特許第5940390号(P5940390)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940390
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】放送受信機及びチャンネルサーチ方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20160616BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20160616BHJP
   H04N 5/44 20110101ALI20160616BHJP
【FI】
   H04B1/16 Z
   H04N7/173 630
   H04N5/44 J
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-145135(P2012-145135)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-11534(P2014-11534A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100169856
【弁理士】
【氏名又は名称】尾山 栄啓
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆志
(72)【発明者】
【氏名】安達 聡
(72)【発明者】
【氏名】坂根 圭太
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−139134(JP,A)
【文献】 特開2007−110287(JP,A)
【文献】 特開2009−005006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04N 5/38− 5/63
H04N 7/10− 7/22
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載される放送受信機において、
キー局を含む複数のチャンネルが登録されたチャンネルリストを記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段と、
を備え
前記所定の条件は、
前記移動体の現在位置と所定の放送受信可能地点との直線距離が所定距離以下である状況が所定時間以上持続することである、
放送受信機。
【請求項2】
前記チャンネルサーチにてサーチされた受信可能なチャンネルのネットワークIDを検出する検出手段と、
前記検出されたネットワークIDがエリアワンセグ放送を示すネットワークIDであるとき、前記サーチされたチャンネルを前記チャンネルリストに登録する登録手段と、
を備える
請求項1に記載の放送受信機。
【請求項3】
前記チャンネルサーチにて受信可能なチャンネルがサーチされたことを通知する通知手段
を備える
請求項1又は請求項2に記載の放送受信機。
【請求項4】
放送番組を受信するブランチと、
前記ブランチにより受信された放送番組の再生及び録画の少なくとも一方の処理を行う受信番組処理手段と、
前記受信番組処理手段による前記放送番組の前記処理中に前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルサーチの実行の許否をユーザに確認する許否確認手段と、
ユーザにより前記チャンネルサーチの実行が許可されると、前記ブランチによる前記放送番組の受信を停止する受信停止手段と、
を備え、
前記チャンネルサーチ手段は、前記放送番組の受信が停止されると、該放送番組を受信していたブランチを用いて前記チャンネルサーチを行う
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項5】
前記ブランチを複数備え、
ユーザにより前記チャンネルサーチの実行が許可されると、前記受信停止手段により少なくとも一つのブランチにて前記放送番組の受信が停止されると共に、該受信が停止されたブランチを用いて前記チャンネルサーチ手段による前記チャンネルサーチが行われ、残りのブランチを用いて前記受信番組処理手段による前記放送番組の前記処理が継続する
請求項4に記載の放送受信機。
【請求項6】
移動体に搭載される放送受信機において、
キー局を含む複数のチャンネルが登録されたチャンネルリストを記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段と、
を備え、
前記所定の条件は、
移動速度が一定速度以下に留まる可能性の高い地点及び該地点付近に前記移動体が位置することである、
放送受信機。
【請求項7】
ユーザによる入力を受け付ける入力手段と、
前記移動体の現在位置を測位する測位手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記入力手段により入力された地点及び前記測位手段により測位された前記移動体の現在位置を取得し、
前記所定の条件は、
前記測位手段により測位された前記移動体の現在位置が前記入力手段により入力された地点から所定の範囲内に入ること
を更に含む
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項8】
ユーザによる目的地の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段による目的地の入力に基づいて経路検索を行う経路検索手段と、
前記経路検索手段により検索された経路上及び経路付近でエリアワンセグ放送が行われている可能性のある地点を推定する地点推定手段と、
前記移動体の現在位置を測位する測位手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記地点推定手段により推定された地点及び前記測位手段により測位された前記移動体の現在位置を取得し、
前記所定の条件は、
前記測位手段により測位された前記移動体の現在位置が前記地点推定手段により推定された地点から所定の範囲内に入ること
を更に含む
請求項1から請求項の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項9】
移動体に搭載される放送受信機において、
キー局を含む複数のチャンネルが登録されたチャンネルリストを記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段と、
所定の基幹システムより渋滞情報を受信する渋滞情報受信手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記渋滞情報受信手段により受信された渋滞情報を取得し、
前記所定の条件は、
前記渋滞情報受信手段により受信された渋滞情報に基づいて前記移動体が渋滞している区間に属すると推定されることである、
放送受信機。
【請求項10】
移動体に搭載される放送受信機において、
キー局を含む複数のチャンネルが登録されたチャンネルリストを記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段と、
