特許第5940090号(P5940090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5940090拡張股パネルを有する吸収性ボクサーショーツおよびその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940090
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】拡張股パネルを有する吸収性ボクサーショーツおよびその作製方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20160616BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   A41B13/02 S
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-546068(P2013-546068)
(86)(22)【出願日】2010年12月20日
(65)【公表番号】特表2014-500126(P2014-500126A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】SE2010051438
(87)【国際公開番号】WO2012087196
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2013年12月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ベーク
(72)【発明者】
【氏名】トニー・カールソン
(72)【発明者】
【氏名】レナルト・ニルソン
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2004/062398(JP,A1)
【文献】 特表2006−509116(JP,A)
【文献】 米国特許第05669902(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00
A61F 13/15 〜 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側本体パネル(12)と、後側本体パネル(13)と、前記前側本体パネルと前記後側本体パネルとの間に位置する股パネル(14)と、少なくとも前記股パネルに配置された吸収性コア(16)と、前記前側本体パネルを前記後側本体パネルにつなぐサイドシーム(19、20)と、1対の脚用開口(22、23)と、垂下脚部(24、25)とを含む衣類シェル(11)を備える、ボクサーショーツの形態の吸収性パンツ物品を作製する方法であって、
前記物品が、長手(y)方向および横(x)方向を有し、前記前側本体パネル(12)、前記後側本体パネル(13)および前記股パネル(14)のそれぞれが、弾性ウェブ材製であり、前記脚用開口(22、23)が、前記股パネルに配置され、前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネル内には延在せず、前記サイドシーム(19、20)は前記股パネル内に延在し、前記物品の前記サイドシーム(19、20)間の前記横方向(x)で測定された、前記弾性ウェブ材が弛緩状態にある前記股パネルの幅は、前記物品の前記サイドシーム間で測定された、それぞれの前記弾性ウェブ材が弛緩状態にある前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも7%大きい、方法において、
前記方法が、
前記股パネル(14)を形成するように意図された第1の弾性ウェブ材(14a)と、前記前側本体パネル(12)を形成するように意図された第2の弾性ウェブ材(12a)と、前記後側本体パネル(13)を形成するように意図された第3の弾性ウェブ材(13a)と、を準備するステップであって前記第1の弾性ウェブ材、前記第2の弾性ウェブ材、および前記第3の弾性ウェブ材それぞれは、弛緩状態にあるときにはそれぞれ一定した幅を有するステップと、
前記第1の弾性ウェブ材(14a)を前記第2の弾性ウェブ材(12a)および前記第3の弾性ウェブ材(13a)のそれぞれに取り付けるステップであって、互いに取り付けられるときに、前記第2および第3の弾性ウェブ材(12a、13a)のうちの少なくとも1つが伸長状態保持されるとともに、前記第1の弾性ウェブ材(14a)が、弛緩状態、または前第2または第3の弾性ウェブ材(12a、13a)と比べてそれほど伸長されていない状態ある、ステップと、
前記脚用開口(22、23)を前記第1の弾性ウェブ材(14a)に設けるステップと、
前記吸収性コア(16)を少なくとも前記第1の弾性ウェブ材に取り付けるステップと、
前記第2の弾性ウェブ材と前記第3の弾性ウェブ材とを一緒に取り付けて前記サイドシーム(19、20)を形成するステップであって、前記サイドシームは、前記第1の弾性ウェブ材内に延在するステップと、
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第1の弾性ウェブ材(14a)が、前記第2の弾性ウェブ材(12a)および前記第3の弾性ウェブ材(13a)のうちの前記少なくとも1つと同一の種類または異なる種類であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項3】
