(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カウンタ軸(24)が、校正モードにおける前記クラッチ(18)の回転中に、校正モードからピペッティングモードへ偶発的にピペットが切り替わることを防止するためにそれぞれ適合された長さを有することを特徴とする請求項3または4記載のピペット。
前記解除可能連結手段が、調整モードにおいてより低いトルク値を、および校正モードにおいてより大きいトルク値を提供する、トルク値の2段階変更手段を有することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のピペット。
前記トルク値の2段階変更手段が、調整モードおよび校正モードのそれぞれにおいて、カウンタカバー(30)の弾性クリック(30a)と協働するために、上部における突出部(18f)および下部における突出部(18g)を有する形状部(18c)を有することを特徴とする請求項6記載のピペット。
前記解除可能連結手段が、長手ノッチ(21b)を有するリボルバスリーブ(21)を介して前記リボルバアセンブリと係合するよう構成された長手突出部(18e)を有することを特徴とする請求項8記載のピペット。
前記イジェクタ(2)が、回転軸がピペット軸に垂直であり、かつ該回転軸がピペットにおける前記押しボタン(4)の反対側に位置する手動レバーを備え、前記押しボタン(4)が少なくとも1つの接触面(4c)を有することを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のピペット。
前記イジェクタ(2)が、前記イジェクタ(2)に連結されたスリーブ(38)と協働するフレーム(37)を有し、該フレーム(37)が、前記ピペット軸に関して対称的に配置され、前記ハンドル(1)中で長手方向に誘導される、2つのアーム(37a)を備えることを特徴とする請求項12記載のピペット。
【背景技術】
【0002】
吸引液体の容積値を調節可能な電動および機械式ピペットが知られており、これらは、ハンドルの上部およびノズルの下部に交換可能チップのための円錐端を備え、それらと連結されて互いに協働する、ピペットにおいて異なる機能を実現する機構もまた備える。この機構とは、すなわち、ピペット交換可能チップ放出機構、吸上げおよび排出機構、プランジャ作用ストローク調節機構、プランジャ作用ストローク調節機構のロック機構、ピペットにより吸い上げられる液体容積値を示す機械式カウンタの駆動機構、および校正機構である。
【0003】
ピペット交換可能チップ放出機構は、ピペットハンドルの上部に取り付けられたイジェクタ押しボタン、および少なくともその下端によってピペットノズル上に取り付けられたイジェクタを有し、それらの間に、押しボタンからイジェクタ上へ力を伝える中間手段を有する。この機構により、ピペットチップが破損または損傷された場合に必要である、あるいは作業中の液体容積値を変える必要がある場合に、ピペットチップの交換が可能となる。
【0004】
吸上げおよび排出機構は、ピペッティングロッドを介してプランジャと連結されるピペッティングボタンを有し、プランジャはピペットノズル中に配置され、ピペットのピペッティングモード(PIPETTING MODE)におけるその位置から上部位置へスライド可能である。プランジャは、ユーザが手動でピペッティング押しボタンに加える力により、交換可能チップの方向へ駆動される。プランジャは、ピペッティングモードにおいてピペッティングバネ力により反対方向に、プランジャ作用ストローク調節機構に取り付けられた終端に至るまで駆動される。
【0005】
調整モード(ADJUSTMENT MODE)において、プランジャ作用ストロークの上部ストップの位置は、プランジャ作用ストローク調節機構の調節ネジの駆動アセンブリにより変化する。プランジャ作用ストローク調節機構の駆動アセンブリは、ユーザが外からアクセスできる駆動部材を有する。プランジャ作用ストローク調節機構は、ピペッティングモードにおいて液体のピペッティング中に行われるプランジャ移動の長さを制御する。
【0006】
所望の吸い上げられた液体容積値の容易な調整を確実にするため、調整モードにおけるプランジャ作用ストローク調節機構の調節要素をリセットする過程で、設定の変化に必要なトルクはできるだけ小さくなければならない。これに対して、ピペッティングモードにおけるピペットによる操作中の所望の容積値の調整後、このトルクは、ピペットが別の容積値に偶発的にリセットされる危険を除外するように十分大きくなければならない。これにより、ピペットにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構に及ぼされるブレーキトルクを変えるための追加の機構、または、プランジャ作用ストロークの長さを特定する位置であるプランジャ作用ストローク調節機構に取り付けられた停止位置を変える要素からプランジャ作用ストローク調節機構の外部調節要素を取り外すための追加の機構を適用することが必要となる。
