(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜7のいずれかに記載の2剤式染毛剤を用い、第1剤と第2剤との混合液をノンエアゾール・フォーマー容器から泡状に吐出させ、その泡を手を用いて頭髪に適用する頭髪の染毛方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔アルカリ剤〕
第1剤中にはアルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、アンモニア及びその塩; モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン及びその塩; 1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン及びその塩; 炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、十分な染毛効果の点、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、第1剤と第2剤の混合液中の0.05〜15質量%が好ましく、更には0.1〜10質量%、更には0.2〜5質量%が好ましい。
【0013】
〔過酸化水素〕
第2剤中には過酸化水素を含有する。第2剤中の過酸化水素の含有量は、1〜9質量%、更には3〜6質量%が好ましく、第1剤と第2剤の混合液中における過酸化水素の含有量は、1〜6質量%、更には2〜5質量%が好ましい。また、第2剤のpHは、過酸化水素の分解抑制のため、2〜6、更には2.5〜4とすることが好ましい。
【0014】
〔(A):脂肪酸又はその塩〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤の混合液中に、成分(A)として炭素数14〜21の分岐又は直鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸又はその塩、あるいはそれらの混合物を含有する。
【0015】
成分(A)は、下記一般式(1)で表される脂肪酸又はその塩を用いることが好ましい。
R
1COOM (1)
〔式中、R
1は、炭素数
13〜20の分岐又は直鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Mは、水素、ナトリウム又はカリウムを示す〕
【0016】
ここでR
1の炭化水素基は、塗布した泡の液ダレを防止する観点から、炭素数が
13〜19であることが好ましく、
13〜17であることがより好ましい
。
【0017】
成分(A)は、2種以上を併用することもでき、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に含有させることができる。第1剤と第2剤の混合液中における成分(A)の脂肪酸としての含有量(脂肪酸塩の場合には脂肪酸換算量)は、塗布した泡の液ダレを防止する観点、及び頭髪に泡を塗布して揉み込みを行った後の泡の髪への密着性を向上させる観点から、0.01〜5質量%が好ましく、更には0.01〜4質量%、更には0.01〜3質量%、更には0.01〜2質量%が好ましい。
【0018】
〔(B):カチオン性ポリマー〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤の混合液中に、成分(B)としてカチオン性ポリマーを含有する。
【0019】
成分(B)としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体等のジメチルジアリルアンモニウム塩系共重合体が挙げられる。
【0020】
ジメチルジアリルアンモニウム塩系共重合体は、毛髪のツヤ、まとまり及び指通りを向上させる観点より、塩化ジメチルジアリルアンモニウムモノマーを全単量体中の40質量%以上含有する単量体成分を重合して得られるものが好ましく、当該含有率が60質量%以上、更には70質量%以上、更には80質量%以上、更には90質量%以上であることがより好ましい。アクリル酸及び/又はアクリルアミドの含有率は、60質量%未満であることが好ましく、40質量%未満、更には30質量%未満、更には20質量%未満、更には10質量%未満であることがより好ましい。
【0021】
ジメチルジアリルアンモニウム塩系共重合体の重量平均分子量は、毛髪へ吸着して、洗髪時・すすぎ時に脱落しにくいものとする観点より、30万〜800万、更には30万〜300万、更には40万〜300万であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(ポリエチレングリコール換算)により測定するものとする。
【0022】
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体は、INCI名ポリクオタニウム-22であり、市販品としては、例えばマーコート280、マーコート295(以上、Nalco社)等が挙げられる。
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体は、INCI名ポリクオタニウム-7であり、市販品としては、例えばマーコート550(Nalco社)等が挙げられる。
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体は、INCI名ポリクオタニウム-39であり、市販品としては、例えばマーコートプラス3330、マーコートプラス3331(以上、Nalco社)等が挙げられる。
