特許第5940438号(P5940438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許5940438-定量シリンジ型噴出器 図000002
  • 特許5940438-定量シリンジ型噴出器 図000003
  • 特許5940438-定量シリンジ型噴出器 図000004
  • 特許5940438-定量シリンジ型噴出器 図000005
  • 特許5940438-定量シリンジ型噴出器 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940438
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】定量シリンジ型噴出器
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/00 20060101AFI20160616BHJP
   A61M 5/315 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   A61M11/00 D
   A61M5/315 500
   A61M5/315 510
   A61M5/315 550X
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-263498(P2012-263498)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-108204(P2014-108204A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】角田 義幸
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−231931(JP,A)
【文献】 特表2007−529243(JP,A)
【文献】 米国特許第06579269(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/31 − 5/315
A61M 11/00
B05B 11/00
B65D 83/00 − 83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指掛け部を有するシリンジと、シリンジの内側に配置されて内容物の充填空間を形成するピストンと、ピストンを前方に向かって押し込むプランジャロッドとを有し、
プランジャロッドは、ロッド本体に沿って間隔を置いて配置される複数の環状突起を有するものであり、
シリンジは、変形および復元が可能な弾性基部を基点に傾倒可能な折り曲げ片を有し、
当該折り曲げ片は、ロッド本体に向かって傾斜する前方側延長部と、後方側延長部とで形成されているとともに、
前方側延長部が、プランジャロッドを押し込んだとき、環状突起によって押し開かれることで、後方側延長部をロッド本体側に傾倒させ、
後方側延長部が、折り曲げ片が傾倒することで後方に配置される他の環状突起に接触するとともに、プランジャロッドの押し込みを解除することで環状突起を押し戻して折り曲げ片を初期状態に復帰させるものである定量シリンジ型噴出器。
【請求項2】
請求項1において、前記シリンジは、対向する一対の前記折り曲げ片を有し、
それぞれの当該折り曲げ片は、前記前方側延長部と、前記後方側延長部とで形成されているとともに、
一対の前記前方側延長部はそれぞれ、ストッパを有するものである定量シリンジ型噴出器。
【請求項3】
請求項1又は2において、環状突起の前端面がそれぞれ、ロッド本体から前方に向かって傾斜するものである定量シリンジ型噴出器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、環状突起の後端面がそれぞれ、ロッド本体から前方に向かって傾斜するものである定量シリンジ型噴出器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、ピストンとプランジャロッドとの間に隙間が形成されている定量シリンジ型噴出器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、シリンジと弾性基部とを別体に構成したことを特徴とする定量シリンジ型噴出器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、シリンジに噴霧ノズルを設けたことを特徴とする定量シリンジ型噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指掛け部を有するシリンジと、シリンジ内に押し込み可能なピストンとを備える定量シリンジ型噴出器であって、1つのシリンジ内に充填された内容物を小分けにして取り出すための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリンジ型噴出器としては、例えば、プランジャロッド(プランジャ)を有するピストン(ガスケット)をシリンジ内に配置することで、シリンジとピストンとの間に内容物(例えば、薬液)の充填空間を形成するとともに、この充填空間の内容物をプランジャロッドの押し込みによって外界に取り出させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシリンジ型噴出器は、ピストンがシリンジ内で規制されることなく一気に押し込まれてしまうため、1つのシリンジ内に充填された内容物を小分けして取り出すことが困難であった。
