特許第5939674号(P5939674)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5939674プラスチック容器の梱包方法及び梱包装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939674
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月22日
(54)【発明の名称】プラスチック容器の梱包方法及び梱包装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/06 20060101AFI20160609BHJP
   B65B 27/04 20060101ALI20160609BHJP
【FI】
   B65B13/06
   B65B27/04
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-82124(P2012-82124)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-209147(P2013-209147A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000107697
【氏名又は名称】ストラパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】葛西 知宏
(72)【発明者】
【氏名】勝田 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】小宮 温
(72)【発明者】
【氏名】君島 昭浩
(72)【発明者】
【氏名】安達 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】早川 康彦
【審査官】 西 秀隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−294460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/06
B65B 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包方法であって、
前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けの前に、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持部材を配置し、
前記支持部材が配置された状態で、前記バンディング機構が前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けを行うプラスチック容器の梱包方法。
【請求項2】
前記支持部材を、少なくとも、前記トップフレームの、前記結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位下面を支持するように配置する請求項1記載のプラスチック容器の梱包方法。
【請求項3】
前記支持部材を、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面及び前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を同時に支持するように配置する請求項2記載のプラスチック容器の梱包方法。
【請求項4】
前記支持部材を、前記結束バンドを挟んだ両側の前記トップフレームの縁部の所定部位下面を同時に支持するように配置する請求項1乃至3記載のプラスチック容器の梱包方法。
【請求項5】
前記支持部材は、前記トップフレームの上面に当接する上押え部材と、前記上押え部材に結合され、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する下部材とを有し、
前記支持部材を、前記上押え部材が前記トップフレームの上面に当接し、前記下部材が前記トップフレームの縁部の前記所定部位下面を支持するように配置する請求項1乃至4のいずれかに記載のプラスチック容器の梱包方法。
【請求項6】
前記積上げ体を偶数の結束バンドによって順次締め付ける際に、前記支持部材を、前記トップフレームの、前記積上げ体の略中央部から離れた位置に最初に掛け回す結束バンドの近傍部位下面を支持するように配置する請求項1乃至5のいずれかに記載のプラスチック容器の梱包方法。
【請求項7】
パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包装置であって、
前記積上げ体における前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持部材と、
前記支持部材を、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持位置と、該支持位置から離れた退避位置との間で移動させる支持部材移動機構とを有し、
前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けの前に、前記支持部材移動機構が、前記支持部材を前記支持位置に移動させるプラスチック容器の梱包装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記支持位置にて、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持するものであって、
前記支持部材移動機構は、前記支持部材を、前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる請求項7記載のプラスチック容器の梱包装置。
【請求項9】
前記支持部材は、前記支持位置にて、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持する第1端部支持部材と、前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持する第2端部支持部材とを有し、
