特許第5939999号(P5939999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5939999
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】嵌合板付端子板を有する端子ボックス
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/34 20140101AFI20160616BHJP
【FI】
   H02S40/34
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-8851(P2013-8851)
(22)【出願日】2013年1月22日
(65)【公開番号】特開2014-143222(P2014-143222A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591286960
【氏名又は名称】エンゼル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116816
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 道彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一成
(72)【発明者】
【氏名】藤井 浩一
【審査官】 濱田 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−234850(JP,A)
【文献】 特開2012−28406(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/067466(WO,A1)
【文献】 特開2010−267889(JP,A)
【文献】 特開2001−298206(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0014970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/00−40/44
H01R 4/00− 4/72
H05K 5/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電線受容部とケーブル接続部を有する端子板を筐体内に配置していて、前記出力電線受容部は太陽電池モジュールから導出される出力電線を接続する部分であり、前記出力電線受容部は平板形状であり、前記出力電線受容部は平板面を水平方向にして配置されていて、前記ケーブル接続部に外部接続ケーブルを接続し、前記筐体に設けられたケーブル出口を通過して前記外部接続ケーブルが前記筐体の外に導出されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記端子板は嵌合板を有し、前記嵌合板の一の端面は前記端子板と連結していて、前記嵌合板は前記端子板の下方向に延設されていて、
前記筐体は互いに対面する第一溝内壁面と第二溝内壁面からなる溝を有し、前記溝は上方に開口していて、第一溝内壁面に第二溝内壁面方向に突出した突起を有し、
前記突起の先端部を圧壊した状態で、嵌合板の板面と突起先端部が接触して前記溝に嵌合されて、前記端子板が前記筐体内に配置されていることを特徴とする端子ボックス。
【請求項2】
前記ケーブル出口は前記筐体の側面に設けられていて、前記嵌合板の板面は、前記出力線受容部の平板面に直角であって、かつ、前記ケーブル接続部と前記ケーブル出口を結ぶ方向であるケーブル伸長方向線に対して直角に配置されていることを特徴とする請求項1に記載した端子ボックス。
【請求項3】
前記端子板は、板状の金属板を折り曲げることにより嵌合板を形成した端子板であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載した端子ボックス。
【請求項4】
前記第一溝内壁面に設けられた突起は、上下方向に連続して形成されていて、連続した突起の頂点が稜線を形成していることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載した端子ボックス。
【請求項5】
前記上下方向に連続した突起は、三角柱形状であって、第一溝内壁面と接する面が一の側面であり、残余の二の側面が交わる直線が前記稜線であることを特徴とする請求項4に記載した端子ボックス。
【請求項6】
第一溝内壁面は、前記筐体の底板内側に形成した第一リブの立壁面であり、第二溝内壁面は前記筐体の底板内側に形成した第二リブの立壁面であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載した端子ボックス。
【請求項7】
