【文献】
J. Am. Chem. Soc.,1948年,vol.70, no.9,pp.2837-2843
【文献】
J. Microbiol. Biotechnol.,2006年,vol.16, no.4,pp.637-638
【文献】
J. Nat. Prod.,2006年,vol.69, no.10,pp.1379-1383
【文献】
Adv. Synth. Catal.,2007年,vol.349, no.11-12,pp.1963-1968
【文献】
Med. Chem. Res.,2010年10月,vol.20, no.8,pp.1273-1279
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(II)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(III)に示すポリヌクレオチドからなり、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−(γ−β)9−γ−λt−3’(II)
5’−β−(γ−β)9−υu−3’(III)
(a)γはRNA、βは2’−OMeRNA、λ及びυはDNAを示す;
(b)t及びuは同一又は異なって、0〜5のいずれかの整数を示す。;
(c)式(II)で示されるポリヌクレオチドのうち、(γ−β)9−γは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(II)における(γ−β)9−γと式(III)におけるβ―(γ−β)9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(IV)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(V)に示すポリヌクレオチドからなり、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−(α−β)9−αp−λt−3’(IV)
5’−δs−(α−β)9−υu−3’(V)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示
す。;
(c)式(IV)で示されるポリヌクレオチドのうち、(α−β)9−αpは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(IV)における(α−β)9と式(V)における(α−β)9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VI)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VII)に示すポリヌクレオチドからなり、更に、以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−β−(α−β)8−αp−λt−3’(VI)
5’−δs−(α−β)8−(α―β)−υu−3’(VII)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示す;
(c)式(VI)で示されるポリヌクレオチドのうち、β−(α−β)8−αpは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(VI)における(α−β)8と式(VII)における(α−β)8は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
2’−OMeRNAの任意の1〜4残基がENA又は2’,4’−BNA/LNAに置換されていることを特徴とする、請求項16乃至24のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩。
DNAの任意の1〜4残基がRNA、ENA又は2’,4’−BNA/LNAに置換されていることを特徴とする、請求項16乃至25のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩。
各ヌクレオチドがリン酸ジエステル結合又はホスホロチオエート結合で結合していることを特徴とする、請求項1乃至26のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩。
式(XIII)を有する化合物が、クロロ(モルホリノ)メトキシホスフィン、クロロ(モルホリノ)シアノエトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)メトキシホスフィン又はクロロ(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンである、請求項31乃至39のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の一つの課題は、RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドを提供することである。
【0014】
本発明の一つの課題は、RNA分解酵素に安定なRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドを提供することである。
【0015】
本発明の他の一つの課題は上記ポリヌクレオチドによって遺伝子発現を抑制する方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の一つの課題は上記ポリヌクレオチドを含有する医薬品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
すなわち、本発明は、
(1)標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有するポリヌクレオチドであって、該アンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端と該センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端の各々において、リン酸ジエステル構造を形成している次式で示される構造のリンカーによって結合されたポリヌクレオチド又はその塩
【0018】
【化1】
【0019】
式中、
フェニル基に結合している酸素原子は、アンチセンス鎖の5’末端に結合してリン酸ジエステル構造を形成し、
R
1、R
2及びR
3のいずれか1個は、次式で示される構造:
−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→
を示すが、式中、
mは、0から4の整数を示し、
n1は、0から4の整数を示し、
n2は、0又は2から10の整数を示し、
L
1は、単結合又は−O−を示し、
L
2は、単結合又は−CH(−NH−L
4−R)−を示し、
L
3は、L
2との結合を基点として、単結合、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示すが、
L
3が単結合以外のとき、n2は、2から10の整数を示す。
L
1及びL
2が単結合であって、mが1、n1およびn2が0であるときに、L
3−O→は、
−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)
j−Ser、
−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)
j−Thr、
−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)
j−Ser、又は
−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)
j−Thr、
を示すが、これらのセリンおよびトレオニンの水酸基部分は、センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端のリン酸基と結合しており、さらにセリンおよびトレオニンのアミノ基はアシル基で置換されていてもよく、
jは、0から2の整数を示し、
L
4は、単結合、−(C=O)−(CH
2)
k−NH−、又は−(C=O)−(CH
2)
k−を示し、
kは1から6の整数を示し、
Rは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素カルボニル基、飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素オキシカルボニル基を示す。
R
1、R
2及びR
3のうちの残りの2個は、各々独立に、
水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルコキシ基、
ハロゲン原子、
炭素数1から9のアルキル基を有するアルキルカルボニルアミノ基、及び
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基を含むアルキルカルボニル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す、
(2)R
1及びR
3が水素原子である、(1)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(3)L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mとn2の和が3以上の整数である、(2)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(4)L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mとn2の和が8以上の整数である、(2)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(5)L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が6以上の整数である、(2)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(6)L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が6又は8である、(2)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(7)L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が8である、(2)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(8)R
1及びR
3が水素原子であり、L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが2であり、n2が8である、(1)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(9)標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有するポリヌクレオチドであって、該アンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端と該センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端がリン酸ジエステル結合を介してリンカーによって結合された次式で示される構造のポリヌクレオチド又はその塩
【0020】
【化2】
【0021】
式中、
pは、0から4の整数を示し、
qは、4から10の整数を示し、
L
5は、単結合又は−O−を示し、
L
6は、(CH
2)
pとの結合を基点として、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示し、
L
5のベンゼン環上の結合位置はパラ位又はメタ位であり、
L
5が−O−であるときは、pは1から4の整数を示す、
(10)pとqの和が3以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(11)pとqの和が8以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(12)pが0又は2であり、qが6以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(13)pが0又は2であり、qが6又は8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(14)pが0又は2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(15)pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(9)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(16)センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(II)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(III)に示すポリヌクレオチドからなり、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、(1)乃至(15)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−(γ−β)
9−γ−λ
t−3’(II)
5’−β−(γ−β)
9−υ
u−3’(III)
(a)γはRNA、βは2’−OMeRNA、λ及びυはDNAを示す;
(b)t及びuは同一又は異なって、0〜5のいずれかの整数を示す。;
(c)式(II)で示されるポリヌクレオチドのうち、(γ−β)
9−γは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(II)における(γ−β)
9−γと式(III)におけるβ―(γ−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる、
(17)センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(IV)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(V)に示すポリヌクレオチドからなり、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、(1)乃至(15)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−(α−β)
9−α
p−λ
t−3’(IV)
5’−δ
s−(α−β)
9−υ
u−3’(V)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示す。;
(c)式(IV)で示されるポリヌクレオチドのうち、(α−β)
9−α
pは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(IV)における(α−β)
9と式(V)における(α−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる、
(18)センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VI)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VII)に示すポリヌクレオチドからなり、更に、以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、(1)乃至(15)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−β−(α−β)
8−α
p−λ
t−3’(VI)
5’−δ
s−(α−β)
8−(α―β)−υ
u−3’(VII)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示す;
(c)式(VI)で示されるポリヌクレオチドのうち、β−(α−β)
8−α
pは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(VI)における(α−β)
8と式(VII)における(α−β)
8は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる、
(19)αがDNA、βが2’−OMeRNAであることを特徴とする、(17)又は(18)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(20)λ
t及びυ
uが同一又は異なってチミン塩基、アデニン塩基又はグアニン塩基を有するDNA、又は、ウラシル塩基、アデニン塩基又はグアニン塩基を有する2’−OMeRNAのいずれかであることを特徴とする、(16)乃至(19)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(21)tが0、uが2であることを特徴とする、(16)乃至(20)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(22)p及びtが0、sが1、uが2であることを特徴とする、(17)乃至(20)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(23)p及びtが0、sが0又は1、uが2であり、υ
2がDNA又は2’−OMeRNAであることを特徴とする、(17)乃至(20)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(24)センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VIII)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(IX)に示すポリヌクレオチドからなり、更に、以下の(a)乃至(c)に示される特徴を有する、(1)乃至(15)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩:
5’−(α−β)
9−3’(VIII)
5’−β−(α−β)
9−(α−β)−3’(IX)
(a)αがDNA、βが2’−OMeRNAである;
(b)式(IX)で示されるポリヌクレオチドのうち、β−(α−β)
9は標的遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなる;
(c)式(VIII)における(α−β)
9と式(IX)における(α−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる、
(25)2’−OMeRNAの任意の1〜4残基がENA又は2’,4’−BNA/LNAに置換されていることを特徴とする、(16)乃至(24)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(26)DNAの任意の1〜4残基がRNA、ENA又は2’,4’−BNA/LNAに置換されていることを特徴とする、(16)乃至(25)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(27)各ヌクレオチドがリン酸ジエステル結合又はホスホロチオエート結合で結合していることを特徴とする、(1)乃至(26)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(28)(1)乃至(27)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩を有効成分として含有する医薬、
(29)遺伝子発現に由来する疾患を治療するための、(29)に記載の医薬、
(30)(1)乃至(29)から選択されるポリヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に投与することによる、標的遺伝子の発現抑制方法、
(31)(1)乃至(27)のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド又はその塩を含有する試薬。
(32)式(X)
【0022】
【化3】
【0023】
[式中、Trは、水酸基の保護基を示し、pは、0から4の整数を示し、qは、4から10の整数を示し、L
5は、単結合又は−O−を示し、L
6は、(CH
2)
pとの結合を基点として、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示し、L
5のベンゼン環上の結合位置はパラ位又はメタ位である。]を有する化合物又はその塩、
(33)Trが4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基、レブリニル基、又はビス(トリメチルシリルオキシ)(シクロヘキシルオキシ)シリル基である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(34)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pとqの和が3以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(35)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pとqの和が8以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(36)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが6以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(37)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが6又は8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(38)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(39)Trが4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載のポリヌクレオチド又はその塩、
(40)Trが4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)−NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(32)に記載の化合物又はその塩、
(41)標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有するポリヌクレオチドであって、該アンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端と該センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端がリン酸ジエステル結合を介してXによって結合された、式(XI)
【0024】
【化4】
【0025】
を有する化合物[式中、W
2’は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いたセンス鎖ポリヌクレオチドを示し、W
1’−Y’は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いたアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを示し、Xは、式(XII)
【0026】
【化5】
【0027】
[式中、pは、0から4の整数を示し、qは、4から10の整数を示し、L
5は、単結合又は−O−を示し、L
6は、(CH
2)
pとの結合を基点として、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示し、L
5のベンゼン環上の結合位置はパラ位又はメタ位であり、L
5が−O−であるときは、pは1から4の整数を示す。] を示し、末端のメチレン基は該センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成し、フェニル基に結合している酸素原子は該アンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成する。]を製造する方法であって、
(i)式Tr−O−X−H[式中、Trは、水酸基の保護基を示し、Xの−(CH
2)
q−はTr−O−に結合し、フェニル基に結合している酸素原子は水素に結合する。]を有する化合物の水酸基を、式(XIII)
【0028】
【化6】
【0029】
又は、式(XIV)
【0030】
【化7】
【0031】
[式中、R
4は、2−シアノエチル基、メチル基、メタンスルホニルエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、又は4−クロロフェニルメチル基を示し、R
5は、モルホリノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、又はジメチルアミノ基を示す。] を有する化合物と反応させて、式(XV)
【0032】
【化8】
【0033】
を有する化合物を製造する工程;
(ii)上記(i)で得られた化合物をホスホロアミダイト法により、式HO−W
1−Y−CPG[式中、W
1−Yは、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いた保護されたアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを示し、CPGは、ポリヌクレオチドと結合しうるリンカーを有するポリマーサポートを示す。]を有する化合物と反応させて、続いて、ホスホロアミダイト法により、式Tr
1−O−W
2−O−P(=O)(OR
4)−O−[式中、Tr
1は、水酸基の保護基を示し、W
2は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いた保護されたセンス鎖ポリヌクレオチドを示す。]部分を製造し、式(XVI)
【0034】
【化9】
【0035】
を有する化合物を製造する工程;及び、
(iii)上記(ii)で得られた化合物をCPGより切り出し、保護基の除去を行う工程からなる、式(XI)を有する化合物を製造する方法、
(42)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基、レブリニル基、又はビス(トリメチルシリルオキシ)(シクロヘキシルオキシ)シリル基である、(41)に記載の方法、