クサーショーツの形態の吸収性パンツ物品を作製する方法であって、前記ボクサーショーツが、前側本体パネル(12)と、後側本体パネル(13)と、前記前側本体パネルと前記後側本体パネルとの間に位置する股パネル(14)と、少なくとも前記股パネルに配置された吸収性コア(16)と、前記前側本体パネルを前記後側本体パネルにつなぐサイドシーム(19、20)と、1対の脚用開口(22、23)と、垂下脚部(24、25)とを含む衣類シェル(11)を備え、前記物品は、長手(y)方向および横(x)方向を有し、前記前側本体パネル(12)、前記後側本体パネル(13)および前記股パネル(14)のそれぞれが、弾性ウェブ材製であり、前記脚用開口(22、23)が、前記股パネルに配置され、前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネル内には延在せず、前記サイドシーム(19、20)は前記股パネル内に延在し、前記物品の前記サイドシーム(19、20)間の前記横方向(x)で測定された、前記弾性ウェブ材が弛緩状態にある前記股パネルの幅は、前記物品の前記サイドシーム間で測定された、それぞれの前記弾性ウェブ材が弛緩状態にある前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも7%大きい、方法において、
前記方法が、
前記前側パネル(12)、前記後側パネル(13)および前記股パネル(14)を形成するように意図された弾性ウェブ材(27)を準備するステップと、
前記股パネルを形成するように意図された区域における前記弾性ウェブ材が、前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルを形成するように意図された区域における前記弾性ウェブ材の寸法を超える寸法を有するように、前記股パネルを形成するように意図された区域における前記弾性ウェブ材に、前記弾性ウェブ材を前記吸収性パンツの横(x)方向を形成するように意図された方向に延伸または変形させる処置を加えるステップと、
前記脚用開口(22、23)を前記股パネル区域に設けるステップと、
前記吸収性コア(16)を少なくとも前記股パネル区域に取り付けるステップと、
前記前側パネル区域と前記後側パネル区域とを一緒に取り付けて前記サイドシーム(19、20)を形成するステップと、
を含み、前記サイドシームは、前記股パネル区域内に延在することを特徴とする、方法。
【請求項4】
前記物品の、前記サイドシーム(19、20)間で測定された、前記第1の弾性ウェブ材の弛緩状態における前記股パネルの前記幅が、前記物品の前記サイドシーム間で測定された、前記第2および第3の弾性ウェブ材それぞれの弛緩状態における前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルのうちのいずれかの前記幅よりも少なくとも10%大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記物品の、前記サイドシーム(19、20)間で測定された、前記第1の弾性ウェブ材の弛緩状態における前記股パネルの前記幅が、前記物品の前記サイドシーム間で測定された、前記第2および第3の弾性ウェブ材それぞれの弛緩状態における前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルのうちのいずれかの前記幅よりも100%以上大きいことはないことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記物品の、前記サイドシーム(19、20)間で測定された、前記第1の弾性ウェブ材が弛緩状態における前記股パネルの前記幅が、前記物品の前記サイドシーム間で測定された、前記第2および第3の弾性ウェブ材それぞれの弛緩状態における前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルのうちのいずれかの前記幅よりも10〜70%、好ましくは20〜40%大きいことを特徴とする、請求項1、2、4、および5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記股パネル(14)の前記第1の弾性ウェブ材が、前記前側本体パネル(12)の第2の弾性ウェブ材および前記後側本体パネル(13)の第3の弾性ウェブ材のうちの少なくとも1つと同一の種類であることを特徴とする、請求項1、2、4、5、および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記股パネル(14)の前記第1の弾性ウェブ材が、前記前側本体パネル(12)の第2弾性ウェブ材および前記後側本体パネル(13)の第3の弾性ウェブ材のうちの少なくとも1つとは異なる種類であることを特徴とする、請求項1、2、4、5、および6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サイドシーム(19、20)が少なくとも10mm、好ましくは少なくとも20