【0007】
したがって、調整モードにおいて予め設定された、吸い上げられた液体の所望の容積値が、ピペッティングモードにおけるピペットによる操作中に偶発的にリセットされるのを防ぐために、ピペットは、プランジャ作用ストロークの調節機構をロックするために手動で作動されるロック機構を備える。
【0008】
既知のピペットにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構のロック機構は、解除可能摩擦ブレーキを構成し、より頻繁に利用される。このロック機構は、作動後に、プランジャ作用ストローク調節機構に大きいブレーキトルクを与え、調整モード中にピペットによって前に吸引された液体の所望の容積値がピペッティングモードにおいて意図的でなくリセットされることを防ぐ。ロック機構は同時に、解除後、プランジャ作用ストローク調節機構に与えられる、吸い上げられた液体の所望の容積値の調整に必要な小さいブレーキトルクを提供する。
【0009】
プランジャ作用ストローク調節機構は、ピペッティングモードにおいてピペットにより交換可能チップへ吸い上げられた、および調整モードにおいてプランジャ作用ストロークの調節によりユーザによって予め設定された、液体容積値を表示するための機械式カウンタとカウンタの駆動機構を介して係合される。したがって、ピペッティングモードにおけるピペッティング中、作用ストロークであるノズル中のプランジャ移動の長さは、調整モードにおけるプランジャ作用ストローク調節機構の構造要素をユーザがリセットすることにより変わる。これにより同時に、予め設定された所望の液体容積を示すカウンタの表示が変わる。
【0010】
しかしながら、多くの場合、ピペットにより吸い上げられた実際の液体容積値はカウンタにより表示されるものと異なる。実際の吸い上げられた液体容積値とカウンタにより表示される液体容積値との間のこの差異は、ピペット精度偏差と称される。これらの不精密性に影響を与える多くの要因があり、特に、交換可能チップの形および磨耗、交換可能チップ中の液体とプランジャとの間の空気の死空間、調節機構をカウンタと係合する係合機構の構成要素の相互配置、並びに吸い上げられる液体の特性およびピペットの操作条件が含まれる。ピペット精度偏差の補正のために、ピペットの校正が校正モード(CALIBRATION MODE)において行われる。
【0011】
校正のために、ピペット校正モードにおいてピペット精度偏差の修正を可能とする校正機構をピペットに提供する。
【0012】
特にピペットにより吸い上げられる液体容積値をカウンタディスプレイに表示する既知の電動ピペットにおいて、ピペット校正は、プランジャ作用ストロークの所定の設定においてピペットにより吸い上げられた実際の液体容積値にカウンタ表示を変えることにより実現され、一連の液体吸上げの完了および重量測定の完了に基づいて、およびさらに、所望の液体容積値とピペットにより吸い上げられた実際の値との間の差異である計算されたピペット精度偏差に基づいて、これらの実際の液体容積値が特定される。
【0013】
一方、既知の機械式ピペットにおいては、認識困難なために、ピペット精度偏差の修正は、プランジャ作用ストローク調節機構が機械式カウンタから外されている場合にのみ可能である。その結果、プランジャ作用ストロークの設定が、機械式カウンタの表示を変えることなくリセットされるか、または機械式カウンタの表示が、プランジャ作用ストロークの設定を変えることなくリセットされる。ピペット精度偏差の修正のために、追加のノブまたは校正レンチがしばしば使用され、これらのリセットにより、ピペットによって吸い上げられた液体容積値をカウンタ表示に合わせることが可能となる。
【0014】
特許文献1から、プランジャ作用ストローク調節のための調節機構、排出された液体容積を表示するための機械式カウンタ、および調節機構と機械式カウンタとの間に配置された、排出された液体の実際の容積値とカウンタ上に表示された液体容積値との間の差異であるピペット精度偏差を修正するための係合機構から構成されるピペットが知られている。調節機構をリセットすることにより、および正確には、プランジャ作用ストローク調節機構に取り付けられピペッティングモードにおいてプランジャがその上に静止する上部ストップの位置を変えることにより、係合機構を取り外しピペット精度偏差を修正するための切替え装置をピペットに提供する。係合機構は、互いに連結した2つのクラッチフェイスギアホイールを有し、調節機構は、それぞれプランジャストロークとなる調節フェイスギアホイールと連結され、機械式カウンタは、それぞれ表示された液体容積となる表示フェイスギアホイールと連結される。