(43)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pとqの和が3以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(44)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pとqの和が8以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(45)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが6以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(46)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが6又は8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(47)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが0又は2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(48)Tr及びTr
1が同一又は異なって、4−メトキシトリチル基又は4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(49)Tr及びTr
1が、4,4’−ジメトキシトリチル基であり、pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)−NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である、(41)に記載の方法、
(50)R
4が2−シアノエチル基、メチル基、メタンスルホニルエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、又は4−クロロフェニルメチル基であり、R
5がモルホリノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、又はジメチルアミノ基である、(41)乃至(49)のいずれか1項に記載の方法、
(51)R
4が2−シアノエチル基又はメチル基であり、R
5がモルホリノ基又はジイソプロピルアミノ基である、(41)乃至(49)のいずれか1項に記載の方法、
(52)式(XIII)を有する化合物が、クロロ(モルホリノ)メトキシホスフィン、クロロ(モルホリノ)シアノエトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)メトキシホスフィン又はクロロ(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンである、(41)乃至(49)のいずれか1項に記載の方法、
(53)式(XIV)を有する化合物が、ビス(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンである、(41)乃至(49)のいずれか1項に記載の方法、
(54)下記から選択されるポリヌクレオチド又はその塩
HO−C
p−G
m1p−A
p−G
m1p−A
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−A
m1p−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−U
m1p−C
p−U
m1p−C
p−G
m1p−T
p−U
m1t−H(HS−005)、
HO−C
p−A
m1p−G
p−A
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−G
p−G
m1p−T
p−G
m1p−C
p−U
m1p−A
p−U
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−A
p−U
m1p−A
p−G
m1p−C
p−A
m1p−C
p−C
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−T
p−C
m1p−T
p−G
m1p−T
p−U
m1t−H(HS−006)、
HO−C
p−G
m1p−A
p−G
m1p−A
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−A
m1p−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−U
m1p−C
p−U
m1p−C
p−G
m1p−T
s−U
m1t−H(HS−005s)、又は、
HO−C
p−A
m1p−G
p−A
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−G
p−G
m1p−T
p−G
m1p−C
p−U
m1p−A
p−U
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−A
p−U
m1p−A
p−G
m1p−C
p−A
m1p−C
p−C
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−T
p−C
m1p−T
p−G
m1p−T
s−U
m1t−H(HS−006s)
[式中、A
p、G
p、C
p、T
p、T
s、A
m1p、G
m1p、C
m1p、U
m1p、U
m1tは次式で示される構造のヌクレオシド、又は、ヌクレオチドを示し、
【0036】
【化10】
【0037】
Xの前方は、標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチドを示し、Xの後方は、該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有するポリヌクレオチドを示し、Xは式(XVII)
【0038】
【化11】
【0039】
で示される構造のリンカーを示し、末端のメチレン基は該センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成し、フェニル基に結合している酸素原子は該アンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成する。]、
(55)(54)に記載のポリヌクレオチド又はその塩を有効成分として含有する医薬、
(56)Hsp47遺伝子の発現に由来する疾患を治療するための、(55)に記載の医薬、
(57)Hsp47遺伝子の発現に由来する疾患が線維症である、(56)に記載の医薬、
(58)(54)に記載のポリヌクレオチド又はその塩を哺乳動物に投与することによる、Hsp47遺伝子の発現抑制方法、
(59)(54)に記載のポリヌクレオチド又はその塩を含有する試薬、
からなる。
【発明の効果】
【0040】
本発明により、RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドが提供された。また、本発明により、RNA分解酵素、ホスファターゼ、及びエキソヌクレアーゼから選択される少なくともいずれか一つに対して安定なRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドが提供された。また本発明により、RNA分解酵素、ホスファターゼ、及びエキソヌクレアーゼに対して安定なRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドが提供された。また、本発明により、センス鎖ポリヌクレオチドとアンチセンス鎖ポリヌクレオチドをそれぞれ製造する工程が不要であり、かつ両鎖が同量になるように正確に混合し2本鎖を形成させる煩雑な操作が不要であって、RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドが提供された。該ポリヌクレオチドを用いて各種遺伝子の機能解析が可能になり、また、該ポリヌクレオチドを含む医薬品が提供される。
【0041】
また本発明により、該ポリヌクレオチドを得るために有用な合成中間体が提供された。また本発明により、該ポリヌクレオチドの製造方法が提供された。
【発明を実施するための形態】
【0043】
1.用語の説明
本明細書において、「標的遺伝子」とは、これを導入する細胞、組織、あるいは固体(以下これを「被導入体」と称することがある。)においてRNAであれば特に制限されず、タンパク質に翻訳されるmRNAであってもタンパク質に翻訳されないノンコーディングRNAであってもよい。ノンコーディングRNAとしては、機能性RNA、例えば、mRNAの非翻訳領域、tRNA、rRNA、mRNA型ncRNA(mRNA−likenon−coding RNA)、長鎖ncRNA(long non−coding RNA)、snRNA(small nuclear RNA)、snoRNA(small nucleolar RNA)、miRNA(microRNA)等が挙げられる。具体的には、導入する被導入体に内在性のものでも、遺伝子導入等の手法によって導入される外来性のものでもよい。また、染色体上に存在する遺伝子でも、染色体外のものでもよい。外来性の遺伝子としては、例えば、被導入体に感染可能なウイルス、バクテリア、真菌又は原生動物由来のものが挙げられるがこれらに制限されない。遺伝子の機能については既知のものでも未知のものでもよい。
【0044】
そのような標的遺伝子の例としては、特定の疾患を有する患者において特異的に発現が上昇している及び/又は特異的に変異している遺伝子を挙げることができ、疾患としては、中枢疾患(例えば、アルツハイマー病、痴呆、摂食障害など)、炎症性疾患(例えば、アレルギー、リュウマチ、変形性関節症、エリテマトーデスなど)、循環器疾患(例えば、高血圧症、心肥大、狭心症、動脈硬化症、高コレステロール血症等)、癌(例えば、非小細胞肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、膵臓癌、肝癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸部癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌等)、呼吸器疾患(例えば、肺炎、気管支炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患など)、糖尿病、糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、貧血(例えば、慢性疾患に伴う貧血、鉄不応性鉄欠乏性貧血等)、加齢性黄斑変性症、免疫系疾患(例えば、クローン病、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患、免疫不全、白血病等)、肝臓・胆のう疾患(例えば、非アルコール性脂肪性肝炎、肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ滞症、結石等)、消化管疾患(例えば、潰瘍、腸炎、吸収不良等)、感染症、肥満、線維症(肺線維症、肝線維症、腎線維症、骨髄線維症等)を挙げることができ、これらの疾患の原因遺伝子としては、例えば、kinesin spindle protein(KSP)、vascular endothelial growth factor, (VEGF)、transthyretin (TTR)、proprotein convertase subtilisn/kexin type 9(PCSK9)、polo−like kinase(PLK)、ApoB−100、ribonucleotide reductase M2 subunit (RRM2)、clusterin、heat shock protein 27(Hsp27)、survivin、eukaryotic initiation factor−4E (eIF−4E)、intercellular adhesion molecule 1(ICAM−1)、alpha subunit of the interleukin 4 receptor (IL−4R−alpha)、Factor XI、 Factor VII、N−ras、H−ras、K−ras、bcl−2、bcl−xL、Her−1、Her−2、Her−3、Her−4、MDR−1、ヒトβ−カテニン遺伝子、DDX3(DEAD (Asp−Glu−Ala−Asp) box polypeptide 3, X−linked)、Myeloid Cell Leukemia Sequence 1(MCL1)遺伝子、PKR(Eif2ak2)、Hsp47(Serpinh1)、Hepcidin、活性化プロテインC(APC)、survivin、signal tranducer and activator of transcription(STAT3)を挙げることが出来るがこれらに限定されない。
【0045】
本明細書において、「天然型のヌクレオシド」とは、2’−デオキシアデノシン、2’−デオキシグアノシン、2’−デオキシシチジン、2’−デオキシ−5−メチルシチジン、チミジン等の2’−デオキシヌクレオシド、アデノシン、グアノシン、シチジン、5−メチルシチジン、ウリジン等のリボヌクレオシドをいう。また、「オリゴヌクレオチド」とは、ヌクレオシドの糖部分がリン酸とエステルを形成している化合物から構成されるオリゴヌクレオチドのことをいう。本明細書においては、オリゴヌクレオチドとポリヌクレオチドとは同一の意味で用いている。
【0046】
本明細書においては2’−デオキシアデノシンをA
t、2’−デオキシグアノシンをG
t、2’−デオキシシチジンをC
t、2’−デオキシ−5−メチルシチジンを5meC
t、チミジンをT
t、2’−デオキシウリジンをU
t、アデノシンをA
rt、グアノシンをG
rt、シチジンをC
rt、5−メチルシチジンを5meC
rt、ウリジンをU
rtと表すこともある。また、本明細書中においては、2’−デオキシアデノシンヌクレオチドをA
p、2’−デオキシグアノシンヌクレオチドをG
p、2’−デオキシシチジンヌクレオチドをC
p、2’−デオキシ−5−メチルシチジンヌクレオチドを5meC
p、チミジンヌクレオチドをT
p、2’−デオキシウリジンヌクレオチドをU
p、アデノシンヌクレオチドをA
rp、グアノシンヌクレオチドをG
rp、シチジンヌクレオチドをC
rp、5−メチルシチジンヌクレオチドを5meC
rp、ウラシルヌクレオチドをU
rpと表すこともある。
【0047】
本明細書においてはヌクレオチドのリン酸エステルの代わりにホスホロチオエートエステルとなっているホスホロチオエートエステルについて、A
pに対応するものとしてA
s、G
pに対応するものとしてG
s、C
pに対応するものとしてC
s、5meC
pに対応するものとして5meC
s、T
pに対応するものとしてT
s、U
pに対応するものとしてU
s、A
rpに対応するものとしてA
rs、G
rpに対応するものとしてG
rs、C
rpに対応するものとしてC
rs、5meC
rpに対応するものとして5meC
rs、U
rpに対応するものとしてU
rsと表すこともある。
【0048】
本明細書における、「糖修飾ヌクレオシド」とは、ヌクレオシドの糖部分が修飾されているヌクレオシドをいう。
【0049】
このうち、2’−O−メチル修飾の例としては、2’−O−メチルヌクレオシド及び2’−O−メチルヌクレオチドがあり、A
rtに対応するものとしてA
m1t、G
rtに対応するものとしてG
m1t、C
rtに対応するものとしてC
m1t、5meC
rtに対応するものとして5meC
m1t、U
rtに対応するものとしてU
m1t、A
rpに対応するものとしてA
m1p、G
rpに対応するものとしてG
m1p、C
rpに対応するものとしてC
m1p、5meC
rpに対応するものとして5meC
m1p、U
rpに対応するものとしてU
m1p、A
rsに対応するものとしてA
m1s、G
rsに対応するものとしてG
m1s、C
rsに対応するものとしてC
m1s、5meC
sに対応するものとして5meC
m1s、U
rsに対応するものとしてU
m1sと表すこともある。
【0050】
本明細書において2’−O,4’−C−エチレンヌクレオチド ユニット及び「ENAユニット」とは上記の各ヌクレオシド、各ヌクレオチドにおいてENAを有するものをいい、A
tに対応するものとしてA
2t、A
pに対応するものとしてA
e2p、A
sに対してはA
e2s、G
tに対応するものとしてG
2t、G
pに対応するものとしてG
e2p、G
sに対してはG
e2s、5meC
tに対応するものとしてC
2t、5meC
pに対応するものとしてC
e2p、5meC
sに対してはC
e2s、T
tに対応するものとしてT
2t、T
pに対応するものとしてT
e2p、T
sに対してはT
e2sというようにENAユニットを有するヌクレオシド及びヌクレオチドを表わすこともある。
【0051】
本明細書において2’−O,4’−C−メチレンヌクレオチド ユニット及び「2’、4’−BNA/LNAユニット」とは上記の各ヌクレオシド、各ヌクレオチドにおいて2’、4’−BNA/LNAを有するものをいい、A
tに対応するものとしてA
1t、A
pに対応するものとしてA
e1p、A
sに対してはA
e1s、G
tに対応するものとしてG
1t、G
pに対応するものとしてG
e1p、G
sに対してはG
e1s、5meC
tに対応するものとしてC
1t、5meC
pに対応するものとしてC
e1p、5meC
sに対してはC
e1s、T
tに対応するものとしてT
1t、T
pに対応するものとしてT
e1p、T
sに対してはT
e1sというように2’、4’−BNA/LNAユニットを有するヌクレオシド及びヌクレオチドを表わすこともある。
【0052】
以下に各ヌクレオチドの構造式を示す。
【0059】
本明細書中におけるポリヌクレオチド又はその塩は、標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有する2本鎖ポリヌクレオチドを由来とし、このアンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成した下記の構造式で示される構造のリンカーによって結合されている1本鎖構造を有することが特徴である。すなわち、ポリヌクレオチド−3’−P(=O)(OH)−[リンカー]−P(=O)(OH)−5’−ポリヌクレオチドの構造を形成している。[ここで,『ポリヌクレオチド−3’』は、ポリヌクレオチドの3’末端の水酸基上の水素原子を持たない構造を表し、『5’−ポリヌクレオチド』は、ポリヌクレオチドの5’末端の水酸基上の水素原子を持たない構造を示す。]
このリンカーは、フェニル基を含有しており、このフェニル基に結合する酸素原子部分、次の化18の構造式において明示されている酸素原子を示す、がアンチセンス鎖の5’末端との結合部分であり、5’末端においてリン酸ジエステル結合を形成して結合している。このフェニル基は、R
1、R
2及びR
3をさらに有しており、そのうちの1個がセンス鎖の3’末端との結合部位となっていてリン酸ジエステル結合を形成して結合する。なお,R
1、R
2及びR
3のフェニル基への結合が酸素原子を介していてもこれらの酸素原子はアンチセンス鎖の5’末端への結合部位とはならない。このリンカーの構造は次の通りである。
【0061】
式中、
明示されているフェニル基に結合した酸素原子は、アンチセンス鎖の5’末端に結合してリン酸ジエステル構造を形成し、
R
1、R
2及びR
3のいずれか1個は、次式で示される構造:
−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→
を示すが、式中、
mは、0から4の整数を示し、
n1は、0から4の整数を示し、
n2は、0又は2から10の整数を示し、
L
1は、単結合又は−O−を示し、
L
2は、単結合又は−CH(−NH−L
4−R)−を示し、
L
3は、単結合、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示すが、
L
3が単結合以外のとき、n2は、2から10の整数を示す。
L
1及びL
2が単結合であって、mが1、n1およびn2が0であるときに、L
3−O→は、
−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)
j−Ser、
−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)
j−Thr、
−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)
j−Ser、又は
−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)
j−Thr、
を示すが、これらのセリン又はトレオニンの水酸基部分は、センス鎖ポリヌクレオチドの3’末端のリン酸基と結合してリン酸ジエステル構造を形成しており、
jは、0から2の整数を示し、
L
4は、単結合、−(C=O)−(CH
2)
k−NH−、又は−(C=O)−(CH
2)
k−を示し、
kは1から6の整数を示し、
Rは、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素カルボニル基、飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素オキシカルボニル基を示す。
【0062】
R
1、R
2及びR
3のうちの残りの2個は、各々独立に、
水素原子、
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基、
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルコキシ基、
ハロゲン原子、
炭素数1から9のアルキル基を有するアルキルカルボニルアミノ基、及び
置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基を含むアルキルカルボニル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す。
【0063】
リンカーに含まれるフェニル基にはR
1、R
2及びR
3が存在するが、そのうちの1個はリンカー機能を有した、センス鎖の3’末端との結合部位となっており、構造的にはリン酸ジエステル構造を形成することを特徴としている。残りの2個はリンカー機能はなく、フェニル基上の単なる置換基である。
【0064】
リンカー機能を果たす構造のうちのフェニル基部分を除いた部分、すなわち、−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→、について説明する。
【0065】
L
1は、単結合であるか、又は2価の酸素原子の−O−である。
【0066】
L
2は、単結合であるか、又はメチレン炭素原子上に置換基を有していてもよいアミノ基を有する構造である。このアミノ基は、リンカー構造L
4を介して置換基Rを有する。
【0067】
L
4は、単結合であるか、メチレン基もしくは炭素数2から4のポリメチレン基であるか、又は−(C=O)−CH
2−CH
2−(C=O)−O−構造である。−(C=O)−CH
2−CH
2−(C=O)−O−構造のカルボニル基は、アミノ基とは構造式の左端で結合し、−NH−(C=O)−CH
2−CH
2−(C=O)−O−の構造を形成する。
【0068】
Rが、炭素数1から6のアルキル基であるとき、このアルキル基は直鎖状でも分枝鎖状であってもいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
【0069】
Rが、炭素数1から6のアルキル基であるとき、これは直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
【0070】
Rが、飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素カルボニル基(炭化水素基−(C=O)−)であるとき、あるいは飽和又は不飽和であってもよい炭素数2から30の炭化水素オキシカルボニル基(炭化水素基−O−(C=O)−)であるとき、これらの炭化水素基部分は直鎖状又は分枝鎖状であってもよい。また、炭化水素基は飽和であってよいが、不飽和となっていてもよい。このような炭化水素基としては脂肪族炭化水素から導かれた基を挙げることができる。炭化水素基としては炭素数30までのアルキル基を挙げることができる。この他にこのアルキル基内の炭素炭素結合が二重結合となって不飽和となったアルカン類であってもよい。さらに、この炭化水素基部分は、不飽和結合を含んで、縮合環状構造となっていてもよい。このような環状炭化水素基としてコレステリル基を挙げることができる。
【0072】
L
3は、単結合であるか、−(C=O)−NH−又は−NH−(C=O)−の構造となる。L
3は左端がL
2と結合しており、場合によっては化8に示されているフェニル基と直結することもある。なおL
3が単結合ではないとき、すなわちL
3が−(C=O)−NH−又は−NH−(C=O)−であるとき、これらに結合する下記の構造において、メチレン基又はポリメチレン基が必ず存在する。すなわち、この場合においてn2は0とはならない。
【0073】
L
3の右端には−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→が結合する構造である。ジメチレンオキシ構造は1個(n1=1)、あるいはこれを1単位として反復された2から4個(n1=2〜4)が結合してもよい。なお、場合によってはこのジメチレンオキシ構造は存在しないこともある。ジメチレンオキシ構造は、2または3個の反復のものが好ましい。すなわち、n1としては2または3が好ましい。より好ましくはジメチレンオキシ構造が2個の場合であり、n1としては2がより好ましい。
このジメチレンオキシ構造の右端にはメチレン基または9までのポリメチレン基が結合するが、このメチレン基またはポリメチレン基は存在しないこともある。メチレン基またはポリメチレン基としては、ポリメチレン基が好ましい。ポリメチレン基として存在する場合、鎖長は炭素数で2から10となるものが好ましい。ポリメチレン鎖は鎖長の長いものの方が好ましく、炭素数5以上のポリメチレン鎖が好ましい。さらに好ましくは炭素数7以上のポリメチレン鎖である。
ジメチレンオキシ構造とメチレン基もしくはポリメチレン基は混在していてもよく、この場合、鎖長として原子数2から10程度のものであればよい。
【0074】
L
1及びL
2が単結合であって、mが1でn1およびn2が0であるとき、−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→部分は、L
3−O→となるが、このL
3−O→は、−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)j−Ser、−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)j−Thr、−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)j−Ser、又は−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)j−Thrの各々の構造を示す。