【0023】
成分(B)は、2種以上を併用することもでき、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に含有させることができる。第1剤と第2剤の混合液中における成分(B)の含有量は、塗布した泡の液ダレを防止する観点、及び染毛処理後の感触を向上させる観点から、0.01〜3質量%、更には0.01〜1質量%、更には0.01〜0.5質量が好ましい。
【0024】
また、塗布した泡の液ダレを防止する観点、及び保存安定性の観点から、混合液における、成分(A)の脂肪酸としての含有量に対する成分(B)の含有量の質量比〔(B)/(A)〕が5〜15であり、更には5.1〜14、更には5.3〜13であることが好ましい。
【0025】
〔カチオン界面活性剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤のいずれか一方又は両方に、カチオン界面活性剤を含有することができる。カチオン界面活性剤としては、アルキルピリジニウム塩、アルキルアンモニウム塩等を挙げることができ、次の一般式(2)で表されるアルキルアンモニウム塩を用いることが好ましい。
【0027】
〔式中、R
2、R
3、R
4及びR
5は、独立に置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R
2、R
3、R
4及びR
5のうち1つ又は2つは炭素数8〜36であって、かつ残余が炭素数1〜7である。X
-はアニオンを示す。〕
【0028】
ここで炭化水素基としては、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、アリール基、アラルキル基が挙げられ、置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、エポキシ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、トリアルキルアンモニウム基、脂肪酸アミド基、脂肪酸エステル基が挙げられる。
【0029】
R
2、R
3、R
4及びR
5のうち1つ又は2つ(好ましくは1つ)が、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8〜30、更には炭素数10〜24、更には炭素数12〜18のアルキル基であることが好ましく、残余が炭素数1〜3、更には炭素数1又は2、更には炭素数1のアルキル基であることが好ましい。
【0030】
対アニオン(X
-)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、乳酸イオン等が挙げられ、なかでも入手の容易性の観点から塩化物イオン及び臭化物イオンが好ましい。
【0031】
カチオン界面活性剤の具体例としては、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられ、より具体的には塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ココイルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0032】
カチオン界面活性剤は、2種以上を併用することもでき、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に含有させることができる。第1剤と第2剤の混合液中におけるカチオン界面活性剤の含有量は、染毛剤の良好な泡立ちと塗布性の観点から、0.05〜5質量%が好ましく、更には0.2〜4質量%、更には0.4〜3質量%が好ましい。
【0033】
〔非イオン界面活性剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤のいずれか一方又は両方に、更に非イオン界面活性剤を含有させることができる。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0034】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、次の一般式(3)で表されるものを用いることができる。
R
6-O-(AO)
n-H (3)
〔式中、R
6は炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは平均値で1〜100の数を示す。〕
【0035】
R
6の炭素数は、染毛剤の泡立ちと染毛剤に含有される染料の溶解性の観点から、10〜22が好ましく、更には12〜20、更には12〜18が好ましい。
Aとしては、エチレン基、プロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
nは、1〜40が好ましく、更には2〜30、更には4〜23が好ましい。
【0036】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。
【0037】
アルキルアルカノールアミドとしては、次の一般式(4)で表されるものを用いることができる。
【0039】
〔式中、R
7は炭素数5〜23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R
8及びR
9は各々独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルカノール基を示す。ただし、R
