特許第5939977号(P5939977)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939977
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】LEDモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20160616BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20160616BHJP
【FI】
   H01L33/00 440
   H01L33/00 432
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-509720(P2012-509720)
(86)(22)【出願日】2011年4月11日
(86)【国際出願番号】JP2011059014
(87)【国際公開番号】WO2011126135
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2014年4月4日
(31)【優先権主張番号】特願2010-90712(P2010-90712)
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100115369
【弁理士】
【氏名又は名称】仙波 司
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】小早川 正彦
(72)【発明者】
【氏名】外山 智一郎
【審査官】 高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−324392(JP,A)
【文献】 特開2003−264267(JP,A)
【文献】 特開2006−156603(JP,A)
【文献】 特開2008−270327(JP,A)
【文献】 特開2006−286944(JP,A)
【文献】 特開2007−258420(JP,A)
【文献】 特開2006−324317(JP,A)
【文献】 特開平07−199829(JP,A)
【文献】 特開2005−167174(JP,A)
【文献】 特開2008−041917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
EDチップを具備する複数のLEDユニットと、
セラミックスからなる本体、および上記複数のLEDユニットを搭載するための複数のパッド、を有するケースと、を備えており、
上記複数のパッドは、平面視においてその外縁が上記LEDユニットの外縁よりも内側に位置するとともに、
上記複数のLEDユニットにボンディングされた一端をそれぞれが有する複数のワイヤを備えており、
上記ケースは、2以上の上記ワイヤの他端が各々にボンディングされ、かつ上記複数のパッドよりも平面視において外側に位置する、1以上のボンディングパッドをさらに有しており、
上記本体には、上記LEDユニットを囲むリフレクタが形成されており、
上記リフレクタには、平面視において上記ボンディングパッドの少なくとも一部を収容する凹部が形成されている、LEDモジュール。
【請求項2】
上記パッドの表面は、AgまたはAuからなる、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
上記本体は、白色である、請求項1または2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
上記ケースは、上記パッドとは反対側に設けられた1以上の実装電極と、上記本体を貫通し、かつ上記パッドのいずれかと上記実装電極のいずれかとを接続する貫通導体部と、をさらに有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項5】
上記LEDユニットは、上記LEDチップのみからなる、請求項1ないし4のいずれかに記載の、LEDモジュール。
【請求項6】
上記LEDユニットは、上記LEDチップが搭載されたサブマウント基板をさらに具備する、請求項1ないし4のいずれかに記載の、LEDモジュール。
【請求項7】
複数列に配置された複数の上記パッドと、
複数の上記パッドに搭載された複数の上記LEDユニットと、を備える、請求項1ないし6のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項8】
上記LEDユニットと上記パッドとは、共晶接合されている、請求項1ないし7のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項9】
上記LEDユニットを覆い、かつ、上記LEDユニットからの光を透過する樹脂材料と、上記LEDユニットからの光によって励起されることにより上記LEDユニットからの光とは異なる波長の光を発する蛍光材料と、からなる透光部をさらに備える、請求項1ないし8のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項10】
複数列に配置された複数の上記ボンディングパッドを備える、請求項1ないし9のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項11】
