(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940330
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】自動車シートに用いる表皮
(51)【国際特許分類】
B60N 2/58 20060101AFI20160616BHJP
A47C 31/02 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
B60N2/58
A47C31/02 B
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-58155(P2012-58155)
(22)【出願日】2012年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-189156(P2013-189156A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年8月7日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】亀井 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健二
【審査官】
永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−030711(JP,A)
【文献】
特開2006−117092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
A47C 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性の表示タグが、シートに取り付けられる各種スイッチやヘッドレストに隣接する箇所においてタグ縫い代を隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮片の表面に突き出され、共縫いされた縫い代を一方の表皮片の裏側に設け、そして、不織布テープが、その表示タグを表皮片に共縫いした接合せ部分および前記2枚の表皮片の裏面に貼り付けられてその表皮タグを他方の表皮片の表面に寝かせるところの自動車シートに用いる表皮の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車に用いる表皮に関し、詳細には、各種スイッチの操作やヘッドレストの使い方を表示するタグ縫付けの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車シートでは、電動シート・トラックを組み込んだり、リクライニング・デバイスが電動化される場合、それらのスイッチがシ−ト・クッションに取り付けられ、また、ヘッドレストを備えるので、それらの操作や使い方を表示したタグがそのシ−ト・クッションやシ−ト・バックの表皮に縫い付けられる傾向がある。
そして、前記表皮によって、ヘッドレスト、シ−ト・クッションやシ−ト・バックを構成する発泡体などからなるクッション材が被覆され、以上の表示タグは、隣合う表皮片間に挟んで共縫いされている。そのため、表示タグは、シート表面に立ち、表示内容が読み難くなり、また、座るときに乗員に当たって不快に感じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010−89735公報
特許第4837478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、表皮に共縫いされる表示タグを表皮表面に寝かせ、その表皮タグの表示内容を読み易くし、そして、着座する乗員に当って不快に感じることを回避するところの自動車シートに用いる表皮を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車シートに用いる表皮では、表示タグが、シートに取り付けられる各種スイッチやヘッドレストに隣接する箇所においてタグ縫い代を
隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮表面に突き出され、そして、不織布テープが、その表示タグを表皮片に共縫いした接合せ部分において表皮裏面に貼り付けられてその表示タグをその表皮表面に寝かせる。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車シートに用いる表皮では、表示タグがそれのタグ縫い代を隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮表面に突き出されてもその表示タグは、表皮裏面に貼り付けられる不織布テープによってその表皮表面に寝かせられ、タグの方向性が規制されて定まり、見映えが向上され、そして、その表示タグの表示内容が読み易くなるに加えて、着座する乗員に当って不快に感じることが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ミニ・バンの6対4分割型折りたたみセカンド・シートの右側シートに活用されるところのこの発明の自動車シートに用いる表皮を部分的に示した部分表面図である。
【
図2】表示タグを共縫いした接合せ部分でその表皮の裏面を示した部分裏面図である。
【
図3】
図1の3−3線に沿って示した断面図である。
【
図4】
図1を部分的に拡大して示した拡大表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車シートに用いる表皮では、表示タグが、シートに取り付けられる各種スイッチやヘッドレストに隣接する箇所においてタグ縫い代を
隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮表面に突き出され、そして、不織布テープが、その表示タグを表皮片に共縫いした接合せ部分において表皮裏面に貼り付けられてその表示タグをその表皮表面に寝かせる。
【実施例1】
【0009】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車シートに用いる表皮を説明するに、
図1ないし
図4は、この発明の自動車シートに用いる表皮の具体例10を
活用するところのミニ・バンに用いる6対4分割型折りたたみセカンド・シート30を部分的に示し、そして、この折りたたみセカンド・シート30は、折りたたみセンター・シート(図示せず)を一体化させた左側折りたたみシート(図示せず)と右側折りたたみシート31とに左右6対4に分割され、その左側折りたたみシートが、フォールド機構およびウォークイン機構を備えてシート・ベースでそのミニ・バンのボディ・フロアに据え付けられ、そして、ウォークイン時、そのウォークイン機構で左側シート・バックを前傾姿勢に保ってサード・シート(図示せず)の乗降を容易になし、また、荷室拡大時、そのフォールド機構でそのシート・ベースから前方へその左側シート・クッションを跳ね上げ、その左側シート・バックをそのシート・ベース上に前倒しさせてその左側シート・バックを荷物載せに活用可能になし、一方、その右側折りたたみシート31は右側シート・クッション(図示せず)、左右のリクライニング・デバイス(図示せず)でその右側シート・クッションに前倒しおよびその右側シート・バック32、およびその右側シート・バック32に取り外し可能に取り付けられる右側ヘッドレスト(図示せず)などで組み立てられ、そして、その右側シート・クッションでそのミニ・バンのそのボディ・フロアに据え付けられる。
【0010】
その右側シート・バック32は、シート・バック・フレーム(図示せず)にシート・バック・パッド33を組み付け、それにその表皮10を被せ、固定して組み立てられる。勿論、その表皮10は、多数の表皮片11、12、13、14から所定の形状に縫い合せられる。
【0011】
この表皮10では、表示タグ20が、その右側ヘッドレストに隣接する箇所においてタグ縫い代
22,21をその隣合
う2枚の表皮片12,14の縫い代15,16間に挟んで共縫いされて表皮表面18に突き出され、そして、不織布テープ23が、その表示タグ20を表皮片12,14に共縫いした接合せ部分17において表皮裏面19に貼り付けられてその表示タグ20をその表皮表面18に寝かせる(
図1,3および4参照)。
【0012】
その表示タグ20には、
図4に示されたようにその右側ヘッドレストの使い方が表示されている。勿論、そのセカンド・シート30が電動シート・トラックを組み込んだり、そのリクライニング・デバイスを電動化させてそれらのスイッチをシート・クッション、シート・バックに取り付ける場合、それらの操作を表示したタグは、同様にそのシート・クッション、シート・バックの表面に縫い付けられる。
【0013】
したがって、この表皮10では、表示タグ20がそれのタグ縫い代21、22を隣合
う表皮片12,14の縫い代15,16間に挟んで共縫いされて表皮表面18に突き出されても、その表示タグ20は、
表皮裏面19の共縫いした接合せ部分に貼り付けられる不織布テープ23の剛性によって共縫いした接合せ部分に、前記クッション材の弾力による引張力が、他の部分に対して作用し難いため、表皮表面18に寝かせられる。これにより、表示タグ20は、タグの方向性が規制されて定まり、見栄えが向上され、そして、その表示タグ20の表示内容が読み易くなるに加えて,着座する乗員に当たって不快に感じることが回避される。
【0014】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかである
ように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
上述から理解されるように、この発明の自動車シートに用いる表皮では、表示タグが、シートに取り付けられる各種スイッチやヘッドレストに隣接する箇所においてタグ縫い代を
隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮表面に突き出され、そして、不織布テープが、その表示タグを表皮片に共縫いした接合せ部分において表皮裏面に貼り付けられてその表示タグをその表皮表面に寝かせるので、この発明の自動車シートに用いる表皮では、その表示タグが、それのタグ縫い代を隣合う2枚の表皮片の縫い代間に挟んで共縫いされて表皮表面に突き出されてもその表示タグは、
表皮裏面の共縫いした接合せ部分に貼り付けられる不織布テープ23の剛性によって共縫いした接合せ部分に、前記クッション材の弾力による引張力が、他の部分に対して作用し難いため、表皮表面に寝かせられる。これにより、表示タグは、タグの方向性が規制されて定まり、見栄えが向上され、そして、その表示タグの表示内容が読み易くなるに加えて,着座する乗員に当たって不快に感じることが回避され、その結果、自動車シートにとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0016】
10 表皮
11 表皮片
12 表皮片
13 表皮片
14 表皮片
15 縫い代
16 縫い代
17 接合せ部分
18 表皮表面
19 表皮裏面
20 表示タグ
21 タグ縫い代
22 タグ縫い代
23 不織布テープ
30 6対4分割型折りたたみセカンド・シート
31 右側折りたたみシート
32 右側シート・バック
33 シート・バック・パッド