(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、アクチュエータとしてシリンダが一般的に用いられるが、シリンダ構造は潤滑性を保持させるためにグリスを内封しており、静止状態では流動せず、外から力を加えることで流動性を示す揺変性(チキソトロピー)が与えられている。すなわち、シリンダを一定周期で作動させているときにはグリスの流動性は保持され、作動間隔が大きくなるほど流動の静止状態が続き、この状態から作動時に流動することとなる。このことは、シリンダを駆動する際にグリスが流動しているか否かでプランジャーの応答性に差を生じ、駆動時タイミングがずれて、例えば決められた位置にシリンダ駆動で作用させたいときには位置ずれを生じさせることとなる。
【0007】
そこで、
図10に、従来のシリンダ動作時間の測定説明図を示す。
図10に示す測定値は、シリンダとして押し出し直動型の株式会社コガネイ社製(型番BSAL10×5)のものを使用し、グリスが常に流動している状態の作動(0.1秒)から10秒後、20秒後、40秒後、60秒後の間隔で作動させたときのシリンダ(ピストンロッド)が伸びきるまでの時間を測定したものである。
【0008】
図10(A)、(B)に示すように、グリスが常に流動している状態での作動時間の誤差(バラツキ)αは10msec程度であり、60秒後の誤差βは25msecとなって約4倍の差を生じることを示している。これを、情報搭載ラベル製造装置に採用させようとする場合に、正常なラベルの補充の貼付位置にずれを生じることとなる。
【0009】
このようなバラツキの差を少なくさせるために、特許文献2記載の技術のようにシリンダ駆動をフィードバック制御することで調整することは可能であるが、装置スペースを必要として大型化を招き、また、シリンダ駆動の駆動媒体用ダクト数の制約があって、実現することが困難であるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、シリンダ駆動における作動応答時間のバラツキを最小とするアクチュエータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、
ピストンを備えるシリンダを駆動媒体により駆動するに際して、媒体供給源より出力される当該駆動媒体の圧力により当該シリンダ
のピストンの動作程度を制御するアクチュエータ制御装置であって、前記媒体供給源より所定の圧力で出力される前記駆動媒体を第1の圧力とする第1レギュレータと、前記媒体供給源又は前記第1レギュレータより出力される前記駆動媒体の圧力を、前記第1の圧力より小の第2の圧力として出力
する第2レギュレータと、前記シリンダに対して前記第1の圧力又は第2の圧力の前記駆動媒体を供給する切替部と、前記シリンダを不定周期で駆動するに際し、不定周期中の駆動時には前記第1の圧力の駆動媒体を供給させて
当該シリンダのピストンを大駆動させ、少なくとも当該大駆動の前段階で前記第2の圧力の駆動媒体を供給させて
当該シリンダのピストンを小駆動
させて復帰させるべく前記切替部を切り替えさせる制御を少なくとも備える制御部と、を有する構成とする。
【0012】
請求項2の発明では、基材に貼付対象物を前記シリンダを駆動させて不定周期で貼付させるものとして、前記制御部は、当該シリンダに対し、当該貼付対象物の貼付時には前記第1の圧力の駆動媒体で大駆動させて貼付を行わせ、少なくとも貼付時の前段階で前記第2の圧力の駆動媒体で小駆動させるべく前記切替部を切り替えさせる制御を行う構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、駆動媒体を第1の圧力で出力する第1レギュレータ、駆動媒体を第1の圧力より小の第2の圧力で出力する第2レギュレータ、シリンダに対して第1の圧力又は第2の圧力の駆動媒体を供給させる切替部を備えて、制御部が、シリンダを不定周期で駆動させるに際して、不定周期中の駆動時には第1の圧力の駆動媒体を供給させて
シリンダのピストンを大駆動させ、少なくとも大駆動の前段階で第2の圧力の駆動媒体を供給させて
シリンダのピストンを小駆動
