(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記感温性の駆動ユニット(15)は、感温性の媒体(18)が充填された収容チャンバ(17)を有し、少なくとも1つの可動のチャンバ壁(19)が、前記作動要素(13)と作用結合しており、該作動要素(13)に対して力を加える、請求項1又は2記載の衛生設備用組込部材。
前記体積流量従属性(11,12,45,48)は、閾温度の下で絞り機能を示し、かつ/又は前記又は1つの閾温度の上で量制限機能を示す、請求項1から11までのいずれか1項記載の衛生設備用組込部材。
前記体積流量従属性(11,12,45,48)は、第2の温度において又は第2の温度の上において、通流経路(4)の高められた流動抵抗及び/又は通流量の制限を規定し、かつ/又は
前記体積流量従属性(11,12,45,48)は、第2の温度において又は第2の温度の上において、前記又は1つの通流経路(4)の、圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗を規定する、
請求項15記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生設備用組込部材(sanitaeres Einbauteil)であって、
組込部材の通流経路内に配置され、体積流量を圧力に応じて体積流量従属性(Volumenstromabhaengigkeit)として規定する機能ユニットを備える組込部材に関する。
【0002】
さらに本発明は、
水供給部と水流出部とを備える衛生器具(Sanitaerarmatur
)に関する。
【0003】
最後に本発明は、
衛生設備用組込部材を用いて流動する水の通流量を制御する方法に
も関する。
【0004】
この種の組込部材は、衛生設備技術において通流量制御器として公知であり、節水のために使用される。
【0005】
公知の通流量制御器は、水その他の液状の媒体の、水管路内における滞留時間を高めてしまう。このことは、特に、永続的に温度が維持されずに使用周期間で温度が下がる温水管路において、特に運ばれる水その他の媒体の細菌負荷を高めてしまうことを結果として伴う。加えて、冷えてしまった温水管路においては、冷えた管路の長さの分だけ、水栓金物を開栓してから温かい水が出てくるまでの時間を長くしてしまう。このことは、利用者を苛立たせるとともに、無駄な水の消費につながる。
米国特許第3368758号明細書において公知のシャワーヘッドは、シャワーヘッドの下に立った人が、高温の水が出て火傷することを防止するために、シャワーヘッドを通流する水を感温性に制御する衛生設備用組込部材を有している。このために、公知のシャワーヘッドに設けられた組込部材は、弁として形成された機能ユニットを有している。機能ユニットは、作動要素を有しており、作動要素は、感温性の駆動ユニットを介して、この駆動ユニットにおける温度変化により調節行程に沿って位置変更可能であるとともに、流過する水の温度に応じて弁の開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるように付勢される。
【0006】
本発明の根底にある課題は、改善された使用特性を有する衛生設備用組込部材を提供することである。
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、冒頭で述べた形態の衛生設備用組込部材において、請求項1の特徴を提案する。これにより、特に冒頭で述べた形態の組込部材において、機能ユニットは、可動に配置される作動要素を有し、作動要素は、調節行程に沿って少なくとも第1の作動位置と第2の作動位置との間で位置変更可能であり、調節行程に沿った作動要素の位置変更により、所定の体積流量従属性が変更可能であり、かつ感温性の駆動ユニットが、駆動ユニットにおける温度変化により作動要素が調節行程に沿って位置変更可能であるように、作動要素に対して力を加えるようになっている。ここで、調節行程に沿った作動要素の位置変更とは、並進運動を意味するだけでなく、この位置変更は、回転運動として実施されてもよい。これにより本発明に係る組込部材は、温水及び冷水のそれぞれ異なる取扱を可能にする。これにより、本発明に係る組込部材は、組込部材が比較的長期にわたって不使用であった後に、水管路内で降温してしまった水が、できる限り浪費されるべきでない後続の温水よりも速やかに水管路から排水可能であることを可能にする。
【0008】
それぞれ規定された体積流量従属性の本発明による変更は、例えば体積流量従属性の、作動要素の位置変更により可変であり、かつ変更される数学的なパラメータにより表すことができる。パラメータは、例えば加算分、傾き(流動抵抗)、体積流量従属性の相関性(例えば指数)及び/又は体積流量従属性の制限値を表すことができる。この場合、体積流量従属性は、通流量(好ましくは単位時間当たりの通流量)が圧力に応じている関係を表す。
【0009】
本発明に係る組込部材は、例えば流出部口金への装入又は螺入のために、又は管路における中間部材として形成可能である。
【0010】
本発明の一態様において、感温性の駆動ユニットは、少なくとも一次元又は少なくとも一空間方向で、温度に応じた膨張を示すようになっていてもよい。本態様において、通流経路を通流する媒体、特に水の温度が、作動要素の対応する作動位置に簡単に変換可能であることは、有利である。好ましくは、温度に応じた膨張は、これを収容するハウジングの膨張係数よりも高い膨張係数を有している。本態様において、ハウジングに対して相対的な位置変更のための作動動作が、流動する媒体中の温度変化により引き起こされ得ることは、有利である。
【0011】
本発明の一態様において、戻しばねが設けられており、戻しばねが、第1の温度への又は第1の温度の下への駆動ユニットの降温時に作動要素を復帰、特に第1の作動位置に復帰させるようになっていてもよい。これにより、流動する媒体の十分な降温、ひいては駆動ユニットの十分な降温が起こると直ちに、初期位置としての第1の作動位置が取られることが達成可能である。
【0012】
本発明の一態様において、感温性の駆動ユニットは、感温性の媒体が充填された収容チャンバを有し、少なくとも1つの可動のチャンバ壁が、作動要素と作用結合しており、作動要素に対して力を加えるようになっていてもよい。好ましくは、可動のチャンバ壁は、作動要素と作用結合しているピストンに形成されている。本態様において、流動する媒体の温度変化の、作動要素の作動動作への効率的な変換が達成可能であることは、有利である。好ましくは、感温性の媒体は、収容チャンバのチャンバ壁の膨張係数よりも高い膨張係数を有している。これにより、ピストン又は可動のチャンバ壁の、温度変化による収容チャンバのその他の部分に対する相対運動が、強制可能である。既に言及した戻しばねにより、降温時の復帰動作を補助することが可能である。