前記支持部材移動機構は、前記第1端部支持部材及び前記第2端部支持部材を前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる請求項8記載のプラスチック容器の梱包装置。
【請求項10】
前記支持部材は、前記支持位置にて、前記結束バンドを挟んだ両側の前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する第1側支持部材と第2側支持部材とを有し、
前記支持部材移動機構は、前記第1側支持部材及び前記第2側支持部材を前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる請求項7乃至9のいずれかに記載のプラスチック容器の梱包装置。
【請求項11】
前記支持部材は、前記支持位置にて、前記トップフレームの上面に当接する上押え部材と、前記上押え部材に結合され、前記トップフレームとの下面を支持する下部材とを有し、
前記支持部材移動機構は、前記上押え部材及び前記下部材を前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる請求項7乃至10のいずれかに記載のプラスチック容器の梱包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットの上に複数のPETボトル等のプラスチック容器を重ね、それら複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パレットの上に瓶類等の小容器をセパレートシートを介して段状に積み重ね、最上段に並べられた複数の小容器の上に頂板(トップフレーム)を重ねてなる積上げ体(バルク積み体)を、前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けて梱包する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、最上位に位置するトップフレームが、結束バンドの締め付けによって周辺部が撓んで中央部が浮き上がるように変形することを防止するために、前記結束バンドの締め付けによる変形を相殺するように無負荷状態において反り返った形状のトップフレームを用いている。このようなトップフレームを用いることにより、結束バンドにて締め付けられた状態で、トップフレームが平坦な状態を維持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−62715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、前記積上げ体(バルク積み体)を結束バンドによって締め付ける場合、その結束バンドによって押さえ付けられる前記積上げ体の縁辺に大きな荷重がかかり、その大きな荷重のかかるトップフレームの部位が撓む。ところで、PETボトル等のプラスチック容器をパレット上に積上げてなる積上げ体を前記結束バンドによって締め付けて梱包する場合、前記結束バンドの締め付けによって撓むトップフレームの部位に対応した位置に配されるプラスチック容器が変形するおそれがある。近年、PETボトルは環境負荷低減のために軽量化、薄肉化が進んでおり、縦方向荷重強度(圧縮強度)が低下する傾向にあり、前記変形する可能性が高くなっている。この点に関し特許文献1の技術では、特定構造のトップフレームを積上げ体ごとに用意しなければならないというコスト的な問題のほか、トップフレームが反り返った形状のため複数並べられた容器上に重ねる際に容器と均等に当接せず安定性が悪いので、結束バンド締め付け時の荷重が特定部位の容器に集中する虞がむしろ大きくなる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、結束バンドにより締め付けられる積上げ体における各プラスチック容器に対する縦荷重の偏りを極力小さくすることのできるプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプラスチック容器の梱包方法は、パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包方法であって、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けの前に、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持部材を配置し、前記支持部材が配置された状態で、前記バンディング機構が前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けを行う構成となる。
【0007】
このような構成により、パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を、バンディング機構が、前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるに際し、支持部材が前記トップフレームの縁部の所定部位を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0008】
本発明に係るプラスチック容器の梱包方法において、前記支持部材を、少なくとも、前記トップフレームの、前記結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位下面を支持するように配置する構成とすることができる。
【0009】
このような構成により、支持部材が、トップフレームの、結束バンドの締め付けにより比較的大きい力が作用し得る当該結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0010】