mm、前記股パネル(13)内に延在することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の弾性ウェブ材、前記第2の弾性ウェブ材、および前記第3の弾性ウェブ材は、少なくとも1つの繊維層と、少なくとも1つの薄膜層と、を備える弾性積層体であることを特徴とする、請求項1、2、4、5、6、7、および8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記弾性ウェブ材が、少なくとも1つの繊維層と、少なくとも1つの薄膜層とを備える弾性積層体であることを特徴とする、請求項3または9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前側本体パネルと、後側本体パネルと、前側本体パネルと後側本体パネルとの間に位置する股パネルと、少なくとも股パネルに配置された吸収性コアと、前側ウエスト縁部と、後側ウエスト縁部と、前側本体パネルを後側本体パネルにつなぐサイドシームと、1対の脚用開口と、垂下脚部とを含む衣類シェルを備えるボクサーショーツの形態の吸収性物品に言及する。さらに、本発明は、ボクサーショーツの形態の吸収性物品を作製する方法に言及する。
【背景技術】
【0002】
パンツ型おむつ、衛生パンツおよび失禁パンツのような吸収性パンツ物品は、快適なフィット性を有し、また、着用者または介護者がこの物品を容易に取り付け、汚れていたときには容易に取り外すことを可能にするために、着用者の腰回り上に引き上げ、引き下げることができる。従来の下着類と似ているボクサーショーツの形態の吸収性パンツ物品が、多くのユーザに好まれている。しかし、使い捨ての吸収性ボクサーショーツは、製造上の問題を引き起こし、製品設計は、しばしば費用および製造の面によって損なわれる。このことは、一部には、低価格の使い捨て吸収性物品を作製できるようにするためには高い製造速度が必要であることによる。
【0003】
特許文献1は、たとえば、使い捨て吸収性物品の形態のボクサーショーツの作製方法を開示している。このボクサーショーツの衣類シェルは、中に脚用開口を有する平坦ウェブから形成される。平坦ウェブは垂下脚部を提供するために股領域において収縮し、サイドシームが形成されてボクサーショーツ型パンツが作られる。
【0004】
特許文献2は、ボクサーショーツおよびその作製方法を開示している。股領域および/または後側領域は、その前側領域および/または後側領域中の衣類シェルウェブに取り付けられた個別の1枚の材料の形態の拡張可能な材料を含む。
【0005】
しかし、特に、快適さおよびフィット性を脚用開口および垂下脚部にもたらすことに関して、ボクサーショーツ型吸収性物品の製品設計を改良する必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,198,688号明細書
【特許文献2】欧州特許第1793780号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第035 818号明細書
【特許文献4】国際公開第03/047488号
【特許文献5】国際公開第2005/122985号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一目的は、上記問題への解決策を提供することであり、本発明によれば、前記前側本体パネル、前記後側本体パネルおよび前記股パネルのそれぞれが、弾性ウェブ材製であり、脚用開口が股パネルに配置され、前側本体パネルおよび後側本体パネル内には延在せず、前記サイドシームが股パネル内に延在し、また、物品のサイドシーム間で測定された、その弾性ウェブ材が弛緩状態の股パネルの幅は、物品のサイドシーム間で測定された、それぞれの弾性ウェブ材が弛緩状態の前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも7%大きい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
物品のサイドシーム間で測定された、その弾性ウェブ材が弛緩状態の股パネルの幅は、物品のサイドシーム間で測定された、それぞれの弾性ウェブ材が弛緩状態の前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも10%大きくすることができる。
【0009】
物品のサイドシーム間で測定された、その弾性ウェブ材が弛緩状態の股パネルの幅は、物品のサイドシーム間で測定された、それぞれの弾性ウェブ材が弛緩状態の前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも100%以下、好ましくは10から70%、より好ましくは20から40%大きくすることができる。
【0010】
股パネルにおける弾性ウェブ材は、前側本体パネルおよび後側本体パネルの弾性ウェブ材に取り付けられた個別の弾性ウェブ材とすることができる。
【0011】