【0013】
本発明の一態様において、駆動ユニットは、形状記憶性を有する材料、例えば形状記憶金属(Memory Shape Metal)からなる駆動要素を有していてもよい。形状記憶性を有する材料からなる駆動要素は、調節行程に沿った作動要素の位置変更が回転運動により実施されることが望ましい場合に、特に考慮に値する。本態様において、流動する媒体の想定外に大きな昇温が起こっても、作動要素に加えられる推進力が制限可能であることは、有利である。これにより、形状記憶金属からなる駆動要素が一般に固有弾性を有しているので、これを収容するハウジングの、過大な応力による機械的な負荷は、回避可能である。本態様において、駆動要素がばね状の形態、例えばコイルばね、板ばね、渦巻きばね又はその他の形態を有するばねとして形成されていると、特に好適である。
【0014】
本発明の一態様において、駆動ユニットは、少なくとも1つのバイメタル要素、特にバイメタルディスクを有していてもよい。本態様において、作動要素の並進運動又は回転運動を発生させ得る、位置変更の作動動作を発生させる単純な手段が提供されていることは、有利である。全体として達成可能な作動行程を拡大するために、駆動ユニットは、相前後して配置される複数のバイメタルディスクを有していてもよい。本態様において、バイメタルディスクがその膨張方向又は作業方向に関して相前後して直列に配置されていると、特に好適である。
【0015】
パラメータは、機能ユニットの材料特性、例えばばね定数及び/若しくは弾性定数、又は幾何学的な特性、例えば開口の内法の幅を表していてもよい。
【0016】
本発明の一態様において、
第1の作動位置にある作動要素により通流経路内の通流開口が解放又は開放されており、かつ/又は第2の作動位置にある作動要素により通流経路内の通流開口が閉鎖されているか、又は閉鎖可能であるようになっていてもよい。本態様において、通流開口が解放可能又は開放可能であることにより、所定の体積流量従属性に影響を及ぼすことが可能であることは、有利である。
通流開口は、バイパスを形成可能である。通流開口の解放により、体積流量従属性において、量制御機能に対して通流量の付加的な割合が加算可能である。通流開口は、例えばその都度設定される体積流量従属性のカットオフ可能な加算分を規定するために、又は体積流量従属性の一部割合を機能停止するか、又は機能停止可能に構成するために、機能ユニットに対するバイパスを形成可能である
。
【0017】
本発明の一態様において、調節行程は、少なくとも第2の作動位置に近い行程終端においてストッパフリーに設定されているようになっていてもよい。本態様において、第2の作動位置の到達後の、例えば管理されずにさらに熱膨張したときにストッパに対して発生する可能性のある過剰な力の発生が回避可能であることは、有利である。これにより、駆動ユニットを収容するハウジングの、熱膨張による機械的な負荷は、軽減可能である。これにより衛生設備用組込部材の寿命は、さらに延長可能である。
【0018】
一態様において、調節行程は、第1の作動位置と作動終端位置との間を延びており、第2の作動位置は、第1の作動位置と作動終端位置との間に配置されているようになっていてもよい。本態様において、作動要素が第1の作動位置から第2の作動位置に移動する際に、第2の作動位置の後にさらに、第2の作動位置を越えた移動を可能にする遊びが形成されていることは、有利である。これにより、ストッパフリーの調節行程を形成する簡単な手段が提供されている。
【0019】
ストッパフリーの調節行程の形成は、特に駆動ユニットが、固有弾性を有しないか、有していても僅かにすぎない感温性の媒体の熱膨張により作業する際に、有利である。それというのも、駆動要素の固有弾性がないときに、調節行程を制限するストッパを形成してしまうと、駆動要素が調節行程の制限部を損傷させたり、破壊したりする恐れがある点で問題であることが判っているからである。
【0020】
本発明の一態様において、作動要素は、接触面を有し、接触面は、通流開口を閉鎖するように対応接触面と協働するようになっていてもよい。本態様において、通流開口が作動要素の作動位置に応じて簡単に閉鎖可能又は解放可能であることは、有利である。接触面が対応接触面と密封するように協働していると、特に好適である。
【0021】
本発明の一態様において、作動要素に設けられた接触面は、ハウジング部分に設けられた対応接触面に沿って、調節行程に沿った作動要素の位置変更により移動可能であるようになっていてもよい。これにより作動要素は、調節行程に沿って、接触面が対応接触面に対して最小の間隔を取る一方の作動位置の両側に、例えば第2の作動位置の両側に変位可能である。好ましくは、接触面が対応接触面に対して最小の間隔を有している作動位置は、第2の作動位置により提供されている。本態様において、調節行程が少なくとも第2の作動位置の近傍においてストッパフリーに形成可能であることは、有利である。
【0022】
本発明の一態様において、接触面は、作動要素において調節行程に沿って又は調節行程に対して接線方向で方向付けられているようになっていてもよい。本態様において、接触面の、対応して形成、例えば平行に延びるように形成された対応接触面に沿った移動が、調節行程に沿った作動要素の位置変更により簡単に可能であることは、有利である。本態様において、接触面と対応接触面との両面が円筒状に形成されている場合、接触面は、対応接触面に対して同軸に方向付けられていてもよい。この方向付けは、対応接触面に沿った接触面の(又は反対に接触面に沿った対応接触面の)ストッパフリーの移動を簡単に可能にし、接触面は、対応接触面とともに、最接近した位置で、略密閉又は完全密閉を生じさせることができる。
【0023】
接触面が環状又は円筒状であり、対応接触面が相応に環状又は円筒状に合致して形成されていると、特に好適である。
【0024】
本発明の一態様において、作動要素は、少なくとも第1の作動位置で、案内要素でもって通流開口に係合するようになっていてもよい。本態様において、作動要素が通流開口に関して第1の作動位置において調節行程に沿って案内可能であることは、有利である。作動要素が、すべての作動位置で調節行程に沿って、通流開口に係合すると、特に好適である。本態様において、調節行程に沿った作動要素の所定の動きが設定可能であることは、有利である。
【0025】
