(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940255
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】薬剤搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 17/30 20060101AFI20160616BHJP
B65G 17/16 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
B65G17/30 Z
B65G17/16 B
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-152321(P2011-152321)
(22)【出願日】2011年7月8日
(65)【公開番号】特開2013-18595(P2013-18595A)
(43)【公開日】2013年1月31日
【審査請求日】2014年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】509177599
【氏名又は名称】株式会社三立工業
(74)【代理人】
【識別番号】100130144
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健一
(72)【発明者】
【氏名】土井 英樹
(72)【発明者】
【氏名】福住 修一
【審査官】
大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−038238(JP,A)
【文献】
特開平07−061551(JP,A)
【文献】
特開平09−150905(JP,A)
【文献】
特開2008−264154(JP,A)
【文献】
特開平06−316334(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3119558(JP,U)
【文献】
実開昭61−175188(JP,U)
【文献】
実開平05−082920(JP,U)
【文献】
実開平05−038409(JP,U)
【文献】
特開2001−335147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 11/16
B65G 17/00−17/48
B65G 47/00−47/32
A61J 1/00−19/06
F16B 17/00−19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面などに立設されたタワーと、
内部の薬剤載置部に錠剤またはカプセル剤を載置し、該薬剤載置部に錠剤またはカプセル剤を載せながら、前記タワーに沿って上下動するバケットと、
前記タワーの下部に配置され、錠剤またはカプセル剤を前記バケットに搬出する送路を有する薬剤投入装置と、
前記タワーの上部に配置され、前記バケットから錠剤またはカプセル剤が搬入される送路である排出シュートと、
前記バケットの薬剤載置部の下面に載置された薬剤緩衝板と、を備え、
前記薬剤緩衝板は、
上面に上端部から中部まで円形断面形状が大きくなり、中部から下端部にまで円形断面形状が小さくなる勘合凸部が設けられ、前記バケットの薬剤載置部の下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる下板と、
縦方向の長さおよび横方向の長さが前記下板と同一長さで該下板の上部に配置され、下面に前記下板の勘合凸部と嵌合して結合させるための勘合凹部が設けられたシリコンゴムからなる弾性板と、
を有し、
前記薬剤緩衝板の弾性板は、移動する錠剤またはカプセル剤が最初に衝突する面の下部に空隙部が設けられ、
前記弾性板の勘合凹部は、前記下板の勘合凸部の円形断面形状の最大断面と略同一の断面形状をし、
前記薬剤緩衝板の下板は、勘合凸部の上端から下板の下端に至る貫通孔を有している薬剤搬送装置。
【請求項2】
前記薬剤緩衝板は、前記排出シュートの送路下面にも載置され、
上面に上端部から中部まで円形断面形状が大きくなり、中部から下端部にまで円形断面形状が小さくなる勘合凸部が設けられ、前記排出シュートの送路下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる下板と、
