【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直接滅菌では、直接に液体食品中に高熱のスチームなどを吹き込まれるので、高温の熱媒体に触れた食品がダメージを受け、例えばこげ臭がつく恐れがある。これに対して、比較的に広い接触面積を持つ間接滅菌では、上記の直接滅菌の不都合を低減することができる。通常、熱に敏感な液体食品は、間接滅菌で熱処理される。
濃縮還元する飲料及び液体食品を製造するシステムにおいて、濃縮された飲料及び液体食品は、例えば、果汁飲料で、容量500%の希釈水で所定の濃度まで希釈され、600%に容量が増加する。還元希釈する前の液体食品と比較して、6倍に容量が増加しているので、間接滅菌により熱交換器で加熱殺菌して熱回収/冷却すると、概算で、6倍の投入エネルギーが必要である。また、容量が6倍になるので、加熱及び冷却の熱交換に要する時間も長時間になり、食品が高温域に留まる時間も長くなる。そのために、高温による食品の品質へのダメージ(製品熱負荷)も大きくなるという不都合がある。
【0006】
本発明は、上記の必要性、切望に応えるものであり、高温の熱媒体に直接に触れることによる食品ダメージを避けることができ、熱交換に要する時間を短くすることができて食品が高温域に留まる時間も短くすることができ、高温による食品の品質へのダメージ低減できる液体食品用加熱滅菌装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決する本発明の液体食品用加熱滅菌装置は、還元される前の濃縮液体食品を送出する液体食品用ポンプと、入口、出口、この入口及び出口間を液密的に流す管状交換壁からなる流路を備えるコイル型管状加熱用熱交換器と、入口、出口、この入口及び出口間を液密的に流す交換壁からなる流路を備える冷却用熱交換器と、冷却されて還元された液体食品製品を一時的に貯留する製品液体食品用貯留槽と、除菌/滅菌された冷却希釈水を送出する希釈水用ポンプと、液体食品用ポンプの吐出口と加熱用熱交換器の入口とを液密的に連通させる第1流路と、加熱用熱交換器の出口と冷却用熱交換器の入口とを液密的に連通させる第2流路と、冷却用熱交換器の出口と貯留槽の入口とを液密的に連通させる第3流路と、希釈水用ポンプの吐出口と第2流路の合流点とを液密的に連通させる第4流路とを備える、
ことを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい態様にいて、冷却用熱交換器が、管状交換壁からなる流路を備えるコイル型管状加熱用熱交換器である。
【0009】
この発明の好ましい態様にいて、希釈水用ポンプの吐出口と第1流路の合流点とを液密的に連通させる第5流路とを備える。
【0010】
この課題を解決する本発明の液体食品用加熱滅菌方法は、次のステップを含むことを特徴とする:
還元される前の濃縮液体食品と、除菌/滅菌された冷却希釈水とを準備するステップと、
濃縮液体食品を液体食品用ポンプに送入して吐出口から送出するステップと、
第1流路を介して、濃縮液体食品を液体食品用ポンプの吐出口から加熱用熱交換器の入口に液密的に流すステップと、
濃縮液体食品を、コイル型管状加熱用熱交換器の入口から送入し、入口から出口まで管状交換壁からなる流路内を介して、液密的に流して加熱するステップと、
第2流路を介して、加熱された濃縮液体食品を加熱用熱交換器の出口から冷却用熱交換器の入口に液密的に流すステップと、
希釈水用ポンプを介して、除菌/滅菌された冷却希釈水を送出するステップと、
第4流路を介して、希釈水用ポンプの吐出口から第2流路の合流点に冷却希釈水を液密的に流すステップと、
液体食品を、冷却用熱交換器の入口から送入し、入口から出口まで交換壁からなる流路内を介して、液密的に流して冷却するステップと、
第3流路を介して、冷却された液体食品を、冷却用熱交換器の出口から貯留槽の入口に液密的に流すステップと、
製品液体食品用貯留槽で、冷却されて還元された液体食品製品を一時的に貯留するステップ。
【0011】
この発明の好ましい態様にいて、冷却用熱交換器が、管状交換壁からなる流路を備えるコイル型管状加熱用熱交換器である。
【0012】
この発明の好ましい態様にいて、第5流路を介して、希釈水用ポンプの吐出口から第1流路の合流点に冷却希釈水を液密的に流すステップを含む。
【発明の効果】
【0013】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