前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの前記少なくとも1つの少なくとも弾性ウェブ材が伸長状態で保持され、また、股パネルにおける弾性ウェブ材が、弛緩状態、または前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの前記少なくとも1つにおける弾性ウェブ材と比べてそれほど伸長されない状態である間に、股パネルにおける弾性ウェブ材が、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの前記少なくとも1つにおける弾性ウェブ材に結合され得る。
【0012】
股パネルにおける弾性ウェブ材は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの少なくとも1つにおける弾性ウェブ材と同一の種類とすることができる。
【0013】
股パネルにおける弾性ウェブ材は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの少なくとも1つにおける弾性ウェブ材とは異なる種類とすることができる。
【0014】
股パネルにおける弾性ウェブ材は、前側本体パネルおよび後側本体パネルにおける弾性ウェブ材と同一で一体であってもよく、また、股パネルの幅が前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも大きくなるように股パネルにおける弾性ウェブ材をパンツ物品の横方向に延伸または変形させる処置が加えられている。
【0015】
前記サイドシームは、少なくとも10mm、好ましくは少なくとも20mm股パネル内に延在することができる。
【0016】
前側パネル、後側パネルおよび股パネルにおける弾性ウェブ材は、少なくとも1つの繊維層と、少なくとも1つの薄膜層とを備える弾性積層体とすることができる。
【0017】
さらに、本発明は、ボクサーショーツの形態の吸収性パンツ物品の作製方法であって、前記ボクサーショーツが、前側本体パネルと、後側本体パネルと、前側本体パネルと後側本体パネルとの間に位置する股パネルと、少なくとも股パネルに配置された吸収性コアと、前側ウエスト縁部と、後側ウエスト縁部と、前側本体パネルを後側本体パネルにつなぐサイドシームと、1対の脚用開口と、垂下脚部とを含む衣類シェルを備える、方法において、前記方法が、前記股パネルを形成するように意図された弾性ウェブ材を準備するステップと、前記前側本体パネルおよび前記後側本体パネルを形成するように意図された弾性ウェブ材を準備するステップと、股パネルウェブ材を前側パネルウェブ材および後側パネルウェブ材のそれぞれに取り付けるステップであって、互いに取り付けられるときに、前側本体パネルおよび後側本体パネルを形成する弾性ウェブ材のうちの少なくとも1つが、伸長状態で保持され、股パネルを形成する弾性ウェブ材が、弛緩状態または前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの前記少なくとも1つを形成する弾性ウェブ材と比べてそれほど伸長されない状態である、ステップと、脚用開口を股パネルウェブ材に設けるステップと、吸収性コアを少なくとも股パネルウェブ材に取り付けるステップと、前側パネルウェブ材と後側パネルウェブ材とを一緒に取り付けて前記サイドシームを形成するステップとを含み、前記サイドシームは、股パネルウェブ材内に延在する、方法に言及する。
【0018】
股パネルウェブ材は、前側パネルウェブ材および後側パネルウェブ材のうちの前記少なくとも1つと同一の種類であっても、または異なる種類であってもよい。
【0019】
さらに、本発明は、ボクサーショーツの形態の吸収性パンツ物品を作製する方法であって、前記ボクサーショーツが、前側本体パネルと、後側本体パネルと、前側本体パネルと後側本体パネルとの間に位置する股パネルと、少なくとも股パネルに配置された吸収性コアと、前側ウエスト縁部と、後側ウエスト縁部と、前側本体パネルを後側本体パネルにつなぐサイドシームと、1対の脚用開口と、垂下脚部とを含む衣類シェルを備えることができ、前記方法が、前記前側パネル、前記後側パネルおよび前記股パネルを形成するように意図された弾性ウェブ材を準備するステップと、股パネルを形成するように意図された区域における弾性ウェブ材が前側本体パネルおよび後側本体パネルを形成するように意図された区域における弾性ウェブ材の寸法を超える寸法を有するように、股パネルを形成するように意図された区域における弾性ウェブ材に、この弾性ウェブ材を吸収性パンツの横(x)方向を形成するように意図された方向に延伸させることになる処置を加えるステップと、脚用開口を股パネル区域に設けるステップと、吸収性コアを少なくとも股パネル区域に取り付けるステップと、前側パネル区域と後側パネル区域とを一緒に取り付けて前記サイドシームを形成するステップとを含み、前記サイドシームは股パネル区域内に延在する、方法に言及する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による1枚のボクサーショーツの一実施形態の正面図である。
図2A】吸収性組立体が取り付けられた、第1の実施形態に従って組み立てられる衣類シェルウェブの平面図である。
図2B】脚用裁断部が中に作製された、組み立てられる衣類シェルウェブを示す図である。
図3】吸収性組立体が取り付けられた、第2の実施形態に従って組み立てられる衣類シェルウェブの平面図である。
