(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940209
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス半導体チップおよび当該半導体チップを備えたヘッドライト
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20160616BHJP
F21S 8/10 20060101ALI20160616BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20160616BHJP
F21W 101/12 20060101ALN20160616BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160616BHJP
【FI】
H01L33/00 410
F21S8/10 150
F21S8/10 350
F21W101:10
F21W101:12
F21Y101:02
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-500831(P2015-500831)
(86)(22)【出願日】2013年3月8日
(65)【公表番号】特表2015-512559(P2015-512559A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】EP2013054726
(87)【国際公開番号】WO2013139624
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】102012102301.8
(32)【優先日】2012年3月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ブランドル
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ フライ
【審査官】
高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−324915(JP,A)
【文献】
特開2012−004519(JP,A)
【文献】
特開2006−245443(JP,A)
【文献】
特開2010−034184(JP,A)
【文献】
特開2011−021062(JP,A)
【文献】
特開2010−021001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
F21S 2/00−19/00
G02F 1/1335−1/13363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オプトエレクトロニクス半導体チップ(1)であって、
・半導体層列(2)と、
・少なくとも1つの第1の変換部材(31)と、
・少なくとも1つの第2の変換部材(32)とを備えており、
前記半導体層列(2)は、500nmよりも短いピーク波長を有する一次ビームを生成する少なくとも1つの活性層(20)を有しており、
前記第1の変換部材(31)は、前記一次ビームの波長を変えることによって第1の二次ビームを生成し、
前記第2の変換部材(32)は、前記一次ビームの波長を変えることによって第2の二次ビームを生成し、
・前記半導体層列(2)は、電気的に相互に独立して駆動制御可能で、かつ、水平方向に隣接して配置されている複数のセグメント(21、22)に分けられており、
・前記両変換部材(31、32)は、前記複数のセグメント(21、22)の放射主要面(25)上に取り付けられており、
・前記第1の二次ビームは有色光であり、前記第2の二次ビームは白色光であり、
・前記複数のセグメント(21、22)間の平均間隔(D)は、前記両変換部材(31、32)間の平均間隔(C)とは異なっており、
・少なくとも、前記両変換部材(31、32)の間に、光学的なシーリング(4)が設けられており、当該光学的なシーリング(4)は、前記一次ビーム並びに前記第1の二次ビームおよび前記第2の二次ビームを通さず、
・前記シーリング(4)は、前記半導体層列(2)から離れる方向で、少なくとも、前記変換部材(31、32)の、前記半導体層列(2)の側とは反対にある面まで達する、
ことを特徴とするオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項2】
前記半導体層列(2)を平面で見た場合の、前記第1の変換部材(31)と前記第2の変換部材(32)との面積比は0.25以上4以下の間であり、
ここで前記第1の二次ビームは黄色および/またはオレンジ色の光である、請求項1記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項3】
前記複数のセグメント(21、22)間の平均間隔(D)は、割り当てられている前記両変換部材(31、32)間の平均間隔(C)よりも小さい、請求項2記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項4】