させて復帰させるべく切替部を切り替えさせる制御を行わせる構成とすることにより、シリンダを本来駆動させない場合でも小駆動させることから大駆動間が長時間であってもシリンダに内封されるグリスの流動性を維持させることが可能となり、本来のシリンダ大駆動時の作動応答時間のバラツキを最小とさせることができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。本実施形態では、アクチュエータ制御装置を使用する情報搭載ラベルを基材に貼付する製造装置について説明するが、貼付動作に限らずシリンダを不定周期で駆動する総ての装置に適用することができる。また、本実施形態では、シリンダとしてバネを内包した単動型のものを示すが、複動型(シリンダ筒内をピストンで仕切られる両領域に対して同時に供給、排出を行わせる型)であってもよく、供給、排出に対して他領域を排出、供給とする同時制御すればよいものである。さらに、本実施形態では、シリンダ駆動の媒体をエアとして説明するが液(油)であっても同様である。
【0016】
図1に、本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置が適用される情報搭載ラベル製造装置の概略図を示す。
図1(A)において、情報搭載ラベル製造装置11は、RFIDラベル毎に所定のデータが書き込まれたRFIDラベル12が例えば等間隔で基材としての台紙12A上に仮着されたロールでセットされた供給部13より、最終的に良品のみのRFIDラベル12が等間隔で仮着されたロールとして巻き取る巻取部14まで搬送手段により供給部13のロール状態を巻き解きつつ供給、搬送させる。
【0017】
搬送手段は、その搬送経路中に送りローラ15A、第1バッファ部である例えば上下動される巻付バッファローラ16A及び送りローラ17Aが配置されると共に、後述のカッタ部の前段階に送りローラ15B、第2バッファ部である例えば上下動される巻付バッファローラ16B及び送りローラ17Bが配置され、巻取部14には巻取回転駆動部を備える。なお、供給部13においても補助的に供給回転駆動部を備えることとしてもよい。また、搬送手段は、後述するラベル補充系統部(31)における巻取部(33)の巻取回転駆動部を備える。
【0018】
上記搬送経路中であって、供給部13より送りローラ15の間に、ラベル検出部20、検査読取部21及び剥離部22が配置される。当該ラベル検出部20は、供給部13より供給されるRFIDラベル12の数量を計数させるために、搬送されてきた台紙12Aに仮着されている当該RFIDラベル12を検出する。当該検査読取部21は、例えばリーダライタを用いてRFIDラベル12に対して非接触で通信を行い、当該RFIDラベル12に書き込まれている所定のデータを読み取る。この読み取ったデータは、後述の制御部35で当該RFIDラベル12が良品であるか否かの検査、判別に供される。
【0019】
上記剥離部22は、台紙12Aより主に不良品とされたRFIDラベル12NGを剥離する。この状態が
図1(B)に示される。剥離する機構としては、例えばバキュームローラを適用することができる。また、送りローラ17Aより送りローラ15Bまでの間に貼付部23、貼付検知部24及び照合読取部25が配置される。当該貼付部23は、
図2及び
図3で説明するが、
図1(C)に示すように、台紙12A上の剥離部22で剥離されたRFIDラベル12NGの位置に、後述のラベル補充系統部(31)から供給される良品のRFIDラベル12Gを貼付させるものある。
【0020】
上記貼付検知部24は、貼付部23で貼付された良品のRFIDラベル12Gが台紙12A上に貼り付けられているかを検知するセンサである。そして、照合読取部25は、例えばリーダライタを用いて最終的にRFIDラベル12が総て良品であることを照合して確認するために通信を行って書込データを読み取るものである。
【0021】
そして、送りローラ15Bより巻取部14までの間にカッタ部26が配置される。当該カッタ部26は、良品のRFIDラベル12が仮着された台紙12Aが巻き取られ、当該RFIDラベル12が予め設定された数量の小巻ロールとなったときに台紙12A上の巻き終わり台紙領域と巻き始め台紙領域と間を切断する。
【0022】
一方、ラベル補充系統部31が配置される。当該ラベル補充系統部31は、RFIDラベル12が台紙上に仮着されたロールがセットされた供給部32より、ロール状に巻き取る巻取部33まで搬送手段の巻取駆動部により供給部32のロール状態を巻き解きつつ供給、搬送されるもので、補充ラベル書込部34及び上記貼付部23が配置される。
【0023】
