(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内線電話機を接続し、各種の通信サービスを提供するキーテレホンシステムであって、前記内線電話機のユーザに通知するために該内線電話機に対して送信する信号として、該内線電話機に関する現在の呼状態を示すトーン信号を送信する代わりに、各種サービス機能のうち現在の呼状態下において利用可能なサービス機能に関する案内となる案内メッセージを送信することを特徴とするキーテレホンシステム。
現在の呼状態下において利用可能なサービス機能が複数存在していた場合、利用可能な複数のサービス機能それぞれに関する案内を含む複合メッセージとして前記案内メッセージを構成することを特徴とする請求項1に記載のキーテレホンシステム。
前記内線電話機が発呼した発信先相手が他の相手と通話中の状態にあった場合、現在の呼状態としてビジートーンを送信して前記内線電話機を鳴動させる代わりに、通話予約操作を行うことにより前記発信先相手が終話して空き状態に移行した際に自動的に前記内線電話機を呼び出して、前記発信先相手との通話を行うことができる旨を示す予約メッセージ、または、割込通話操作を行うことにより前記発信先相手が他の相手との通話を保留した状態に移行させた際に、前記発信先相手との通話を行うことができる旨を示す割込メッセージ、または、前記予約メッセージと前記割込メッセージとの双方を少なくとも含む複合メッセージ、を前記案内メッセージとして前記内線電話機に送信することを特徴とする請求項1または2に記載のキーテレホンシステム。
前記案内メッセージは、音声情報またはテキスト文または音声情報とテキスト文との双方からなっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のキーテレホンシステム。
内線電話機を接続し、各種の通信サービスを提供するキーテレホンシステムにおけるサービス機能案内方法であって、前記内線電話機のユーザに通知するために前記キーテレホンシステムから該内線電話機に対して送信する信号として、該内線電話機に関する現在の呼状態を示すトーン信号を送信する代わりに、各種サービス機能のうち現在の呼状態下において利用可能なサービス機能に関する案内となる案内メッセージを送信することを特徴とするサービス機能案内方法。
現在の呼状態下において利用可能なサービス機能が複数存在していた場合、利用可能な複数のサービス機能それぞれに関する案内を含む複合メッセージとして前記案内メッセージを構成することを特徴とする請求項5に記載のサービス機能案内方法。
前記内線電話機が発呼した発信先相手が他の相手と通話中の状態にあった場合、現在の呼状態としてビジートーンを送信して前記内線電話機を鳴動させる代わりに、通話予約操作を行うことにより前記発信先相手が終話して空き状態に移行した際に自動的に前記内線電話機を呼び出して、前記発信先相手との通話を行うことができる旨を示す予約メッセージ、または、割込通話操作を行うことにより前記発信先相手が他の相手との通話を保留した状態に移行させた際に、前記発信先相手との通話を行うことができる旨を示す割込メッセージ、または、前記予約メッセージと前記割込メッセージとの双方を少なくとも含む複合メッセージ、を前記案内メッセージとして前記内線電話機に送信することを特徴とする請求項5または6に記載のサービス機能案内方法。
前記案内メッセージは、音声情報またはテキスト文または音声情報とテキスト文との双方からなっていることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のサービス機能案内方法。
請求項5ないし8のいずれかに記載のサービス機能案内方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とするサービス機能案内プログラム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載のようなヘルプキーの押下操作によるサービス機能説明文の場合、ユーザがあらかじめ利用しようとするサービス機能が分かっている場合には、ヘルプキーの押下操作により当該サービス機能の内容やその操作方法を理解することができるが、ユーザが現在発生している呼状態において何らかのサービス機能を利用しようとする段階においては、如何なる操作を行うべきかを容易には分からないことが多く、ユーザにとって最も望ましいサービス機能を実施させることができない場合が生じ易い。また、サービス機能の内容説明文がディスプレイに表示されても、該ディスプレイの狭い限られた表示領域では、各サービス機能に関して、各種の呼状態それぞれにおける操作方法についてユーザに分かり易く説明することも困難である。
【0005】