図4】特許請求される寸法を有する1枚のボクサーショーツを概略的に示す図である。
図5A】ボクサーショーツの作製工程を概略的に示す図である。
図5B】ボクサーショーツの作製工程を概略的に示す図である。
図6】ボクサーショーツの異なる作製工程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、添付の図面に示されるいくつかの実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0022】
図1は、ボクサーショーツの形態の吸収性パンツ10の一実施形態を示す。用語「吸収性パンツ」とは、尿、糞便および月経液のような身体滲出物を吸収し収容するために着用者の肌に当てられるパンツ製品を指す。本発明は、使用後に洗濯または他の方法で吸収性パンツとして再生もしくは再利用するためのものではない物品を意味する、使い捨て吸収性パンツに主に言及する。本発明によれば、ボクサーショーツの形態のパンツ型吸収性物品が言及される。「ボクサーショーツ」は、垂下脚部を有するパンツを指す。このボクサーショーツは、パンツ型おむつ、女性用ケアパンツ、失禁パンツ、使い捨て水着など、多くの用途を有することができる。
【0023】
パンツは、前側本体パネル12と、後側本体パネル13と、前側本体パネルと後側本体パネルとの間に位置する股パネル14とを含む衣類シェル11を備える。前側パネル12および後側パネル13は、ウエスト開口21ならびに垂下脚部24および25を有する1対の脚用開口22および23を有する3次元パンツ形状を画定するためにサイドシーム19および20で一緒に結合される。サイドシームは、超音波溶接、熱接合、接着剤での接着などのような、あらゆる従来の様式で形成することができる。
【0024】
脚用開口22および23は、股パネル に形成され、前側本体パネル12および後側本体パネル13内には延在しない。サイドシーム19および20は股パネル14内に延在し、この股パネル14は垂下脚部24および25を形成する。好ましくは、サイドシーム19および20は、少なくとも10mm、好ましくは少なくとも20mm股パネル内に延在する。
【0025】
前側本体パネル12、後側本体パネル13および股パネル14は、弾性ウェブ材製であり、以下でより詳細に説明される。股パネル14は、たとえば図1および図2A図2Bに示されるように、前側本体パネル12および後側本体パネル13の弾性ウェブ材にシーム26および27に沿って取り付けられた個別の弾性ウェブ材とすることができる。シーム26および27は、超音波溶接、熱接合、接着剤での接着などのような、あらゆる従来の様式で形成することができる。あるいは、股パネル14は、図3に示すように前側本体パネル12および後側本体パネル13と一体である。
【0026】
吸収性コア16を備えるコア領域15は、股パネル14に配置され前側パネル12および後側パネル13内に延在する。吸収性コア16は、透液性上面シート17と不透液性背面シート18との間に封入される。
【0027】
パンツ10は、弾性ウエストバンド21aをさらに備える。ウエストバンド21aは、弾性糸などの弾性部材14により弾性をもたせた不織材を含んでいてもよく、この弾性部材14は、不織材などの材料層の間に収縮可能に固定される。ウエストバンド21aは、超音波溶接、熱接合、接着剤での接着などのような、あらゆる従来の様式で前側パネル12および後側パネル13のウエスト縁部に結合される。
【0028】
パンツは、長手方向yおよび横方向xを有する。
【0029】
以下において、パンツの他の構成要素の説明を示す。
【0030】
上面シート
透液性上面シート17は、不織材、たとえばスパンボンド不織材、メルトブローン不織材、カード式不織材、水流交絡不織材、湿式不織材などからなり得る。適した不織材は、木材パルプもしくは綿繊維などの天然繊維や、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビスコースなどの人工繊維から構成するか、または天然繊維と人工繊維との混合物から構成することができる。上面シート材は、たとえば特許文献3に開示されるように、ある接合パターンで互いに接合することができるトウ繊維(tow fiber)からさらに構成されてもよい。上面シート材のさらなる例は、多孔質発泡体、有孔プラスチックフィルム(apertured plastic film)などである。上面シート材に適した材料は、柔らかで肌に刺激がなく、体液、たとえば尿または月経液が容易に浸透されるものであるべきである。上面シートは吸収性物品の異なる部分では異なっていてもよい。
【0031】
背面シート
不透液性背面シート18は、薄いプラスチックフィルム、たとえばポリエチレンフィルムもしくはポリプロピレンフィルム、不透液性材料で被覆された不織材、耐透液性である疎水性不織材またはプラスチックフィルムと不織材とを含む積層体など不透液性材料のものである。不透液性背面シート18は、液体が吸収性コアを通過するのを防止したままでありながら、蒸気が吸収性コアから放出されることを可能にするように通気性であってもよい。通気性背面シート材の例は、多孔性ポリマーフィルム、スパンボンド不織層とメルトブローン不織層とによる不織積層体、多孔性ポリマーフィルムと不織体とによる積層体である。背面シート材18は、好ましくは非弾性である。