上記補充ラベル書込部34は、供給部32より供給されたRFIDラベル12に対して、例えばリーダライタを用いて、所定のデータを書き込み、当該連番データが書き込まれたか否かの確認(ベリファイ)を行う。確認の結果、良品である場合には、貼付部23の位置に止まらせ、補充のタイミングまで待機される。一方、不良品の場合には、そのまま巻取部33に巻き取られる。
【0024】
このような装置における動作、制御、良否判別は制御部35において行われる。当該制御部35においては、供給部13より供給されるRFIDラベル12の間隔(周期)、搬送速度が設定されている。また、上記検査による良否の判断においてもフラグ等で記憶しているものである。すなわち、連続して搬送されてくるRFIDラベル12の位置、換言すれば不良品とされて剥離されて抜けとなった位置が認識されている。この認識位置にしたがって、貼付部23で良品のRFIDラベル12Gが補充されるものである。
【0025】
ここで、
図2に、
図1の貼付部におけるシリンダ等及びその動作の説明図を示す。
図2(A)において、貼付部23は、エアシリンダ41、吸着ヘッド42、回転機構部43、エア制御駆動部44、媒体供給源であるエア供給源45及び回転制御駆動部46により構成される。エアシリンダ41は、シリンダ筒内にピストン41Aが摺動可能に設けられる。当該ピストン41Aにピストンロッド41Bが設けられ、ピストン41Aで仕切られる領域の一方側(ピストンロッド41Bの存在しない方)にエアの給気、排気のためのダクトが取り付けられると共に、他方側にバネ41Cが設けられたもので、いわゆる単動型のものである。
【0026】
上記ピストンロッド41Bの先端には吸着ヘッド42が設けられる。当該吸着ヘッド42は、
図2(B)に示すように、側部にエア口51が形成され、頂部に吸着口52が当該エア口51と連通されて形成されたものである。当該吸着口52に補充用の良品のRFIDラベル12Gが吸着固定される。なお、エア口51には、図示しないが、ダクトによりエア供給源及びエア制御駆動部が接続されるが、上記エア制御駆動部44及びエア供給源45を共用してもよく、別に用意してもよい。
【0027】
上記エアシリンダ41は回転機構部43に取り付けられる。当該回転機構部43は、
図2(C)に示すように、補充用のRFIDラベル12Gを吸着口52で受け取り、
図2(D)に示すように、台紙12Aに貼付するための当該シリンダ41を当該台紙側に回転させるためのものであり、回転制御駆動部46により制御される。そして、エアシリンダ41に上記ダクトが取り付けられてエア制御駆動部44及びエア供給源45と連通状態となる。当該エア制御駆動部44は制御部35からの制御信号に基づいて所定圧のエアでピストン41Aを駆動する(
図3で基本動作を説明する)。
【0028】
続いて、
図3に、シリンダ駆動の動作形態の制御回路図を示す。
図3(A)において、エア制御駆動部44は、第1レギュレータ61、第2レギュレータ62、第1電磁弁63及び第2電磁弁64を備える。上記第1レギュレータ61は、入力側にエア供給源45をダクトで連通され、出力側より例えばマニホールドを介して第2レギュレータ62及び第1電磁弁63にダクトで連通される。
【0029】
上記第1レギュレータ61はエア供給源45より供給される所定圧のエアを、第1の圧力(X)として出力し、第2レギュレータ62は第1レギュレータ61より出力される第1の圧力(X)のエアを、これより小の第2の圧力(X/2)として出力する。なお、第2レギュレータ62は、第1レギュレータ61からのエアを入力するものとしているが、エア供給源45より直接入力させることとしてもよい。
【0030】
上記第1電磁弁63は5ポート電磁弁であり、第2電磁弁64は3ポート電磁弁である。当該第1電磁弁63の入口Pポートに第1レギュレータ61の出力側と連通され、入口R2ポートに第2レギュレータ62の出力側が連通される。なお、入口R1ポートは開放としている。当該第1電磁弁63の出口Bポートと第2電磁弁64の入口Pポートと連通される。第2電磁弁64の入口Rポートは開放とし、出口Aポートはシリンダ41とダクトに連通されるものである。
【0031】
図3(A)に示す状態が、第1電磁弁63及び第2電磁弁64を無通電としたデフォルトの回路状態を示している。
図3(B)はシリンダ41のピストンロッド41Bを不完全動作駆動(例えば半ストローク駆動の小駆動)とさせた場合の回路状態を示したものである。すなわち、第1電磁弁63及び第2電磁弁64の両方を駆動させてエア流路を切り替えることによって、第2レギュレータ62より第2の圧力(X/2)のエアが第1電磁弁63及び第2電磁弁64を介してシリンダ41に供給されて不完全動作駆動となる。