第1のクラッチフェイスギアホイールは、調節フェイスギアホイールとかみ合い、第2のクラッチフェイスギアホイールは、表示フェイスギアホイールとかみ合う。クラッチフェイスギアホイールは、同軸上に配置され、バネの上に乗り、切替え装置によってバネ作用の方向と反対の方向に軸に沿って移動可能であり、少なくとも1つのフェイスクラッチから外れる。このピペットにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構は、解除可能な連結を介して機械式カウンタに連結され、これは、機械式カウンタ表示を変えることなくプランジャ作用ストロークをリセットする前に外される。ピペッティングおよび調整モードにおいて、調節機構と機械式カウンタとの間の係合機構は連続的に係合されるのに対し、校正モードにおいては、係合機構は外され、それによりカウンタ駆動機構も外される。
【0015】
DISCOVERYの商標の下で、PZ HTL S.A.社により製造される機械式ピペットも知られており、これにおいてはプランジャ作用ストローク調節機構の調節ネジは、機械式カウンタと取外し不可能に連結される。調節ネジは、ピペットハンドルに取り付けられたノブ中に入りながら、調節機構に取り付けられる上部ストップの位置を変化させ、吸上げおよび排出機構のプランジャと協働する。下部ストップの位置は一定である。そのような構造により、このピペットの校正のために、カウンタ表示と吸い上げられた液体の実際の容積値との間の不一致が観察されると、調節ネジの角度位置を変えずに上部ストップ位置を変える必要がある。これは、調節ノブに取り付けられる校正押さえボルトにより可能である。校正押さえボルトの角度位置を変えることにより、調節ネジの固定された一定の角度位置において上部ストップ位置、およびそれによりカウンタ表示が変化する。したがって、実際の吸い上げられた液体容積値をカウンタ表示と調和させることが可能である。
【0016】
上記で示された機械式ピペットにおいて、正確な校正は、カウンタ表示にプランジャ作用ストロークを適合させることにあるが、これは、しかしながら、ピペットがカウンタにより表示される液体容積値を吸い上げるように調節ノブまたは追加の校正押さえボルトによって調節機構の調節要素が回転されるべき角度を計算することを必要とする。これらのピペットは、各調節要素の回転角度の一連の追加の評価を行う必要がある。したがって、全ての校正中に、ピペットにより吸い上げられた液体の容積値において所望の変化を得るためにどの角度で調節ノブまたは校正押さえボルトが回転されなければならないかを計算するために、操作説明書を使用する必要がある。これは、ユーザにとって不便で厄介である。その上、行った校正の正確性をチェックしなければならない。カウンタ表示と実際の吸い上げられた液体容積値との間が大きく違っている場合、ピペットの校正をワンステップで行うことはおそらく不可能であり、正確な校正のためユーザが再度追従するために上記の行動を数回繰り返す必要があるであろう。
【0017】
さらに、Transferpette(登録商標)Sの下で市場に出るBRAND社の機械式ピペットが知られる。このピペットにおける校正は、プランジャ作用ストロークの所定の設定においておよびこの設定を変えずに、ピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値にカウンタ表示を適合させることにある。プランジャ作用ストロークの所定の設定におけるピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値は、一連の液体の吸上げおよびその重力測定、並びにその後に評価されるピペット精度偏差、すなわち所望の液体容積値とピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積との間の差異、の計算に基づいて特定される。校正のために、このピペットにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構を前もってカウンタから取り外す必要があり、これによってピペットプランジャ作用ストロークの設定の変化が同時に防止され、それによりピペットによって吸い上げられた液体の容積値の変化もまた防止される。
【0018】