例えば、一般のキーテレホンシステムに備えられている「内線予約機能」は、「キャンプオン機能」のことであり、内線電話機からの発信先の相手が他の相手と話中状態にあって、ビジートーンが返送されてきた場合に、ビジートーンの鳴動中に、内線電話機上の「内線予約」ボタンを押下操作して送受話器をオンフックしておくと、発信先の相手が他の相手との通話を終了して、空きの状態になった時点で、当該発信先の相手との通話パスを設定して、内線電話機に対して自動的に呼び出し音を鳴動させ、送受話器をオフフックすると、当該発信先の相手との通話を行うことができるというサービス機能である。
【0006】
しかし、内線電話機のユーザは、「内線予約」という表現からは、前述のような「キャンプオン」の動作を行うサービス機能であるということを容易には想到することができないし、また、発信先の相手が話中のためビジートーンが鳴動しているのか否かということも判断することができない。このため、ユーザは、ビジートーンの鳴動中に「内線予約」ボタンの押下操作をしないため、「キャンプオン」動作を起動させることができない。また、ビジートーンというトーン信号(信号音)の鳴動という情報から現在は発信先の相手が話中であるという呼状態にあることが分かったとしても、キーテレホンのユーザが、発信先の相手との通話を諦めたくない場合に、キャンプオンも含め如何なるサービス機能を選択して用いるべきか、さらには、所望のサービス機能が分かったとしても、如何なる操作を行えば当該サービス機能を実施することができるかを、容易には把握することができない。
【0007】
而して、ユーザは、キーテレホンシステムに備えられている各種の機能を十分に活用することができないという問題がある。
【0008】
(本発明の目的)
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、各種サービス機能のうち、発生した現在の呼状態下において利用可能なサービス機能を容易に選択して操作することが可能になる案内メッセージを、現在の呼状態を示すトーン信号(信号音)の送信に代わってユーザに通報するキーテレホンシステム、サービス機能案内方法およびサービス機能案内プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明によるキーテレホンシステム、サービス機能案内方法およびサービス機能案内プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0010】
(1)本発明によるキーテレホンシステムは、内線電話機を接続し、各種の通信サービスを提供するキーテレホンシステムであって、前記内線電話機のユーザに通知するために該内線電話機に対して送信する信号として、該内線電話機に関する現在の呼状態を示すトーン信号を送信する代わりに、各種サービス機能のうち現在の呼状態下において利用可能なサービス機能に関する案内となる案内メッセージを送信することを特徴とする。
【0011】
(2)本発明によるサービス機能案内方法は、内線電話機を接続し、各種の通信サービスを提供するキーテレホンシステムにおけるサービス機能案内方法であって、前記内線電話機のユーザに通知するために前記キーテレホンシステムから該内線電話機に対して送信する信号として、該内線電話機に関する現在の呼状態を示すトーン信号を送信する代わりに、各種サービス機能のうち現在の呼状態下において利用可能なサービス機能に関する案内となる案内メッセージを送信することを特徴とする。
【0012】
(3)本発明によるサービス機能案内プログラムは、少なくとも前記(2)に記載のサービス機能案内方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のキーテレホンシステム、サービス機能案内方法およびサービス機能案内プログラムによれば、内線電話機の現在の呼状態に応じて、キーテレホンシステムが備えている各種サービス機能を、当該内線電話機のユーザが、容易かつ十分に、利用することが可能になり、次のような効果を奏することができる。
【0014】
まず、内線電話機の各ユーザは、当該内線電話機の現在の呼状態における各サービス機能の操作方法を十分に理解して操作することができるので、キーテレホンシステムを正しくかつ迅速に利用することができ、通話業務の効率化を図ることができる。
【0015】