本発明の一態様において、機能ユニットは、圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗を通流経路内に形成するようになっていてもよい。本態様において、量制御機能及び/又は量制限機能が簡単に実現可能であることは、有利である。例えばこのことは、位置及び/又は大きさが圧力に応じている、通流経路内の位置及び/又は大きさ可変の抵抗体により達成可能である。特に、機能ユニットが、作動要素が第2の作動位置にあるとき、圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗を通流経路内に形成すると、好適である。これにより、流動抵抗の増大は、圧力上昇時に、流動抵抗の増大がなければ起こるであろう単位時間当たりの通流量の増大に対抗する。その結果、全体として所望の量制御機能が生じる。本態様において、流動抵抗は、機能ユニットを介した圧力損失に対して比例していてもよい。
【0026】
本発明の一態様において、機能ユニットは、通流される開口横断面を規定し、開口横断面の横断面積は、圧力勾配の増大時に自動的に機能ユニットを介して縮小するようになっていてもよい。本態様において、圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗が通流経路内に簡単に形成可能かつ提供可能であることは、有利である。
【0027】
特に簡単な態様では、上述の抵抗体がOリングとして形成されていてもよい。
【0028】
一般に、駆動ユニットが、通流経路内を流動する媒体、例えば水と熱接触していると、好適である。本態様において、流動する媒体における温度変化が、簡単に、作動要素の作動動作に直接変換可能であることは、有利である。
【0029】
本発明の一態様において、駆動ユニットは、流れが駆動ユニットの周囲を取り巻くように通流経路内に配置されているようになっていてもよい。本態様において、流動する媒体への駆動ユニットの熱結合の効率が特に高いことは、有利である。
【0030】
本発明の一態様において、駆動ユニットは、通流経路の流れ方向で機能ユニットの後に配置されているようになっていてもよい。本態様において、衛生設備用組込部材内のスペース状況が良好に利用可能であることは、有利である。駆動要素は、択一的には機能ユニットの前に配置されていてもよい。
【0031】
本発明の一態様において、体積流量従属性は、閾温度の下で絞り機能を示すようになっていてもよい。これにより、冷水の事実上制限されることのない流出が設定可能である。ここで絞り機能とは、絞りにあるような体積流量従属性を規定する機能と解される。例えばこのことは、少なくとも初期圧の上では実質的に圧力に応じない流動抵抗が示される(厳密には、平方根関数の推移が生じる)ことを特徴とし得る。絞りは、圧力降下と、これに対応する通流量との略比例の関係を特徴とし得る。
【0032】
付加的又は択一的に、体積流量従属性は、閾温度の上で量制限機能を示すようになっていてもよい。ここで量制限機能とは、量制限器にあるような機能と解される。例えば量制限機能は、少なくとも初期圧の上では圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗(一次導関数)が示されることを特徴とし得る。この場合、制限値の下への通流量の制限を示す量制限機能では、流動抵抗の増大は、制限値が量制御機能の水平の漸近線として生じる程強い。
【0033】
量制御機能の定性的な記載は、一般に、最大で許容可能な圧力まで、例えば10バールまで、又は別の、衛生設備の設計時に一般的な、最大で許容可能な圧力まで当てはまる。この圧力の上では、機能ユニットの規定通りの機能は、もはや存在しない。
【0034】
好ましくは、閾温度は、温水の温度を冷水の温度から隔てる範囲内、例えば20℃〜40℃の範囲内、特に25℃〜35℃の範囲内、特に好ましくは28℃〜32℃の範囲内に確定されている。
【0035】
一般に、衛生設備用組込部材がインサートカートリッジとして形成されていると、好適である。これにより、衛生設備用組込部材は、衛生器具において多様に使用される。
【0036】
好ましい態様において、組込部材は、噴流制御器(Strahlregler)として形成されているようになっていてもよい。これにより、噴流制御器において、2つの所定の体積流量従属性間での機能ユニットの温度に応じた切換が、設定可能である。
【0037】
好ましい態様において、組込部材は、ねじ山を備え、収容ハウジングに装入可能であるようになっていてもよい。本態様において、ねじ山は、雌ねじ山及び/又は雄ねじ山として形成されていてよい。収容ハウジングは、例えば衛生器具や、衛生設備用ホースに形成されていてよい。
【0038】
冒頭で述べた形態の衛生器具
において、頻繁な使用が予定され、上記課題を解決するために、本発明により
、請求項1から1
3までのいずれか1項記載
の組込部材
は、衛生器具の水供給部及び/又は水流出部内に配置されている。本態様において、温水管路内に存在する冷めた水と、温水管路内で運転温度にある温水とのためのそれぞれ異なる通流挙動が、簡単に達成可能であることは、有利である。これにより本発明は、温水の所望の節約効果と、温水が水流出部に実際に提供されるまでに要する可及的短い運転時間とを組み合わせることを可能にする。
【0039】
上記課題を解決するために、本発明により、冒頭で述べた形態の方法において、体積流量を圧力に応じて規定する体積流量従属性を、流動する媒体の温度に応じて設定し、このとき、体積流量従属性は、流動する媒体の所定の最低圧力以上において、第1の温度に対して第1の通流量を規定し、第1の温度より高い第2の温度に対して、第1の通流量より少ない第2の通流量を規定する。好ましくは、通流量は、固定の単位時間に関する。本態様において、所望されていない冷たい水が速やかに導出可能である一方、エネルギ面で高価値の温水のために、単位時間当たりの通流量を制限又は制御する節約機能が実現可能であることは、有利である。
【0040】
本発明の一態様において、体積流量従属性は、第2の温度において又は第2の温度の上において、通流経路の高められた流動抵抗及び/又は通流量の制限を規定するようになっていてもよい。これにより温水についての水の消費量は、簡単に削減可能である。
【0041】
本発明の一態様において、体積流量従属性は、第2の温度において又は第2の温度の上において、通流経路の、圧力の上昇に伴って増大する流動抵抗を規定するようになっていてもよい。本態様において、量制限又は少なくとも絞りと比較した通流量の低減が達成可能であることは、有利である。
【0042】
本発明の一態様において、流動する媒体の閾温度の下で、特に第1の温度において、絞り機能の体積流量従属性を設定
し、かつ/又は流動する媒体の閾温度の上で、特に第2の温度において、量制限機能の体積流量従属性を設定するようになっていてもよい。