このピペットにおいて、調節機構に取り付けられ吸上げおよび排出機構のプランジャと協働する上部ストップの位置は、調整モードにおいて形状ロッドを介して上部ストップと連結される調節ノブによって回転することにより変えられる。下部ストップの位置は変化しない。調節ノブはさらに、下部に位置する歯付きホイールリムを介して機械式カウンタと固定して連結されている調節スリーブに固定される。上部において、調節スリーブは、調節ノブと連結された形状ロッドに調節スリーブを取外し可能に連結するためのギアクラッチを備える。調節ノブは、上端位置と下端位置との間をピペット軸に沿って移動可能である。下端位置における調節ノブは、調節機構の上部ストップと連結され、調節スリーブと連結される、すなわち、カウンタと連結される。このピペットは調整モードにある。上端位置における調節ノブは、上部ストップから取り外されるが、調節スリーブと連結されたままである、すなわち、カウンタと連結されたままである。このピペットは校正モードにある。そのようなピペットの構成により、ピペッティングモードにおいてプランジャの軸方向移動を制限する上部ストップの位置を変えずに、およびそれによりピペットによって吸い上げられた液体の容積値を変えずに、機械式カウンタの表示を変えることが可能となる。調整モードから
校正モードへピペットを切り替えるために、調節ノブを上方へ移動しなければならない。
【0019】
所定のプランジャ作用ストローク設定においてピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値へカウンタ表示を変えることにより行われるピペット校正の上記の態様は、吸い上げられた液体の正確な容積値を得るために校正ノブが回転されなければならない角度をさらに計算する必要がないため、機械式カウンタ表示を変えずにプランジャ作用ストローク設定が適合される従来のものよりも、ユーザにとって容易である。吸い上げられた液体およびその重力測定の数値に基づいて所定のプランジャ作用ストローク設定で特定される表示を、機械式カウンタ上の実際の容積値に変えることで十分である。
【0020】
しかしながら、BRAND社の上記の機械式ピペットにおいて、調節機構に取り付けられた調節ノブと上部ストップとの間に用いられる連結の構造によって、上部ストップ位置の不都合で意図的でないリセットが比較的容易に生じ、上部ストップの位置がプランジャ作用ストロークを特定する。したがって、ピペッティングモードまたは調整モードから校正モードへのおよびその逆のピペットの切替えの過程で、調節ノブを上部ストップから取り外すおよびその後上部ストップに係合する間に、液体容積値の設定が意図的でなく変わることが、非常にしばしば観察される。例えば調節ノブの上方への移動が偶発的に小さすぎるまたは下方への移動が一時的に不完全であるために完全な取外しが行われなかった場合、あるいは取外しおよびその後の再配置の過程で一次的な係合が生じる場合、協働する構造要素の互いの構成が意図的でなく変化し、これによってプランジャ作用ストロークの設定、すなわち吸い上げられた液体の容積値が不都合で制御されずに変化し、それによりピペットの不正確な校正が起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の主な目的は、容易で、素早く、改良された校正を可能とする構造の機械式ピペットを提供することである
本発明の第2の目的は、ピペット精度偏差の修正のための校正機構を機械式ピペットに提供することであり、この校正機構は、ピペットにより吸い上げられた液体の容積値の設定が偶発的に変わることを排除するよう設計される。
【0023】
本発明の次の目的は、カウンタ構造要素、すなわち構成パーツの寸法および互いの配置が不都合に変わることと無関係にカウンタ表示の信頼性および正確性を保証する構造の機械式カウンタを提供することであり、この不都合な変化は、ピペットの定期的な高圧蒸気殺菌工程中およびピペットの操作使用中に見られる。
【0024】
本発明の目的は、所望の吸上げ液体容積の調整が行われる際に、調製モードからピペッティングモードへピペットを素早く容易に切り替えることを可能とするプランジャ作用ストローク調節機構のロック機構を備えたピペットを設計することである。同時に、ピペットは、校正モード、ピペッティングモードまたは調整モードから選択されるモードへの操作モードの切替え中に、およびピペッティングモードである主要な操作モード中に、容積値の選択された設定の信頼性および確実性を保証する。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、異なる製造業者から製造されており本発明のピペットにおいて使用できる交換可能チップのポートフォリオを同時に広げながら、チップ放出モード(TIP EJECTION MODE)の実施の合理化のために、イジェクタ押しボタンの移動の過程でイジェクタの長手方向の移動に対してイジェクタを介して交換可能チップへ伝えられる放出の力の好都合な非線形特性を有する改良された構造の放出機構を設計することである。
【0026】
本発明によるピペットは、使いやすい片手操作性のために高い操作快適性をユーザに提供する。
【0027】
目指す目的は、以下に示される本発明によるピペットで達成された。