縦方向の長さおよび横方向の長さが前記下板と同一長さで該下板の上部に配置され、下面に前記下板の勘合凸部と勘合して結合させるための勘合凹部が設けられたシリコンゴムからなる弾性板と、
を有する請求項1記載の薬剤搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤またはカプセル剤を搬送する薬剤搬送装置および薬剤搬送装置の送路に載置された薬剤緩衝板に関する。詳しくは、錠剤またはカプセル剤が投入される下降位置から錠剤またはカプセル剤を排出する上昇位置の間を昇降するバケットを備えた薬剤搬送装置および薬剤搬送装置の送路に載置された薬剤緩衝板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、錠剤を搬送する錠剤搬送装置が知られている。この種の錠剤搬送装置として、床面等に立設されたタワー内に下降位置と上昇位置との間で昇降可能なバケットが設けられ、そして、タワーの上端部には排出シュートが配設され、タワーの下端部には錠剤投入装置が隣接配置されているものがあった。この錠剤搬送装置では、錠剤が錠剤投入装置からバケットに搬送され、そのバケットが上昇して移動した後にバケットから排出シュートに搬送されるものであった(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−006161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の錠剤搬送装置では、錠剤が錠剤投入装置からバケットに移動するときや、バケットから排出シュートに移動するときに、錠剤がバケットの下面や排出シュートの下面に衝突して、錠剤に割れや欠けなどを生じる場合があった。また、錠剤に割れや欠けなどが生じないようにするために、バケットの薬剤載置部の下面や排出シュートの送路の下面に弾性体を接着させて配置させることも考えられるが、この場合でも、バケット自体を分解して洗浄する際に、バケットの薬剤載置部の下面や排出シュートの送路の下面に接着物で取り付けた弾性体を取り外すことが困難で、バケットと弾性体の間に入り込んだ異物を洗浄し辛かった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、洗浄が容易で、錠剤またはカプセル剤の搬送中に錠剤またはカプセル剤に割れや欠けが生じない安全な薬剤搬送装置および薬剤搬送装置の送路に載置された薬剤緩衝板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち第1の態様に係るものは、床面などに立設されたタワーと、内部の薬剤載置部に錠剤またはカプセル剤を載置し
、薬剤載置部に錠剤またはカプセル剤を載せながら、タワーに沿って上下動するバケットと、タワーの下部に配置され、錠剤またはカプセル剤をバケットに搬出する送路を有する薬剤投入装置と、タワーの上部に配置され、バケットから錠剤またはカプセル剤が搬入される送路である排出シュートと、バケットの薬剤載置部の下面に載置された薬剤緩衝板と、を備え、薬剤緩衝板は、
上面に上端部から中部まで円形断面形状が大きくなり、中部から下端部にまで円形断面形状が小さくなる勘合凸部が設けられ、バケットの薬剤載置部の下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる下板と、
縦方向の長さおよび横方向の長さが下板と同一長さで下板の上部に配置され
、下面に下板の勘合凸部と嵌合して結合させるための勘合凹部が設けられたシリコンゴムからなる弾性板と、を有し、薬剤緩衝板の弾性板は、移動する錠剤またはカプセル剤が最初に衝突する面の下部に空隙部が設けられ
、弾性板の勘合凹部は、下板の勘合凸部の円形断面形状の最大断面と略同一の断面形状をし、薬剤緩衝板の下板は、勘合凸部の上端から下板の下端に至る貫通孔を有しているものである。
【0009】
本発明によれば、バケットの薬剤載置部の下面に
シリコンゴムからなる薬剤緩衝板の弾性板が載置されているので、錠剤またはカプセル剤がバケットの薬剤載置部下面に強く衝突することがなく、錠剤またはカプセル剤に割れや欠けが生じ難くすることができる。また、バケットの薬剤載置部下面には、バケットの薬剤載置部の下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる薬剤緩衝板の下板が接触することになり、移動せず安定密着してバケットの薬剤載置部下面に載置させることができるとともに、接着物を使用しないので洗浄を容易に行うことができる。さらに、薬剤緩衝板の弾性板は、移動する錠剤またはカプセル剤が最初に衝突する面の下部に空隙部を設けているので、薬剤緩衝板に錠剤またはカプセル剤がより緩やかに衝突すること
