【実施例】
【0029】
製造例1:化合物(16)の製造
【化11】
アルゴン気流下、5-ブロモ-2'-デオキシウリジン (2 g, 6.512 mmol) を無水ピリジン 5 mLに溶解、攪拌。そこに無水酢酸 (1.54 mL, 16.28 mmol) を滴下し、室温にて攪拌。18時間後、反応液を酢酸エチル15 mLにて希釈。これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で清浄。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去。残渣にトルエン 5 mLを加え減圧下溶媒留去。得られた粗精製物を酢酸エチル/ヘキサンにて再結晶。化合物(16)を2.37 g、収率93%で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δppm: 8.46 (1H, s), 7.87 (1H, s), 6.27 (1H, dd,J = 3.6 Hz, 5.9 Hz), 5.22-5.21 (1H, m), 4.41-4.10 (3H, m), 2.56-2.50 (1H, m), 2.18-2.13 (1H,m), 2.16 (3H, s), 2.10 (3H, s).
ESI-MS (m/z): 413.02 (M+Na)
+
IR (cm
-1): 3013, 2824, 1744, 1710, 1687
m.p.℃: 151.8 - 152.8
℃
【0030】
製造例2:化合物(17)の製造
【化12】
アルゴン気流下、化合物(16)(3.0 g, 7.69 mmol)、トリフェニルホスフィン (3.05 g, 11.6 mmol) を無水アセトニトリルー無水ジクロロメタン (20 mL-5 mL) にて3 回、無水ジクロロメタン (20 mL) で1回共沸。そこに無水四塩化炭素-ジクロロメタン (15 mL-15 mL) を加え加熱還流。2.5 時間後、反応液を室温に戻し、ジアザビシクロウンデセン (2.53 mL, 16.9 mmol)、2−アミノレゾルシノール(1.92 g, 15.4 mmol) を加えて攪拌。反応液を減圧下溶媒留去。残渣にジクロロメタン-ヘキサン (16 mL-16 mL) を加えて室温にて激しく攪拌。そこに5%クエン酸水溶液85 mLを加え、析出物を吸引濾過。ろ取物を水、ジクロロメタン、アセトニトリルにて清浄。化合物(17)を3.1 g、収率81%で得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δppm: 8.01 (1H, s), 6.90 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.35 (2H, d, J = 8.1 Hz), 6.12 (1H, t, J = 6.7 Hz), 5.18-5.17 (1H, m), 4.27-4.20 (1H, t, J = 5.8 Hz), 5.19 (1H, m), 4.37 (3H, m), 2.43-2.32 (2H, m), 2.08 (3H, s), 2.05 (3H, s).
ESI-MS (m/z) : 4.98.04 (M+H)
+
IR (cm
-1): 3390, 3301
m.p.℃: 249.6 - 250.0
℃
【0031】
製造例3:化合物(18)の製造
【化13】
アルゴン気流下、化合物(17)(2.60 g, 5.21 mmol)、2-ヒドロキシエチルカルバミン酸ベンジルエステル (1.33 g, 6.8 mmol)、トリフェニルホスフィン (2.23 g, 8.5 mmol) を無水アセトニトリル (40 mL) にて3回、無水ジクロロメタン (32 mL) にて共沸。残渣に無水ジクロロメタン (36 mL) を加え氷冷上で攪拌。そこにジイソプロピルアゾジカルボキシレート (4.47 mL, 8.5 mmol) を滴下し、室温に戻し攪拌。21時間後、反応液を水、飽和食塩水で清浄。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧下溶媒留去。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (関東化学60N; 酢酸エチル:クロロホルム=1:2→酢酸エチル) にて精製。化合物(18)を1.39 g、収率39%で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δppm: 7.92 (1H, s), 7.33 (5H, m), 7.05 (1H, t, J = 8.2 Hz), 6.71 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.42 (1H, t, J = 8.2 Hz), 6.24 (1H, t, J = 7.1 Hz), 5.20 (1H,m), 5.10 (2H, s), 4.36 (2H, m), 4.31 (1H, m), 4.13 (2H, m), 3.66 (2H, m), 2.69 (1H, m) 2.12 (3H, s), 2.09 (4H, m).