【0028】
本発明による吸引液体の容積値を調節可能な機械式ピペットは、ハンドルおよびノズルから構成され、以下:
ピペットハンドルの上部に取り付けられたイジェクタの押しボタン、ピペットノズル上に取り付けられたイジェクタ、および、その間に、押しボタンからイジェクタへ力を伝えるための中間手段を有するピペット交換可能チップ放出機構、
ピペットノズルに配置されたプランジャとピペッティングロッドを介して連結されたピペッティングボタンを有する吸上げおよび排出機構、
プランジャの作用ストロークの調節ネジの駆動アセンブリを備えたプランジャ作用ストローク調節機構、
プランジャ作用ストローク調節機構の手動で作動するロック機構、
調節されたプランジャ作用ストロークに依存してピペットにより吸い上げられた液体の容積値を表示するための機械式カウンタ、
機械式カウンタ駆動機構、および
排出された液体の実際の容積値と機械式カウンタ上に表示された液体容積値との間の差異を構成するピペット精度偏差の修正のための校正機構、
と連結され、
ピペット中において、
校正機構が、機械式カウンタに取り付けられて校正モードにおいて機械式カウンタ駆動機構からリボルバアセンブリを完全に取り外す作用をする解除可能連結手段を有し、校正モードへピペットを切り替える切替え手段および校正モードにおいて機械式カウンタ上の液体容積値表示をリセットするリセット手段と係合される。
【0029】
好ましくは、解除可能連結手段は、カウンタ軸上にスライド可能および回転可能に配置される。
【0030】
好ましくは、解除可能連結手段は、クラッチ
として作用するギアホイール
(以下クラッチギアホイールとする)およびカウンタ
用のクラッチ
(以下カウンタクラッチとする)を有する。
【0031】
好ましくは、連結手段は、カウンタ軸の周りに連結手段の角度位置を変化させるのに必要なトルク値の2段階変更のための技術的手段を有し、トルク値の2段階変更のための技術的手段は、ピペットの調製モードにおいてより少ないトルク値をおよび校正モードにおいてより大きいトルク値を提供する。
【0032】
好ましくは、トルク値の2段階変更のための技術的手段は、それぞれピペットの調製モードおよび校正モードにおいて、カウンタカバーの弾性クリックと協働するための、上部においてより小さい突出部および下部においてより大きい突出部を有する形状部分を有する。
【0033】
好ましくは、ピペットを校正モードへ切り替える切替え手段により、機械式カウンタ駆動機構から、連結手段をそこに係合したリボルバアセンブリと共に取り外すことができる。
【0034】
好ましくは、連結手段は、連結手段の長手方向の突出部を受け取るように長手方向ノッチを、および機械式カウンタのリボルバアセンブリからの第1のリボルバと係合するための突出部を備えたリボルバスリーブを介して、リボルバアセンブリと係合される。
【0035】
好ましくは、ピペットを校正モードに切り替える切替え手段は、ピペットの外部からアクセス可能であり連結手段と係合されるスライダを有する。
【0036】
好ましくは、全てのピペット操作モードで偶発的な移動を防ぐために、ピペットを校正モードへ切り替える切替え手段は、好ましくはOリング形状の弾性要素を構成する追加の弾性手段を有する。
【0037】
好ましくは、校正モードにおいて機械式カウンタ上の液体容積値の表示をリセットするリセット手段は、交差舌を備えた校正レンチのそれぞれの形状端と協働するためのカウンタクラッチの形状端を有する。
【0038】
好ましくは、校正機構において、カウンタ軸は、カウンタ表示を変えるための校正モードにおけるカウンタクラッチによる回転中に、校正モードからピペッティングモードへ偶発的にピペットが切り替わるのを防ぐためにそれぞれ適合された長さを有する。
【0039】
本発明による吸引液体の容積値を調節可能な機械式ピペットは、ハンドルおよびノズルから構成され、以下:
ピペットハンドルの上部に取り付けられたイジェクタの押しボタン、ピペットノズル上に取り付けられたイジェクタ、および、その間に、押しボタンからイジェクタへ力を伝えるための中間手段を有するピペット交換可能チップ放出機構、
ピペットノズルに配置されたプランジャとピペッティングロッドを介して連結されたピペッティングボタンを有する吸上げおよび排出機構、
プランジャの作用ストロークの調節ネジの駆動アセンブリを備えたプランジャ作用ストローク調節機構、
プランジャ作用ストローク調節機構の手動で作動するロック機構、
調節されたプランジャ作用ストロークに依存してピペットにより吸い上げられた液体の容積値を表示するための機械式カウンタ、
機械式カウンタ駆動機構、および
排出された液体の実際の容積値と機械式カウンタ上に表示された液体容積値との間の差異を構成するピペット精度偏差の修正のための校正機構、
と連結され、
ピペット中において、