【0032】
また、
図3(C)はシリンダ41のピストンロッド41Bを完全動作駆動(全ストローク駆動)とさせた場合の回路状態を示したものである。すなわち、第1電磁弁63を非通電(非駆動)とすると共に、第2電磁弁64を駆動させてエア流路を切り替えることによって、第1レギュレータ61より第1の圧力(X)のエアが第1電磁弁63及び第2電磁弁64を介してシリンダ41に供給されて大駆動となるものである。
【0033】
次に、
図4にシリンダにおける不完全動作駆動の制御回路図を示すと共に、
図5にシリンダにおける完全動作駆動の制御回路図を示す。まず、制御部35からの第1電磁弁63及び第2電磁弁64への駆動信号に応じて、
図4(A)に示すように、第1電磁弁63を駆動し、第2電磁弁64を非駆動とさせる。この状態では、シリンダ41にはエア供給はされていない。
【0034】
続いて、
図4(B)に示すように、第2電磁弁64を駆動させることで、第2レギュレータ62から出力される第2の圧力(X/2)のエアが、第1電磁弁63及び第2電磁弁64を介してシリンダ41に供給されることになりピストンロッド41Bを不完全動作(半ストローク駆動)させる。このシリンダ41の駆動は、不定周期でシリンダ41を全動作駆動させることに対して、本来非駆動されるタイミングで不完全動作させるダミー動作である。
【0035】
そして、
図4(C)に示すように、第2電磁弁64を非通電として復帰させることで、シリンダ41内のエアを当該第2電磁弁64を介して排気されることによって、ピストンロッド41Bがバネ41Cの付勢力で復帰する。その後、第1電磁弁63を非通電とすることで、
図3(A)に示すデフォルト状態となる。
【0036】
また、シリンダ41を大駆動させる場合として、
図5(A)に示す第1電磁弁63及び第2電磁弁64の両方を非駆動の状態(
図3(A))より、
図5(B)に示すように、第1電磁弁63を非駆動のまま第2電磁弁64を駆動とさせることで、第1レギュレータ61から出力される第1の圧力(X)のエアが、第1電磁弁63及び第2電磁弁64を介してシリンダ41に供給されることになりピストンロッド41Bを完全動作(全ストローク駆動)させる。このシリンダ41の駆動は、不定周期でシリンダ41を全動作駆動させるRFIDラベル12Gの貼付動作となる。
【0037】
そして、
図5(C)に示すように、第1電磁弁63を非通電としたまま、第2電磁弁64を非通電として復帰させることで、シリンダ41内のエアを当該第2電磁弁64を介して排気されることによって、ピストンロッド41Bがバネ41Cの付勢力で復帰する。この状態が
図5(A)(
図3(A))に示すデフォルト状態となるものである。
【0038】
そこで、
図6に、
図1のラベル貼付のシリンダ駆動の動作説明図を示す。ここは、
図6(A)に示すように、台紙12A上にRFIDラベル12が検査結果で不良品が排除(剥離)されて不連続で貼付されている当該排除された位置に良品の補充用RFIDラベル12Gを貼付する場合として説明する。
【0039】
図6(B)は、当該補充用のRFIDラベル12Gを貼付するタイミングチャートを示したもので、周期内部信号及び貼付内部信号は上述の制御部35の内部信号であり、第1電磁弁駆動信号及び第2電磁弁駆動信号が切替部44に出力されるものである。上記周期内部信号は、
図6(A)に示す本来のラベル貼付間隔であり制御部35において既知若しくは設定されている信号である。また、上記貼付内部信号は、
図1(A)に示すラベル検出部20、検査読取部21及び剥離部22の制御で台紙12A上の何れの位置において不良品として剥離されているかが認識されているもので、この位置に貼付内部信号がたてられるものである。
【0040】
すなわち、周期内部信号aでは、台紙12A上に既に良品のRFIDラベル12が貼付されていることから、貼付内部信号はたてられない。そこで、従前ではシリンダ41を駆動させないところ、第1電磁弁駆動信号を切替部44に出力して駆動(
図4(A))した後、直ちに第2電磁弁駆動信号を出力することによって、シリンダ41に第2レギュレータ62からの第2の圧力(X/2)のエアを供給させる。これによって、シリンダ41は給気したエアの第2の圧力(X/2)の分だけのストロークでピストンロッド41Bが駆動されることとなる(
図4(B))。図では、この動作分を半給気として示したもので、上記ダミー動作である。
【0041】