ESI-MS (m/z) : 675.68 (M+H)
+
IR (cm
-1): 3339, 1741, 1671, 1230, 1093
【0032】
製造例4:化合物(19)の製造
【化14】
アルゴン気流下、化合物(18)(1.55 g, 2.29 mmol) に7Mアンモニア-メタノール (80 mL, 3.66 mmol) を加え室温にて攪拌。72時間後、反応液を減圧下溶媒留去。残渣をシリカゲルカラムクロマトグガフィー (関東化学60N; クロロホルム:メタノール=15:1→9:1) にて精製。化合物(19)を650 mg、収率55%で得た。
1H-NMR (400MHz, CD
3OD) δppm:7.70 (1H, s), 7.29 (5H, m), 6.81 (1H, t, J = 8.2 Hz), 6.58 (1H, t, J = 7.9 Hz), 6.41 (1H, d, J = 8.2 Hz), 6.41 (1H, d, J = 8.2 Hz), 5.11 (2H, s), 4.37 (1H, m), 4.05 (2H,m), 3.92 (1H, m), 3.81 (1H, dd, J = 3.1 Hz, 12.0 Hz), 3.73 (1H, dd, J = 3.7 Hz, 12.0 Hz), 3.53 (2H, m), 2.33 (1H, m), 2.12 (1H, m).
ESI-MS: 511.29 [M+H]
+
IR (cm
-1): 3408, 3199, 1722, 1681, 776
m.p.
℃: 131.2 - 132.0
℃
【0033】
製造例5:化合物(26)の製造
【化15】
(式中、TBSは第3ブチルジメチルシリル基を意味する。)
無水ピリジンにて共沸した化合物(19)(655 mg, 1.28 mmol) の無水ピリジン (11.5 mL) の溶液に、アルゴン気流下、ジメトキシトリチルクロライド (652 mg, 1.92 mmol) を加え、室温にて攪拌した。1.5時間後、反応液をCHCl
3 (30 mL) にて希釈し、飽和重曹水で清浄、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧下溶媒を留去、得られた粗精製物をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(関東化学60N;クロロホルム→クロロホルム:メタノール=50:1→メタノール)にて精製した。得られた褐色固体の無水N,N-ジメチルホルムアミド (3.7 mL) 溶液に、イミダゾール (206 mg, 3.023 mmol)、第3(tert-)ブチルジメチルシランクロライド (373 mg, 2.015 mmol)を加え、室温にて攪拌した。3時間後、反応液をクロロホルム (20 mL) にて希釈し、飽和重曹水で清浄、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した後、減圧下溶媒を留去、得られた粗精製物に3%トリクロロ酢酸 (30 mL) を加え、室温にて攪拌した。1時間後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (15 mL) にて希釈し、酢酸エチルにて抽出、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥した。減圧下溶媒留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(関東化学60N;クロロホルム/メタノール=50/1)にて精製し、化合物(26)を540 mg、収率73%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δppm:7.42 (1H, s), 7.27 (5H, m), 6.77 (1H, t, J = 8 Hz), 6.36 (2H, m), 6.12 (1H,t, J = 6 Hz), 5.08 (2H, m),4.45 (1H, m), 3.97 (2H, m), 3.91 (2H,m), 3.73 (1H, m), 3.56 (1H, Br), 2.30 (2H, m), 0.86 (9H, s), 0.06 (3H, s), 0.05 (3H, s).