前記両変換部材(31、32)は相互に接触しておらず、隣接する両変換部材(31、32)間の平均間隔(C)は最大で150μmである、請求項1から3までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項5】
前記複数のセグメント(21、22)間の平均間隔(D)は、前記両変換部材(31、32)間の平均間隔(C)よりも小さい、請求項4記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項6】
前記シーリング(4)は、前記担体(6)の側とは反対側の面で、凹状に形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項7】
前記シーリング(4)は、前記担体(6)の側とは反対側の面で、凸状に形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項8】
平面図で見て、前記複数のセグメント(21、22)は、異なる面積を有する長方形または三角形である、請求項1から7までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項9】
複数の第1の変換部材(31)を含んでおり、前記複数のセグメント(21)の各々に、当該複数の第1の変換部材(31)のうちの1つが後続配置されており、
平面図で見て、当該複数のセグメント(21)は同じ形状を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項10】
平面図で見て、前記複数の第1の変換部材(31)は、前記少なくとも1つの第2の変換部材(32)を囲むように配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載のオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップ(1)と少なくとも1つの光学系(5)とを備えたヘッドライト(10)であって、
前記半導体チップ(1)には、前記少なくとも1つの光学系(5)が後続配置されている、
ことを特徴とするヘッドライト(10)。
【請求項12】
前記光学系(5)は導光体を含んでいる、または、導光体であり、
前記全てのセグメント(21、22)は共同で、後続配置された1つの前記導光体を有している、請求項11記載のヘッドライト(10)。
【請求項13】
前記半導体チップ(1)は、ウィンカー用の光源でも、昼間点灯用の光源でもある、
自動車用の、請求項11または12記載のヘッドライト(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オプトエレクトロニクス半導体チップを提示する。さらに、このようなオプトエレクトロニクス半導体チップを備えたヘッドライトを提示する。
【0002】
解決されるべき課題は、平面図で見て、隣り合って、複数の色印象が実現可能であるオプトエレクトロニクス半導体チップを提示することである。
【0003】
上述の課題は、殊に、独立請求項の特徴部分に記載された構成を有するオプトエレクトロニクス半導体チップと、ヘッドライトによって解決される。有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0004】
少なくとも1つの実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体チップは、半導体層列を有している。この半導体層列は、一次ビームを生成するための活性層を有している。一次ビームは、有利には、紫外光または青色光である。殊に、一次ビームのピーク波長は、500nmを下回る波長にある。ピーク波長(英語で、peak wavelength)は、最大のスペクトルエネルギー密度が活性層によって生成される波長のことである。
【0005】
少なくとも1つの実施形態では、半導体チップは、1つまたは複数の第1の変換部材を含んでいる。この少なくとも1つの第1の変換部材は、第1の二次ビームを生成するために設けられている。この第1の変換部材は、このために、第1の変換部材に達した一次ビームの一部または一次ビーム全体を、第1の二次ビームに変換する。この第1の二次ビームは、有利には、一次ビームよりも長い波長を有している。一次ビームが第1の変換部材を通過できない、または、有意の範囲を通過できないことが、可能である。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、半導体チップは、1つまたは複数の第2の変換部材を含んでいる。この少なくとも1つの第2の変換部材は、第2の変換部材に達している一次ビームを部分的にまたは完全に波長変換することによって、第2の二次ビームを生成するように構成されている。殊に、一次ビームの一部分は、第2の変換部材を通過することができる。従って、この第2の二次ビームは、一次ビームの成分を有しており、混合ビームである。第2の二次ビームは、特に有利には、白色光である。用語「白色光」は次のことを意味し得る。すなわち、CIE色度図における第2の二次ビームの色位置が、最大で0.1単位または最大で0.05単位ぶんだけ、黒体輻射曲線から偏差していることを意味し得る。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、半導体層列は、少なくとも2つ、または2つよりも多くの、電気的に相互に独立して駆動制御可能なセグメントに分けられている。これらのセグメントは、半導体チップの放射主要面を平面図で見て、水平方向に隣り合って配置されている。半導体層列は、隣接するセグメントの間で、完全にまたは部分的にのみ、除去可能である。すなわち、個々のセグメントを半導体層列からアイランド状に作り上げること、または、これらのセグメント全てを半導体層列の部分領域によって相互に接続することが可能である。