上記ダミー動作後、第2電磁弁駆動信号を立ち下げることでシリンダ41内のエアを排気させ(
図4(C))、ピストンロッド41Bを復帰させる。そして、排気を見計らって第1電磁弁駆動信号を立ち下げることで
図3(A)、
図5(A)のデフォルト状態とさせる。これらの動作は、周期内部信号c、f、g、iにおいても同様で、周期内部信号f、gのように連続しても同様のダミー動作を行わせるものである。
【0042】
一方、シリンダ41を補充のために不定周期で大駆動する場合、
図6(A)における周期内部信号bにおいて、貼付動作として貼付内部信号が立ち上がると、第2電磁弁駆動信号のみが切替部44に出力されることによって、シリンダ41に第1レギュレータ61からの第1の圧力(X)のエアが供給される。これによって、シリンダ41は給気したエアの第1の圧力(X)の分だけのストロークでピストンロッド41Bが大駆動されることとなる(
図5(B))。図では、この動作分を給気として示している。
【0043】
上記貼付動作後、第2電磁弁駆動信号を立ち下げることでシリンダ41内のエアを排気させ(
図5(C))、ピストンロッド41Bを復帰させることで
図3(A)、
図5(A)のデフォルト状態とさせる。これらの動作は、周期内部信号d、e、hにおいても同様で、周期内部信号d、eのように連続しても同様の貼付動作を行わせるものである。
【0044】
次に、
図7に、
図1のラベル貼付のシリンダ駆動の他の動作説明図を示す。
図7では、
図6(B)でのシリンダ駆動の不完全動作駆動、完全動作駆動に加えて、さらに図の斜線部分で示したように完全動作駆動の直前で不完全動作駆動(ダミー動作)を行わせる場合としたものである。すなわち、制御部35において貼付内部信号の立ち上がりが認識されているものであることから、これに所定時間分だけ先駆けてダミー動作をさせるものである。これは、例えば貼付動作が連続しても周期間隔が比較的長い場合にシリンダ41内のグリスの流動性を保持させることができるものである。
【0045】
ところで、上記実施形態では、
図6(A)に示すように、台紙12A上に既にRFIDラベル12が貼付されている位置(貼付動作駆動をさせない位置)で上記ダミー動作をさせるべく制御する場合を示したが、少なくともシリンダ41を大駆動(貼付動作駆動)させる前段階でダミー動作をさせることとしてもよい。すなわち、台紙12A上に既にRFIDラベル12が貼付されている位置(貼付動作駆動をさせない位置)が連続していても、総ての位置でダミー動作させることなく、貼付動作の前段階で一度行わせる制御としてもよいものである。
【0046】
次に、
図8に本発明に係るアクチュエータ駆動制御装置の他の適用例の情報搭載ラベル製造装置の概略図を示すと共に、
図9に
図8のインレット貼付機構におけるシリンダ等及びその動作の説明図を示す。。
図8(A)において、情報搭載ラベル製造装置71は、本出願人が出願した特願2011−092513の実施形態で示した装置と同様である。すなわち、ロール形態の連続状のRFIDラベル元シート72から例えば送りローラ73A,73Bにより搬送される。このRFIDラベル元シート72は、
図8(B)に示すように、シート基材102上に6列でRFIDであるインレット101が所定間隔で形成されたものである。
【0047】
上記送りローラ73A,73B間にRFID読取検査部74が配置され、RFIDラベル元シート72上の各インレット101を6列1段で同時に読み取り検査を行って良品か不良品かの判定を行い、判定結果を後述の制御部(77)に送出する。RFIDラベル元シート72は、検査後に単位インレット断裁部75に送り込まれる。単位インレット断裁部75は、インレット断裁上刃81とインレット断裁下刃82とにより構成され、6列1段で同時に回転断裁によって単位インレット101とさせる。当該インレット断裁下刃82は単位インレットを個々に吸引保持する機構である。
【0048】
断裁後の単位インレット101は、該当のインレット101が良品であるか、不良品であるかの情報に基づいて制御部77がインレット断裁下刃82の吸引が制御され、良品のインレットのみが吸引保持され、不良品と判定されたインレット101の場合には吸引保持されずに不良インレット回収部83に回収させる。
【0049】
インレット断裁下刃82に吸引保持されたインレット101は、当該インレット断裁下刃82の回転でインレット貼付部76の単位インレット送りローラ91に渡される。当該単位インレット送りローラ91においても単位インレット101を当該単位インレット断裁部75と同じ配列で吸引保持する機構であり、吸引保持した単位インレット101を回転搬送によりインレット貼付部76のインレット貼付機構92に供給する。