8及びR
9が同時に水素原子である場合を除く。〕
【0040】
R
7の炭素数は、染毛剤の泡立ちと染毛剤に含有される染料の溶解性の観点から、8〜22が好ましく、更には10〜20、更には12〜18が好ましい。
【0041】
アルキルアルカノールアミドの具体例としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
【0042】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、次の一般式(5)で表されるものを用いることができる。
【0044】
〔式中、R
10は炭素数5〜23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、A
1及びA
2は各々独立してエチレン基又はプロピレン基を示し、p及びqはそれぞれ平均値であり、両者の合計は5〜50である。〕
【0045】
R
10の炭素数は、染毛剤の泡立ちと染毛剤に含有される染料の溶解性の観点から、炭素数8〜22が好ましく、更には10〜20、更には12〜18が好ましい。A
1及びA
2はエチレン基であることが好ましい。p及びqの合計は8〜30であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。
【0046】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンの具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンセチルアミン、ポリオキシエチレンコカミン等が挙げられる。
【0047】
アルキルポリグルコシドとしては、炭素数6〜22のアルキル基を有し、グルコシド単位の縮合度が1〜7のものが好ましい。具体例としては、オクチルポリグルコシド、2−エチルヘキシルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ラウリルポリグルコシド、ミリスチルポリグルコシド、パルミチルポリグルコシド、イソステアリルポリグルコシド、ステアリルラウリルポリグルコシド、オレイルポリグルコシド、ベヘニルポリグルコシド等が挙げられる。これらのうち、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコシド単位の縮合度が1〜7のものがより好ましい。
【0048】
アルキルグリセリルエーテルとしては、アルキル基が炭素数8〜20、更には14〜18のものが好ましく、また分岐鎖アルキル基であるものが好ましい。具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルペンタエリスリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0049】
これらの非イオン界面活性剤の中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、染毛剤の安定性と染毛剤に含有される染料の溶解性の観点から好ましい。
【0050】
非イオン界面活性剤は、2種以上を併用することもできる。第1剤と第2剤の混合液中における非イオン界面活性剤の含有量は、適度な泡持ちの観点から、1〜35質量%が好ましく、更には1.5〜30質量%、更には2〜25質量%、更には5〜20質量%が好ましい。第1剤中の非イオン界面活性剤の含有量は、染料の良好な溶解性の観点から、1〜30質量%が好ましく、更には1.5〜25質量%、更には5〜20質量%が好ましい。
【0051】
また、染毛剤の塗布性、及び泡もちの観点から、混合液における非イオン界面活性剤のカチオン界面活性剤に対する質量比(非イオン界面活性剤の含有量/カチオン界面活性剤の含有量)は、2〜50が好ましく、更には3〜30、更には5〜20、更には7〜12が好ましい。
【0052】
〔アニオン界面活性剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤のいずれか一方又は両方に、更にアニオン界面活性剤を含有することができる。なお、本発明において、アニオン界面活性剤とは脂肪酸塩以外のアニオン界面活性剤を意味する。
【0053】
アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル界面活性剤;コハク酸アルキル又はコハク酸アルケニルの塩等のカルボン酸界面活性剤;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル界面活性剤;スルホコハク酸塩、イセチオン酸塩、タウリン塩、アルキルベンゼンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸等のスルホン酸界面活性剤;N-アシルグルタミン酸塩等のアミノ酸誘導体型界面活性剤等が挙げられる。これらの中でもN-アシルグルタミン酸塩等のアミノ酸誘導体型界面活性剤が、保存安定性の観点から好ましい。
【0054】
第1剤と第2剤の混合液中におけるアニオン界面活性剤の含有量は、泡立ちの観点及び染毛処理後の感触を向上させる観点から、0.01〜20質量%が好ましく、更には0.01〜15質量%、更には0.1〜10質量%が好ましい。
【0055】
〔両性界面活性剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤のいずれか一方又は両方に、更に両性界面活性剤を含有することができる。