ESI-MS:625.3524 [M+H]
+【0034】
製造例6:化合物(27)の製造
【化16】
化合物(26)(100 mg,0.16 mmol) のメタノール溶液 (2 mL) に水酸化パラジウムー炭素 (100 mg), シクロヘキセン (1 mL) を加えて、加熱還流。1.5時間後、反応溶液をろ過して、ろ液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(関東化学60N;クロロホルム、メタノール:クロロホルム:トリエチルアミン=5:95:1)にて精製。化合物(27)を黄色固体として53 mg、收率68%で得た。
1H-NMR (400MHz, CD
3OD) δppm: 7.67 (1H, s), 6.83 (1H, t, J = 8 Hz), 6.61 (1H, d, J = 8 Hz), 6.43 (1H, d J = 8 Hz, ), 6.20 (1H, t, J = 6 Hz), 4.49 (1H, m), 4.07 (2H, t, J = 5 Hz ), 3.90 (1H, m), 3.79 (1H, dd, J = 3 Hz, 12 Hz), 3.70 (1H, dd, J = 3 Hz, 12 Hz), 3.09 (2H, t, J = 5 Hz), 2.28 (1H, m), 2.13 (1H, m), 0.92 (9H, s), 0.12 (6H, s).
IR v
max (film): 3275, 1672, 1563, 1261.
ESI-MS (m/z): 491.2 (M+H)
+ .
Yellow carame
【0035】
製造例7:化合物(28)の製造
【化17】
化合物(27)(50 mg, 0.10 mmol) の無水ピリジン (2 mL) 溶液に、氷浴下にてクロロトリメチルシラン(33 μL, 0.26 mmol)を滴下し、室温にて攪拌した。30分後、1H−イミダゾール−1−カルボン酸2−(2−ナフチル)エチルエステル(100 mg) を加え、引き続き室温にて攪拌した。21時間後、28%アンモニア水を加え、反応を止め、クロロホルムにて抽出、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフイー(関東化学60N;クロロホルム:メタノール=50:1)にて精製し、化合物(28)を29 mg、収率43%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm): 8.07 (1H, d, J = 8 Hz, ), 7.89 (1H, s), 7.79 (1H, d, J = 8 Hz), 7.67 (1H, m ), 7.45 (2H, m), 7.33 (2H,m ), 7.15 (1H, Br ), 6.89 (1H, t, J = 8 Hz), 6.46 (1H, d J = 9 Hz), 6.33 (1H, d, J = 8 Hz), 6.17 (1H, t, J = 6 Hz), 4.50 (1H, m), 4.38 (2H, t ,J = 7 Hz), 3.96 (4H, m), 3.79 (1H,m), 3.61 (2H, m), 3.41 (2H, t, J = 8 Hz), 2.35 (1H, m), 2.18 (1H,m), 0.88 (9H, s), 0.07 (6H, s)
IR v
max (film): 3275, 1709, 1473, 1087.
ESI-MS (m/z): 689.3 (M+H)
+ .
【0036】
製造例8:化合物(29)の製造
【化18】
化合物(27)(50 mg, 0.10 mmol) の無水ピリジン (2 mL) 溶液に、氷浴下にてクロロトリメチルシラン(33 μL, 0.26 mmol)を滴下し、室温にて攪拌した。30分後、1H−イミダゾール−1−カルボン酸2−(1−ピレニル)エチルエステル(100 mg) を加え、引き続き室温にて攪拌した。21時間後、28%アンモニア水を加え、反応を止め、クロロホルムにて抽出、有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた粗精製物をシリカゲルクロマトグラフイー(関東化学60N;クロロホルム:メタノール=50:1)にて精製し、化合物(29)を18 mg、収率24%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm): 824 (1H, d J = 9 Hz, ), 7.96 (8H, m), 7.54 (1H,s), 6.77 (1H, Br ), 6.61 (1H, m), 6.20 (1H, d J = 8 Hz, ), 6.13 (1H, d, J = 9 Hz ), 6.07 (1H, m), 4.50 (3H, m), 3.92 (2H, m), 3.79 (3H, m), 3.63 (2H, m), 3.53 (2H, m), 2.24 (1H, m), 2.17 (1H, m), 0.87 (9H, s), 0.07 (6H, s).
IR v
max (film): 3230, 1710, 1473, 1088.
ESI-MS (m/z): 763.4 (M+H)
+ .