【0008】
すなわち、全てのセグメントは、同じ、エピタキシャル成長された半導体層列から形成されている。半導体層列は、製造トレランスの範囲内で同一に、変更されていない層構造および組成で、全てのセグメントにわたって延在している。半導体層列の面における、完成したセグメント相互の空間的な位置は、まだセグメント化されておらず、かつ、まだ構造化されていない半導体層列と比べて、有利には、変化していない。
【0009】
半導体チップの少なくとも1つの実施形態では、変換部材はそれぞれ、セグメントの放射主要面上に取り付けられている。有利には、この場合には各セグメントに1つの変換部材が一義的に割り当てられている。さらに、変換部材は、有利には、次のようにセグメント上に取り付けられている。すなわち、これらの変換部材が、放射主要面の平面図において、重畳していないように取り付けられている。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、変換部材は、セグメントの放射主要面に間接的または直接的にコンタクトしている。すなわち変換部材は、半導体層列に接触している。殊に、間接的なコンタクトの場合には、セグメントの半導体材料と変換部材との間に、最大で1つの接続手段が存在している。これによって、変換部材はセグメントに固定される。接続手段とは、例えば、シリコーンを含有する接着剤のことである。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、第1の二次ビームは有色光であり、殊に、黄色および/またはオレンジ色の光である。例えば、第1の二次ビームの色位置は、最大で0.07単位または最大で0.05単位のトレランスで、CIE色度図のスペクトル色線上に位置している。第1の二次ビームの色位置は殊に、575nm以上595nm以下である。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、オプトエレクトロニクス半導体チップは、半導体層列を含んでいる。これは、500nmを下回るピーク波長を備えた一次ビームを生成するための少なくとも1つの活性層を含んでいる。半導体チップはさらに、第1の二次ビームを生成する少なくとも1つの第1の変換部材と、第2の二次ビームを生成する第2の変換部材とを含んでいる。ここでこの二次ビームは、一次ビームの波長を部分的または完全に変換することによって生成される。半導体層列は電気的に相互に独立して駆動制御可能であり、水平方向に隣接して配置されているセグメントに分けられている。変換部材は、セグメントの放射主要面上に取り付けられており、半導体層列と直接的にコンタクト可能である。第1の二次ビームは、有色の、殊に黄色の光であり、第2の二次ビームは白色光である。
【0013】
半導体層列がセグメント化されていることによって、第1の二次ビームまたは第2の二次ビームが放射される領域間の間隔は極めて僅かになる。さらに、セグメント化によって、比較的シャープな、有色の画定が、二次ビームを放射する領域の間で可能になる。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、第1の変換部材と第2の変換部材との面積比は、半導体層列の平面図で見て、少なくとも0.25または少なくとも0.5または少なくとも0.75または少なくとも1である。択一的または付加的に、面積比は、最大で4または最大で3または最大で2.5である。殊に、第1の変換部材と第2の変換部材の面積比は、少なくとも1.25および/または最大で2.25である。従って、少なくとも1つの第1の変換部材は、少なくとも1つの第2の変換部材よりも、大きい面積を占める。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、第1の変換部材と第2の変換部材との面積比は、次のように調整されている。すなわち、第1の二次ビームの光束と第2の二次ビームの光束の商が、少なくとも0.25または少なくとも0.5または少なくとも0.75であるように調整されている。この商は、択一的または付加的に最大で4または最大で2または最大で1.25である。換言すれば、2つの二次ビームは人間の眼にはほぼ同じ明るさに見える。光束はルーメンで示される。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、第1の変換部材と第2の変換部材は相互に接触していない。すなわち、第1の変換部材と第2の変換部材とは間隔が空けられている。第1の変換部材が複数個存在する場合には、これらの第1の変換部材が相互に接触していないことが可能である。これに相応することが、第2の変換部材にも当てはまる。換言すれば、変換部材対は、相互に間隔が空けられている。
