特許第5940269号(P5940269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940269
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】締付チャック
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/20 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
   B23B31/20 A
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-198533(P2011-198533)
(22)【出願日】2011年9月12日
(65)【公開番号】特開2012-56079(P2012-56079A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2014年8月4日
(31)【優先権主張番号】10 2010 037 485.7
(32)【優先日】2010年9月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597007204
【氏名又は名称】ロェーム ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(72)【発明者】
【氏名】ハンス バウマン
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第01/034332(WO,A1)
【文献】 米国特許第03802713(US,A)
【文献】 特開昭60−104625(JP,A)
【文献】 特開昭60−104624(JP,A)
【文献】 特開平07−096408(JP,A)
【文献】 仏国特許発明第1250002(FR,A)
【文献】 米国特許第1094346(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/20
B23Q 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に向かって拡径しているテーパー状の芯合わせ孔(2)を備えるチャック本体(3)と、
チャック本体(3)に工具スピンドルの側から組み付けられる口枠部材(12)と、
締付用ネジ切部(4)を備えチャック本体(3)中に配置される締付部材(5)と、
かさ歯車伝動機構(13)として形成されている非平行軸・歯車伝動機構(6)と、
口枠部材(12)とチャック本体(3)とが互いに組みつけられる箇所の近傍に設けられる伝動機構用凹陥部(11)と、
チャック軸に対し共軸に配置されるとともに駆動工具用の開口部(9)が設けられた伝動機構用外筒(10)とからなり、
非平行軸・歯車伝動機構(6)は、
内面側に締付用ネジ切部(4)に噛み合わされるネジ切り部を有し、チャック軸方向に位置ズレ不能に、かつ、締付部材(5)と共軸に取り付けられるネジ切リング(7)と、
ネジ切リング(7)の歯切り部に噛み合う、駆動部材(8)としての傘歯車(14)とを含み、
伝動機構用凹陥部(11)は、
口枠部材(12)またはチャック本体(3)の外壁から、締付チャックの半径方向に凹陥して設けられる、傘歯車(14)用の凹陥部と、
口枠部材(12)またはチャック本体(3)の内壁から、締付チャックの半径方向に凹陥して設けられる、ネジ切リング(7)用の凹陥部とを含み、
ネジ切リング(7)は、チャック軸に平行でない駆動軸のまわりを回転可能な駆動部材(8)により駆動可能であり、口枠部材(12)とチャック本体(3)とを互いに組み付ける前に、軸方向から、ネジ切リング(7)用の凹陥部に差し込み可能であり、
傘歯車(14)は、中央に、駆動工具を受け入れる貫通孔を有し、全体が、円錐台形であって、径より小さい厚みを有し、
伝動機構用外筒(10)は、その内面が傘歯車(14)の最も外側の部分に突き当てられることにより、傘歯車(14)の半径方向の位置を固定していることを特徴とする締付チャック。
【請求項2】
伝動機構用外筒(10)は、口枠部材(12)またはチャック本体(3)における最も外側の面と連続する円筒状の外周面をなすことを特徴とする請求項1に記載の締付チャック。
【請求項3】
傘歯車(14)の最も外側の部分は、傘歯車(14)の貫通孔に沿った部分であることを特徴とする請求項1または2に記載の締付チャック。
【請求項4】
伝動機構用外筒(10)の開口部(9)と、傘歯車(14)の貫通孔とが、同一の径を有し、共軸に配置されることを特徴とする請求項1または3に記載の締付チャック
【請求項5】
伝動機構用外筒(10)がチャック本体(3)に着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項6】
伝動機構用外筒(10)の軸方向延在部が、チャック本体(3)および/または前記口枠部材(12)を、部分的にまたは完全に取り囲んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項7】
