(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の減圧器及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の減圧器及び前記過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路とを設け、前記過冷却器において前記第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により前記第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、前記第2の放熱器からの放熱作用により給湯水を加熱する冷凍装置において、
前記第2の圧縮機を制御する制御手段と、
前記第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、前記水ポンプにより循環される給湯水を前記貯湯タンクに流すか、前記第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、
該制御手段は、前記過冷却器を出た前記第1の冷凍サイクル回路の冷媒温度である過冷却器出口温度T2が所定の過冷却器出口目標温度SQoutとなるよう前記第2の圧縮機の回転数を制御すると共に、
前記第1の放熱器を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1に基づき、前記過冷却器出口目標温度SQoutを変更し、
前記第2の放熱器を出た前記水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう前記水ポンプの回転数を制御すると共に、
前記貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、前記流路切替手段により給湯水を前記第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、前記出湯温度T5に関わらず前記水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする冷凍装置。
第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の膨張弁及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の膨張弁及び前記過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路と、前記第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクを有する給湯装置とを設け、前記過冷却器において前記第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により前記第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、前記第2の放熱器からの放熱作用により前記貯湯タンク内の給湯水を加熱する冷凍装置において、
前記第2の膨張弁を制御する制御手段と、
前記第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、前記水ポンプにより循環される給湯水を前記貯湯タンクに流すか、前記第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、
該制御手段は、前記第2の圧縮機の吐出温度T4が所定の目標吐出温度Tdisとなるよう前記第2の膨張弁の弁開度を制御すると共に、
前記第2の放熱器を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて前記目標吐出温度Tdisを変更し、
前記第2の放熱器を出た前記水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう前記水ポンプの回転数を制御すると共に、
前記貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、前記流路切替手段により給湯水を前記第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、前記出湯温度T5に関わらず前記水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする冷凍装置。
第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の膨張弁及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の膨張弁及び前記過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路と、前記第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクを有する給湯装置とを設け、前記過冷却器において前記第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により前記第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、前記第2の放熱器からの放熱作用により前記貯湯タンク内の給湯水を加熱する冷凍装置において、
前記第2の圧縮機及び第2の膨張弁を制御する制御手段と、
前記第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、前記水ポンプにより循環される給湯水を前記貯湯タンクに流すか、前記第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、
該制御手段は、前記過冷却器を出た前記第1の冷凍サイクル回路の冷媒温度である過冷却器出口温度T2が所定の過冷却器出口目標温度SQoutとなるよう前記第2の圧縮機の回転数を制御し、前記第1の放熱器を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1に基づき、前記過冷却器出口目標温度SQoutを変更すると共に、
前記第2の圧縮機の吐出温度T4が所定の目標吐出温度Tdisとなるよう前記第2の膨張弁の弁開度を制御し、前記第2の放熱器を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて前記目標吐出温度Tdisを変更し、
前記第2の放熱器を出た前記水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう前記水ポンプの回転数を制御すると共に、
前記貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、前記流路切替手段により給湯水を前記第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、前記出湯温度T5に関わらず前記水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする冷凍装置。
前記制御手段は、前記過冷却器出口温度T2が前記過冷却器出口目標温度SQoutよりも高い場合、前記第2の圧縮機の回転数を上昇させると共に、前記過冷却器出口温度T2が前記過冷却器出口目標温度SQoutよりも低い場合、前記第2の圧縮機の回転数を低下させることを特徴とする請求項1、又は、請求項3に記載の冷凍装置。
