(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分が、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであり、さらに、(F)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン{(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルとなる量}、および(G)触媒量の白金系触媒を含有する、請求項1〜4のいずれか記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を詳細に説明する。
(A)成分は本組成物の主剤であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサンである。(A)成分中のケイ素原子に結合している基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、2−メチルウンデシル基、1−ヘキシルヘプチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピル基等のアラルキル基;3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等の非置換またはハロゲン置換の一価炭化水素基;さらには少量の水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が例示され、好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基であり、特に好ましくは、メチル基、ビニル基、フェニル基である。
【0009】
このような(A)成分の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられ、好ましくは直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。(A)成分は、これらの分子構造を有する単一の重合体、これらの分子構造からなる共重合体、又はこれらの重合体の混合物であってもよい。
【0010】
また、(A)成分は25℃において液状であれば、その粘度は限定されない。本組成物からのオイルブリードを抑制でき、また、本組成物の取扱作業性を向上できることから、(A)成分の25℃における粘度は、好ましくは、100〜1,000,000mPa・sの範囲内であり、さらに好ましくは、200〜1,000,000mPa・sの範囲内であり、より好ましくは、200〜500,000mPa・sの範囲内であり、特に好ましくは、300〜100,000mPa・sの範囲内である。
【0011】
このような(A)成分としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端メチルフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、式:CH
3SiO
3/2で表されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2SiO
2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、式:C
6H
5SiO
3/2で表されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2SiO
2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、式:(CH
3)
3SiO
1/2で表されるシロキサン単位と式:CH
3SiO
3/2で表されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2SiO
2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、式:(CH
3)
3SiO
1/2で表されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2(CH
2=CH)SiO
1/2で表されるシロキサン単位と式:CH
3SiO
3/2で表されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2SiO
2/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0012】
(B)成分は本組成物に熱伝導性を付与するための酸化アルミニウム粉末である。(B)成分の平均粒子径は10μm以下であり、本組成物の取扱作業性をさらに向上できることから、好ましくは、1〜8μmの範囲内である。(B)成分の形状は限定されず、破砕状、丸み状、球状が例示される。
【0013】
本組成物の熱伝導性および取扱作業性を向上できることから、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、50〜600質量部の範囲内である。
【0014】
(C)成分は本組成物に熱伝導性を付与し、本組成物の比重を低下させるための平均粒子径が10μmを超える水酸化アルミニウム粉末である。本組成物の取扱作業性をさらに向上でき、また、本組成物のチキソ性をさらに抑制できることから、(C)成分の平均粒子径は、10μmを超え、50μm以下の範囲内であることが好ましい。(C)成分の形状は限定されず、破砕状、丸み状、球状が例示される。
【0015】
本組成物の熱伝導性および取扱作業性を向上できることから、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、100〜500質量部の範囲内であり、好ましくは、100〜400質量部の範囲内である。
【0016】
本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、(D)アルコキシシランを含有してもよい。(D)成分は、本組成物の取扱作業性を低下させないで、(B)成分および(C)成分を高充填するための成分である。このような(D)成分としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシランが例示される。
【0017】
(B)成分および(C)成分を多量に含有した場合でも、本組成物の取扱作業性および耐熱性を低下させないことから、(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは、1〜100質量部の範囲内であり、特に好ましくは、3〜50質量部の範囲内である。
【0018】
さらに、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、(E)シリカ系充填剤を含有してもよい。このような(E)成分としては、ヒュームドシリカ、溶融シリカ、沈降性シリカ等のシリカ微粉末;これらの表面を、アルコキシシラン、クロロシラン、シラザン等の有機ケイ素化合物により疎水化処理したシリカ微粉末が例示される。また、(E)成分のBET比表面積は限定されないが、(B)成分および(C)成分の沈降分離をより抑制できることから、好ましくは、50m
2/g以上であり、特に好ましくは、100m
2/g以上である。
【0019】
本組成物の粘度が低い場合でも、(B)成分および(C)成分の沈降分離を抑制でき、また、本組成物の著しい粘度の上昇を抑制できることから、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、好ましくは、1〜50質量部の範囲内であり、さらに好ましくは、1〜30質量部の範囲内であり、特に好ましくは、1〜15質量部の範囲内である。