【0056】
両性界面活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系、アミンオキサイド系の界面活性剤が挙げられ、なかでもカルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤が好ましい。好ましい両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
【0057】
第1剤と第2剤の混合液中における両性界面活性剤の含有量は、良好な泡立ちの観点から、0.01〜20質量%が好ましく、更には0.01〜15質量%、更には0.1〜10質量%が好ましい。
【0058】
〔高分子型界面活性剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤のいずれか一方又は両方に、更に高分子型界面活性剤を含有することができる。
【0059】
高分子型界面活性剤の例としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体等の(メタ)アクリル系ポリマー(例えば、ルーブリゾール・アドバンスト・マテリアルス社製ペムレンTR-1、ペムレンTR-2、ダウケミカル社製アキュリン22、アキュリン33等が挙げられる。
【0060】
第1剤と第2剤の混合液中における高分子型界面活性剤の含有量は、吐出させる混合液の泡を安定化させる観点から、0.01〜15質量%が好ましく、更には0.01〜10質量%、更には0.05〜7質量%が好ましく、更には0.1〜5質量%が好ましい。
【0061】
第1剤と第2剤の混合液中における、界面活性剤全体としての合計含有量は、10.5〜30質量%が好ましく、更には11.5〜25質量%、更には12〜20質量%が好ましい。
【0062】
〔エタノール及び/又はプロパノール〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤の混合液中に、エタノール及び/又はプロパノールを含有することができる。プロパノールとしては、n-プロパノール及び/又はイソプロパノールを用いることができる。
【0063】
エタノール及び/又はプロパノールは、両者を併用することもでき、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に含有させることができる。第1剤と第2剤の混合液中におけるエタノール及び/又はプロパノールの含有量は、染色性の観点から、0.1〜20質量%が好ましく、更には0.5〜18質量%が好ましく、更には1〜15質量%、更には2〜10質量%、更には3〜7質量%が好ましい。
【0064】
〔不揮発性親水性溶剤〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤又は第2剤中に、不揮発性親水性溶剤を含有することができる。これにより、混合液の泡を毛髪に塗布した後、放置している間に、混合液から水分が蒸発して過酸化水素等の刺激性の成分が濃縮されることによる頭皮に対する刺激を軽減することができる。不揮発性親水性溶剤としては、ポリオール類やその低級(炭素数1〜4)アルキルエーテル類等が好ましい。ポリオール類としては、炭素数2〜6のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、重量平均分子量200〜800のポリプロピレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。ポリオールの低級アルキルエーテル類としては、前掲のポリオールのモノ低級アルキルエーテルやポリ低級アルキルエーテル(例えばジ低級アルキルエーテル)等が挙げられる。なかでもポリオールのモノメチルエーテル又はモノエチルエーテルが好ましく、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらは、2種以上を併用することもできる。
【0065】
不揮発性親水性溶剤は、2種以上を併用することもでき、第1剤、第2剤のいずれか一方又は両方に含有させることができる。第1剤と第2剤の混合液中における成分不揮発性親水性溶剤の含有量は、頭皮刺激抑制の観点から、0.01〜8質量%が好ましく、更には0.05〜5質量%が、更には0.1〜4質量%、更には0.5〜3質量%が好ましい。
【0066】
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤と第2剤の混合液中に、エタノール及び/又はプロパノールに対する不揮発性親水性溶剤の質量比(不揮発性親水性溶剤/エタノール及び/又はプロパノール)が0.1未満になるように含有することが好ましく、保存安定性の観点から、1未満であることがより好ましく、0.8未満であることが更に好ましい。この質量比の下限は特に限定されないが、0.1以上であることが好ましい。
【0067】
〔染料〕
本発明の2剤式染毛剤は、第1剤に酸化染料中間体又は直接染料を含有する。
【0068】
(酸化染料中間体)
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、N-フェニルパラフェニレンジアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)パラフェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、パラメチルアミノフェノール、4-アミノ-メタクレゾール、オルトアミノフェノール、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0069】