前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記移動速度検出手段により検出された前記移動体の移動速度を取得し、
前記所定の条件は、
前記移動速度検出手段により検出された移動速度が一定速度以下であることである、
放送受信機。
【請求項11】
移動体に搭載される放送受信機において、
キー局を含む複数のチャンネルが登録されたチャンネルリストを記憶する記憶手段と、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段と、
前記移動体のエンジンが駆動しているか否かを判定する駆動判定手段と、
前記移動体のアクセサリ電源がオンしているか否かを判定する電源判定手段と、
を備え、
前記情報取得手段は、
前記駆動判定手段及び前記電源判定手段の判定結果を取得し、
前記所定の条件は、
前記エンジンが駆動しておらず且つ前記アクセサリ電源がオンしていることである、
放送受信機。
【請求項12】
選局されている周波数チャネルの受信電波の電界強度を検出する電界強度検出手段
を備え、
前記チャンネルサーチ手段は、
前記電界強度検出手段により検出された電界強度が一定値以下の周波数チャネルについてもサーチ対象から除外する
請求項1から請求項11の何れか一項に記載の放送受信機。
【請求項13】
移動体に搭載される放送受信機におけるチャンネルサーチ方法において、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録されている、キー局を含む複数のチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップと、
を含み、
前記所定の条件は、
前記移動体の現在位置と所定の放送受信可能地点との直線距離が所定距離以下である状況が所定時間以上持続することである、
チャンネルサーチ方法。
【請求項14】
前記チャンネルサーチにてサーチされた受信可能なチャンネルのネットワークIDを検出する検出ステップと、
前記検出されたネットワークIDがエリアワンセグ放送を示すネットワークIDであるとき、前記サーチされたチャンネルを前記チャンネルリストに登録する登録ステップと、
を含む、
請求項13に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項15】
前記チャンネルサーチにて受信可能なチャンネルがサーチされたことを通知する通知ステップ
を含む、
請求項13又は請求項14に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項16】
前記放送受信機のブランチにより受信された放送番組の再生及び録画の少なくとも一方の処理を行う受信番組処理ステップと、
前記放送番組の前記処理中に前記判定ステップにより前記所定の条件を満たすと判定されたとき、前記チャンネルサーチの実行の許否をユーザに確認する許否確認ステップと、
ユーザにより前記チャンネルサーチの実行が許可されると、前記ブランチによる前記放送番組の受信を停止する受信停止ステップと、
を含み、
前記受信停止ステップの実行により前記放送番組の受信が停止されると、前記チャンネルサーチステップにて、該放送番組を受信していたブランチを用いて前記チャンネルサーチが行われる、
請求項13から請求項15の何れか一項に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項17】
前記ブランチは複数あり、
ユーザにより前記チャンネルサーチの実行が許可されると、前記受信停止ステップにて、少なくとも一つのブランチによる前記放送番組の受信が停止されると共に、前記チャンネルサーチステップにて、該受信が停止されたブランチを用いて前記チャンネルサーチが行われ、残りのブランチを用いて前記受信番組処理ステップでの前記放送番組の前記処理が継続する、
請求項16に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項18】
移動体に搭載される放送受信機におけるチャンネルサーチ方法において、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録されている、キー局を含む複数のチャンネルを除く範囲について、チャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップと、
を含み、
前記所定の条件は、
移動速度が一定速度以下に留まる可能性の高い地点及び該地点付近に前記移動体が位置することである、
チャンネルサーチ方法。
【請求項19】
ユーザによる入力を受け付ける入力ステップと、
前記移動体の現在位置を測位する測位ステップと、
を含み、
前記情報取得ステップにて、
前記入力ステップにて入力された地点及び前記測位ステップにて測位された前記移動体の現在位置を取得し、
前記所定の条件は、
前記測位ステップにて測位された前記移動体の現在位置が前記入力ステップにて入力された地点から所定の範囲内に入ること
を更に含む
請求項13から請求項18の何れか一項に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項20】
ユーザによる目的地の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップでの目的地の入力に基づいて経路検索を行う経路検索ステップと、
前記経路検索ステップにて検索された経路上及び経路付近でエリアワンセグ放送が行われている可能性のある地点を推定する地点推定ステップと、
前記移動体の現在位置を測位する測位ステップと、
を含み、
前記情報取得ステップにて、
前記地点推定ステップにて推定された地点及び前記測位ステップにて測位された前記移動体の現在位置を取得し、
前記所定の条件は、
前記測位ステップにて測位された前記移動体の現在位置が前記地点推定ステップにて推定された地点から所定の範囲内に入ること
を更に含む
請求項13から請求項19の何れか一項に記載のチャンネルサーチ方法。
【請求項21】
移動体に搭載される放送受信機におけるチャンネルサーチ方法において、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録されている、キー局を含む複数のチャンネルを除く範囲について、チャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップと、
所定の基幹システムより渋滞情報を受信する渋滞情報受信ステップと、
を含み、
前記情報取得ステップにて、
前記渋滞情報受信ステップにて受信された渋滞情報を取得し、
前記所定の条件は、
前記渋滞情報受信ステップにて受信された渋滞情報に基づいて前記移動体が渋滞している区間に属すると推定されることである、
チャンネルサーチ方法。
【請求項22】
移動体に搭載される放送受信機におけるチャンネルサーチ方法において、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録されている、キー局を含む複数のチャンネルを除く範囲について、チャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップと、
