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特許5939609ロックウール吹付工法、及びロックウール品質評価方法
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  • 特許5939609-ロックウール吹付工法、及びロックウール品質評価方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939609
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】ロックウール吹付工法、及びロックウール品質評価方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20160609BHJP
【FI】
   E04B1/94 E
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-285684(P2011-285684)
(22)【出願日】2011年12月27日
(65)【公開番号】特開2013-133665(P2013-133665A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】501173461
【氏名又は名称】太平洋マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 亮太
(72)【発明者】
【氏名】谷辺 徹
【審査官】 河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−348978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62 − 1/99
E04F 21/08
C04B 14/46
C04B 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に入れられたロックウール集合体に対して該ロックウールが該容器内壁に衝突するようにロータップ式篩振とう機により振動を印加し、該振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程と、
ロックウール集合体とセメントと水とが少なくとも用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層を構成する工程とを具備してなり、
前記ロックウール被覆層を構成する工程で用いられるロックウール集合体は、前記嵩密度を求める工程で求められたロックウール集合体の嵩密度が振動印加開始から30分の間は振動印加時間の増加に伴って10〜30%増加したロックウール集合体に該当するロックウール集合体である
ことを特徴とするロックウール吹付工法。
【請求項2】
容器内に入れられたロックウール集合体に対して該ロックウールが該容器内壁に衝突するように振動を印加し、該振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程と、
ロックウール集合体とセメントと水とが少なくとも用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層を構成する工程とを具備してなり、
前記ロックウール被覆層を構成する工程で用いられるロックウール集合体は、前記嵩密度を求める工程で求められたロックウール集合体の嵩密度が振動印加開始から30分の間は振動印加時間の増加に伴って10〜30%増加したロックウール集合体に該当するロックウール集合体である
ことを特徴とするロックウール吹付工法。
【請求項3】
ロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法であって、
容器内にロックウール集合体を入れる工程と、
前記容器内に入れられたロックウール集合体に対して、該ロックウールが該容器内壁に衝突するようにロータップ式篩振とう機により振動を印加する工程と、
前記振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程
とを具備してなり、
前記求められたロックウール集合体の嵩密度と振動印加時間との関係からロックウール集合体の品質を評価することを特徴とするロックウール品質評価方法。
【請求項4】
ロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法であって、
容器内にロックウール集合体を入れる工程と、
前記容器内に入れられたロックウール集合体に対して、該ロックウールが該容器内壁に衝突するように振動を印加する工程と、
前記振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程