上記複数のボンディングパッドは、平面視において上記複数のLEDユニットを挟んで複数列に配置されている、請求項10に記載のLEDモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としてLEDチップを備えるLEDモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図19は、従来のLEDモジュールの一例を示している(たとえば、特許文献1)。同図に示されたLEDモジュールXは、ケース91、サブマウント基板92、配線パターン93、LEDチップ94、および透光部95を備えている。ケース91は、たとえば樹脂からなる。サブマウント基板92は、たとえばSiからなる。配線パターン93はサブマウント基板92上に形成されており、その表面がたとえばAuまたはAgなどからなる。LEDチップ94は、所定の波長の光を発する、LEDモジュールXの光源である。LEDチップ94は、配線パターン93に対して共晶接合することによりサブマウント基板92に搭載されている。透光部95は、LEDチップ94からの光を透過可能なたとえばシリコーン樹脂からなり、LEDチップ94を覆っている。
【0003】
LEDモジュールXが長期間使用されると、配線パターン93の表面を形成するAgなどが腐食し、暗黒色に変色しやすい。このように変色した配線パターン93は、LEDチップ94からの光を吸収してしまう。このため、使用開始後の経年変化によってLEDモジュールXの光量が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−237141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、経年変化による光量低下を抑制することが可能なLEDモジュールを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるLEDモジュールは、1以上のLEDチップを具備するLEDユニットと、セラミックスからなる本体、および上記LEDユニットを搭載するための1以上のパッド、を有するケースと、を備えており、上記パッドは、平面視においてその外縁が上記LEDユニットの外縁よりも内側に位置する。
【0007】
本発明の第2の側面によれば、本発明の第1の側面によって提供されるLEDモジュールにおいて、上記パッドの表面は、AgまたはAuからなる。
【0008】
本発明の第3の側面によれば、本発明の第1または第2の側面によって提供されるLEDモジュールにおいて、上記本体は、白色である。
【0009】
本発明の第4の側面によれば、本発明の第1ないし第3の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記LEDユニットにボンディングされた一端を有する1以上のワイヤを備えており、上記ケースは、上記ワイヤの他端がボンディングされ、かつ上記パッドよりも平面視において外側に位置する、1以上のボンディングパッドをさらに有する。
【0010】
本発明の第5の側面によれば、本発明の第1ないし第4の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記本体には、上記LEDユニットを囲むリフレクタが形成されており、上記リフレクタには、平面視において上記ボンディングパッドの少なくとも一部を収容する凹部が形成されている。
【0011】
本発明の第6の側面によれば、本発明の第1ないし第5の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記ケースは、上記パッドとは反対側に設けられた1以上の実装電極と、上記本体を貫通し、かつ上記パッドのいずれかと上記実装電極のいずれかとを接続する貫通導体部と、をさらに有する。
【0012】
本発明の第7の側面によれば、本発明の第1ないし第6の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記LEDユニットは、上記LEDチップのみからなる。
【0013】
本発明の第8の側面によれば、本発明の第1ないし第6の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記LEDユニットは、上記LEDチップが搭載されたサブマウント基板をさらに具備する。
【0014】
本発明の第9の側面によれば、本発明の第1ないし第8の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、複数列に配置された複数の上記パッドと、複数の上記パッドに搭載された複数の上記LEDユニットと、を備える。
【0015】
本発明の第10の側面によれば、本発明の第1ないし第9の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記LEDユニットと上記パッドとは、共晶接合されている。
【0016】