【0005】
本発明の目的とするところは、1つのシリンジ内に充填された内容物を小分けして取り出すことができる、新規な定量シリンジ型噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の定量シリンジ型噴出器は、
指掛け部を有するシリンジと、シリンジの内側に配置されて内容物の充填空間を形成するピストンと、ピストンを前方に向かって押し込むプランジャロッドとを有し、
プランジャロッドは、ロッド本体に沿って間隔を置いて配置される複数の環状突起を有するものであり、
シリンジは、変形および復元が可能な弾性基部を基点に傾倒可能な折り曲げ片を有し、
当該折り曲げ片は、ロッド本体に向かって傾斜する前方側延長部と、後方側延長部とで形成されているとともに、
前方側延長部が、プランジャロッドを押し込んだとき、環状突起によって押し開かれることで、後方側延長部をロッド本体側に傾倒させ、
後方側延長部が、折り曲げ片が傾倒することで後方に配置される他の環状突起に接触するとともに、プランジャロッドの押し込みを解除することで環状突起を押し戻して折り曲げ片を初期状態に復帰させるものである。
【0007】
本発明では、環状突起の前端面をそれぞれ、ロッド本体から前方に向かって傾斜するものとすることが好ましい。また、本発明では、環状突起の後端面をそれぞれ、ロッド本体から前方に向かって傾斜するものとすることができる。
【0008】
本発明では、ピストンとプランジャロッドとの間に隙間を形成することが好ましい。
【0009】
本発明では、弾性基部とシリンジとを別体に構成することができる。
【0010】
本発明では、シリンジに噴霧ノズルを設けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プランジャロッドをシリンジ内に押し込んだとき、折り曲げ片の前方側延長部が環状突起によって押し開かれることでプランジャロッドの押し込みを許容して内容物の噴出を可能するが、その噴出量は、折り曲げ片の後方側延長部がロッド本体側に傾倒して後方から進行する他の環状突起に接触することで制限される。また、折り曲げ片が傾倒するため、プランジャロッドの押し込みを解除すると、折り曲げ片の傾倒に伴う復元力によって環状突起を介してプランジャロッドを押し戻すことにより折り曲げ片を初期状態に復帰させる。これにより、再びプランジャロッドを押し込むことで、内容物を新たに噴出させることができる。
【0012】
したがって、本発明によれば、1つのシリンジ内に充填された内容物をプランジャロッドに設けた複数の環状突起の軸線間隔分だけ、小分けして取り出すことができる。しかも、本発明では、プランジャロッドの押し込みを解除するだけで、新たな噴出が可能になるため、個々の噴出操作ごとに持ち替える必要がない。このため、使用者は、複数の小分け作業を片手操作で行うことができる。さらに、本発明によれば、パーツ数を増やすことなく、簡単な機構で内容物を小分けして取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態である、定量タイプの点鼻薬噴霧器の初期状態を示す断面図および、その拡大図である。
図2】同点鼻薬噴霧器を押し込み操作して1回目の噴出が行われている状態を示す断面図および、その拡大図である。
図3】同点鼻薬噴霧器を押し込み操作して1回目の噴出が完了した状態を示す断面図および、その拡大図である。
図4】同点鼻薬噴霧器の押し込み操作を解除して2回目の噴出が行える状態を示す断面図である。
図5】(a)は、同点鼻薬噴霧器に係る、アダプタを示す平面図であり、(b)は、図4(a)のX−X断面図であり、(c)は、アダプタを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である、定量タイプの点鼻薬噴霧器を詳細に説明する。
【0015】
図1中、符号10は、本発明の一実施形態である、点鼻薬噴霧器である。点鼻薬噴霧器10は、合成樹脂製又はガラス製の定量シリンジ11を有する。シリンジ11は、内容物(点鼻薬)Mを充填可能な中空の胴部11aを有し、この胴部11aには、肩部11bを介して先端部11cが一体に繋がる。先端部11cは、胴部11aよりも小径としてなる。先端部11cの内側には、内部通路rが形成されている。
【0016】
符号12は、シリンジ11に対して着脱可能な噴霧ノズルである。噴霧ノズル12は、先端部11cに取り外し可能に嵌合する本体12aを有する。本体12aには、ノズルチップ12bが内蔵されている。また本体12aの先端には、ノズルチップ12bに通じる噴出孔10aが形成されている。これにより、噴霧ノズル12は、噴出孔10aを通して内容物Mを外界に噴霧させることができる。
【0017】
またシリンジ11の後端部には、外向きに突出する指掛け部11dとともに、シリンジ11の内部を外界に通じさせる開口部(以下、「後端開口部」)A1が設けられている。
【0018】