また、ユーザが実際に操作している内線電話機の現在の呼状態において利用可能なサービス機能に関する内容や操作方法をその場で確実に取得することができるので、キーテレホンシステムの操作用としてあらかじめ配布するユーザマニュアルの簡略化を図ることもできる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明によるキーテレホンシステム、サービス機能案内方法およびサービス機能案内プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるキーテレホンシステムおよびサービス機能案内方法について説明するが、かかるサービス機能案内方法をコンピュータにより実行可能なサービス機能案内プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、サービス機能案内プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0018】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、複数の内線電話機を接続して種々の通信サービスを提供するキーテレホンシステムにおいて、内線電話機のユーザに通知し次の操作を促すために該内線電話機に対して送信する信号として、現在の呼状態を示すトーン信号(信号音)を送信する代わりに、該キーテレホンシステムに備えられている各種サービス機能のうち当該キーテレホンシステムにおける現在の呼状態下において利用可能なサービス機能に関する案内(内容説明、操作方法)となる案内メッセージを、ユーザに容易に理解可能な形式で通報することを主要な特徴としている。
【0019】
例えば、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合、従来のように、発信先の相手が話中であることを示すビジートーンというトーン信号(信号音)を送信して鳴動させる代わりに、現在の呼状態において利用可能なサービス機能として、例えば、相手が話中の状態にあり、内線電話機に備えている「予約」ボタンを押下操作した後、送受話器をオンフックするという操作を行うと、相手が話中から空き状態に移行した際に、自動的に呼び出し音を鳴動させ、送受話器をオフフックすれば、発信先の相手との通話が可能になる旨の案内メッセージを音声またはテキスト文または音声とテキスト文との双方を送信して、スピーカや送受話器から出力したり、ディスプレイ表示したりすることにより、ユーザに通報する。
【0020】
あるいは、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合、従来のように、発信先の相手が話中であることを示すビジートーンというトーン信号(信号音)を送信して鳴動させる代わりに、現在の呼状態において利用可能なサービス機能として、例えば、相手が話中の状態にあるものの、内線電話機に備えている「割込」ボタンを押下操作することにより、発信先の相手が通話中の相手との通話を保留状態に移行させて、しかる後に、自動的に、発信先の相手との通話が可能になる旨の案内メッセージを音声またはテキスト文または音声とテキスト文との双方を送信して、スピーカや送受話器から出力したり、ディスプレイ表示したりすることにより、ユーザに通報する。
【0021】
あるいは、発信先の相手が話中状態にあった場合または不在であらかじめ定めた時間経過しても応答がない状態が発生した場合、従来のように、発信先の相手が話中であることを示すビジートーンというトーン信号(信号音)を送信したり、リングバックトーンを継続して送信し続けたりして、鳴動させる代わりに、現在の呼状態において利用可能なサービス機能として、例えば、相手が話中または不在の状態にあり、内線電話機に備えている「ステップ」ボタンを押下操作することにより、発信先の相手への着信動作を諦めて、該発信先の番号に「1」加えた電話番号の相手に対して自動的に再発信する状態になる旨の案内メッセージを音声またはテキスト文または音声とテキスト文との双方を送信して、スピーカや送受話器から出力したり、ディスプレイ表示したりすることにより、ユーザに通報する。
【0022】
あるいは、通話中の状態において他の相手からの着信があった場合、従来の「キャッチホン」サービスのように、通話情報に重畳させてキャッチホン用着信音というトーン信号(信号音)を送信して鳴動させる代わりに、現在の呼状態において利用可能なサービス機能として、通話中の状態において他の相手からの着信があるので、「キャッチ」ボタンを押下操作することにより、通話相手を着信があった相手に切り替えることが可能である旨の案内メッセージを音声またはテキスト文または音声とテキスト文との双方を通話情報に重畳させて送信して、スピーカや送受話器から出力したり、ディスプレイ表示したりすることにより、ユーザに通報する。
【0023】
而して、キーテレホンシステムにおける各内線電話機それぞれの現在の呼状態に応じて、キーテレホンシステムが備えている各種サービス機能を、各内線電話機のユーザは容易かつ十分に利用することが可能になる。
【0024】
(実施形態の構成例)
次に、本発明のキーテレホンシステムのシステム構成例について、
図1および
図2を用いて説明する。ここで、
図1は、本発明によるキーテレホンシステムの内部構成の一例を説明するシステム構成図であり、