また、カプラーとしては、例えばレゾルシン、2-メチルレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、5-アミノオルトクレゾール、メタフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2,6-ジアミノピリジン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、及びこれらの塩等が挙げられる。
【0070】
プレカーサーとカプラーはそれぞれ2種以上を併用してもよく、プレカーサーとカプラーそれぞれの含有量は、第1剤と第2剤の混合液中の0.01〜5質量%、更には0.1〜4質量%が好ましい。
【0071】
(直接染料)
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。より具体的には、酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、酸性橙3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HC青2、HC橙1、HC赤1、HC黄2、HC黄4、HC黄5、HC赤3、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、分散紫1、分散青1、分散黒9等が挙げられ、塩基性染料としては、塩基性青99、塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性黄76、塩基性橙31、塩基性赤51等が挙げられる。
【0072】
直接染料は、2種以上を併用してもよく、酸化染料中間体と併用してもよい。またその含有量は、第1剤と第2剤の混合液中の0.001〜5質量%、更には0.01〜3質量%が好ましい。
【0073】
〔油剤〕
本発明の2剤式染毛剤には、吐出させる混合液の泡を安定化させる観点から、更に油剤を含有させることができる。このような油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類;その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。これらのうち、高級アルコール類が好ましく、更にはミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、2-オクチルドデカノールが好ましい。
【0074】
第1剤と第2剤の混合液における油剤の含有量は、0.01〜3質量%、更には0.03〜2.5質量%、更には0.05〜2質量%が好ましい。
【0075】
〔シリコーン類〕
本発明の2剤式染毛剤には、吐出させた泡を長時間維持できる観点からは、第1剤と第2剤の混合液中にシリコーンを含有しないことが好ましいが、泡を頭髪に滑らかになじませるため、また頭髪に高いコンディショニング効果を付与するため、一定範囲内で、更にシリコーン類を含有させることもできる。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーンエラストマー等、及びこれらを界面活性剤により水中に分散させたエマルションが挙げられる。これらのうち、増粘剤を用いることなく安定に水中に分散可能な点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びこれらのエマルションが好ましい。
【0076】
ポリエーテル変性シリコーンには、末端変性及び側鎖変性のもの、例えばペンダント型(櫛型)、両末端変性型、片末端変性型のものなどが含まれる。このような変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、HLB10以上、更にはHLB10〜18のものが、水との相溶性の点から好ましい。ここで、HLBは、曇数(曇数:HLBと相関のある指標でエーテル型非イオン界面活性剤に適用される)から求めた値によるものである。
【0077】
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているものであればよく、アモジメチコーンが好ましい。
【0078】
第1剤と第2剤の混合液中にシリコーン類を加える場合におけるシリコーン類の含有量は、染毛剤の泡立ちを妨げずに、泡を毛髪に滑らかになじませるため、また毛髪に高いコンディショニング効果を付与するため、2質量%以下が好ましく、更には0.005〜1.5質量%、更には0.01〜1質量%が好ましい。
【0079】
〔その他任意成分〕
本発明の2剤式染毛剤には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、動植物油脂、天然又は合成の高分子、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0080】
本発明の2剤式染毛剤は、アルカリ剤を含有する第1剤と、過酸化水素を含有する第2剤との混合比が、質量比で1:4〜4:1であることが好ましく、1:2〜1:1が更に好ましい。
【0081】
〔pH〕