前記移動体の移動速度を検出する移動速度検出ステップ
を含み、
前記情報取得ステップにて、
前記移動速度検出ステップにて検出された前記移動体の移動速度を取得し、
前記所定の条件は、
前記移動速度検出ステップにて検出された移動速度が一定速度以下であることである、
チャンネルサーチ方法。
【請求項23】
移動体に搭載される放送受信機におけるチャンネルサーチ方法において、
前記移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得された情報に基づいて前記移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録されている、キー局を含む複数のチャンネルを除く範囲について、チャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップと、
前記移動体のエンジンが駆動しているか否かを判定する駆動判定ステップと、
前記移動体のアクセサリ電源がオンしているか否かを判定する電源判定ステップと、
を含み、
前記情報取得ステップにて、
前記駆動判定ステップ及び前記電源判定ステップでの判定結果を取得し、
前記所定の条件は、
前記エンジンが駆動しておらず且つ前記アクセサリ電源がオンしていることである、
チャンネルサーチ方法。
【請求項24】
選局されている周波数チャネルの受信電波の電界強度を検出する電界強度検出ステップ
を含み、
前記チャンネルサーチステップにて、
前記電界強度検出ステップにて検出された電界強度が一定値以下の周波数チャネルについてもサーチ対象から除外する、
請求項13から請求項23の何れか一項に記載のチャンネルサーチ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載される放送受信機、及び受信位置が移動する放送受信機に適したチャンネルサーチ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタルテレビジョン放送では、12セグメントを使用する高品質なハイビジョン放送(フルセグ放送)の他、1セグメントを使用するワンセグ放送が伝送されている。ワンセグ放送は、ハイビジョン放送に比べて受信帯域が狭く、受信品質が保証されない環境下でも比較的安定した受信が可能であるため、主に車両や携帯電話端末など、移動体向けのサービスとして提供されている。
【0003】
また、地上デジタルテレビジョン放送には、UHF帯(470MHz〜710MHz)の40チャンネルの周波数チャネルが使用されている。地上デジタルテレビジョン放送では、県域等の地域毎で異なる周波数チャネルが使用されており、地域によって使用されていない空き周波数チャネルが存在している。現在、この空き周波数チャネルを利用したエリアワンセグ放送が実験的に行われている。エリアワンセグ放送は、周囲の無線システムに影響を与えない微弱な電力で比較的狭いエリア向けにワンセグ放送サービスを配信するものであり、「エリア限定ワンセグ」や「ワンセグメント・ローカルサービス」とも呼ばれている。エリアワンセグ放送では、イベント会場や商業施設など、限定されたエリアで情報サービスを提供するといった利用形態が想定される。エリアワンセグ放送は、ワンセグ放送技術を利用したものであるため、既存のワンセグ放送を受信可能な端末で視聴することができる。
【0004】
エリアワンセグ放送を受信可能な放送受信機の具体的構成が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の放送受信機は、本受信機を搭載した車両がエリアワンセグ放送の送信地点から所定の範囲内に進入したとき、受信可能な放送電波を検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−139134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に例示される放送受信機においてエリアワンセグ放送の周波数チャネルが不明な場合、エリアワンセグ放送を配信している可能性のある全範囲(UHF帯の40チャンネル)についてチャンネルサーチを行う必要があるものと考えられる。しかし、地上デジタルテレビジョン放送におけるチャンネルサーチは、1つの周波数チャネルにチューナを同調させてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)復調及び誤り訂正処理を行ってTS(Transport Stream)信号を取得し、取得したTS信号からチャンネル情報の取得を試行するため、全範囲に対して行うと相当の時間を要するという問題を抱えている。そこで、この種の放送受信機においては、チャンネルサーチ時間を短くしたいという要請が恒常的に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る放送受信機は、移動体に搭載される装置であり、チャンネルリストを記憶する記憶手段と、移動体に関する所定の情報を取得する情報取得手段と、取得された情報に基づいて移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定手段と、所定の条件を満たすと判定されたとき、チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチ手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一形態によれば、チャンネルリストに登録済みのチャンネル(例えばNHK及び各キー局)を除く範囲についてチャンネルサーチを行うため、チャンネルサーチに掛かる時間が短縮される。また、所定の条件が満たされたときにチャンネルサーチが自動的に実行されるため、例えば一般に視聴機会を逃しやすいエリアワンセグ放送についても高い確率でサーチすることができる。
【0009】
また、放送受信機は、チャンネルサーチにてサーチされた受信可能なチャンネルのネットワークIDを検出する検出手段と、検出されたネットワークIDが特定のネットワークIDであるとき、サーチされたチャンネルをチャンネルリストに登録する登録手段とを備える構成としてもよい。
【0010】
また、放送受信機は、チャンネルサーチにて受信可能なチャンネルがサーチされたことを通知する通知手段を備える構成としてもよい。
【0011】
また、放送受信機は、放送番組を受信するブランチと、ブランチにより受信された放送番組の再生及び録画の少なくとも一方の処理を行う受信番組処理手段と、受信番組処理手段による放送番組の処理中に判定手段により所定の条件を満たすと判定されたとき、チャンネルサーチの実行の許否をユーザに確認する許否確認手段と、ユーザによりチャンネルサーチの実行が許可されると、ブランチによる放送番組の受信を停止する受信停止手段とを備える構成としてもよい。この場合、チャンネルサーチ手段は、放送番組の受信が停止されると、該放送番組を受信していたブランチを用いてチャンネルサーチを行うことができる。なお、受信停止手段には、ユーザによるチャンネルサーチの実行の許可に従って放送番組の受信を停止する形態だけでなく、例えばチャンネルサーチへ移行することで放送番組の受信が停止される形態も含まれる。