前記制御手段は、前記放熱器出口温度T1が高い程、前記過冷却器出口目標温度SQoutを高くする方向で当該過冷却器出口目標温度SQoutを変更することを特徴とする請求項1、請求項3、又は、請求項4に記載の冷凍装置。
前記制御手段は、前記吐出温度T4が前記目標吐出温度Tdisよりも高い場合、前記第2の膨張弁の弁開度を拡張させると共に、前記吐出温度T4が前記目標吐出温度Tdisよりも低い場合、前記第2の膨張弁の弁開度を縮小させることを特徴とする請求項2、又は、請求項3に記載の冷凍装置。
前記制御手段は、前記目標出湯温度Hwが高い程、前記目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを変更することを特徴とする請求項2、請求項3、又は、請求項6に記載の冷凍装置。
前記制御手段は、前記第2の放熱器に入る給湯水の温度である入水温度T3に基づき、前記目標吐出温度Tdisを補正することを特徴とする請求項2、請求項3、請求項6、又は、請求項7に記載の冷凍装置。
前記制御手段は、前記入水温度T3が高い程、前記目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを補正することを特徴とする請求項8に記載の冷凍装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、大型店舗やコンビニエンスストアなどでは、低温ショーケースや店内空調を行う空気調和機を構成する第1の冷凍サイクル回路からの冷却排熱を有効利用すべく、第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却する第2の冷凍サイクル回路を設け、当該第2の冷凍サイクル回路の放熱器からの放熱作用によって店舗内において利用される給湯水の加熱を行う冷凍装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この場合、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の減圧器及び蒸発器とを順次配管接続して第1の冷凍サイクル回路を構成し、当該蒸発器によって、低温ショーケースの庫内や、店内の冷却を行う。係る第1の冷凍サイクル回路の冷凍能力は、第1の放熱器によって放熱される冷媒温度を低下させることで向上させることができる。通常、過冷却器が設けられていない冷凍装置では、第1の放熱器によって大気に放熱される冷媒の温度は、当該放熱器が設けられる周囲温度が下限となる。
【0004】
これに対し、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の減圧器及び過冷却器を順次配管接続して第2の冷凍サイクル回路を構成し、過冷却器において、第1の冷凍サイクル回路の第1の放熱器を経た冷媒と、第2の冷凍サイクル回路の第2の減圧器において減圧された後の冷媒とを熱交換させることで、第1の冷凍サイクル回路内の冷媒温度を大きく低下させることができる。
【0005】
ここで、
図11乃至
図13を参照して説明する。
図11において、Mmainは、第1の冷凍サイクル回路のみで運転した場合のモリエル線図、Msqは、第2の冷凍サイクル回路のモリエル線図、Mは装置全体、即ち、過冷却器で第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却させた場合のモリエル線図を示している。第1の冷凍サイクル回路の高温ガス冷媒は、第1の圧縮機11で圧縮され(E点−F点)、第1の放熱器に流入する。第1の放熱器に流入した高温ガス冷媒は、大気と熱交換して冷却されることによって液冷媒となる(F点−G点)。第1の放熱器から流出した液冷媒は、第1の膨張弁で減圧されて(G点−H点)、蒸発器に流入して蒸発作用を発揮すると共に蒸発してガス冷媒となる(H点−E点)。
【0006】
他方、第2の冷凍サイクル回路の高温ガス冷媒は、第2の圧縮機21で圧縮され(I点−J点)、第2の放熱器に流入する。第2の放熱器に流入した高温ガス冷媒は、給湯水の加熱に用いられることにより温度が低下する(J点−K点)。第2の放熱器から流出した冷媒は、第2の膨張弁で減圧されて(K点−L点)、過冷却器に流入して蒸発作用を発揮する(L点−I点)。このとき、当該冷凍装置では、過冷却器において、第1の冷凍サイクル回路の第1の放熱器から流出した冷媒と、第2の冷凍サイクル回路の冷媒が熱交換を行うことによって、第1の冷凍サイクル回路の冷媒が過冷却される。これによって、
図11に示すように、過冷却器による過冷却を行わない場合の第1の冷凍サイクル回路の冷却能力Qc(元の冷却能力)に過冷却されたことによる冷却能力Qsqが付加されて、第1の冷凍サイクル回路の冷却能力が向上される(Q=Qc+Qsq)。
【0007】
ここで、冷凍装置全体の成績係数COP(Coefficient Of Performance)について
図12を参照して説明する。第2の冷凍サイクル回路が運転されない場合の第1の冷凍サイクル回路のCOPmain、及び、第2の冷凍サイクル回路のCOPsqを、
図12の(1)に示す。ここで、Wmainは第1の冷凍サイクル回路の電力、Wsqは第2の冷凍サイクル回路の電力である。第2の冷凍サイクル回路がされた場合の冷凍装置全体のCOPは、入力される電力がWmain+Wsqであり、出力される冷却能力は、Qc+Qsqであるため、
図12の(2)となる。係る(2)式から
図12の(3)式が導き出される。
【0008】
これによると、
図12に示すように、冷凍装置全体のCOPは、COPmainとCOPsqを1/Wmain:1/Wsqに内分する値となるため、COPmain<COPsqとなる条件で運転されることにより、冷凍装置全体のCOPは、第1の冷凍サイクル回路単独で運転された場合のCOPmainよりも大きいこととなる。
【0009】
従って、
図13に示すように、第1の冷凍サイクル回路に冷媒としてR404Aを用いた場合の蒸発温度に対するCOPmainと、第2の冷凍サイクル回路に冷媒として二酸化炭素を用いた場合の蒸発温度に対するCOPsqとを比較すると、外気温度+32℃の条件下では、第1の冷凍サイクル回路の蒸発温度を−10℃に設定した場合、第2の冷凍サイクル回路の蒸発温度は、−5℃以上で、COPmain<COPsqの条件を満たし、第1の冷凍サイクル回路を単独で運転するよりも冷凍装置全体のCOPが向上することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、上述した如き冷凍装置では、第1の冷凍サイクル回路の蒸発温度に応じて第2の冷凍サイクル回路の蒸発温度を決定し、第1の冷凍サイクル回路の過冷却器出口側の冷媒温度が所定の値となるように第2の冷凍サイクル回路の第2の圧縮機の回転数を制御していた。しかしながら、外気温度の変動等によって第1の冷凍サイクル回路の過冷却器内に流入する冷媒温度が変動すると、第2の冷凍サイクル回路のCOPsqが低下してしまう。当該第2の冷凍サイクル回路のCOPsqの低下は冷凍装置全体のCOPの低下につながる。
【0012】
また、従来の冷凍装置では、第2の圧縮機の吐出冷媒温度が所定温度となるように、第2の膨張弁の開度制御を行っていた。しかしながら、第2の熱交換器に流入する給湯水の温度(入水温度)や流出する給湯水の温度(出湯温度)は、貯湯タンク内の湯の温度によって異なり、給湯水の効率的な加熱を行うことができないという問題があった。
【0013】