【0032】
吸収性コア
吸収性コア16は、あらゆる従来の種類のものとすることができる。一般に存在する吸収性材料の例は、セルロース綿毛パルプ、織物層、高吸収性ポリマー(いわゆる超吸収体)、吸収性発泡材、吸収性不織材などである。1つの吸収性コア中でセルロース綿毛パルプを超吸収性ポリマーと組み合わせることは一般的である。超吸収性ポリマーは、自重の少なくとも約20倍の、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む水溶液を吸収することができる水膨張性、水不溶性の有機材料または無機材料である。超吸収性材料としての使用に好適な有機材料には、多糖、ポリペプチドなどの天然材料、ならびに合成ヒドロゲルポリマーなどの合成材料を含むことができる。そのようなヒドロゲルポリマーは、たとえばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピリジンなどのアルカリ金属塩を含む。他の好適なポリマーは、加水分解アクリロニトリルグラフトデンプン、アクリル酸グラフトデンプン、イソブチレン無水マレイン酸コポリマーおよびその混合物を含む。ヒドロゲルポリマーは、好ましくは材料を実質的に水不溶性にするために軽度に架橋される。好ましい超吸収性材料はさらに表面架橋され、その結果、外側面またはシェルの超吸収性粒子、繊維、薄片、スフィアなどが、内側部分の超吸収体よりも高い架橋密度を有する。超吸収性材料は、粒子、繊維、薄片、スフィアなどを含む吸収性複合体の使用に好適なあらゆる形態とすることができる。
【0033】
高い吸収性容量は、多量の超吸収性材料を使うことによって実現される。マトリクス状のセルロース繊維などの親水性繊維と、超吸収性材料とを含む吸収性コアに関して、超吸収性材料の比率は、好ましくは10から90重量%、より好ましくは30から70重量%である。
【0034】
吸収性物品において、液体の受容容量、液体の分散容量および貯蔵容量に対する様々な特性の層を備える吸収性コアを有することは一般的である。たとえば乳児用おむつおよび失禁ガードで一般的である薄い吸収性本体は、しばしば、セルロース綿毛パルプおよび超吸収性ポリマーを圧縮、混合、または層状にした構造を含む。吸収性コアの大きさおよび吸収容量は、幼児用または成人の失禁者用など異なる使用に適するように変更することができる。
【0035】
吸収性コアは、主要吸収性本体の上部に置かれた捕捉分散層をさらに含むことができ、この捕捉分散層は、排泄された液体を素早く受け入れ、主要吸収性本体によってこの液体が吸収される前に一時的に貯蔵するように構成される。そのような捕捉分散層は当技術分野においてよく知られており、多孔性の繊維状詰め物または発泡材から構成することができる。
【0036】
弾性ウェブ材
衣類シェル11の前側本体パネル12および後側本体パネル13ならびに股パネル14は、少なくとも物品の横x方向に弾性である弾性ウェブ材を備える。x方向への弾性は、以下で特定する弾性試験によって測定したときに、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%であるべきである。
【0037】
また、弾性積層材は、物品のy方向に弾性であってもよい。しかし、y方向への弾性は、好ましくはx方向への弾性よりも低い。
【0038】
弾性ウェブ材は、弾性積層材とすることができる。そのような弾性積層体は、不織層および/または薄膜層の形態の少なくとも2つのウェブ形材料層から構成され得る。積層体におけるウェブ形材料層のうちの少なくとも1つは、弾性である。あるいは、弾性積層材は、ウェブ形材料、たとえば不織材の間に延伸された状態で収縮可能に固定された、弾性糸または弾性条片などの複数の伸長する弾性部材を含むことができる。以下に示し、説明する実施形態では、弾性積層体は、繊維材である第1および第2の外側層ならびに前記外側層の間に配置された中間弾性薄膜層から構成される。
【0039】
外側繊維層は、積層体に柔らかで布のような感触を提供することが望ましい。外側繊維層として使用される好適な材料の例は、カード式ウェブ、スパンボンド材、およびちりめん状にしたまたはしわを付けた不織体である。繊維材層の坪量は、10から35g/m、好ましくは12から30g/m、より好ましくは15から25g/mとするべきである。繊維材に使用される好適なポリマーの例は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレンならびに他のポリオレフィンのホモポリマーおよびコポリマーである。天然繊維、たとえば綿も、要求される特性を提供する限りは使用することができる。ポリマーの混合物は、不織層のより高い可撓性に寄与することができ、このことにより、不織材に最大荷重でより高い伸びが与えられる。ポリエチレンポリマーおよびポリプロピレンポリマーの混合物が、この点について良好な結果をもたらすことがわかっている。異なるポリマーからなる繊維を混合することもまた可能である。また、共役繊維を使用することもでき、ここでは、2つ以上のポリマーが、共役繊維の断面全体にわたって位置する個別の帯域に配置される。共役繊維は、複合繊維または多成分繊維のことも指す。
【0040】