【0012】
また、放送受信機において、ブランチは複数備えられてもよい。この場合、ユーザによりチャンネルサーチの実行が許可されると、受信停止手段により少なくとも一つのブランチにて放送番組の受信が停止されると共に、該受信が停止されたブランチを用いてチャンネルサーチ手段によるチャンネルサーチが行われ、残りのブランチを用いて受信番組処理手段による放送番組の処理が継続する。
【0013】
ここで、上記所定の条件は、例えば、移動速度が一定速度以下に留まる可能性の高い地点及び該地点付近に移動体が位置することである。
【0014】
また、放送受信機は、ユーザによる入力を受け付ける入力手段と、移動体の現在位置を測位する測位手段とを備える構成としてもよい。この場合、情報取得手段は、入力手段により入力された地点及び測位手段により測位された移動体の現在位置を取得する。また、この場合の上記所定の条件は、例えば、測位手段により測位された移動体の現在位置が入力手段により入力された地点から所定の範囲内に入ることである。
【0015】
また、放送受信機は、ユーザによる目的地の入力を受け付ける入力手段と、入力手段による目的地の入力に基づいて経路検索を行う経路検索手段と、経路検索手段により検索された経路上及び経路付近でエリアワンセグ放送が行われている可能性のある地点を推定する地点推定手段と、移動体の現在位置を測位する測位手段とを備える構成としてもよい。この場合、情報取得手段は、地点推定手段により推定された地点及び測位手段により測位された移動体の現在位置を取得する。また、この場合の上記所定の条件は、例えば、測位手段により測位された移動体の現在位置が地点推定手段により推定された地点から所定の範囲内に入ることである。
【0016】
また、放送受信機は、所定の基幹システムより渋滞情報を受信する渋滞情報受信手段を備える構成としてもよい。この場合、情報取得手段は、渋滞情報受信手段により受信された渋滞情報を取得する。この場合の上記所定の条件は、例えば、渋滞情報受信手段により受信された渋滞情報に基づいて移動体が渋滞している区間に属すると推定されることである。
【0017】
また、放送受信機は、移動体の移動速度を検出する移動速度検出手段を備える構成としてもよい。この場合、情報取得手段は、移動速度検出手段により検出された移動体の移動速度を取得する。この場合の上記所定の条件は、例えば、移動速度検出手段により検出された移動速度が一定速度以下であることである。
【0018】
また、放送受信機は、移動体のエンジンが駆動しているか否かを判定する駆動判定手段と、移動体のアクセサリ電源がオンしているか否かを判定する電源判定手段とを備える構成としてもよい。この場合、情報取得手段は、駆動判定手段及び電源判定手段の判定結果を取得する。この場合の上記所定の条件は、例えば、エンジンが駆動しておらず且つアクセサリ電源がオンしていることである。
【0019】
また、放送受信機は、選局されている周波数チャネルの受信電波の電界強度を検出する電界強度検出手段を備える構成としてもよい。この場合、チャンネルサーチ手段は、電界強度検出手段により検出された電界強度が一定値以下の周波数チャネルについてもサーチ対象から除外することができる。
【0020】
また、本発明の一形態に係るチャンネルサーチ方法は、移動体に搭載される放送受信機における方法であり、移動体に関する所定の情報を取得する情報取得ステップと、取得された情報に基づいて移動体が所定の条件を満たすか否かを判定する判定ステップと、所定の条件を満たすと判定されたとき、所定の記憶媒体に記憶されたチャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うチャンネルサーチステップとを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一形態に係る放送受信機及びチャンネルサーチ方法によれば、チャンネルリストに登録済みのチャンネルを除く範囲についてチャンネルサーチを行うため、チャンネルサーチに掛かる時間が短縮される。また、所定の条件が満たされたときにチャンネルサーチが自動的に実行されるため、例えば一般に視聴機会を逃しやすいエリアワンセグ放送についても高い確率でサーチすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態の放送受信機の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態の放送受信機によるエリアワンセグ放送登録処理のフローチャートを示す図である。
図3】映像表示部の表示画面に表示される画面例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態の放送受信機によるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す図である。
図5】本発明の第2実施形態の放送受信機の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第2実施形態の放送受信機によるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す図である。
図7】本発明の第3実施形態の放送受信機の構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第3実施形態の放送受信機によるエリアワンセグ放送登録処理のフローチャートを示す図である。
図9】本発明の第3実施形態の放送受信機によるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の放送受信機について説明する。
【0024】
[第1実施形態の放送受信機]
図1は、本発明の第1実施形態の放送受信機1の構成を示すブロック図である。放送受信機1は、車載ナビゲーション装置(PND(Portable Navigation Device)も含む。)を構成しており、一般乗用車等の車両に装備される。放送受信機1は、地上デジタルテレビジョン放送(ワンセグ放送)に適合して設計されており、当該放送方式の信号フォーマットによる放送信号を受信して処理するように構成されている。なお、放送受信機1は、車載ナビゲーション装置に限らず、スマートフォン、フィーチャフォン、携帯ゲーム機など、携帯情報端末を構成するものとしてもよい。また、放送受信機1は、ワンセグ放送に加えてフルセグ放送を受信可能に構成されてもよい。
【0025】
図1に示されるように、放送受信機1は、ナビゲーションECU(Electronic Control
Unit)11、記憶装置12、GPS(Global Positioning System)受信部13、入力装置14、映像表示部15、音声出力部16及び放送受信部17を備えている。
【0026】
