(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1支持層及び前記第2支持層は、前記取付架台が設置される地盤の土砂と土質固化材の混合物により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の取付架台の設置方法。
前記第1支持層の土質固化材は、前記第2支持層の土質固化材よりも早期に固化する速固性固化材が用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の取付架台の設置方法。
前記支持機構は、前記設置対象物に連結される連結部材を回転可能に有しており、該連結部材の回転中心位置に形成され前記設置対象物に連結するための連結穴と、該回転中心位置から偏芯され前記設置対象物に連結するための連結穴との何れかを用いて前記設置対象物に連結されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の取付架台の設置方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のようにコンクリート層に取付用の脚やレール等の支持部材を埋設固定する方法では、ある程度の耐震性を有するものの、近年発生した大地震や近い将来発生する可能性のある大地震に備えるためには不十分で、設置物が転倒しにくいよう、更なる耐震性の向上が要求されてきている。また、同時に、支持部材を設置位置に設置する施工性の向上、施工時間の短縮が望まれているが、従来のようにコンクリートを用いる場合、その準備、取扱いが煩わしく、またコンクリートが硬化するまでの間、作業をストップしなければならない等の問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、電気温水器等の貯水タンクユニット、自動販売機等の設置対象物を耐震性に優れた状態で固定する取付架台の設置方
法を提供することを目的とし、さらに、簡単且つ短時間で設置作業を完了することができる取付架台の設置方
法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような目的を達成するために、本発明は、設置対象物を支持する支持機構を備えた取付架台の設置方法であって、土砂と土質固化材の混合物からなる第1支持層を形成し、
前記第1支持層が完全に固化する前に、前記第1支持層の上面に前記支持機構を載置し、
前記支持機構の下端部上から前記第1支持層に固定杭を打ち込むことによって、前記支持機構の下端部を前記第1支持層に固定し、前記支持機構の側面部を覆うように、土砂と土質固化材の混合物からなる第2支持層を前記第1支持層の上面に形成し、前記第2支持層から露出した前記支持機構に前記設置対象物を取り付ける。
【0007】
上記の構成によれば、また、第1支持層及び第2支持層が土砂と土質固化材の混合物からなるため、コンクリートで支持層を形成した場合よりも取付架台を短期間で設置することができる。また、設置後においては、支持機構の下端部が第1支持層により上下方向に支持されると共に固定され、さらに、支持機構の側面部が第1支持層に積層された第2支持層により水平方向に支持されることによって、支持機構の下端部だけを上下方向及び水平方向に固定及び支持した構成の場合よりも、上下方向の振動成分及び水平方向の振動成分を含む地震等の揺れに対して強いものになる。即ち、高い耐震性能を有した設置構造体を得ることができる。さらに、上記の構成によれば、打設したコンクリートの乾燥固化を待って設置対象物の取り付け作業を開始する必要がないため、簡単且つ短時間で設置作業を完了することができる。
また、地盤が完全に固化する前に固定杭を打ち込むため、固化するまで待機するという待ち時間を削減することができることから、取付架台を短時間で容易に設置することができる。
【0008】
また、本発明の設置方法における前記第1支持層及び前記第2支持層は、前記取付架台が設置される地盤の土砂と土質固化材の混合物により形成されていてもよい。
【0009】
上記の構成によれば、取付架台の設置時において掘り出した土砂を強固な地盤として再利用するため、土砂等の廃棄物を最小限に抑制することができる。
【0012】
また、本発明の設置方法における前記第1支持層の土質固化材は、前記第2支持層の土質固化材よりも早期に固化する速固性固化材が用いられてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、第1支持層を早期に固化して第2支持層の積層を行うことができるため、設置構造体に取付架台を一層短時間で設置することができる。