本発明の2剤式染毛剤のpH(25℃)は、染毛効果と皮膚刺激性の点から、使用時(混合時)において、8〜12、更には9〜11、更には9〜10.5が好ましい。pH調整剤としては、前記のアルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸;クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸;リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
【0082】
〔粘度〕
第1剤と第2剤の混合液の好ましい粘度の範囲は、1〜300mPa・sであり、5〜200mPa・s、更には10〜100mPa・sが好ましい。なお、ここでの粘度は、25℃、B型回転粘度計で、ローターNo.1を用い、測定対象が100mPa・s以下の場合の回転速度は60rpm、100〜200mPa・sの場合は30rpm、200mPa・s以上の場合は12rpmで測定する。回転数の大きい測定から順番に行い、表示が振り切れることなく測定できた時点で測定を完了し、それ以降の回転数の小さい測定は行わない。
【0083】
第1剤と第2剤の混合液の粘度が上記範囲となるように調整することにより、塗布しやすい泡体積を実現することができ、かつ混合液を毛髪に塗布した後の垂れ落ちを抑制することができる。また、スクイズフォーマーで泡を吐出する際にスクイズしやすくなり、ポンプフォーマーで泡を吐出する際にポンピングしやすくなる。混合液の粘度を前述の範囲に調整するためには、水溶性溶剤の添加、あるいは界面活性剤、ポリオール類、高級アルコール等の含有量や種類を適宜調整すればよい。
【0084】
〔気液混合比〕
フォーマー容器の泡吐出手段による空気と混合液との気液混合比は、剤の髪への馴染み易さ及び塗り易さの点から、5〜40mL/gが好ましく、8〜30mL/gがより好ましい。なお、ここでの気液混合比は次のようにして測定した値である。
【0085】
まず、25℃で吐出した泡の質量と体積を測定することにより気液混合比を求める。スクイズフォーマー容器(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さ(目開き)は混合室150メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり150の桝目)、先端200メッシュ)に混合液を100g入れ、残量が80gの時点から、20gの泡を1000mLのメスシリンダーに吐出し、吐出開始から1分後に泡の体積を測定する。この吐出された泡の容積(mL)を質量20gで割ることにより気液混合比(mL/g)が得られる。
【0086】
〔フォーマー容器〕
本発明において、フォーマー容器は、ノンエアゾールタイプの容器であって、第1剤と第2剤の混合液を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果、第1剤と第2剤とが均一に混合された泡を吐出できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
【0087】
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588〜593(1994); vol.35, No.11, p624〜627(1994); vol.36, No.3, p154〜158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明の2剤式染毛剤に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
【0088】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡生成部分を有するものであり、第1剤と第2剤との混合液が乾燥固化して目詰まりを起こした場合に、次回の吐出時に泡の流れによって、直ちに固化物を溶解して目詰まりを解消できるという点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、50〜280メッシュ、更には90〜250メッシュ、更には130〜220メッシュが好ましい。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなメッシュの材質としては、ナイロン、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
【0089】
本発明の2剤式染毛剤において使用するフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡の安定性等の点から2枚配設することが好ましい。
【0090】
フォーマー容器において、内容物に接触する部分(容器内壁,泡吐出手段内壁等)は、アルカリ及び過酸化水素により腐食せず、また、過酸化水素の分解により発生した酸素が透過する材質で構成することが好ましい。
【0091】
第1剤、第2剤及びフォーマー容器からなる本発明の2剤式染毛剤の製品形態としては、第1剤又は第2剤をそれぞれフォーマー容器と別個の容器に充填し、使用時に双方の剤をフォーマー容器に移し入れ、混合するようにしてもよいが、一方の剤をフォーマー容器に充填し、他方の剤を別個の容器に充填し、使用時に、他方の剤をフォーマー容器内に移し入れるようにしてもよい。この場合、第2剤は、過酸化水素の分解によって生じる酸素のために容器内の圧力が上昇することを防止するため、ガス透過性のある容器、特に酸素透過性のある材質(例えば、ポリエチレン)から成るフォーマー容器に充填することが好ましい。一方、第1剤は、酸化染料の酸化を防止するため、酸素が透過し難い容器を用いる必要がある。