また、本発明に係るプラスチック容器の梱包方法において、前記支持部材を、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面及び前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を同時に支持するように配置する構成とすることができる。
【0011】
このような構成により、支持部材が、トップフレームの結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面及び前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を同時に支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0012】
また、本発明に係るプラスチック容器の梱包方法において、前記支持部材を、前記結束バンドを挟んだ両側の前記トップフレームの縁部の所定部位下面を同時に支持するように配置する構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、支持部材が、結束バンドを挟んだ両側のトップフレームの縁部の所定部位下面を同時に支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0014】
更に、本発明に係るプラスチック容器の梱包方法において、前記支持部材は、前記トップフレームの上面に当接する上押え部材と、前記上押え部材に結合され、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する下部材とを有し、前記支持部材を、前記上押え部材が前記トップフレームの上面に当接し、前記下部材が前記トップフレームの縁部の前記所定部位下面を支持するように配置する構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、支持部材の上押え部材がトップフレームの上面に当接し、前記支持部材の前記上押え部材に結合した下部材が前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0016】
また、本発明に係るプラスチック容器の梱包方法において、前記積上げ体を偶数の結束バンドによって順次締め付ける際に、前記支持部材を、前記トップフレームの、前記積上げ体の略中央部から離れた位置に最初に掛け回す結束バンドの近傍部位下面を支持するように配置する構成とすることができる
【0017】
このような構成により、積上げ体が偶数の結束バンドによって順次締め付けられる際に、トップフレームの、比較的大きい荷重のかかり得る、積上げ体の略中央部から離れた位置に最初に掛け回す結束バンドの近傍部位下面を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる

【0018】
本発明に係るプラスチック容器の梱包装置は、パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包装置であって、前記積上げ体における前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持部材と、前記支持部材を、前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する支持位置と、該支持位置から離れた退避位置との間で移動させる支持部材移動機構とを有し、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けの前に、前記支持部材移動機構が、前記支持部材を前記支持位置に移動させる構成となる。
【0019】
このような構成により、パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を、バンディング機構が、前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるに際し、支持部材移動機構が支持部材を退避位置から支持位置に移動させた後に、前記積上げ体を前記結束バンドによって締め付けることができる。これにより、前記支持部材が前記トップフレームの縁部の所定部位を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0020】
本発明に係るプラスチック容器の梱包装置において、前記支持部材は、前記支持位置にて、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持するものであって、前記支持部材移動機構は、前記支持部材を、前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる構成とすることができる。
【0021】
このような構成により、支持部材移動機構が支持部材を退避位置から支持位置に移動させた後に、積上げ体を結束バンドによって締め付けることにより、支持部材が、トップフレームの、結束バンドの締め付けにより比較的大きい力が作用し得る当該結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0022】
また、本発明に係るプラスチック容器の梱包装置において、前記支持部材は、前記支持位置にて、前記トップフレームの前記結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持する第1端部支持部材と、前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持する第2端部支持部材とを有し、前記支持部材移動機構は、前記第1端部支持部材及び前記第2端部支持部材を前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる構成とすることができる。
【0023】