になり、錠剤またはカプセル剤に割れや欠けが生ずることをなくすことができる。
また、下板の上端部から中部まで円形断面形状が大きくなり、中部から下端部にまで円形断面形状が小さくなる勘合凸部と弾性板の勘合凹部とが勘合して下板と弾性板とが結合するので、容易に取り外しすることができる。また、薬剤緩衝板の下板の勘合凸部の上端から下板の下端に至るまで貫通孔を有しているので、下板の勘合凸部と弾性板の勘合凹部とを勘合させるときに、弾性板の勘合凹部内の空気が下板の貫通孔を介して外部に排出される。これにより、下板の勘合凸部と弾性板の勘合凹部とをスムーズに勘合させることができる。
【0010】
本発明のうち第
2の態様に係るものは、
第1の態様に係る薬剤搬送装置であって、薬剤緩衝板は、排出シュートの送路下面に
も載置され
、上面に上端部から中部まで円形断面形状が大きくなり、中部から下端部にまで円形断面形状が小さくなる勘合凸部が設けられ、排出シュートの送路下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる下板と、
縦方向の長さおよび横方向の長さが下板と同一長さで下板の上部に配置され
、下面に下板の勘合凸部と勘合して結合させるための勘合凹部が設けられたシリコンゴムからなる弾性板と、を有
するものである。
【0011】
本発明によれば、排出シュートの送路下面に
シリコンゴムからなる薬剤緩衝板の弾性板が載置されているので、錠剤またはカプセル剤が排出シュートの送路下面に強く衝突することがなく、錠剤またはカプセル剤に割れや欠けが生じ難くすることができる。また、排出シュートの送路下面には、排出シュートの送路下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる薬剤緩衝板の下板が接触することになり、移動せず安定密着して排出シュート送路下面に載置させることができるとともに、接着物を使用しないので洗浄を容易に行うことができ
る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の薬剤搬送装置によれば、洗浄が容易で、錠剤またはカプセル剤の搬送中に錠剤またはカプセル剤に割れや欠けが生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態における薬剤搬送装置の縦断面略図である。
【
図3】錠剤前進中の錠剤の受取状態を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態における薬剤搬送装置の薬剤緩衝板を載置したバケットの斜視図である。
【
図5】同薬剤緩衝板を載置した排出シュートの断面斜視図である。
【
図6】(a) 同薬剤緩衝板の下板の斜視図である。 (b) 同薬剤緩衝板の下板の上面図である。 (c) 同薬剤緩衝板の下板の側面図である。 (d)
図6(b)のA−A断面図である。
【
図7】(a) 同薬剤緩衝板の弾性板の斜視図である (b) 同薬剤緩衝板の弾性板の上面図である。 (c) 同薬剤緩衝板の弾性板の側面図である。 (d)
図7(b)のB―B断面図である。
【
図8】(a) 同薬剤緩衝板の下板と弾性板の組立方法を示す図である。 (b) 同薬剤緩衝板の上面図である。 (c) 同薬剤緩衝板の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照にして説明する。
図1は本発明の一実施形態における薬剤搬送装置の縦断面略図であり、
図2は同薬剤搬送装置の上面図であり、
図3は錠剤前進中の錠剤の受取状態を示す図であり、
図4は本発明の一実施形態における薬剤搬送装置の薬剤緩衝板を載置したバケットの斜視図であり、
図5は同薬剤緩衝板を載置した排出シュートの断面斜視図である。
【0021】
図1に示すように、バケットリフター1(薬剤搬送装置)は、タワー2と、薬剤投入装置3と、排出シュート4と、タワー2の内部に配されたバケット6などを備えている。
【0022】