本発明は、従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、第2の冷凍サイクル回路のCOPの向上、及び、給湯水の効率的な加熱を実現し、運転効率の高い冷凍装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の冷凍装置は、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の減圧器及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の減圧器及び過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路とを設け、過冷却器において第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、第2の放熱器からの放熱作用により給湯水を加熱するものであって、第2の圧縮機を制御する制御手段
と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、水ポンプにより循環される給湯水を貯湯タンクに流すか、第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、制御手段は、過冷却器を出た第1の冷凍サイクル回路の冷媒温度である過冷却器出口温度T2が所定の過冷却器出口目標温度SQoutとなるよう第2の圧縮機の回転数を制御すると共に、第1の放熱器を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1に基づき、過冷却器出口目標温度SQoutを変更
し、第2の放熱器を出た水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう水ポンプの回転数を制御すると共に、貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、流路切替手段により給湯水を第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、出湯温度T5に関わらず水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明の冷凍装置は、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の膨張弁及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の膨張弁及び過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクを有する給湯装置とを設け、過冷却器において第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、第2の放熱器からの放熱作用により貯湯タンク内の給湯水を加熱するものであって、第2の膨張弁を制御する制御手段
と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、水ポンプにより循環される給湯水を貯湯タンクに流すか、第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、制御手段は、第2の圧縮機の吐出温度T4が所定の目標吐出温度Tdisとなるよう第2の膨張弁の弁開度を制御すると共に、第2の放熱器を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて目標吐出温度Tdisを変更
し、第2の放熱器を出た水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう水ポンプの回転数を制御すると共に、貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、流路切替手段により給湯水を第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、出湯温度T5に関わらず水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明の冷凍装置は、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の膨張弁及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の膨張弁及び過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクを有する給湯装置とを設け、過冷却器において第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、第2の放熱器からの放熱作用により貯湯タンク内の給湯水を加熱するものであって、第2の圧縮機及び第2の膨張弁を制御する制御手段
と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、水ポンプにより循環される給湯水を貯湯タンクに流すか、第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、制御手段は、過冷却器を出た第1の冷凍サイクル回路の冷媒温度である過冷却器出口温度T2が所定の過冷却器出口目標温度SQoutとなるよう第2の圧縮機の回転数を制御し、第1の放熱器を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1に基づき、過冷却器出口目標温度SQoutを変更すると共に、第2の圧縮機の吐出温度T4が所定の目標吐出温度Tdisとなるよう第2の膨張弁の弁開度を制御し、第2の放熱器を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて目標吐出温度Tdisを変更
し、第2の放熱器を出た水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう水ポンプの回転数を制御すると共に、貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、流路切替手段により給湯水を第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、出湯温度T5に関わらず水ポンプの回転数を最大値とすることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、上記請求項1又は請求項3の発明において、制御手段は、過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutよりも高い場合、第2の圧縮機の回転数を上昇させると共に、過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutよりも低い場合、第2の圧縮機の回転数を低下させることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、上記請求項1、請求項3又は請求項4の発明において、制御手段は、放熱器出口温度T1が高い程、過冷却器出口目標温度SQoutを高くする方向で当該過冷却器出口目標温度SQoutを変更することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、上記請求項2又は請求項3の発明において、制御手段は、吐出温度T4が目標吐出温度Tdisよりも高い場合、第2の膨張弁の弁開度を拡張させると共に、吐出温度T4が目標吐出温度Tdisよりも低い場合、第2の膨張弁の弁開度を縮小させることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、上記請求項2、請求項3又は請求項6の発明において、制御手段は、目標出湯温度Hwが高い程、目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを変更することを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、上記請求項2、請求項6又は請求項7の発明において、制御手段は、第2の放熱器に入る給湯水の温度である入水温度T3に基づき、目標吐出温度Tdisを補正することを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明は、上記発明において、制御手段は、入水温度T3が高い程、目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを補正することを特徴とする。