【0075】
この各構造は、ポリペプチドとなっているが、そのポリペプチドの一端はチロシンであり、他端は水酸基含有アミノ酸であればよい。さらに,チロシンのフェニル基は、5’末端とのリン酸ジエステル構造の結合部位であり、他端のアミノ酸の水酸基部分は、3’末端とのリン酸ジエステル構造の結合部位となっている。3’末端と結合しているアミノ酸は水酸基を含有するアミノ酸であればいずれでもよく、セリン又はトレオニンであればよい。なお、このセリンおよびトレオニンのアミノ基はアシル基によって置換されていてもよい。このアシル基は、フェニルカルボニル基またはアルキルカルボニル基でよい。フェニルカルボニル基のフェニル基は、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のアルキコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。アルキルカルボニル基のアルキル基は、炭素数1から6のアルキル基であればよく、直鎖状でも分枝鎖状であってもよく、炭素数1から6のアルキコキシ基、ハロゲン原子等でさらに置換されていてもよい。このようなアシル基のうちではアルキルカルボニル基がよく、特にアセチル基が好ましい。
【0076】
例えば、←O−Ph−CH(COOH)NH−(アミノ酸残基)j−Serの構造は、チロシンのアミノ基にセリン,又はセリンが末端であるポリペプチドが結合した構造である。このペプチド構造は、←O−Ph−CH(NH
2)CO−(アミノ酸残基)j−Serの様に、チロシンのカルボキシ末端でポリペプチドを形成してもよい。
【0077】
ポリペプチドを形成するアミノ酸は、L−型、D−型、DL−型のいずれであってもよい。
【0078】
ポリペプチドとしては、ジペプチドからテトラペプチドであればよい。チロシンとセリン又はトレオニンの中間に結合するアミノ酸としては特に制限はないが、グリシン、アラニン、β−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、システイン、グルタミン、アスパラギン、セリン、トレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸であればよい。アミノ酸として好ましいものは、グリシン、アラニン、β−アラニンである。チロシンとセリン又はトレオニンの中間に結合するジアミノ酸としては特に制限はないが、上記アミノ酸から構成されるジアミノ酸であればよい。アミノ酸として好ましいものは、グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、グリシン−β−アラニン、アラニン−グリシン、アラニン−アラニン、アラニン−β−アラニン、β−アラニン−グリシン、β−アラニン−アラニン、β−アラニン−β−アラニンである。
【0079】
リンカーを構成するフェニル基上に存在しているR
1、R
2及びR
3のうちのいずれか1個は、−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→で示される構造でリンカー機能を果たす。R
1、R
2及びR
3の内の2個はフェニル基上の置換基である。このような置換基としては、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数1から9のアルキル基を有するアルキルカルボニルアミノ基、及び置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基を含むアルキルカルボニル基からなる群の基から選ばれる基であればよい。
【0080】
R
1、R
2及びR
3の内の2個が置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルキル基であるとき、アルキル基としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等を挙げることができる。アルキル基が置換基を有するとき、置換基としては、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、炭素数1から6のアルキルチオ基、炭素数1から6のアルコキシ基、カルボキシ基、炭素数1から6のアルコキシ基を含有するアルコキシカルボニル基からなる群の基から選ばれる基1又は1以上の基を置換基として有していてもよい。置換基が1以上の場合は、同一であっても異なっていてもいずれでもよい。水酸基又はアミノ基がアルキル基の置換基のとき、これらはアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。水酸基を有するアルキル基としてヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基が好ましい。ハロゲン原子をアルキル基の置換基として有する場合、アルキル基は、炭素数1から6の直鎖状又は分枝状のいずれでもよいが、より好ましくはメチル基又はエチル基上にハロゲン原子を有するものであり、特にメチル基が好ましい。ハロゲン原子がアルキル基の置換基であるとき、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。フッ素原子の数は、モノ置換からパーフルオロ置換までのいずれでもよい。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、及び2,2,2−トリフルオロエチル基を例示することができる。モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、及びトリフルオロメチル基が好ましい。炭素数1から6のアルキルチオ基及び炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基等を挙げることができる。カルボキシ基又は炭素数1から6のアルコキシ基を含有するアルコキシカルボニル基がアルキル基の置換基のとき、これらはアルキル基の末端の炭素原子上に置換したものがより好ましい。炭素数1から6のアルコキシ基を含有するアルコキシカルボニル基のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基等を挙げることができる。
【0081】
R
1、R
2及びR
3の内の2個が、置換基を有していてもよい炭素数1から8のアルコキシ基であるとき、このアルコキシ基は上記に示したアルキル基と酸素原子とから構成されたアルコキシ基であればよい。
【0082】
R
1、R
2及びR
3の内の2個がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子であればよい。これらのうちでは塩素原子またはフッ素原子が好ましく,より好ましくはフッ素原子である。
【0083】
R
1、R
2及びR
3の内の2個が置換基を有していてもよい炭素数1から9のアルキル基を含むアルキルカルボニル基(脂肪族アシル基)であるとき、このアルキル部分は上記で示した炭素数1から8のアルキル基を含む炭素数9までのアルキル基であればよく、アルキルカルボニル基はこのようなアルキル基とカルボニル基とから構成されるものであればよい。アルキルカルボニル基としては,アセチル基が好ましい。
【0084】
R
1、R
2及びR
3としては、R
1及びR
3が水素原子であり、R
2が−L
1−(CH
2)
m−L
2−L
3−(CH
2CH
2O)
n1−(CH
2)
n2−O→で示されるリンカー構造である場合が好ましい。
【0085】
さらに、R
1及びR
3が水素原子であるときに以下の組み合わせが好ましい;
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mとn2の和が3以上の整数である場合。
【0086】
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mとn2の和が8以上の整数である場合。
【0087】
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が6以上の整数である場合。
【0088】
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が6又は8であるである場合。
【0089】
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが0又は2であり、n2が8である場合。
【0090】
L
1及びL
2が単結合であり、L
3が−(C=O)-NH−であり、mが2であり、n2が8である場合。
【0091】
本明細書中においては、上記、標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有する2本鎖ポリヌクレオチドを由来とし、このアンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成した下記の構造式で示される構造のリンカーによって結合されている1本鎖構造を有することを特徴とし、ポリヌクレオチド−3’−P(=O)(OH)−[リンカー]−P(=O)(OH)−5’−ポリヌクレオチドの構造を形成しているポリヌクレオチドを「3L5−ポリヌクレオチド」ともいう。
【0092】
3L5−ポリヌクレオチドとしては、次式で示される構造のポリヌクレオチドが好ましい。
【0094】
式中、
pは、0から4の整数を示し、
qは、4から10の整数を示し、
L
5は、単結合又は−O−を示し、
L
6は、(CH
2)
pとの結合を基点として、−(C=O)−NH−、又は−NH−(C=O)−を示し、
L
5のベンゼン環上の結合位置はパラ位又はメタ位であり、
L
5が−O−であるときは、pは1から4の整数を示す。
【0095】
さらに、以下の組み合わせがより好ましい;
pとqの和が3以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0096】
pとqの和が8以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0097】
pが0又は2であり、qが6以上の整数であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0098】
pが0又は2であり、qが6又は8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0099】
pが0又は2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0100】
pが2であり、qが8であり、L
5が単結合であり、L
6が−(C=O)-NH−であり、L
5のベンゼン環上の結合位置がパラ位である場合。
【0101】
本明細書中における、「相補的なヌクレオチド」とは、ヌクレオチドの塩基部分が相補するヌクレオチドのことをいい、例えば、塩基部分がアデニンとチミン、グアニンとシトシン、グアニンと5−メチルシトシン及びアデニンとウラシルであるヌクレオチドは互いに相補的なヌクレオチドである。
【0102】
本明細書中における、「相補的なヌクレオチド配列」とは、対象となるヌクレオチド配列に対して、全てが相補的なヌクレオチドからなるヌクレオチド配列に加え、1又は数個のヌクレオチドが相補的なヌクレオチドではないが、ポリヌクレオチド同士が塩基対を形成するヌクレオチド配列も含む。
【0103】
本明細書中におけるポリヌクレオチドの2本鎖構造とは、2種のポリヌクレオチドの互いに相補的なヌクレオチド配列同士がワトソン−クリック塩基対を形成し2本鎖の構造を有しているもの及び1本鎖ポリヌクレオチドの内部における相補的な配列同士がワトソン−クリック塩基対を形成し1本鎖ポリヌクレオチド内部において2本鎖構造を有するものもいう。
【0104】
本明細書中における3L5−ポリヌクレオチドは相補的なヌクレオチド同士がワトソン−クリック塩基対を形成し、2本鎖構造を形成する1本鎖ポリヌクレオチドであるが、全てのポリヌクレオチドがワトソン−クリック塩基対を形成していなくてもよい。
【0105】
本明細書中では、3L5−ポリヌクレオチドを構成するポリヌクレオチドのうち、標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列を含むものを標的遺伝子に対するパッセンジャー鎖(passenger strand)又はセンス鎖と呼び、標的遺伝子と相補的なヌクレオチド配列を含むものを標的遺伝子に対するガイド鎖(guide strand)又はアンチセンス鎖と呼ぶ。標的遺伝子に対するアンチセンス鎖は標的遺伝子のmRNAと相補的なヌクレオチド配列を有する。
【0106】
本明細書中において、標的遺伝子「標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる」とは、標的遺伝子の少なくとも一部のヌクレオチド配列と同一の配列からなることをいうが、完全に同一の配列に加え、3L5−ポリヌクレオチドが標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する限りにおいて、実質的に同一な配列も含む。「標的遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなる」とは、標的遺伝子の少なくとも一部のヌクレオチド配列と相補的な配列からなることをいうが、完全に相補的な配列に加え、3L5−ポリヌクレオチドが標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する限りにおいて、実質的に同一な配列も含む。また、標的遺伝子にSNPs等が知られている場合、それらの変異を有する配列も同一のヌクレオチド配列に含まれる。本明細書中において、標的遺伝子と相補的なヌクレオチド配列を含み標的遺伝子に対してRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有するポリヌクレオチドを標的遺伝子に対するポリヌクレオチドという。
【0107】
標的遺伝子に対する3L5−ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する限りにおいて特に制限されないが、例えば、コンピュータソフトウエア(例えば、GENETYX(登録商標):GENETYX COORPORATION製等。)を用いて標的遺伝子に対するRNA干渉作用を有すると予想された配列に基づいてセンス鎖及びアンチセンス鎖の配列を決定することによって決定することもできるし、更に選択された配列に基づいて作製した3L5−ポリヌクレオチドのRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を確認することによって決定することもできる。
【0108】
本明細書中において遺伝子発現抑制作用とは、遺伝子の発現を完全に抑制する作用の他に、コントロールに比して遺伝子の発現を減少させる作用も含まれ、遺伝子抑制(gene silencing)も遺伝子発現抑制作用に含まれる。また、本明細書においては、遺伝子発現抑制作用と遺伝子発現抑制活性を同じ意味に用いている。
【0109】
RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用は、当業者が通常行う方法で確認することができるが、例えば、標的遺伝子が発現している細胞に標的遺伝子に対する3L5−ポリヌクレオチドを投与して一定時間経過後の標的遺伝子の翻訳産物であるタンパク質をウエスタンブロット解析によって定量しタンパク質の発現量をコントロールと比較することによって確認することが出来る。また、リアルタイムPCRの手法により標的遺伝子に対する1本鎖ポリヌクレオチド投与後の標的遺伝子の発現量をリアルタイムで測定することによっても確認することができる。
【0110】
標的遺伝子の少なくとも一部のヌクレオチド配列と同一又は実質的に同一な配列を有するポリヌクレオチドとは、標的遺伝子のヌクレオチド配列のうち、いずれの部分でもよい18ヌクレオチド以上の配列と同一又は実質的に同一な配列からなるポリヌクレオチドである。ここで、「実質的に同一な配列」とは、標的遺伝子のヌクレオチド配列と70%以上、好ましくは80%以上さらに好ましくは90%以上の相同性を有する配列のことをいう。ヌクレオチド配列の相同性はBLAST(登録商標)等の公知の遺伝子解析ソフトウエアを用いて計算することが出来る。
【0111】
本明細書に添付する配列表において、各配列の<223>の項目中で“cm”は2’−O−メチルシチジン(2’−O−Methylcytidine)を示し、“um”は2’−O−メチルウリジン(2’−O−Methyluridine)を示し、“gm”は2’−O−メチルグアノシン(2’−O−Methylguanosine)を示す。
【0112】
2.3L5−ポリヌクレオチド
本発明における3L5−ポリヌクレオチドを構成するセンス鎖及びアンチセンス鎖の鎖長は、RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する限り、18ヌクレオチドから、標的遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)の全長までのいかなる長さでもよい。センス鎖としては、18〜21の鎖長のものが好ましく、18〜19の鎖長のものが更に好ましい。アンチセンス鎖としては、19〜21の鎖長のものが好ましく、21鎖長のものが更に好ましい。3L5−ポリヌクレオチドはその全体が2本鎖構造である必要はなく5’及び/又は3’末端が一部突出したものも含み、その突出末端は1〜5ヌクレオチド、好ましくは1〜3ヌクレオチド、さらに好ましくは2ヌクレオチドである。また、最も好ましい例としては、アンチセンス鎖のポリヌクレオチドの3’末端が2ヌクレオチド突出している(オーバーハング構造)構造を有し、18塩基対を形成しているポリヌクレオチドが挙げられる。
【0113】
3L5−ポリヌクレオチドは、下記の(a)〜(h)から選択される少なくともいずれか一つの性質を有する。
(a)標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(b)RNA分解酵素に安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(c)ホスファターゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(d)エキソヌクレアーゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(e)RNA分解酵素、ホスファターゼ及びエキソヌクレアーゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(f)アンチセンス鎖がホスファターゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(g)アンチセンス鎖がエキソヌクレアーゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する;
(h)アンチセンス鎖が5’−3’エキソヌクレアーゼに対して安定で、標的遺伝子に対するRNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する。
【0114】
2−1.
3L5−ポリヌクレオチドの一例としては、標的遺伝子に対するセンス鎖ポリヌクレオチド、及び該センス鎖ポリヌクレオチドに相補的な塩基配列を有するアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを有する2本鎖ポリヌクレオチドを由来とし、このアンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成した下記の構造式で示される構造のリンカーによって結合されている構造を有することが特徴である、すなわち、ポリヌクレオチド−3’−P(=O)(OH)−[リンカー]−P(=O)(OH)−5’−ポリヌクレオチドの構造を形成している[ここで,『ポリヌクレオチド−3’』は、ポリヌクレオチドの3’末端の水酸基上の水素原子を持たない構造を表し、『5’−ポリヌクレオチド』は、ポリヌクレオチドの5’末端の水酸基上の水素原子を持たない構造を示す。]ポリヌクレオチドを挙げることができる。
【0115】
3L5−ポリヌクレオチドの他の一例としては、センス鎖及びアンチセンス鎖が18乃至23塩基長のからなり、単離された二本鎖構造を有するRNA分子であって、各RNA鎖が18〜23塩基長を有し、少なくとも1つの鎖が1〜3塩基からなる3’突出部を有するものであり、該RNA分子は標的特異的なRNA干渉が可能なものであり、3’突出部を除く該RNA分子の1つの鎖が、予め決定したmRNA標的分子に対して100%の同一性を有する配列からなり、かつ、該mRNA標的分子が細胞又は生物中に存在するものである、上記RNA分子であり、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成したリンカーによって結合されている構造を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
【0116】
3L5−ポリヌクレオチドの他の一例としては、センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(II)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(III)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成したリンカーによって結合されている構造を有し、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、ポリヌクレオチド又はその塩を挙げることができる:
5’−(γ−β)
9−γ−λ
t−3’(II)
5’−β−(γ−β)
9−υ
u−3’(III)
(a)γはRNA、βは2’−OMeRNA、λ及びυはDNAを示す;
(b)t及びuは同一又は異なって、0〜5のいずれかの整数を示す;
(c)式(III)で示されるポリヌクレオチドのうち、(γ−β)
9−γは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(II)における(γ−β)
9−γと式(III)におけるβ―(γ−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
【0117】
γ、β、λおよびυは、ヌクレオシドユニットを示し、各ヌクレオシド間を結ぶ線はリン酸ジエステル結合またはホスホロチオエート結合を示す。ヌクレオシドユニットとは、上述の「天然型のヌクレオシド」や「糖修飾ヌクレオシド」のような核酸塩基のN−グルコシル体でポリヌクレオチドの構成単位を示す。
【0118】
3L5−ポリヌクレオチドの他の一例としては、センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(IV)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(V)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成したリンカーによって結合されている構造を有し、更に以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、ポリヌクレオチド又はその塩を挙げることができる:
5’−(α−β)
9−α
p−λ
t−3’(IV)
5’−δ
s−(α−β)
9−υ
u−3’(V)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示す。;
(c)式(IV)で示されるポリヌクレオチドのうち、(α−β)
9−α
pは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(IV)における(α−β)
9と式(V)における(α−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
【0119】
α、β、δおよびλは、ヌクレオシドユニットを示し、各ヌクレオシド間を結ぶ線はリン酸ジエステル結合またはホスホロチオエート結合を示す。ヌクレオシドユニットとは、上述の「天然型のヌクレオシド」や「糖修飾ヌクレオシド」のような核酸塩基のN−グルコシル体でポリヌクレオチドの構成単位を示す。
【0120】
3L5−ポリヌクレオチドの他の一例としては、センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VI)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VII)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成したリンカーによって結合されている構造を有し、更に、以下の(a)乃至(d)に示される特徴を有する、ポリヌクレオチド又はその塩を挙げることができる:
5’−β−(α−β)
8−α
p−λ
t−3’(VI)
5’−δ
s−(α−β)
8−(α―β)−υ
u−3’(VII)
(a)α及びβは異なってDNA又は2’−OMeRNA、δ及びλは同一又は異なってDNA又は2’−OMeRNA、υは同一又は異なってはDNA、RNA及び2’−OMeRNAから選択されるいずれかのヌクレオチドを示す;
(b)pは0又は1の整数を示し、tはpが0のときは0であり、pが1のときは0〜5のいずれかの整数を示す。sは0又は1の整数を示し、uは0〜5のいずれかの整数を示す;
(c)式(VI)で示されるポリヌクレオチドのうち、β−(α−β)
8−α
pは標的遺伝子と同一のヌクレオチド配列からなる;
(d)式(VI)における(α−β)
8と式(VII)における(α−β)
8は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
【0121】
3L5−ポリヌクレオチドの他の一例としては、センス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(VIII)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドが以下の式(IX)に示すポリヌクレオチドからなり、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端が、各々においてリン酸ジエステル構造を形成したリンカーによって結合されている構造を有し、更に、以下の(a)乃至(c)に示される特徴を有する、(1)に記載のポリヌクレオチド又はその塩を挙げることができる:
5’−(α−β)
9−3’(VIII)
5’−β−(α−β)
9−(α−β)−3’(IX)
(a)αがDNA、βが2’−OMeRNAである;
(b)式(IX)で示されるポリヌクレオチドのうち、β−(α−β)