本発明の液体食品用加熱滅菌では、まず、還元される前の濃縮液体食品と、除菌/滅菌された冷却希釈水と、を準備する。
液体食品には、加工乳製品、さのう、パルプなどの固形入り果汁/野菜ジュース、ミネラルウォーター、スープ、ソース、トマトペースト、カスタード・デザート、フルーツ加工品、野菜ピューレ、ベビーフードなどがある。
除菌/滅菌された冷却希釈水は、水道水、井戸水、湧き水などを水処理して除菌膜などでロ過除菌して得た水、若しくは、同様に水処理してUVなどで殺菌し得た水である。
濃縮液体食品と冷却希釈水とを準備することによって、液体食品用加熱滅菌のステップへ、進めることができる。
【0014】
本発明の加熱滅菌では、濃縮液体食品を液体食品用ポンプに送入して吐出口から送出する。
液体食品用ポンプが、所定の吐出圧力で、例えば定量的に、濃縮液体食品を加熱滅菌システム系内に送入し、熱処理することができる。
【0015】
本発明の加熱滅菌では、第1流路を介して、濃縮液体食品を液体食品用ポンプの吐出口から加熱用熱交換器の入口に液密的に流す。
例えば定量的に、濃縮液体食品を、液体食品用ポンプの吐出圧力によって、加熱用熱交換器に液密的に搬送することができる。
【0016】
本発明の加熱滅菌では、濃縮液体食品を、コイル型管状加熱用熱交換器の入口から送入し、入口から出口まで管状交換壁からなる流路内を介して、液密的に流して加熱する。
間接加熱の熱交換器では、交換壁を挟んで、熱(冷却)媒体と被熱処理物(液体食品)とが熱エネルギーを授受する。この発明では、螺旋状になった管状交換壁の入口から出口までを、液体食品が移動する間に液体食品を加熱することができる。
間接加熱であるので、高温の熱媒体に直接に触れることによる食品ダメージを避けることができる。
交換壁が螺旋状かつ管状であるので、粘度の高い食品、固形物を含む食品でも、詰まることなく、器壁に付着することなくスムーズに移動して均一に熱処理することができる。
【0017】
本発明の加熱滅菌では、第2流路を介して、加熱された濃縮液体食品を加熱用熱交換器の出口から冷却用熱交換器の入口に液密的に流す。
加熱された濃縮液体食品を、液体食品用ポンプの吐出圧力によって、冷却用熱交換器に液密的に搬送することができる。
【0018】
本発明の加熱滅菌では、希釈水用ポンプを介して、除菌/滅菌された冷却希釈水を送出し、第4流路を介して、希釈水用ポンプの吐出口から第2流路の合流点に冷却希釈水を液密的に流す。
冷却希釈水を、希釈水用ポンプの吐出圧力によって、第4流路を介して、第2流路の合流点に液密的に搬送することができる。第2流路の合流点で、冷却希釈水は、第2流路を介した加熱濃縮液体食品と混合し、この混合によって、直接的に冷却されることができる。
直接冷却によって、熱交換に要する時間を短くすることができ、食品が高温域に留まる時間も短くすることができ、高温による食品の品質へのダメージを低減することができる。
【0019】
本発明の加熱滅菌では、液体食品を、冷却用熱交換器の入口から送入し、入口から出口まで交換壁からなる流路内を介して、液密的に流して冷却する。
間接冷却の熱交換器では、交換壁を挟んで、冷却媒体と被熱処理物(液体食品)とが熱エネルギーを授受する。この発明の好ましい態様では、螺旋状になった管状交換壁の入口から出口までを、液体食品が移動する間に液体食品を冷却することができる。
前のステップで、冷却希釈水と液体食品とが混合し、この混合によって、概ね冷却するが、冷却用熱交換器では、更に、細かく制御して所定の冷却をおこなうことができる。
好ましい態様において、交換壁が螺旋状かつ管状であるので、粘度の高い食品、固形物を含む食品でも、詰まることなく、器壁に付着することなくスムーズに移動して均一に冷却することができる。
【0020】
本発明の加熱滅菌では、第3流路を介して、冷却された液体食品を、冷却用熱交換器の出口から貯留槽の入口に液密的に流し、製品液体食品用貯留槽で、冷却されて還元された液体食品製品を一時的に貯留する。
所定の温度に冷却され、所定の濃度に還元された製品の液体食品は、製品液体食品用貯留槽(製品タンク)に、一時的に貯留し、容器に充填する準備を整えることができる。
【0021】
本発明の加熱滅菌の好ましい態様において、第5流路を介して、希釈水用ポンプの吐出口から第1流路の合流点に冷却希釈水を液密的に流す。
本発明の加熱滅菌では、第1流路を介して、濃縮液体食品を、液体食品用ポンプの吐出圧力によって、加熱用熱交換器に液密的に搬送し、その途中で、粘度を低下させるために、部分的希釈することができる。