とを具備してなり、
前記求められたロックウール集合体の嵩密度と振動印加時間との関係からロックウール集合体の品質を評価することを特徴とするロックウール品質評価方法。
【請求項5】
少なくともロックウール集合体とセメントと水とが用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層が構成されるロックウール吹付工法において、
前記ロックウール集合体は、請求項3又は請求項4のロックウール品質評価方法の実施により合格品と評価されたロックウール集合体に該当するロックウール集合体である
ことを特徴とするロックウール吹付工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロックウール吹付工法の技術に関する。例えば、構造物の部材に、耐火性、防火性、吸音性又は断熱性等を付与する目的で採用されるロックウール、セメント及び水を用いたロックウール吹付工法において、落ち綿率が少ない技術に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物の部材に、耐火性、防火性、吸音性、及び/又は断熱性等を付与する目的で、ロックウール、セメント及び水を用いたロックウール吹付け工法が用いられている。このロックウール吹付け工法には、乾式工法、湿式工法、半乾式工法がある。乾式工法は、予め、ロックウールとセメントとを混合した乾燥混合物をノズルから吐出し、これと同時にノズルの周縁に配置した複数個の噴水口より圧力水を噴射し、両者を混合吹付ける工法である。この乾式工法は、嵩比重が0.2〜0.3と軽量の被覆層を形成できるが、施工時にセメントやロックウールによる発塵が著しく、環境上の問題が指摘されている。湿式工法は、乾式工法の欠陥を改善する為になされたものである。この湿式工法は、主材のロックウールとセメントに界面活性剤と増粘剤を配合してなる吹付け施工用被覆材を用い、これに水を加えたペーストを圧縮空気によりノズルから吹付ける方法である。この湿式工法は、浮遊粉塵の問題点は改善されたものの、形成される被覆層の嵩比重が0.4〜0.6と重く、乾式工法に比べてコストが高いという問題が指摘されている。半乾式工法は、予め、ロックウールRとセメントCとを混合しない工法である。半乾式工法は、例えばロックウールRは、解繊機(解綿機)で解繊(解綿)・破砕され、ロータリーバルブにより定量的に送り出され、エアブローワーによりホース内を圧送され、吹付けノズルに供給される。セメントCはスラリー槽で水Wと混合されてセメントスラリーSとなり、スラリーポンプにより搬送パイプを通って吹付けノズルに供給される。セメントスラリーSは、ノズルの周縁から噴射されるか、或いはノズルの中心から噴射され、ロックウールRと合流・混合し、耐火被覆層が形成される。半乾式工法によれば、浮遊粉塵が減少し、乾式工法に近い嵩比重の被覆層が形成できる。このようなことから、半乾式工法がロックウール吹付工法の主流となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−348978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の通り、半乾式工法は、解繊機(解綿機)で細かく粒状にし、空気圧送されたロックウールに、セメントと水との混合になるセメントスラリーをノズル先端部で噴霧化しながら混合し、部材に吹き付ける工法である。
【0005】
ところで、半乾式工法によって吹付けられたにも拘わらず、部材に付かない(落ちてしまう)ロックウールが多い場合が認められた。
【0006】
このような部材に付かないロックウール割合(「落ち綿率」とも言う)が多いと、ロックウール被覆層は所望の性能が確保されないことが予想される。従って、場合によっては、作業を一から遣り直さなければならないことも予想される。遣り直す必要が無いと思われる場合でも、落ち綿率が大きいと言うことは、無駄になるロックウールが多いと言うことである。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
さて、これまで、落ち綿率の大小(多寡)は、何に起因しているかは全く判ってなかった。
【0009】
この問題点についての検討が、本発明者によって、鋭意、推し進められて行った。その結果、落ち綿率の大小(多寡)の問題は、どうも、用いられたロックウールに原因が有るのではないかとの啓示を得るに至った。すなわち、用いられたセメントスラリーが同じでも、用いられたロックウールの品番(品質)によって、落ち綿率が変動していたからである。
【0010】