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、隣接する変換部材間の平均間隔は、最大で150μmまたは最大で110μmまたは最大で75μmまたは最大で40μmである。平均間隔は択一的または付加的に、半導体チップおよび/または半導体層列の平均エッジ長さの、最大で15%または最大で10%または最大で5%である。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、セグメント間の平均間隔は、属する各変換部材間の平均間隔とは異なる。殊に、セグメント間の平均間隔は、属する変換部材間の平均間隔よりも短い。例えば、セグメント間の平均間隔と各属する変換部材間の平均間隔とは、少なくとも5%または10%または25%または50%異なる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、少なくとも2つの変換部材の間に、光学的なシーリングが存在する。この光学的なシーリングは、有利には、一次ビーム並びに第1および第2の二次ビームを通さない。「ビームを通さない」とは、次のことを意味し得る。すなわち、一次ビーム並びに二次ビームに対する透過度が最大で20%または最大で10%または最大で3%または最大で1%であることを意味し得る。少なくとも1つのシールドは、有利には第1の変換部材を光学的に第2の変換部材から隔てる。例えば、第1の変換部材が複数個存在する場合には、光学的なシーリングは、それぞれ隣接する第1の変換部材の間にも配置可能であり、相応のことが、第2の変換部材が複数個ある場合にも当てはまる。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、光学的なシールドは少なくとも、半導体層列から見て、半導体層列の側とは反対の、変換部材の面まで達する。換言すれば、隣接する変換部材の間に、直接的な、光学的なシールドによって中断されない視線が存在することが可能である。殊に、少なくとも1つの光学的なシールドが、半導体層列から離れる方向で、変換部材から突出することが可能である。
【0021】
少なくとも1つの実施形態では、セグメントは、平面図で見て、長方形または正方形の基本形を有する。同様に、セグメントが三角形の基本形、ひし形の基本形、台形の基本形または六角形の基本形を有することが可能である。殊に、セグメントを正六角形としてまたは正三角形としてまたは直角三角形として形成することが可能である。属する変換部材は、それぞれ、セグメントと同じ基本形を有することができる。
【0022】
少なくとも1つの実施形態では、複数のセグメントは、平面図で見て、異なる面積を有している。これは、変換部材に対しても当てはまる。この場合には、殊に1つのセグメントが1つの第1の変換部材に対して設けられ、1つのセグメントが1つの第2の変換部材に対して設けられている。
【0023】
少なくとも1つの実施形態では、半導体チップは複数の第1の変換部材を含んでいる。有利にはこの場合には、複数のセグメントにそれぞれ1つの第1の変換部材が後続配置されている。それぞれ1つの第1の変換部材が後続配置されているこれらのセグメントを、平面図で見て、これらの第1の変換部材と同じ形状にすることが可能である。これと相応のことが、第2の変換部材に対しても当てはまる。殊に、第1の変換部材も、第2の変換部材も、属するセグメントも、それぞれ同じ形状を有することが可能である。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、放射主要面の平面図で見て、複数の第1の変換部材が、少なくとも1つの第2の変換部材を包囲するように配置されている。ここで、これらの第1の変換部材は第2の変換部材を、フレーム状にまたはぐるりと囲むことができる。必ずしも、これらの第1の変換部材が、1つまたは複数の第2の変換部材を囲んで閉鎖する線を形成する必要はない。同様に、複数の第2の変換部材を、1つまたは複数の第1の変換部材を囲むように配置することができる。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、複数のセグメントに、1つの変換部材が割り当てられている。同様に、複数の変換部材を1つのセグメントに割り当てることができる。
【0026】
さらに、ヘッドライトを提示する。このヘッドライトは、1つまたは複数の上述した実施形態と関連して挙げたような、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップを含んでいる。従ってこのヘッドライトの特徴は半導体チップに対しても開示されており、半導体チップの特徴はヘッドライトに対しても開示されている。
【0027】
少なくとも1つの実施形態では、ヘッドライトは少なくとも1つの光学系を含んでいる。この光学系は、少なくとも1つのオプトエレクトロニクス半導体チップに後続配置されている。「後続配置されている」とは次のことを意味し得る。すなわち、半導体チップによって生成されたビームが、少なくとも70%または少なくとも85%または少なくとも95%、この光学系におよび/またはこの光学系内に達することを意味し得る。換言すれば、半導体チップによって生成されたビームは完全にまたは実質的に完全に、光学系に達するまたは光学系内に達する。