9は標的遺伝子と相補的なヌクレオチド配列からなる;
(c)式(VIII)における(α−β)
9と式(IX)における(α−β)
9は互いに相補的なヌクレオチド配列からなる。
【0122】
3L5−ポリヌクレオチドには、RNA干渉作用及び/又は遺伝子発現抑制作用を有する限りにおいて、3L5−ポリヌクレオチド中の任意の1〜4残基を他の糖修飾ヌクレオチドで置換したものも含まれる。
【0123】
糖修飾ヌクレオチドには、本発明の属する技術分野で知られている糖修飾の全ての様式を含む。糖修飾ヌクレオチドは、あらゆる複素環塩基部位及びインターヌクレオシド結合を保持することができ、さらに前記糖修飾とは独立したグループを含む。糖修飾ヌクレオチドのグループは、2’−修飾ヌクレオシド、4’−チオ修飾ヌクレオシド、4’−チオ−2’−修飾ヌクレオシド及び二環式糖修飾ヌクレオシドを含む。
【0124】
2’−修飾ヌクレオチドの例としては、ハロ、アリル、アミノ、アジド、O−アリル、O−C
1−C
10アルキル、OCF
3、O−(CH
2)
2−O−CH
3、2’−O(CH
2)
2SCH
3、O−(CH
2)
2−O−N(R
m)(R
n)、又はO−CH
2−C(=O)−N(R
m)(R
n)であり、各R
mとR
nが個別にH、アミノ保護基、又は置換あるいは非置換C
1−C
10アルキルである。好ましい2’−修飾は−F、−OCH
3、又は−O−(CH
2)
2−O−CH
3である。さらに好ましくは−OCH
3である。
【0125】
4’−チオ修飾ヌクレオシドの例としては、4’−酸素原子が硫黄原子で置換されたβ−D−リボヌクレオシドを挙げることができる(Hoshika,S. et al. FEBS Lett.579,p.3115−3118,(2005); Dande, P. et al. J.Med.Chem.49, p.1624−1634(2006);Hoshika, S. et al. ChemBioChem. 8, p.2133−2138,(2007))。
【0126】
4’−チオ−2’−修飾ヌクレオシドの例としては、2’−H、又は、2’−O−メチルを保持する4’−チオ−2’−修飾ヌクレオシドを挙げることができ(Matsugami, et al. Nucleic Acids Res. 36, 1805 (2008))。
【0127】
二環式糖修飾ヌクレオシドの例としては、リボース環の2原子を架橋することによって形成された第二の環を保持するヌクレオシドを挙げることができ、そのようなヌクレオシドの例としては、2’−酸素原子と4’−炭素原子をメチレン鎖で架橋した2’,4’−BNA/LNA(bridged nucleic acids/locked nucleic acids)(Obika, S. et al. Tetrahedron Lett., 38, p.8735− (1997).; Obika, S. et al.,Tetrahedron Lett., 39, p.5401− (1998).; A. A. Koshkin, A.A. et al.Tetrahedron, 54, p.3607(1998).; Obika, S. Bioorg. Med. Chem., 9,p.1001(2001).)、2’,4’−BNA/LNAのメチレン鎖を一炭素延ばしたエチレン鎖で架橋したENA(2’−O,4’−C−ethylene−bridged nucleic acids)を挙げることができる(Morita, K. et al. Bioorg. Med. Chem. Lett., 12, p.73(2002).; Morita, K. et al. Bioorg. Med. Chem., 11,p.2211(2003).)。
【0128】
2’−OMeRNAを含む3L5−ポリヌクレオチド中の2’−OMeRNAの任意の1〜4残基が糖修飾ヌクレオチドで置換されている場合に、より好ましい糖修飾ヌクレオチドは上記の糖修飾ヌクレオチドのうち、同一又は異なってENA又は2’,4’−BNA/LNAである。
【0129】
3L5−ポリヌクレオチドには、ポリヌクレオチド中のDNAの1〜4残基が同一又は異なって、RNA、ENA又は2’,4’−BNA/LNAに置換されているポリヌクレオチドも含まれる。
【0130】
2−2 3L5−ポリヌクレオチドセンス鎖の合成方法
3L5−ポリヌクレオチドを構成するポリヌクレオチドの調製方法としては所望のポリヌクレオチドが合成できる限り特に制限はないが、既知の化学合成法(リン酸トリエステル法、ホスホロアミダイト法、又は、H−ホスホネート法等)を用いることができる。例えば、市販の核酸合成機を用いて、市販のDNA/RNA合成に使われる試薬を用いて合成することが出来る。
【0131】
2−3 3L5−ポリヌクレオチドの合成方法
3L5−ポリヌクレオチドを合成できる限りその製造方法に制限は無いが、例えば、以下の方法により合成することができる。
【0132】
2−3−1 A法
2−3−1−1 A−1工程
A−1工程の概要を
図1に示す。
【0133】
本工程は、所望のヌクレオシドが結合したポリマーサポート(1)(A−1法中、Tr
1−O−Y−CPGと表す。式中、CPGは、ポリヌクレオチドと結合しうるリンカーを有するポリマーサポートを示し、Yは、5’−及び3’−水酸基を除いた、核酸塩基部のアミノ基が保護されたヌクレオシドユニットを示す。)を用いて、所望のヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド類縁体である化合物(2)を製造する工程である(A法中、HO−W
1−Y−CPGと表す。式中、W
1−Yは、5’−末端及び3’−末端の水酸基を除いた保護されたポリヌクレオチドを表す。Tr
1は、水酸基の保護基を示す。)。
【0134】
Tr
1は、核酸の保護基を脱離することなく脱保護が可能な水酸基の保護基であれば、特に限定はないが、例えば、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基、レブリニル基、ビス(トリメチルシリルオキシ)(シクロヘキシルオキシ)シリル基を挙げることができ、好適には、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基である。
【0135】
核酸塩基部のアミノ基の保護基としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、例えば、ベンゾイル基、イソブチリル基、アセチル基、フェノキシアセチル基、4−(t−ブチル)フェノキシアセチル基、アリルオキシカルボニル基、p−ニトロフェニルエチルカルボニル基が挙げられる。
【0136】
CPGとしては、コントロールド ポア グラス、ロング チェーン アルキルアミノ コントロールド ポア グラス(Oligonucleotide synthesis Edited by M.J.Gait, IRL Press, 1984, pp84−115),ポリスチレンビーズ(Tetrahedron Lett. 34,3373(1994))等が挙げられる。その際にポリマーサポート上にアミノプロピル基、アミノヘキシル基のようなアミノアルキル基を有するものが挙げられる。
【0137】
ポリヌクレオチドと結合しうるリンカーとしては、Yの3’位に対して酸素原子を介して、コハク酸を使ってエステル結合した、−OC(=O)−CH
2CH
2C(=O)−が使用され、コハク酸の他方のカルボン酸は、ポリマーサポート上のアミノ基とアミド結合をしているものを挙げられる。コハク酸の他に、ザルコシン(−OC(=O)−CH
2CH
2C(=O)−)、シュウ酸リンカー(−OC(=O)C(=O)―)等が挙げられる。
【0138】
Tr
1−O−Y−CPGであって、Tr
1が、4,4’−ジメトシキトリチル基であり、CPGが、Yの3’位に対して酸素原子を介して、コハク酸を使ってエステル結合した、−OC(=O)−CH
2CH
2C(=O)−が使用され、コハク酸の他方のカルボン酸がポリマーサポート上のアミノ基とアミド結合をしているものの市販品の例として、Glen Research社の2’−OMe−A−RNA−CPG(20−3600−10)、2’−OMe−C−RNA−CPG(20−3610−10)、2’−OMe−G−RNA−CPG(20−3621−10)、2’−OMe−U−RNA−CPG(20−3630−10)、Bz−A−RNA−CPG(20−3303−10)、Ac−C−RNA−CPG(20−3315−10)、iPr−Pac−G−RNA−CPG(20−3324−10)、U−RNA−CPG(20−3330−10)、dA−CPG(20−2000−10)、dC−CPG(20−2010−10)dG−CPG(20−2020−10)、dT−CPG(20−2030−10)、等が挙げられる。
【0139】
化合物(2)を製造するのに必要なホスホロアミダイト試薬等を使用して、DNA自動合成機を用いた通常のホスホロアミダイト法により、化合物(2)を製造する。所望のヌクレオチド配列を持つオリゴヌクレオチド類縁体は、DNA合成機、例えばパーキンエルマー社のホスホロアミダイト法によるモデル392などを用いて文献(Nucleic Acids Research, 12, 4539(1984))記載の方法に準じて合成することが出来る。
【0140】
また所望により、オリゴヌクレオチド類縁体をチオエート化する場合は、硫黄のほかテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD、アプライドバイオシステムズ社)、Beaucage試薬、フェニルアセチルジスルフィド/ピリジン−アセトニトリル(1:1 v/v)溶液(Ravikumar, V.T. et al. Bioorg.Med.Chem.Lett.(2006) 16,p.2513−2517)等の試薬を用い、文献(Tetarhedron Letters, 32, 3005(1991)、J. Am. Chem. Soc., 112, 1253(1990))記載の方法に準じてチオエート誘導体を得る事ができる。
【0141】
2−3−2 C法
C法の概要を
図2に示す。
【0142】
2−3−2−1 C−1工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(9)に、脱酸剤の存在下、酸性条件下で除去し得る保護化試薬(好適にはジメトキシトリチルクロリド)を反応させて、化合物(9)の水酸基を保護した化合物(10)を得る工程である。
【0143】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないがベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;ピリジンのような複素環アミン類又はアセトニトリルのようなニトリル類をあげることができ、好適には、複素環アミン類(特にピリジン)をあげられる。
【0144】
使用される保護化試薬としては、トリチルクロリド、モノメトキシトリチルクロリド、ジメトキシトリチルクロリド、トリメトキシトリチルクロリドなどのトリチルハライド類があげられるが、好適にはモノメトキシトリチルクロリド、ジメトキシトリチルクロリドである。
【0145】
使用される脱酸剤としては反応を阻害せず、生成物及び出発物質を分解しないものであれば特に限定はないが、好適にはピリジン、ジメチルアミノピリジンのような芳香族アミン類である。
【0146】
反応温度と反応時間については使用する保護化試薬や脱酸剤の種類によって異なるが、保護化試薬としてジメトキシトリチルクロリドを用いて、ピリジンを溶剤と脱酸剤と兼ねて、使用する場合は室温で2時間である。
【0147】
反応終了後、目的の化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0148】
2−3−2−2 C−2工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(10)のカルボキシル基に、アミノ基を有しているフェノールと反応させ、アミド結合を有する化合物(11)を形成させる工程である。
【0149】
使用される溶剤としては、反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類、アセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;ニトロエタン、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類があげられ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特にメチレンクロリド)、アミド類(特にジメチルホルムアミド)である。
【0150】
使用されるフェノールとしては、4−アミノフェノール、3−アミノフェノールをあげることができるが、好適には4−アミノフェノールである。
【0151】
使用されるアミド形成試薬としては、例えば、N−ヒドロキシサクシイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドのようなN−ヒドロキシ化合物類;1,1′−オキザリルジイミダゾール、N,N′−カルボニルジイミダゾールのようなジイミダゾール化合物類;2,2′−ジピリジルジサルファイドのようなジサルファイド化合物類;N,N′−ジサクシンイミジルカーボネートのようなコハク酸化合物類;N,N′−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロライドのようなホスフィニッククロライド化合物類;N,N′−ジサクシンイミジルオキザレート(DSO)、N,N−ジフタールイミジルオキザレート(DPO)、N,N′−ビス(ノルボルネニルサクシンイミジル)オキザレート(BNO)、1,1′−ビス(ベンゾトリアゾリル)オキザレート(BBTO)、1,1′−ビス(6−クロロベンゾトリアゾリル)オキザレート(BCTO)、1,1′−ビス(6−トリフルオロメチルベンゾトリアゾリル)オキザレート(BTBO)のようなオキザレート化合物類、ジシクロヘキシルカーボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカーボジイミド(EDC)などのカーボジイミド類があげられ、好適にはジイミダゾール化合物類、カーボジイミド類(特に、EDC)である。
【0152】
反応補助試薬として、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)を添加してもよい。
【0153】
反応温度及び反応時間は、使用されるアミド形成試薬及び溶剤の種類によって異なるが、0℃乃至100℃で5乃至50時間、特に4−アミノフェノールとEDCをメチレンクロリド中で使用する場合には室温で18時間である。
【0154】
反応終了後、目的の化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0155】
2−3−3 D法
D法の概要を
図2に示す。図中、n1、n2、m、及びL
1は、上記と同じものを示し、具体的には、mは、0から4の整数を示し、L
1は、単結合又は−O−を示す。
【0156】
2−3−3−1 D−1a工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(12a)のアミノ基に、カルボキシル基を有しているフェノールと反応させ、アミド結合を有する化合物(13a)を形成させる工程である。
【0157】
使用されるフェノールとしては、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4−(3−ヒドロキシフェニル)吉草酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、3-ヒドロキシフェノキシ酢酸、4-ヒドロキシフェノキシ酢酸などをあげることができるが、好適には3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸である。
【0158】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0159】
2−3−3−2 D−2a工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(13a)に、脱酸剤の存在下、酸性条件下で除去し得る保護化試薬(好適にはジメトキシトリチルクロリド)を反応させて、化合物(13a)の水酸基を保護した化合物(14a)を得る工程である。
【0160】
本工程は、C−1工程と同様の方法で行うことができる。
【0161】
2−3−3−3 D−1b工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(12b)のアミノ基に、カルボキシル基を有しているフェノールと反応させ、アミド結合を有する化合物(13b)を形成させる工程である。
【0162】
使用されるフェノールとしては、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(3−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4−(3−ヒドロキシフェニル)吉草酸、4−(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、3-ヒドロキシフェノキシ酢酸、4-ヒドロキシフェノキシ酢酸などをあげることができるが、好適には3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸である。
【0163】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0164】
2−3−3−4 D−2b工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(13b)に、脱酸剤の存在下、酸性条件下で除去し得る保護化試薬(好適にはジメトキシトリチルクロリド)を反応させて、化合物(13b)の水酸基を保護した化合物(14b)を得る工程である。
【0165】
本工程は、C−1工程と同様の方法で行うことができる。
【0166】
2−3−3−5 D−1c工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(12a)のアミノ基に、カルボキシル基を有しているフェノールと反応させ、アミド結合を有する化合物(13c)を形成させる工程である。
【0167】
使用されるフェノールとしては、N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-チロシンをあげることができる。
【0168】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0169】
2−3−3−6 D−2c工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(13c)に、脱酸剤の存在下、酸性条件下で除去し得る保護化試薬(好適にはジメトキシトリチルクロリド)を反応させて、化合物(13c)の水酸基を保護した化合物(14c)を得る工程である。
【0170】
本工程は、C−1工程と同様の方法で行うことができる。
【0171】
2−3−4 E法
E法の概要を
図3に示す。
【0172】
2−3−4−1 E−1工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(15)に、脱酸剤の存在下、酸性条件下で除去し得る保護化試薬(好適にはモノメトキシトリチルクロリド)を反応させて、化合物(15)の水酸基を保護した化合物(16)を得る工程である。
【0173】
本工程は、C−1工程と同様の方法で行うことができる。
【0174】
2−3−4−2 E−2工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(16)のカルボキシル基に、チロシンエステルと反応させ、アミド結合を有する化合物(17)を形成させる工程である。
【0175】
使用されるチロシンエステルとしては、チロシンメチルエステル、チロシンエチルエステルなどをあげることができるが、好適にはチロシンエチルエステルである。
【0176】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0178】
2−3−5 F法
F法の概要を
図3に示す。図中、Aは、−CH
2−、−CH(CH
3)−、−CH
2CH
2−、−CH[CH
2CH(CH
3)
2]−、及び、−CH[CH(CH
3)CH
2CH
3]−を表す。
【0179】
2−3−5−1 F−1工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(18)のアミノ基に、アミノ基がt−Boc基で保護されたアミノ酸(19)と反応させ、アミド結合を有する化合物(20)を形成させる工程である。
【0180】
t−Boc基で保護されたアミノ酸の種類としては、グリシン、アラニン、β―アラニン、ロイシン、イソロイシンなどをあげることができるが、好適には、グリシン、アラニン、β―アラニンである。
【0181】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0182】
2−3−5−2 F−2工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(20)に脱保護化試薬を反応させて、アミノ基の保護基を選択的に除去して、化合物(21)を製造する工程である。
【0183】
使用される溶剤としては、好適には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、イソアミルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、のようなアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;ニトロエタン、ニトロベンゼンのようなニトロ化合物類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類があげられ、さらに好適には、アルコール類(特にメタノール、エタノール)や塩化メチレン及び脱保護化試薬として酢酸を用いる場合は酢酸と水の混液があげられる。
【0184】
使用される脱保護化試薬としては、通常用いられるものであれば、特に制限はないが、保護基がt−Boc基の場合には、例えば酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸及び臭化亜鉛のようなルイス酸類があげられ、好適には酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸である。
【0185】
反応温度は使用される試薬、原料、溶剤などにより異なるが、通常−10乃至100℃であり、好適には0乃至50℃である。
【0186】
反応時間は使用される原料、溶剤、反応温度などにより異なるが、通常1分間乃至50時間であり、好適には、1分間乃至24時間である。
【0187】
反応終了後、目的の化合物は常法に従って、反応混合物から採取される。
【0188】
2−3−5−3 F−3工程
本工程は、不活性溶剤中、化合物(21)のアミノ基に、化合物(16)と反応させ、アミド結合を有する化合物(22)を形成させる工程である。
【0189】
本工程は、C−2工程と同様の方法で行うことができる。
【0190】
2−3−6 G法
G法の概要を
図4に示す。
【0191】
2−3−6−1 G−1工程
本工程は、C−2工程で製造される化合物(11)、D−2a工程で製造される化合物(14a)、D−2b工程で製造される化合物(14b)、D−2c工程で製造される化合物(14c)、E−2工程で製造される化合物(17)、及び、F−3工程で製造される化合物(22)のフェノール(
図4中、Tr−O−X−Hと表す。Trは、水酸基の保護基を表す。)の水酸基に、アミダイト化に用いるモノ置換―クロロ(アルコキシ)ホスフィン類(
図4中、R
5−P(−O−R
4)−Clと表す。)又はジ置換―アルコキシホスフィン類(
図4中、(R
5−)
2P(−O−R
4)と表す。)を反応して、化合物(23)を製造する工程である。
【0192】
Trは、核酸の保護基を脱離することなく脱保護が可能な水酸基の保護基であれば、特に限定はないが、例えば、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基、レブリニル基、ビス(トリメチルシリルオキシ)(シクロヘキシルオキシ)シリル基を挙げることができ、好適には、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基である。
【0193】
使用される溶剤としては、反応に影響を与えないものであれば、特に限定はないが、好適には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサンのようなエーテル類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
【0194】
本工程中のR
4は、2−シアノエチル基、メチル基、メタンスルホニルエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、アリル基をあげることができ、好適には、シアノエチル基、メチル基である。
【0195】
本工程中のR
5は、モルホリノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基を挙げることができ、好適には、ジイソプロピルアミノ基である。
【0196】
使用されるモノ置換−クロロ(アルコキシ)ホスフィン類としては、例えば、クロロ(モルホリノ)メトキシホスフィン、クロロ(モルホリノ)シアノエトキシホスフィン、クロロ(ジメチルアミノ)メトキシホスフィン、クロロ(ジメチルアミノ)シアノエトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)メトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンのようなホスフィン類があげられ、好適には、クロロ(モルホリノ)メトキシホスフィン、クロロ(モルホリノ)シアノエトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)メトキシホスフィン、クロロ(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンである。
【0197】
モノ置換−クロロ(アルコキシ)ホスフィン類を用いる場合には、脱酸剤が使用され、その場合に、使用される脱酸剤としては、ピリジン、ジメチルアミノピリジンのような複素環アミン類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような脂肪族アミン類があげられるが、好適には、脂肪族アミン類(特にジイソプロピルエチルアミン)である。
【0198】