図2は、
図1に示すキーテレホンシステムの内線電話機20の外観の一例を示す外観図である。
【0025】
まず、
図1を用いて本発明によるキーテレホンシステムのシステム構成の一例を説明する。
図1に示すキーテレホンシステムは、制御部10の制御によって、複数の内線電話機20をそれぞれのライン回路30を介してスイッチ40に接続し、スイッチ40の開閉状態を切り替えることによって、内線電話機20同士を内線接続したり、内線電話機20を複数の外線トランク50のいずれかを介して外線(局線)に接続したり、トーントランク60やメッセージトランク70に接続したりすることができ、当該キーテレホンシステムが備えている各種のサービス機能を各内線電話機20のユーザに提供することができる。
【0026】
制御部10は、一般のキーテレホンシステムの場合と同様の呼制御用の機能を備えている以外に、各内線電話機20の現在の呼の状態を示す情報を監視して出力する呼状態監視部11と該呼状態監視部11が出力した呼状態に対応する案内メッセージを選択してメッセージトランク70から出力させるメッセージ選択部12とを少なくとも備えている。トーントランク60は、各内線電話機20のユーザに対して現在の呼状態を通知するためのトーン信号として、着信音やダイヤルトーン等の各種のトーンを出力するトランクであり、メッセージトランク70は、制御部10のメッセージ選択部12における選択結果に基づいて、現在の呼状態に応じた各種の案内メッセージを、サービス機能の案内情報として音声またはテキスト文または音声とテキスト文との双方の形式で出力するトランクである。
【0027】
図1に示すメッセージトランク70には、案内メッセージの一例として、予約メッセージ70a、割込メッセージ70b、一斉メッセージ70c、ステップメッセージ70d、キャッチホンメッセージ70eの5種類のメッセージのみを明示的に示しているが、本発明においては、かかる場合のみに限るものではなく、当該キーテレホンシステムに実装されている任意のサービス機能に対応するメッセージを案内メッセージとしてあらかじめ設定登録することができる。
【0028】
図1に示す各内線電話機20は、同一の構成からなる電話機であり、
図2に示すように、一般のキーテレホン端末の場合と同様、送受話器21、ディスプレイ22、機能ボタン23、ダイヤルキー24、スピーカ25を少なくとも含んで構成されている。
【0029】
図2に示す機能ボタン23については、本発明のキーテレホンシステムとして備えている各種のサービス機能のうち、
図1のメッセージトランク70に一例として示した予約メッセージ70a、割込メッセージ70b、一斉メッセージ70c、ステップメッセージ70d、キャッチホンメッセージ70eの5種類それぞれに対応するサービス機能を実施するための操作ボタンである予約ボタン23a、割込ボタン23b、一斉ボタン23c、ステップボタン23d、キャッチボタン23eの5種類についてのみ明示的に示している。
【0030】
ここで、予約メッセージ70aは、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合に、予約ボタン23aを押下操作した際のサービス機能(「通話予約」機能つまり「キャンプオン」機能)を案内する案内メッセージであって、例えば「発信先の相手は話中です。予約ボタンを押下操作した後、送受話器をオンフックすると、相手が通話を終了して空きの状態になった際に呼び出し音が鳴動しますので、送受話器をオフフックすれば、発信先の相手と通話することができます。」とのメッセージであり、音声情報としてまたはテキスト文としてまたは音声情報とテキスト文との双方としてメッセージトランク70から出力することができる。
【0031】
また、割込メッセージ70bは、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合に、割込ボタン23bを押下操作した際のサービス機能(「割込通話」機能)を案内する案内メッセージであって、例えば「発信先の相手は話中です。割込ボタンを押下操作すると、相手が通話を保留した状態になった際に発信先の相手と通話することができます。」とのメッセージであり、音声情報としてまたはテキスト文としてまたは音声情報とテキスト文との双方としてメッセージトランク70から出力することができる。
【0032】
また、一斉メッセージ70cは、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合あるいは発信先の相手が不在等のためあらかじめ定めた時間以内に応答しなかった場合に、一斉ボタン23cを押下操作した際のサービス機能(「一斉呼び出し」機能)を案内する案内メッセージであって、例えば「発信先の相手は話中かまたは不在です。一斉ボタンを押下操作すると、発信先の相手が所属するグループの人々が使用する全ての電話機に対して一斉に着信音を鳴動させ、いずれかの電話機のユーザが応答すると、そのユーザと通話することができます。」とのメッセージであり、音声情報としてまたはテキスト文としてまたは音声情報とテキスト文との双方としてメッセージトランク70から出力することができる。