【0028】
ヘッドライトの少なくとも1つの実施形態では、この光学系は1つまたは複数の導光体を含む、または、この光学系は導光体である。少なくとも1つのこのような導光体を介して、半導体チップによって生成されたビームを、ヘッドライトの光出射面へと導くことができる。
【0029】
少なくとも1つの実施形態では、この導光体は、半導体チップの全てのセグメントに共通して後続配置されている。すなわちこの場合には、導光体は、第1の変換部材も第2の変換部材も覆っており、第1の二次ビームも第2の二次ビームも収容して、導くように構成されている。これは殊にセグメントと変換部材との間の間隔が短いことによって実現される。これによって、第1の二次ビームと第2の二次ビームを、ヘッドライトの同じ光出射面で取り出し可能であるようにすることができる。これに対して択一的に、複数の導光体を1つの半導体チップに割り当てることができる。この場合には、少なくとも1つの導光体が、複数のセグメントにわたって延在可能である。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、ヘッドライトは、複数の半導体チップおよび/または複数の導光体を含んでいる。この場合、各半導体チップには、有利には、1つの導光体が割り当てられている。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、ヘッドライトは、自動車、例えば乗用車用に設けられている。少なくとも1つの半導体チップは、この場合に、ウィンカー用の光源としても、昼間点灯用の光源としても構成されている。第1の二次ビームおよび第2の二次ビームはこの場合に、この目的のために、上述した色位置と強度を有している。択一的または付加的に、これはいわゆるPo光(英語でpo light)のことであり、例えば、警察等の緊急車両用の光である。ヘッドライトが付加的に発光ダイオードチップを含んでいることが可能である。これらの発光ダイオードチップは光学系外に位置している、または、これらの発光ダイオードチップに光学系は後続配置されていない。このような付加的な発光ダイオードチップを介して、光学系の影響が補償される。
【0032】
用語「ヘッドライト」はこの場合には、必ずしも、次のことを排除しない。すなわち、ヘッドライトが昼間点灯およびウィンカーおよび/またはブレーキランプのみを含み、夜間走行用に設けられている光源が別個の構成部分によって実現されていることを排除しない。
【0033】
以降では、本願に記載したオプトエレクトロニクス半導体チップ並びに本願に記載したヘッドライトを、図面を参照して、実施例に基づいて、より詳細に説明する。ここで同じ参照番号は、個々の図における同じ部材を示す。しかしここでは、縮尺通りの関係は示されておらず、むしろ、個々の部材は、より良い理解のために、過度に大きく示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図2】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図3】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図4】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図5】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図6】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図7】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図8】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図9】本願に記載されているオプトエレクトロニクス半導体チップの実施例の概略図
【
図10】本願に記載されているヘッドライトの実施例の概略的な断面図
【
図11】第1の二次ビームのための、CIE色度図の一部
【実施例】
【0035】
図1には、概略的な平面図で、オプトエレクトロニクス半導体チップ1の実施例が示されている。半導体チップ1は、半導体層列2を含んでいる。この半導体層列は、2つのセグメント21、22に分けられている。これらのセグメント21、22は水平方向に隣接して配置されており、かつ、電気的に相互に独立して駆動制御可能である。電気的な駆動制御のために、半導体チップ1は、4つの電気的なコンタクト箇所7を有している。これらのコンタクト箇所7は、半導体チップ1の縁に沿って配置されている。コンタクト箇所7は、例えばはんだ付け用コンタクト、ボンディングパッド、またはプラグコンタクトであり得る。
【0036】
図示されているのとは異なり、コンタクト箇所7が、半導体層列2の側とは反対側の、担体6の背面に位置してもよい。コンタクト箇所7には、ボンディングワイヤーが取り付け可能である。
【0037】