ナビゲーションECU11は、放送受信機1を構成する各部と接続され、各部の動作を制御すると共に、ナビゲーション機能の基本的な動作も行う。本実施形態では、ナビゲーション機能も制御可能なナビゲーションECU11が地上デジタルテレビジョン放送の受信処理を行うが、別の実施形態では、ナビゲーションECU11に代えて、地上デジタルテレビジョン放送専用のCPU(Central Processing Unit)が地上デジタルテレビジョン放送の受信処理を行うよう、各部と接続され、各部の動作を制御する構成としてもよい。
【0027】
記憶装置12は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の書き換え可能な記憶装置であり、ナビゲーションECU11により実行される各種プログラムの他、ナビゲーションECU11が処理に使用する各種データが記憶される。例えば、記憶装置12には、車両が現在属する地域の(受信可能な)NHK及び各キー局等を登録したチャンネルリストが記憶されている。本チャンネルリストは、例えば周波数チャネル、リモコンキー識別番号及び放送局名の各情報を関連付けたレコード群より構成される。
【0028】
GPS受信部13は、複数のGPS衛星より受信したGPS信号に基づいて(放送受信機1を搭載する車両の)現在位置を測位するモジュールである。GPS受信部13は、所定の時間間隔(例えば1秒間毎)で現在位置の測位を行い、測位結果をナビゲーションECU11に出力する。
【0029】
入力装置14は、ユーザによる入力を受け付けるための操作手段であり、操作入力に応じた信号を生成してナビゲーションECU11に出力する。この種の操作手段には、ハードウェア又はソフトウェア若しくはこれらを組み合わせた種々のUI(User Interface)が想定され、具体的には、放送受信機1本体のフロントパネルに実装されたメカニカルスイッチキー、メンブレンキー、タッチパネル環境下で提供されるGUI(Graphical User
Interface)、操作キーが実装されたリモートコントローラ等が挙げられる。
【0030】
映像表示部15は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、ナビゲーションECU11及び放送受信部17より出力される信号に基づいて各種画面表示を行う。
【0031】
音声出力部16は、スピーカであり、ナビゲーションECU11及び放送受信部17より出力される信号に基づいて各種音声出力を行う。
【0032】
なお、入力装置14、映像表示部15及び音声出力部16は、放送受信機1自体の構成要素でなく、放送受信機1に接続(有線接続又は無線接続)された別の装置(例えばスマートフォンやフィーチャフォン等の携帯情報端末)の構成要素としてもよい。
【0033】
放送受信部17は、アンテナ17a、チューナ17b、復調部17c及びデコード部17dを有している。チューナ17bは、アンテナ17aで受信された放送電波から希望局(周波数チャネル)のRF(Radio Frequency)信号を抽出し、抽出されたRF信号をフィルタリング等の信号処理に適した中間周波数に周波数変換して、周波数変換後のIF(Intermediate Frequency)信号を復調部17cに出力する。復調部17cは、チューナ17bより入力したIF信号をOFDM復調してサブキャリア毎の情報を復元し、ビットデータに変換してビタビ復号及びリードソロモン復号を行い、これにより得られたTS信号をデコード部17dに出力する。デコード部17dは、復調部17cより入力したTS信号をデコードしてビデオストリーム、オーディオストリーム等の各ストリームデータに分離、再構築する。デコード部17dは、再構築したビデオストリームに対して所定のビデオ信号処理を行って映像表示部15に出力すると共に、オーディオストリームに対して所定のオーディオ信号処理を行って音声出力部16に出力する。これにより、放送受信機1にて地上デジタルテレビジョン放送が再生される。
【0034】
[第1実施形態のエリアワンセグ放送登録処理]
図2は、第1実施形態の放送受信機1によるエリアワンセグ放送登録処理のフローチャートを示す。エリアワンセグ放送は、放送エリアが放送局位置を中心として例えば半径1km程度の範囲内であるため、乗用車等の車両の走行中の視聴(前部座席のフロントモニタでの視聴は一般に規制されているため、ここでは後部座席のリアモニタでの視聴を想定している。)が事実上困難であると考えられる。そのため、本明細書では、走行速度が一定速度以下(速度0、すなわち停車も含む。)に留まる可能性の高い地点及び当該地点付近に車両が位置する期間が、車載型放送受信機によりエリアワンセグ放送を視聴する(受信可能な)機会と考える。走行速度が一定速度以下に留まる可能性の高い地点(以下、「エリアワンセグ放送受信可能地点」と記す。)には、例えばサービスエリア等の休憩地点や商業施設、ナビゲーションECU11によるナビゲーション機能により検索された目的地までの案内経路上及び当該経路付近の各種ランドマーク、目的地自体等が想定される。また、車両が渋滞している区間に属するとき等も、車両がエリアワンセグ放送受信可能地点に位置すると考える。
【0035】
図2に示される第1実施形態のエリアワンセグ放送登録処理では、放送受信機1による地上デジタルテレビジョン放送の再生も録画も行われていない状態を前提とする。
【0036】
図2のS1(エリアワンセグ放送受信可能地点の取得処理)〉
ナビゲーションECU11は、エリアワンセグ放送受信可能地点の取得を行う。具体的には、ナビゲーションECU11は、ナビゲーション機能による案内経路検索の実行のため、入力装置14を介してユーザにより入力された経由地や目的地をエリアワンセグ放送受信可能地点として取得する。また、検索された案内経路上及び当該経路付近の商業施設など、各種ランドマークがエリアワンセグ放送を行っている可能性がある地点と推定し、エリアワンセグ放送受信可能地点として取得する。取得されたエリアワンセグ放送受信可能地点は、例えばナビゲーション機能による経路案内が終了するまでの間、記憶装置12に一時的に記憶される。
【0037】
図2のS2(エリアワンセグ放送受信可能地点への接近判定処理)〉
ナビゲーションECU11は、GPS受信部13により測位される現在位置と、記憶装置12に記憶されたエリアワンセグ放送受信可能地点とを比較し、両者間の直線距離が所定距離以下か否かを判定する。ナビゲーションECU11は、両者間の直線距離が所定距離(例えば1km)以下である場合(S2:YES)、車両が当該エリアワンセグ放送受信可能地点の放送エリアに進入した可能性があることから、処理を図2のS3に進める。一方、両者間の直線距離が所定距離よりも離れている場合(S2:NO)は、所定時間経過後、本接近判定処理を再度試行する。
【0038】
なお、現在位置との距離が所定距離以下のエリアワンセグ放送受信可能地点が複数存在する場合は、最も近いエリアワンセグ放送受信可能地点が比較対象として優先される。また、車両がエリアワンセグ放送受信可能地点の放送エリアに属する期間が一瞬で終わる場合も考えられる。この場合、当該地点に基づいて本取得処理以降の処理を実施することは、放送受信機1のリソースを無駄に使用する結果になりかねない。そこで、本取得処理において、図2のS3の処理に進むための判定条件として、「両者間の直線距離が所定距離以下である状況が所定時間以上持続すること」を付加してもよい。
【0039】