太陽電池モジュールと端子ボックスからなる端子ボックス付太陽電池モジュールにおいて、
太陽電池モジュールと、請求項1乃至6いずれかに記載した端子ボックスから構成され、前記太陽電池モジュールから導出された出力電線を前記端子板の前記出力電線受容部に接続した端子ボックス付太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの出力電線と外部接続用のケーブルを電気的に中継する端子板が筐体内に配置された太陽電池モジュール用の端子ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
端子ボックスは金属製の端子板を合成樹脂製の筐体内に固定している。固定の方法は、例えば、筐体底面に柱を立設し、端子板に空けた係合穴を柱に挿入し、柱の上から係止金具(例えば菊座ワッシャ)を嵌めている(例えば特許文献1参照)。そして、筐体に設けた当接部位を端子板の側面に当接させて端子板の確実な固定を図っている。以下、筐体に設ける柱と当接部位を保持部と称する。
【0003】
端子板を筐体に組付ける作業は(1)端子板を保持部に位置付ける工程(2)係止金具取付け工程、を経て行われる。(1)の位置付け工程の結果、端子板の仮固定が確実に行われると(2)の取付け工程が容易化し、又作業時間が短縮される。
【0004】
端子板と保持部の寸法差を小さくすれば仮固定が確実化するが、例えば端子板取付け時に端子板の位置合わせ、整列性が厳しく要求され、位置付けに多大な労力と時間が必要になる。一方、端子板と保持部の寸法差を大きくすれば位置付けは容易になるが、仮固定が不確実になり次の取付け工程が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−234850号公報、段落0040、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、端子板を保持部に位置付ける操作において障害となる位置合わせと整列性要求を緩和し、かつ、仮固定の確実化を実現する端子ボックスを得ることにある。
【0007】
また、当該端子ボックスを使用する端子ボックス付太陽電池モジュールを得ることにある。
【0008】
本発明のその他の課題は、本発明の説明により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に課題を解決するための手段を述べる。理解を容易にするために、本発明の実施態様に対応する符号を付けて説明するが、本発明は当該実施態様に限定されるものではない。
【0010】
本発明の一の態様にかかる端子ボックス(1)は、
出力電線受容部(15)とケーブル接続部(19)を有する端子板(10)を筐体(30)内に配置していて、前記出力電線受容部は太陽電池モジュールから導出される出力電線を接続する部分であり、前記出力電線受容部は平板形状であり、前記出力電線受容部は平板面を水平方向にして配置されていて、前記ケーブル接続部に外部接続ケーブル(51)を接続し、前記筐体(30)に設けられたケーブル出口(44)を通過して前記外部接続ケーブルが前記筐体の外に導出されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記端子板(10)は嵌合板(11)を有し、前記嵌合板の一の端面(12)は前記端子板と連結していて、前記嵌合板は前記端子板の下方向に延設されていて、
前記筐体は互いに対面する第一溝内壁面(33)と第二溝内壁面(35)からなる溝(31)を有し、前記溝は上方に開口していて、第一溝内壁面に第二溝内壁面方向に突出した突起(36)を有し、
前記突起の先端部を圧壊した状態で、嵌合板の板面と突起先端部が接触して前記溝に嵌合されて、前記端子板が前記筐体内に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい実施態様にあっては、
前記ケーブル出口(44)は前記筐体の側面(71,72)に設けられていて、前記嵌合板の板面は、前記出力線受容部(15)の平板面に直角であって、かつ、前記ケーブル接続部(19)と前記ケーブル出口(44)を結ぶ方向であるケーブル伸長方向線(47)に対して直角に配置されていてもよい。また、前記端子板は、板状の金属板を折り曲げることにより嵌合板を形成した端子板であってもよい。
【0012】
本発明の他の好ましい実施態様にあっては、前記第一溝内壁面に設けられた突起は、上下方向に連続して形成されていて、連続した突起の頂点が稜線を形成していてもよく、また、前記上下方向に連続した突起は、三角柱形状であって、第一溝内壁面(33)と接する面が一の側面であり、残余の二の側面(38,39)が交わる直線が前記稜線であってもよく、さらに、第一溝内壁面は、前記筐体の底板内側に形成した第一リブ(32)の立壁面であり、第二溝内壁面は前記筐体の底板内側に形成した第二リブ(34)の立壁面であってもよい。