使用されるジ置換−アルコキシホスフィン類としては、例えば、ビス(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィン、ビス(ジエチルアミノ)メタンスルホニルエトキシホスフィン、ビス(ジイソプロピルアミノ)(2,2,2−トリクロロエトキシ)ホスフィン、ビス(ジイソプロピルアミノ)(4−クロロフェニルメトキシ)ホスフィンのようなホスフィン類をあげることができ、好適には、ビス(ジイソプロピルアミノ)シアノエトキシホスフィンである。
【0199】
ジ置換−アルコキシホスフィン類を用いる場合には、酸が使用され、その場合に、使用される酸としては、好適には、テトラゾール、酢酸又はp−トルエンスルホン酸である。
【0200】
反応温度は、特に限定はないが、通常0乃至80℃であり、好適には、室温である。
【0201】
反応時間は、使用する原料、試薬、温度等により異なるが、通常、5分乃至30時間であり、好適には、室温で反応した場合、30分乃至10時間である。
【0202】
反応終了後、本反応の目的化合物(7)は、例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には、濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
【0203】
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば、再結晶、再沈殿又はクロマトグラフィ−等によって更に精製できる。
【0204】
2−3−6−2 G−2工程
本工程は、A−1で製造される化合物(2)にG−1で製造される化合物(23)をDNA自動合成機を用いた通常のホスホロアミダイト法により化合物(24)を製造する工程である(図中、W
2は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いた保護されたセンス鎖ポリヌクレオチドを表し、W
1−Yは、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いた保護されたアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを表し、Tr
1は水酸基の保護基を表す。)。
【0205】
Tr
1は、核酸の保護基を脱離することなく脱保護が可能な水酸基の保護基であれば、特に限定はないが、例えば、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基、レブリニル基、ビス(トリメチルシリルオキシ)(シクロヘキシルオキシ)シリル基を挙げることができ、好適には、4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基である。
【0206】
DNA自動合成機を用いた通常のホスホロアミダイト法により、化合物(24)を製造する。所望のヌクレオチド配列を持つオリゴヌクレオチド類縁体は、DNA合成機、例えばパーキンエルマー社のホスホロアミダイト法によるモデル392などを用いて文献(Nucleic Acids Research, 12, 4539(1984))記載の方法に準じて合成することが出来る。
【0207】
また所望により、オリゴヌクレオチド類縁体をチオエート化する場合は、硫黄のほかテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD、アプライドバイオシステムズ社)、Beaucage試薬、フェニルアセチルジスルフィド/ピリジン−アセトニトリル(1:1 v/v)溶液(Ravikumar, V.T. et al. Bioorg.Med.Chem.Lett.(2006) 16,p.2513−2517)等の試薬を用い、文献(Tetarhedron Letters, 32, 3005(1991)、J. Am. Chem. Soc., 112, 1253(1990))記載の方法に準じてチオエート誘導体を得る事ができる。
【0208】
2−3−6−3 G−3工程
本工程は、G−2で製造される化合物(24)のCPGより切り出し、保護基の除去を行い、最終化合物(25)を製造する工程である(図中、式中、W
2’は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いたセンス鎖ポリヌクレオチドを示し、W
1’−Y’は、5’末端、及び3’末端の水酸基を除いたアンチセンス鎖ポリヌクレオチドを表す。)。
【0209】
用いる塩基としては、濃アンモニア水、メタノール性アンモニア、エタノール性アンモニア、濃アンモニア水―エタノール(3:1V/V)混液、濃アンモニア水―40%メチルアミン水溶液(1:1V/V)混液、メチルアミン、0.5M LiOH水溶液、3.5M トリエチルアミン/メタノール溶液の(1:10V/V)混液を挙げることができ、好適には濃アンモニア水、濃アンモニア水―エタノール混液(3:1V/V)である。
【0210】
反応温度は、特に限定はないが、通常−50乃至80℃であり、好適には室温乃至60℃である。
【0211】
反応時間は、使用する原料、試薬、温度等により異なるが、通常、5分から30時間であり、好適には、60℃で反応した場合、5時間である。
【0212】
反応終了後、溶剤を留去することによって得られる化合物が、Tr
1が結合している場合、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィーを含む。)等の各種クロマトグラフィーなどの精製操作で精製することができる。
【0213】
Tr
1が、例えば4−メトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基、ピクシル基、トリチル基等が塩基性条件で脱保護していない場合、F−2工程と同様の方法の酸性条件でTr
1を脱保護することができる。好適には、80%酢酸水である。
【0214】
このようにして得られる化合物(25)を含む反応混合物を、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィーを含む。)等の各種クロマトグラフィーなど、通常の核酸の精製に用いられる精製操作で精製することにより、化合物(25)を得ることができる。
【0215】
本方法により、3L5−ポリヌクレオチド及びセンス鎖の3’末端とアンチセンス鎖の5’末端のリン酸が修飾されていない2本鎖ポリヌクレオチドを取得することができる。
【0216】
3L5−ポリヌクレオチドには、3L5−ポリヌクレオチドにコレステロールユニット、脂質ユニット又は、ビタミンEユニットを導入したもの(例えば、Lorenz, C. et al. Bioorg. Med. Chem. Lett.,14,p.4975−4977(2004);Soutschek, J., et al. Nature,432,p.173−178, (2004); Wolfrum, C. et al. Nature Biotech. 25,p.1149−1157,(2007))Kubo, T. et al. Oligonucleotides, 17, p.1−20,(2007); Kubo, T., et al. Biochem. Biophys. Res. Comm. 365,p.54−61,(2008); Nishina, K., et al., Mol. Ther. 16,p.734−740,(2008)参照。)、及び3L5−ポリヌクレオチドの末端に、タンパク質に結合する核酸分子であるアプタマー(aptamer)を結合したものも含む。
【0217】
3L5−ポリヌクレオチドには、3L5−ポリヌクレオチドとモノクローナル抗体(又はその適切な結合部分)や、タンパク質(又はその適切なオリゴペプチドフラグメント)が結合したものも含む(例えば、Song, et al. Nature Biotech. 23,p.709−717(2005); Xia et al. Pharm. Res. 24,p.2309−2316(2007)、Kumar, et al. Nature,448,p.39−43(2007)参照。)。
【0218】
また、3L5−ポリヌクレオチドには、3L5−ポリヌクレオチドにカチオニックポリマーを加えることで、正電荷を帯びた複合体としたものも含む(臓器及び細胞への分布を達成することができた例として、Leng et al. J. Gen. Med. 7,p.977−986(2005),Baigude et al.2,p.237−241, ACS Chem. Biol.(2007),Yadava et al. Oligonucleotide 17,p.213−222(2007)参照)。
【0219】
3L5−ポリヌクレオチドには、上記3L5−ポリヌクレオチドのあらゆる薬学的に許容可能な塩類、エステル、又はそのようなエステルの塩類を含む。
【0220】
3L5−ポリヌクレオチドの薬学的に許容可能な塩類としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0221】
3L5−ポリヌクレオチドを含有する組成物は、例えばリポソーム、受容体標的分子、経口、直腸、局所的又は取り込み、分配及び/又は吸収を補助するための他の処方として、他の分子、分子構造又は化合物の混合物と混合される、封入される、共役される。
【0222】
3L5−ポリヌクレオチドを、疾患の予防薬又は治療薬として使用する場合には、前記ポリヌクレオチド、又は、その薬理学上許容される塩を、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等により経口的に、又は、注射剤、坐剤、貼付剤、若しくは、外用剤等により非経口的に投与することができる。
【0223】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤;及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、乳化剤(例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0224】
3.3L5−ポリヌクレオチドの細胞、組織あるいは個体への導入、及び標的遺伝子の発現調節
上記のように調製された3L5−ポリヌクレオチドを導入する被導入体としては、標的遺伝子がその細胞内でRNAに転写され得るものであれば、特に制限されない。被導入体としては細胞、組織、あるいは個体を意味する。
【0225】
3L5−ポリヌクレオチドが用いられる細胞としては、生殖系列細胞、体性細胞、分化全能性細胞、多分化能細胞、分割細胞、非分割細胞、実質組織細胞、上皮細胞、不滅化細胞、形質転換細胞、神経細胞又は免疫細胞のいずれのものであってもよい。
【0226】
組織としては単一細胞胚又は構成性細胞、又は多重細胞胚、胎児組織等を含む。また、上記分化細胞としては、例えば、脂肪細胞、線維芽細胞、筋細胞、心筋細胞、内皮細胞、神経細胞、グリア、血液細胞、巨核球、リンパ球、マクロファージ、好中球、好酸球、好塩基球、マスト細胞、白血球、顆粒球、ケラチン生成細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、肝細胞及び内分泌線又は外分泌腺の細胞等が挙げられる。このような細胞の例としては、CHO−K1細胞(RIKEN Cell bank)、ショウジョウバエS2細胞(Schneider, l. et al., J. Embryol. Exp. Morph., 27,p.353−365(1972)、ヒトHeLa細胞(ATCC:CCL−2)、あるいは、ヒトHEK293細胞(ATCC:CRL−1573)等が好ましく用いられる。
【0227】
さらに3L5−ポリヌクレオチドの被導入体として用いられる個体として、具体的には、植物、動物、原生動物、ウイルス、バクテリア、又は真菌類に属するもの等が挙げられる。植物は単子葉植物、双子葉植物又は裸子植物であってよく、動物は、脊椎動物又は無脊椎動物であってもよい。脊椎動物としてはマウス、ラット、サル、イヌ及びヒトを含む哺乳類が好ましい。
【0228】
被導入体への3L5−ポリヌクレオチドの導入方法としては、被導入体が細胞、あるいは組織の場合は、カルシウムフォスフェート法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、ウイルス感染、3L5−ポリヌクレオチド溶液への浸漬、あるいは形質転換法等が用いられる。また、胚に導入する方法としては、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション法、あるいはウイルス感染等が挙げられる。被導入体が植物の場合には植物体の体腔又は間質細胞等への注入又は灌流、あるいは噴霧による方法が用いられる。また、動物個体の場合には、経口、局所、皮下、筋肉内及び静脈内投与、非経口、経膣、経直腸、経鼻、経眼、経膜内投与等によって全身的に導入する方法、あるいはエレクトロポレーション法やウイルス感染等が用いられる。経口導入の方法としては、3L5−ポリヌクレオチドを生物の食物と直接混合する方法を使うこともできる。
【0229】
3L5−ポリヌクレオチドを患者へ導入する方法については、上記に加えてコロイド分散系を用いることができる。
【0230】
コロイド分散系は化合物の生体内の安定性を高める効果や、特定の臓器、組織又は細胞へ化合物を効率的に輸送する効果が期待される。
【0231】
コロイド分散系は、通常用いられるものであれば限定しないが、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、及び水中油系の乳化剤、ミセル、混合ミセル及びリポソームを包含する脂質をベースとする分散系を挙げる事ができ、好ましくは、特定の臓器、組織又は細胞へ化合物を効率的に輸送する効果のある、複数のリポソーム、人工膜の小胞である(Mannino et al.,Biotechniques,1988,6,p.682−;Blume and Cevc,Biochem.et Biophys.Acta,1990,1029,p.91−;Lappalainen et al.,Antiviral Res.,1994,23,p.119−;Chonn and Cullis,Current Op.Biotech.,1995,6,p.698−)。
【0232】
0.2−0.4μmのサイズ範囲をとる単膜リポソームは、巨大分子を含有する水性緩衝液のかなりの割合を被包化し得、化合物はこの水性内膜に被胞化され、生物学的に活性な形態で脳細胞へ輸送される(Fraley et al.,Trends Biochem.Sci.,1981,6,p.77−)。
【0233】
リポソームの組成は、通常、脂質、特にリン脂質、とりわけ相転移温度の高いリン脂質を1種又はそれ以上のステロイド、特にコレステロールと通常複合したものである。
【0234】
リポソーム生産に有用な脂質の例は、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、スフィンゴ脂質、ホスファチジルエタノールアミン、セレブロシド及びガングリオシドのようなホスファチジル化合物を包含する。
【0235】
特に有用なのはジアシルホスファチジルグリセロールであり、ここでは脂質部分が14−18の炭素原子、特に16−18の炭素原子を含有し、飽和している(14−18の炭素原子鎖の内部に二重結合を欠いている)。
【0236】
代表的なリン脂質は、ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及びジステアロイルホスファチジルコリンを包含する。
【0237】
リポソームを包含するコロイド分散系の標的化は、受動的又は能動的のいずれかであってもよい。
【0238】
受動的な標的化は、洞様毛細血管を含有する臓器の網内系細胞へ分布しようとするリポソーム本来の傾向を利用することによって達成される。
【0239】
一方、能動的な標的化は、例えば、ウイルスのタンパク質コート(Morishita et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(U.S.A.),1993,90,p.8474−)、モノクローナル抗体(又はその適切な結合部分)、糖、糖脂質又はタンパク質(又はその適切なオリゴペプチドフラグメント)のような特定のリガンドをリポソームへ結合させること、又は天然に存在する局在部位以外の臓器及び細胞型への分布を達成するためにリポソームの組成を変えることによってリポソームを修飾する手法等を挙げることができる。
【0240】
標的化されたコロイド分散系の表面は様々なやり方で修飾され得る。
【0241】
リポソームで標的したデリバリーシステムでは、脂質二重層との緊密な会合において標的リガンドを維持するために、リポソームの脂質二重層へ脂質基が取込まれ得る。
脂質鎖を標的リガンドと結びつけるために様々な連結基が使用され得る。
【0242】
3L5−ポリヌクレオチドのデリバリーが所望される細胞の上に支配的に見出される特定の細胞表面分子に結合する標的リガンドは、例えば、(1)デリバリーが所望される細胞によって支配的に発現される特定の細胞受容体と結合している、ホルモン、成長因子又はその適切なオリゴペプチドフラグメント、又は(2)標的細胞上で支配的に見出される抗原性エピトープと特異的に結合する、ポリクローナル又はモノクローナル抗体、又はその適切なフラグメント(例えば、Fab;F(ab’)2)、であり得る。
2種又はそれ以上の生物活性剤は、単一のリポソーム内部で複合し、投与することもできる。
【0243】
内容物の細胞内安定性及び/又は標的化を高める薬剤をコロイド分散系へ追加することも可能である。
【0244】
3L5−ポリヌクレオチド又はその薬理学上許容される塩の使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り下限1mg(好適には、30mg)、上限2000mg(好適には、1500mg)を、静脈内投与または皮下投与の場合には、1回当り下限0.5mg(好適には、5mg)、上限500mg(好適には、250mg)を、気管内投与の場合には、1回当り下限0.5mg(好適には、5mg)、上限500mg(好適には、250mg)を、眼球内投与の場合には、1回当り下限0.05mg(好適には、0.5mg)、上限10mg(好適には、5mg)を、成人に対して、1日当り1乃至3回症状に応じて投与することが望ましい。また、安定性が高められた薬剤の場合は、1週間に1乃至3回、さらに安定性が高められた薬剤の場合は、1ヶ月に1乃至3回症状に応じて投与することが望ましい。
【0245】
局所的投与に対する薬学的組成物及び処方は、経皮的パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、飴、坐薬、スプレー、液体及び粉末を含む。
【実施例】
【0246】
以下、実施例、参考例及び試験例にて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、遺伝子操作に関する各操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」[Sambrook, J.,Fritsch, E.F.及びManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により行うか、又は、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って使用した。実施例で合成された各ポリヌクレオチドのXの構造式、質量分析計で測定された各ポリヌクレオチドの分子量の測定値、を表1に示した。
【0247】
(参考例1)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1t−H(配列表の配列番号1)(CT−169)の合成
核酸自動合成機(パーキンエルマー社製 ABI model 394 DNA/RNA synthesizer)を用い、0.2μmolスケールのRNA合成プログラムに従って行った。各合成サイクルにおける溶媒、試薬、ホスホロアミダイトの濃度は天然オリゴデオキシヌクレオチド合成の場合と同じものを用いた。
【0248】
デオキシヌクレオシドホスホロアミダイトを用いる場合は、5’−O−ジメトキシトリチル−6−N−ベンゾイル−2’−デオキシアデノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−2−N−イソブチリル−2’−デオキシグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−4−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチルチミジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイトをProligo社より購入し適宜調整し用いた。
【0249】
2’−O−メチルヌクレオシドホスホロアミダイトを用いる場合は、5’−O−ジメトキシトリチル−6−N−ベンゾイル−2’−O−メチルアデノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−2−N−イソブチリル−2’−O−メチルグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−4−N−アセチル−2’−O−メチルシチジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチルウリジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイトをGlen Researchより購入し適宜調製し用いた。
【0250】
リボヌクレオシドホスホロアミダイトを用いる場合は、5’−O−ジメトキシトリチル−6−N−ベンゾイル−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)アデノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−2−N−ジメチルホルムアミジン−2’ −O−(tert−ブチルジメチルシリル)グアノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−4−N−アセチル−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)シチジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(tert−ブチルジメチルシリル)ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイトをProligo社より購入し適宜調製し用いた。
2’−O,4’−C−エチレンヌクレオシドホスホロアミダイトを用いる場合は、特許3420984号の実施例14(5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O,4’−C−エチレン−6−N−ベンゾイルアデノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例27(5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O,4’−C−エチレン−2−N−イソブチリルグアノシン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例22(5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O,4’−C−エチレン−4−N−ベンゾイル−5−メチルシチジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例9(5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O,4’−C−エチレン−5−メチルウリジン−3’−O−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を適宜調製し用いた。
【0251】
5’−末端にリン酸基部分がある場合は、フォスファリンク(ABI製)を適宜調製し用いた。
【0252】
ホスホロアミダイトは、適宜核酸自動合成機に取り付け、所望の配列を有するポリヌクレオチドを合成した。固相担体として、所望のヌクレオシドが結合したCPG(コントロールド ポア グラス;アプライドバイオシステム製、又は、Glen Research製)0.5μmolを用い、表記のポリヌクレオチドを合成した。核酸自動合成機の最終工程で、酸処理をしなかった(ジメトキシトリチル基がオリゴヌクレオチド上に結合している)。本ポリヌクレオチドにおいては、アンモニア水で処理した後、逆相HPLC(島津製作所製LC−10VP、カラム(Merck, Chromolith Performance RP−18e (4.6×100mm))、A溶液:5%アセトニトリル、0.1M 酢酸トリエチルアミン水溶液(TEAA), pH7.0、B溶液:アセトニトリル、B%:10%→60%(10min, linear gradient);60℃;2ml/min;260nm)にて精製し、ジメトキシトリチル基を有する目的物のピークを集めた。水を加え、減圧下留去することで、TEAAを除いた。ジメトキシトリチル基が結合している場合は、80%酢酸水溶液(2mL)を加え、20分放置することで、ジメトキシトリチル基の脱保護を行った。溶媒を留去したのち、残渣を500μlの水に溶解し、酢酸エチルで洗浄し、凍結乾燥後、目的とするオリゴヌクレオチドを得た。また必要に応じて、7M尿素を含む20%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(1x TBE、600V、4時間)で精製した。電気泳動後、UVランプを用いてバンドを可視化し、ナイフを使ってバンドを切り出し、1mLの0.2M NaCl、10mM EDTA(pH7.2)の溶液を加えて、一晩放置し、ポリヌクレオチドをゲル片から溶出させた。エタノールを加え、オリゴヌクレオチドを沈殿させ、遠心し回収した。本ポリヌクレオチドの分子量は、負イオンESI質量分析により同定した。
分子量:計算値:5767.86、測定値:5767.78
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No.NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3156の配列を含む。
【0253】
(実施例1)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−437)の合成
CT−437は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。
【0254】
参考例1と同様にCT−437を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分に以下のように調製したXアミダイト試薬をカップリングした。参考例3で取得された化合物(20mg)をアセトニトリル:塩化メチレン(1:1v/v)2mLに溶解し、2−cyanoethyl tetraisopropylphosphorodiamidite (74μL、0.23mmol)、1H Tetrazole 0.45Mアセトニトリル溶液360μLを加え2時間攪拌した。TLCで反応の進行を確認後、フィルターろ過を行い、Xアミダイト試薬を調製した。CT−437の構造を