【0014】
また、本発明の設置方法における前記設置対象物が複数の前記支持機構により支持されており、前記全支持機構は、前記第1支持層に載置する前に、施工固定冶具により互いに連結されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、全支持機構の位置決めを予め行っておくことができるため、第1支持層に載置及び固定する際の位置ズレを防止できると共に、一括して全支持機構を載置することができるため、個別に支持機構を載置する場合よりも設置作業を短時間で行うことができる。
【0016】
また、本発明の設置方法における前記支持機構は、前記設置対象物に連結される連結部材を回転可能に有しており、該連結部材の回転中心位置に形成され
前記設置対象物に連結するための連結穴と、該回転中心位置から偏芯され
前記設置対象物に連結するための連結穴との何れかを用いて前記設置対象物に連結されてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、回転中心位置及び偏芯位置に形成された連結穴を用いて設置対象物と支持機構との連結を行うことができるため、連結位置の自由度を拡大することができる。この結果、仕様の違いにより設置対象物側の連結位置が異なる場合でも、同一の支持機構を用いて設置対象物を連結状態で支持することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の取付架台の設置方
法によれば、耐震性に優れた状態で固定することができると共に、簡単且つ短時間で設置作業を完了することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。
【0031】
(設置構造体9)
図1に示すように、本実施形態に係る設置構造体9は、電気温水器等の貯水タンクユニット、自動販売機等の設置対象物2を支持する取付架台1を耐震性に優れた状態で固定すると共に、簡単且つ短時間で設置作業を完了することを可能にするように構成されている。
【0032】
具体的には、設置構造体9は、下側に配置された第1支持層91と、上側に配置された第2支持層92とを有している。第1支持層91は、取付架台1における支持機構3の下端部を上下方向に支持すると共に固定する。一方、第2支持層92は、第1支持層91の上面91aに積層されており、支持機構3の側面部を水平方向に支持する。これにより、設置構造体9は、支持機構3の下端部が第1支持層91により上下方向に支持されると共に固定され、さらに、支持機構3の側面部が第1支持層91に積層された第2支持層92により水平方向に支持されることによって、上下方向の振動成分及び水平方向の振動成分を含む地震等による揺れに対して強いものになっている。
【0033】
第1支持層91と第2支持層92とは、土砂と土質固化材との混合物により形成されている。土質固化材は、土砂との混合物をコンクリートよりも早期に固化する機能を備えた材料である。これにより、第1支持層91及び第2支持層92からなる設置構造体9は、セメントにより形成する場合と比較して早期に固化するため、取付架台1を短時間で設置することが可能になっている。
【0034】
設置構造体9に用いられる土質固化材としては、セメント系固化材が例示される。ここで、セメント系固化材とは、土の力学的及び物理的性質の向上を目的に、セメントの水和反応によって化学的に土を固化するために用いられるセメントを主成分とした土質安定処理材をいう。例えば、セメント系固化材としては、住友大阪セメント株式会社製の登録商標「タフロック」「TOUGHLOCK」「タフロックエース」や城東テクノ株式会社製の商標「コカベース」を用いることができる。尚、土を固化するものであれば、セメント系の固化材に限定されるものではなく、その他の土質固化材を適用することもできる。
【0035】
尚、第1支持層91及び第2支持層92の土質固化材は、同一の品種が用いられていてもよいが、第1支持層91の土質固化材は、第2支持層92の土質固化材よりも早期に固化する速固性固化材であることが好ましい。速固性固化材としては、城東テクノ株式会社製の商標「スーパーコカベース」(品番:EK−18)が例示される。この場合には、第1支持層91を早期に固化して第2支持層92の積層を行うことができるため、設置構造体9に取付架台1を一層短時間で設置することができる。設置構造体9の形成方法の詳細については後述する。
【0036】
(取付架台1:支持機構3)