そして、更なる検討が推し進められて行った結果、ロックウールが十分に綿状のものである場合には、落ち綿率が小さく、半乾式工法を遣り直すようなことはなかった。更に検討が続けられて行った結果、例えばロータップ式篩振とう機によりロックウールに対して振動を印加後のロックウール集合体の嵩密度が振動印加時間に対して増加関数的である場合には、このロックウールが用いられての半乾式工法の場合には、落ち綿率が小さく、吹付工事を遣り直すと言ったことの無いことが判って来た。
【0011】
斯かる知見に基づいて本発明が達成されたものである。
【0012】
すなわち、前記課題は、
ロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法であって、
容器内にロックウール集合体を入れる工程と、
前記容器内に入れられたロックウール集合体に対して、該ロックウールが該容器内壁に衝突するように振動を印加する工程と、
前記振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程
とを具備してなり、
前記求められたロックウール集合体の嵩密度と振動印加時間との関係からロックウール集合体の品質を評価することを特徴とするロックウール品質評価方法によって解決される。
【0013】
又、ロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法であって、
容器内にロックウール集合体を入れる工程と、
前記容器内に入れられたロックウール集合体に対して、該ロックウールが該容器内壁に衝突するようにロータップ式篩振とう機により振動を印加する工程と、
前記振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程
とを具備してなり、
前記求められたロックウール集合体の嵩密度と振動印加時間との関係からロックウール集合体の品質を評価することを特徴とするロックウール品質評価方法によって解決される。
【0014】
又、容器内に入れられたロックウール集合体に対して該ロックウールが該容器内壁に衝突するように振動を印加し、該振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程と、
前記工程によって求められたロックウール集合体の嵩密度が、振動印加開始から30分の間は、振動印加時間の増加に伴って増加するものである場合、該ロックウール集合体とセメントと水とが少なくとも用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層を構成する工程
とを具備することを特徴とするロックウール吹付工法によって解決される。
【0015】
又、容器内に入れられたロックウール集合体に対して該ロックウールが該容器内壁に衝突するようにロータップ式篩振とう機により振動を印加し、該振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程と、
前記工程によって求められたロックウール集合体の嵩密度が、振動印加開始から30分の間は、振動印加時間の増加に伴って増加するものである場合、該ロックウール集合体とセメントと水とが少なくとも用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層を構成する工程
とを具備することを特徴とするロックウール吹付工法によって解決される。
【0016】
又、少なくともロックウール集合体とセメントと水とが用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層が構成されるロックウール吹付工法において、
前記ロックウール集合体は、上記ロックウール品質評価方法の実施により合格品と評価されたものである
ことを特徴とするロックウール吹付工法によって解決される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、事前に落ち綿率が少ないロックウールを判別できる。従って、ロックウール集合体とセメントと水とを用いた半乾式工法によってロックウール被覆層を構成する場合、ロックウールの落ち綿率が少なく、無駄が起き難く、かつ、施工後の後始末は簡単であり、更には工事を遣り直すと言った問題が起きず、そして高品質のロックウール被覆層が簡単に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】振動印加時間と嵩密度との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0019】