【0050】
インレット貼付機構92は、回転アーム群と、インレット吸引機構と、エアシリンダ駆動伝達部とを有して構成され、単位インレット送りローラ91より供給される個々の単位インレット101をRFIDラベル元シート72と同じ配列で連続状の台紙80上に貼付していくものである。
【0051】
上記インレット貼付機構92には、エア供給源78よりエア制御駆動部79を介して正圧及び負圧の2種類のエアをそれぞれ制御エアとして供給される。エア供給のタイミングは制御部77により制御される。ここで、制御部77は、RFIDラベルシート製造装置71を統括的に制御するものであり、特に、RFID読取検査部74からの個々のインレットにおける位置情報と、良品若しくは不良品の検査判定結果とを受け取り、インレット断裁下刃82による良品インレットの吸引保持の制御、インレット貼付機構82による台紙80上への貼付を行わせるエア制御駆動部79を制御するものである。
【0052】
当該エア制御駆動部79は、
図9(A)のエアシリンダ駆動伝達部114を介して、
図9(B)に示すような3つのシリンダ121A〜121Cが等間隔で設けられたシリンダ部112A〜112Fが6列で配置されたシリンダ群112の各シリンダのエア制御を行う。
【0053】
シリンダ群112は、RFIDラベル元シート72の1段6列に応じて6つのシリンダ112A〜112Fがインレット配置と同じ間隔で配置される。一のシリンダ112Aを例にとると、
図9(B)、(C)に示すように、回転中心部より同間隔で3つの貼付アーム122(122A〜122C)が延出し、貼付アーム122A〜122C内のそれぞれににシリンダとなる可動軸123が内包され、当該可動軸123の先端に可動先端部121(121A〜121C)が一体で形成されている。
【0054】
すなわち、各貼付アーム122A〜122Cは、シリンダ112Aの先端部分となる可動先端部121A〜121Cを突出、非突出の進退駆動されるエアシリンダ機構のもので、良品のインレット101が供給されたときには先端部分である可動先端部121A〜121Cを突出させてインレット保持面124のインレット保持エア供給口126と連通するインレット吸着孔125で吸着し、回転により台紙80上に位置したときに当該先端部分である可動先端部121A〜121Cを突出させて貼付させ、インレット101が不良品のために供給されないときには台紙80上に接触させないために当該先端部分である可動先端部121A〜121Cを非突出とさせるものである。この非突出とされるときに、突出の圧力である上記第1の圧力(X)より小の第2の圧力(X/2)で小駆動(小突出)させるものである。
【0055】
この場合の可動先端部121A〜121Cには、
図9(C)に示すように、可動先端部121Aで説明すると、駆動エア供給口127が形成され、エアシリンダ駆動伝達部114のエア伝達外輪部115に形成された接続口とエア継ぎ手117Aを介して連通接続される。可動先端部121Aは、駆動エア供給口127に正圧のエアが供給されたときに突出し、負圧(吸引)とされたときに引き込まれる構造である。
【0056】
そして、上記台紙80は剥離剤が形成されたもので、当該台紙80の剥離剤上に接着剤が塗布され、
図8(B)に示すように、インレット貼付機構92によりRFIDラベル元シート72と同じ配列で良品と判定されたインレット101のみが貼付されるものである。この場合、不良品と判定されたインレット101の位置がいわゆる歯抜け状態となる。すなわち、貼付されたインレット101は、接着剤を保持したRFIDラベルとなり、台紙80に対して剥離剤によって仮着された状態となるものである。
【0057】
上記のような情報搭載ラベル製造装置71において、良品の単位インレットのみを台紙80上に貼付していく中で、不良品の位置では貼付動作を行わせないという各シリンダの不定周期の駆動に対して、貼付動作を行わせない位置で隠しリンダを上記同様にダミー動作を行わせるものである。
【0058】
上記のように、シリンダを本来駆動させない場合でも小駆動(ダミー動作)させることから大駆動間が長時間であってもシリンダに内封されるグリスの流動性を維持させることが可能となり、
図10に示す誤差αの範囲で駆動され、本来のシリンダ大駆動時の作動応答時間のバラツキを最小とさせることができるものである。