【0037】
製造例9:化合物(30)の製造
【化19】
アルゴン気流下、化合物(26)(35 mg, 0.06 mmol) の無水ジクロロメタン
(1 mL) 溶液に、室温にて、N,N'-カルボニルジイミダゾール (18 mg, 0.11 mmol) を加え、攪拌した。2.5時間後、反応液を減圧下溶媒留去。化合物(30)を39 mg、収率98%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm): 8.19 (1H, s), 7.44 (1H, s), 7.28 (1H, s), 7.08 (1H, s), 6.78 (1H, t, J = 7.9 Hz ), 6.44 (1H,d, J = 7.9 Hz), 6.40 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.14 (1H, t, J = 6.1Hz), 5.92 (1H, Br), 5.08 (2H, s), 4.67 (1H,dd, J = 3.1 Hz, 12.5 Hz ), 4.57 (1H, dd, J = 11.6 Hz), 4.33 (1H, m), 4.11 (1H, m), 4.04 (2H,m), 3.58 (2H, m), 2.42 (1H, m), 2.23 (1H, m), 0.87 (9H, s), 0.06 (6H,s).
ESI-MS (m/z): 719.40 (M+H)
+ .
【0038】
製造例10:化合物(31)の製造
【化20】
アルゴン気流下、化合物(28)(29 mg, 0.04 mmol) の無水ジクロロメタン
(3 mL) 溶液に、室温にて、N,N'-カルボニルジイミダゾール (14 mg, 0.08 mmol) を加え、攪拌した。2.5時間後、反応液を減圧下溶媒留去。化合物(31)を32 mg、収率91%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δ(ppm): 9.21 (1H, Br), 8.19 (1H, s), 8.00 (1H, d, J = 8 Hz, ), 7.79 (1H, m), 7.67 (1H, m ), 7.41 (7H, m), 6.78 (1H, t, J = 8 Hz), 6.40 (1H, t, J = 9 Hz), 6.29 (1H, m), 6.15 (1H,m), 4.66 (1H, dd, J = 12 Hz), 4.57 (1H, m), 4.39 (1H, m), 4.31 (2H, m), 4.12 (1H,m), 3.97 (1H, m), 3.53 (2H, m), 3.37 (1H, m), 3.31 (2H, t, J = 7 Hz),2.42 (1H,m), 2.22 (1H,m), 0.86 (9H, s), 0.05 (6H, s).
ESI-MS (m/z): 783.40 (M+H)
+ .
【0039】
製造例11:化合物(32)の製造
【化21】
アルゴン気流下、化合物(29)(25 mg, 0.03 mmol) の無水ジクロロメタン
(3 mL) 溶液に、室温にて、N,N'-カルボニルジイミダゾール (11 mg, 0.06 mmol) を加え、攪拌した。2.5時間後、反応液を減圧下溶媒留去。化合物(32)を28 mg、収率96%で得た。
【0040】
実施例1:シリカゲル粒子(33)(平均粒径10μm)の製造
【化22】
化合物(30)(0.04 mmol)の無水ジクロロメタン (1 mL) 溶液にアミノ処理シリカゲル NH SMB 100−10(冨士シリシア化学株式会社製:平均粒子径:9.2 μm, 細孔容積:0.57 mL/g, 炭素含有量:4.0 wt.%)
(100 mg)、イミダゾール (11 mg, 0.16 mmol) を加え、室温にて振盪 (300 rpm) した。3日後、濾過によって分離し、クロロホルム、メタノールにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(33)を得た。
【0041】
実施例2:シリカゲル粒子(34)(平均粒径10μm)の製造
【化23】
化合物(31)(0.04 mmol)の無水ジクロロメタン (1 mL) 溶液にアミノ処理シリカゲル NH SMB 100−10(冨士シリシア化学株式会社製:平均粒子径:9.2 μm, 細孔容積:0.57 mL/g, 炭素含有量:4.0 wt.%)
(100 mg)、イミダゾール (11 mg, 0.16 mmol) を加え、室温にて振盪 (300 rpm) した。3日後、濾過によって分離し、クロロホルム、メタノールにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(34)を得た。
【0042】
実施例3:シリカゲル粒子(35)(平均粒径10μm)の製造
【化24】
化合物(32)(0.04 mmol)の無水ジクロロメタン (1 mL) 溶液にアミノ処理シリカゲル NH SMB 100−10(冨士シリシア化学株式会社製:平均粒子径:9.2 μm, 細孔容積:0.57 mL/g, 炭素含有量:4.0 wt.%)