このような構成により、支持部材移動機構が第1端部支持部材及び第2端部支持部材を退避位置から支持位置に移動させた後に、積上げ体を結束バンドによって締め付けることにより、前記第1端部支持部材が、トップフレームの結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持し、同時に、前記第2端部支持部材が、前記トップフレームの前記結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0024】
また、本発明に係るプラスチック容器の梱包装置において、前記支持部材は、前記支持位置にて、前記結束バンドを挟んだ両側の前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持する第1側支持部材と第2側支持部材とを有し、前記支持部材移動機構は、前記第1側支持部材及び前記第2側支持部材を前記支持位置と前記退避位置との間で移動させる構成とすることができる。
【0025】
このような構成により、支持部材移動機構が第1側支持部材及び第2側支持部材を退避位置から支持位置に移動させた後に、積上げ体を結束バンドによって締め付けることにより、第1側支持部材及び第2側支持部材が、結束バンドを挟んだ両側のトップフレームの縁部の所定部位下面を同時に支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【0026】
更に、本発明に係るプラスチック容器の包装装置において、支持部材移動機構が支持部材を退避位置から支持位置に移動させた後に、積上げ体を結束バンドによって締め付けることにより、トップフレームの上面に上押え部材が当接し、下部材が前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされる。
【発明の効果】
【0027】
発明に係るプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置によれば、パレットの上に複数のプラスチック容器を重ね、該複数のプラスチック容器の上にトップフレームを重ねてなる積上げ体を、前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるに際し、支持部材が前記トップフレームの縁部の所定部位下面を支持した状態で、前記積上げ体の前記結束バンドによる締め付けがなされるので、前記支持部材によって縁部の所定部位下面が支持されるトップフレームの撓みが減り、前記結束バンドにより締め付けられる積上げ体における各プラスチック容器に対する縦荷重の偏りを極力小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】梱包された積上げ体の一例を示す一部切欠き斜視図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る梱包装置を示す正面図である。
図3図2に示す梱包装置におけるトップフレームを支持する機構の詳細を示す拡大部分図である。
図4A図2に示す梱包装置におけるトップフレームを支持する機構を示す平面図である。
図4B図2に示す梱包装置におけるトップフレームを支持する機構を示す側面図である。
図5A】1つの結束バンドにて略中央部が締め付けられた状態の積上げ体をトップフレーム側から見た平面図である。
図5B】2つ結束バンドにて略中央部及び一方端部が締め付けられた状態の積上げ体をトップフレーム側から見た平面図である。
図5C】3つの結束バンドにて略中央部及び両端部が締め付けられた状態の積上げ体をトップフレーム側から見た平面図である。
図6図3乃至図5Cに示す構造の梱包装置により梱包された積上げ体における各結束バンドの近傍位置でのトップフレームの変位及びPETボトルに対する荷重(バンディング荷重)の実験例を比較例とともに示す図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る梱包装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の一形態に係るプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置について、図面を用いて説明する。
【0030】
PETボトル(プラスチック容器)を輸送するに際して、例えば、図1に示すように、複数のPETボトルBがパレット101(例えば、ポリエチレン製)上に段積みされた状態で梱包される。具体的には、パレット101の上に複数のPETボトルBが隙間なく配列されてなるPETボトル群がセパレートシート102を挟みながら複数段重ねられ、最上段のPETボトル群の上にセパレートシート102及びトップフレーム103(例えば、ポリプロピレン製)が重ねられて積上げ体100が形成される。そして、その積上げ体100を、パレット101とトップフレーム103との間に掛け回された、例えば、3本の結束バンド111、112、113(例えば、ポリプロピレン製)によって締め付けて、各結束バンド111、112、113の両端部を溶着することにより、その積み上げ体100を固定して一体化させる。その後、3本の結束バンド111、112、113によって締め付け固定された積上げ体100が、その全体を覆うストレッチフィルム120(例えば、EVA樹脂製)にてシュリンクラップされる。
【0031】
前記積上げ体100の結束バンド111、112、113による締め付けは、図2に示す梱包装置によってなされる。
【0032】
図2において、この梱包装置は、アーチ状のバンドガイド部210とバンド供給・結束機構220とを備えたバンディング機200(バンディング機構)を有している。バンディング機200は、例えば、特公昭52−2358号公報に記載される梱包機と基本的な構造が共通している。
【0033】