流動する媒体の閾温度の下で絞り機能の体積流量従属性を設定すると、例えば冷めた温水は速やかに排出可能であるので、運転温度にある温水を速やかに提供することができる
。流動する媒体の閾温度の上
で量制限機能の体積流量従属性を設定する
と、例えば温水のために節水機能が実現可能である。
【0043】
次に本発明について複数の実施の形態を参照しながら詳細に説明するが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。その他の実施の形態は、個々の又は複数の請求項の特徴相互の、かつ/又は実施の形態の個々の又は複数の特徴との組み合わせにより生じる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】作動要素が第2の作動位置にあるときの本発明に係る衛生設備用組込部材の断面図である。
【
図2】作動要素が第1の作動位置にあるときの
図1の組込部材を示す図である。
【
図4】
図1の組込部材により実現可能な2つの体積流量従属性を示す図である。
【
図5】形状記憶性を有する材料を含む駆動ユニットを備える別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図6】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図5の組込部材を示す図である。
【
図8】流れ方向で前に置かれた駆動ユニットを備える別の本発明に係る組込部材の断面図である。
【
図9】作動要素が第1の作動位置にあるときの
図8の組込部材を示す図である。
【
図11】噴流制御器として形成された別の本発明に係る組込部材の断面図である。
【
図12】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図11の組込部材を示す図である。
【
図14】形状記憶性を有する材料を含む駆動ユニットを備え、噴流制御器として形成された別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図15】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図14の組込部材を示す図である。
【
図17】バイメタルディスクを有する駆動ユニットを備え、噴流制御器として形成された別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図18】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図17の組込部材を示す図である。
【
図20】位置変更可能な作用要素として形成された作動要素を備え、噴流制御器として形成された別の本発明に係る組込部材の断面図である。
【
図21】作動要素が作用位置に移動したときの
図20の組込部材を示す図である。
【
図23】使用状態にある本発明に係る衛生器具を示す図である。
【
図24】本発明に係る衛生設備用組込部材の、衛生器具における本発明によるさらなる使用を示す図である。
【
図25】
図1の管形のハウジングの部分断面図である。
【
図26】本発明に係る衛生設備用組込部材の、衛生器具における本発明によるさらなる使用を示す図である。
【
図27】本発明に係る組込部材により実現可能な2つの体積流量従属性を示す図である。
【
図28】2つの絞り機能を実現する別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図29】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図28の組込部材を示す図である。
【
図31】
図28の組込部材により実現可能な体積流量従属性の定性的な原理図である。
【
図32】噴流分解器として形成された別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図33】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図32の組込部材を示す図である。
【
図35】複合型の量制御器兼噴流分解器として形成された別の本発明に係る組込部材を示す図である。
【
図36】作動要素が第2の作動位置にあるときの
図35の組込部材を示す図である。
【0045】
図1は、全体として符号1を付した本発明に係る衛生設備用組込部材の軸方向断面図である。
【0046】
組込部材1は、カートリッジ、特にインサートカートリッジとして管形の組込スリーブ2を備えて形成されている。
【0047】
本実施の形態では円筒状をなした組込スリーブ2の軸線3は、通流経路4を規定しており、通流経路4の流れ方向は、
図1で見て上から下に、入口5と出口6との間を延びている。
【0048】
入口5と出口6との間において、通流経路4内には、機能ユニット7が形成されている。機能ユニット7は、公知の形式で抵抗体8、本実施の形態ではOリングにより、量制御機能の体積流量従属性を実現する。この場合、抵抗体8は、圧力に応じた横断面積を有する開口横断面10を形成すべく、入口5にかかる圧力又は入口5と出口6との間で機能ユニット7を介して降下する圧力に応じて、様々な強さで受容部9に押し付けられる。
【0049】
こうして、入口5における圧力が高いと、あるいは入口5と出口6との間の圧力差が大きいと、開口横断面10の横断面積が小さくなり、反対に圧力が小さいと、横断面積が大きくなることが達成される。
【0050】
これにより機能ユニット7は、圧力が上昇すると、開口横断面10の横断面積が自動的に縮小されることで、圧力上昇の当然の帰結としての単位時間当たりの通流量の増大に抗して作用する。別の実施の形態では、圧力に応じた横断面積を形成するために、Oリングの代わりに別の弾性的な成形体が設けられている。
【0051】
これにより、概略的又は定性的に
図4に示してある体積流量従属性が生じる。
図4に表示した数値は、説明のために記入したにすぎず、別の実施の形態では、表示した数値とは大きく異なっている場合がある。
【0052】
図1に示した組込部材1は、上述のように、(下側の)温度閾値の下にある温度に関する曲線による体積流量従属性11を実現する(
図4参照)。(単位時間当たりの)通流量が1barを上回る圧力に関して略一定であり、制限されていることが看取可能である。これにより体積流量従属性11は、流動抵抗が少なくとも約1barの初期圧の上側で圧力の上昇に伴って増大する量制限機能を表している。6l/minの制限値の下にある値への制限を表す水平の漸近直線は、実現される体積流量従属性の1つのパラメータを説明する。
【0053】
このパラメータが変更されると、例えば