【0013】
本発明の他の態様にかかる端子ボックス付太陽電池モジュールは、
太陽電池モジュールと端子ボックスからなる端子ボックス付太陽電池モジュールにおいて、
太陽電池モジュールと、本発明にかかる端子ボックスから構成され、前記太陽電池モジュールから導出された出力電線を前記端子板の前記出力電線受容部に接続している。
【0014】
以上説明した本発明、本発明の好ましい実施態様、これらに含まれる構成要素は可能な限り組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる端子ボックスは、その他の発明特定事項に加えて、端子板が特定の嵌合板を有し、筐体が特定の突起を備えた溝を有し、嵌合板が突起の先端部を圧壊した状態で溝に嵌合されて端子板が筐体内に配置されているので、筐体に端子板を位置付けることが容易であり、かつ筐体と端子板の仮固定が確実になる効果を有する。
【0016】
本発明にかかる端子ボックス付太陽電池モジュールは本発明にかかる端子ボックスを用いるものであり、全体として組立て易く、製造コストが低廉化する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は端子ボックスの平面図である。
図2図2は筐体に端子板を組込んだ状態の図面であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。
図3図3は筐体の図面であり、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図である。
図4図4は溝部分の拡大図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施例にかかる太陽電池モジュール用端子ボックスと端子ボックス付太陽電池モジュールをさらに説明する。本発明の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0019】
図1は端子ボックスの平面図である。図1は蓋を取除いた状態を図示している。端子ボックス1は筐体30内に2枚の(両端)端子板10を配置している。端子板10はケーブル接続部19を有し、外部接続ケーブル51と接続されている。端子ボックス1は、ケーブル接続部19を有する(両端)端子板10に加えて、1枚の中間端子板21を有する。中間端子板21は外部接続ケーブル51が無く、ケーブル接続部19を有さない。本発明と本願明細書にあっては、特に断らない限り、端子板と言うときは(両端)端子板10を意味する。
【0020】
(両端)端子板10と中間端子板21の間にダイオード53が接続されている。
【0021】
端子板10は出力電線受容部15を有する。出力電線受容部15は太陽電池モジュールから導出される出力電線を接続する部分である。出力電線は、通常、リボン状(帯状と表現することもできる)の扁平な導線である。
【0022】
出力電線受容部15は出力電線挿通穴18が空けられている。出力電線挿通穴18に出力電線を捲回し、その後に半田付けすることにより出力電線と端子板間の電気接続の確実化を図っている。出力電線挿通穴18は平面視して十字形状の貫通穴である。
【0023】
端子ボックス1は筐体の底板42を、通常、太陽電池モジュールの底面に接して固定される。端子板10中の一部分である出力電線受容部15は平板形状である。端子板は平板面である出力電線受容部が水平方向を向く(換言すれば底板42と平行面となる)ように配置されている。
【0024】
本発明と本願明細書において、便宜上、底板42の平面と平行な面方向を水平とし、筐体の蓋60が位置する方向を上と定める。もっともこれらの方向は部品の相対配置などを示すためだけに用いるものであり、端子ボックスが実際に使用される場合の空間配置とは無関係である。
【0025】
ケーブル接続部19はオープンバレル形状に作られていて、ここに外部接続ケーブルの芯線を位置付けてバレル形状部分をかしめている。
【0026】
筐体30は四角柱形状である。四角柱形状として観察した場合に底板、天板にあたる部分から外部接続ケーブル51が筐体外に導出されている。前述したように、本発明と本願明細書において端子ボックスが太陽電池モジュールと接する面を底板と呼んでいる。このため、上述した外部接続ケーブル51の導出口が位置する壁面は「側面」と呼ぶ。
【0027】
側面71に設けられたケーブル出口44を通過して外部接続ケーブル51が筐体30の外に導出されている。また側面72に設けられたケーブル出口44を通過して外部接続ケーブル51が筐体30の外に導出されている。2本の外部接続ケーブルは筐体を挟んで直線上にあり互いに相反する方向に延設されている。
【0028】