【0024】
第1
0の発明は、上記各発明において、第2の冷凍サイクル回路に封入される冷媒が二酸化炭素であって、第2の放熱器はガスクーラとして作用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1又は請求項3の発明によれば、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の減圧器及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の減圧器及び過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路とを設け、過冷却器において第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、第2の放熱器からの放熱作用により給湯水を加熱する冷凍装置において、第2の圧縮機を制御する制御手段を備え、制御手段は、過冷却器を出た第1の冷凍サイクル回路の冷媒温度である過冷却器出口温度T2が所定の過冷却器出口目標温度SQoutとなるよう第2の圧縮機の回転数を制御すると共に、第1の放熱器を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1に基づき、過冷却器出口目標温度SQoutを、請求項5の発明の如く、放熱器出口温度T1が高い程、過冷却器出口目標温度SQoutを高くする方向で当該過冷却器出口目標温度SQoutを変更することにより、過冷却器出口温度T2を放熱器出口温度T1毎に最適な第2の冷凍サイクル回路のCOPを実現できる温度に制御することができる。これによって、装置全体のCOPを向上させることができる。
【0026】
特に、請求項4の如く制御手段は、過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutよりも高い場合、第2の圧縮機の回転数を上昇させると共に、過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutよりも低い場合、第2の圧縮機の回転数を低下させる第2の圧縮機の回転数の制御を行うことにより、適切に過冷却器における冷媒の蒸発温度を制御することができ、第2の冷凍サイクル回路のCOPsqの向上を実現することができる。
【0027】
請求項2又は請求項3の発明によれば、第1の圧縮機、第1の放熱器、過冷却器、第1の膨張弁及び蒸発器を順次配管接続して成る第1の冷凍サイクル回路と、第2の圧縮機、第2の放熱器、第2の膨張弁及び過冷却器を順次配管接続して成る第2の冷凍サイクル回路と、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクを有する給湯装置とを設け、過冷却器において第2の冷凍サイクル回路の冷媒の蒸発作用により第1の冷凍サイクル回路の冷媒を過冷却すると共に、第2の放熱器からの放熱作用により貯湯タンク内の給湯水を加熱する冷凍装置において、第2の膨張弁を制御する制御手段を備え、該制御手段は、第2の圧縮機の吐出温度T4が所定の目標吐出温度Tdisとなるよう第2の膨張弁の弁開度を制御すると共に、第2の放熱器を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて、請求項7の如く、目標出湯温度Hwが高い程、目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを変更することにより、第2の放熱器において加熱される給湯水の温度を目標出湯温度Hwに制御することができる。これにより、効率的な第1の冷凍サイクル回路の冷媒の過冷却と、貯湯タンク内の給湯水の加熱を実現することができる。
【0028】
特に、制御手段は、請求項6の如く吐出温度T4が目標吐出温度Tdisよりも高い場合、第2の膨張弁の弁開度を拡張させると共に、吐出温度T4が目標吐出温度Tdisよりも低い場合、第2の膨張弁の弁開度を縮小させる第2の膨張弁の弁開度の制御を行うことにより、第2の圧縮機の吐出温度T4に応じた適正な弁開度を実現することができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、上記請求項2、請求項6又は請求項7の発明において、制御手段は、第2の放熱器に入る給湯水の温度である入水温度T3に基づき、請求項9の如く、入水温度T3が高い程、目標吐出温度Tdisを高くする方向で当該目標吐出温度Tdisを補正することにより、入水温度T3を考慮した目標吐出温度Tdisを設定することができ、より適切な制御を実現することができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、上記各発明に加えて、第2の放熱器に水配管を介して接続された貯湯タンクと、水配管に給湯水を循環させる水ポンプと、第3の放熱器と、水ポンプにより循環される給湯水を貯湯タンクに流すか、第3の放熱器に流すかを制御する流路切替手段とを有する給湯装置を備え、制御手段は、第2の放熱器を出た水配管の給湯水の温度である出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう水ポンプの回転数を制御することにより、第2の放熱器における加熱効率を考慮した水ポンプの運転を実現することができ、適切に第2の放熱器から流出する給湯水の温度を制御することができる。
【0031】
また、制御手段は、貯湯タンク内の給湯水を加熱する必要が無い場合、流路切替手段により給湯水を第3の放熱器に循環させて大気への放熱を行わせ、該第3の放熱器に給湯水を流す場合には、出湯温度T5に関わらず水ポンプの回転数を高くすることにより、第3の放熱器における熱交換効率を向上させることができ、第2の冷凍サイクル回路の過冷却器における冷却効果を確保することができる。これによって、第1の冷凍サイクル回路の冷媒の過冷却効果を確保することができ、装置全体のCOPが低下してしまう不都合を抑制することができる。
【0032】
請求項11の発明によれば、上記各発明に加えて、第2の冷凍サイクル回路に封入される冷媒が二酸化炭素であって、第2の放熱器はガスクーラとして作用することにより、高温の湯を高効率で沸き上げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。
図1は本発明を適用する冷凍装置Rの冷媒回路図、
図2は冷凍装置Rの制御ブロック図である。本実施例の冷凍装置Rは、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの店舗等の冷却設備と給湯設備の両者を備えた施設に設置されるものであり、店舗内に設置される各ショーケース2を冷却する第1の冷凍サイクル回路10と、当該第1の冷凍サイクル回路10の冷媒を過冷却して当該第1の冷凍サイクル回路10の冷凍能力を向上させる第2の冷凍サイクル回路20と、該第2の冷凍サイクル回路20からの排熱を利用して給湯水を加熱する給湯回路30とを備えている。