図4に示した体積流量従属性12が生じる。この体積流量従属性12において、漸近的な推移、すなわち大きな圧力(ここでは約1バールの初期圧の上にある圧力)に関する推移は、もはや水平の直線ではなく、近似的に線形に、厳密には平方根関数として上昇する直線により与えられている。この上昇する直線は、例えば絞りの、圧力に応じない又はほとんど応じない流動抵抗を表している。これにより体積流量従属性12は、定性的に絞り機能を表している。体積流量従属性11の量制限は、機能していない。
【0054】
図1に示した機能ユニット7は、作動要素13を有している。作動要素13は、ハウジング14及び/又は抵抗体8に対して相対的に移動可能又は位置変更可能に配置されている。
【0055】
これにより作動要素13は、軸線3に対して平行に方向付けられた直線状の作動行程に沿って、作動要素13の、
図2に示した第1の作動位置と、作動要素13の、
図1に示した第2の作動位置との間で調節可能あるいは移動可能である。
【0056】
図2に示した作動要素13の第1の作動位置で、組込部材1は、
図4に示した体積流量従属性12を実現する。
【0057】
作動要素13の
図1に示した第2の作動位置で、組込部材1は、
図4に示した体積流量従属性11を実現する。
【0058】
図1に示した作動位置と
図2に示した作動位置との間での切換のために、組込部材1内に駆動ユニット15が形成されている。
【0059】
駆動ユニット15は、感温性であり、作動要素13に対してその自身の温度に応じて力を加える。
【0060】
図1は、
図2と比較して高い自身の温度を有する駆動ユニット15を示している。
【0061】
図1に示した状況から
図2に示した状況への、つまり閾値の下への降温時に、第1の作動位置へと作動要素13を戻すために、戻しばね16が設けられている。このとき、作用面に作用する水圧が作動要素13の戻し案内を補助するようになっていてもよい。
【0062】
図2に示した位置は、下側の温度閾値T
<の下で取られ、
図1に示した位置は、上側の温度閾値T
>の上で取られる。下側の温度閾値T
<と、上側の温度閾値T
>とは、互いに近似しているか、又はそれどころか同じであってもよい。温度閾値T
<,T
>は、冷水の温度範囲と温水の温度範囲とを分けることが可能である。温度閾値T
<,T
>は、体積流量従属性12から体積流量従属性11への移行が、通流する媒体の昇温時(及び反対の移行が降温時)に急激になされる程、互いに近似していてもよい。
【0063】
これにより全体として、駆動ユニット15が高温であるときに作動要素13が
図1に示した第2の作動位置にある一方、駆動ユニット15が低温であるときに作動要素13が
図2に示した第1の作動位置にあることが達成されている。
【0064】
位置変更のために必要な作動動作は、駆動ユニット15が軸線3に沿って温度に応じた膨張あるいは伸長を示すことから生じる。
【0065】
このために、駆動ユニット15の内部に形成された収容チャンバ17に、感温性の媒体18、例えばサーモワックス(Thermowachs)が充填されている。
【0066】
媒体18は、温度が下側の温度閾値T
<と上側の温度閾値T
>との間にあるとき(あるいは下側の温度閾値と上側の温度閾値Tとが一致しているときはその温度閾値にあるとき)に、相転移を経て、急激に膨張する特性を有している。これにより、感温性の媒体18は、駆動ユニット15の昇温時に膨張し、ピストン20の可動のチャンバ壁19に対して力を加える。これによりピストン20は、媒体18の昇温時に収容チャンバ17から押し出される。
【0067】
ピストン20は、作動要素13と作用結合しており、作動要素13に対して力を加える。その結果、作動要素13は、閾値を超える駆動ユニット15の昇温時に、
図2に示した第1の作動位置から、直線状の調節動作に沿って、
図1に示した第2の作動位置に移行される。調節行程に沿った作動要素13の位置変更は、ここでは並進運動により達成される。しかし、形状記憶材料からなるか、又はバイメタルから製造されていてよい別の好適な駆動ユニットにより、調節行程に沿った作動要素の位置変更を回転運動により行うことも可能である。
【0068】
既に言及したように、戻しばね16は、駆動ユニット15の降温後、作動要素13を再び
図2に示した第1の作動位置に戻し案内する。
【0069】
機能ユニット7には通流開口21が形成されている。通流開口21は、
図2では開放されており、開口横断面10に対するバイパスをなしている。
【0070】
図1では、この通流開口21が、第2の作動位置にある作動要素13により閉鎖されている。
【0071】
この通流開口21により、
図4に示したそれぞれ異なる体積流量従属性11,12についての説明がつく。
【0072】
体積流量従属性12の高められた通流量は、開放された通流開口21を通して付加的に水が流れることにより生じる。
【0073】
これに対して、第1の作動位置では、作動要素13が通流開口21を閉鎖する。その結果、水は、専ら抵抗体8に沿って流動せざるを得ず、これにより体積流量従属性11が生じる。
【0074】
図1から、感温性の媒体18がさらに熱膨張したときに、作動要素13が、
図1に示した第2の作動位置を越えて、閉鎖された通流開口21内に向かって進入可能であることが看取可能である。
【0075】
これにより、作動要素13の調節行程は、少なくとも第2の作動位置(
図1)に近い行程終端においてストッパフリーに設定されており、作動要素13は、媒体18がさらに膨張したときに、第2の作動位置を越えて作動終端位置へと移動可能である。
【0076】
第2の作動位置において通流開口21を密封するために、作動要素13は、接触面22を有している。接触面22は、円筒状に形成されており、外筒面として軸線3周りに延びている。
【0077】
この接触面22は、定置の対応接触面23と協働する。対応接触面23は、内筒面として形成されている。対応接触面23の直径は、第2の作動位置で通流開口21の密閉又は略密閉が生じるように、接触面22の外径に合わせて調整されている。この密閉は、一実施の形態において付加的なOリング(図示せず)により形成されていてもよい。しかし、Oリングは、作動要素13の摩擦並びに製造手間及び製造コストを高めてしまう。
【0078】
図1からは、作動要素13が作動終端位置へと変位される際に、第2の作動位置において密封を生じる接触面22が、この接触面22と密封のために協働している対応接触面23に沿って移動されることが看取可能である。
【0079】
さらに
図1及び
図2には、作動要素13の調節行程が直線状に形成されていることが看取可能である。調節行程は、流れ方向に方向付けられている。
【0080】