図2は筐体に端子板を組込んだ状態の図面であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。ただし、外部接続ケーブルは図示を省略している。また、図2(a)は蓋を取除いた状態を図示している。
【0029】
図3は筐体の図面であり、図3(a)は平面図、図3(b)は断面図である。また、図3(a)は蓋を取除いた状態を図示している。図4は溝部分の拡大図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は断面図である。
【0030】
端子板10は嵌合板11を有している。嵌合板11の一の端面12は端子板10と連結している。嵌合板11は板状であり、板面が下を向いている。すなわち、板が形成する平面は底板42と直交する平面である。
【0031】
嵌合板11は後に詳述する溝31と嵌合することにより端子板を筐体に位置付け、仮固定する役割を担うものである。嵌合板11が端子板10から下方向に延設されていることにより、端子板10を取付ける平面の下にある空間を、位置付け用や仮固定用の構造体設置空間に使用できる。
【0032】
ここで嵌合板11が端子板10から下方向に設けられているとは、嵌合板11の板面と出力電線受容部15である平面が角度30度から角度150度の間の角度で交わっていることを意味する。好ましい交差角度は角度60度から角度120度の角度であり、より好ましい交差角度は角度75度から角度105度の間の角度である。最も好ましい交差角度は角度90度である。
【0033】
一枚の平板からなる端子板の一方端を折り曲げて嵌合板を形成すると、嵌合板形成が容易であり、嵌合板と端子板の接続強度も十分となり、好ましい。この場合、嵌合板の一端面12は折り曲げ線である。
【0034】
もっとも、嵌合板は、端子板に端子板とは別体の板を接続して形成してもよい。この場合嵌合板の一端面12は取付けの基部である。
【0035】
筐体30は嵌合板11が嵌合する溝31を有する。溝31は筐体30の底板42の内側43に位置し、上方に開口している。嵌合板11の板面と出力電線受容部15である平面が角度90度で交わり下方向に設けられている場合には、溝31は底板42に対して角度90度で上方に向かっているが、嵌合板の角度が異なれば、溝31の角度もこれに応じて異なる。
【0036】
溝31は第一溝内壁面33と第二溝内壁面35から形成される。第一溝内壁面33は突起を有している。当該突起は第一溝内壁面33から第二溝内壁面35の方向に突出している。突起は不連続であってもよいが、上下方向に連続して形成され、突起の頂点が連続して稜線を形成していることが好ましい。さらに、当該稜線のどの位置でも、第一溝内壁面33から稜線までの距離(高さ)が一定であることがより好ましい。なぜなら、筐体を成型する場合に、単純な構造の金型で成型できること、また、先端部圧壊による嵌合板との密着面積が増加し仮固定が確実化するからである。
【0037】
不連続な突起の場合、その形状は錘形、半球形等にすればよい。好ましい形状は三角錘、四角錘、五角錘等を包含する角錘並びに円錐である。
【0038】
連続した突起を設ける場合、その形状は三角柱、半円柱等にすればよい。三角柱形状の場合には三角柱36の一の側面37が第一溝内壁面33と接する。換言すれば三角柱の一の側面37と第一溝内壁面33が共通する(図4参照)。そして三角柱の他の2の側面38と39が交わる直線(三角柱の辺)が稜線41を形成する。半円柱形状の場合には、平面である側面が第一溝内壁面33と接する。
【0039】
連続した突起の形状は三角柱が好ましい。その稜線近傍を圧壊する力が小さくなるからである。
【0040】
連続した突起の上端部は案内部を設けることが好ましい。図4(b)を参照して、三角柱36の上端に案内部411が設置されている。案内部411は第一溝内壁面33から稜線41に至る稜線側に向かって下方向に傾斜した小平面である。当該小平面は三角形である。案内部411は嵌合板を溝に嵌合する時に嵌合板を溝に位置付ける案内となる。
【0041】
溝31の下方端部は閉止していてもよく、開口していてもよい。
【0042】
第一溝内壁面33は底板42に接していて底板42から立ち上がっていることが好ましく、同様に第二溝内壁面35は底板42に接していて底板42から立ち上がっていることが好ましい。筐体内の空間を節約するためである。もっとも本願発明にあって、第一溝内壁面33は底板42から隔離していてもよく、同様に第二溝内壁面35は底板42から隔離していてもよい。
【0043】
嵌合板板面の配置方向を説明する。端子ボックス1においてケーブル接続部19とケーブル出口44を結ぶ直線を想定し、当該直線をケーブル伸長方向線47と名付ける。図2(a)にケーブル伸長方向線47を破線で記入している。嵌合板はその板面を出力電線受容部の平板面に直角であって、かつ、ケーブル伸長方向線47に直角方向に配置することが好ましい。外部接続ケーブルに不測の引張り力が加わり、その力が端子板に及んだ場合に、当該引張り力を嵌合板と溝の係合によって受け止めるためである。この配置にすれば、ケーブル出口44付近で、筐体に、外部接続ケーブル固定構造を必ずしも設けなくてもよいという効果をももたらす。