【0020】
本組成物において、(A)成分のオルガノポリシロキサンが、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する場合、本組成物に架橋剤を配合して、ヒドロシリル化反応により増粘もしくは架橋することができる。この架橋剤としては、(F)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、および(G)白金系触媒が例示される。
【0021】
(F)成分のオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するものである。(F)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、ターシャリーブチル基、イソブチル基、2−メチルウンデシル基、1−ヘキシルヘプチル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の環状アルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)プロピル基等のアラルキル基;さらには、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等の脂肪族不飽和結合を有さない非置換もしくはハロゲン置換の一価炭化水素基が例示され、好ましくは、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは、メチル基、フェニル基である。このような(F)成分の分子構造としては、直鎖状、分岐状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状が例示され、好ましくは直鎖状である。(F)成分の25℃における粘度としては、1〜500,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に、5〜100,000mPa・sの範囲内であることが好ましい。
【0022】
このような(F)成分としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、式:(CH
3)
3SiO
1/2で示されるシロキサン単位と式:(CH
3)
2HSiO
1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO
4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、式:(CH
3)
2HSiO
1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO
4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、式:(CH
3)HSiO
2/2で示されるシロキサン単位と式:(CH
3)SiO
3/2で示されるシロキサン単位または式:HSiO
3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサン、およびこれらの二種以上の混合物が例示される。
【0023】
(F)成分の含有量は、(A)成分中のアルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.1〜10モルの範囲内となる量であり、好ましくは、0.5〜5モルの範囲内となる量である。
【0024】
(G)成分の白金系触媒はヒドロシリル化反応を促進する触媒である。このような(G)成分としては、白金微粉末、白金黒、白金坦持シリカ微粉末、白金坦持活性炭、塩化白金酸、四塩化白金、塩化白金酸のアルコール溶液、白金とオレフィンの錯体、白金とアルケニルシロキサンの錯体が例示される。
【0025】
(G)成分の含有量は触媒量であり、具体的には、(A)成分に対して本成分中の白金金属が質量単位で0.1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましく、さらに1〜50ppmの範囲内となる量であることが好ましい。
【0026】
さらに、上記の架橋剤を含有する組成物の貯蔵安定性および取扱作業性を向上させるために、さらに反応抑制剤を含有してもよい。この反応抑制剤としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−フェニル−1−ブチン−3−オール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールが例示される。この反応抑制剤の含有量は限定されないが、本組成物に対して質量単位で10〜50,000ppmの範囲内であることが好ましい。
【0027】
さらに、本組成物には、本発明の目的を損なわない限り、その他任意の成分として、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ベリリウム等の酸化アルミニウム以外の金属酸化物;水酸化マグネシウム等の水酸化アルミニウム以外の金属水酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の窒化物;炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ケイ素等の炭化物;グラファイト、黒鉛等の石墨;アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属、およびこれらの混合物からなる熱伝導性充填剤;その他、顔料、染料、蛍光染料、耐熱添加剤、トリアゾール系化合物以外の難燃性付与剤、可塑剤を含有してもよい。
【実施例】
【0028】
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の特性は25℃における値である。また、熱伝導性シリコーン組成物の特性を次のようにして測定した。
【0029】
[シリコーンゴムの硬さ]
熱伝導性シリコーンゴム組成物を150℃で1時間加熱することにより熱伝導性シリコンゴムを作製した。このシリコーンゴムの硬さを、JIS K 6253-1997「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」で規定のタイプAデュロメータにより測定した。
【0030】
[熱伝導性シリコーン組成物の粘度とチキソ性]
熱伝導性シリコーン組成物の粘度をTAインスツルメンツ社製レオメーター(AR550)を用いて測定した。ジオメトリーとして直径20mmのパラレルプレートを用い、ギャップ200μm、シェアレイト10.0(1/s)の条件で測定した。また、シェアレイト2.0(1/s)の条件で測定した場合の粘度に対するシェアレイト10.0(1/s)の条件で測定した場合の粘度の比をチキソ性として示した。
【0031】
[熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率]
熱伝導性シリコーン組成物を60mm×150mm×25mmの容器に充填し、脱泡した後、その表面を厚さ10μmのポリ塩化ビニリデンフィルムで被覆した後、該フィルムを介して迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)を用いて熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率を測定した。