設置構造体9に設置される取付架台1は、設置対象物2を支持する複数の支持機構3を有している。支持機構3は、設置対象物2の複数の取付部21をそれぞれ支持するように構成されている。尚、隣り合う支持機構3同士は、
図7A・7Bの施工固定冶具4により連結されていてもよい。
【0037】
具体的に説明すると、
図2にも示すように、取付架台1は、3つの支持機構3を備えている。上方から見た支持機構3は、正三角形の各頂点に対応するように配置されている。尚、支持機構3の配置は、設置対象物2の取付部21の配置に応じて適宜変更されてよい。例えば、施工固定冶具4を繋ぎ合わせて形成される三角形の形状は、正三角形に限定されず、二等辺三角形、直角三角形等の多様な形状であってもよい。
【0038】
支持機構3は、設置対象物2の取付部21に対する支持高さを調節可能な高さ調節機構31を有している。これにより、支持機構3は、支持機構3を介して設置される設置対象物2の設置面93の高さ位置に応じて、各高さ調節機構31により設置対象物2の支持高さ(取付位置)を調節することができるため、設置面93の高さにバラツキがあったとしても設置対象物2を鉛直方向に設置することができるようになっている。
【0039】
具体的に説明すると、
図4にも示すように、支持機構3は、第1支持層91の上面91aに載置される台板32と、台板32の上方に設けられた高さ調節機構31と、高さ調節機構31の上端面に設けられ、設置対象物2の取付部21を支持する連結部材33とを有している。
【0040】
(支持機構3:台板32)
台板32は、平面視が正方形状に形成されている。台板32の内周側には、矩形状の第1貫通穴32cが複数配置されている。これらの第1貫通穴32cは、台板32の中心点に対して同心円状に配置されている。第1貫通穴32cは、固定杭である軟弱地盤用杭5が挿通されるように形成されている。
【0041】
軟弱地盤用杭5は、
図3(a)・(b)にも示すように、コンクリートよりも軟弱な地盤に穿設されるものであり、矩形状の頭部51と、頭部51から突出された螺旋部52とを有している。螺旋部52は、長尺の板部材を螺旋状に巻回することにより形成されている。これにより、
図11に示すように、軟弱地盤用杭5は、頭部51がハンマー等の工具で打ち込まれると、螺旋部52が回転しながら第1支持層91内に埋没していき、完全に埋没したときに、頭部51が台板32を第1支持層91の上面91aに対して固定するようになっている。
【0042】
尚、台板32は、軟弱地盤用杭5の他、コンクリート用の固定杭により固定されてもよい。また、台板32は、外周端の一部が立ち上げられ、ハンマー等の工具で根元から折り曲げられたときに、自由端部が頭部51の側面に当接するように形成されたストッパ部を有していてもよい。この場合には、軟弱地盤用杭5の逆方向の回転による緩みを防止することが可能になる。また、軟弱地盤用杭5は、全部の第1貫通穴32cに挿通されてもよいし、1箇所以上の一部の第1貫通穴32cに挿通されてもよい。
【0043】
また、
図2に示すように、台板32の中心部には、複数の第2貫通穴32aが形成されている。これらの第2貫通穴32aは、中心点に形成されていると共に、中心点に対して同心円状に配置されている。尚、支持機構3の材質としては、金属、樹脂が好適である。また、軟弱地盤用杭5としては、螺旋杭以外のものを用いてもよく、例えば直線状の打ち込み部を有するよく知られた構造のペグであってもよい。軟弱地盤用杭5の材質としては、金属が好適である。
【0044】
また、台板32の形状は、正方形状に限定されるものではなく、円盤形状に形成されていてもよい。また、台板32は、軟弱地盤用杭5等のアンカー杭により第1支持層91の上面91aに対して固定される他、接着剤により固定されてもよい。接着剤を用いる場合、第1貫通穴32cが台板32と接着剤との接合強度を高める役割を有する。また、台板32の上面91aへの固定方法としては、アンカー杭のみを用いてもよいし、接着剤のみを用いてもよいし、アンカー杭と接着剤とを併用してもよい。さらに、台板32の上面91aへの固定方法としては、土砂を土質固化材と混合し、地盤が完全に固化する前に、軟弱地盤用杭5を地盤に打ち込む土質固化方法であってもよい。さらに、上記のアンカー杭(固定杭)、接着剤による固定方法の他に、支持機構の下端部自体に杭のような突起部を設けておき、この突起部を第1支持層に打ち込んで固定する方法であってもよい。例えば、台板32の周縁を下方向に折り曲げることにより打ち込み部を形成し、この打ち込み部を第1支持層91に打ち込んで固定する方法であってもよい。土質固化方法の詳細については後述する。