図6に示す。
【0255】
(実施例2)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−455)の合成
実施例1と同様にCT−455を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例4で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
CT−455は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−455の構造を
図6に示す。
【0256】
(実施例3)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−456)の合成
実施例1と同様にCT−456を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例5で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0257】
CT−456は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−456の構造を
図6に示す。
【0258】
(実施例4)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−446)の合成
実施例1と同様にCT−446を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例6で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0259】
CT−446は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−446の構造を
図6に示す。
【0260】
(実施例5)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−447)の合成
実施例1と同様にCT−447を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例7で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0261】
CT−447は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−447の構造を
図6に示す。
【0262】
(実施例6)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−448)の合成
実施例1と同様にCT−448を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例8で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0263】
CT−448は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−448の構造を
図6に示す。
【0264】
(実施例7)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−449)の合成
実施例1と同様にCT−449を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例9で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0265】
CT−449は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−449の構造を
図6に示す。
【0266】
(実施例8)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−450)の合成
実施例1と同様にCT−450を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例10で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0267】
CT−450は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−450の構造を
図6に示す。
【0268】
(実施例9)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−451)の合成
実施例90と同様にCT−451を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例11で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0269】
CT−451は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−451の構造を
図6に示す。
【0270】
(実施例10)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−452)の合成
実施例1と同様にCT−452を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例12で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0271】
CT−452は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−452の構造を
図6に示す。
【0272】
(実施例11)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−453)の合成
実施例1と同様にCT−453を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例13で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0273】
CT−453は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−453の構造を
図6に示す。
【0274】
(実施例12)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−454)の合成
実施例1と同様にCT−454を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0275】
CT−454は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−454の構造を
図6に示す。
【0276】
(実施例13)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−460)の合成
実施例1と同様にCT−460を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例17で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0277】
CT−460は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−460の構造を
図7に示す。
【0278】
(実施例14)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−461)の合成
実施例1と同様にCT−461を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例21で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0279】
CT−461は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−461の構造を
図7に示す。
【0280】
(実施例15)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−462)の合成
実施例1と同様にCT−462を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例22で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0281】
CT−462は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−462の構造を
図7に示す。
【0282】
(実施例16)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−463)の合成
実施例1と同様にCT−463を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例23で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0283】
CT−463は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−463の構造を
図7に示す。
【0284】
(実施例17)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−464)の合成
実施例1と同様にCT−464を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例26で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0285】
CT−464は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−464の構造を
図7に示す。
【0286】
(実施例18)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−465)の合成
実施例1と同様にCT−465を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例24で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0287】
CT−465は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−465の構造を
図7に示す。
【0288】
(実施例19)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−466)の合成
実施例1と同様にCT−466を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例25で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0289】
CT−466は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−466の構造を
図7に示す。
【0290】
(実施例20)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−467)の合成
実施例1と同様にCT−467を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例27で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0291】
CT−467は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−467の構造を
図7に示す。
【0292】
(実施例21)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−468)の合成
実施例1と同様にCT−468を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例28で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0293】
CT−468は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−468の構造を
図7に示す。
【0294】
(実施例22)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−469)の合成
実施例1と同様にCT−469を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例29で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0295】
CT−469は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−469の構造を
図7に示す。
【0296】
(実施例23)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−470)の合成
実施例1と同様にCT−470を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例30で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0297】
CT−470は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−470の構造を
図7に示す。
【0298】
(実施例24)
HO−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−G
p−A
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(CT−471)の合成
実施例1と同様にCT−471を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例31で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0299】
CT−471は、配列表の配列番号1に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号2に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−471の構造を
図7に示す。
【0300】
(実施例25)
HO−G
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−A
rp−G
rp−A
rp−A
rp−U
rp−G
rp−G
rp−A
rp−U
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−A
rp−U
rp−U
rp−X−P(=O)(OH)−O−U
rp−U
rp−G
rp−U
rp−G
rp−A
rp−U
rp−C
rp−C
rp−A
rp−U
rp−U
rp−C
rp−U
rp−U
rp−G
p−U
rp−G
rp−C
rp−U
rp−U
rt−H(CT−472)の合成
実施例1と同様にCT−472を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0301】
CT−472は、配列表の配列番号3に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号4に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−472の構造を
図7に示す。
【0302】
(実施例26)
HO−G
rp−C
m1p−A
rp−C
m1p−A
rp−A
m1p−G
rp−A
m1p−A
rp−U
m1p−G
rp−G
m1p−A
rp−U
m1p−C
rp−A
m1p−C
rp−A
m1p−A
rp−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−U
rp−G
m1p−U
rp−G
m1p−A
rp−U
m1p−C
rp−C
m1p−A
rp−U
m1p−U
rp−C
m1p−U
rp−U
m1p−G
rp−U
m1p−G
rp−C
m1p−U
rp−U
rt−H(CT−473)の合成
実施例1と同様にCT−473を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0303】
CT−473は、配列表の配列番号5に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号6に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。CT−473の構造を
図7に示す。
【0304】
実施例1〜16に記載のポリヌクレオチドのX部分の構造と分子量を表1に示す。表中、Xの末端のメチレン基はセンス鎖ポリヌクレオチドの3’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成し、フェニル基に結合している酸素原子はアンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成する。
【0305】
【表1】
実施例17〜26に記載のポリヌクレオチドのX部分の構造と分子量を表2に示す。表中、Xの末端のメチレン基はセンス鎖ポリヌクレオチドの3’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成し、フェニル基に結合している酸素原子はアンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成する。
【0306】
【表2】
【0307】
(参考例2)
HO−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−A
p−U
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−T
p−C
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(配列表の配列番号2)(CT−157)の合成
参考例1と同様にCT−157を合成した。CT−157の構造を
図6に示す。
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No. NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3157に相補的な配列を含む。
【0308】
(参考例3)
6−(4,4’−dimethoxytrityloxy)hexanoic acid(722 mg, 1.67 mmol, J. Org. Chem., 1995, 60, 3358-3364)をメチレンクロリド2mLに溶解し、4−アミノフェノール(200 mg、1.84 mmol)、EDC(288 mg、2.5 mmol)、HOBT(225 mg, 2.5 mmol)、トリエチルアミン(260μL)を加え、一晩撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、メチレンクロリド、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機相を飽和食塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(30g、2%メタノール/メチレンクロリド)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(649mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.43−6.75(17H,m), 3.78(6H,s), 3.08−3.02(2H,m),2.32−2.28(2H,m), 1.73−1.59(4H,m), 1.49−1.38(2H,m)
FAB−MAS(mNBA): 525 M
+
(参考例4)
8−hydroxyoctanoic acid (100mg, 0.59 mmol)をピリジン1.5mLに溶解し、4,4’−dimethoxytrityl chloride (237mg, 0.7 mmol)を加え、一晩撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、メチレンクロリド、水で分液し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(4g、メチレンクロリド)で精製し、アモルファス状の8−(4,4’−dimethoxytrityloxy)octanoic acidを得た(348mg)。得られた8−(4,4’−dimethoxytrityloxy)octanoic acidをメチレンクロリド1mLに溶解し、4−アミノフェノール(70.9 mg、0.64 mmol)、EDC(101.6 mg、0.88 mmol)、HOBT(79 mg, 0.886 mmol)、トリエチルアミン(92 μL)を加え、一晩撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、シリカゲルカラム(5 g、30%→50%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(148mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.59(17H,m), 3.79(6H,s), 3.05−3.01(2H,m),2.31−2.27(2H,m), 1.71−1.58(4H,m), 1.35−1.24(6H,m)
FAB−MAS(mNBA+KI): 592 (M+K)
+
(参考例5)
10−(4,4’−dimethoxytrityloxy)decanoic acid(0.707 g, 1.19 mmol, Tetrahedron Letters, 1994, 35, 2353−2356)を メチレンクロリド2mLに溶解し、4−アミノフェノール(141.8 mg、1.28 mmol)、EDC(203 mg、1.76 mmol)、HOBT(158 mg, 1.76 mmol)、トリエチルアミン(183μL)を加え、一晩撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、シリカゲルカラム(7.5 g、30%→50%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(485mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.59(17H,m), 3.78(6H,s), 3.04−3.01(2H,m),2.33−2.29(2H,m), 1.74−1.56(4H,m), 1.33−1.24(10H,m)
FAB−MAS(mNBA): 580 (M−H)
+
(参考例6)
4−アミノ−1−ブタノール(160.45 mg、1.8 mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)に対して、EDC(383 mg、2 mmol)、HOBT(67.5 mg, 0.5 mmol)がメチレンクロリド3 mLに溶解した溶液を加え、さらにトリエチルアミン(260 μL)を加え、一晩振とうした。反応の終結をTLCで確認後、シリカゲルカラム(5 g、メチレンクロリド→酢酸エチルで溶出)で精製し、オイル状のアミド化合物を得た(0.20 g)。これをピリジン1.5 mLに溶解し、4,4’−dimethoxytrityl chloride (500 mg, 1.5 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、メタノール0.5 mLを加え、酢酸エチル、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機相の溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(10g、40%→50%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(325mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.70−6.78(17H,m), 6.11(1H, brs), 5.69(1H, s), 3.78(6H,s), 3.44−3.41(2H,m), 3.13−3.10(2H,m), 1.70−1.69(4H,m)
FAB−MAS(mNBA): 511 M
+
(参考例7)
6−アミノ−1−ヘキサノール(210.94 mg、1.8 mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(445mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.67−6.79(17H,m), 5.97(1H, brs), 5.56(1H, s), 3.78(6H,s), 3.43−3.38(2H,m), 3.06−3.02(2H,m), 1.63−1.55(4H,m), 1.45−1.34(4H,m)
FAB−MAS(mNBA): 539 M
+
(参考例8)
8−アミノ−1−オクタノール(261.43 mg、1.8 mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(486mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.68−6.80(17H,m), 5.98(1H, brs), 5.54(1H, s), 3.79(6H,s), 3.44−3.39(2H,m), 3.04−3.01(2H,m), 1.62−1.55(4H,m), 1.34−1.24(8H,m)
FAB−MAS(mNBA): 567 M
+
(参考例9)
4−アミノ−1−ブタノール(160.45 mg、1.8 mmol)、3−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(566mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.79(17H,m), 6.25(1H, brs), 6.06(1H, s), 3.78(6H,s), 3.47−3.47−3.42(2H,m), 3.15−3.12(2H,m), 1.72−1.66(4H,m)