(100 mg)、イミダゾール (11 mg, 0.16 mmol) を加え、室温にて振盪 (300 rpm) した。3日後、濾過によって分離し、クロロホルム、メタノールにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(35)を得た。
【0043】
製造例12:化合物(36)の製造
【化25】
化合物(30)(28 mg, 0.04 mmol) の無水THF (2 mL) 溶液に、3-アミノプロピルトリエトキシシラン (50μL, 0.24 mmol) を加え、室温にて攪拌した。18時間後、減圧下溶媒留去、残渣をシリカゲルクロマトグラフイー(FL-60D;ジクロロメタン)にて精製し、化合物(36)を15 mg、収率43%で得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.29 (6H, m), 6.76 (1H, t, J = 7.9, 8.2 Hz), 6.44 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.39 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.19 (1H, m) 5.79 (1H, Br), 5.19 (1H, Br), 5.10 (2H, s), 4.25 (3H, m), 3.78 (6H, q, J = 7.0 Hz), 3.58 (2H, m), 3.20 (2H, m), 2.39 (1H, m), 2.12 (1H, m), 1.19 (9H, t, J = 7.0 Hz), 0.95 (2H, m), 0.86 (9H, s), 0.62 (2H, m), 0.04 (6H, s).
ESI-MS(m/z):827.7957(M+H)
+
IR(cm
-1): 3326, 2930, 1698, 1474, 1102
【0044】
製造例13:化合物(37)の製造
【化26】
化合物(31)(30 mg, 0.04 mmol) の無水THF (1 mL) 溶液に、3-アミノプロピルトリエトキシシラン (30μL, 0.14 mmol) を加え、室温にて攪拌した。18時間後、減圧下溶媒留去、残渣をシリカゲルクロマトグラフイー(FL-60D;ジクロロメタン)にて精製し、化合物(37)を14 mg、収率38%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δppm: 9.28 (1H, s), 8.00 (1H, d, J = 8 Hz, ), 7.80 (1H, m), 7.69 (1H, m ),7.39 (5H, m), 6.78 (1H, m), 6.40 (2H,m), 6.16 (1H, m), 4.45 (1H,m), 4.26 (4H, m), 4.01 (2H, m), 3.79 (6H, m), 3.58 (1H, m), 3.43 (2H,m), 3.34 (2H, m), 3.21 (2H, m), 2.41 (1H, m), 1.97 (1H, m),1.63 (2H,m), 1.18 (9H,m), 0.87 (9H, s), 0.62 (2H, s), 0.06 (3H, s).
IR v
max (film): 3320, 1704, 1473, 1102.
ESI-MS (m/z): 937.34 (M+H)
+ .
【0045】
製造例14:化合物(38)の製造
【化27】
化合物(32)(40 mg, 0.05 mmol) の無水THF (1.5 mL) 溶液に、3-アミノプロピルトリエトキシシラン (40μL, 0.19 mmol) を加え、室温にて攪拌した。24時間後、減圧下溶媒留去、残渣をシリカゲルクロマトグラフイー(FL-60D;ジクロロメタン)にて精製し、化合物(38)を18 mg、収率36%で得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl
3) δppm: 8.10 (9H, m), 7.50 (1H,s ), 6.73 (1H, m), 6.32 (2H, m ), 6.14 (1H, t, J = 5.8 Hz), 4.43 (1H, m), 4.30 (2H,m), 4.25 (2H, m), 4.03 (1H,m), 4.30 (2H, m), 4.25 (2H, m), 4.03 (1H, m), 3.92 (2H, m), 3.78 (6H,m), 3.57 (2H, m), 3.49 (2H, m), 3.21 (2H, m), 2.34 (1H, m), 2.00 (1H,m), 1.64 (2H,m), 1.21 (9H,m), 0.87 (9H, s), 0.61 (2H, s), 0.05 (6H, s).
IR v
max (film): 3132, 1704, 1473, 1063.