【0045】
(支持機構3:高さ調節機構31)
支持機構3は、
図4に示すように、高さ調節機構31を有している。高さ調節機構31は、下側筒部材311を有している。下側筒部材311は、円筒形状に形成されている。下側筒部材311は、台板32に立設されている。下側筒部材311の下端部の外周縁部は、溶接により台板32に接合されている。
【0046】
下側筒部材311の上部領域には、上側雄ネジ部311bが形成されている。上側雄ネジ部311bには、上側筒部材313における
図5Aの雌ネジ部313aが螺合されている。上側筒部材313は、円筒形状に形成されている。上側筒部材313の内周面には、上記の雌ネジ部313aが形成されている。また、上側雄ネジ部311bには、上側ナット部材315が螺合されている。上側ナット部材315は、上端面が上側筒部材313の下面に当接されることによって、上側筒部材313と下側筒部材311とを固定するようになっている。これにより、上側筒部材313と下側筒部材311との緩みが防止されるようになっている。
【0047】
このように、高さ調節機構31は、台板32に立設され、上部領域に上側雄ネジ部311bが形成された下側筒部材311と、内周面に雌ネジ部313aが形成され、下側筒部材311における上部領域の上側雄ネジ部311bが固定可能に螺合された下側筒部材311とを有している。これにより、取付架台1は、設置対象物2の取付位置の高さ調整が容易となり、支持機構3の台板32を第1支持層91の上面91aに固定した後であっても、連結部材33の高さ調整が可能になっている。
【0048】
(支持機構3:固定機構34)
高さ調節機構31の上端面には、固定機構34が設けられている。固定機構34は、連結部材33を備えている。連結部材33は、円盤形状の両端部を切り欠いたほぼ楕円形状に形成されている。連結部材33の下面は、上側筒部材313の上端面に当接されている。連結部材33と上側筒部材313とは、溶接により接合されている。上側筒部材313は、下側筒部材311に対して螺合方向に正逆回転させることによって、連結部材33の高さを調節できるようになっている。
【0049】
連結部材33は、
図5A・5Bに示すように、回転中心位置に形成された連結穴33aと、回転中心位置から偏芯された位置に配置された連結穴33bとを有している。これらの連結穴33a・33bには、ボルト部材341が螺合可能又は挿通可能にされている。ボルト部材341は、連結部材33の上側においてナット部材342が螺合されるようになっている。固定機構34は、ボルト部材341に設置対象物2の取付部21を水平方向において位置決めした後、ナット部材342により上下方向に締結することによって、設置対象物2の取付部21を連結部材33に固定するようになっている。
【0050】
このように、支持機構3は、設置対象物2に連結される固定機構34(連結部材33)を回転可能に有しており、固定機構34の回転中心位置に形成された連結穴33aと、回転中心位置から偏芯された連結穴33bとの何れかを用いて設置対象物2を連結するように構成されている。これにより、支持機構3は、回転中心位置及び偏芯位置に形成された連結穴33a・33bを用いて設置対象物2との連結を行うことができるため、連結位置の自由度を拡大することができる。この結果、仕様の違いにより設置対象物2側の連結位置が異なる場合でも、同一の支持機構3を用いて設置対象物2を連結状態で支持することができる。
【0051】
(施工固定冶具4)
上記のように構成された支持機構3は、
図7A・7Bに示すように、隣り合う支持機構3同士が施工固定冶具4を介して連結可能にされている。施工固定冶具4は、軸方向の一端部及び他端部が支持機構3の頂部にそれぞれ連結可能にされている。具体的には、施工固定冶具4は、薄板状の板状部41を有している。板状部41の両端部には、貫通穴41a・41bが形成されている。これらの貫通穴41a・41bは、板状部41の長手方向に一致した長径方向を有した長穴形状に形成されている。また、貫通穴41a・41bの短径は、
図5Aのボルト部材341のネジ部の直径よりも大きい一方、ナット部材342の直径よりも小さい範囲に設定されている。これにより、
図8A・8Bに示すように、施工固定冶具4は、固定機構34に締結されることによって、支持機構3同士を互いに連結することを可能にしている。
【0052】
(設置対象物2)