伝動機構用外筒(10)における、芯合わせ孔(2)とは逆の側の端部がフランジ付けされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項8】
伝動機構用外筒(10)が、チャック本体(3)及び口枠部材(12)のいずれとも別体に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項9】
口枠部材(12)が工具スピンドルと一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項10】
締付部材(5)がコレット(18)として形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の締付チャック。
【請求項11】
コレット(18)の外壁に、フランジ状張出部(19)が、コレット(18)の端部から軸方向に離間して備えられることを特徴とする請求項10に記載の締付チャック。
【請求項12】
コレット(18)は、口枠部材(12)側の端部に、該口枠部材(12)に挿入可能なカラー状リング部(20)を有することを特徴とする請求項10または11に記載の締付チャック。
【請求項13】
コレット(18)が締付用ネジ切り部(4)を有し、そのネジ筋の長さが、該締付用ネジ切り部(4)に噛み合っているネジ切りリング(7)のネジ筋の長さを上回っていることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の締付チャック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャック本体が、先端に向かって拡径しているテーパー状の芯合わせ孔を備え、チャック本体の中に、締付用ネジ切部を備えた締付部材を備える締付チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
締付チャックには、非平行軸の歯車伝動機構、すなわち、歯車の組み合わせからなり噛み合う歯車の軸が互いに平行でない伝動機構が備えられる。非平行軸・歯車伝動機構は、ネジ切リングを含み、このネジ切リングは、締付用ネジ切部に噛み合わされるとともに軸方向に位置ズレ不能に、かつ、締付部材と共軸に取り付けられる。また、このネジ切リングは、チャック軸に平行でない駆動軸のまわりを回転可能な駆動部材により駆動可能である。
【0003】
この種の締付チャックは、例えばドイツ特許出願公開DE10056729A1により知られている。この締付チャックにおいては、チャック本体を、非平行軸・歯車伝動機構を介して駆動するために、ネジ切りリングに対して接線方向に延びる孔により、チャック本体中に中空空間が設けられる。ここで、摩耗後の非平行軸・歯車伝動機構を交換しようとすると、チャック本体中に取り付けられている各構成部材を取り出すのに、大変な労力を要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開DE10056729A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような締付チャックの一つの形態が、未公開のドイツ特許出願公開DE10 2009 003802.7中にて説明されている。この形態の締付チャックにおいては、上記ドイツ特許出願公開DE10056729A1の場合と同様に、中空空間の形態の非平行軸・歯車伝動機構用の孔がチャック本体内に設けられている。そのため、このような孔を設けるのには、困難を伴う。非平行軸・歯車伝動機構の駆動部材、及びネジ切りリングに対し十分なスペースを提供する中空空間を内部に実現する必要があるからである。
【0006】
また、上述のいずれの締付チャックにおいても、非平行軸・歯車伝動機構を半径方向にてさらに位置固定する機能に欠けている。ドリリング工程の際、直接にチャック軸上に配置されていない部材には非常に強い遠心力が作用するので問題となる。
【0007】
本発明の課題は、冒頭で述べたような締付チャックについて、次のように構成することにある。すなわち、半径方向に位置固定可能な非平行軸・歯車伝動機構を備えるものであって、製造技術の点から、できるだけシンプルな構造を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、本発明によれば、次のような伝動機構用外筒により解決される。すなわち、チャック軸に共軸に配置され、駆動工具用の開口部を備える伝動機構用外筒であって、伝動機構用受入部内にある非平行軸・歯車伝動機構を半径方向に位置ズレ不能に固定するものによって解決される。
【発明の効果】
【0009】
このような構造は、以下のような利点に結びついている。非平行軸・歯車伝動機構が伝動機構用受入部内にあるが、この伝動機構用受入部は、駆動工具用の開口部を備える伝動機構用外筒によって取り囲まれている。この伝動機構用外筒は非平行軸・歯車伝動機構が汚れるのを防ぎ、該非平行軸・歯車伝動機構を装着された状態に保持する。また、このような伝動機構用受入部は、製造技術上、非常に容易に作製することができる。例えば中空体をむくの材料(中実材)から作製するといった必要がないからである。このような構造により、締付チャックは、非常にスリムになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による締付チャックの縦断面図である。