FAB−MAS(mNBA): 511 M
+
(参考例10)
6−アミノ−1−ヘキサノール(210.94 mg、1.8 mmol)、3−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(580mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.80(17H,m), 6.08(1H, brs), 6.04(1H, s), 3.78(6H,s), 3.45−3.40(2H,m), 3.06−3.03(2H,m), 1.65−1.56(4H,m), 1.45−1.34(4H,m)
FAB−MAS(mNBA): 539 M
+
(参考例11)
8−アミノ−1−オクタノール(261.43 mg、1.8 mmol)、3−ヒドロキシ安息香酸(207.18 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(675mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.80(17H,m), 6.21(1H, brs), 6.11(1H, s), 3.78(6H,s), 3.46−3.41(2H,m), 3.04−3.01(2H,m), 1.63−1.58(4H,m), 1.39−1.33(8H,m)
FAB−MAS(mNBA): 566 (M−H)
+
(参考例12)
4−アミノ−1−ブタノール(160.45 mg、1.8 mmol)、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
(249.26 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(540mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.68(17H,m), 5.37(1H, brs), 4.87(1H, s), 3.79(6H,s), 3.21−3.16(2H,m), 3.06−3.03(2H,m), 2.86(2H,t,J=7.56Hz), 2.35(2H,t,J=7.56Hz), 1.54−1.48(4H,m)
FAB−MAS(mNBA): 540 (M+H)
+
(参考例13)
6−アミノ−1−ヘキサノール(210.94 mg、1.8 mmol)、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(249.26 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(559mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.44−6.70(17H,m), 5.21(1H,brs), 5.03(1H,s), 3.79(6H,s), 3.18−3.13(2H,m), 3.05−3.02(2H,m), 2.87(2H,t,J=7.33Hz), 2.39(2H,t,J=7.56Hz), 1.59−1.13(8H,m)
FAB−MAS(mNBA): 568 (M+H)
+
(参考例14)
8−アミノ−1−オクタノール(261.43 mg、1.8 mmol)、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(249.26 mg、1.5 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(720mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.71(17H,m), 5.26(1H,brs), 5.10(1H,s), 3.78(6H,s), 3.20−3.15(2H,m), 3.05−3.01(2H,m), 2.88(2H,t,J=7.56Hz), 2.41(2H,t,J=7.56Hz), 1.62−1.17(12H,m)
FAB−MAS(mNBA): 594 (M−H)
+
(参考例15)
N−(4−methoxytrityl)−L−tyrosine ethyl ester
L−チロシン エチル(418mg, 2mmol)をピリジン5 mLに溶解し、4−methoxytrityl chloride (741 mg, 2.4 mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、酢酸エチル、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、有溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(30g、30%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(687mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.42−6.72(18H,m), 4.69(1H,s), 3.76(3H,s), 3.53−3.33(3H,m), 2.94−2.81(2H,m), 2.58(1H,d), 0.88−0.85(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 482 (M+H)
+
(参考例16)
3−(4−methoxytrityloxy)−2−acetylamino−propionic acid (Ac−Ser(MMTr)−OH)
N−アセチル−D,L−セリン(1.775g, 12mmol)をピリジン20 mLに溶解し、4−methoxytrityl chloride (4.1g, 13.2 mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応の終結をTLCで確認後、酢酸エチル、5%炭酸水素ナトリウム水溶液で分液し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(120g、30%アセトン/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(3.93g)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.41−6.81(14H,m), 6.15(1H,d,J=7.33Hz), 4.70−4.66(1H,m), 3.78(3H,s), 3.77−3.73(1H,m), 3.42−3.38(1H,m), 2.02(3H,s)
FAB−MAS(mNBA): 419 M
+
(参考例17)
Ac−Ser(MMTr)−Tyr−OEt
参考例16の化合物(629 mg, 1.5 mmol Ac−Ser(MMTr)−OH)をメチレンクロリド3mLに溶解し、L−チロシン エチル(334mg, 1.6mmol)、EDC(383 mg、2 mmol)、HOBT(67.5 mg, 0.5 mmol)、トリエチルアミン(260μL)を加え、4時間撹拌した。反応液をシリカゲルカラム(15g、40%→50%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(460mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.40−6.61(18H,m), 6.11−6.06(1H,m), 4.87−4.77(1H,m), 4.56−4.48(1H,m), 4.19−4.05(2H,m), 3.79,3.78(3H,ds), 3.73−3.59(1H,m), 3.19−2.96(3H,m), 1.93,1.91 (1H,ds), 1.28−1.22(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 611 (M+H)
+
(参考例18)
t−Boc−βAla−Tyr−OEt
N−t−Boc−β−Alanine(283mg, 1.5mmol, t−Boc−βAla−OH)、L−チロシン エチル(376 mg、1.8 mmol, H−Tyr−OEt)を用いて参考例17と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(497mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)6.97−6.74(4H,m), 6.03(1H, brs), 5.11(1H, brs), 4.80(1H,q, J=6.72Hz), 4.22−4.15(2H,m), 3.37−3.36(2H,m), 3.10−3.01(2H,m), 2.38(2H,m), 1.41(9H,s), 1.29−1.23(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 381 (M+H)
+
(参考例19)
t−Boc−Ala−Tyr−OEt
N−t−Boc−Alanine(283mg, 1.5mmol, t−Boc−Ala−OH)、L−チロシン エチル(376 mg、1.8 mmol)を用いて参考例17と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(490mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)6.98−6.71(4H,m), 6.49(1H,d), 5.16(1H,s), 4.95−4.76(1H,m), 4.20−4.13(3H,m), 3.11−2.99(2H,m), 1.41(9H,s), 1.33,1.31(3H,ds), 1.28−1.21(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 381 (M+H)
+
(参考例20)
t−Boc−Gly−Tyr−OEt
N−t−Boc−Glycine(263 mg、1.5 mmol)、L−チロシン エチル(376 mg、1.8 mmol)を用いて参考例17と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(434mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)6.98−6.72(4H,m), 6.46(1H, d), 5.06(1H, brs), 4.84−4.79(1H,m), 4.21−4.13(2H,m), 3.85−3.72(2H,m), 3.10−3.01(2H,m), 1.41(9H,s), 1.29−1.24(3H,m), 1.28−1.21(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 367 (M+H)
+
(参考例21)
Ac−Ser(MMTr)−βAla−Tyr−OEt
参考例18で取得された化合物(490mg, 1.29mmol)をメチレンクロリド4mLに溶解し、TFA4mLを加え、室温で15分放置後、溶媒を減圧下濃縮した。残渣をメチレンクロリド3mL、トリエチルアミン(260μL)に溶解し、参考例16で取得された化合物(544mg, 1.3mmol)、EDC(383 mg、2 mmol)、HOBT(67.5 mg, 0.5 mmol)、トリエチルアミン(260μL)を加え、一晩撹拌した。反応液をシリカゲルカラム(20g、80%酢酸エチル/n−ヘキサン→酢酸エチル)で精製し、アモルファス状の化合物を得た(469mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.41−6.71(18H,m), 4.91−4.75(1H,m), 4.54−4.44(1H,m), 4.26−4.15(2H,m), 3.78(3H,s), 3.46−2.20(8H,m), 2.02,1.98(3H,ds), 1.34−1.24(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 682 (M+H)
+
(参考例22)
Ac−Ser(MMTr)−Ala−Tyr−OEt
参考例19の化合物(485mg, 1.26mmol)、参考例16で取得された化合物(544mg, 1.3mmol)を用いて、参考例21と同様に合成し、白色固体の化合物を得た(448mg)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.41−6.49(18H,m), 4.81−4.71(1H,m), 4.56−4.43(2H,m), 4.21−4.11(2H,m), 3.79、3.78(3H,ds), 3.46−2.83(4H,m), 2.01,1.94(3H,ds), 1.37−1.17(6H,m)
FAB−MAS(mNBA): 682 (M+H)
+
(参考例23)
Ac−Ser(MMTr)−Gly−Tyr−OEt
参考例20で取得された化合物(430mg, 1.17mmol)、参考例16で取得された化合物(544mg, 1.3mmol)を用いて、参考例21と同様に合成し、白色固体の化合物を得た(486mg)
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)9.22(1H,s), 8.41−8.34(1H,m), 8.24−8.20(1H,m), 8.08−8.05(1H,m), 7.38−6.63(18H,m), 4.62−4.58(1H, m), 4.39−4.33(1H, m), 4.04−3.97(2H,m), 3.92−3.61(2H,m), 3.74(3H,s), 3.09−3.08(1H,m), 2.86−2.50(1H,m), 1.85(3H,s), 1.11−1.06(3H,m)
FAB−MAS(mNBA): 668 (M+H)
+
(参考例24)
10−アミノ−1−デカノール(260 mg、1.5 mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸(299 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(568 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.67−6.80(17H,m), 6.01−5.99(2H,m), 3.78(6H,s), 3.45−3.40(2H,m), 3.02(2H,t、J=6.64Hz), 1.63−1.24(14H,m)
FAB−MAS(mNBA): 595 M
+
(参考例25)
10−アミノ−1−デカノール(260 mg、1.5 mmol)、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(249 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(411 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.45−6.71(17H,m), 5.27(1H,brs), 5.03(1H,s), 3.79(6H,s), 3.21−3.16(2H,m),3.03(2H,t,J=6.64Hz),2.88(2H,t,J=7.56Hz), 2.41(2H,t,J=7.56Hz), 1.62−1.17(14H,m)
FAB−MAS(mNBA): 646 (M+Na)
+
(参考例26)
8−アミノ−1−オクタノール(218 mg、1.5 mmol)、(4-ヒドロキシフェノキシ)酢酸(303 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(489 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.45−6.74(17H,m), 6.56(1H,brs), 4.95(1H,s),4.46(2H,s), 3.79(6H,s),3.34−3.29(2H,m), 3.03(2H,t、J=6.64Hz), 1.63−1.24(12H,m)
FAB−MAS(mNBA): 596 (M−H)
+
(参考例27)
10−アミノ−1−デカノール(260 mg、1.5 mmol)、(4-ヒドロキシフェノキシ)酢酸(303 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(579 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.45−6.75(17H,m), 6.56(1H,brs), 5.02(1H,s),4.42(2H,s), 3.79(6H,s),3.35−3.30(2H,m), 3.03(2H,t、J=6.64Hz), 1.63−1.24(14H,m)
FAB−MAS(mNBA): 624 (M−H)
+
(参考例28)
(PEO)
3−mono-amine(CHEM−IPEX INTERNATIONAL、224 mg、1.5 mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸(299 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(520 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.58−6.64(17H,m), 6.61(1H,brs), 5.81(1H,s), 3.78(6H,s),3.71−3.60(10H,m), 3.23(2H,t、J=5.27Hz)
FAB−MAS(mNBA): 571 M
+
(参考例29)
(PEO)
3−mono-amine(CHEM−IPEX INTERNATIONAL、224 mg、1.5 mmol)、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(249 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(543 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.46−6.68(17H,m), 5.88(1H,brs), 5.30(1H,s), 3.77(6H,s),3.67−3.64(4H,m),3.58−3.56(2H,m),3.51−3.47(2H,m),3.43−3.38(2H,m),3.26−3.23(2H,m),2.83−2.81(2H,m), 2.27(2H,t、J=7.79Hz)
FAB−MAS(mNBA): 622 (M+Na)
+
(参考例30)
(PEO)
3−mono-amine(CHEM−IPEX INTERNATIONAL、224 mg、1.5 mmol)、(4-ヒドロキシフェノキシ)酢酸(303 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、あめ状の化合物を得た(471 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.52−6.68(18H,m), 5.05(1H,s), 4.39(2H,s), 3.78(6H,s), 3.67−3.51(10H,m), 3.23(2H,t、J=5.27Hz)
FAB−MAS(mNBA): 600 (M−H)
+
(参考例31)
8−アミノ−1−オクタノール(218 mg、1.5 mmol)、N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-チロシン(N−Fmoc−L−チロシン、726 mg、1.8 mmol)を用いて参考例6と同様に合成し、アモルファス状の化合物を得た(358 mg)。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)7.77−6.71(25H,m), 5.46(1H,brs), 5.39(1H,brs),5.06(1H,s), 4.43−4.18(4H,m), 3.78(6H,s), 3.12−3.02(6H,m), 1.62−1.12(12H,m)
FAB−MAS(mNBA): 833 M
+
(参考例32)
HO−G
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−A
rp−G
rp−A
rp−A
rp−U
rp−G
rp−G
rp−A
rp−U
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−A
rp−U
rp−U
rt−H(配列表の配列番号7)(CT−106)の合成
参考例1と同様にCT−106を合成した。但し、目的配列を有する保護されたポリヌクレオチド類縁体をアンモニア水:エタノール溶液(3:1v/v)2 mLで55℃、16時間処理することによってオリゴマーを支持体から切り出すとともに、リン酸基の保護基のシアノエチル基と核酸塩基上の保護基をはずした。CPGをろ過して除き、エタノールで洗浄し、ろ液と洗液と合わせて、溶媒を減圧下留去した。残った残渣に、Triethylamine trihydrofluorideを0.3mL加え、室温で19時間放置後、精製した。CT−106の構造を
図13に示す。
分子量:計算値:6727.16、測定値:6726.73
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No. NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3157の配列を含む。
【0309】
(参考例33)
HO−U
rp−U
rp−G
rp−U
rp−G
rp−A
rp−U
rp−C
rp−C
rp−A
rp−U
rp−U
rp−C
rp−U
rp−U
rp−G
rp−U
rp−G
rp−C
rp−U
rp−U
rt−H(配列表の配列番号8)(CT−041)の合成
参考例32と同様にCT−041を合成した。CT−041の構造を
図13に示す。
分子量:計算値:6565.88、測定値:6565.34
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No. NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3157に相補的な配列を含む。
【0310】
(参考例34)CT−001
HO−G
rp−C
m1p−A
rp−C
m1p−A
rp−A
m1p−G
rp−A
m1p−A
rp−U
m1p−G
rp−G
m1p−A
rp−U
m1p−C
rp−A
m1p−C
rp−A
m1p−A
rp−T
p−T
t−H(配列表の配列番号9)(CT−001)の合成
参考例32と同様にCT−001を合成した。CT−001の構造を
図13に示す。
分子量:計算値:6849.46、測定値:6850.8
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No.NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3157の配列を含む。
【0311】
(参考例35)CT−005
HO−U
m1p−U
rp−G
m1p−U
rp−G
m1p−A
rp−U
m1p−C
rp−C
m1p−A
rp−U
m1p−U
rp−C
m1p−U
rp−U
m1p−G
rp−U
m1p−G
rp−C
m1p−T
p−T
t−H(配列表の配列番号10)(CT−005)の合成
参考例32と同様にCT−005を合成した。CT−005の構造を
図13に示す。
分子量:計算値:6702.20、測定値:6702.2
塩基配列:ヒトβ−カテニン遺伝子(GenBank accession No.NM_001904.3)のヌクレオチド番号3139−3157に相補的な配列を含む。
【0312】
参考例3〜14、17及び21〜23に記載の化合物の構造を
図5に示し、参考例24〜31に記載の化合物の構造を
図10に示す。
【0313】
(実施例27)2本鎖構造形成のためのアニーリング
上記、参考例1及び参考例2の組み合わせで、センス鎖及びアンチセンス鎖を300pmolずつ1つのチューブに入れて、減圧下乾燥し、30μLのsiRNA suspension buffer(QIAGEN)を加え、65℃、1分間加温した後、室温に5分間放置し、センス鎖及びアンチセンス鎖をアニーリングさせ、10μMの2本鎖ポリヌクレオチド溶液を得た。
【0314】
2本鎖ポリヌクレオチドは、センス鎖、アンチセンス鎖の組み合わせのみで表すこともある。すなわち、例えば、CT−169/CT−157の組み合わせからなる2本鎖ポリヌクレオチドは、単に、「CT169/CT157」または、「CT169/157」とも表す。)
本方法により、
図6及び7に示す、2本鎖ポリヌクレオチド及びアンチセンス鎖の5’とセンス鎖の3’がリン酸ジエステル結合を介してリンカーで結合している3L5−ポリヌクレオチドを取得することができる。
【0315】
(試験例1)
以下のように1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるヒトβ−カテニン遺伝子発現抑制活性の強さを比較した。
【0316】
(1)トランスフェクション
ヒト大腸癌SW480細胞株(ヒト大腸腺癌由来)を、10% Fetal bovine serumを含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)中に100000cells/mLの濃度に調製した。そして、12穴平底プレート(Corning社製)に1mLずつ播種し、37℃、5.0%炭酸ガス下で1日間培養した。リポフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Invitrogen社製)を7.5μL、1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチド溶液を最終濃度が、0.3、0.03、及び0.003nMとなるようにOPTI−MEM培地中で混合し、20分室温で静置した。各ウェルに混合液を添加して、さらに3日間培養を継続した。
【0317】
(2)リアルタイムPCR
トランスフェクション後、ウェルより培養上清を除いて、RNeasy Mini kit(QIAGEN社製)でmRNAを抽出した。得られたmRNAをiScript
TMcDNA Synthesis kit(QIAGEN社製)にて説明書の記載に従い0.5μgRNAよりcDNAを調製した。次に、リアルタイムPCRのためにヒトβ−カテニン遺伝子PCRプライマー(primer set ID: HA135664、タカラバイオ社製)、内部標準としてヒト−GAPDH遺伝子に対するPCRプライマー(primer set ID: HA067812、タカラバイオ社製)及びPCRに必要な薬剤を含むリアルタイムPCRキット(QIAGEN社製)を用いて次のようにmRNAの定量を行った。
βカテニン遺伝子 ID:HA135664
フォワードプライマー 5'-TCTGAGGACAAGCCACAAGATTACA-3'(配列番号11)