図1に示すように、取付架台1に設置される設置対象物2としては、電気温水器の貯水タンクユニットが例示される。尚、設置対象物2の種類は、特に限定されるものではなく、自動販売機、蓄電ユニット等であってもよい。また、設置対象物2は、屋外に設置される屋外設置物が好適であるが、地下等の屋内に設置されるものであってもよい。
【0053】
設置対象物2は、本体22と、本体22の下面に配置された複数の取付部21とを有している。取付部21の中央には、図示しない開口部が形成されている。開口部は、固定機構34のボルト部材341を挿通可能な大きさに設定されている。取付部21は、開口部にボルト部材341を挿通させ、設置対象物2側からナット部材342で締め付けることにより、設置対象物2を支持機構3に固定することが可能になっている。
【0054】
(取付架台1の設置方法)
次に、取付架台1の設置方法について説明する。この設置方法は、
図1に示すように、土砂と土質固化材の混合物からなる第1支持層91を形成する工程と、第1支持層91の上面91aに支持機構3を載置し、第1支持層91に軟弱地盤用杭5(固定杭)を打ち込むことにより支持機構3の下端部を第1支持層91に固定する工程と、支持機構3の側面部を覆うように、土砂と土質固化材の混合物からなる第2支持層92を第1支持層91の上面91aに形成する工程と、第2支持層92から露出した支持機構3に設置対象物2を取り付ける工程とを有している。
【0055】
上記の設置方法によれば、第1支持層91及び第2支持層92が土砂と土質固化材の混合物からなるため、コンクリートで支持層9を形成した場合よりも取付架台1を短期間で設置することができる。また、設置後においては、支持機構3の下端部が第1支持層91により上下方向に支持されると共に固定され、さらに、支持機構3の側面部が第1支持層91に積層された第2支持層92により水平方向に支持されることによって、支持機構3の下端部だけを上下方向及び水平方向に固定及び支持した構成の場合よりも、上下方向の振動成分及び水平方向の振動成分を含む地震等の揺れに対して強いものになる。即ち、高い耐震性能を有した設置構造体を得ることができる。さらに、打設したコンクリートの乾燥固化を待って設置対象物2の取り付け作業を開始する必要がないため、簡単且つ短時間で設置作業を完了することができる。
【0056】
上記の設置方法について具体的に説明する。先ず、
図9に示すように、設置対象物2の設置予定位置に穴95が掘られる。そして、
図10に示すように、掘り出した土砂96の半分程度の分量にセメント系固化材(土質固化材)が投入され、セメント系固化材と土砂96とが混合される。この際、セメント系固化材として、城東テクノ株式会社製の商標「スーパーコカベース」(品番:EK−18)等の速固性固化材が使用される。この後、土砂96と速固性固化材との混合物97が穴95に埋め戻されることによって、穴95の下半分程度の領域において第1支持層91が形成される。これにより、取付架台1の設置時において掘り出した土砂96を強固な第1支持層91(地盤)として再利用するため、土砂96等の廃棄物を最小限に抑制することを可能にしている。
【0057】
次に、
図11に示すように、第1支持層91の上面91aが平らにされる。そして、第1支持層91が完全に固化する前に、複数の支持機構3が第1支持層91の上面91aに載置され、設置対象物2の取付部21に対応した取付位置に位置決めされる。この際、複数の支持機構3は、1個単位で載置されてもよいし、事前に施工固定冶具4により一体化された3個の支持機構3が一括して載置されてもよい。
【0058】
上記の支持機構3は、
図4に示すように、上側筒部材313の上側雄ネジ部311bに上側ナット部材315が螺合された後、連結部材33付きの上側筒部材313が螺合され、ボルト部材341が連結部材33に取り付けられることにより組み上げられている。この後、1個単位で第1支持層91に載置される場合は、
図6A・6Bの位置決めシート101が第1支持層91の上面91aに載置され、位置決めシート101のマーク101a上に支持機構3が位置決めされるによって、取付位置への位置決めが行われる。そして、この位置決め動作が各支持機構3単位で行われる。尚、位置決めシート101は、設置対象物2の取付部21の配置に対応付けてマーク101aが形成されたものである。
【0059】
一方、3個の支持機構3が一括して載置される場合は、事前に全ての支持機構3が施工固定冶具4により相互に連結される。具体的には、穴95を掘る前や掘っているとき等において、
図6A・6Bに示すように、位置決めシート101が地面に載置され、マーク101a上に支持機構3が載置される。