セグメント21、22上に、第1の変換部材31と第2の変換部材32とが取り付けられている。第1の変換部材31は、ハッチングによって示されている。これは全ての他の図面においても同じである。変換部材31、32は一義的にセグメント21、22に割り当てられている。変換部材31、32も、水平方向で相互に間隔を空けて配置されている。
【0038】
半導体チップ1の動作時には、半導体層列2内で、有利には青色の光が生成される。この青色の光は、一次ビームである。この一次ビームから、第1の変換部材31によって、第1の二次ビームが生成される。これは、有色光であり、有利には黄色の光である。第2の変換部材32を介して、一次ビームの一部から、第2の二次ビームが生成される。第2の二次ビームは、殊に、一次ビームの残りと混じり、白色光になる。変換部材31、32の面積比は、平面図で見て、例えば約2:1である。
【0039】
半導体チップ1のエッジ長さLは、例えば、400μm以上2500μm以下であり、殊に1000μmである。
図1で、半導体チップ1は2つの変換部材31、32を有している。図面とは異なり、2つよりも多くの変換部材31、32が設けられていてもよい。これは、
図2〜7および10に対して同様に当てはまる。全ての他の実施例のように、有利には各セグメント21、22には1つの変換部材31、32が後続配置されている。変換部材31、32の材料組成は、有利には、水平方向において変化しない。
【0040】
選択的に、変換部材31と変換部材32との間に、光学的なシーリング4が存在する。この光学的なシーリング4によって、第1の二次ビームが第2の変換部材32に達することがなく、第2の二次ビームが第1の変換部材31に達することがない。すなわち光学的なシーリング4は、第1の二次ビーム、第2の二次ビーム並びに一次ビームを通さない。
【0041】
例えば、光学的なシーリング4は、内部に粒子が埋設されたマトリクス材料を注封することによって形成されている。マトリクス材料とは、シリコーンまたはシリコーンとエポキシドのハイブリッド材料であり得る。シーリング4内の粒子は、例えば反射性の粒子、例えば二酸化チタンから、または、吸収性の粒子、例えばカーボン・ブラックから成る。さらに選択的に、全ての他の実施例においても同様に、半導体層列2と反対の、シーリング4の側に、反射性または吸収性の、ここには図示されていない層を被着することが可能である。このような有利には反射性の層は、択一的または付加的に、セグメント21、22および/または変換部材31、32の側面にも被着可能である。
【0042】
図2には、半導体チップ1の概略的な断面図が示されている。セグメント21、22に分けられている半導体層列2は、担体6の担体上面60に取り付けられている。担体6は有利には、半導体層列2の成長基板とは異なる。しかし担体6が、サファイヤ等の成長基板であっても、SiCであってもよい。半導体層列2は、少なくとも1つの活性層20を含む。これは破線で示されている。セグメント21、22に分けるために、半導体層列2は、担体上面60に対して垂直な方向において、完全に分断されている。セグメント21、22相互の相対的な位置は、半導体層列2に対する成長基板での相対的な位置と比べて、変化していない。
【0043】
変換部材31、32は、直接的に、半導体層列2に取り付けられている。これは例えばプリント手法を介して行われる。これに対して択一的に、変換部材31、32を別個に製造し、セラミック製の小さいプレートとして、または、小さいシリコーンプレートとして形成することが可能である。ここでこれらの小プレート内には、1つまたは複数の変換手段が埋設されている。この場合には、変換部材31、32と半導体層列2との間に、接続手段、殊にシリコーンベースの接着剤が存在している。この接続手段は、図示されていない。
【0044】
変換部材31、32は、製造トレランスの範囲内で、セグメント21、22と同一である。担体上面60に対して平行な方向での、隣接する変換部材31、32の間の間隔Cは、セグメント21、22の間の間隔Dに相当する。
【0045】
光学的なシーリング4は、担体6の側とは反対の、変換部材31、32の側まで達し、セグメント21、22の間並びに変換部材31、32の間のギャップを実質的に完全に満たす。担体6の側とは反対の面で、シーリング4は例えば凹状に形成されている。
【0046】
図3に示されている半導体チップ1の断面図では、半導体層列2は、担体6に対して垂直な方向において、完全には分断されていない。個々のセグメント21、22はモノリシックに、半導体層列2の材料によって相互に接続されている。少なくとも1つの活性層20は、セグメント21、22を完全に通して延在していない。図を簡単にするために、全ての他の実施例においても同様に、個々のセグメントに電気を流すための電気的な線路と電気的な接続装置は図示されていない。
【0047】
図3では、セグメント21、22は、属する変換部材31、32よりも、大きい底面を有している。セグメント21、22の間の間隔Dは、変換部材31、32の間の間隔Cよりも小さい。光学的なシーリング4は、担体6から遠ざかる方向において、変換部材31、32から突出している。
【0048】
図3とは異なり、セグメント21、22の間の間隔Dが、変換部材31、32の間の間隔Cより大きくてもよい。変換部材31、32は、この場合には、セグメント21、22から、水平方向に突出する。