別の実施の形態では、弧を描いた又は曲線状の調節行程が設定されていてもよい。このような調節行程の場合、例えば作動要素13は、揺動又は旋回される。調節行程は、流れ方向に対して横方向、特に垂直に方向付けられていてもよい。
【0081】
図1及び
図2には、接触面22が対応接触面23に沿って移動することを可能にするために、接触面22が作動要素13の調節行程に沿って又は調節行程に対して接線方向に方向付けられていることも看取可能である。これにより対応接触面23も、調節行程に沿って又は調節行程に対して接線方向に方向付けられている。
【0082】
このことは、
図1及び
図2に示した実施の形態では、作動要素13の調節行程を表す軸線3が同時に、外筒面を形成する接触面22及び内筒面を形成する対応接触面23の軸線をなしていることを意味している。これにより、接触面22と対応接触面23とは、互いに同軸に方向付けられており、調節行程は、同軸的な配向の基準としての軸線に沿って延びている。
【0083】
駆動ユニット15、ひいては感温性の媒体18の、流動する媒体へのできる限り良好な熱結合を可能にするために、駆動ユニット15は通流経路4内において、流動する媒体が駆動ユニット15を取り巻いて流動できるように配置されている。
【0084】
入口5から出口6へと流動する媒体の流れ方向で見て、図示の実施の形態では、駆動ユニット15は、機能ユニット7の後、つまり下流側に配置されている。
【0085】
本実施の形態では、収容チャンバ17の定置の部分は、ハウジング14に固定されている。
【0086】
本実施の形態では、駆動ユニット15は、複数のウェブ41に設置されている。ウェブ41は、ハウジング14の内側に一体成形されており、感温性の媒体18の膨張力を受ける受けを形成している(
図25参照)。
【0087】
出口スクリーン24も、ハウジング14に結合されている。
【0088】
これにより衛生設備用組込部材1の使用中、作動要素13は、通流経路4内の流動する媒体の温度に応じて、
図2に示した第1の作動位置と
図1に示した第2の作動位置との間で、かつ場合によってはさらに終端作動位置へと走行又は調節される。これにより、流動する媒体が温水であるときは、
図4に示した体積流量従属性11が設定され、流動する媒体が冷水であるときは、
図4に示した体積流量従属性12が設定されていることが達成される。
【0089】
図4からは、体積流量従属性12が、量制御機能が高信頼性に制御される最低圧力以上、すなわち少なくとも1barを上回る圧力において、所定の温度領域を下回る第1の温度時に、この温度領域を上回る第2の温度に対する体積流量従属性11の対応する通流量よりも大きな通流量を規定することが看取可能である。
【0090】
これにより体積流量従属性11は、少なくとも上側の温度閾値時、本実施の形態ではそれよりも高い温度時にも、通流経路4の高められた流動抵抗を規定する。この流動抵抗から、結果として通流量の制限が生じる。別の実施の形態では、別の温度での量制御機能が実現されている。
【0091】
図3に示すように、3つの案内要素26が形成されている。案内要素26は、作動要素13のすべての作動位置への作動要素13の調節動作を案内するために通流開口21に係合する。別の実施の形態では、これとは異なる個数及び/又は形状の案内要素が形成されている。
【0092】
案内要素26間には、流動する媒体が、
図2に示した作動要素13の第1の作動位置において通流開口21を通して流動することができるようにするために、貫流開口27が形成されている。
【0093】
図5〜
図7は、本発明に係る衛生設備用組込部材1の別の実施の形態を示している。本実施の形態では、
図1〜
図4に示した実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種又は類似の構成部材には、同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより
図1〜
図4に対して加えた説明は、
図5〜
図7に対しても相応に当てはまる。
【0094】
図1〜
図4に示した実施の形態とは異なり、
図5〜
図7に示した実施の形態では、駆動ユニット15が、形状記憶性を有する材料からなる螺旋状に巻成された駆動要素25を有している。
【0095】
駆動要素25は、本実施の形態では、通流経路4内の冷水と接触したときに、
図5に示すような軸線3に沿った延在長さを占める一方、閾温度を上回る温水と接触したときには、
図6に示すように、軸線3に沿った延在長さを拡大するように形成されている。
【0096】
これにより
図5は、第1の作動位置を示している。第1の作動位置において通流開口21は、機能ユニット7のバイパスとして開放されている。これに対して
図6は、作動要素13の第2の作動位置を示している。第2の作動位置において通流開口21は、閉鎖されている。
【0097】
これにより、
図5に示した作動位置で、機能ユニット7は、
図4に示した体積流量従属性12を規定し、
図6に示した機能ユニット7は、
図4に示した体積流量従属性11を規定している。体積流量従属性12における絞りとして作用する通流開口21の貢献は、明りょうに看取可能である。
【0098】
戻しばね16は、作動要素13を第1の作動位置に戻すために、流動する媒体の降温時に駆動ユニット15の戻し運動を補助する。
【0099】
駆動要素25により全体として提供可能な力は、
図1〜
図3に示した感温性の媒体18の場合と比較すると、形状記憶材料の固有弾性及びばねとしての駆動要素25の構成とに基づいて小さい。
【0100】
それゆえ、
図5〜
図7に示した実施の形態では、接触面22を外筒面としてではなく、作動要素13の端面として又は端面に形成することが可能である。
【0101】
これにより、対応する対応接触面23は、軸方向に向いたリングとして形成されており、第2の作動位置における作動要素13のためのストッパを形成する。
【0102】
これに対して、
図1〜
図3において接触面22及び対応接触面23を同様に形成してしまうと、管理されずに膨張した感温性の媒体18が、衛生設備用組込部材1を破壊してしまう恐れがある。
【0103】
図8〜
図10は、本発明に係る衛生設備用組込部材1の別の実施の形態を示している。この組込部材1において、
図1〜
図7に示した実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットには、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより、
図1〜
図7に対して加えた説明は、
図8〜
図10に対しても相応に当てはまる。
【0104】
図1〜
図7に示した実施の形態とは異なり、