図7A・7Bに示すように、全ての支持機構3がマーク101a上に載置された後、施工固定冶具4が準備され、施工固定冶具4の貫通穴41a・41bに支持機構3のボルト部材341が挿通されるようにセットされる。
【0060】
図8A・8Bに示すように、全ての支持機構3同士が施工固定冶具4で連絡された状態にされると、
図5A・5Bのナット部材342がボルト部材341に螺合されることによって、施工固定冶具4と支持機構3とが締結される。これにより、全ての支持機構3が施工固定冶具4により固定されることによって、支持機構3を移動させた場合でも、全支持機構3における相対的な位置関係が維持されることになる。これにより、全支持機構3が第1支持層91に載置される前に、施工固定冶具4により互いに連結されることによって、全支持機構3の取り付け位置への位置決めを予め行っておくことができるため、第1支持層91に載置及び固定する際の位置ズレを防止できると共に、一括して全支持機構3を載置することができるため、個別に支持機構3を載置する場合よりも設置作業を短時間で行うことができる。
【0061】
上記のようにして全支持機構3の載置が完了すると、
図11に示すように、軟弱地盤用杭5が台板32の貫通穴32cを介して第1支持層91に穿設される。そして、1枚の台板32に対して1以上の軟弱地盤用杭5が打ち込まれる。尚、軟弱地盤用杭5は、第1支持層91を貫通されていてもよいし、第1支持層91を貫通されていなくてもよい。
【0062】
これにより、支持機構3が載置される地盤の土砂92を土質固化材と混合し、地盤が完全に固化する前に、支持機構3を載置し、軟弱地盤用杭5を第1支持層91に穿設することによって、取付架台1の設置時において掘り出した土砂92が強固な地盤(土砂93)として再利用される。このため、土砂92等の廃棄物が最小限に抑制される。さらに、地盤が完全に固化する前に軟弱地盤用杭5が穿設されるため、固化するまで待機するという待ち時間を削減することができる。さらに、セメント系固化材として速固性固化材が使用されることによって、第1支持層91を早期に固化し、続いて実施される工程である第2支持層92を形成する工程を早期に開始することができる。
【0063】
次に、
図12に示すように、残りの土砂96にセメント系固化材(土質固化材)が投入され、セメント系固化材と土砂96とが混合される。この際、セメント系固化材として、一般固化材である城東テクノ株式会社製の商標「コカベース」を用いることができる。尚、土を固化するものであれば、セメント系の固化材に限定されるものではなく、その他の土質固化材を適用することもできる。この後、土砂96と一般固化材との混合物98が穴95に埋め戻されることによって、穴95の上半分領域において第2支持層92が形成される。第2支持層92は、支持機構3の側面部の周囲で固化することによって、支持機構3の側面部を水平方向に支持することになる。また、取付架台1の設置時において掘り出した土砂96を強固な第2支持層92(地盤)として再利用するため、土砂96等の廃棄物を最小限に抑制することを可能にしている。
【0064】
この後、全ての支持機構3の上面の高さ位置が水平方向に一致するように、高さ調節機構31により調整される。必要に応じて、施工固定冶具4が支持機構3が取り外された後、
図13に示すように、設置対象物2の取付部21が支持機構3の連結部材33上に載置される。この際、設置対象物2の取付部21と連結部材33との水平方向の位置の微調整が連結部材33の回転により行われる。そして、回転中心位置に形成された連結穴33aと、回転中心位置から偏芯された連結穴33bとの何れかを用いて設置対象物2に連結される。その後、図示しない化粧枠が取付架台1の周囲に設けられる。
【0065】
以上、本実施形態に係る取付架台1の説明を行ったが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内であれば、上記実施形態を適宜変更してもよい。例えば、取付架台1は、上方から見て、長方形の各頂点に対応するように配置された4つの支持機構3に配置されていてもよいし、これらの支持機構3が長さの異なる施工固定冶具4により一体化されていてもよい。また、本実施形態においては、複数の支持機構3の位置決めを行った後に施工固定冶具4で全支持機構3を固定する方法について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、先に、施工固定冶具を設置対象物2である電気温水器等の支持脚に当て、施工固定冶具の位置決めを行った後に、この施工固定冶具に支持機構3を取付けることによって、複数の支持機構3を固定する方法が採用されてもよい。