本発明の一実施形態による中間層は、20から80g/m、好ましくは20から60g/mの坪量を有する有孔弾性薄膜とすることができる。この薄膜は、天然でも合成でも、あらゆる好適な弾性ポリマーとすることができる。弾性薄膜のための好適な材料のいくつかの例は、低結晶性ポリエチレン、メタロセン触媒低結晶性ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、ポリイソプレン、ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレンブロックコポリマー、たとえば、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)またはスチレン/エチレン-ブタジエン/スチレンブロックコポリマーである。これらのポリマーのブレンドならびに他の変性エラストマ材料または非エラストマ材料を使用することもできる。好適な薄膜の一例は、PE−SEBS−PEの有孔3層エラストマ薄膜である。
【0041】
積層体の総坪量は、好ましくは120g/m以下、好ましくは110g/m以下、より好ましくは100g/m以下である。
【0042】
弾性積層体の一例は、特許文献4に開示される方法であって、1つのスパンボンド層が粘着状態で薄膜に施され、したがって薄膜層に接合することになり、一方で他のスパンボンド層が、たとえば感圧性ホットメルト接着剤を使用してこの薄膜層に接着して積層される方法により製造される。あるいは、積層体は、この知られている方法の変更した形態により製造され、この変更形態には、非弾性不織層のうちの少なくとも1つに対してある強度を保持するために、不織層のうちの少なくとも1つの最高荷重における伸び未満の点まで積層体を(噛合ギヤ(intermeshing gears)、IMGにより)一定増分で引き伸ばすことを含む。また、他の層は、最高荷重におけるその層の伸び未満の点まで、または、引き伸ばす間に引き裂かれる点まで引き伸ばすことができる。
【0043】
特許文献4に開示される方法には、非弾性層が完全に破断するように繊維材が破損する点を超えて積層体を引き伸ばすことを含む。したがって、特許文献4に記載されるように、積層体の伸びは非弾性材の伸び係数によって制限されない。
【0044】
修正した本方法によれば、弾性薄膜に接合された少なくとも1つ、好ましくは両方の繊維層は、特許文献4に記載された方法とは対照的に、本発明による積層体の製造時に完全に引き裂かれない。弾性積層体の弾性よりも大きい最大荷重における伸びを有する繊維材を選択することで、繊維層によって妨げられることなく弾性薄膜を引き伸ばすことを可能にする。また、そのような選択により、製造中に繊維層は完全に引き裂かれることも、破断もしないので、繊維層が、積層体のあな開け強さ(puncture resistance)に寄与することを確実にする。好ましくは、繊維層または繊維層のうちの少なくとも1つは、積層体の弾性よりも少なくとも10%高い最大荷重における伸びを有する。このことは、特許文献5により詳細に記載されている。
【0045】
代替実施形態では、積層体は、不織ウェブの形態の第1の繊維層を接合ニップ内に送り込み、弾性薄膜を形成する溶融ポリマーをダイを通してニップ内に押し出すことによって製造される。第1の繊維層および弾性薄膜が、第1の積層体を形成する。第2の積層ステップでは、第1の積層体の薄膜側を接着剤で被覆または接着剤を吹き付け、続いて第2の繊維層と共に第2の接合ニップを通過させて積層体を形成する。続いて、積層体は、噛合ギヤ、IMGを通過させることによる、一定増分の引伸ばしにかけることによって有効になる。
【0046】
さらなる実施形態では、繊維材である第1の層および弾性薄膜層は、繊維材である第1の層を一定増分で引き伸ばし、部分的に引き裂くことによって弾性状態にされている第1の弾性積層体の部品を形成し、第1の積層体は引き伸ばされた状態で、繊維材である第2の層に接合されている。この結果得られた積層体は、弾性的に伸縮可能となる。
【0047】
またさらなる実施形態では、繊維材である第1および第2の層は、弾性薄膜層が引き伸ばされた状態で、この弾性薄膜層に接合されている。この結果得られた積層体は、弾性的に伸縮可能となる。
【0048】
弾性積層体11が、24時間で少なくとも1500g/m、好ましくは24時間で少なくとも3000g/mのASTM E96−00 Procedure Dによる通気性(水蒸気透過率)を有することがさらに好ましい。
【0049】
ボクサーショーツの実施形態
本発明によるボクサーパンツは、横方向xでみると、弾性ウェブ材の弛緩状態では、前側本体パネル区域12および後側本体パネル区域13の幅よりも、股パネル区域14の方が大きい幅を有する。このことにより、通常は、たとえばウエスト区域よりも大きな幅を必要とする脚用開口区域におけるフィット性および快適さが保証されることになる。それぞれの弾性ウェブ材が弛緩状態で測定されるときの、パンツ物品のサイドシーム19とサイドシーム20との間の距離として測定した幅AおよびBを図4に示す。股パネルにおけるサイドシーム19とサイドシーム20との間の幅は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも7%大きい。通常は、前側本体パネルおよび後側本体パネルの幅は、ほぼ同一である。しかし、前側本体パネルおよび後側本体パネルの幅が同一ではなかった場合、股パネル区域の幅は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちの最も広い幅よりも少なくとも7%大きくするべきである。