図8〜
図10に示した実施の形態では、駆動ユニット15が下流側ではなく、流れ方向で見て機能ユニット7の前の上流側に配置されている。これにより駆動ユニット15は、ウェブ41に固定されている。これにより
図9は、第1の作動位置にある作動要素13を示し、
図8は、第2の作動位置にある作動要素13を示している。
【0105】
図11〜
図13は、本発明に係る衛生設備用組込部材1の別の実施の形態を示している。本実施の形態では、
図1〜
図10に示した実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットに、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。
【0106】
図11〜
図13に示した実施の形態は、付加的に噴流分解ユニット28を有している。噴流分解ユニット28は、流れ方向で見て機能ユニット7の後に配置されている。
【0107】
噴流分解ユニット28は、多数のノズル29と、流動する媒体に空気を混合させる多数の空気入口30とを有している。
【0108】
これにより衛生設備用組込部材1は、量制御機能を有する噴流分解器(Strahlzerleger)として形成されている。
【0109】
その他の点では、駆動ユニット15は、
図1〜
図4に示した実施の形態と同様に形成されている。
【0110】
図14〜
図16に示した実施の形態では、前述の実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットには、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより、
図1〜
図13に示した実施の形態に対して加えた説明は、本実施の形態に対しても相応に当てはまる。
【0111】
図14〜
図16に示した実施の形態でも、衛生設備用組込部材1は、量制御機能を有する噴流制御器として形成されており、既述の噴流分解ユニット28を有している。
【0112】
本実施の形態における駆動ユニット15の作用原理は、
図5〜
図7に示した実施の形態と同様である。
【0113】
本実施の形態では、駆動ユニット15を収容するフレーム31が、流動する媒体を透過させるように形成されていてもよい。これにより駆動要素25は、流れが駆動要素25を直接的に取り巻くようになっていることができる。これに対してフレーム31が非透過性に形成されている場合は、駆動要素25は、流れが駆動ユニット15内の駆動要素25を間接的に取り巻くようになっている。
【0114】
図17〜
図19は、本発明に係る衛生設備用組込部材1の別の実施の形態を示している。
図1〜
図16に示した実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットには、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより
図1〜
図16に対して加えた説明は、
図17〜
図19に対しても相応に当てはまる。
【0115】
図17〜
図19に示した実施の形態では、駆動ユニット15は、4つのバイメタルディスク32を有している。これらのバイメタルディスク32は、その形状を既知の形式で自身の温度に応じて変化させる。
【0116】
図18は、バイメタルディスク32が温水温度にある作動要素13の第2の作動位置を示している。
【0117】
これに対して
図17は、バイメタルディスク32が冷水温度に冷却されている作動要素13の第1の作動位置を示している。
【0118】
第1の作動位置と第2の作動位置との間の十分な作動行程を形成するために、複数のバイメタルディスク32が互いに積層されており、これにより個々のバイメタルディスク32の、温度に起因するそれぞれの膨張を加算することができる。
【0119】
本実施の形態では、4つのバイメタルディスク32が互いに積層されており、1つの案内ピン33に嵌合されている。これとは異なる個数のバイメタルディスク32及び/又はこれとは異なる形状のバイメタル要素も使用可能である。
【0120】
これにより作動要素13には、位置変更のための調節動作を実施するために、バイメタルディスク32により力が加えられる。
【0121】
図17〜
図19に示した駆動ユニット15の駆動原理は、別の実施の形態において、噴流分解ユニット28を有しない
図1〜
図10に示した実施の形態のうちの1つの実施の形態と組み合わされてもよい。
【0122】
図20〜
図22は、本発明に係る衛生設備用組込部材の別の実施の形態を示している。本実施の形態では、
図1〜
図19に示した実施の形態に対して構造的かつ/又は機能的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットに、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより、
図1〜
図19に対して加えた説明は、
図20〜
図22においても相応に当てはまる。
【0123】
図20〜
図22に示した実施の形態では、抵抗体8の受容部9と作動要素13とが、1つの共通の構成部材に形成されており、これにより一体的に結合されている。
【0124】
図20は、第1の作動位置にある作動要素13、つまり冷水温度時の作動要素13を示している。第1の作動位置、つまり冷水温度において、受容部9は、量制御機能の所定の体積流量従属性が、体積流量従属性11と比較可能であるが、それよりも高い通流量レベルにあるように、抵抗体8から離隔されている。
【0125】
これにより開口横断面10は、常に、つまり閾温度の下及び閾温度の上において、
図4に示した体積流量従属性11のような典型的な推移を有する量制御器として作用する。
図27は、この事例を示している。機能ユニット7は、閾温度の下(又はヒステリシス挙動が実現されている場合は閾温度範囲の下)では、体積流量従属性45を規定し、閾温度の上では、最大の通流量のためのより低い限界値に適した体積流量従属性11を規定する。
【0126】
通流経路4内に温水が供給されると、感温性の媒体18は、既述の通り昇温し、作動要素13を
図21に示した第2の作動位置へと案内する。
【0127】
この第2の作動位置で受容部9は、
図27に示した体積流量従属性11を実現するために機能しているように抵抗体8に近付けられている。
【0128】
さらに言及しておくと、戻しばね16は、
図11〜
図22に示した実施の形態では、噴流制御器として形成される組込部材1の前置スクリーン34に支持されている。これに対して、
図1〜
図10に示した実施の形態では、戻しばね16は、機能ユニット7に下流側で支持されている。
【0129】
図28〜