本発明の第11の側面によれば、本発明の第1ないし第10の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記LEDユニットを覆い、かつ、上記LEDユニットからの光を透過する樹脂材料と、上記LEDユニットからの光によって励起されることにより上記LEDユニットからの光とは異なる波長の光を発する蛍光材料と、からなる透光部をさらに備える。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に基づくLEDモジュールを示す平面図である。
図2図1のII−II線に沿う断面図である。
図3図1のIII−III線に沿う断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に基づくLEDモジュールを示す要部拡大断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に基づくLEDモジュールを示す底面図である。
図6】本発明の第2実施形態に基づくLEDモジュールを示す平面図である。
図7図6のVII−VII線に沿う断面図である。
図8図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に基づくLEDモジュールを示す要部拡大断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に基づくLEDモジュールを示す平面図である。
図11図10のXI−XI線に沿う断面図である。
図12図10のXII−XII線に沿う断面図である。
図13】本発明の第3実施形態に基づくLEDモジュールを示す要部拡大断面図である。
図14】本発明の第4実施形態に基づくLEDモジュールを示す平面図である。
図15図14のXV−XV線に沿う断面図である。
図16図14のXVI−XVI線に沿う断面図である。
図17】本発明の第4実施形態に基づくLEDモジュールを示す要部拡大断面図である。
図18】本発明の第5実施形態に基づくLEDモジュールを示す断面図である。
図19】従来のLEDモジュールの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1図5は、本発明に係るLEDモジュールの一例を示している。本実施形態のLEDモジュールA1は、ケース1、複数のLEDユニット2、ツェナーダイオード3、ワイヤ4、および透光部5(図1においては省略)を備えている。LEDモジュールA1は、比較的高輝度な高出力タイプのLEDモジュールであり、平面視寸法が5mm角程度、厚さが0.9mm程度とされている。
【0021】
ケース1は、本体11、複数のパッド12a,12b、複数のボンディングパッド13a,13b、パッド16、1対の実装電極14a,14b、および複数の貫通導体部15a,15b,15c,15dからなる。ケース1は、たとえばアルミナなどの白色のセラミックスからなる。本体11には、リフレクタ11aおよび底面11cが形成されている。リフレクタ11aは、複数のLEDチップ21から図2における左右方向に進行してきた光を反射することにより、図中上方へと向かわせるためのものである。本実施形態においては、リフレクタ11aには、4つの凹部11bが形成されている。4つの凹部11bは、平面視における断面形状が略三角形状とされており、底面11cに達している。底面11cは、略円形状とされており、リフレクタ11aの下端縁とつながっている。
【0022】
複数のパッド12a,12bは、底面11cに形成されており、本実施形態においては、3つのパッド12aと3つのパッド12bとが2列に配列されている。12a,12bは、矩形状であり、底面11c側からたとえばAg/Ni/AuまたはAg/Ni/Ag、あるいはW/Ni/AgまたはW/Ni/Auの順で積層されたメッキ層からなる。表層がAgからなる場合、Ag層の厚さは2.5μm程度とされ、表層がAuからなる場合、Au層の厚さは0.1μm程度とされる。
【0023】
複数のボンディングパッド13a,13bは、底面11cに形成されており、本実施形態においては、3つのボンディングパッド13aと3つのボンディングパッド13bとが2列に配列されている。ボンディングパッド13a,13bは、矩形状であり、パッド12a,12bと同様のメッキ構造とされている。ボンディングパッド13a,13bのうち四隅に位置するボンディングパッド13a,13bは、それぞれの1/3程度の部分が、4つの凹部11bにそれぞれ収容された格好となっている。
【0024】
パッド16は、底面11cの比較的端縁寄りに配置されており、パッド12およびボンディングパッド13と同様のメッキ構造とされている。
【0025】
図4に示すように、1対の実装電極14a,14bは、本体11のうちリフレクタ11aおよび底面11cが形成されている側とは反対側の面に形成されており、それぞれが略矩形状とされている。同図において実装電極14aは、実装電極14bよりも顕著に大きく、平面視において複数のLEDチップ21と重なっている。
【0026】
複数の貫通導体部15a,15b,15c,15dは、本体11を貫通しており、たとえばAgまたはWからなる。本実施形態においては、3つの貫通導体部15aは、3つのボンディングパッド13aと実装電極14aとを接続している。また、3つの貫通導体部15bは、3つのパッド12aと実装電極14aとを接続している。また、3つの貫通導体部15cは、3つのパッド12bと実装電極14aとを接続している。そして、1つの貫通導体部15cは、パッド16と実装電極14aとを接続している。さらに、3つの貫通導体部15dは、3つのボンディングパッド13bと実装電極14bとを接続しており、クランク状に形成されている。