【0033】
また、ステップメッセージ70dは、発信先の相手が他の相手と話中の状態にあった場合あるいは発信先の相手が不在等のためあらかじめ定めた時間以内に応答しなかった場合に、ステップボタン23dを押下操作した際のサービス機能(「ステップ呼び出し」機能)を案内する案内メッセージであって、例えば「発信先の相手は話中かまたは不在です。ステップボタンを押下操作すると、発信先の相手の電話番号を1だけ加算した電話番号の電話機に改めて着信させ、その電話機のユーザが応答すると、そのユーザと通話することができます。」とのメッセージであり、音声情報としてまたはテキスト文としてまたは音声情報とテキスト文との双方としてメッセージトランク70から出力することができる。
【0034】
また、キャッチホンメッセージ70eは、話中状態において他の相手から着信があった場合に、キャッチボタン23eを押下操作した際のサービス機能(「キャッチホン」機能つまり「コールウェイティング」機能)を案内する案内メッセージであって、例えば「他の相手から着信があります。キャッチボタンを押下操作すると、今通話中の相手との通話状態を保留して、着信した相手と通話することができます。着信した相手との通話が終了した後、再度、キャッチボタン23eを押下操作すると、保留していた相手との通話を再開することができます。」とのメッセージであり、音声情報としてまたはテキスト文としてまたは音声情報とテキスト文との双方としてメッセージトランク70から通話情報と重畳させて出力することができる。
【0035】
以上のように、各種のサービス機能の案内を行う案内メッセージが、キーテレホンシステムの内線電話機20の現在の呼状態に応じて、適宜出力されることにより、内線電話機20のユーザは、所望のサービス機能を容易かつ正確に理解することができ、現在の呼状態における所望のサービス機能を選択するための的確な操作を行うことができる。なお、本発明のサービス機能については、前述したように、5種類のサービス機能のみに限るものではなく、キーテレホンシステムとして備えている各種のサービス機能についても、それぞれのサービス機能を案内する案内メッセージをメッセージトランク70にあらかじめ設定登録しておき、制御部10からの制御に基づいて、現在の呼状態に応じて、トーントランク60からのトーン信号(信号音)に代わって、ユーザが所望するサービス機能を実施するための内線電話機20の操作方法を示す案内メッセージとして、メッセージトランク70から出力してユーザに通報するようにすることができる。
【0036】
すなわち、キーテレホンシステムのサービス機能として、前述のサービス機能以外に、例えば、多者通話サービス、転送サービス(話中転送、不在転送等)、全外線話中時のキャンプオンサービス等が備えられている場合には、それぞれのサービス機能を実施することが可能な呼状態に達した際に、自動的にそれぞれのサービス機能に関する案内メッセージをメッセージトランク70から出力するようにすれば良い。
【0037】
(実施形態の動作の説明)
次に、
図1、
図2に示したキーテレホンシステムの動作についてその一例を、まず、
図3のシーケンスチャートを用いて説明する。
図3は、
図1、
図2に示すキーテレホンシステムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートであり、当該キーテレホンシステムに実装されている各種サービス機能のうち、発信先の相手が話中であった場合のキャンプオン機能の動作を例に採って示している。
【0038】
すなわち、
図3のシーケンスチャートにおいては、電話機Cと通話中の状態にある電話機Bに対して電話機Aが発呼した場合のキャンプオン機能の動作について説明している。なお、
図3において、電話機A、電話機Bは、キーテレホンシステムの内線電話機20であるが、電話機Cは、内線電話機20であっても良いし、外線トランク50を介して接続される外線電話機であっても構わない。ただし、電話機Bについては、キーテレホンシステムの外部に存在する外線電話機であっても良く、かかる場合には、電話機Bの呼状態(話中、空き状態)を外線を通してキーテレホンシステムが取得することになる。
【0039】
図3のシーケンスチャートにおいて、まず、電話機Bと電話機Cとが通話中の状態にあるとき(シーケンスSeq1)、電話機Aが、電話機Bを発信先の相手として発呼すると(シーケンスSeq2)、該発呼信号を受け付けたキーテレホンシステムの制御部10は、呼状態監視部11によって、発呼先の相手の電話機Bが話中状態であることを検出し、電話機Bに対する発呼信号の送信を抑止する(シーケンスSeq3)。