ESI-MS (m/z): 1011.53 (M+H)
+ .
【0046】
実施例4:シリカゲル粒子(39)(平均粒径100nm)の製造
【化28】
マイクロシリカ (Hydro 2000G, 平均粒子径:0.1μm, Elkem Materials社製) 100 mgの精製水 (5 mL), エタノール (5 mL), 酢酸 (5 mL) の懸濁液に化合物(36)(0.01 mmol) を加え、80℃にて還流した。36時間後、減圧下エタノールを留去、酢酸溶液を飽和炭酸水素ナトリウムにて中和した。濾過によって分離し、精製水、アセトンにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(39)を得た。
【0047】
実施例5:シリカゲル粒子(40)(平均粒径100nm)の製造
【化29】
マイクロシリカ (Hydro 2000G, 平均粒子径:0.1μm, Elkem Materials社製) 100 mgの精製水 (5 mL), エタノール (5 mL), 酢酸 (5 mL) の懸濁液に化合物(37)(0.01 mmol) を加え、80℃にて還流した。36時間後、減圧下エタノールを留去、酢酸溶液を飽和炭酸水素ナトリウムにて中和した。濾過によって分離し、精製水、アセトンにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(40)を得た。
【0048】
実施例6:シリカゲル粒子(41)(平均粒径100nm)の製造
【化30】
マイクロシリカ (Hydro 2000G, 平均粒子径:0.1μm, Elkem Materials社製) 100 mgの精製水 (5 mL), エタノール (5 mL), 酢酸 (5 mL) の懸濁液に化合物(38)(0.01 mmol) を加え、80℃にて還流した。36時間後、減圧下エタノールを留去、酢酸溶液を飽和炭酸水素ナトリウムにて中和した。濾過によって分離し、精製水、アセトンにて十分に洗浄することにより、表題のシリカゲル粒子(41)を得た。
【0049】
試験例1:元素分析
シリカゲル粒子(33)〜(35)及び(39)〜(41)を元素分析に付し、得られた窒素含有%から、各粒子に含まれるプローブ分子の含有量を算出し、表1に纏めた。
【表1】
表1から明らかなように、シリカゲル粒子(35)〜(37)及び(39)〜(41)には、何れもプローブ分子が含有されていることが判った。
【0050】
試験例2:蛍光顕微鏡による観察
25μMの8-oxo-dG水溶液2μLをシリカゲル粒子(33)〜(35)に添加し、室温にて水を蒸発させた試料及び25μMのdG水溶液2μLをシリカゲル粒子(33)〜(35)に添加し、室温にて水を蒸発させた試料において蛍光反応性がどのように変化するかを、蛍光顕微鏡を用いて観察した。
尚、励起波長345nm、蛍光波長455nmで測定した。
観察の結果得られた写真を
図3に示した。
写真から明らかなように、8-oxo-dG水溶液を添加した試料は、何れも、対照(水)と比較して明らかな蛍光消光が観察されたのに対して、dG水溶液を添加した試料では、このような蛍光消光は観察されなかった。
【0051】
試験例3:8-oxo-dG認識能の評価
上記で製造したシリカゲル粒子(33)〜(35)における8-oxo-dGの認識能の評価を以下の操作で行った。
測定プレートはボリスチレン製のブラックプレートを用いた。近紫外落射光源 (365 nm)、Y515フィルタ (Y515-Di) を用いて評価した。測定に用いた核酸塩基(8-oxoG、G)の10 mMの精製水溶液を調整し、これを希釈して5 mMのストック溶液を準備し、各シリカゲル粒子上にμL単位で添加していった。自然乾燥後、冨士フィルム株式会社製の冷却CCDカメラシステム LAS4000を用いてシリカゲル粒子の蛍光強度を測定した。
検出手法…Fluorescence DAPI、光源…UV (365 nm EPI)、フィルタ…Y515-Di、感度…Standard、露出タイプ…Precision、露光時間…AUTO、トレイ位置…NO.1