図2】一変形例の締付チャックの縦断面図である。
図3図2の締付チャックについて、先端側から見た部分断面図である。
図4】一変形例の締付チャックについての、図1に対応する図である。
図5】さらなる、一変形例の締付チャックについての、図1に対応する図である。
図6】コレットの斜視図である。
図7】本発明の他の実施例についての、図6に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
伝動機構用受入部は、伝動機構用凹陥部などとして設けられる。特には、伝動機構用受入部または伝動機構用凹陥部が、チャック軸に垂直の方向、すなわち半径方向へと凹陥してなるものであるならば、口枠部材(スピンドルに取り付けられる部材、またはスピンドルの一部)に備え付けるのが有利である。このようにするならば、口枠部材を形成する際に、伝動機構用受入部を形成するための孔を非常に容易に設けることができる。次のようであれば、非平行軸・歯車伝動機構を口枠部材の近傍に配置するのも、同様に有利である。すなわち、非平行軸・歯車伝動機構が、工具の受け入れ箇所から、かなりの距離を置いて配置されさえすれば、口枠部材に近接して配置するのも有利である。このように配置することにより、工具が異物粒子などにより汚染される度合いを低減することができる。
【0012】
伝動機構用外筒と口枠部材とを一体の部材として設けるならば、さらなる利点が得られる。製造の際に、一方の構成部材の生産ステップが省略される。締付チャックについての他の好ましい一形態によると、伝動機構用外筒によって取り囲まれている伝動機構用凹陥部が、チャック本体と一体に形成される。この場合も、製造すべき締付チャックの部材または部分が少なくなるので、1つの製造ステップが省略される。また、伝動機構用外筒とチャック本体とを一体の部材により具現するならば、ドリリング工程の際に、非平行軸・歯車伝動機構が、不必要に汚染されるのを防ぐ。
【0013】
締付チャックの特に好ましい一実施形態によると、伝動機構用外筒がチャック本体に着脱可能に取り付けられる。このようであると、非平行軸・歯車伝動機構の組み付け、保守、及びクリーニングが容易になる。伝動機構用外筒を取り外した状態では、駆動部材、ネジ切りリング、及び、伝動機構用凹陥部の視認性が良好だからである。
【0014】
また、伝動機構用外筒の軸方向延在部がチャック本体および/または口枠部材(すなわち、これらのうちの少なくとも一方)を部分的にまたは完全に取り囲んでいるのが好ましい。このようであっても、非平行軸・歯車伝動機構の汚染が低減される。
【0015】
伝動機構用外筒が、芯合わせ孔とは逆の側の端部にて半径方向内向きにフランジ付けされていれば、ネジ切りリングについて、軸方向にずれ動かないように、より堅固に固定して取り付けることが、確実に実現できる。これにより、駆動工具用開口部の位置ずれも減少する。
【0016】
非平行軸・歯車伝動機構が、駆動部材として傘(かさ)歯車を備えた、かさ歯車伝動機構として形成されているのが有利である。かさ歯車伝動機構とすることにより、歯車伝動機構用の凹陥部または受入部について、種々の方向に配置して具現することができる。非平行軸・歯車伝動機構について、駆動部材としてウォーム歯車を備えたウォームギヤ伝動機構として形成してもよい。
【0017】
他の有利な一実施態様では、口枠部材が工具スピンドルと一体に形成される。このようであると、種々の締付チャックの間でのチャック交換を、非常に容易に行うことができる。そのため、ワークについての操作を減らすことができる。
【0018】
締付部材がコレットとして形成されている本発明の1実施態様が有利である。コレットとして形成されることにより、次のことが、確実に実現されている。すなわち、工具が締め付け状態で、手で取り外しできないように確実に取り囲まれているということが担保されている。
【0019】
コレットが、その外壁に、その端部から軸方向に間隔をおいてフランジ状もしくはレール状の張出部を有しているならば、コレットはチャック本体内でより良好に案内され、しかも非平行軸・歯車伝動機構について、防塵・防汚の遮蔽のために役立つ。また、コレットが、その口枠部材の側の端部に、該口枠部材に挿入可能なカラー状のリング部ないし円筒部を有していれば、このリング部ないし円筒部も、案内と、防塵・防汚の遮蔽のために役立つ。締付用ネジ切り部のネジ切りの長さが、該締付用ネジ切り部に噛み合っているネジ切りリングのネジ筋の長さを越えているならば、上記のような防塵・防汚の遮蔽作用も得られる。
【実施例】
【0020】