このバンディング機200では、アーチ状のバンドガイド部210にて囲まれる面に垂直な方向(図2の紙面に垂直な方向)に延びる搬送路(図示略)上を積上げ体100が搬送されて、その積上げ体100の結束バンドを掛け回すべき位置がバンドガイド部210の位置に対応すると、積上げ体100が停止される。そして、バンド供給・結束機構220から繰り出されて所定方向Aにバンドガイド部210を通ってバンド供給・結束機構220に戻る結束バンドが、積上げ体100のパレット101とトップフレーム103との間に掛け回される。この状態で、バンド供給・結束機構220により、結束バンドによる積上げ体100の締め付けがなされ、その積上げ体100を締め付ける結束バンドの両端部が溶着されるようになっている。
【0034】
梱包装置は、上述したようなバンディング機200とともに、結束バンドにて積上げ体100を締め付ける際にその積上げ体100のトップフレーム103を下から支持する支持部材と、その支持部材を支持位置と退避位置との間で移動させる支持部材移動機構とを有している。
【0035】
図2とともに、図3図4A及び図4Bを参照して、前記支持部材及び支持部材移動機構について説明する。
【0036】
アーチ状のバンドガイド部210の上辺の近傍に、バンドガイド部210を挟むように1組の取付けアーム体11a及び11b(図示略)が配置されている。取付けアーム体11a、11bの一端部が、取り付け台20a及び20b(図示略)に固定されたエアシリンダ18a及び18b(図示略)のロッドによって支持されるとともに、それらの他端部が、取り付け台21a及び21b(図示略)に固定されたエアシリンダ19a及び19b(図示略)のロッドによって支持されている。エアシリンダ18a(18b)、19a(19b)の同期した動作によって、1組の取付けアーム体11a(11b)が、昇降動する。各取付けアーム体11a、11bには、その略中央部から下方に延びる連結部12a及び12b(図示略)が設けられ、各連結部12a、12bに上押え部材13a、13bが取り付けられている。このようにして各取付けアーム体11a、11bに吊り下げられた上押え部材13a、13bは、図4A及び図4Bに示すように、アーチ状のバンドガイド部210を通り、積上げ体100を締め付ける結束バンド(111、112、113)を挟むように配置される。
【0037】
一方の上押え部材13aの一端部には、上押え部材13aの長手方向にロッドが進退動するように配置されたエアシリンダ14aが固定されており、そのロッドの先端部に当該ロッドに垂直に取り付け板22aが固定されている(図3図4A及び図4B参照)。取り付け板22aには、上下方向にロッドが進退動させるエアシリンダ16aが固定されており、そのロッドの先端部に上押え板13aに平行となるように支持板24a(下部材)が固定されている。
【0038】
上押え部材13aの他端部にも、前述したエアシリンダ14a、取り付け板22a、エアシリンダ16a及び支持板24a(下部材)と同様に、エアシリンダ15a、取り付け板23a、エアシリンダ17a及び支持板25a(下部材)が設けられている(図4A参照)。また、他方の上押え部材13bの一端部にも同様に、エアシリンダ14b、取り付け板22b、エアシリンダ16b及び支持板24b(下部材)が設けられ(図4A及び図4B参照)、更に、上押え部材13bの他端部にも同様に、エアシリンダ15b、取り付け板23b、エアシリンダ17b及び支持板25b(下部材)が設けられている(図4A参照)。
【0039】
上述した構造の梱包装置において、上押え部材13a(13b)と、エアシリンダ14a(14b)、15a(15b)及びエアシリンダ16a(16b)、17a(17b)を介して前記上押さえ部材13a(13b)に結合される支持板24a(24b)、25a(25b)が、結束バンドにて積上げ体100を締め付ける際にその積上げ体100のトップフレーム103を支持する支持部材に対応し、取り付けアーム体11a(11b)、エアシリンダ18a(18b)、19a(19b)及びエアシリンダ14a(14b)、15a(15b)、16a(16b)、17a(17b)が前記支持部材を退避位置と支持位置との間で移動させる支持部材移動機構に対応する。
【0040】
上述したような構造の梱包装置は、次のようにして結束バンドによる積上げ体100の締め付けを行う。
【0041】
図5Aに示すように、搬送路を所定方向Dfに搬送される積上げ体100の略中央部がバンディング機200におけるバンドガイド部210の位置に達すると、積上げ体100の搬送が停止される。そして、エアシリンダ18a(18b)及び19a(19b)(図2参照)の同期した動作により、トップフレーム103の上面から退避した位置(退避位置)にある上押え部材13a、13bが積上げ体100の最上位に位置するトップフレーム103の上面に当接するように、取り付けアーム体11a(11b)が下降する。この状態で、当初、各エアシリンダ14a(14b、15a、15b)がロッドを進出させ、各エアシリンダ16a(16b、17a、17b)がロッドを進出させており、図3の破線で示すように、支持板24a(24b、25a、25b)は、トップフレーム103から退避した位置(X1,Y1)にある。
【0042】
そして、エアシリンダ14a(14b、15a、15b)がロッドを退動させ、次いで、エアシリンダ16a(16b、17a、17b)がロッドを退動させることにより、支持板24a(24b、25a、25b)が、図3の実線で示すように、トップフレーム103の縁部の所定部位下面を支持する位置(X2、Y2:支持位置)に移動する。これにより、結束バンド111が掛け回される位置を挟んで、トップフレーム103の結束バンド111が下から上に通る側の縁部の部位E1、E2の下面が支持板24a(第2端部支持部材、第1側支持部材)、24b(第2端部支持部材、第2側支持部材)で支持されるとともに、トップフレーム103の結束バンド111が上から下に通る側の縁部の部位E3、E4の下面が、支持板25a(第1端部支持部材、第1側支持部材)、25b(第1端部支持部材、第2側支持部材、)によって支持される。この状態で、バンド供給・結束機構220が、積上げ体100のパレット101とトップフレーム103との間に結束バンド111を掛け回し、その結束バンド111により積上げ体100を締め付けて、その結束バンド111の両端部を溶着する。