シリカゲル粒子(33)における8-oxo-dG及びdGの濃度に対する蛍光相対強度のグラフを
図4の左に示し、この際の8-oxo-dG濃度に対する消光率をhillプロットに変換したグラフを
図4の右に示し、シリカゲル粒子(34)における8-oxo-dG及びdGの濃度に対する蛍光相対強度のグラフを
図5の左に示し、この際の8-oxo-dG濃度に対する消光率をhillプロットに変換したグラフを
図5の右に示し、シリカゲル粒子(35)における8-oxo-dG及びdGの濃度に対する蛍光相対強度のグラフを
図6の左に示し、この際の8-oxo-dG濃度に対する消光率をhillプロットに変換したグラフを
図6の右に示した。
図10〜12の左図から、シリカゲル粒子(33)〜(35)は、何れも8-oxo-dGの濃度が高くなるに従って、蛍光強度が減少し、一方、dGの濃度は、蛍光強度に殆ど影響しないことが判った。
また、シリカゲル粒子(33)〜(35)における8-oxo-dG濃度対蛍光消光率のhillプロットを示す
図4〜6の右図は、何れも良好な直線性を示しており、8-oxo-dGに対して濃度依存的に蛍光消光することが実証された。
また、このことからグラフにおける8-oxo-dGの最低濃度である25nM以上であれば定量検定できることが判り、そのため、シリカゲル粒子(33)〜(35)は、一般に、8-oxo-dGの濃度が10−20ng/mL(35−70nM)程度と報告されている尿の定量検定においても十分に使用可能であることが判った。
【0052】
試験例4:8-oxo-dGとdGの競合試験
上記で製造したシリカゲル粒子(33)〜(35)に、2.5pmolの8-oxo-dGと種々の異なる濃度(0、2.5、5、12、5、25、50、125、250pmol)のdGの両方を添加して、その際の蛍光強度を測定し、8-oxo-dGによる蛍光消光に対するdGの影響を評価した。
結果として得られたグラフを
図7に示した。
図7から明らかなように、シリカゲル粒子(33)〜(35)における、8-oxo-dGによる蛍光消光は、dGの影響を殆ど受けないことが判った。
このことから、シリカゲル粒子(33)〜(35)は、8-oxo-dGとdGの両方を含む水性の検体溶液から、dGの濃度に殆ど影響されることなく、8-oxo-dGを高感度で定量検定し得ることが明らかとなった。
【0053】
試験例5:マルチプレートリーダーを使った濃度依存的な輝度減衰率の確認試験
1)実験操作
平均粒径10μmであるシリカゲル粒子(33)40ngの水性懸濁液4μLを、384ウェルタイプのマイクロプレート(コーニング社製)の各ウェルに添加した。
その後、50℃の乾熱オーブン(EYELA NDO-601SD)内に2時間静置し、水分を蒸散させることでシリカゲル粒子をウェル表面に乾着させた。
次に、水性の検体溶液(8-oxo-dGの標準品(和光純薬)の水溶液)2μL(8-oxo-dG濃度:0ng/mL、1ng/mL、2ng/mL、4ng/mL、20ng/mL、100ng/mL、500ng/mL、各濃度4ウェル)を添加し、50℃の乾熱オーブン内に静置した。
検体溶液添加前の光学濃度(OD)の平均値(N=4)を基準として、添加後30分、1時間、2時間、3時間、4時間におけるODの平均値(N=4)から各時間の輝度の減衰率を導きだした。
2)測定条件
装置: マイクロプレートリーダー MTP-880 Lab (コロナ電気株式会社)
励起波長:365nm
測定波長:450nm
フラッシュ回数:100
測定感度: x1
ミキシング: 5秒、直線
8-oxo-dG濃度0〜500ng/mLでの各時間における測定結果のグラフを
図8に示し、8-oxo-dG濃度0〜20ng/mLでの各時間における測定結果のグラフを
図9に示した。
また、平均粒径10μmであるシリカゲル粒子(33)40ngの水性懸濁液4μLに代えて平均粒径100nmであるシリカゲル粒子(39)160ngの水性懸濁液4μLを用いた以外は上記と同様の操作を行い、その際の、8-oxo-dG濃度0〜500ng/mLでの各時間における測定結果のグラフを