【0035】
第1の冷凍サイクル回路10は、第1の圧縮機11、第1の放熱器12、過冷却器13、第1の減圧器としての膨張弁14、蒸発器15及びアキュムレータ18を順次配管接続して構成されている。本実施例では、第1の圧縮機11と、第1の放熱器12と、過冷却器13と、アキュムレータ18が冷凍機3に設けられ、膨張弁14及び蒸発器15がショーケース2に設けられている。第1の放熱器12の近傍には、第1の放熱器用送風機16が設けられている。
【0036】
過冷却器13は、第1の放熱器12で大気に放熱することにより冷却された第1の冷凍サイクル回路10の冷媒を更に冷却するための熱交換器である。過冷却器13は、第1の冷凍サイクル回路側流路(第1の流路)13aと第2の冷凍サイクル回路側流路(第2の流路)13bとを備え、当該流路を流れる冷媒が熱交換可能に構成される。各流路13a、13bは、冷媒の流れる方向が対向するように構成され、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0037】
また、当該第1の冷凍サイクル回路10には、冷媒としてR404Aが採用されているが、その他の冷媒、例えばR407CやR134a等のフルオロカーボン系冷媒や、二酸化炭素(R744)やアンモニア(R717)等の自然冷媒を採用してもよい。
【0038】
一方、第2の冷凍サイクル回路20は、第2の圧縮機21、第2の放熱器22、第2の減圧器としての膨張弁23と、上記過冷却器13とを順次配管接続して構成されている。第2の冷凍サイクル回路20の第2の圧縮機21と、第2の放熱器22と、膨張弁23と、過冷却器13は、同一のユニット内に収納され、過冷却給湯器4を構成している。
【0039】
第2の放熱器22は、第2の冷凍サイクル回路20を流れる冷媒と給湯回路30内を流れる水との間で熱交換を行い、給湯水を加熱して湯を沸かすための熱交換器である。第2の放熱器22は、冷媒流路22aと水流路22bとを備え、当該流路を流れる冷媒と水が熱交換可能に構成される。各流路22a、22bは、流れる方向が対向するように構成されており、これによって、熱交換効率が向上する。
【0040】
ここで、本実施例では、当該第2の冷凍サイクル回路20に、冷媒として二酸化炭素が封入されている。二酸化炭素冷媒を用いた冷凍サイクルでは、高圧側が冷媒の臨界圧力を超える遷臨界サイクルとなるため、第2の放熱器22の冷媒流路22aを流れる冷媒圧力は臨界圧力を超えており、第2の放熱器22は、ガスクーラとして作用する。これにより、第2の放熱器22の冷媒流路22aを流れる冷媒は凝縮せず、水流路22bを対向して流れる水に熱を与えて冷却されるに従ってその温度が低下する。従って、水流路22bを流れる水を高温度に且つ高効率に加熱できる。
【0041】
次に、給湯回路30は、貯湯タンク31と、循環用水ポンプ35と、第3の放熱器33と、第2の放熱器22の水流路22bとを順次水配管32により環状に接続して構成されている。貯湯タンク31の下方に接続された水配管32aには、循環用水ポンプ35の吸入側が接続されており、当該ポンプを介して、貯湯タンク31内の低温の水を第2の放熱器22に供給可能とされている。尚、当該水配管32aには、貯湯タンク31側において、給湯用水ポンプ38が設けられている。
【0042】
そして、第2の放熱器22の水流路22bの出口側に接続された水配管32bには、流路切替手段としての水流路切替弁36が設けられ、一方には、貯湯タンク31の上部に接続される水配管32cが接続され、他方には、貯湯タンク31をバイパスするバイパス水配管32dが接続される。これにより、水流路切替弁36を制御することにより、第2の放熱器22にて加熱された後の給湯水が貯湯タンク31に流すか、第3の放熱器33に流すかが制御される。そのため、水流路切替弁36により貯湯タンク31側に切り替えられた場合、第2の放熱器22で加熱された高温の湯は、貯湯タンク31の上部に戻される。これにより、貯湯タンク31内部で温度成層上に湯を蓄えることが可能となる。
【0043】
そして、貯湯タンク31の上部には、給湯弁が介設された図示しない給湯配管が接続されており、貯湯タンク31の下部には、図示しない給水配管が接続されている。給湯配管は湯を必要とする例えば、当該冷凍装置Rが設置される店舗等の同一施設の給湯負荷設備に給湯タンク31からの湯を供給するための配管である。給水配管は、貯湯タンク31に市水を供給するためのものである。これにより、給湯負荷設備にて給湯弁が開放されると、貯湯タンク31の上部から給湯配管内を流通して高温の湯が供給され、それに伴い、給水配管内を流れて貯湯タンク31の下部に冷水が供給される。
【0044】
上記第3の放熱器33の近傍には、第3の放熱器用送風機37が設けられている。これら貯湯タンク31と、循環用水ポンプ35、第3の放熱器33、第3の放熱器用送風機37及び水流路切替弁36により給湯装置5が構成される。
【0045】
次に、本実施例における冷凍装置Rの制御装置(制御手段)6について説明する。制御装置6は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、入力側には、第1の放熱器出口温度センサ40と、過冷却温度センサ46と、冷媒吐出温度センサ45と、入湯温度センサ44と、出湯温度センサ47と、蒸発器出口冷媒温度センサ41と、蒸発器入口冷媒温度センサ42と、循環用水ポンプの流量センサ48と、給湯用水ポンプの流量センサ49と、貯湯タンク31の湯量センサ50が接続されている。
【0046】
第1の放熱器出口温度センサ40は、第1の放熱器12を出た冷媒温度である放熱器出口温度T1を検出する。過冷却温度センサ46は、過冷却器13の第1の冷凍サイクル回路側流路13aの出口側の(第1の冷凍サイクル回路10の)冷媒温度である過冷却器出口温度T2を検出する。冷媒吐出温度センサ45は、第2の圧縮機21から吐出された冷媒温度(吐出温度)T4を検出する。入湯温度センサ44は、第2の放熱器22の水流路22bの入口側の給湯水温度(第2の放熱器に入る給湯水の温度)である入水温度T3を、出湯温度センサ47は、第2の放熱器22の水流路22bの出口側の給湯水温度(第2の放熱器を出た給湯水の温度)である出湯温度T5を検出する。また、蒸発器出口冷媒温度センサ41は、蒸発器15の出口側の冷媒温度を検出し、蒸発器入口冷媒温度センサ42は、蒸発器15の入口側の冷媒温度を検出する。
【0047】
湯量センサ50は、貯湯タンク31の外表面に高さを変えて設けられた複数個の温度センサにて構成されている。各温度センサにて検出される温度より、貯湯タンク31内の温度分布を計測することができ、当該温度分布に基づき貯湯タンク31内部の高温の湯量を把握することが可能とされている。
【0048】
そして、制御装置6の出力側には、第1の冷凍サイクル回路10の第1の圧縮機11と、膨張弁14と、第1の放熱器用送風機16と、第2の冷凍サイクル回路20の第2の圧縮機21と、膨張弁23と、給湯装置5の循環用水ポンプ35と、給湯用水ポンプ38と、水流路切替弁36と、第3の放熱器用送風機37が接続されている。
【0049】
少なくとも、本実施例における第2の圧縮機21は、インバータ装置を介して接続されており、これによって、圧縮機の運転周波数を任意に変更可能とされている。また、少なくとも本実施例における第2の減圧装置としての膨張弁23は、所謂電子膨張弁であり、制御装置6により発生する駆動パルスに基づき、ステッピングモータによって弁開度が駆動制御される。
【0050】