【0043】
次に、エアシリンダ16a(16b、17a、17b)がロッドを進出させ、更に、エアシリンダ14a(14b、15a、15b)がロッドを進出させて、図3の破線で示すように、支持板24a(24b、25a、25b)がトップフレーム103から退避した位置(X1、Y1)に移動する。その後、エアシリンダ18a(18b)及び19a(19b)の同期した動作により、上押え部材13a、13bがトップフレーム103の上面から退避した位置(退避位置)に移動するように、取り付けアーム体11a(11b)が上昇する。
【0044】
このようにして支持板24a(24b、25a、25b)がトップフレーム103から退避するとともに、上押え部材13a、13bがトップフレーム103の上面から退避した状態で、積上げ体100が更に前記所定方向Dfに移動される。そして、図5Bに示すように、積上げ体100の一方端部がバンドガイド部210の位置に達すると、積上げ体100の搬送が停止される。この状態で、エアシリンダ18a(18b)及び19a(19b)、エアシリンダ14a(14b、15a、15b)、及びエアシリンダ16a(16b、17a、17b)が上述したのと同様に動作にする。それにより、上押え部材13a、13bが積上げ体100のトップフレーム103に当接した状態で、結束バンド112が掛け回される位置を挟んで、トップフレーム103の結束バンド112が下から上に通る側の縁部の部位E5、E6の下面が支持板24a、24bで支持されるとともに、トップフレーム103の結束バンド112が上から下に通る側の縁部の部位E7、E8の下面が支持板25a、25bによって支持される。この状態で、バンド供給・結束機構220が、積上げ体100のパレット101とトップフレーム103との間に結束バンド112を掛け回し、その結束バンド112により積上げ体100を締め付けて、その結束バンド112の両端部を溶着する。
【0045】
その後、エアシリンダ16a(16b、17a、17b)、エアシリンダ14a(14b、15a、15b)及びエアシリンダ18a(18b)及び19a(19b)の上述したのと同様の動作により、支持板24a(24b、25a、25b)がトップフレーム103から退避した位置(X1、Y1)に移動するとともに、上押え部材13a、13bが上昇してトップフレーム103の上面から離れる。この状態で、積上げ体100が前述した方向Dfと逆方向Drに移動されて、図5C示すように、積上げ体100の他方端部がバンドガイド部210の位置に達すると、積上げ体100の搬送が停止される。この状態で、エアシリンダ18a(18b)及び19a(19b)、エアシリンダ14a(14b、15a、15b)、及びエアシリンダ16a(16b、17a、17b)が再び上述したのと同様に動作にする。それにより、上押え部材13a、13bが積上げ体100のトップフレーム103に当接した状態で、結束バンド113が掛け回される位置を挟んで、トップフレーム103の結束バンド113が下から上に通る側の縁部の部位E9、E10の下面が支持板24a、24bで支持されるとともに、トップフレーム103の結束バンド113が上から下に通る側の縁部の部位E11、E12の下面が、支持板25a、25bによって支持される。この状態で、バンド供給・結束機構220が、積上げ体100のパレット101とトップフレーム103との間に結束バンド113を掛け回し、その結束バンド113により積上げ体100を締め付けて、その結束バンド113の両端部を溶着する。
【0046】
このようにして、積上げ体100が、パレット101とトップフレーム103との間に掛け回された、3本の結束バンド111、112、113によって締め付けられて固定される。
【0047】
上述したような梱包装置では、上押え部材13a、13bがトップフレーム103の上面に当接し、支持板24a、24b、25a、25b(下部材)がトップフレーム103の縁部の所定部位E1〜E4、E5〜E8、E9〜E12の下面を支持した状態で、前記積上げ体100の各結束バンド111、112、113による締め付けがなされる。このため、トップフレーム103の撓みが減り、各結束バンド111、112、113により締め付けられる積上げ体100における各プラスチック容器Bに対する縦荷重の偏りを抑え、縦荷重の最大値を極力小さくすることができる。
【0048】
特に、トップフレーム103の各結束バンド111、112、113の締め付けにより比較的大きい力が作用し得る当該結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位E3、E4、E7、E8、E11、E12(図5A図5B図5C参照)の下面が支持板25a、25bで支持された状態で、積上げ体100の各結束バンド111、112、113による締め付けがなされるので、その比較的大きい力が作用し得るトップフレーム103の所定部位E3、E4、E7、E8、E11、E12での撓みを減らすことができる。
【0049】
また、特に、トップフレーム103の各結束バンド111、112、113が上から下に向かって通る側の縁部の所定部位E3、E4、E7、E8、E11、E12(図5A図5B図5C参照)の下面が支持板25a、25b(第1端部支持部材)により支持され、同時に、トップフレーム103の各結束バンド111、112、113が下から上に向かって通る側の縁部の所定部位E1、E2、E5、E6、E9、E10(図5A図5B図5C参照)の下面が支持板24a、24b(第2端部支持部材)により支持された状態で、積上げ体100の各結束バンド111、112、113による締め付けがなされるので、トップフレーム103がほぼ水平に維持され、トップフレーム103の各結束バンド111、112、113により締め付けられる部位での撓みの偏りを抑えることができる。
【0050】