【0050】
股パネルの幅は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも少なくとも10%大きくてもよい。股パネルの幅は、前側本体パネルおよび後側本体パネルのうちのいずれかの幅よりも好ましくは100%以下、より好ましくは10から70%、最も好ましくは20から40%大きい。
【0051】
図2A図2Bに示される一実施形態では、股パネル14は、前側本体パネル12および後側本体パネル13の弾性ウェブ材にシーム26および27に沿って取り付けられた個別の弾性ウェブ材である。前側パネル、後側パネルおよび股パネルを形成する弾性ウェブ材は、同一の種類であっても、異なる種類であってもよい。幅の相違は、異なる伸長状態で、シーム26および27に沿って弾性ウェブ材を互いに結合することによって得ることができ、前側本体パネルおよび後側本体パネルを形成する弾性ウェブ材は、股パネルを形成する弾性ウェブ材よりも伸長状態で保持され、この股パネルは、それほど伸長されない状態、または弛緩状態で保持される。弛緩時に、前側本体パネルおよび後側本体パネルを形成する弾性ウェブ材は、弛緩状態の複数の異なるパネルが上記で言及した異なる幅を有するように、股パネルを形成する弾性ウェブ材よりも縮むことになる。
【0052】
図5は、弾性ウェブ材12a、13a、14aをシーム26a、27aに沿って結合する工程を示す。弾性ウェブ材は、前側パネル12、後側パネル13および股パネルを形成することになる。互いに結合されるとき、弾性ウェブ材12a、13aは、弾性ウェブ材14aよりも伸長状態で保持される。弾性ウェブ材12a、13a、14aは、好ましくは工程の同一の段階で互いに結合されるが、明確にするために、図5では、弾性ウェブ材12a、13a、14aが工程の異なる段階で結合されることを示す。
【0053】
図3に示される別の実施形態では、股パネル14は前側本体パネル12および後側本体パネル13と一体である。股パネル14を所望の幅に広げることを達成するために、股パネル14は、元の縮められた寸法に完全に戻らないように延伸または変形させる処置が加えられている。この延伸または変形は、少なくともパンツ物品の横方向xになされるべきである。
【0054】
図6は、股パネル14を形成することを意図した弾性ウェブ材である中心部分のみが、一定増分で引き伸ばされ、永久に変形し延伸されるように、その中心部に噛合ギヤ30、31を有するロール28、29により弾性ウェブ材27の中心部を一定増分で引き伸ばすための工程を示す。
【0055】
弾性試験
本方法は、荷重および非荷重サイクルの反復で弾性材が如何に挙動するかを測定する。サンプルは、所定の伸びまで引き伸ばされ、0と前記所定の伸びとの間の周期的な動作が実施される。所望の荷重および非荷重力が記録される。弛緩した材料の永久伸び、すなわち残存する伸びが測定される。
【0056】
周期的な動作を実施することができ、プリンタ/プロッタまたはソフトウェア表示を備えるLloyd LRXなどの好適な引張試験機が使用される。サンプルは、25.4mmの幅、および好ましくは引張試験機のクランプ間の距離よりも20mm長い長さに切断することによって調製される。試験の前にサンプルを23℃±1℃の温度および50%RH±5%RHの条件にする。
【0057】
引張試験機を装置の説明書に従って較正する。試験に必要なパラメータ(荷重および非荷重)を以下の通りに調節する。
クロスヘッド速度:500mm/分
クランプ距離:50mm
予荷重:0.05N
【0058】
サンプルをクランプ用に作製された印に従ってクランプ内に置き、サンプルがクランプ内の中心に置かれ、垂直に固定されていることを確認する。引張試験機を始動し、0と所定の伸びとの間の3サイクルが実施される。最初と次のサイクルの間に中断はない。最後のサイクルの前に、サンプルは1分間弛緩され、次に0.1Nの力が検出されるまでサンプルを引き伸ばすことによって永久伸びが測定され、伸びが読み取られる。
【0059】
弾性という用語は、本明細書において、材料が上記の試験で30%の伸びをかけられた後、10%未満の弛緩の後に永久伸びを有する材料を定義するために使用される。30%の伸びとは、サンプルの最初の長さよりも30%長い長さに対する伸びを意味する。
【符号の説明】
【0060】
10 吸収性パンツ
11 衣類シェル
12 前側本体パネル
13 後側本体パネル
14 股パネル
15 コア領域
16 吸収性コア
17 透液性上面シート
18 不透液性背面シート
19 サイドシーム
20 サイドシーム
21 ウエスト開口
21a 弾性ウエストバンド
22 脚用開口
23 脚用開口
24 垂下脚部
25 垂下脚部
26 シーム
27 シーム
28 ロール
29 ロール
30 噛合ギヤ
31 噛合ギヤ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6