【0027】
このような構成のケース1は、セラミックス材料とAg材料またはW材料とを適宜順に積層したものを焼成し、これに対してメッキを施すことによって形成できる。
【0028】
複数のLEDユニット2は、LEDモジュールA1の光源であり、本実施形態においては複数のLEDチップ21からなる。各LEDチップ21は、たとえばGaN系半導体からなるn型半導体層、p型半導体層、およびこれらに挟まれた活性層を有しており、青色光を発する。各LEDチップ21は、パッド12a,12bに対して共晶接合されている。各LEDチップ21の平面視寸法は、パッド12a,12bの平面視寸法よりも大である。すなわち、図4に示すようにパッド12aの平面視における外縁121aは、LEDユニット2(LEDチップ21)の外縁2aよりもわずかに内側に位置している。パッド12bの外縁も同様である。本実施形態においては、LEDチップ21は、いわゆる2ワイヤタイプのLEDチップとして構成されている。
【0029】
ツェナーダイオード3は、複数のLEDチップ21に過大な逆電圧が印加されることを防止するためのものであり、一定電圧以上の過大な逆電圧が印加されたときにのみ逆電流を通す機能を果たす。ツェナーダイオード3は、パッド16に対してたとえばAgペーストを介して接合されている。
【0030】
複数のワイヤ4は、たとえばAuからなり、その一端がボンディングパッド13a,13bにボンディングされており、その他端がLEDチップ21またはツェナーダイオード3にボンディングされている。
【0031】
透光部5は、リフレクタ11aおよび底面11cによって囲まれた領域に充填されており、複数のLEDチップ21、ツェナーダイオード3、および複数のワイヤ4を覆っている。透光部5は、たとえば透明なシリコーン樹脂に蛍光体物質が混入された材料からなる。上記蛍光体物質は、たとえばLEDチップ21からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。この黄色光とLEDチップ21からの青色光とが混色することにより、LEDモジュールA1からは白色光が出射される。なお、上記蛍光体物質に代えて青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光体物質と緑色光を発する蛍光体物質とを用いてもよい。
【0032】
次に、LEDモジュールA1の作用について説明する。
【0033】
本実施形態によれば、パッド12a,12bは、LEDチップ21によって隠された格好となっている。このため、使用に伴う経年変化によってパッド12a,12bが暗黒色となったとしても、LEDチップ21から底面11cに向かった光は、パッド12a,12bによっては吸収されず、底面11cによって反射される。したがって、LEDモジュールA1の経年変化による光量低下を抑制することが可能でありLEDモジュールA1の高輝度化を図ることができる。
【0034】
ボンディングパッド13a,13bは、LEDチップ21やワイヤ4によって完全に隠されていないものの、LEDチップ21よりも外側にLEDチップ21から離間して配置されている。これにより、ボンディングパッド13a,13bによってLEDチップ21からの光が吸収されることを抑制することができる。
【0035】
リフレクタ11aに凹部11bを設けることにより、LEDチップ21に対してリフレクタ11aを相対的に近づけることができる。これは、LEDモジュールA1の高輝度化に適している。また、セラミックスからなる本体11は、若干ではあるがLEDチップ21からの光を透過し得る。リフレクタ11aを相対的にLEDチップ21に近づけることは、本体11の外形寸法を変えることなく、リフレクタ11aより外にある部分を大きくすることに寄与する。これにより、LEDチップ21からの光が、本体11を透過して側方に不当に漏れてしまうことを回避することができる。
【0036】
貫通導体部15b,15cは、電気的な機能を果たさない一方、LEDチップ21から発生した熱をパッド12a,12bから実装電極14aへと伝える機能を果たす。これにより、LEDチップ21の放熱性を高めることが可能であり、LEDチップ21への投入電流を大きくすることができる。これは、LEDモジュールA1の高輝度化に有利である。
【0037】
図6図18は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0038】
図6図9は、本発明の第2実施形態に基づくLEDモジュールを示している。本実施形態のLEDモジュールA2は、LEDユニット2の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、LEDユニット2は、LEDチップ21およびサブマウント基板22によって構成されている。
【0039】