図2のS3(チャンネルサーチ処理)〉
ナビゲーションECU11は、地上デジタルテレビジョン放送の周波数チャネルについて受信可能なものをサーチする。このとき、ナビゲーションECU11は、地上デジタルテレビジョン放送の全周波数範囲を対象とせず、キー局等のチャンネルリストに登録済みのチャンネル(例えばNHK及び各キー局)を除く範囲についてチャンネルサーチを行う。そのため、チャンネルサーチに掛かる時間が短縮される。また、ナビゲーションECU11は、チャンネルサーチ時間の更なる短縮化のため、放送受信部17との連係処理により、OFDM復調等の処理の前段で受信電波の電界強度を検出し、検出された電界強度が一定値以下の周波数チャネルについては受信不可と判断することによりサーチ対象から除外するようにしてもよい。本チャンネルサーチ処理は、エリアワンセグ放送がサーチされるまで又は対象の周波数範囲内についてのサーチが終了するまで実行される。
【0040】
図2のS4(エリアワンセグ放送の受信可否判定処理)〉
ナビゲーションECU11は、図2のS3のチャンネルサーチ処理の結果、エリアワンセグ放送が受信可能か否かを判定する。具体的には、ナビゲーションECU11は、サーチされた周波数チャネルより得たTS信号のNIT(Network Information Table)内のネットワークID(network_id)が「0x7E8E」であるか否かを確認する。ナビゲーションECU11は、上記ネットワークID(network_id)が「0x7E8E」である場合(S4:YES)、サーチされた周波数チャネルでエリアワンセグ放送が伝送されていることから、処理を図2のS5に進める。一方、上記ネットワークID(network_id)が「0x7E8E」でなく、かつ未サーチ範囲が残されている場合には、図2のS3のチャンネルサーチ処理を繰り返す。また、上記ネットワークID(network_id)が「0x7E8E」でなく、かつ未サーチ範囲が残されていない(すなわち、サーチ範囲内で受信可能な周波数チャネルがサーチできなかった)場合には(S4:NO)、本フローチャートの処理を終了させる。
【0041】
なお、「0x7E8E」は、デジタル放送推進協会(Dpa)による『「ワンセグメント・ローカルサービス」の送出運用に関する暫定ガイドライン』にてエリアワンセグ放送の全国共通の識別子として規定されたものである。本規定は暫定規定であるため、本受信可否判定処理で使用する識別子及びこれに類する判定材料は、今後の規格策定に準じて適宜変更し得る。
【0042】
図2のS5(チャンネルリストへのエリアワンセグ放送の登録処理)〉
ナビゲーションECU11は、サーチされたエリアワンセグ放送の周波数チャネル、リモコンキー識別番号及び放送局名の各情報を関連付けたレコードを記憶装置12のチャンネルリストに登録する。放送局名がブランクの場合には、GPS受信部13により測位された現在位置など、他のユニークな情報に代えてもよい。
【0043】
また、ナビゲーションECU11は、本登録処理前に、サーチされたエリアワンセグ放送をチャンネルリストに登録するか否かについてユーザに選択させるためのメッセージを映像表示部15の表示画面に表示させてもよい。ナビゲーションECU11は、チャンネルリストの登録を許可する操作が行われると、本登録処理を実行し、チャンネルリストの登録を拒否する操作が行われると、本登録処理を実行することなく本フローチャートを終了させる。
【0044】
附言するに、エリアワンセグ放送のリモコンキー識別番号(remote_control_key_id)には、例えば当該エリアワンセグ放送を実施する地域のケーブルテレビ事業者が自主放送チャンネルとして使用しているもの(例えば11ch)が割り当てられている。また、エリアワンセグ放送をチャンネルリストに登録する際、通常のワンセグ放送でなくエリアワンセグ放送であることをユーザに識別させるための補助的なデータを加えてもよい。この種の情報には、例えば、エリアワンセグ放送の放送局名やリモコンキー識別番号等を特別な記号や配色、文字サイズ、文字フォント、輝度等で映像表示部15の表示画面に表示させるためのデータが想定される。特別な記号や配色、文字サイズ、文字フォント、輝度等は、時間的に変化して表示されるようにしてもよい。
【0045】
図2のS6(エリアワンセグ放送の通知処理)〉
ナビゲーションECU11は、図2のS5の登録処理後、上記リモコンキー識別番号(例えば11ch)でエリアワンセグ放送の受信が可能になったことを通知するメッセージや、当該エリアワンセグ放送を視聴するか否かを問い合わるメッセージ等を映像表示部15の表示画面に表示させる。
【0046】
図3(a)に、映像表示部15の表示画面に表示されるメッセージの一例を示す。図3(a)に示されるように、メッセージは、表示中の画面(ここではナビ画面)にスーパーインポーズされる。例えばユーザが入力装置14により図3(a)の「NO」アイコンを選択すると、メッセージが消去されて元のナビ画面に復帰し、ナビ画面による経路案内が継続される。一方、ユーザが入力装置14により図3(a)の「YES」アイコンを選択すると、画面が切り替わり、図2のS5の登録処理で登録されたエリアワンセグ放送の再生が開始される。このとき、再生開始までの時間を短縮するため、エリアワンセグ放送のビデオストリームに対する所定のビデオ信号処理及びオーディオストリームに対する所定のオーディオ信号処理までの処理をメッセージの表示処理と並行に実行しておき、「YES」アイコンの選択後、エリアワンセグ放送が直ぐさま再生されるようにしてもよい。なお、「YES」及び「NO」のアイコンが一定時間内に選択されなかった場合は、ユーザ等により予め指定された一方のアイコンが選択されたものとみなし、ナビ画面への復帰(指定アイコンが「NO」の場合)又はエリアワンセグ放送の再生(指定アイコンが「YES」の場合)が自動的に実行される。
【0047】
また、ナビゲーションECU11は、ナビ画面内の経路案内情報(例えば地図)の視認性を維持するため、上記メッセージを例えば地図の表示領域外に表示させてもよい。このとき、メッセージの表示領域を確保するため、一時的に地図を縮小表示したり地図の一部領域をカットしてもよい。放送受信機1がサブディスプレイを備える場合は、上記メッセージをサブディスプレイに表示させてもよい。
【0048】
また、ナビゲーションECU11は、エリアワンセグ放送の表示中、その放送画面に「戻る」アイコンをスーパーインポーズしてもよい。ユーザが入力装置14により「戻る」アイコンを選択すると、映像表示部15の表示画面の表示が放送画面に切り替わる前の画面(例えばナビ画面)に復帰する。「戻る」アイコンは、エリアワンセグ放送の表示中、常時表示させてもよいし、一定の時間間隔で表示させてもよく、又はユーザが入力装置14により何らかの操作(例えば地図の表示領域外のタッチ操作など)を行ったときに表示させてもよい。
【0049】
また、ナビゲーションECU11は、映像表示部15の表示画面の表示をナビ画面からエリアワンセグ放送の放送画面へ完全には切り替えず、例えばナビ画面の表示を親画面として継続表示させつつ放送画面をナビ画面の子画面として表示させてもよい。また、これとは逆に、放送画面を親画面として表示させ、ナビ画面を子画面として継続表示させてもよい。