第1の発明はロックウールの品質評価方法である。特に、ロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法である。中でも、半乾式工法によってロックウール被覆層が構成されるロックウール吹付工法に用いられるロックウールの品質評価方法である。本方法は、容器内にロックウール集合体を入れる工程を有する。本方法は、前記容器内に入れられたロックウール集合体に対して、該ロックウールが該容器内壁に衝突するように振動を印加する工程を有する。本方法は、前記振動印加後のロックウール集合体の嵩密度を求める工程を有する。そして、前記求められたロックウール集合体の嵩密度と振動印加時間との関係からロックウール集合体の品質が評価される。例えば、求められた嵩密度が、振動印加開始から30分の間は、振動印加時間の増加に伴って増加するものである場合、該ロックウール集合体は合格品であると判定(評価)される。増加関数的な特徴が無かった場合には、問題有り(ロックウール吹付工法での使用は好ましくない。)と判定(評価)される。前記振動は、例えばMODEL No:CE−89(丸東製作所製のロータップ式篩振とう機)により印加される。尚、このロータップ式篩振とう機は或る一つの出力しか出ないものであった。
【0020】
第2の発明はロックウール吹付工法である。特に、少なくともロックウールとセメントと水とが用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層が構成されるロックウール吹付工法である。本工法に用いられるロックウールは、前記ロックウールの品質評価方法による評価で合格品(問題なし)と判定されたロックウールである。
【0021】
本発明のロックウール品質評価方法にあっては、ロックウール(ロックウール集合体)を容器に入れ、ロックウールが容器の内壁に衝突し続けるように、所定時間だけ容器に振動を与え、振動を与える前後のロックウール(ロックウール集合体)の嵩密度を求める。
【0022】
上記容器は、振動時の荷重などが均一に作用する等の観点から、剛性を有する材質のものが好ましい。好適な材質としては、例えばガラス、硬質樹脂、金属、セラミックス等が挙げられる。より好ましい材質は、例えばアルミニウム、真鍮、鋼などの金属である。容器の形状は特に限定されるものでは無い。しかしながら、好ましくは筒状であり、より好ましくは、円筒状である。当該容器として、蓋及び受皿を取り付けた篩が好ましい。それは、内壁と衝突して折れて粉状となったロックウールは、受皿に集まるので、篩分けることが出来るからである。
【0023】
ロックウール(ロックウール集合体)を入れた容器に振動を与える方法は、入れたロックウールが容器の内壁に衝突し続けられる方法であれば特に限定されない。振とう機などの機械を用いることが、与える振動が一定で、ロックウールに加わる衝撃も一定であることから好ましい。機械を用いてロックウールを入れた容器に振動を与える方法としては、容器として蓋及び受皿を取り付けた金属製篩を用い、ロータップ式の篩振とう機を用いてロックウール(ロックウール集合体)を入れた蓋及び受皿付き金属製篩を振とうさせることが好ましい例として挙げられる。
【0024】
ロックウール集合体の嵩密度ρは式(1)で求められる。
ρ=w/Vr (1)
wは、容器(内容積Vc)内に入れられたロックウール集合体の質量である。
Vrは、容器(内容積Vc)内に入れられたロックウール集合体の嵩である。このロックウール集合体の占める嵩Vrは、容器内に占められたロックウール集合体の高さHrを求め、その高さHrと容器の内側平面の面積Sとの積(Hr×S)で求められる。容器内に占められたロックウール集合体の高さHrを求める方法は、特に限定されない。好適な例としては、内容積Vcの筒状容器内にロックウール集合体を入れ、アルミニウムや硬質樹脂製等の5g/cm以下で筒の内側平面形状と略同形の厚みtの平板をロックウール集合体の上に載せ、容器の上端から該平板までの距離dを測定し、式(2)により求めることが挙げられる。
Hr=Vc/S−(d+t) (2)
【0025】
因みに、実施例で用いた試料No.1のロックウール集合体に掛ける荷重、載荷した時のロックウール集合体の嵩密度ρ、除荷した時のロックウール集合体の嵩密度ρとの関係を調べた処、荷重が5g/cm以下の場合には、載荷した時のロックウール集合体の嵩密度ρと除荷した時のロックウール集合体の嵩密度ρとは変化が認められなかった。従って、以下の実施例で求められたロックウール集合体の嵩密度は1.2g/cmの荷重(蓋による荷重)が掛かった状態での嵩密度である。
【0026】