【0040】
しかる後、キーテレホンシステムの制御部10は、スイッチ40の接続状態を制御するとともに、メッセージ選択部12において、サービス機能として予約機能(キャンプオン機能)の操作方法を案内する案内メッセージの選択を行うメッセージ選択信号を、メッセージトランク70に対して送信する。該メッセージ選択信号を受け取ったメッセージトランク70は、該メッセージ選択信号にしたがって、予約メッセージ70aを選択して、発呼元の電話機Aに対して、スイッチ40、ライン回路30を介して、現在の呼状態を示すビジートーンというトーン信号(信号音)をトーントランク60から送信する代わりに、出力する(シーケンスSeq4)。
【0041】
予約メッセージ70aは、前述したように、例えば、「発信先の相手は話中です。予約ボタンを押下操作した後、送受話器をオンフックすると、相手が通話を終了して空きの状態になった際に呼び出し音が鳴動しますので、送受話器をオフフックすれば、発信先の相手と通話することができます。」とのメッセージであり、現在の呼状態として発信先の相手が話中になっていた場合に、話中キャンプオン機能に関する操作方法を、ビジートーンに代わってユーザに通報することになる。予約メッセージ70aを受け取った電話機Aは、該予約メッセージ70aを送受話器21またはスピーカ25から音声情報として出力するか、または、ディスプレイ22にテキスト文として画面表示するか、音声情報とテキスト文との双方として送受話器21やスピーカ25やディスプレイ22に出力してユーザに通報する。
【0042】
予約メッセージ70aの内容を確認したユーザが、
図2に示す内線電話機20からなる電話機Aの機能ボタン23のうち予約ボタン23aを通話予約操作として押下操作すると、予約信号が、ライン回路30、スイッチ40を介してキーテレホンシステムに送信される(シーケンスSeq5)。電話機Aからの予約信号を受け取ったキーテレホンシステムの制御部10の呼状態監視部11は、電話機Aをキャンプオン待合せ状態に設定して、電話機Aの発信先の相手である電話機Bが話中状態から空きの状態に移行することを監視し続ける。なお、電話機Aのユーザは、予約ボタン23aを押下操作した後、予約メッセージ70aにしたがって、送受話器21をオンフックして、呼び出し音が鳴動するまで待ち合わせる。
【0043】
しかる後、電話機Bが電話機Cとの通話が終了して終話状態に移行すると(シーケンスSeq6)、キーテレホンシステムの制御部10の呼状態監視部11は、電話機Bから、空き状態に移行した旨を示す終話信号を受け取る(シーケンスSeq7)。キーテレホンシステムの制御部10は、キャンプオン待合せ状態に設定されていた電話機Aの発信先の相手であった電話機Bが空き状態に移行すると、トーントランク60を駆動して、電話機Aに対して着呼信号を送出して呼び出し音を鳴動させるとともに(シーケンスSeq8)、電話機Bに対しても発呼信号を送出して呼び出し音を鳴動させる(シーケンスSeq9)。なお、場合によっては、キャンプオン待合せ状態に設定されていた電話機Aに対して、着呼信号に代わって、メッセージトランク70から例えば「予約した相手を呼び出し中です。」という予約呼び出しメッセージをスピーカ25から出力してユーザに通報するようにしても良い。
【0044】
着呼信号による呼び出し音が鳴動した電話機Aのユーザが送受話器21をオフフックすると、応答信号が、ライン回路30、スイッチ40を介してキーテレホンシステムに送信される(シーケンスSeq10)。キーテレホンシステムの制御部10の呼状態監視部11は、発呼信号による呼び出し音を鳴動させた電話機Bからも応答信号が送信されてくると(シーケンスSeq11)、電話機Aと電話機Bとをスイッチ40を介して接続し、通話中の状態に移行させる(シーケンスSeq12)。
【0045】
以上のような動作を行うことにより、電話機Aのユーザは、電話機Bの話中状態が解除された時点で直ちに電話機Bのユーザと通話を行うことができる。つまり、電話機Aのユーザは、発信先相手話中という現在の呼状態において利用可能な通話予約サービスについて、すなわち、電話機A上に機能ボタン23として備えられている予約ボタン23aのサービス機能の内容および操作方法について容易に理解することができ、通話相手との通話業務の効率化を図ることができるとともに、内線電話機20を利用する各ユーザにあらかじめ配布するユーザマニュアルの簡略化を図ることも可能になる。
【0046】
次に、
図1、
図2に示したキーテレホンシステムの動作について
図3とは異なる他の例を、
図4のシーケンスチャートを用いて説明する。
図4は、
図1、
図2に示すキーテレホンシステムの動作の