【0050】
また、ナビゲーションECU11は、エリアワンセグ放送の再生開始までの時間を短縮するため、上記メッセージを表示することなくエリアワンセグ放送の再生を開始してもよい。この場合、エリアワンセグ放送の再生開始後、視聴を継続するか否かをユーザに選択させるメッセージを映像表示部15の表示画面に表示させてもよい。
【0051】
また、ナビゲーションECU11は、映像表示部15による上記メッセージの表示に代えて又は加えて、音声出力部16により同様のメッセージを再生してもよい。
【0052】
また、ナビゲーションECU11は、図2のS4の受信可否判定処理にてエリアワンセグ放送を受信できなかった場合、現在地付近でエリアワンセグ放送が伝送させていないことをユーザに通知するメッセージを映像表示部15の表示画面に表示させてもよい。
【0053】
ここで、過去に登録されたエリアワンセグ放送をチャンネルリストより選択して再生する方法の一例について説明する。ユーザが入力装置14によりチャンネルリストの表示操作を行うと、図3(b)に示されるように、表示中の画面(例えばナビ画面)にチャンネルリストがスーパーインポーズされる。このとき、エリアワンセグ放送のリモコンキー識別番号(例えば11ch)をユーザに識別させるため、特定の表示処理(図3(b)ではハッチング)が施される。また、他の受信可能な放送局についても特定の表示処理(図3(b)ではハーフトーン)が施される。ユーザが表示画面に表示されたチャンネルリストの11chを選択すると、車両が受信可能地域に属する場合に限り、エリアワンセグ放送が再生される。
【0054】
[第1実施形態の変形例のエリアワンセグ放送登録処理]
図4は、第1実施形態の放送受信機1によるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す。なお、以降の変形例及び実施形態において、第1実施形態の放送受信機1と同一の又は同様の構成及び処理については、同一の又は同様の符号を付して説明を簡略又は省略する。
【0055】
図4に示される第1の実施形態の変形例では、エリアワンセグ放送登録処理の実行開始時に、放送受信機1による地上デジタルテレビジョン放送の再生及び録画の少なくとも一方が行われていることを前提とする。
【0056】
図4のS11(受信停止処理)〉
ナビゲーションECU11は、図4のS1の処理(エリアワンセグ放送受信可能地点の取得処理)及び図4のS2の処理(エリアワンセグ放送受信可能地点への接近判定処理)の実行後、再生・録画処理のために現在使用されているブランチ(アンテナ17a及びチューナ17b)による地上デジタルテレビジョン放送の受信を停止する。なお、ここでいう受信停止処理には、例えばチャンネルサーチ処理等の他の処理へ移行することにより、地上デジタルテレビジョン放送の受信が停止されることも含む。
【0057】
ここで、ナビゲーションECU11は、図4のS2の接近判定処理後であって同図のS11の受信停止処理前に、地上デジタルテレビジョン放送の再生・録画を中断してまでチャンネルサーチを実行してよいか否かをユーザに確認するメッセージを映像表示部15の表示画面に表示させてもよい。この場合、ユーザが入力装置14によりチャンネルサーチの実行を許可する操作を行うとはじめて、本受信停止処理が実行される。ユーザが入力装置14によりチャンネルサーチの実行を拒否する操作を行った場合には、本フローチャートが終了する。なお、拒否の場合に本フローチャートを終了させず、一定時間経過後に上記メッセージを再度表示させてもよい。
【0058】
図4のS12(受信再開処理)〉
ナビゲーションECU11は、図4のS11の受信停止処理により使用可能となったブランチ(アンテナ17a及びチューナ17b)を用いて図4のS3の処理(チャンネルサーチ処理)の実行後、当該ブランチを用いて従前の地上デジタルテレビジョン放送の受信を再開する。ナビゲーションECU11は、次いで、図4のS4の処理(エリアワンセグ放送の受信可否判定処理)、図4のS5の処理(チャンネルリストへのエリアワンセグ放送の登録処理)、図4のS6の処理(エリアワンセグ放送の通知処理)を実行する。
【0059】
第1実施形態の変形例においても、図4のS3のチャンネルサーチ処理に掛かる時間が短縮される。そのため、地上デジタルテレビジョン放送の再生・録画の中断時間が抑えられる。
【0060】
[第2実施形態の放送受信機]
図5は、本発明の第2実施形態の放送受信機1zの構成を示すブロック図である。第2実施形態の放送受信機1zは、放送受信部17zを備える点で第1の実施形態の放送受信機1と異なる。図5に示されるように、放送受信部17zは、第1ブランチ(アンテナ17a−1及びチューナ17b−1)から第nブランチ(アンテナ17a−n及びチューナ17b−n)まで、合計n個のブランチを備えている。また、図5中、復調部17czは図1の復調部17cと同様に単一のブロックにて示されているが、より詳細には、各ブランチの出力に対して復調処理を行う復調ブロック、及び各復調ブロックの出力を最大比合成し、合成後の信号からTS信号を得るブロックを備えている。
【0061】
[第2実施形態のエリアワンセグ放送登録処理]
第2実施形態のエリアワンセグ放送登録処理では、図2の第1実施形態のエリアワンセグ放送登録処理と同様に、放送受信機による地上デジタルテレビジョン放送の再生も録画も行われていない状態を前提とする。第2実施形態のエリアワンセグ放送登録処理は、複数(最大でn個)のブランチを用いてS3のチャンネルサーチ処理を実行する点を除き、図2の第1実施形態のエリアワンセグ放送登録処理と同じである。第2実施形態では、複数のブランチを使用することができるため、より安定したチャンネルサーチ処理の実行が可能となる。
【0062】
[第2実施形態の変形例のエリアワンセグ放送登録処理]
図6は、第2実施形態の放送受信機1zによるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す。図6に示される第2の実施形態の変形例では、図4の第1実施形態の変形例と同様に、エリアワンセグ放送登録処理の実行開始時に、放送受信機による地上デジタルテレビジョン放送の再生・録画が行われていることを前提とする。
【0063】
図6のS21(チャンネルサーチ処理及び再生・録画処理)〉
ナビゲーションECU11は、図6のS1の処理(エリアワンセグ放送受信可能地点の取得処理)及び図6のS2の処理(エリアワンセグ放送受信可能地点への接近判定処理)の実行後、再生・録画処理のために現在使用されているn個のブランチのうち少なくとも1つのブランチによる地上デジタルテレビジョン放送の受信を停止する。ここでは、第1ブランチ(アンテナ17a−1及びチューナ17b−1)による受信を停止する。ナビゲーションECU11は、次いで、受信停止処理により使用可能となった第1ブランチを用いて図2のS3と同様のチャンネルサーチ処理を実行する一方、第1ブランチ以外の全てのブランチ(第2ブランチから第nブランチ)にて地上デジタルテレビジョン放送の受信を継続する。
【0064】
