報が含まれている場合には、食品製品の購入者が食品の原料の生産者に直接連絡できることとなり、より一層、安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0034】
また、標識の画像である付属物によって、食品製品の購入者に標識の存在を知らしめることができ、食品製品の消費者は、より一層安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0035】
同様に、標識が存在する旨の記載である標識存在説明部によって、食品製品の購入者に標識の存在を知らしめることができ、食品製品の消費者は、より一層安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0036】
ところで、ここでの「食品」とは、栄養素の摂取や嗜好を目的とした飲食物(生鮮食品、動物性食品、植物性食品、加工食品、冷凍食品、嗜好食品、調味用材料、健康食品、サプリメント、飲料、加工材料等)を含むことは勿論のこと、医薬品や医薬部外品をも含む趣旨である。例えば、漢方薬も含まれる。また、飼料、養殖用飼料、ドッグフード等、魚や動物を対象としたものも含む趣旨である。
【0037】
また、ここでの「一次産品」とは、加工前の生鮮食品、動物性食品、植物性食品そのものであり、例えば、大根やキャベツ等の野菜、あるいは鶏肉や牛肉等の生肉そのものが該当する。また、例えば、果物、豆類、穀類、魚類も該当する。
【0038】
更に、ここでの「二次産品」とは、未加工の生鮮食品、未加工の動物性食品、未加工の植物性食品を加工した産品であり、もち、饅頭、漬物、野菜炒め、ステーキ、ハンバーグ、ラーメン、弁当、パン、牛乳、チーズ、ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、冷凍食品、ペットボトル入りのお茶やジュース、コーヒー、清涼飲料、レストラン等で提供される一皿毎の食品等が該当する。
【0039】
また、ここでの「画像」とは、静止画のみならず動画も含まれる。例えば、ウェブサイトに掲載された静止画や動画、電子カタログに掲載された静止画や動画、紙カタログに掲載された静止画、その他の各種媒体に掲載された静止画や動画等が挙げられる。
【発明の効果】
【0040】
本発明の食品製品及び食品製品の提供方法では、消費者がより一層安心して食品を選択することが可能となり、食品の信頼度の向上が実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明を適用した食品製品の一例である食パンを説明するための模式図である。
図2】シールの記載事項を説明するための模式図である。
図3】標識を説明するための模式図である。
図4】本発明を適用した食品製品の提供方法を説明するための模式図である。
図5】本発明を適用した食品製品の提供方法の更に他の例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と称する)について説明を行う。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
4.第4の実施の形態
5.変形例
【0043】
<1.第1の実施の形態>
[構成の説明]
図1(a)は本発明を適用した食品製品の一例である食パンを説明するための模式図であり、ここで示す食品製品Aは、食パン21をビニール製の袋22で包装しており、袋22にはシール8aが貼り付けられている。
【0044】
ここで、シール8aには、図2で示す様に、食パン21の原料の名称が記載されている。具体的には、小麦粉、マーガリン、砂糖、大豆、卵、カルメル色素、ショ糖脂肪酸エステル、アミノ酸等、ソルビン酸、ベクチン、ビタミンE、リン酸、加工デンプン、タンパク質加水分解物といった具合である。
【0045】
また、シール8aには、それぞれの原料の生産者も記載されている(図2参照)。なお、ここでの「生産者」とは、個人名であったり、会社名であったり、農業協同組合等の組織であったり、農業協同組合で実施している様な野菜毎の生産部会名であったりする。
【0046】
更に、シール8aには、それぞれの原料の生産地も記載されている(図2参照)。なお、ここでの「生産地」は、消費者が具体的に生産地である農地等に赴くことができる程度に詳細な記載である(例えば、地番を含む情報等である)。但し、全ての原料の具体的な生産地を把握することが困難な場合もあり、一部の原料についてのみ具体的な生産地が記載されることもある。
なお、「地番を含む生産地の情報」は、地番説明部の一例である。
【0047】
ここで、「生産地」の記載として、「地番」の情報のみならず、「地番の持ち主」の情報、換言すると、生産地の権利者名(例えば、土地の権利者名)を記載しても良い。その場合には、登記簿謄本を含める等の対応が考えられる。
【0048】
なお、原料の名称、生産者及び生産地のほか、その他の特記事項がある原料については、特記事項をも記載されている(図2では省略)。その他の特記事項としては、例えば、原料の仕入れ先の情報が挙げられる。
また、原料の生産地のみならず、食パン21の生産地の情報をも記載しても良い。具体的には、製パン工場の所在について、地番を含む情報を掲載しても良い。
【0049】
また、シール8aには、それぞれの原料の生産地に、所定の標識が存在する旨も記載されている(図2では省略)。
ここでの「所定の標識」とは、生産地の地番が表示された標識を意味している。なお、「地番が表示された」とは、例えば、(1)標識に地番が記載され目視可能である場合や、(2)標識に識別子(二次元バーコード等)が表示され、表示された識別子を介して地番が掲載されたウェブサイトにアクセスできる場合、等が挙げられる。