バケットリフター1(薬剤搬送装置)は、薬品用錠剤生産および検査ラインの最終工程に配置されているもので、床面等に立設されたタワー2の下端部(下部)の一側に薬剤投入装置3が配置され、タワー2の上端部(上部)の他側に排出シュート4が設けられている。この薬剤投入装置3は、前工程である打錠機(図示略)に隣接配置されている。
【0023】
バケット6は、上面が開口し、その開口した内部である薬剤載置部11に錠剤が載置できるように形成されている。そして、バケット6は、該薬剤載置部11に錠剤を載せながら、回転軸7に支持されてタワー2に沿って上下動する。なお、本実施形態では、錠剤を用いて説明したが、これに限らず、カプセル剤等他の薬剤であってもよい。すなわち、カプセル剤を用いた場合でも、錠剤と同様、カプセル剤がバケット6の下面や排出シュート4の下面に衝突して、カプセル剤に割れや欠けなどを生じる場合があるからである。
【0024】
回転軸7は、バケット6に固着されている。この回転軸7は、エアシリンダーやモーターを動力として回転し、その回転によりバケット6を回転させる。
【0025】
薬剤投入装置3は、電磁式直進フィーダ8と、電磁式直進フィーダ8の上方に設けられている直進フィーダトラフ9を備えている。電磁式直進フィーダ8は、電磁石を駆動源として、直進フィーダトラフ9(送路)を振動させて錠剤を搬送するものである。また、直進フィーダトラフ9は、錠剤をバケット6に給送するための樋状の送路である。この直進フィーダトラフ9には、打錠機(図示略)から搬送シュート12を介し錠剤が投入される。なお、本実施形態では、薬剤投入装置3は、電磁式直進フィーダ8と直進フィーダトラフ9により構成させたが、これに限らず、錠剤をバケット6に搬出する送路を有するものであれば他の構成のものでもよい。
【0026】
排出シュート4は、筒状に形成され、バケット6から錠剤が搬入される送路が形成されている。このように、この排出シュート4の筒状の内部にバケット6から錠剤が送られ、外部に排出される。この排出シュート4の排出端部には、錠剤貯蔵用のドラム容器(図示略)等が配置されている。
【0027】
タッチパネル10は、タワー2に設けられ、バケット6や直進フィーダトラフ9の動作を制御するもので、動作スイッチ(図示略)が備えられている。
【0028】
バケット6の薬剤載置部11の下面と排出シュート4の送路下面には、薬剤緩衝板5が載置されている(
図4および
図5参照)。本実施形態では、バケット6の薬剤載置部11の下面の薬剤緩衝板5は、バケット6の下面全域に載置されている。しかしながら、バケット6の薬剤載置部11の下面については、薬剤投入装置3により錠剤がバケット6に搬出されるときに、その搬出された錠剤が最初に衝突するバケット6の面に載置されていれば十分であり、また、排出シュート4の送路下面については、バケット6から錠剤が排出シュート4に搬入されたときに、その搬入された錠剤が最初に衝突する排出シュート4の通路の下面に載置されていれば足りる。
【0029】
このように、バケット6の薬剤載置部11の下面や排出シュート4の送路下面に薬剤緩衝板5が載置されることにより、薬剤投入装置3から搬出された錠剤やバケット6から搬入された錠剤が薬剤緩衝板5に衝突することとなるので、錠剤がバケット6の薬剤載置部11の下面や排出シュート4の送路下面に強く衝突することがなく、錠剤に割れや欠けが生ずることをなくすことができる。
【0030】
次に、薬剤緩衝板について
図6〜
図8を参照にして詳細に説明する。ここで、
図6は、 (a)は本発明の一実施形態における薬剤搬送装置の薬剤緩衝板の下板の斜視図であり、
図6(b)は同薬剤緩衝板の下板の上面図であり、
図6(c)は同薬剤緩衝板の下板の側面図であり、
図6(d)は
図6(b)のA−A断面図であり、
図7(a)は同薬剤緩衝板の弾性板の斜視図であり、
図7(b)は同薬剤緩衝板の弾性板の上面図であり、
図7(c)は同薬剤緩衝板の弾性板の側面図であり、
図7(d)は
図7(b)のB―B断面図である。また、
図8(a)は同薬剤緩衝板の下板と弾性板の組立方法を示す図であり、
図8(b)は同薬剤緩衝板の上面図であり、
図8(c)は同薬剤緩衝板の側面図である。
【0031】
薬剤緩衝板5は、下板13と弾性板14により構成されている。
【0032】
下板13は、四角の平面形状をした薄型のステンレスからなる金属板である(