ナビゲーションECU11は、第2ブランチから第nブランチの各ブランチによる地上デジタルテレビジョン放送の受信を継続する一方、第1ブランチによる本チャンネルサーチ処理、図6のS4の処理(エリアワンセグ放送の受信可否判定処理)、図6のS5の処理(チャンネルリストへのエリアワンセグ放送の登録処理)、図6のS6の処理(エリアワンセグ放送の通知処理)を実行する。
【0065】
第2実施形態の変形例では、チャンネルサーチ処理の実行中も地上デジタルテレビジョン放送が受信されるため、地上デジタルテレビジョン放送の再生や録画が途切れることなく行われる。なお、復調部17czにおけるダイバーシティ合成処理は、第2ブランチから第nブランチまでの(n−1)個のブランチを用いて行われる。
【0066】
[第3実施形態の放送受信機]
図7は、本発明の第3実施形態の放送受信機1yの構成を示すブロック図である。第3実施形態の放送受信機1yは、車両情報取得部18及び外部情報取得部19を備える点で第2の実施形態の放送受信機1zと異なる。
【0067】
車両情報取得部18は、例えば、車両の走行速度を検出する車速センサや、車両の水平面における方位に関する角速度を計測するジャイロセンサ、エンジンの動作状態やアクセサリ電源の状態を検出する回路等が想定される。車速センサ及びジャイロセンサは、自律航法による位置測定及び方位測定を行うためのDR(Dead Reckoning)センサとしても機能し、GPS受信部13による位置測定及び方位測定を補助することができる。
【0068】
外部情報取得部19は、VICS(登録商標)やインターネット等の渋滞情報を取得することが可能な通信インタフェースである。
【0069】
[第3実施形態のエリアワンセグ放送登録処理]
図8は、第3実施形態の放送受信機1yによるエリアワンセグ放送登録処理のフローチャートを示す。
【0070】
図8のS31(渋滞判定処理)〉
ナビゲーションECU11は、外部情報取得部19により取得される渋滞情報に基づいて車両が渋滞している区間に属するか否かを判定する。ナビゲーションECU11は、車両が渋滞区間に属する場合(S31:YES)、処理を図8のS32に進める。一方、車両が渋滞区間に属していない場合(S31:NO)は、本フローチャートを終了させる。
【0071】
なお、本渋滞判定処理の判定条件として、車両が属する渋滞区間長を付加してもよい。具体的には、ナビゲーションECU11は、車両が渋滞区間に属し、かつその渋滞区間長が一定距離以上の場合に限り、処理を図8のS32に進めるようにしてもよい。
【0072】
図8のS32(走行速度判定処理)〉
ナビゲーションECU11は、車両情報取得部18により取得される車両の走行速度が一定速度以下(速度0、すなわち停車も含む。)であるか否かを判定する。ナビゲーションECU11は、車両の走行速度が一定速度を超える場合(S32:NO)、処理を図8のS31に戻す。一方、車両の走行速度が一定速度以下の場合(S32:YES)は、車両がエリアワンセグ放送受信可能地点に属するとみなして、図8のS3の処理(チャンネルサーチ処理)、図8のS4の処理(エリアワンセグ放送の受信可否判定処理)、図8のS5の処理(チャンネルリストへのエリアワンセグ放送の登録処理)、図8のS6の処理(エリアワンセグ放送の通知処理)を実行する。
【0073】
なお、車両が僅かな時間だけ一定速度以下に減速したに過ぎない場合は、エリアワンセグ放送の放送エリアから直ぐに外れてしまうことが予想される。この場合、図8のS3のチャンネルサーチ処理以降の処理を実施することは、放送受信機1yのリソースを無駄に使用する結果になりかねない。そこで、本走行速度判定処理において、図8のS3の処理に進むための判定条件として、「一定速度以下の状態が一定時間以上持続すること」を付加してもよい。
【0074】
ここで、車両の走行速度が一定速度以下に留まる可能性の高い地点及びその付近でエリアワンセグ放送の受信が可能であるという、上記の考えに基づくと、図8のS31及びS32の両方の処理の実行は必須ではなく、一方の処理を実行するだけでもよい。S32の処理のみを実行する形態は、例えば車両がSAや駐車場に停車している場面等での実施に適している。
【0075】
第3実施形態によれば、商業施設等のランドマーク以外で伝送されている、既存の技術ではサーチすることが困難であったエリアワンセグ放送を受信することが可能となる。ユーザは見逃してしまう可能性の高いエリアワンセグ放送を視聴することができ、放送事業者は新たな視聴者を獲得することができ、双方にメリットがある。
【0076】
[第3実施形態の変形例のエリアワンセグ放送登録処理]
図9は、第3実施形態の放送受信機1yによるエリアワンセグ放送登録処理の変形例のフローチャートを示す。
【0077】
図9のS41(車両状態判定処理)〉
ナビゲーションECU11は、車両情報取得部18によりエンジンの動作状態及びアクセサリ電源の状態を検出し、エンジンが駆動しておらず且つアクセサリ電源がオンしている場合(S41:YES)、停車状態であるため、車両がエリアワンセグ放送受信可能地点に属するとみなして、図9のS3の処理(チャンネルサーチ処理)、図9のS4の処理(エリアワンセグ放送の受信可否判定処理)、図9のS5の処理(チャンネルリストへのエリアワンセグ放送の登録処理)、図9のS6の処理(エリアワンセグ放送の通知処理)を実行する。一方、上記条件が満たされない場合(S41:NO)は、停車状態でないとみなし、所定時間経過後、本車両状態判定処理を再度試行する。
【0078】
なお、停車時間が僅かである場合は、車両がエリアワンセグ放送の放送エリアから直ぐに外れてしまうことが予想される。この場合、図9のS3のチャンネルサーチ処理以降の処理を実施することは、放送受信機1yのリソースを無駄に使用する結果になりかねない。そこで、本走行速度判定処理において、図9のS3の処理に進むための判定条件として、「一定速度以下の状態が一定時間以上持続すること」を付加してもよい。
【0079】
第3実施形態の変形例は、例えば車両がSAや駐車場に停車している場面等での実施に適している。そこで、車両がエリアワンセグ放送受信可能地点に属しているか否かをより正確に判定するため、図2のS1(エリアワンセグ放送受信可能地点の取得処理)及び図2のS2(エリアワンセグ放送受信可能地点への接近判定処理)を更に実行し、全ての条件が満たされるときに、図9のS3の処理(チャンネルサーチ処理)以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0080】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施例等又は自明な実施例等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1、1z、1y 放送受信機
11 ナビゲーションECU
12 記憶装置
13 GPS受信部
14 入力装置
15 映像表示部
16 音声出力部
17、17z 放送受信部
17a、17a−1、・・・、17a−n アンテナ
17b、17b−1、・・・、17b−n チューナ
17c、17cz 復調部
17d デコード部
18 車両情報取得部
19 外部情報取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9