サブマウント基板22は、たとえばSiからなり、LEDチップ21がマウントされている。サブマウント基板22には、配線パターンが形成されている。この配線パターンは、LEDチップ21の電極(図示略)に導通するとともに、LED21によって覆われていない領域に延びている部分を有する。本実施形態においては、この配線パターンにワイヤ4がボンディングされている。図9に示すように、サブマウント基板22は、たとえばAgペースト17によってパッド12a,12bに対して接合されている。この接合は、共晶接合によって行ってもよい。
【0040】
パッド12a,12bの平面視寸法は、サブマウント基板22の平面視寸法よりも小とされており、図9に示すようにパッド12aの平面視における外縁121aは、LEDユニット2(サブマウント基板22)の外縁2aよりもわずかに内側に位置している。パッド12bの外縁も同様である。
【0041】
このような実施形態によっても、LEDモジュールA2の経年変化による光量低下を抑制することが可能でありLEDモジュールA2の高輝度化を図ることができる。
【0042】
図10図13は、本発明の第3実施形態に基づくLEDモジュールを示している。本実施形態のLEDモジュールA3は、LEDユニット2の構成が上述したいずれの実施形態と異なっている。本実施形態においては、LEDユニット2は、LEDチップ21のみからなり、いわゆる1ワイヤタイプのLEDユニットとして構成されている。また、LEDモジュールA1,A2においてケース1に備えられていたボンディングパッド13aおよび貫通導体部15aは、LEDユニット2が1ワイヤタイプであることに伴って備えられていない。
【0043】
本実施形態においては、LEDチップ21の上面および下面に電極(図示略)が形成されている。上面に形成された電極には、ワイヤ4がボンディングされている。下面に形成された電極は、パッド12a,12bに対してたとえば共晶接合によって接合されている。
【0044】
パッド12a,12bの平面視寸法は、LEDチップ21の平面視寸法よりも小とされており、図13に示すようにパッド12bの平面視における外縁121bは、LEDユニット2(LEDチップ21)の外縁2aよりもわずかに内側に位置している。
【0045】
このような実施形態によっても、LEDモジュールA3の経年変化による光量低下を抑制することが可能でありLEDモジュールA3の高輝度化を図ることができる。
【0046】
図14図17は、本発明の第4実施形態に基づくLEDモジュールを示している。本実施形態のLEDモジュールA4は、LEDユニット2の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、LEDユニット2は、LEDチップ21およびサブマウント基板22からなり、いわゆる1ワイヤタイプのLEDユニットとして構成されている。
【0047】
サブマウント基板22は、たとえばSiからなり、LEDチップ21がマウントされている。サブマウント基板22には、絶縁膜を介して配線パターンが形成されている。この配線パターンは、LEDチップ21の電極(図示略)に導通するとともに、LED21によって覆われていない領域に延びている部分を有する。本実施形態においては、この配線パターンにワイヤ4がボンディングされている。また、サブマウント基板22は、たとえばドーピング処理により導通体とされている。LEDチップ21の他の電極(図示略)は、サブマウント基板22に接しており、導通している。サブマウント基板22は、たとえばAgペースト17によってパッド12a,12bに対して接合されている。この接合は、共晶接合によって行ってもよい。
【0048】
本実施形態においても、パッド12a,12bの平面視寸法は、サブマウント基板22の平面視寸法よりも小とされており、図17に示すように、パッド12bの平面視における外縁121bは、LEDユニット2(サブマウント基板22)の外縁2aよりもわずかに内側に位置している。
【0049】
このような実施形態によっても、LEDモジュールA4の経年変化による光量低下を抑制することが可能でありLEDモジュールA4の高輝度化を図ることができる。
【0050】
図18は、本発明の第5実施形態に基づくLEDモジュールを示している。本実施形態のLEDモジュールA5は、貫通導体部15a,15b,15c,15dの構成が異なる以外は、上述したLEDモジュールA1と同様の構成である。なお、同図においては、貫通導体部15bは、図示されていないが、貫通導体部15cと同様の構成である。
【0051】
本実施形態においては、貫通導体部15cは、LEDユニット2(LEDチップ21)に対して平面視において退避した位置に設けられている。パッド12bと貫通導体部15cは、パッド12bから延びるメッキ層によって導通している。貫通導体部15a,15dは、ワイヤのうちボンディングされている部分に対して平面視において退避した位置に設けられている。
【0052】
このような実施形態によっても、LEDモジュールA5の経年変化による光量低下を抑制することが可能でありLEDモジュールA5の高輝度化を図ることができる。
【0053】
本発明に係るLEDモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0054】
複数のLEDチップ21は、互いに異なる波長の光を発するものであってもよい。底面11cの形状は円形に限らない。透光部5は、透明な材料のみによって形成されていてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19