放出機構は、回転軸がピペット軸に垂直であり中間手段を介してイジェクタを作動させる作動力をユーザが押しボタンに加える点とピペット軸の反対側に位置する、手動セカンドクラスレバーを構成し、押しボタンの角度変動中に、押しボタンから中間手段上へ作動力が伝わる点が、押しボタンの直線的な接触面に沿って移動する。
【0040】
好ましくは、放出機構の中間手段は、イジェクタと連結されたスリーブと協働するフレームを有し、このフレームは、ピペット軸に関して対称的に配置され、ピペットのチップ放出モードにおける放出動作の過程でノズルからの放出中に交換可能チップの負荷対称性を改良するためにハンドル中で長手方向にガイドされる、2つの平行アームを備える。
【0041】
好ましくは、機械式カウンタは、機械式カウンタ表示の正確性を改良するため、および調製モードおよびピペッティングモードにおける操作使用中にピペットが偶発的に誤って校正することを防ぐために、カウンタ軸に沿って機械式カウンタ構造要素を連続的に互いに押圧するための追加の弾性手段を有する。
【0042】
好ましくは、機械式カウンタの追加の弾性手段は、クラッチギアホイールの下に配置されるカウンタバネを有する。
【0043】
好ましくは、駆動機構は、歯付きホイールリムを有する調節スリーブ、二重ギアを有する歯付きギア、およびカウンタ軸上に回転可能およびスライド可能に配置された、リボルバアセンブリに取り付けられた解除可能
なカウンタクラッチと協働する形状
(以下形状クラッチと称する)を有するクラッチギアホイールを有する。
【0044】
好ましくは、ロック機構は、ピペットの調整モードとピペッティングモードとの間の過渡位置において、調節機構の調節ノブをユーザが調節することを排除するためのラチェット機構を備える。
【0045】
好ましくは、ラチェット機構は、調節ノブ上に形成されピペットの調整モードにおいて調節ネジの溝と協働するラチェットを有する。
【0046】
本発明による機械式ピペットの利点は、ピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値に、機械式カウンタ上の容積値の表示を適合させるという発想に基づいて行われる、容易で素早い校正が提供されるということである。ピペット中で、校正機構は、校正モードにおいて機械式カウンタの駆動機構の歯付きギアから機械式カウンタのリボルバアセンブリの取外しを可能とする構造を適用され、一方で、プランジャ作用ストローク調節機構の調節ノブは、プランジャ作用ストローク調節機構のロックド位置(LOCKED POSITION)においてプランジャ作用ストローク上部ストップと変わらず連結したままである。校正モードにおいてまたはピペッティングモードから
校正モードへの本発明のピペットの操作モードの変化中に、プランジャ作用ストローク上部ストップの位置が偶発的に変わる可能性が排除される、すなわち、液体容積値の設定が変わる可能性が排除される。協働する機構の必要な取外しは、調節ノブからの機械式カウンタリボルバアセンブリの駆動の取外しにより提供される。そのような解決法により、本発明のピペットにおいて、改良されたおよび合理化された校正が得られた。
【0047】
本発明のピペットにおいて適用される校正機構の次の利点は、カウンタ表示を変えるためにカウンタクラッチの回転中に校正レンチの圧力の下でカウンタクラッチを下方に押すことにより、校正モードからピペッティングモードへ偶発的にピペットが切り替わる危険が、カウンタ軸のそれぞれ適した長さによって排除された、ということである。
【0048】
既知のピペットと比較して、本発明による校正機構の別の利点は、ピペット校正モードにおいて、校正機構によって、ユーザが、カウンタ軸の周りのカウンタクラッチ角度位置の変化を制御し、それによりカウンタ上の吸引液体容積値の表示を正しく設定できることが保証される、ということである。
【0049】
さらに、機械式カウンタは、調整およびピペッティングモードにおけるピペットの操作使用中に、ピペットが偶発的に誤って校正されることを防ぐ追加の技術的弾性手段を有する。
【0050】
本発明のピペットの利点は、機械式カウンタ構造が、機械式カウンタ構成パーツの寸法変化および相互位置を補正するということであり、この変化は、ピペット高圧蒸気殺菌においておよびピペットの操作使用中に見られる。記載される構造によって、上記の不都合な変化と無関係に、カウンタ表示の信頼性および正確性が保証される。
【0051】
本発明のピペットの利点は、ピペッティングモードにおいて吸上げられた液体の所望の容積値が調整モードで調節された後に適用されるロック機構が、ピペッティングモードにおいてプランジャ作用ストローク設定が偶発的に変わるのを防止するのに十分大きい、およびそれによってピペットにより吸い上げられた液体の容積値が偶発的に変わるのを防止するのに十分大きいブレーキモーメントを、調節機構に提供するということである。これにより、行われる液体の吸上げの信頼性が増加する。ピペッティングモードから調整モードへのピペットの切替えに必要な大きい力の値により、意図的でない切替えが防止される。