なお、「所定の標識が存在する旨の記載」は、標識存在説明部の一例である。
【0050】
具体的には、図3で示す様に、食パン21の原料の1つである小麦粉について、その生産地に標識1が形成され、標識1には生産地の地番である「福岡県糸島市加布里966番地」が表示されている。
また、食パン21の原料である小麦粉の生産地ではないが、図3で示す例では、隣接する畑にも標識2が形成され、標識2にはその地番である「福岡県糸島市加布里967番地」が表示されている。なお、図3中符号Xは土地の境界を示している。
【0051】
ここで、食品製品Aが消費者に提供される前段階において、具体的には、食品製品Aが店舗や通販サイト、通販カタログ等で販売される前段階において、それぞれの原料の生産地に上述した「所定の標識」を形成しておく。
即ち、食品製品Aのそれぞれの原料が生産された生産地に、上述した「所定の標識」が形成された後に、食品製品Aが消費者に提供(即ち、販売等)されることとなる。
【0052】
なお、必ずしも、食パン21の全ての原料の生産地に「所定の標識」を形成する必要は無く、一部の生産地であっても良い。
【0053】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の一例では、食品製品Aのそれぞれの原料が生産された生産地に「所定の標識」が形成されており、生産地の地番を認識することが可能であるため、食品製品Aの購入者が原料の生産地に足を運んだ場合に、原料の生産地をしっかりと把握でき、確認することができる。
ここで、過去の土壌作り、排水の状態、日当たりの状態等の様々な理由で、隣同士の田畑であったとしても、その土壌が全く異なる場合もあり、生産地をしっかりと把握でき、確認することで、より一層食品製品Aの信頼性が向上することとなる。
【0054】
また、本発明を適用した食品製品の一例では、食パン21の原料の生産者や生産地がシール8aに記載されることで、原料の生産者自身が原料に対しての責任の所在を明らかにすることを意味しており、消費者はより一層安心して食品製品を選択することが可能となり、食品製品の信頼性が向上することとなる。
【0055】
更に、生産地である農地等に赴くことができる程度に詳細な生産地が記載されているために、より一層食品製品の信頼性が向上することとなる。
ここで、上述の通り、過去の土壌作り、排水の状態、日当たりの状態等の様々な理由で、隣同士の田畑であったとしても、その土壌が全く異なる場合もあり、「生産地」として生産国、生産県といった程度の記載がなされたとしても、原料に対する責任の所在を明らかにし難い場合がある。それに対して、本発明を適用した食品製品の一例では、生産地である農地等に赴くことができる程度に詳細な生産地が記載されているために、原料に対しての責任の所在がより一層明らかとなり、上述の通り、食品製品の信頼度が向上することとなるのである。
【0056】
[変形例]
上記した第1の実施の形態では、シール8aに原料の名称、生産者及び生産地が記載された場合を例に挙げている。しかしながら、原料の名称、生産者及び生産地を消費者に伝えることができれば充分であって、必ずしも、シール8aにこれらを記載する必要は無い。
例えば、図1(b)で示す様に、袋22に二次元バーコードが表示されたシール8bを貼り付けても良い。なお、二次元バーコードにはURLが記録されており、携帯端末等で二次元バーコードを読み取ることで、インターネットを通じて、図2に示す様な、食パン21の原料の名称、生産者及び生産地が記載されたウェブサイトにアクセスすることが可能となる。
【0057】
上記した変形例では、極めて多数の情報を消費者に伝えることができ、消費者はより一層充分に安心して食品製品を選択することが可能となる。
【0058】
更に、上記した第1の実施の形態では、原料の名称、生産者及び生産地が記載されたシール8aを食パン21と共に提供する場合を例に挙げて説明を行っている。しかしながら、消費者が原料の名称、生産者及び生産地を把握することができれば充分であって、必ずしも原料の名称、生産者及び生産地が記載されたシール8aを消費者に提供する必要は無く、原料の名称、生産者及び生産地の情報を消費者に見せるだけでも良い。
【0059】
<2.第2の実施の形態>
図4(A)は本発明を適用した食品製品の提供方法の一例を説明するための模式図である。
【0060】
図4(A)で示す食品製品の提供方法の一例では、店舗等の商品陳列棚7の区画9ごとに同一の食品製品A(二次産品)を陳列し、その区画9ごとに食品情報5が展示されている。なお、食品情報5には、原料の名称、生産者、生産地等が記載されている(第1の実施の形態の図2参照)。
【0061】
また、食品情報5には、それぞれの原料の生産地に、所定の標識が存在する旨も記載されている。
ここでの「所定の標識」とは、第1の実施の形態と同様に、生産地の地番が表示された標識を意味している。
【0062】
ここで、食品製品Aを陳列棚7に陳列する前段階において、食品製品Aのそれぞれの原料の生産地に上述した「所定の標識」を形成しておく。
即ち、食品製品Aのそれぞれの原料が生産された生産地に、上述した「所定の標識」が形成された後に、食品製品Aが陳列棚7に陳列され、消費者に提供(即ち、販売)されることとなる。
【0063】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の提供方法の一例では、食品製品Aのそれぞれの原料が生産された生産地に「所定の標識」が形成されており、生産地の地番を認識することが可能であるために、食品製品Aの購入者が原料の生産地に足を運んだ場合に、原料の生産地をしっかりと把握でき、確認することができる。そのため、第1の実施の形態と同様に、より一層食品製品Aの信頼性が向上することとなる。