【0049】
さらに、
図3とは異なり、シーリング4が変換部材31、32の間にのみ、または、実質的に変換部材31、32の間にのみ存在することが可能である。この場合にはセグメント21、22の間の領域は真空にされている、または、ガスで充填されている、または他の、図示されていない充填物が設けられている。この充填物は、シーリング4とは異なる材料から形成可能である。このような充填物は、セグメント21、22の間の領域を、部分的にだけでも満たすことができる。これは、変換部材31、32および/またはセグメント21、22の間のシーリング4の場合にも当てはまる。この場合に、このシーリング4および/または充填物は、例えば、セグメント21、22および/または変換部材31、32の側面に被着されているコーティングであり、隣接する充填物および/またはシーリング4の間に間隙が存在する。
【0050】
全ての他の実施例においても、担体6の側とは反対の、変換部材31、32および/または光学的なシーリングの側に、図示されていない保護層または図示されていない注封部が存在することが可能である。
【0051】
図4〜9には、オプトエレクトロニクス半導体チップ1の別の実施例が概略的な平面図で示されている。
図4および5では、半導体チップ1は、それぞれ、3つのコンタクト箇所7を有している。これらのコンタクト箇所7のうちの1つは、セグメント21、22に対する共通の電極として形成されている。これと相応のことが、全ての他の実施例においても当てはまる。
【0052】
変換部材31と変換部材32の面積比は、
図4では約2:1であり、
図5では約1:2である。変換部材31、32並びにセグメント21、22は平面図で見て、それぞれ、異なる面積を有する長方形として形成されている。変換部材31、32の長手方向は、コンタクト箇所7の長手方向に対して垂直に配向されている。これとは異なり、変換部材31、32の長手方向とコンタクト箇所7の長手方向は、
図6においては、相互に平行に延在している。
【0053】
図7では、変換部材31、32は、平面図で見て、異なる面積を有する直角三角形として形成されている。光学的なシーリング4は、
図4〜6とは異なり、半導体チップ1の対角線上に延在する。
図4〜6では、光学的なシーリング4は、半導体チップ1の縁に対して平行に配向されている。
【0054】
図8に示された実施例では、中央の、第2の変換部材32が、セグメント22上に取り付けられている。光学的に存在するシーリング4は、この第2の変換部材32をフレーム状に包囲する。第2の変換部材32の周りには、半導体チップ1の縁に沿って取り付けられている、4つの、縦長に延在している第1の変換部材31が取り付けられている。これらは、第2の変換部材32を実質的にぐるりと包囲している。コンタクト箇所7が、半導体チップ1の4つのコーナーに取り付けられている。図とは異なり、コンタクト箇所7が3つのコーナーにのみ位置することが可能である。
【0055】
図9では、セグメント21、22はそれぞれ、正六角形として、同様に成形されている。2つのセグメント21上には、第1の変換部材31が取り付けられている。セグメント22の1つには、第2の変換部材32が設けられている。
【0056】
第1の変換部材31を有する2つのセグメント21は、有利には電気的に並列接続されている。しかし、相互に依存せずに、個別に駆動制御可能であり得る。変換部材31、32が接触することが可能である。2つの変換部材31が、示されているのとは異なり、ワンピースに形成されていてもよい。図とは異なり、
図9の実施例では、光学的なシーリング4を設けることが可能である。
【0057】
図10には、ヘッドライト10の実施例が、概略的な断面図で示されている。ヘッドライト10は、殊に、
図1〜9と関連して示したようなオプトエレクトロニクス半導体チップ1を有している。半導体チップ1には、導光体の形態の光学系5が後続配置されている。この光学系5は、全てのセグメント21、22、ひいては全ての変換部材31、32にわたって延在している。光学系5は、第1の二次ビームも第2の二次ビームも受け入れ、導くように構成されている。場合によって存在する、さらなる光学的なコンポーネントは、図を分かりやすくするために、
図10に示されていない。
【0058】
図11Bには、CIE色度図(11Aを参照)の一部が示されている。第1の二次ビームの色位置は有利には囲まれている領域内に位置する。すなわち、座標(0.545;0.425)、(0.597;0.390)、(0.610;0.390)および(0.560;0.440)を有する4つの色位置によって形成されている四角形内に位置する。
【0059】
本願に記載された発明は、実施例に基づく説明によって制限されるものではない。むしろ、本発明は新たな特徴並びに、殊に、特許請求の範囲における特徴の組み合わせを含んでいる特徴の組み合わせを含む。これは、この特徴またはこの組み合わせ自体が、特許請求の範囲または実施例内に明示されていない場合にも当てはまる。
【0060】
本特許出願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102012102301.8号の優先権を主張し、この文献の開示内容は、本願に参照として組み込まれている。