【0052】
ロック機構の重要な利点は、内部に適用されるラチェット機構により、調整モードとピペッティングモードとの間の中間位置にユーザが調節ノブを配置する可能性が排除されるということである。
【0053】
本発明のピペットに適用される放出機構の利点は、その構造により、チップを放出するのに不可欠な力を減少することができ、同時にピペット中で大きいイジェクタ作用ストロークが提供されるということである。
【0054】
放出機構の構造により、チップ放出モードにおいて、ピペット内部構成パーツの一定の温度の値を維持するためにピペットハンドル内で空気が交換され、ピペットによる液体の吸上げおよび排出処理の正確性が増加する。
【0055】
本発明のピペットにおいて放出機構の手動セカンドクラスレバーの回転軸を、ユーザが指でイジェクタ押しボタンに力を加える側に関してピペット軸と反対側に配置することにより、本発明による放出機構において、大きいイジェクタ作用ストロークが得られ、これによって異なる製造業者により供給される交換可能チップの使用が可能となる。
【0056】
記載される放出機構を有するピペットの操作は、異なる供給業者により供給されるチップと協働するよう適合するためにこの機構の任意の追加の調節動作を必要としないため、ずっと簡単である。
【0057】
放出機構により、イジェクタ押しボタン移動中に長手方向のイジェクタの移動に対して、即ち、イジェクタ押しボタンの回転角度に対して、チップ上へイジェクタにより伝えられる放出の力の好都合な非線形特性が提供される。放出機構の予備段階中、協働する円錐面の間、すなわちピペットノズルの外側面とチップ上端の内側面との間の摩擦力を克服するために、イジェクタからチップ上へ与えられる大きい放出の力が必要である。一方、放出動作の最終段階中に、ピペットノズルからのチップの放出のために、小さい放出の力でイジェクタの放出端がより長く長手方向に移動することが必要である。
【0058】
放出機構の構造において、ピペット軸に関して対称に配置されハンドル中で長手方向にガイドされる2つのアームを備えたフレームを有する中間手段を介して、押しボタンと協働するイジェクタが使用される。この構造により、放出動作中に、中間手段およびイジェクタを介してイジェクタ押しボタンからチップ上へ伝わる力の均一な分配が生じる。
【0059】
本発明のピペットにおける放出機構の構造は、既知の解決法と比較してずっと単純化され、放出機構は既知の機構よりも少ない数の構造要素を有する。
【0060】
したがって、組立時間およびピペット製造コストが減少する。
【0061】
本発明の放出機構を備えたピペットの操作は、ユーザにとってより快適であり能率的である。
【0062】
上記の放出機構は、セカンドクラスレバー機構の発想に基づいており、その回転軸は、ピペット軸に垂直であり、放出機構を作動する力をユーザが放出機構押しボタンに与える点と反対のピペット軸の側に位置する。放出機構は、本発明以外の構造の機械式ピペットにおいておよび電動ピペットにおいて使用できる。
【0063】
本発明による機械式ピペットは、ユーザにより片手で便利に操作される。
【0064】
本明細書に添付される独立請求項1並びに従属請求項2−11および14−18に示されるピペット機構の特徴は、独立請求項12および従属請求項13によるピペットの実施の形態においてそれぞれ選択的に含まれてもよい。
【0065】
本明細書に添付される独立請求項12並びに従属請求項13および14−18に示されるピペット機構の特徴は、独立請求項1および従属請求項2−11によるピペットの実施の形態においてそれぞれ選択的に含まれてもよい。
【0066】
非制限的な実施例として与えられる、本発明の好ましい実施の形態が、添付の図面を参照して示される。
【発明を実施するための形態】
【0068】
好ましいが限定的でない実施の形態における本発明による吸引液体の容積を調節可能なピペットが、
図1−15に示される。通常、このピペットは、ハンドル1およびノズル3、並びにそれらと連結され協働する機械式ピペットの異なる機能を果たす他の機構から構成される。
【0069】
本発明によるピペットにおいて、交換可能チップ8の改良された放出機構が使用され、これによって、本発明のピペットに重要な操作および構造上の利点が提供される。放出機構は、セカンドクラスレバーを構成し、ピペットハンドル1の上部に回転可能に取り付けられたイジェクタ2の押しボタン4、およびピペットノズルアセンブリを囲むイジェクタ2を有し、それらの間に、押しボタン4からイジェクタ2へ力を伝える中間手段を有する。イジェクタ2の押しボタン4の回転軸は、ピペット軸に垂直であり、放出機構を作動する力をユーザが押しボタン4に与える点とピペット軸の反対側に位置する。放出機構の中間手段は、イジェクタ2に連結されたスリーブ38と協働するフレーム37を有する。押しボタン4は、機械式ピペット軸に沿って移動可能なフレーム37の2つの平行アーム37a上に押圧される。次に、