図3とは異なる他の例を説明するためのシーケンスチャートであり、当該キーテレホンシステムに実装されている各種サービス機能のうち、発信先の相手が話中であった場合の割込通話機能の動作を例に採って示している。
【0047】
すなわち、
図4のシーケンスチャートにおいては、電話機Cと通話中の状態にある電話機Bに対して電話機Aが発呼した場合の割込通話機能の動作について説明している。なお、
図4においても、
図3の場合と同様、電話機A、電話機Bは、キーテレホンシステムの内線電話機20であるが、電話機Cは、内線電話機20であっても良いし、外線トランク50を介して接続される外線電話機であっても構わない。ただし、電話機Bについては、
図3の場合と同様、キーテレホンシステムの外部に存在する外線電話機であっても良い。
【0048】
図4のシーケンスチャートにおいて、まず、電話機Bと電話機Cとが通話中の状態にあるとき(シーケンスSeq21)、電話機Aが、電話機Bを発信先の相手として発呼すると(シーケンスSeq22)、
図3の場合と同様、該発呼信号を受け付けたキーテレホンシステムの制御部10は、呼状態監視部11によって、発呼先の相手の電話機Bが話中状態であることを検出し、電話機Bに対する発呼信号の送信を抑止する(シーケンスSeq23)。
【0049】
しかる後、キーテレホンシステムの制御部10は、スイッチ40の接続状態を制御するとともに、メッセージ選択部12において、サービス機能として割込通話機能の操作方法を案内する案内メッセージの選択を行うメッセージ選択信号を、メッセージトランク70に対して送信する。該メッセージ選択信号を受け取ったメッセージトランク70は、該メッセージ選択信号にしたがって、割込メッセージ70bを選択して、発呼元の電話機Aに対して、スイッチ40、ライン回路30を介して、現在の呼状態を示すビジートーンというトーン信号(信号音)をトーントランク60から送信する代わりに、出力する(シーケンスSeq24)。
【0050】
割込メッセージ70bは、前述したように、例えば、「発信先の相手は話中です。割込ボタンを押下操作すると、相手が通話を保留した状態になった際に発信先の相手と通話することができます。」とのメッセージであり、現在の呼状態として発信先の相手が話中になっていた場合に、割込通話機能に関する操作方法を、ビジートーンに代わってユーザに通報することになる。割込メッセージ70bを受け取った電話機Aは、該割込メッセージ70bを送受話器21またはスピーカ25から音声情報として出力するか、または、ディスプレイ22にテキスト文として画面表示するか、音声情報とテキスト文との双方として送受話器21やスピーカ25やディスプレイ22に出力してユーザに通報する。
【0051】
割込メッセージ70bの内容を確認したユーザが、
図2に示す内線電話機20からなる電話機Aの機能ボタン23のうち割込ボタン23bを割込通話操作として押下操作すると、割込信号が、ライン回路30、スイッチ40を介してキーテレホンシステムに送信される(シーケンスSeq25)。電話機Aからの割込信号を受け取ったキーテレホンシステムの制御部10は、電話機Aを割込通話待合せ状態に設定するとともに、電話機Aの発信先の相手である電話機Bに対して割込信号を送信した後(シーケンスSeq26)、電話機Bから保留信号が送信されてくることを監視し続ける。なお、電話機Aのユーザは、割込ボタン23bを押下操作した後、割込メッセージ70bにしたがって、送受話器21をオフフックのままにして、発信先の相手との通話が可能になるまで待ち合わせる。
【0052】
しかる後、電話機Bが保留ボタンを押下操作して電話機Cとの通話を保留にした状態に移行すると(シーケンスSeq27)、キーテレホンシステムの制御部10の呼状態監視部11は、電話機Bから、通話中状態から保留状態に移行した旨を示す保留信号を受け取る(シーケンスSeq28)。キーテレホンシステムの制御部10は、割込通話待合せ状態に設定されていた電話機Aの発信先の相手であった電話機Bが保留状態に移行すると、割込通話待合せ状態に設定されていた電話機Aと電話機Bとをスイッチ40を介して接続し、通話中の状態に移行させる(シーケンスSeq29)。なお、場合によっては、割込通話待合せ状態に設定されていた電話機Aと電話機Bとをスイッチ40を介して接続する動作に先立って、メッセージトランク70から例えば「待合せた相手との割込通話が可能です。」という割込通話可能メッセージを出力して電話機Aのユーザに通報し、さらに、メッセージトランク70から例えば「割込通話の相手との通話が開始されます。」という割込通話開始メッセージを電話機B側にも出力して電話機B側のユーザに通報するようにしても良い。
【0053】