符号13は、後端開口部A1を通してシリンジ11内に配置されるピストン(ガスケット)13である。ピストン13は、胴部11aの内側に摺動可能に保持されている。ピストン13は、例えば、ゴムなどの弾性材料からなる。これにより、ノズル12とピストン13の間には、シリンジ11内に充填された内容物Mを密封保持する充填空間S1が形成される。
【0019】
符号14は、プランジャロッドである。プランジャロッド14は、中空シャフト状のロッド本体14aを有する。本実施形態では、プランジャロッド14の先端側に、ピストン12を受ける環状の受け部14bが設けられている。受け部14bには、先端部14cが設けられている。先端部14cには、ピストン13をねじ付けることができる。また、先端部14cは、受け部14bとピストン13との間に、隙間(遊び)Cを形成するように取り付けられている。さらに、プランジャロッド14の後端部には、円盤状の押圧部14dが設けられている。押圧部14dは、使用者からの力を受けることで、プランジャロッド14の押し込みを可能にする。
【0020】
ロッド本体14aにはさらに、点鼻薬噴霧器10の中心軸線(以下、「軸線」)Oの周りを周回する複数の環状突起14pが配置されている。例えば、本実施形態では、環状突起14pは、軸線Oに沿って間隔を置いて5箇所に設けられている。ただし、環状突起14pの個数については、複数であればよく、5箇所に限定されるものではない。また、図1の拡大図に示すように、環状突起14pはそれぞれ、ロッド本体14aから前方に向かって傾斜する円錐状に設けられている。これにより、環状突起14pの前端面F1と後端面F2はそれぞれ、同図に示すように、ロッド本体14aから前方に向かって傾斜する。
【0021】
符号20は、プランジャロッド14と協働するストッパカバーである。ストッパカバー20は、指掛け部11dを収納するホルダ21を有する。ホルダ21は、図5(a)に示すように、シリンジ11の胴部11aを収納する開口部A2を有する。またホルダ21の側面には、図5(b)に示すように、開口部A2側に開口して指掛け部11dを収納する収納空間S2が形成されている。さらにホルダ21の下端には、軸線Oを挟んで対向する位置に支持板22が一体に設けられている。
【0022】
さらに、支持板22には、弾性基部23を介して折り曲げ片24が一体に設けられている。折り曲げ片24は、軸線Oに向かって傾斜する前方側延長部24aと、この前方側延長部24aから伸びる後方側延長部24bとで形成されている。図5(c)に示すように、前方側延長部24aおよび後方側延長部24bはそれぞれ弾性基部23とともに、平坦な板状に形成されている。弾性基部23は、折り曲げ片24の屈曲部分の外側に一体に連結されているとともに、変形および復元が可能な剛性を有する。これにより、折り曲げ片24は、支持板22の内側において、弾性基部23を基点に上下方向に対して復元可能に傾倒させることができる。
【0023】
さらに前方側延長部24aには、図5(b)に示すように、ストッパ25が一体に設けられている。ストッパ25は、前方側延長部24aの外側に配置されている。本実施形態では、ストッパ25は、図5(a)に示すように、前方側延長部24の外面から起立する平坦な板状に形成されている。また、ストッパ25は、前方側延長部24aの末端と同一の端面(以下、「前方端面」)24e1を形成する。
【0024】
前方側延長部24aは、ロッド本体14aに向かって傾斜することで、その相互間の幅が図1に示す初期状態では、環状突起14pよりも狭くなるように設定されている。また、方側延長部24の相互間の幅は、図1に示す初期状態において、環状突起14pよりも広くなるように設定されている。
【0025】
次に、点鼻薬噴霧器10の使用方法を説明する。
【0026】
使用者は先ず、図1に示す状態で、人差し指と中指をホルダ21(指掛け部11d)に掛けて押圧部14bを親指で押さえる。次いで、噴霧ノズル12を一方の鼻の穴に挿入した後、矢印(1)に示すように、押圧部14bを介してプランジャロッド14を押し込む。
【0027】
すると、図2の矢印(2)に示すように、環状突起14pが折り曲げ片24の前方側延長部24aを押し開くことで、プランジャロッド14の押し込みを許容するが、その噴霧量は、図2の矢印(3)に示すように、折り曲げ片24が弾性基部23を基点にロッド本体14側に傾倒することで制限される。すなわち、折り曲げ片24が傾倒することで、図3に示すように、前方側延長部24aの前方端面24e1がシリンジ11の後端(以下、「シリンジ後端」)11eに接触して前方側延長部24aの動きが拘束されるとともに、後方側延長部24bの端面(以下、「後方端面」)24e2が、後方から進行する他の環状突起14pの前端面F1に接触することで制限される。これにより、1度にプランジャロッド14を押し込める量は、2つの環状突起14pの軸線方向間隔に制限される。
【0028】