図面中、図1〜7に、締付チャック1が描かれている。締付チャック1は、スピンドルに取り付けるための口枠部材12と、これに組み付けられるチャック本体3とを含み、図示の例で、口枠部材12の内部には、スピンドルにネジ合わせるためのネジ切り部が設けられる。締付チャック1に備えられるチャック本体3には、先端に向かって拡径しているテーパー状の芯合わせ孔2が設けられている。この芯合わせ孔2内には、締付部材5が配置されている。締付部材5は、口枠部材12側の端部に、締付用ネジ切り部4を備え、この締付用ネジ切り部4には、ネジ切りリング7が噛み合っている。ネジ切りリング7は、チャック本体3内に、軸方向に変位不能、かつ、締付部材5に対し共軸(同軸)に取り付けられている。ここで、締付部材5は、スリット付きのコレット18として形成される。このスリットは、塵埃や汚染物質が侵入するのを防ぐ理由から、ゴムで充填しておくことができる。ネジ切りリング7は、駆動部材8を備えた非平行軸・歯車伝動機構6の一部であり、該駆動部材8は、伝動機構用凹陥部11内に配置されている。伝動機構用凹陥部11の箇所には、伝動機構用外筒10が、チャック軸に共軸に備え付けられる。伝動機構用外筒10は、非平行軸・歯車伝動機構6を所定位置に保持するとともに、塵埃や汚染物質が中に入るのを防ぐ。伝動機構用外筒10には、駆動工具のための開口部9が形成されている。図1の具体例によると、伝動機構用凹陥部11は、チャック軸に垂直の方向、すなわち半径方向に凹陥して設けられる。具体的には、駆動部材8を受け入れる凹陥部が、外壁から凹陥して、周方向の特定の箇所のみ設けられ、ネジ切りリング7を受け入れる凹陥部が、内壁からの凹陥部として、全周にわたって設けられる。図1の実施例で、非平行軸・歯車伝動機構6は、かさ歯車伝動機構13として設けられ、かさ歯車伝動機構13が、駆動部材8としての傘歯車と、内面側にネジ切り部を有し上面側に歯切り部を有する付属のネジ切りリング7とからなる。ここでは、非平行軸・歯車伝動機構が、口枠部材12に備え付けられている。ネジ切りリング7は、締付部材5の締付用ネジ切り部4に噛み合っている。ここで、締付部材5は、コレット18として形成されており、コレット18の外壁には、半径方向に外側へと突き出す張出部19が備えられる。張出部19は、コレット18の端部から、軸方向に所定の間隔を置いた箇所に設けられる。図6〜7に示す具体例で、張出部19は、全周にわたって延びるリング状である。すなわち、フランジ状ないしレール状である。
【0021】
図2は、伝動機構用外筒10と、口枠部材12とが一体に形成された変形例を示す。図2に示す例において、非平行軸・歯車伝動機構6は、ウォームギヤ伝動機構15として具現されており、駆動部材8としてウォーム歯車16を備えている。ここでも、図1と同様に、伝動機構用凹陥部11が、口枠部材12の側に備え付けられる。
【0022】
図3は、図2の締付チャックについて、先端側から見た正面図であり、ウォームギヤ伝動機構15として形成された非平行軸・歯車伝動機構6が、よく見てとれるように部分的に断面図としている。この図には、駆動部材8と、ネジ切りリング7とがどのように噛み合っているかが描かれている。また、この図には、口枠部材12の壁に設けられた、駆動工具9用の開口が示されている。
【0023】
図4は、チャック本体3内における伝動機構用凹陥部11の配置についての変形例を示す。この例では、非平行軸・歯車伝動機構6が、図1の場合と同様に、かさ歯車伝動機構13として形成されている。図4には、伝動機構用外筒10が、芯合わせ孔2とは逆の側の端部にて、内向きにフランジ付けされている実施例が描かれている。図1と同様に、ここで、締付部材5がコレット18として形成されており、その外壁には、コレット18の端部から間隔を置いた箇所に、全周にわたってフランジ状ないしレール状の張出部19が備えられる。締付用ネジ切り部4は、該締付用ネジ切り部4に噛み合っているネジ切りリング7のネジ筋の長さを越えるほどの長さを有している。
【0024】
図5には、図1に対応する本発明の変形例を示す。この変形例では、伝動機構用外筒10がチャック本体3に備え付けられ、伝動機構用外筒10及びチャック本体3が、1つの共通の構成部材として設けられている。非平行軸・歯車伝動機構6は、同様に、かさ歯車伝動機構13により具現されており、締付部材5は、図1と同一の例の形態により具現されている。つなぎ合わせ部材(図示の具体例では、ビス)は、チャック本体3と口枠部材12とを互いに固定した位置にて保持している。
【0025】
図6には、コレット18として形成された締付部材5を示す。図6では、張出部19が、コレットの外壁に、コレットの端部から軸方向に間隔をおいて設けられていることがはっきり認められる。また、回転を阻止するための長穴17が図示されている。図6に示す例によると、締付部材5における締付用ネジ切り部4は、締付部材5における、口枠部材12の側の端部に至るまで延びている。
【0026】
図7では、締付用ネジ切り部4が図6ほどに延びておらず、口枠部材12側の端部に、カラー状リング部20が形成されており、このカラー状リング部20は口枠部材12内へ挿入可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 チャック 2 芯合わせ孔 3 チャック本体
4 締付用ネジ切り部 5 締付部材 6 非平行軸・歯車伝動機構
7 ネジ切りリング 8 駆動部材 9 駆動工具用開口部
10 伝動機構用外筒 11 伝動機構用凹陥部 12 口枠部材
13 かさ歯車伝動機構 14 傘歯車 15 ウォームギア伝動機構
16 ウォーム歯車 17 長穴 18 コレット
19 フランジ状の張出部 20 カラー状のリング部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7