【0032】
[熱伝導性シリコーン組成物の比重]
熱伝導性シリコーン組成物の比重をJIS K 6220−1:2001「ゴム用配合剤−試験方法−」で規定の方法に準じて測定した。
【0033】
[実施例1]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末220質量部、平均粒子径18μmの水酸化アルミニウム粉末220質量部、およびメチルトリメトキシシラン3質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却して熱伝導性シリコーングリース組成物を調製した。この熱伝導性シリコーングリース組成物の特性を表1に示した。
【0034】
[実施例2]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末220質量部、平均粒子径18μmの水酸化アルミニウム粉末220質量部、およびメチルトリメトキシシラン3質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0035】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.9モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.3質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で10ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0036】
[実施例3]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末280質量部、平均粒子径18μmの水酸化アルミニウム粉末115質量部、ヘキサメチルジシラザンで表面を疎水化処理したBET比表面積200m
2/gのヒュームドシリカ10質量部、およびメチルトリメトキシシラン30質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0037】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体9.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.6モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0038】
[実施例4]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末60質量部、平均粒子径25μmの水酸化アルミニウム粉末400質量部、およびメチルトリメトキシシラン10質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してリコーンゴムベースを調製した。
【0039】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体13.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.7モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0040】
[実施例5]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末50質量部、平均粒子径35μmの水酸化アルミニウム粉末190質量部、およびメチルトリメトキシシラン5質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0041】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1.2モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0042】
[実施例6]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径8μmの酸化アルミニウム粉末500質量部、平均粒子径25μmの水酸化アルミニウム粉末300質量部、およびメチルトリメトキシシラン10質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0043】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1.0質量部、粘度10mPa・sの分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン4.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.6モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0044】
[比較例1]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径2μmの酸化アルミニウム粉末80質量部、平均粒子径2μmの水酸化アルミニウム粉末200質量部、およびメチルトリメトキシシラン10質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却して熱伝導性シリコーングリース組成物を調製した。この熱伝導性シリコーングリース組成物の特性を表1に示した。
【0045】
[比較例2]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径8μmの酸化アルミニウム粉末600質量部、およびメチルトリメトキシシラン10質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0046】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体3.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1.0モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0047】
[比較例3]
25℃における粘度が400mPa・sである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100質量部、平均粒子径8μmの酸化アルミニウム粉末60質量部、平均粒子径2μmの水酸化アルミニウム粉末60質量部、およびメチルトリメトキシシラン10質量部を室温で30分間予備混合した後、減圧下、150℃で60分間加熱混合した。その後、室温まで冷却してシリコーンゴムベースを調製した。
【0048】
次に、上記シリコーンゴムベースに、粘度5mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体3.0質量部(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が1.0モルとなる量)、2−フェニル−3−ブチン−2−オール0.5質量部、および白金の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(シリコーンゴムベースに含まれている上記ジメチルポリシロキサンに対して、本成分中の白金金属が質量単位で5ppmとなる量)を添加し、室温で均一に混合して熱伝導性シリコーンゴム組成物を調製した。この熱伝導性シリコーンゴム組成物および熱伝導性シリコーンゴムの特性を表1に示した。
【0049】
【表1】