更に、特に、各結束バンド111、112、113を挟んだ両側のトップフレーム103の縁部の所定部位(E1、E2)、(E3、E4)、(E5、E6)、(E7、E8)、(E9、E10)、(E11、E12)の下面が、支持板25a、25b(第1側支持部材、第2側支持部材)及び支持板24a、24b(第1側支持部材、第2側支持部材)により同時に支持された状態で、積上げ体100の各結束バンド111、112、113による締め付けがなされるので、各結束バンド111、112、113の締め付けによるトップフレーム103の撓みをより確実に低減させることができる。
【0051】
図6に、結束バンド111(1ST)、112(2ND)、113(3RD)の締め付けが順次なされた際における、トップフレーム103の下面に対する支持がない場合のトップフレーム103の変位(四角印)及びPETボトルBに対する荷重(バンディング荷重:二重四角印)と、トップフレーム103の下面に対する支持がある場合(前述した第1の実施の形態参照)のトップフレーム103の変位(丸印)及びPETボトルBに対する荷重(バンディング荷重:二重丸印)を結束バンドが上から下に向かって押さえる側で測定した実験例が示される。これによっても、トップフレーム103の下面を支持することは、積上げ体100の各結束バンド111、112、113による締め付けがなされた際におけるトップフレーム103の撓みを低減させて、積上げ体100における各プラスチック容器Bに対する縦荷重を小さくすることに効果があることが判る。
【0052】
図6に示すように、積上げ体100を複数の結束バンド111、112、113によって順次締め付ける際に(1ST、2ND、3RD)、トップフレーム103の、積上げ体100の略中央部(1ST)から離れた位置(2ND)に最初に掛け回す結束バンド112の近傍部位での撓み、及びその部位に対応したPETボトルBに対する荷重が大きくなるので、少なくとも、トップフレーム103のその部位下面を支持することがより効果的である。結束バンドの締め付け順序によりトップフレーム103の変位ないしPETボトルに対する荷重が異なる理由としては、最初(1ST)の結束バンド111をトップフレーム103の、積上げ体100の略中央部分に掛け回す際は、積上げ体100の移動方向前後のバランスが取れているのに対し、2本目(2ND)の結束バンド112を、略中央部から離れた位置に最初に掛け回す際には、移動方向前後の締め付け力のバランスが取れないため、この部位におけるPETボトルに対する荷重の偏りが増大する、と推定される。3本目(3RD)の結束バンド113を、略中央部から離れた位置に2番目に掛け回す際には、略中央部を挟んだ反対側がすでに結束バンド112で締結されているために、荷重の偏りが生じにくいと考えられる。以上の考察からすると、例えば積上げ体100をDfの方向にのみ移動させて結束バンドを順次締め付ける場合、すなわち結束バンドを112、111、113の順で締め付ける場合には、最初に掛け回す結束バンド112を、略中央部から離れた位置に最初に掛け回して締め付ける際に、最大の荷重が発生すると推定され、少なくともこの部位下面を支持することがより効果的と考えられる。
【0053】
なお、前述した梱包装置では、各結束バンド111、112、113によって積上げ体100を締め付ける際に、トップフレーム103の各結束バンドを挟んだ結束バンドの幅方向両側の縁部の部位(E1、E2)、(E3、E4)、(E5、E6)、(E7、E8)、(E9、E10)、(E11、E12)を同時に支持板(24a、24b)、(25a、25b)によって支持するようにしたが、片側の縁部の部位だけを支持するものであってもよい。また、前述した梱包装置では、トップフレーム103の結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の部位(E3、E4)、(E7、E8)、(E11,E12)を支持板(25a、25b)によって支持し、同時に、トップフレーム103の結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の部位(E1、E2)、(E5、E6)、(E9、E10)を支持板(24a、24b)によってするようにしたが、一方の側の縁部の部位だけを支持するようにしてもよい。その場合は、結束バンドから上から下に向かって押さえる側の縁部の部位(E3、E4)、(E7、E8)、(E11、E12)を支持するのが好ましい。なお、前述した梱包装置では、バンド供給・結束機構220のある側が、トップフレーム103の結束バンドが上から下に向かって通る側であるとともに、結束バンドが上から下に向かって押さえる側となっているが、これらの向きの組み合わせはバンド供給・結束機構の詳細構成により異なる。どのような組み合わせであるにせよ、結束バンドの締め付け力が強く作用する方向の、結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の部位を支持するのが好ましく、結束バンドを掛け回す方向の両端縁となる、結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の部位と、結束バンドが上から下に向かって通る側の縁部の部位を、同時に支持するのが好ましい。
【0054】
また、前述した梱包装置では、積上げ体100を3本の結束バンド111、112、113によって締め付けるようにしたが、これに限らず、2本の結束バンド、あるいは4本以上の結束バンドにて積上げ体100を締め付けるようにしてもよい。偶数本の結束バンドで締め付ける場合、略中央部には結束バンドを締め付けないため、最初に掛け回す結束バンドが、積上げ体の略中央部から離れた位置に最初に掛け回す結束バンドとなる。その場合も、各結束バンドにより積上げ体100を締め付ける際に、上押え部材13a、13bがトップフレーム103の上面に当接した状態で、支持板24a、24b、25a、25bによってトップフレーム103の縁部の所定部位下面が支持される。また、複数の結束バンドの一部を、他の結束バンドと直交する方向に締め付ける梱包形態もあるが、この場合でも、トップフレーム103の縁部の所定部位下面を支持することができる。または、一の方向について所定部位を支持して締め付けを完了すればトップフレームの状態がほぼ安定するので、他の直交する方向への締め付けに関しては支持せずに済ませることもできる。