さて、振動初期(振動未印加)時の嵩密度は小さいものの、振動印加に伴って、嵩密度が、徐々に、大きくなるプロフィールを有するロックウール(ロックウール集合体)が、本工法に用いられるロックウールとして高品質なものであることは、繰り返しての実験により判明して来た。すなわち、振動印加後のロックウール(ロックウール集合体)の嵩密度と振動印加時間との関係を幾つもの品種のロックウールで調べて行った結果、上記プロフィールを有するロックウール(ロックウール集合体)を用いたロックウール吹付工法にあっては、落ち綿率が少ないことが判明したのである。これは、当初は、綿状になっていたロックウール(ロックウール集合体)の繊維が、振動印加により、容器内壁と衝突して折れ、粉状となって行ったことから、嵩密度は振動印加時間が長くなるにつれて大きくなって行ったものと考えられる。そして、そのようなプロフィールを持つロックウール(ロックウール集合体)であれば、少なくともロックウールとセメントと水とが用いられた半乾式工法によってロックウール被覆層が構成されるロックウール吹付工法において、落ち綿が少なくなったものと考えても合理的なものであった。すなわち、上記特徴のロックウールを半乾式吹付工法に用いた場合、吹付ノズルからロックウールが吐出された後でも、ロックウール(ロックウール集合体)は充分に綿状となっている。この為、セメントペースト(スラリー)がロックウール集合体内に充分に入り込むことが出来る。そして、スラリーによりロックウール同士が着き合い、落ち綿となるロックウールが減ったものであると考えられた。繰り返しての実験の結果、基本的には、嵩密度が振動印加時間に対して増加関数的なプロフィールを持つものであることが極めて大事であった。特に好ましくは単調増加関数的なプロフィールを持つものであった。そして、好ましくは、振動開始から30分経過後における嵩密度の増加割合が10〜30%(より好ましくは、10%以上で、20%以下。より好ましくは、15%以下)程度増加しているものが好ましかった。これは、短時間(30分程度)の中に、急激に増加、例えば60%以上も増加しているような場合には、解綿機(解繊機)から吹付けノズルまでの圧送距離が長い場合には好ましくないものとなるであろうと想像されたことにも合致する。繰り返しての実験の結果からは、60分の振動印加後の嵩密度の増加割合が20〜40%のものが好ましいものであった。そして、振動未印加時の嵩密度は、例えば55〜80kg/mであった。
【0027】
これに対して、振動印加時間に対して増加関数的プロフィールを持たないロックウール(ロックウール集合体)は、綿状のものでは無く、粒状割合が多く(綿状割合が少ない)、或いは繊維が折れ易く、又は繊維が既に折れていたりしていて、セメントスラリーがロックウール(ロックウール集合体)の中に入って行くようなことが少なく、ロックウール内にスラリーが入り込み難い為、ロックウール同士が着き合い難く、この為に落ち綿が多かったと考えられたのである。従って、このようなプロフィールを持つロックウール(ロックウール集合体)を本発明のようなロックウール吹付工法に用いるのは好ましくないと考えられたのである。
【0028】
本発明のロックウール吹付け工法は、上記のロックウール品質評価方法により合格品(嵩密度が振動印加時間に対して増加関数的なプロフィールを持つ)と判定(評価)されたロックウールと、セメントと、水とが用いられ、半乾式吹付工法で行われる。この場合、発生する粉塵量は少なく、かつ、吹付けロックウール層の嵩密度は小さい。
【0029】
以下、具体的な実施例により本発明が説明される。
【0030】
三種類(No.1,No.2,No.3)のロックウール(ロックウール集合体)が用意された。
【0031】
底部を有するステンレス製の円筒(内径:100mm、深さ:119mm、厚み:5mm)と、アルミニウム製円板(直径:100mm、厚み:1.5mm、荷重:1.2g/cm)とが用意された。そして、容器内に振動未印加および振動印加後のロックウール(ロックウール集合体)が入れられ、嵩密度が求められた。
【0032】
ステンレス製網篩(JIS Z 8801−1に適合、公称目開き13.2mm)と、受皿と、蓋と、ロータップ式の篩振とう機(MODEL NO:CE−89:丸東製作所製)が用意された。
【0033】
先ず、50gのロックウール(ロックウール集合体)が前記ステンレス製網篩の上に載せられ、受皿と蓋が取り付けた後、ロータップ式の篩振とう機に取り付けられた。そして、篩振とう機のスイッチが入れられ、ステンレス製網篩に一定の振動が与えられた。この時、中のロックウールがステンレス製網篩の枠(内壁)に衝突していたことは衝突音で確認された。
【0034】
振動印加時間が、各々、10分、20分、30分、40分、50分、60分となった時、篩振とう機を止め、中のステンレス製網篩の上および受皿に留まっていたロックウールを全量取り出し、嵩密度を調べた。その結果が図1に示される。
【0035】
そして、上記試料(No.1,No.2,No.3)のロックウール集合体が用いられ、かつ、普通ポルトランドセメントと水道水とが用いられ、所謂、半乾式工法が用いられ、ロックウールの吹付けが1分間行われ、ロックウール被覆層が構成された。
【0036】
この時、試料No.2やNo.3のロックウールが用いられた場合、試料No.1のロックウールが用いられた場合に比べて、2倍以上も落ち綿量が多かった。

図1