また、上記制御装置6には、コントロールパネル(入出力手段)51が接続されており、当該コントロールパネルを操作することにより、任意に貯湯タンク31の目標出湯温度Hwを設定可能とする。
【0051】
以下に、本実施例における冷凍装置Rの基本動作について説明する。各制御の動作については
図3乃至
図7のフローチャートを参照する。第1の冷凍サイクル回路10において、第1の圧縮機11が運転されると、第1の圧縮機11から吐出された高温冷媒は、第1の放熱器12内に流入し、大気と熱交換して冷却される。第1の放熱器12で空冷された冷媒は、過冷却器13の第1の流路13aに流入し、そこで、第2の流路13bを流れる第2の冷凍サイクル回路20の冷媒の蒸発作用により過冷却される。これにより、第1の冷凍サイクル回路10側の冷媒の過冷却度、即ち、過冷却器13aの出入口温度差を大きくすることができる。このように、冷媒の比エンタルピが更に小さくされることで、過冷却器13で過冷却されない場合に比して、冷凍効果が大きくなる。
【0052】
過冷却器13から流出した高圧低温の液冷媒は、膨張弁14で減圧された後、蒸発器15内に流入して、蒸発作用を発揮する。この際、蒸発器15の各温度センサ41と42にて検出される出口側冷媒温度と入口側冷媒温度との差(過熱度)が所定の値となるように、膨張弁14の開度を制御する。これにより、ショーケース2の庫内は所定の温度に冷却される。そして、ショーケース2の蒸発器15から流出した冷媒は、第1の圧縮機11に帰還する。このように、第1の冷凍サイクル回路10が連続的に動作することで、蒸発器15において冷凍能力が発揮される。係る運転により、ショーケース2の庫内温度が所定の下限温度にまで低下すると、第1の圧縮機11の運転を停止し、庫内温度が所定の上限温度に達すると、第1の圧縮機11を起動するON−OFF制御を行う。これにより、冷却負荷に対応した高効率な冷却運転が行われる。
【0053】
(1)過冷却給湯器の運転制御
ここで、過冷却給湯器4の運転制御について
図3を参照して説明する。制御装置6は、まずはじめに、過冷却給湯器4の初期化を行い(ステップS1)、第1の冷凍サイクル回路10が運転中であるか否か、即ち、第1の圧縮機11が運転中であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0054】
第1の冷凍サイクル回路10が運転中でない場合には、即ち、第1の圧縮機11が運転されていない場合には、制御装置6は、ステップS3に進み、過冷却給湯器4の運転を停止する。即ち、第2の圧縮機21の運転を停止する。このように、第1の圧縮機11のON−OFFに連動して、過冷却給湯器4の第2の圧縮機21をON−OFF制御することにより、装置全体の運転効率が低下してしまう不都合を回避することができる。
【0055】
他方、ステップS2において、第1の冷凍サイクル回路10が運転中である場合には、ステップS4に進み、貯湯タンク31の温度を検出し、ステップS5において、給湯運転が必要であるか否かについて判断する。即ち、制御装置6は、湯量センサ50に基づく貯湯タンク31内の温度分布により高温の湯量を検出し、当該湯量が下限量に達した場合、貯湯要求ありと判断し、当該下限量を上回る場合には、貯湯要求なしと判断する。
【0056】
貯湯要求がある場合には、貯湯運転が必要であるため、ステップS6に進み、目標出湯温度Hwを入力する。当該目標出湯温度Hwは、予め、コントロールパネル51によって使用者により例えば+65℃乃至+85℃の範囲で設定可能とされる。尚、当該目標出湯温度Hwは、上記第2の放熱器22の水流路22bの出口側の給湯水温度である出湯温度の制御目標温度である。そして、ステップS7に進み、給湯用制御を選択し、以下給湯用制御Aを実行する。他方、貯湯要求がない場合には、貯湯運転が不要であるため、ステップS8に進み、空冷用制御を選択し、以下空冷用制御Bを実行する。
【0057】
(2)給湯用制御
次に、給湯用制御Aについて
図4を参照して説明する。制御装置6は、給湯用制御Aにおいて、まずはじめに、ステップS10において、第3の放熱器用送風機37の運転を停止し、当該第3の放熱器における給湯水の積極的な放熱を停止する。そして、ステップS11において、給湯回路30に設けられた水流路切替弁36を給湯側、即ち、循環用水ポンプ35により循環される給湯水を貯湯タンク31に流す方に切り替える。そして、ステップS12において、循環用水ポンプ35及び給湯用水ポンプ38を駆動させる。その後、ステップS13において、過冷却給湯器4の、即ち、第2の冷凍サイクル回路20の第2の圧縮機21の運転を開始する。
【0058】
その後、制御装置6は、第2の圧縮機21の制御による過冷却量制御(ステップS14)、第2の膨張弁23による吐出温度制御(ステップS15)、循環用水ポンプ35の流量制御による出湯温度制御を実行する。各制御の詳細については後述する。その後、ステップS2に戻り、係る制御を繰り返す。
【0059】
係る給湯用制御Aにおいて、第2の圧縮機21が運転されると、第2の圧縮機21から吐出された高温冷媒は、第2の放熱器22の冷媒流路22a内に流入し、水流路22bを流れる給湯水と熱交換することで冷却される。第2の放熱器22において、二酸化炭素冷媒は超臨界状態であるので、凝縮せずに水との熱交換により冷却されるに従ってその温度が低下する。ここで、冷媒流路22aと水流路22bとは対向流となるように設けられているため、熱交換に伴う温度勾配をもつ超臨界冷媒と、水との効率的な熱交換が可能となる。これにより高温の湯を高効率で沸かすことが可能となる。
【0060】
そして、第2の放熱器22において冷却された冷媒は、膨張弁23にて減圧された後、過冷却器13の第2の流路13bに流入する。過冷却器13において、第2の冷凍サイクル回路20の冷媒は、第1の冷凍サイクル回路10の冷媒と熱交換を行い、第1の冷凍サイクル回路10の冷媒は、第2の冷凍サイクル回路20の冷媒の蒸発作用により過冷却される。
【0061】
過冷却器13の第2の流路13bを流出した冷媒は、第2の圧縮機21に帰還する。このように、第2の冷凍サイクル回路20が連続的に動作することで、第2の冷凍サイクル回路20による第1の冷凍サイクル回路10の冷媒の過冷却と、当該排熱を用いた給湯水の加熱が可能となる。
【0062】
給湯回路30においては、給湯タンク31の下部より取り出された低温の水が給湯用水ポンプ38、循環用水ポンプ35の運転により水配管32aを介して第3の放熱器33に流入する。この際、ステップS10において、第3の放熱器用送風機37の運転が停止されている。その後、貯湯タンク31からの低温の水は、第2の放熱器22の水流路22bに流入する。これにより、第2の放熱器22において、貯湯タンク31から流出した当該水は、第2の冷凍サイクル回路20の高温冷媒と熱交換して加熱される。そして、高温に加熱された給湯水は、水配管32bを介して水流路切替弁36に至り、給湯タンク31側に接続される水配管32cを介して貯湯タンク31の上部よりタンク内部に流入する。
【0063】
貯湯タンク31に沸き上げられる給湯水の温度は、上述したように、予め第2の放熱器22の水流路22bの出口側の給湯水温度である出湯温度T5が目標出湯温度Hwとなるように設定されている。そのため、当該給湯用制御Aにおいて、貯湯タンク31の貯湯量が所定量に達したことを湯量センサ50により検出した場合に、制御装置6は、上記ステップS5において、貯湯運転が不要であると判断され、空冷用制御Bに移行する。
【0064】
(3)空冷用制御B
次に、空冷用制御Bについて