図30は、別の本発明に係る組込部材1を示している。
図28〜
図30に示した実施の形態では、前述の実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同種かつ/又は類似の構成部材及び機能ユニットに、再び同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。これにより、
図1〜
図27に示した実施の形態に対して加えた説明は、本実施の形態に対しても相応に当てはまる。
【0130】
図28〜
図30に示した実施の形態は、
図20〜
図22に示した実施の形態とは、抵抗体8が装入されていない点で相違する。それゆえ機能ユニット7は、第1の作動位置(
図28)でも、第2の作動位置(
図29)でも、絞り機能タイプのそれぞれ1つの体積流量従属性12,48を規定する。
【0131】
図31は、機能ユニット7のこの特性を定性的に示している。閾温度(閾値)の下、つまり第1の作動位置で、機能ユニット7は、体積流量従属性12を規定している。閾温度の上、つまり第2の作動位置で、機能ユニット7は、体積流量従属性48を規定している。
【0132】
体積流量従属性12,48は、それぞれ絞りに対応している。体積流量従属性48は、体積流量従属性12に対して高められた流動抵抗を示している。これにより水消費量は、本実施の形態でも閾温度の上において低減されている。
【0133】
図32〜34は、別の本発明に係る組込部材1を示している。前述の実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同一又は類似の構成部材には、同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。
図1〜
図31に対して加えた説明は、本実施の形態に対しても相応に当てはまる。
【0134】
図32〜
図34に示した実施の形態は、
図28〜
図30に示した実施の形態とは、噴流分解ユニット28の構成の点で相違する。
【0135】
図28〜
図30に示した実施の形態とは異なり、
図32〜
図34に示した実施の形態では、ノズル29が軸方向に方向付けられておらず、半径方向外向きとなっている。したがって、流動する水は、周囲を取り巻くように延び、内向きとされたバッフル面49に向けて、噴霧される。
【0136】
バッフル面49への噴霧に次いで、水は、別のノズル50を通して空気入口30の流入領域に到達し、エアレーションが行われる。
【0137】
図22〜
図34に示した実施の形態は、
図31に示した体積流量従属性12,48を実現する。
【0138】
図35〜
図37は、別の本発明に係る組込部材1を示している。前述の実施の形態に対して機能的かつ/又は構造的に同一又は類似の構成部材には、同一の符号を付し、これらについて再度個別に説明することはしない。
図1〜
図34に対して加えた説明は、本実施の形態に対しても相応に当てはまる。
【0139】
図35〜
図37に示した実施の形態は、
図14〜
図16に示した実施の形態とは噴流分解ユニット28の構成の点で相違する。
【0140】
噴流分解ユニット28は、本実施の形態では、
図32〜
図34に対して説明したように形成されている。これにより、
図32〜
図34に対して加えた説明が相応に当てはまる。
【0141】
図23は、本発明に係る衛生設備用組込部材1の、全体として符号35を付した衛生器具における使用可能性を示している。
【0142】
例えば
図1〜
図22に示した実施の形態に則して又はその他の形式で本発明により形成されていてよい組込部材1は、水流出部36内に、つまり流動方向で混合栓37の後に配置されている。
【0143】
これにより、混合栓37を介して調節された流動する水が水流出部36においてどのような温度を有しているかに応じて、組込部材1は、前述の形式で
図4に示すような体積流量従属性11又は体積流量従属性12を実現する。
【0144】
これによりまず、冷めた水が温水供給部38から流入する間は、この冷めた水を可及的速やかに流出させるべく、水流出部36を通した高められた通流量が設定可能である。
【0145】
温水供給部38を介して水流出部36に所望の温度の温水が流れると直ちに、衛生設備用組込部材1は、例えば
図4に示した所定の体積流量従属性11を前述の形式で有効にする。
【0146】
図24は、本発明に係る衛生器具35の別の実施の形態を示している。本実施の形態では、衛生設備用組込部材1は、温水供給部38内に配置、つまり流れ方向で混合栓37の前に配置されている。このことは、例えば本発明に係る衛生設備用組込部材1がアングル弁39に直接配置されていることにより達成可能である。
【0147】
これにより冷水供給部40からの水は、衛生設備用組込部材1の量制御機能の影響を受けることなく、水流出部36へと流動可能である。
【0148】
その他の点では、
図23に対して加えた説明が、
図24に示した実施の形態においても相応に当てはまる。
【0149】
図23及び
図24からは、カートリッジとして形成された組込部材1が簡単に、既存の衛生器具35にも後付け可能、例えば対応する接続ねじ山を有する接続部材内に後付け可能であることが看取可能である。
【0150】
この関連においてさらに言及するならば、図示した組込部材1には、入口5及び出口6のそれぞれに、雌ねじ山46及び/又は雄ねじ山47が、組込部材1を接続するために設けられている。
【0151】
好ましくは、第1の温度は、閾温度の下にあり、第2の温度は、閾温度の上にある。
【0152】
図26は、シャワー器具42としての本発明に係る衛生器具35の別の実施の形態を示している。シャワー器具42は、シャワーホース43と、シャワーホース43に接続されたシャワーヘッド44とを有している。衛生設備用組込部材1は、シャワーホース43の始端に、つまり流れ方向で混合栓37の後に装入されている。本実施の形態では、組込部材1は、雌ねじ山46又は雄ねじ山47を介して一方ではシャワーホース43又は別の衛生器具ホースに、他方では衛生器具35にねじ締結される。
【0153】
組込部材1は、別の実施の形態では、組み付けるために少なくとも部分的に衛生器具35の収容ハウジング51内に装入され、収容ハウジング51にねじ締結されてもよい。
【0154】
機能ユニット7とともに量制御器を形成する衛生設備用組込部材1において、組込部材1を通流する媒体の温度に応じて作動要素13のそれぞれ異なる作動位置が設定されており、このとき、それぞれ異なる作動位置がそれぞれ互いに異なる体積流量従属性11,12,45,48及び/又は流動抵抗を実現するように、調節行程に沿って調節可能な作動要素13を感温性の駆動ユニット15に連結することを提案する。