【0092】
〔使用方法〕
本発明の2剤式染毛剤を使用して毛髪(特に頭髪)を染色するには、予め毛髪を梳かしておくことが好ましい。これにより、後述する再度泡立てる処理中に毛髪がからみにくくなるので、混合液が飛び散るおそれがない。また、毛髪を梳かした後、染毛剤組成物の適用で汎用されているブロッキング操作を行う必要はなく、更にはブロッキング操作を行わないことが好ましい。これにより、後述する染毛剤組成物を毛髪に適用する操作や再度泡立てる操作がやりやすくなる。次いで、本発明の2剤式染毛剤の第1剤と第2剤をフォーマー容器内で混合する。その容器から吐出される泡状の剤を、直接毛髪に塗布してもよく、手又はブラシなどの道具を使って毛髪に塗布してもよい。剤の飛び散りや液ダレを防止する観点から、(手袋をした)手にいったん取った後、毛髪に適用することがより好ましい。
【0093】
塗布後は3〜60分程度、好ましくは5〜45分程度放置する。この際、放置の間の液ダレを一層防止し、毛髪の根元にも混合液を十分に行き亘らせる観点から、毛髪上で再度泡立てることが好ましい。再度泡立てるには、ガスを注入しても、振動機やブラシのような器具を用いても、あるいは指を用いてもよいが、指を用いるのがより好ましい。
【0094】
ここで再度泡立てる時期は、完全に泡が消えた後であってもよく、泡が消える途中であってもよく、あるいは適用した泡が変化する前であってもよい。あるいは泡を適用したい
範囲全てに適用完了した後であっても、適用途中であってもよい。再度泡立てるのは、連続的に1回行ってもよく、断続的に複数回繰り返してもよい。
【0095】
これらの操作の後、混合液を洗い流す。その後、適宜シャンプーやリンスをした後水洗して、髪を乾燥させる。
【実施例】
【0096】
実施例1、比較例1〜4
表1に示す配合組成の第1剤と表2に示す配合組成の第2剤(共通)を調製し、下記の操作により第1剤と第2剤の混合液の評価を行った。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
(1.粘度変化の評価)
表1に記載の第1剤と表2に記載の第2剤を1:1.5の質量比で混合して評価液とした。フォーマー容器(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ、空気導入路の最狭部の開口面積の合計は0.35mm
2、ディップチューブの内径はφ1.7mm)から、200mL ビーカーに評価液を泡で10gを吐出し、ヘリカル粘度計(東機産業社製のTVB-10R)で泡の粘度を測定した(T-Cバー、10rpmで1分測定)。その後、薬さじで2分間ほぼ一定の速度で攪拌した後、再び粘度を測定した。吐出直後と攪拌後の粘度を比較することで、頭髪上で揉みこんだ際の粘度挙動を評価した。吐出直後に液ダレしない程度に粘度が低いことは、泡を頭髪全体に塗り広げられると判断され、攪拌後に粘度が大きく増加すれば、揉み込み後に泡がより垂れ落ち難くなっていると判断される。
【0100】
【表3】
【0101】
ミリスチン酸を配合した場合は、攪拌後に粘度が1万mPa・s以上増加し、非常に垂れ落ち難くなっていることが分かる。これに対し、ミリスチン酸の配合されていない比較例2では粘度増加は僅かであることが示された。また、比較例1では吐出直後から粘度が高いため塗り広げ易さという点で劣っていることも示された。
【0102】
(2.コーミングフォースの評価)
表1に記載の第1剤と表2に記載の第2剤を1:1.5の質量比で混合して評価液とした。また、評価用トレスとしてInternational Hair Importers & Products Inc.より購入した人毛を用いた。約8gの毛髪の根元部分を、毛束の幅が5.5cmになるように幅7cmのプラスチック板に接着剤で固定し評価用毛束を作製した。フォーマー容器(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ、空気導入路の最狭部の開口面積の合計は0.35mm
2、ディップチューブの内径はφ1.7mm)から、評価液を泡状に8g吐出し、評価用トレスに満遍なく塗布した。泡を塗布したまま20分25℃の部屋に静置した後、40℃の温水で15秒すすいだ。濡れた状態の毛束を4回クシで梳かした。これをコーミングフォース測定器のフックに吊るし、イオン交換水20mLで十分に毛束を濡らした状態でコーミング時にかかる力を測定した。コーミングは21回行い、1回目のデータは棄却した。ブラシの移動速度は、19cm/secとした。コーミング時にかかる力が小さいほど、クシどおりがなめらかで、処理後の毛髪感触が良いと判断した。各サンプルに対し、上記測定を3回行い、その平均値を表4に示す。
【0103】
【表4】
【0104】
カチオン性ポリマーを配合したサンプルは、低いコーミングフォースを示し、処理後の感触に優れることが示された。
【0105】
(3.保存安定性評価)
表1に示す第1剤を透明なビンに入れ、−5℃で2週間保存した。2週間後に保存ビンを取り出し外観を観察し、下記の判定基準で判定した。
【0106】
判定基準
○:均一で透明な溶液
×:濁りや沈殿物が存在する
【0107】
【表5】
【0108】
実施例2〜5、比較例5〜6
表6に示す第1剤を透明なビンに入れ、−5℃で2週間保存した。2週間後に保存ビンを取り出し外観を観察し、上記と同様の判定基準で判定した。
なお、実施例3及び4は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
【0109】
【表6】