図5を参照して説明する。制御装置6は、空冷用制御Bにおいて、給湯回路30に設けられた水流路切替弁36を空冷側、即ち、循環用水ポンプ35により循環される給湯水を第3の放熱器33に流す方に切り替える(ステップS20)。その後、ステップS21において、循環用水ポンプ35を駆動させる。この際、循環用水ポンプ35の回転数は高く(例えば最大値に)設定する。そして、ステップS22において、第3の放熱器用送風機37の運転を開始し、ステップS23において、過冷却給湯器4の、即ち、第2の冷凍サイクル回路20の第2の圧縮機21の運転を開始する。
【0065】
その後、制御装置6は、第2の圧縮機21の制御による過冷却量制御(ステップS24)、第2の膨張弁23による吐出温度制御(ステップS25)を実行する。その後、ステップS2に戻り、係る制御を繰り返す。
【0066】
係る空冷用制御Bにおいて、第2の圧縮機21が運転されると、上記給湯用制御Aと同様に、第2の圧縮機21から吐出された高温冷媒は、第2の放熱器22において、給湯水と熱交換することにより冷却され、膨張弁23にて減圧された後、過冷却器13において、蒸発作用を発揮して第1の冷凍サイクル回路10の冷媒の過冷却を行う。
【0067】
給湯回路30においては、給湯用水ポンプ38が停止して、循環用水ポンプ35が運転されることにより、第2の放熱器22において、第2の冷凍サイクル回路20の高温冷媒と熱交換して加熱された回路内の給湯水は、水配管32bを介して水流路切替弁36に至り、給湯タンク31をバイパスするバイパス水配管32dを介して循環用水ポンプ35及び第3の放熱器33側に流入する。当該第3の放熱器33の近傍に設けられた送風機37が運転しているため、係る第3の放熱器において、給湯回路30内の給湯水の放熱が行われる。
【0068】
このように、貯湯タンク31内の給湯水を加熱する必要がない場合には、係る空冷用制御Bを実行することにより、給湯回路30内の給湯水を媒介して第2の冷凍サイクル回路20の第2の放熱器22における冷媒の熱を第3の放熱器33において効率的に大気に放熱させることができる。これにより、必要以上に給湯タンク31内の湯が第2の放熱器22内に流入してしまい、却って第2の放熱器における熱交換効率が低下してしまう不都合を回避することができる。
【0069】
特に、本実施例では、当該空冷用制御BのステップS21において、出湯温度T5に関わらず循環用水ポンプ35の回転数を高くすることにより、第3の放熱器33における熱交換効率を向上させることができ、第2の冷凍サイクル回路20の過冷却器13における冷却効果を確保することができる。これによって、第1の冷凍サイクル回路10の冷媒の過冷却効果を確保することができ、装置R全体のCOPが低下してしまう不都合を抑制することができる。尚、本実施例では、循環用水ポンプ35の回転数を高くすることによって、第3の放熱器33における熱交換効率を増大させているが、これに限定されるものではなく、例えば、ブースタポンプを増設して当該増設ポンプをON−OFF制御することによって、第3の放熱器33に流入する給湯水の循環量を増大させて第3の放熱器33における熱交換効率を増大させてもよい。また、これ以外にも、流量制御弁で給湯水の流量を制御する機器を採用している場合には、当該流量制御弁を調整(開放)することにより第3の放熱器33に流入する給湯水の循環量を増大させて第3の放熱器33における熱交換効率を増大させてもよい。
【0070】
(4)第2の圧縮機の制御による過冷却量制御
次に、第2の圧縮機21の制御による過冷却量制御について
図6を参照して説明する。当該制御において、制御装置6は、ステップS30において、第1の冷凍サイクル回路10の第1の放熱器12から流出する冷媒の温度、即ち、放熱器出口温度T1を第1の放熱器出口温度センサ40により検出する。次に、ステップS31に進み、放熱器出口温度T1に基づいた第1の冷凍サイクル回路10の冷媒温度である過冷却器出口温度T2の過冷却器出口目標温度SQoutを決定する。
【0071】
予め制御装置6のメモリには、上記給湯用制御Aの場合と、空冷用制御Bの場合とに分けて、放熱器出口温度T1に応じた過冷却器13の蒸発温度、第2の圧縮機21の吐出温度T4、過冷却器出口温度T2、給湯水循環量の各最適値のテーブルが設けられている。ここで、
図7には、放熱器出口温度T1毎に、過冷却器13における第2の冷凍サイクル回路20の冷媒の蒸発温度に対する第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqを示し、
図8には、放熱器出口温度T1毎のテーブルを示している。尚、
図7の測定条件としては、第2の放熱器22への入水温度T3を+16℃、当該放熱器22からの出湯温度T5を+65℃とする給湯用制御Aにおけるものとし、放熱器出口温度T1を+20℃、+30℃、+47℃、+58℃の場合についてそれぞれ示している。また、
図8では、出湯温度T5を+65℃とした給湯用制御Aの場合について示しているが、メモリには、他の温度(例えば+65℃〜+85℃の範囲で)についても別途テーブルが設けられている。
【0072】
これによると、いずれの放熱器出口温度T1の場合であっても、第2の冷凍サイクル回路20の蒸発温度を変化させると、第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqにはピークポイントがあることが分かる。詳細は上述したように、装置R全体のCOPを上昇させるためには、第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqを最適値に制御することが望ましい。
図7からも分かるように、係る第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqが最大となる蒸発温度特性は、放熱器出口温度T1と共に上昇傾向にある。第2の冷凍サイクル回路20の過冷却器13における蒸発温度の特性は、当該過冷却器13の第2の冷凍サイクル回路側流路13bを流れる冷媒と熱交換する過冷却器13の第1の冷凍サイクル回路側流路13aを流出する冷媒の温度、即ち、過冷却出口温度T2の温度特性と同様であるため、該過冷却器出口温度T2も放熱器出口温度T1と共に上昇傾向であることが分かる。従って、放熱器出口温度T1に応じた過冷却器出口温度T2の最適値のテーブルは、
図8に示すように、放熱器出口温度T1が高い程、過冷却器出口目標温度SQoutを高くする方向に設定されている。即ち、入水温度T3を+16℃に固定してみると、放熱器出口温度T1が20℃では、過冷却器出口目標温度SQoutは、6℃、30℃では15℃、47℃では30℃、58℃では38℃に設定されている。尚、
図8におけるテーブルの値は何れも一例であり、これに限定されない。
【0073】
そして、制御装置6は、ステップS32に進み、現在の過冷却器13を出た第1の冷凍サイクル回路10の冷媒温度である過冷却器出口温度T2を過冷却温度センサ46により検出する。ステップS33において当該検出された現在の過冷却器出口温度T2が放熱器出口温度T1に基づいて前記
図8のテーブルから抽出された各最適な過冷却器出口目標温度SQoutと比較し、過冷却器出口目標温度SQoutよりも過冷却器出口温度T2が高い場合には、放熱器出口温度T1に対する過冷却器13における冷媒の蒸発温度を低下させるべくステップS34において、第2の圧縮機21の回転数を所定ステップ上昇させる。
【0074】
他方、ステップS33において、現在の過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQout以下である場合には、ステップS35において、現在の過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutより低いかを判断し、低い場合には、放熱器出口温度T1に対する過冷却器13における冷媒の蒸発温度を上昇させるべく、ステップS36において、第2の圧縮機21の回転数を所定ステップ低下させる。また、現在の過冷却器出口温度T2が過冷却器出口目標温度SQoutと同じである場合には、現在の第2の圧縮機21の回転数を維持する(ステップS37)。