リバースプライマー 5'-TGGGCACCAATATCAAGTCCAA-3'(配列番号12)
GAPDH遺伝子 ID:HA067812
フォワードプライマー 5'-GCACCGTCAAGGCTGAGAAC-3'(配列番号13)
リバースプライマー 5'-TGGTGAAGACGCCAGTGGA-3'(配列番号14)
96穴PCRプレート(Applied Biosystems社製)1ウェルあたり、リアルタイムPCRキットに含まれる2×QuantiTect SYBR GREEN PCR Master Mixを25μL、RNase―Free Waterを18μL、各PCRプライマーを5μL(最終濃度 0.3μM)、調製したcDNA溶液を2μL添加して総量を50μLとし、Mx3000P(STRATAGENE社製)にセットし、以下の条件でPCRを実施した。
PCR初期活性化 95℃、15分間
PCR 94℃、15秒間
56℃、30秒
72℃、30秒
このPCRサイクルは40回繰り返した。検量線は、リポフェクション試薬のみで処理した細胞(=NC)から抽出したmRNAより調製したcDNA5倍希釈列したものを用いた。検量線を元に、各トランスフェクタントのヒトβ−カテニンとヒトGAPDHを定量し、ヒトβ−カテニン遺伝子量をヒトGAPDH量で割った相対量をグラフにプロットした。リアルタイムPCRはN=2で実施し、グラフにはその平均を示した(ポリヌクレオチドの構造及びそのヌクレオチド配列は
図6及び
図7に示している。)
(3)リアルタイムPCR解析
(a)遺伝子抑制活性解析1
CT−169/CT−157、CT−437、CT−455、CT−456、CT−446、CT−447、CT−448、CT−449、CT−450、CT−451、CT−452、CT−453、CT−454、及び、CT−461(構造は
図6及び
図7参照。)のβ−カテニン遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0318】
図8に示すように、CT−437、CT−455、CT−456、CT−446、CT−447、CT−448、CT−449、CT−450、CT−451、CT−452、CT−453、CT−454、及び、CT−461は、CT−169/CT−157と同様にβ−カテニン遺伝子の発現を強く抑制した。CT−448、及び、CT−454は、CT−169/CT−157よりも強い活性を示した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端とを修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
【0319】
(試験例2)
試験例1と同様に1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるヒトβ−カテニン遺伝子発現抑制活性の強さを比較した。
リアルタイムPCR解析
a)遺伝子抑制活性解析1
CT−169/CT−157、CT−460、CT−461、CT−462、及び、CT−463(構造は
図7参照。)のβ−カテニン遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0320】
図9に示すように、CT−460、CT−461、CT−462、及び、CT−463は、CT−169/CT−157よりもβ−カテニン遺伝子の発現を強く抑制した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
【0321】
(試験例3)
1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるヒトβ−カテニン遺伝子発現抑制活性の強さを比較した。
(1)トランスフェクション
ヒト大腸癌SW480細胞株(ヒト大腸腺癌由来)を、10% Fetal bovine serumを含むRPMI1640培地(Invitrogen社製)中に100000cells/mLの濃度に調製した。そして、12穴平底プレート(Corning社製)に1mLずつ播種した。次に、リポフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Invitrogen社製)を7.5μL、1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチド溶液を最終濃度が、0.3、0.03、及び0.003nMとなるようにOPTI−MEM培地中で混合し、20分室温で静置した。各ウェルに混合液を添加し、
37℃、5.0%炭酸ガス下3日間培養を継続した。
(2)リアルタイムPCR
試験例1と同様の方法で行った。
(3)リアルタイムPCR解析
a)遺伝子抑制活性解析1
CT−169/CT−157、CT−448、CT−454、CT−464、CT−465、CT−466、CT−467、CT−468、CT−469、CT−470、及び、CT−471(構造は
図11参照。)のβ−カテニン遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0322】
図12に示すように、CT−470は、CT−169/CT−157と同様にβ−カテニン遺伝子の発現を強く抑制した。CT−448、CT−454、CT−464、CT−465、CT−466、CT−467、CT−468、CT−469、及び、CT−471は、CT−169/CT−157よりも強い活性を示した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
b)遺伝子抑制活性解析2
CT−106/CT−041、及び、CT−472(構造は
図13参照。)のβ−カテニン遺伝子発現抑制活性を調べた。
図14に示すように、CT−472は、CT−106/CT−041と同様にβ−カテニン遺伝子の発現を強く抑制した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
c)遺伝子抑制活性解析4
CT−001/CT−005、及び、CT−473(構造は
図13参照。)のβ−カテニン遺伝子発現抑制活性を調べた。
図14に示すように、CT−473は、CT−001/CT−005よりもβ−カテニン遺伝子の発現を強く抑制した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
【0323】
(実施例27)
HO−G
p−C
m1p−T
p−C
m1p−G
p−U
m1p−C
p−U
m1p−A
p−U
m1p−G
p−A
m1p−C
p−A
m1p−A
p−G
m1p−T
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−A
m1p−C
p−U
m1p−T
p−G
m1p−T
p−C
m1p−A
p−U
m1p−A
p−G
m1p−A
p−C
m1p−G
p−A
m1p−G
p−C
m1p−T
p−U
m1t−H(PK−009)の合成
実施例1と同様にPK−009を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0324】
PK−009は、配列表の配列番号17に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号18に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。PK−009の構造を
図15に示す。
【0325】
(実施例28)
HO−C
p−G
m1p−A
p−G
m1p−A
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−A
m1p−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−U
m1p−C
p−U
m1p−C
p−G
m1p−T
p−U
m1t−H(HS−005)の合成
実施例1と同様にHS−005を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0326】
HS−005は、配列表の配列番号23に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号24に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。HS−005の構造を
図16に示す。
【0327】
(実施例29)
HO−C
p−A
m1p−G
p−A
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−G
p−G
m1p−T
p−G
m1p−C
p−U
m1p−A
p−U
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−A
p−U
m1p−A
p−G
m1p−C
p−A
m1p−C
p−C
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−T
p−C
m1p−T
p−G
m1p−T
p−U
m1t−H(HS−006)の合成
実施例1と同様にHS−006を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0328】
HS−006は、配列表の配列番号25に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号26に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。HS−006の構造を
図16に示す。
【0329】
(実施例30)
HO−C
p−G
m1p−A
p−G
m1p−A
p−C
m1p−A
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−G
m1p−G
p−U
m1p−G
p−C
m1p−T
p−A
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−T
p−A
m1p−G
p−C
m1p−A
p−C
m1p−C
p−C
m1p−A
p−U
m1p−G
p−U
m1p−G
p−U
m1p−C
p−U
m1p−C
p−G
m1p−T
s−U
m1t−H(HS−005s)の合成
実施例1と同様にHS−005を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。本ポリヌクレオチドにおいては、ホスホロチオエート結合部分は、0.2Mフェニルアセチルジスルフィド/ピリジン−アセトニトリル(1:1 v/v)溶液3分間処理することで調製した。
【0330】
HS−005sは、配列表の配列番号27に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号28に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。HS−005sの構造を
図16に示す。
【0331】
(実施例31)
HO−C
p−A
m1p−G
p−A
m1p−C
p−A
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−G
p−G
m1p−T
p−G
m1p−C
p−U
m1p−A
p−U
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−A
p−U
m1p−A
p−G
m1p−C
p−A
m1p−C
p−C
m1p−C
p−A
m1p−T
p−G
m1p−T
p−G
m1p−T
p−C
m1p−T
p−G
m1p−T
s−U
m1t−H(HS−006s)の合成
実施例1と同様にHS−006sを合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。本ポリヌクレオチドにおいては、ホスホロチオエート結合部分は、0.2Mフェニルアセチルジスルフィド/ピリジン−アセトニトリル(1:1 v/v)溶液3分間処理することで調製した。
【0332】
HS−006sは、配列表の配列番号29に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号30に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。HS−006sの構造を
図16に示す。
【0333】
(実施例32)
HO−C
p−G
m1p−A
p−C
m1p−A
p−G
m1p−G
p−C
m1p−C
p−U
m1p−C
p−U
m1p−A
p−C
m1p−A
p−A
m1p−C
p−U
m1p−X−P(=O)(OH)−O−U
m1p−A
p−G
m1p−T
p−U
m1p−G
p−U
m1p−A
p−G
m1p−A
p−G
m1p−G
p−C
m1p−C
p−U
m1p−G
p−U
m1p−C
p−G
m1p−T
p−U
m1t−H(HS−012)の合成
実施例1と同様にHS−012を合成した。本ポリヌクレオチドにおいては、X部分のアミダイト試薬は、参考例14で取得された化合物(20mg)を用いて調製した。
【0334】
HS−012は、配列表の配列番号33に示されるポリヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドと配列番号34に示されるポリヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドがXとのリン酸ジエステル結合を介して結合しているポリヌクレオチドである。HS−012の構造を
図19に示す。
【0335】
実施例27〜32に記載のポリヌクレオチドのX部分の構造と分子量を表3に示す。表中、Xの末端のメチレン基はセンス鎖ポリヌクレオチドの3’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成し、フェニル基に結合している酸素原子はアンチセンス鎖ポリヌクレオチドの5’末端に結合してリン酸ジエステル結合を形成する。
【0336】
【表3】
【0337】
(参考例36)
HO−G
rp−C
rp−U
rp−C
rp−G
rp−U
rp−C
rp−U
rp−A
rp−U
rp−G
rp−A
rp−C
rp−A
rp−A
rp−G
rp−U
rp−A
rp−A
rp−U
rp−U
rp−H(配列表の配列番号15)(PK−001)の合成
参考例32と同様にPK−001を合成した。PK−001の構造を
図15に示す。
分子量:計算値:6658.04、測定値:6658.23
塩基配列:RNA−dependent protein kinase遺伝子(GenBank accession No. NM_011163)のヌクレオチド番号743−762の配列を含む。
【0338】
(参考例37)
HO−U
rp−U
rp−A
rp−C
rp−U
rp−U
rp−G
rp−U
rp−C
rp−A
rp−U
rp−A
rp−G
rp−A
rp−C
rp−G
rp−A
rp−G
rp−C
rp−U
rp−G−H(配列表の配列番号16)(PK−002)の合成
参考例32と同様にPK−002を合成した。PK−002の構造を
図15に示す。
分子量:計算値:6674.04、測定値:6673.91
塩基配列:RNA−dependent protein kinase遺伝子(GenBank accession No. NM_011163)のヌクレオチド番号743−762に相補的な配列を含む。
【0339】
(参考例38)
HO−U
rp−G
rp−A
rp−G
rp−A
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−U
rp−G
rp−G
rp−G
rp−U
rp−G
rp−C
rp−U
rp−A
rp−U
rp−T
p−T
t−H(配列表の配列番号19)(HS−001のセンス鎖)の合成
参考例32と同様にHS−001のセンス鎖を合成した。HS−001のセンス鎖の構造を
図16に示す。
分子量:計算値:6710.12、測定値:6710.37
塩基配列:heat shock protein 47遺伝子(GenBank accession No.NM_001235)のヌクレオチド番号1601−1619の配列を含む。
【0340】
(参考例39)
HO−A
rp−U
rp−A
rp−G
rp−C
rp−A
rp−C
rp−C
rp−C
rp−A
rp−U
rp−G
rp−U
rp−G
rp−U
rp−C
rp−U
rp−C
rp−A
rp−T
p−T
t−H(配列表の配列番号20)(HS−001のアンチセンス鎖)の合成
参考例32と同様にHS−001のセンス鎖を合成した。HS−001のアンチセンス鎖の構造を
図16に示す。
分子量:計算値:6590.04、測定値:6589.88
塩基配列:heat shock protein 47遺伝子(GenBank accession No.NM_001235)のヌクレオチド番号1601−1619のに相補的な配列を含む。
【0341】
(参考例40)
HO−G
rp−A
rp−G
rp−A
rp−C
rp−A
rp−C
rp−A
rp−U
rp−G
rp−G
rp−G
rp−U
rp−G
rp−C
rp−U
rp−A
rp−U
rp−A
rp−T
p−T
t−H(配列表の配列番号21)(HS−002のセンス鎖)の合成
参考例32と同様にHS−001のセンス鎖を合成した。HS−001のセンス鎖の構造を
図16に示す。
分子量:計算値:6733.16、測定値:6733.22
塩基配列:heat shock protein 47遺伝子(GenBank accession No.NM_001235)のヌクレオチド番号1602−1619の配列を含む。
【0342】
(参考例41)
HO−U
rp−A
rp−U
rp−A
rp−G
rp−C
rp−A
rp−C
rp−C
rp−C
rp−A
rp−U
rp−G
rp−U
rp−G
rp−U
rp−C
rp−U
rp−C
rp−T
p−T
t−H(配列表の配列番号22)(HS−002のアンチセンス鎖)の合成
参考例32と同様にHS−001のセンス鎖を合成した。HS−001のアンチセンス鎖の構造を
図16に示す。
分子量:計算値:6567.00、測定値:6566.99
塩基配列:heat shock protein 47遺伝子(GenBank accession No.NM_001235)のヌクレオチド番号1602−1619に相補的な配列を含む。
(試験例4)
1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるマウスPKR(Eif2ak2)遺伝子発現抑制活性測定法を示す。
【0343】
Mouse embryonic fibroblastにリポフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Invitrogen社製)を用いて
図15に記載の1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドを導入することができる。
【0344】
トランスフェクション24から48時間後に、細胞からRNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて全RNAを抽出し、mRNAをSuperScriptIII First−Strand Synthesis Super Mix for qRT−PCR (Invitrogen社製)を用いてcDNAに逆転写する。SYBR Greenを用いた定量的PCRシステム(Applied Biosystems)によりPKR遺伝子、内部標準として36B4遺伝子の発現量を測定する。プライマーは参考文献(Nakamura T, et al., Cell, 140, 338−348 (2010))に従い、PKR: 5’−AAAACAAGGTGGATTGTCACACG−3’と5’−GTTGGGCTCACACTGTTCATAAT−3’, 36B4: 5’−CACTGGTCTAGGACCCGAGAA−3’と5’−AGGGGGAGATGTTCAGCATGT−3’を用いる。各サンプルのPKR mRNA量を同じサンプルの36B4 mRNA量で割ることにより補正し、1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによる相対的な遺伝子抑制の強さを測ることができる。
(試験例5)
以下のように1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるラットHsp47(Serpinh1)遺伝子発現抑制活性を測定した。
【0345】
(1)トランスフェクション
12穴平底プレート(住友ベークライト社製)に200μLのOPTI−MEM培地(Invitrogen社製)と1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチド溶液(最終濃度1及び0.1nM)を加えた。ネガティブコントロールとしてQiagen社より購入したAllStars Negative Control siRNAを用いた。そこにリポフェクション試薬Lipofectamine RNAiMAX(Invitrogen社製)を1.2μL加え混ぜて10分間から20分間室温で静置した。その間にラットNRK−52E細胞株を、10% Fetal bovine serumを含むDulbecco’s modified Eagle’s medium(Invitrogen社製)中に62500cells/mLの濃度に調製した。そして、リポソームーポリヌクレオチド希釈液が入ったプレートの各ウェルに1mLずつ播種し、37℃、5%二酸化炭素条件下において培養した。
【0346】
(2)リアルタイムPCR
トランスフェクション27時間後、細胞からRNeasy Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて全RNAを抽出した。Hsp47 mRNAレベルは、SuperScriptIII First−Strand Synthesis Super Mix for qRT−PCR (Invitrogen社製)を用いてcDNAに逆転写をしたのちTaqManプローブを用いた定量的PCRにより測定した。Hsp47遺伝子に対するプライマー、プローブはTaqMan Gene Expression Assay(Applied Biosystems社製 Assay ID Rn00567777_m1)を用いた。TaqMan反応はABI Prism 7900HT Sequence detection system(Applied Biosystems社製)を用いて行った。内部標準として同じサンプルのribosomal RNA(rRNA)の発現レベルを測定した。rRNA測定のプライマー、プローブにはTaqMan Ribosomal RNA Control Reagents VIC
TM Probe(Applied Biosystems社製、カタログ番号:4308329)を用いた。
【0347】
各サンプルのHsp47 mRNA量をrRNA量で割り、トランスフェクション試薬のみを加えてポリヌクレオチドを加えていない細胞の値を1として相対量を
図17にプロットした(図中、AllStars Negative Control siRNA(カタログ番号:1027280)を用いた場合は、nagtive siと表記した)。
図17は独立した3回の実験結果の平均とそのS.D.値を示した(ポリヌクレオチドの構造及びそのヌクレオチド配列は
図16に示している。)。
【0348】
(2)リアルタイムPCR解析
(a)遺伝子抑制活性解析1
2本鎖ポリヌクレオチドHS−001、2本鎖ポリヌクレオチドHS−002、1本鎖ポリヌクレオチドHS−005、及び、1本鎖ポリヌクレオチドHS−006(構造は
図16参照。)のラットHsp47遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0349】
図17に示すように、HS−005は、HS−001よりもラットHsp47遺伝子の発現を強く抑制し、HS−006は、HS−002よりもラットHsp47遺伝子の発現を強く抑制した。この際、AllStars Negative Control siRNAは、Hsp47遺伝子の抑制活性を示さなかった。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドよりも強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
(試験例6)
1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるラットHsp47(Serpinh1)遺伝子発現抑制活性を測定した。
【0350】
(1)トランスフェクション
2本鎖ポリヌクレオチドであるHS−001、HS−002、1本鎖ポリヌクレオチドHS−005s、及び、HS−006s(構造は
図16参照。)を用いて、試験例5と同様に行った。但し、NRK―52E細胞への核酸の導入は、24穴平底プレート(住友ベークライト社製)を用い、試験例5の半分の量の系で行った。
【0351】
(2)リアルタイムPCR
試験例5と同様に行った。
【0352】
(a)遺伝子抑制活性解析1
2本鎖ポリヌクレオチドであるHS−001、HS−002、1本鎖ポリヌクレオチドHS−005s、及び、HS−006sのラットHsp47遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0353】
図18に示すように、HS−005s、及び、HS−006sは、HS−001、及びHS−002と比較して、同等またはそれ以上にラットHsp47遺伝子の発現を強く抑制した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドよりも強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。
(試験例7)
1本鎖又は2本鎖ポリヌクレオチドによるラットHsp47(Serpinh1)遺伝子発現抑制活性を測定した。
【0354】
(1)トランスフェクション
国際公開第2011/072082記載の2本鎖ポリヌクレオチドであるsiHSP47C(配列表の配列番号31及び32、構造は
図19参照。)、及び、1本鎖ポリヌクレオチドHS−012(構造は
図19参照。)を用いて、試験例6と同様に行った。
siHSP47Cセンス鎖 5'-GGACAGGCCUCUACAACUATT-3'(配列番号31)
siHSP47Cアンチセンス鎖 5'-UAGUUGUAGAGGCCUGUCCTT-3'(配列番号32)
(2)リアルタイムPCR
試験例5と同様に行った。
【0355】
(a)遺伝子抑制活性解析1
2本鎖ポリヌクレオチドであるsiHSP47C、及び、1本鎖ポリヌクレオチドHS−012のラットHsp47遺伝子発現抑制活性を調べた。
【0356】
図20に示すように、HS−012は、siHSP47Cと比較して、同等またはそれ以上にラットHsp47遺伝子の発現を強く抑制した。このことは、アンチセンス鎖5’末端とセンス鎖3’末端を修飾フェニル基を用いてリン酸基を介して結合した1本鎖ポリヌクレオチドが2本鎖ポリヌクレオチドよりも強い遺伝子の発現抑制活性を有することを示す。