【0044】
ここで嵌合板の板面配置方向はすなわち溝の方向と同じであり、また第一溝内壁面(及び第二溝内壁面)の面方向と同じである。また、当該板面の配置は主として引張り力に対応するものであり、本願発明における直角は90度を含むのみならず角度70度から角度110度を包含する。好ましい直角は角度90度である。
【0045】
溝31は筐体底板であって筐体内側に設けた第一リブ32と第二リブ34によって構成されてもよい。第一リブと第二リブは筐体30の強度を増すために筐体内側に設ける構造体であり、最も一般的な一例は、底面と一体に形成した底面の厚さを増した部分である。第一リブ32の立壁面が第一溝内壁面であり、第二リブ34の立壁面が第二溝内壁面である。このようにすれば、新たな溝を設けなくても、従来からある補強構造を溝に使用できる効果がある。よって筐体の材料である合成樹脂の必要量が増加しない効用もある。
【0046】
以上説明した突起(及びその連続した柱状体)は第二溝内壁面に設けるものであって、第二溝内壁面から第一溝内壁面に向かって突出して設けたものでもよい。また同様な突起を第一溝内壁面と第二溝内壁面に共に設けてもよい。嵌合板圧入時に不必要な摩擦力を防止する観点から第一溝内壁面と第二溝内壁面の両面に設けることが好ましい。
【0047】
嵌合板11の厚さと溝31の間隔は、例えば、嵌合板の厚さを0.8mmとしたとき、突起先端間の間隔が0.7mmである。ここで突起先端間の間隔とは、第一溝内壁面に三角柱形状を設け、かつ、第二溝内壁面に三角柱形状を設けた場合には2本の稜線間の間隔である。筐体及び三角柱形状は変性ポリフェニレンエーテル樹脂で作成した。当該間隔の最適値は筐体の材料、突起の形状等により異なるから、上記例示した寸法を念頭に、試行錯誤により定めればよい。
【0048】
以上、(両端)端子板に関して、嵌合板の溝への圧入による取付けを説明してきたが、図2図3等より明らかなように、中間端子板21も嵌合板を有し溝に圧入して取付けている。中間端子板に関して、嵌合板と溝の構造、要件などは、(両端)端子板に関するものと同一であり、効果も同様である。
【0049】
次に端子板の筐体への組み込み、太陽電池モジュールへの端子ボックスの取付け等を説明する。
【0050】
外部接続ケーブルの端部で被覆を取除いて芯線を露出する。端子板のケーブル接続部19に外部接続ケーブルの芯線を位置付け、バレル形状部をかしめることにより端子板に外部接続ケーブルを接続する。
【0051】
嵌合板を溝上方に位置付けて嵌合板を溝の中に圧入する。このとき、溝に設置された突起はその先端部(連続した突起の場合には稜線近傍)が圧壊された状態で、嵌合板の板面と突起先端部が接触状態となる。このようにして端子板が筐体に仮固定される。
【0052】
嵌合板の圧入時に、端子板の貫通穴に筐体底面から上方向に形成した柱48を挿通させる。そして柱48に菊座ワッシャ52を係止させて端子板が筐体に固定される。
【0053】
その後端子板相互の間にダイオード53を接続する。ダイオード53はそのリード線を貫通穴22に挿通し、その後半田付けして接続している。
【0054】
次に、端子ボックスを太陽電池モジュールの底面に取付ける。このとき端子ボックス底板に設けた貫通口である電線開口49を経由して、太陽電池モジュールから出力電線を端子ボックス内に引入れる。太陽電池モジュールに端子ボックスを固定する。出力電線を出力電線受容部の出力電線挿通穴18に捲回し、半田付けで接続する。必要に応じて端子ボックス内の空間部に充てん剤を充てんする。端子ボックスに蓋60を取付ける。
【0055】
以上説明した端子ボックスの組立て、太陽電池モジュールヘの取付け手順は、単なる一例である。これらの各工程の実施順序は前後することがある。
【0056】
以上本発明にかかる一実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 端子ボックス
10 (両端)端子板
11 嵌合板
12 嵌合板の一端面
15 出力電線受容部
18 出力電線挿通穴
19 ケーブル接続部
21 中間端子板
22 貫通穴
30 筐体
31 溝
32 第一リブ
33 第一溝内壁面
34 第二リブ
35 第二溝内壁面
36 上下方向に連続した突起である三角柱
37 一の側面
38 交差する側面
39 交差する側面
41 稜線
411 案内部
42 底板
43 底板内側
44 ケーブル出口
47 ケーブル伸長方向線
48 柱
49 電線開口
51 外部接続ケーブル
52 菊座ワッシャ
53 ダイオード
60 蓋
71 側面
72 側面
図1
図2
図3
図4