【0075】
このように、制御装置6は、過冷却器出口温度T2が、放熱器出口温度T1に基づく過冷却器出口目標温度SQoutとなるように、第2の圧縮機21の回転数を制御することにより、過冷却器出口温度T2を放熱器出口温度T1毎に最適な第2の冷凍サイクル回路のCOPsqを実現できる温度に制御することができる。そのため、第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqの向上によって、装置R全体のCOPを向上させることができる
【0076】
特に、本実施例では、過冷却器出口温度T2の温度制御を、第2の圧縮機21の回転数の制御することにより実現するため、適切に過冷却器13における冷媒の蒸発温度を制御することができ、第2の冷凍サイクル回路20のCOPsqの向上を実現することができる。
【0077】
(5)第2の膨張弁による吐出温度制御
次に、第2の膨張弁23の開度制御について
図9を参照して説明する。当該制御において、制御装置6は、ステップS40において、第2の放熱器22の水流路22bの入口側の給湯水温度(第2の放熱器に入る給湯水の温度)である入水温度T3を入水温度センサ44により検出する。そして、ステップS41において、入水温度T3、及び、第2の放熱器22を出た給湯水の温度である出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいた第2の圧縮機21の目標吐出温度Tdisを決定する。このとき制御装置6は、上述した如き
図8に示す各最適値のテーブルを参照して決定する。
【0078】
この際、
図8では、目標出湯温度Hwが+65℃の場合についてのみ示しているが、目標出湯温度Hwが高い程、前記目標吐出温度Tdisを高くする方向に設定されている。また、同一の目標出湯温度Hwでは、入水温度T3が高いほど、目標吐出温度Tdisを高くする方向に補正されている。即ち、放熱器出口温度T1が+20℃の場合に比較してみると、入水温度T3が5℃では、吐出温度T4は95℃、10℃では98℃、16℃では100℃に補正されている。
【0079】
そして、制御装置6は、ステップS42に進み、現在の第2の圧縮機21の吐出温度T4を冷媒吐出温度センサ45により検出する。ステップS43において目標出湯温度Hw毎に存在する各テーブルから予め設定された目標出湯温度Hwに応じたテーブルを選択する。そして、当該テーブルの中から放熱器出口温度T1に応じたテーブルを選択する。その後、当該検出された現在の吐出温度T4が係る場合における入水温度T3に基づいて前記
図8のテーブルから抽出された各最適な目標吐出温度Tdisと比較し、目標吐出温度Tdisよりも吐出温度T4が高い場合には、過冷却器13における冷媒が乾いている可能性があるとして、過冷却器13への冷媒流量を増やすべくステップS44において、第2の膨張弁23の開度を所定ステップ拡張させる。
【0080】
他方、ステップS43において、現在の吐出温度T4が目標吐出温度Tdis以下である場合には、ステップS45において、現在の吐出温度T4が目標吐出温度Tdisより低いかを判断し、低い場合には、過冷却器13への冷媒流量を減らすべく、ステップS46において、第2の膨張弁23の開度を所定ステップ縮小させる。また、現在の吐出温度T4が目標吐出温度Tdisと同じである場合には、現在の第2の膨張弁23の開度を維持する(ステップS47)。
【0081】
このように、制御装置6は、第2の圧縮機の吐出温度T4が、出湯温度T5の目標出湯温度Hwに基づいて所定の目標吐出温度Tdisとなるよう、第2の膨張弁23の弁開度を制御することにより、第2の放熱器22において加熱される給湯水の温度を目標出湯温度Hwに制御することができる。これにより、効率的な第1の冷凍サイクル回路10の冷媒の過冷却と、貯湯タンク31内の給湯水の加熱を実現することができる。
【0082】
特に、本実施例では、吐出温度T4の温度制御を、第2の膨張弁23の開度の制御により実現するため、第2の圧縮機21の吐出温度T4に応じた適正な弁開度を実現することができる。
【0083】
更にまた、本実施例では、第2の放熱器22に入る給湯水の温度である入水温度T3に基づき目標吐出温度Tdisを補正しているため、入水温度T3を考慮した目標吐出温度Tdisを設定することができ、より適切な制御を実現することができる。
【0084】
(6)循環用水ポンプの流量制御による出湯温度制御
次に、循環用水ポンプ35による出湯温度制御について
図10を参照して説明する。当該制御において、制御装置6は、ステップS50において、第2の放熱器22を出た給湯水の温度である出湯温度T5を出湯温度センサ47により検出する。そして、ステップS51において当該検出された現在の出湯温度T5が予め設定された目標出湯温度Hwと比較し、目標出湯温度Hwよりも出湯温度T5が高い場合には、第2の放熱器22における熱交換効率を下げるべくステップS52において、循環用水ポンプ35の回転数を上げて、水流量を増加させる。
【0085】
他方、ステップS51において、現在の出湯温度T5が目標出湯温度Hw以下である場合には、ステップS53において、現在の出湯温度T5が目標出湯温度Hwより低いかを判断し、低い場合には、第2の放熱器22における熱交換効率を上げるべくステップS54において、循環用水ポンプ35の回転数を下げて、水流量を減少させる。また、現在の出湯温度T5が目標出湯温度Hwと同じである場合には、現在の循環用水ポンプ35の回転数を維持し、水流量を維持させる(ステップS55)。
【0086】
このように、制御装置6は、出湯温度T5が所定の目標出湯温度Hwとなるよう循環用水ポンプ53の回転数を制御することにより、第2の放熱器22における加熱効率を考慮した循環用水ポンプ35の運転を実現することができ、適切に第2の放熱器22から流出する給湯水の温度を制御することができる。
【0087】
尚、詳細は上述したように、本実施例の冷凍装置Rは、第2の冷凍サイクル回路20の第2の圧縮機21と、第2の放熱器22と、膨張弁23と、過冷却器13を有する過冷却給湯器4がユニット化され、貯湯タンク31と、循環用水ポンプ35、第3の放熱器33、第3の放熱器用送風機37及び水流路切替弁36を有する給湯装置5がユニット化されているため、設置工事を容易に行うことができる。即ち、施工現場において、上記ショーケース2と、過冷却給湯器4及び給湯装置5を設置した後、第1の冷凍サイクル回路10と、第2の冷凍サイクル回路20及び給湯回路30を構成するようにユニット化された各装置の配管接続口を配管により接続することで構成することができる。この場合、設置現場で要求される冷却負荷や給湯負荷に応じて、各ユニット化された装置の設置台数を選定して、それぞれ必要台数を組み合わせることで、冷却負荷や給湯負荷に適合し、冷却性能が優れ、且つ冷却排熱を利用した給湯を行うことができる冷凍装置を容易に構築することができる。
【0088】
また、既設の設備を改造して本実施形態の冷凍装置を構築することも容易に行うことができる。例えば、既設の冷凍機とショーケース2をそのまま利用して、過冷却給湯器4と給湯装置5を新規に追加設置することにより、既設設備の冷凍能力と冷凍効率を向上させ、且つ、冷却排熱を有効に利用した給湯が可能となる。また、本実施例では、ショーケース2を一台とした例を示しているが、これに限定されるものではなく、複数台、並列に接続しても同様の効果を奏することができる。