【実施例】
【0030】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0031】
実施例1〜28及び比較例1〜12:美容液
表1〜6に示す組成の美容液を下記製造方法にて調整した。二層分離性、保湿感、ベシクルの保存安定性について下記の方法により評価した。その結果も併せて表1〜6に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を80℃に加熱する。
B:成分(7)および(8)を80℃で加熱溶解する。
C:BにAを添加し、パドルミキサーにて混合攪拌しベシクルを形成する。
D:Cを40℃まで冷却後、美容液を得た。
【0039】
(評価方法:二層分離性)
実施例1〜28および比較例1〜12の美容液を容器に入れて振とうし、ベシクルを分散させた後、室温(25℃)にて1日静置し、外観を目視にて観察し、下記の(イ)3段階判定基準に従って判定した。
【0040】
(イ) 3段階判定基準
(評 価) : (判定)
二層に分離し二層の界面が明確であった : ◎
二層に分離するが二層の界面が不明確であった : ○
二層に分離しなかった : ×
【0041】
(評価方法:保湿感)
20〜40代女性の化粧品評価専門パネル20名に、実施例1〜28および比較例1〜12の美容液を使用してもらい、保湿感について下記評価基準に従って5段階評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
(評価基準)
評価結果 :評点
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
(判定基準)
評点の平均点 :評価
4.5以上 :◎
3.5以上4.5未満:○
1.5以上3.5未満:△
1.5未満 :×
【0042】
(評価方法:ベシクルの保存安定性)
ベシクルの保存安定性については、偏光顕微鏡にてマルテーゼクロス像の観察を行い評価した。具体的には、実施例1〜28および比較例1〜12の美容液の調製直後の状態を基準とし、40℃にて六ヶ月静置したものを観察し、確認されるマルテーゼクロス像の数量について下記(ロ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0043】
(ロ)4段階判定基準
(判定):(評価)
◎ :マルテーゼクロス像の数量が80%以上確認できた
○ :マルテーゼクロス像の数量が60%以上80%未満確認できた
△ :マルテーゼクロス像の数量が30%以上60%未満確認できた
× :マルテーゼクロス像の数量が30%未満確認できた
【0044】
表1〜表5の結果から明らかなように、実施例1〜28は、静置時にはベシクルが沈降したものであり、ベシクルの二層分離性や保存安定性に優れ、べたつきがなく保湿感に優れる美容液であった。一方、成分(A)を含有しない比較例1はベシクルを形成しなかった。さらに、成分(B)を含有しない比較例2はベシクルを形成するが、二層にならず、ベシクルの保存安定性が悪いものであった。成分(C)を含有しない比較例3はベシクルを形成しなかった。つぎに、A/BやA/Cの配合質量比が1.5〜8の範囲外である比較例4〜7はいずれもベシクルを形成し、経時観察においても保存安定性は良好であったが、ベシクルが沈降せず二層にならなかった。さらには、A/BやA/Cの配合質量比が1.5〜8の範囲外である比較例8〜12はいずれもベシクルを形成するものの、ベシクルが沈降しないために二層にならず、保存安定性が劣り、経時観察においてコレステロールの結晶析出や沈殿が見られるものであった。
【0045】
[実施例29:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加卵黄リゾリン脂質 0.4
2.水素添加大豆リン脂質 0.1
3.コレステロール 0.1
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.グリセリン 5.0
8.エタノール 5.0
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.香料 0.01
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(10)を添加混合し、化粧水を得た。
【0046】
実施例29の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。
【0047】
[実施例30:美容液]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 4.0
2.水素添加卵黄リン脂質 1.0
3.コレステロール 1.0
4.ジプロピレングリコール 15.0
5.精製水 30.0
6.グリセリン 3.0
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.香料 0.05
10.乳酸ナトリウム 2.0
11.ピロリドンカルボン酸ナトリウム 2.0
12.塩化ナトリウム 0.1
13.アスコルビン酸2−グルコシド 0.1
14.キサンタンガム 0.05
15.精製水 残 量
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cをマイクロフルイダイザーで分散する。
E:Dに(6)〜(15)を添加し、美容液を得た。
【0048】
実施例30の美容液は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる美容液であった。
【0049】
[実施例31:美容液]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 2.4
2.大豆リン脂質 0.3
3.フィトステロール 0.3
4.ジプロピレングリコール 20.0
5.精製水 47.0
6.ジメチルポリシロキサン 30.0
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクルを形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに(6)を添加し、美容液を得た。
【0050】
実施例31の美容液は、最下層にベシクルが沈降し、最上層にシリコン層が存在する三層美容液であり、ベシクルの保存安定性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる美容液であった。
【0051】
[実施例32:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 1.0
2.水素添加大豆リン脂質 0.5
3.コレステロール 0.5
4.ジプロピレングリコール 5.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.エタノール 5.0
8.メチルパラベン 0.1
9.カラギーナン 0.1
10.香料 0.01
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクル組成物を形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(10)を添加混合し、化粧水を得た。
【0052】
実施例32の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。
【0053】
[実施例33:化粧水]
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 2.0
2.水素添加大豆リン脂質 1.2
3.コレステロール 0.5
4.ジプロピレングリコール 15.0
5.精製水 残 量
6.テアニン 2.0
7.エタノール 5.0
8.メチルパラベン 0.1
9.香料 0.01
10.1,2−ペンタンジオール 2.0
11.グリコシルトレハロース水溶液 2.0
12.グリセリン 8.0
(注3)TORNARE (林原生物化学研究所社製)
(製法)
A:成分(1)〜(4)を80℃で加熱溶解する。
B:成分(5)を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し混合攪拌しながらベシクル組成物を形成させ、40℃まで冷却する。
D:Cに成分(6)〜(12)を添加混合し、化粧水を得た。
【0054】
実施例33の化粧水は、ベシクルの保存安定性や二層分離性に優れ、振とう時にはベシクルが再分散し、べたつきがなく、保湿感に優れる化粧水であった。