なお、割込通話先の電話機Bにおいては、割込通話サービスの着信側として、該割込通話サービスを許容する電話機であるか否かを、着信側サービスであるキャッチホンサービスと組み合わせて判定するようにしても良い。すなわち、キーテレホンシステムの制御部10は、電話機Bに対して、シーケンスSeq26において割込信号を送信する代わりに、
図1、
図2のキーテレホンシステムに例示しているように、キャッチホンサービスを案内する案内メッセージである「他の相手から着信があります。キャッチボタンを押下操作すると、今通話中の相手との通話状態を保留して、着信した相手と通話することができます。着信した相手との通話が終了した後、再度、キャッチボタン23eを押下操作すると、保留していた相手との通話を再開することができます。」とのキャッチホンメッセージ70eを通話情報に重畳させて送信するようにしても良い。
【0054】
該キャッチホンメッセージ70eを確認した電話機Bのユーザが、キャッチホンメッセージ70eにしたがって、電話機Bの機能ボタン23のうち、キャッチボタン23eを押下操作すると、シーケンスSeq27およびシーケンスSeq28に示すように、電話機Bは、現在通話中の電話機Cとの間の通話状態を保留状態に設定した後、保留信号をキーテレホンシステムに送信して、電話機Aとの間の割込通話に対応することになる。
【0055】
以上のような動作を行うことにより、電話機Aのユーザは、話中状態の電話機Bに割り込んで直ちに電話機Bのユーザと通話を行うことができる。つまり、電話機Aのユーザは、発信先相手話中という現在の呼状態において利用可能な割込通話サービスについて、すなわち、電話機A上に機能ボタン23として備えられている割込ボタン23bのサービス機能の内容および操作方法について容易に理解することができ、
図3の通話予約サービスの場合と同様、通話相手との通話業務の効率化を図ることができるとともに、内線電話機20を利用する各ユーザにあらかじめ配布するユーザマニュアルの簡略化を図ることも可能になる。
【0056】
なお、
図3および
図4のシーケンスチャートにおいては、いずれも、発信先の相手が話中の状態にあった場合であり、それぞれにおいて、予約メッセージ70aと割込メッセージ70bとを、それぞれ別個のメッセージとして、単独に、発信元の電話機Aに送信する場合について示した。かくのごとき場合は、発信元の電話機Aを利用するユーザが、発信先の相手が話中の状態にあった場合には、例えば、キャンプオン機能を利用したい、あるいは、割込通話機能を利用したい、ということをあらかじめ認識して、キーテレホンシステムに設定登録していた場合の動作を示している。したがって、キーテレホンシステムの制御部10のメッセージ選択部12は、電話機Aにおけるサービス機能としてあらかじめ設定登録されている登録内容にしたがって、例えば、予約メッセージ70aを選択したり、割込メッセージ70bを選択したりすることになる。
【0057】
しかし、かくのごとき設定登録をあらかじめ行うことなく、電話機Aのユーザは、現在の状況に応じて、例えば、発信先の相手如何に応じて、通話予約サービス、割込通話サービスのいずれかを選択したいという場合も存在する。かかる場合に対応可能にするために、メッセージトランク70には、予約メッセージ70aと割込メッセージ70bとの双方を含む複合メッセージを案内メッセージとして備えるようにし、電話機Aのユーザが予約ボタン23a、割込ボタン23bのいずれでも選択して押下操作することができるようにしても良い。
【0058】
ここで、該複合メッセージとは、複数のサービス機能それぞれに関する案内をサービス機能の選択判断材料として示す案内メッセージであることを意味することになる。例えば、通話予約サービスと割込通話サービスとのいずれかの選択用の複合メッセージとして、「発信先の相手は話中です。予約ボタンまたは割込ボタンを押下操作することができます。予約ボタンを押下操作した後、送受話器をオンフックすると、相手が通話を終了して空きの状態になった際に呼び出し音が鳴動しますので、送受話器をオフフックすれば、発信先の相手と通話することができます。一方、割込ボタンを押下操作すると、相手が通話を保留した状態になった際に発信先の相手と通話することができます。」という案内メッセージを用いるようにしても良い。
【0059】
さらには、
図1、
図2に示したように、予約メッセージ70a、割込メッセージ70b以外に、一斉ボタン23cに対応する一斉メッセージ70cやステップボタン24dに対応するステップメッセージ70dについても、発信先の相手が話中または無応答状態にあった場合に、発信元のユーザに対して通報する案内メッセージであり、前述のような複合メッセージとして、複数のサービス機能のうちいずれを選択して用いるかを選択することが可能な複合メッセージを用意することにすれば良い。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。