図10に示し、8-oxo-dG濃度0〜20ng/mLでの各時間における測定結果のグラフを
図11に示した。
3)結果
平均粒径10μmであるシリカゲル粒子(33)を用いた場合、検体溶液添加後1時間で、8-oxo-dG濃度0〜500ng/mLにおいて、また、8-oxo-dG濃度0〜20ng/mLにおいても、輝度の減衰率と相関する(8-oxo-dG濃度が高くなるほどOD値が減少する)ことが判った(
図8及び
図9参照)。
このように、検体溶液添加後1時間でのOD値を測定することにより、例えば、8-oxo-dG濃度0〜20ng/mLという非常に低濃度の検体溶液においても、正確に8-oxo-dGを定量検出できることが判った。
平均粒径100nmであるシリカゲル粒子(39)を用いた場合、8-oxo-dG濃度100〜500ng/mLにおいては、輝度の減衰率と相関する(8-oxo-dG濃度が高くなるほどOD値が減少する)ことが判った(検体溶液添加後30分〜4時間)ものの、8-oxo-dG濃度20〜500ng/mLにおいては、輝度の減衰率と相関するというデータは得られなかった(
図10及び
図11参照)。
しかし、8-oxo-dG濃度0〜20ng/mLにおけるOD値の変化を示す
図11から、1〜4ng/mLという低濃度においてそれぞれ異なる時間に発光する(OD値が100%を超える)という現象が観察され、即ち、1ng/mLでは1時間後に発光し、2ng/mLでは2時間後に発光し、4ng/mLでは、3時間後に発光するという現象が観察された。
従って、例えば、1〜4ng/mLという非常に低い濃度の検体溶液においても、発光時間を測定することにより、非常に高い感度で8-oxo-dGを定量検出できる可能性が示唆された。
4)まとめ
8-oxo-dGの認識分子を担持したシリカゲル粒子の輝度減衰は、標準8-oxo-dGの濃度と乾燥時間に依存して合理的に変化した。また、平均粒径が10μmであるシリカゲル粒子よりも平均粒径が100nmであるシリカゲル粒子の方が、高感度の測定に適する可能性が示唆された。
【0054】
試験例6:HPLC用分離カラムとしての実用性(8-oxo-dGの保持能の検討)
1)実験操作
HPLCのプレカラムに平均粒径10μmであるシリカゲル粒子(33)10mgを装填し、HPLCにて8-oxo-dGの分離同定をした。
2)測定条件
機器: HTEC-500(エイコム社)(8-oxo-dGは電気化学的に検出)
ODSカラム: CA-5ODS, 2.1φ x 150mm
プレカラム: 分離用の ODS粒子(5μm)100mgに加え、シリカゲル粒子(33)10mgを充填
移動相: リン酸緩衝液(pH6.5-6.8)、メタノール 2%、SDS 90mg/L
試薬: 8-oxo-dG(和光純薬)、500ng/mLの10μLを注入
3)結果
8-oxo-dGの保持時間は、プレカラムにシリカゲル粒子(33)を使用しない場合には28.09分であったものが、プレカラムにシリカゲル粒子(33)を充填した場合には29.00分となり、3.2%遅延される(遅延率:3.2%)ことが判った。
また、8-oxo-dGのピーク値は、プレカラムにシリカゲル粒子(33)を使用しない場合には43.96mVであり、プレカラムにシリカゲル粒子(33)を使用した場合にも44.22mVであり、ピーク減衰は観察されなかった。
4)まとめ
8-oxo-dGの認識分子を化学的に担持させたシリカゲル粒子(33)をHPLCの流路中に配置することで、8-oxo-dGのピーク出現は遅延するが、ピーク値の減衰はなかった。HPLC+ECD(電気化学検出)で8-oxo-dGを検出する場合、移動相として今回使用したようなメタノール添加のリン酸緩衝液が一般的であるが、シリカゲル粒子(33)は、同緩衝液中の8-oxo-dGに対しても一定の親和性を示し、分離カラム用の充填剤としての有用性が示された。