図6参照)。この薬剤緩衝板5の下板13は、バケット6の薬剤載置部11の下面や排出シュート4の送路下面に接触して載置される。下板13の上面には勘合凸部15が設けられている。この下板13の勘合凸部15は、上端部から中部に至るまで徐々に円形断面形状が大きくなり、そして中部から下端部に至るまで円形断面形状が小さくなるように形成されている。そして、下板13には、勘合凸部15の上端から下板13の下端に至る貫通孔16が設けられている(
図6(d)参照)。なお、本実施形態では、下板13をステンレスからなる金属板にしたが、他の金属からなる金属板でもよい。また、本実施形態では、載置される面であるバケット6の薬剤載置部11の下面や排出シュート4の送路下面が平面なので下板13を平面形状にしたが、これに限らず、たとえば、載置される面が曲面であればその載置される面と略同形状の接触面を形成された下板13を用いればよい。
【0033】
このように、バケット6の薬剤載置部11下面や排出シュート4の送路下面には、載置される下面と略同形状の接触面が形成された金属からなる薬剤緩衝板の下板13が接触することにより、移動せず安定密着して載置させることができる。
【0034】
弾性板14は、四角柱形状をしたシリコンゴムからなる弾性体である(
図7参照)。この弾性板14は、縦方向の長さおよび横方向の長さがともに下板13と同一長さで形成されている(
図8参照)。また、弾性板14の下面には、下板13の勘合凸部15の円形断面形状の最大断面と略同一の断面形状をした勘合凹部17が設けられている。下板13の勘合凸部15と弾性板14の勘合凹部17とが勘合することにより、下板13と弾性板14とが結合し、薬剤緩衝板5が形成される(
図8参照)。この下板13の勘合凸部15と弾性板14の勘合凹部17とが勘合する際に、弾性板14の勘合凹部17内の空気が下板13の貫通孔16を介して外部に排出されるので、下板13の勘合凸部15と弾性板14の勘合凹部17とをスムーズに勘合させることができる。なお、本実施形態では、弾性体14をシリコンゴムから弾性体にしたが、他の弾性体からなるものでもよい。
【0035】
弾性板14は、薬剤緩衝板5に向かって移動してくる錠剤が最初に衝突する上面の下部に空隙部18が設けられている。この空隙部18は、薬剤緩衝板5の内側(勘合凹部17より内側)に形成されている。この空隙部18は、薬剤緩衝板5に向かって移動してくる錠剤が最初に衝突する面がどこかなどを考慮して、使用態様により、形状を変化させて形成すればよい。このように、薬剤緩衝板5に向かって移動してくる錠剤が最初に衝突する弾性板14の上面の下部に空隙部18が設けることにより、バケット6の薬剤載置部11下面や排出シュート4の送路下面に載置された薬剤緩衝板5に錠剤がより緩やかに衝突することがなり、錠剤に割れや欠けが生ずることをなくすことができる。
【0036】
以上説明したように、薬剤緩衝板5をバケットリフター(薬剤搬送装置)1に用いることにより、洗浄が容易で、錠剤の搬送中に錠剤に割れや欠けが生じることを防止することができる。
【0037】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0038】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(1)本実施形態では、薬剤緩衝板5をバケット6の薬剤載置部11の下面や排出シュート4の送路下面に載置させたが、これに限らず、錠剤を搬送するバケットリフター(薬剤搬送装置)1の一の送路から他の送路に錠剤が移動する際に、その他の送路に移動する錠剤が最初に衝突する下面に薬剤緩衝板5を載置させるようにしてもよい。ここで、ある送路および他の送路とは、バケット6の薬剤載置部11の下面に薬剤緩衝板5を載置した場面では、一の送路は薬剤投入装置3の送路となり、他の送路はバケット6となる。また、排出シュート4の送路下面に薬剤緩衝板5を載置した場面では、一の送路はバケット6となり、他の送路は排出シュート4となる。さらに、本実施形態では、バケットリフター1を薬剤搬送装置としたが、これに限らず、薬剤搬送装置は錠剤を搬送する装置であればバケットリフター1以外のものも含まれる。
【符号の説明】
【0039】
1 バケットリフター
2 タワー
3 薬剤投入装置
4 排出シュート
5 薬剤緩衝板
6 バケット
7 回転軸
8 電磁式直進フィーダ
9 直進フィーダトラフ
10 タッチパネル
11 薬剤載置部
12 搬送シュート
13 下板
14 弾性板
15 勘合凸部
16 貫通孔
17 勘合凹部
18 空隙部