【0055】
なお、支持部材を昇降動させるシリンダ18、19は、結束バンドの適切な締め付けによるトップフレーム103の正常な変位を許容するように、支持高さを微調整可能な構成とすることもできる。シリンダ18、19の代わりに微調整機能を連結部12に持たせてもよく、微調整のための追加的なシリンダやダンパーなどを採用してもよい。
【0056】
本発明の第2の実施の形態に係る梱包装置は、図7に示すように構成される。この梱包装置は、積上げ体100のトップフレーム103の上面に当接する上押え部材13a、13bを用いることなく、トップフレーム103の下面を支持部材によって支持する点で、前述した本発明の第1の実施の形態に係る梱包装置(図2図3図4A図4B参照)と相違する。
【0057】
図7において、バンディング機200のアーチ状のバンドガイド部210の近傍にそのバンドガイド部210を挟むように、上下方向にロッドを進退動させる1組のエアシリンダ37、39が配置されている。これらエアシリンダ37、39は、取り付け台38、40に固定されている。エアシリンダ37、39により進退動するロッドの先端に該ロッドに直交するように取り付け板33、36が固定されている。取り付け板33、36には、積上げ体100に対してロッドを進退動させるエアシリンダ31、34が取り付けられている。エアシリンダ31、34により進退動するロッドの先端部に支持部材32、35が固定されている。エアシリンダ37、39およびエアシリンダ31、34がそれぞれロッドを進出させた状態で、支持部材32、35が積上げ体100の最上段に位置するトップフレーム103の縁部の所定部位下面を支持する(支持位置)ようになっている。
【0058】
支持部材32、35の支持位置については、結束バンドの適切な締め付けによるトップフレーム103の正常な変位高さが分かっていれば、その高さで待ち構えるように配置することができる。この場合、上下動用のシリンダ37、39を用いずに、取り付け板33、36を直接取り付け台38、40に取り付けてもよい。または、トップフレーム103の正常な変位高さよりもやや低い位置(支持部材32、35が進出した位置でもプラスチック容器と干渉しない程度)を上下方向の退避位置とし、エアシリンダ31、34を進出させた状態で、支持部材32、35がトップフレーム103の下面に当接するまでシリンダ37、39を進出させるようにしてもよい。
【0059】
このような梱包装置では、積上げ体100の結束バンドにて締め付けるべき部位がバンディング機200におけるバンドガイド部210の位置に達すると、積上げ体100が停止される。そして、当初、ロッドを退動させていたエアシリンダ31、34(支持部材移動機構)がロッドを進出させることにより、支持部材32、35が退避位置から支持位置に移動し、一方の支持部材32が、積上げ体100のトップフレーム103の結束バンドが下から上に向かって通る側の縁部の所定部位下面を、他方の支持部材35が、結束バンド上から下に向かって通る側の縁部の所定部位下面を同時に支持する。この状態で、バンド供給・結束機構220が、積上げ体100のパレット101とトップフレーム103との間に結束バンドを掛け回し、その結束バンドにより積上げ体100を締め付けて、その結束バンド111の両端部を溶着する。
【0060】
このような梱包装置にあっても、支持部材32、35(下部材)がトップフレーム103の縁部の所定部位の下面を支持した状態で、前記積上げ体100の結束バンドによる締め付けがなされるので、トップフレーム103の撓みが減り、結束バンドにより締め付けられる積上げ体100における各プラスチック容器Bに対する縦荷重の偏りを極力小さくすることができる。
【0061】
なお、前述した第1の実施の形態に係る梱包装置(図2図3図4A図4B参照)と同様に、エアシリンダ31、支持部材32、エアシリンダ37及び取り付け台38と、エアシリンダ34、支持部材35、エアシリンダ39及び取り付け台40との組とともに、結束バンドを挟むように、同様のエアシリンダ、支持部材及び取り付け台の組を設けるようにすることが好ましい。逆に、アーチ状のバンドガイド部210近傍の片側だけにエアシリンダ、支持部材及び取り付け台の組を設けて(例えばエアシリンダ34、支持部材35、エアシリンダ39及び取り付け台40との組のみを用いる)構成を簡略化してもよく、その場合は、結束バンドが上から下に向かって押さえる側の縁部の所定部位の下面を支持するのが好ましい。そのほか、複数本の結束バンドで締め付ける際の好適態様や付加的構成なども、先の実施の形態と同様のものが採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上、説明したように、本発明に係るプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置は、結束バンドにより締め付けられる積上げ体における各プラスチック容器に対する縦荷重を極力小さくすることができるという効果を有し、前記積上げ体を前記パレットと前記トップフレームとの間に掛け回した結束バンドによって締め付けるバンディング機構を用いて当該積上げ体を固定して一体化させるプラスチック容器の梱包方法及び梱包装置として有用である。
【符号の説明】
【0063】
11a、11b 取付けアーム体
12a、12b 連結部
13a,13b 上押え部材
14a、14b、15a、15b、16a、16b、17a、17b、18a、18b、19a、19b エアシリンダ
20a、20b、21a、21b 取り付け台
22a、22b、23a、23b 取り付け板
24a、24b、25a、25b 支持板
100 積上げ体
101 パレット
102 セパレートシート
103 トップフレーム
200 バンディング機
210 バンドガイド部
220 バンド供給・結束機構
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7