加えて、プランジャロッド14の押し込みを継続すると、図3の矢印(4)に示すように、折り曲げ片24は、後方端面24e2から環状突起14pを介してプランジャロッド14の押し込み力を受ける。本実施形態では折り曲げ片24にて、後方側延長部24bが前方側延長部24aに対して傾倒することによって、弾性基部23の変形に加えて、図3の矢印(5)に示すような内部応力が生じる。このため、プランジャロッド14の押し込みを解除すると、弾性基部23および折り曲げ片24に生じた変形に伴う復元力によって、図4の矢印(6)に示すように、プランジャロッド14の押し込みよって傾倒・圧縮されていた折り曲げ片24が図1に示す初期状態に復帰する。すなわち、弾性基部23および折り曲げ片24の復元力によって、後方側延長部24bの後方端面24e2が環状突起14pの前端面F1に沿って環状突起14pを押し戻すことで、プランジャロッド14全体も押し戻される。これにより、折り曲げ片24の後方側延長部24bは図4に示すように、環状突起14pの邪魔をすることなく、プランジャロッド14の押し込みを可能にする。
【0029】
したがって、使用者がプランジャロッド14の押し込みを解除して、噴霧ノズル12を他方の鼻の穴に挿入した後、再びプランジャロッド14を押し込めば、2つの環状突起14pの間の軸線方向長さ分だけ、新たに内容物Mを噴出させることができる。すなわち、図1〜4の一連の操作を繰り返せば、シリンジ11の内容液を定量的に噴出させることができる。
【0030】
このように、本発明に従う、点鼻薬噴霧器10によれば、1つのシリンジ11内に充填された内容物Mをプランジャロッド14に設けた環状突起14pの個数に応じた分だけ、小分けして取り出すことができる。しかも、本発明に従う、点鼻薬噴霧器10では、プランジャロッド14の押し込みを解除するだけで、新たな噴出が可能になるため、個々の噴出操作ごとに持ち替える必要がない。このため、使用者は、複数の小分け作業を片手操作で行うことができる。さらに、本発明に従う、点鼻薬噴霧器10によれば、パーツ数を増やすことなく、簡単な機構で内容物を小分けして取り出すことができる。
【0031】
なお、本発明に従えば、前方側延長部24aに設けたストッパ25は、プランジャロッド14の押し込みに伴う内部応力の増大に有効であるが、本発明に従えば、前方側延長部24aの端面24e1の厚さを増大させることにより、省略することができる。
【0032】
また、本実施形態のように、環状突起14pの前端面F1を、ロッド本体14aから前方に向かって傾斜させれば、プランジャロッド14を押し込むときには、後方側延長部24bの後方端面24e2が環状突起14pの前端面F1に引っ掛かり易くなって弾性基部23の内部応力を増大させることができる一方、プランジャロッド14の押し込みを解除したときには、後方側延長部24bの後方端面24e2で環状突起14pを押し戻しつつ、この後方側延長部24bを環状突起14pから容易に離間させることができる。なお、本発明に従えば、前端面F1に溝を形成することで、この溝に沿って前方端面24e1を案内させることもできる。
【0033】
また、本実施形態のように、環状突起14pの後端面F2を、ロッド本体14aから前方に向かって傾斜させれば、折り曲げ片24を初期位置に復帰させるときに、図4に示すように前方側延長部24aの前方端面24e1を後端面F2に一致させることができる。
【0034】
さらに本実施形態のように、ピストン13とプランジャロッド14との間に隙間Cを形成すれば、ピストン13が充填空間S1の負圧によって可動し難い状態であっても、この隙間C分だけ、プランジャロッド14の押し戻しが可能になる。これにより、ピストン13がシリンジ11内にて動き難い状態でも、2回目以降の噴出操作を確実に行うことができる。
【0035】
また、本実施形態では、弾性基部23に繋がる折り曲げ片24をストッパカバー20に設けることで、シリンジ11と弾性基部23とを別体にしている。この場合、既存のシリンジ11を用いることで汎用性が高められる。
【0036】
上述したところは、本発明の様々な実施形態であるが、本発明に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、上述の実施形態では、シリンジ型の噴霧器として説明したが、本発明に従えば、ノズル12を変更することにより、泡として噴出させ、または、通常の液体として噴出させるなど、内容物を様々な形態で噴出させることができる。また、ノズル12を取り付けることなく、内部通路rから直接内容物を噴出させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
指掛け部を有するシリンジと、当該シリンジ内に押し込み可能なプランジャとを備える定量シリンジ型噴出器であれば、様々な形態のものに採用することができる。その内容物についても、点鼻薬に限定されることなく、様々なものを採用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 点鼻薬噴霧器(定量シリンジ型噴出器)
10a 噴出口
11 シリンジ
11a 胴部
11b 肩部
11c 先端部
11d 指掛け部
12 噴霧ノズル
13 ピストン
14 プランジャロッド
14a ロッド本体
14b 受け部
14c 先端部
14d 押圧部
14p 環状突起
20 ストッパカバー
21 ホルダ
22 支持板
23 弾性基部
24 折り曲げ片
24a 前方側延長部
24b 後方側延長部
24e1 前方端面
24e2 後方端面
25 ストッパ
C 隙間
1 前端面
2 後端面
図1
図2
図3
図4
図5