なお、原料に対しての責任の所在が明らかとなることを通じて、食品製品の信頼度が向上することとなる点についても、上記した第1の実施の形態と同様である。
【0064】
<3.第3の実施の形態>
図4(B)は本発明を適用した食品製品の提供方法の他の例を説明するための模式図である。
【0065】
図4(B)で示す食品製品の提供方法の他の例では、レストランのショーケース内に展示されている展示食品10ごとに、食品情報5が展示されている。なお、食品情報5には、原料の名称、生産者、生産地等が記載されている(第1の実施の形態の図2参照)。
【0066】
また、食品情報5には、それぞれの原料の生産地に、所定の標識が存在する旨も記載されている。
ここでの「所定の標識」とは、第1の実施の形態と同様に、生産地の地番が表示された標識を意味している。
【0067】
ここで、ショーケース内に展示食品10を展示する前段階において、即ち、レストランで食品(二次産品)を提供する前段階において、食品のそれぞれの原料の生産地に上述した「所定の標識」を形成しておく。
即ち、レストランで用いる原料が生産された生産地に、上述した「所定の標識」が形成された後に、そうした原料を用いた食品をレストランで提供することとなる。
【0068】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の提供方法の他の例では、レストランで用いる原料が生産された生産地に「所定の標識」が形成されており、生産地の地番を認識することが可能であるために、レストランの利用者が原料の生産地に足を運んだ場合に、原料の生産地をしっかりと把握でき、確認することができる。そのため、レストランで提供される食品の信頼性が向上することとなる。
なお、原料に対しての責任の所在が明らかとなることを通じて、食品の信頼度が向上することとなる点については、上記した第1の実施の形態と同様である。
【0069】
<4.第4の実施の形態>
図5は本発明を適用した食品製品の提供方法の更に他の例を説明するための模式図である。
【0070】
図5で示す食品製品の提供方法の更に他の例では、自動販売機で販売されているドリンク12ごとに、食品情報5が展示されている。なお、食品情報5には、原料の名称、生産者、生産地等が記載されている(第1の実施の形態の図2参照)。
【0071】
また、食品情報5には、それぞれの原料の生産地に、所定の標識が存在する旨も記載されている。
ここでの「所定の標識」とは、第1の実施の形態と同様に、生産地の地番が表示された標識を意味している。
【0072】
ここで、ドリンク12を自動販売機で販売する前段階において、ドリンク12のそれぞれの原料の生産地に上述した「所定の標識」を形成しておく。
即ち、ドリンク12のそれぞれの原料が生産された生産地に、上述した「所定の標識」が形成された後に、ドリンク12が自動販売機で消費者に提供(即ち、販売)されることとなる。
【0073】
[効果]
上記した本発明を適用した食品製品の提供方法の更に他の例では、ドリンク12のそれぞれの原料が生産された生産地に「所定の標識」が形成されており、生産地の地番を認識することが可能であるために、ドリンク12の購入者が原料の生産地に足を運んだ場合に、原料の生産地をしっかりと把握でき、確認することができる。そのため、第1の実施の形態と同様に、より一層ドリンク12の信頼性が向上することとなる。
なお、原料に対しての責任の所在が明らかとなることを通じて、ドリンクの信頼性が向上することとなる点についても、上記した第1の実施の形態と同様である。
【0074】
<5.変形例>
[変形例1]
上記した第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、食品が二次産品である場合を例に挙げて説明を行っているが、食品は必ずしも二次産品である必要は無く、一次産品であっても良い。
【0075】
そして、食品が一次産品である場合には、シール8aや食品情報5には、食品(一次産品)の名称、生産者、生産地等が記載されることとなる。また、シール8bを介してアクセスするウェブサイトには、食品(一次産品)の名称、生産者、生産地等が形成されることとなる。
【0076】
更に、食品が一次産品である場合には、食品(一次産品)の生産地に、「所定の標識」が形成されることとなる。
【0077】
[変形例2]
上記した第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、「所定の標識が存在する旨の記載」がなされている場合、即ち、標識存在説明部を有する場合を例に挙げて説明を行っているが、「所定の標識」が存在することを消費者に知らしめることができれば充分であって、必ずしも、「所定の標識が存在する旨の記載」で無くても良い。
【0078】
具体的には、「所定の標識が存在する旨の記載」に代えて、「所定の標識の画像」を消費者に提供したり、見せたりすることで、「所定の標識」が存在することを知らしめても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 標識
2 標識
5 食品情報
7 食品陳列棚
9 区画
10 展示食品
12 ドリンク
8a シール
8b シール
21 食パン
22 袋
【要約】
【課題】商品に対する消費者の信用度を増大させると共に、消費者が安心して商品を選択できるようにする。
【解決手段】食パン21のそれぞれの原料の生産地に、所定の標識を形成した後に、食パン21を提供する。所定の標識には、生産地の地番を表示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5