図2および4に示されるように、フレーム37は、機械式ピペット軸に沿って移動可能なイジェクタ2とネジ込み式接続によって連結されるスリーブ38上に押圧される。フレーム37のアーム37aは、ピペット軸に関して対称的に配置され、チップ放出モードにおいて、放出動作中にイジェクタ2に沿って交換可能チップ8の誘導の対称性を改良するようにハンドル1中で長手方向に誘導される。
【0070】
吸上げおよび排出機構は、ピペッティングロッド11を介して、ピペットノズル3中に取り付けられるプランジャ33と連結されるピペッティングボタン7を有する。
図1および2に示されるように、ノズル3上に、ピペッティングモードを行うために、交換可能チップ8が干渉と共に取り付けられる。
【0071】
プランジャ作用ストローク調節機構は、調節ネジ12を介してノズルアセンブリ中に配置されるプランジャ33の作用ストロークの上部ストップ13と連結される、調節ノブ5を備える。プランジャ作用ストローク調節機構は、2つの位置、すなわち、
図1および2に示されるようなピペッティングモードを行うためのロックドポジション、および
図3および4に示されるような調節モードを行うためのアンロックドポジションを有する。
【0072】
プランジャ作用ストローク調節機構の位置を変えるために、ピペットはプランジャ作用ストローク調節機構のロック機構を有し、これは、ピペット軸に沿っておよびプランジャ作用ストローク調節機構のロックドポジションにおける最下位置とプランジャ作用ストローク調節機構のアンロックドポジションにおける最上位置との間で、調節ノブ5の移動により手動で作動される。ロック機構は、調節ネジ12のブレーキアセンブリを有し、これは、
図5および6に示されるように、調節ノブ5と協働し、ブレーキスリーブ34の回転を防ぐためにハンドル1のカバー35のリブ35aと協働するための溝34dを有する誘導アーム34cを有するブレーキスリーブ34、および調節ネジ12と連結された調節スリーブ14を有する。本発明のピペットにおいて排除されるそのような回転動作によって、吸い上げられた液体容積値の設定が不都合に変化する。本発明のピペットにおいて適用されるロック機構は、解除可能な摩擦ブレーキを構成し、これは作動後に、プランジャ作用ストローク調節機構上に大きいブレーキモーメントを与え、ピペッティングモードおよび校正モードにおいて偶発的な切替えを防止し、同時に、解除後に、所望の吸い上げられた液体容積値の調節に必要なプランジャ作用ストロークの設定の変化を可能とする。
【0073】
プランジャ作用ストローク調節機構は、全てのピペット操作モードにおいて、駆動機構の歯付きギアを介して、クラッチギアホイールと連続的に係合および連結され、機械式カウンタのリボルバアセンブリは、ピペットの校正モードにおいて、ピペットの調節モードにおいてリボルバアセンブリを駆動するクラッチギアホイール17から外される。
【0074】
本発明のピペットにおいて使用される、調整モードにおけるプランジャ作用ストロークプリセットに従ってピペットにより吸い上げられた液体の容積値を表示するための機械式カウンタの駆動機構は、歯付きホイールリム14aを有する調節スリーブ14、二重ギア16を有する歯付きギア並びにクラッチギアホイール17を有する。
図5、6および8に示されるように、クラッチギアホイール17は、カウンタ軸24上に回転可能およびスライド可能に取り付けられ、その上部において、解除可能カウンタクラッチ18の各成形下部と協働する形状クラッチ17aを有し、今度は、その突出部18eによって、リボルバスリーブ21の各ノッチ21bと協働する。
【0075】
実施された液体の実際の容積値とカウンタ上に示された液体の容積値との間の差異を構成するピペット精度偏差を修正するために本発明において適用される校正機構によって、校正モードにおいて既知のピペットに存在する上記の不利な現象が排除される。これは、調節機構の調節ノブ5から上部ストップ13の駆動部を外さずに、調節ノブ5からカウンタリボルバアセンブリの駆動部を外すことを可能とする構造による。この目的のために、機械式カウンタ中に解除可能な連結手段が配置される。解除可能な連結手段は、校正モードにおいて、リボルバアセンブリ中のリボルバの角度位置をリセットすることにより、プランジャ作用ストロークの所定の設定において吸い上げられた液体容積値の表示を変えるために、機械式カウンタの駆動機構およびプランジャ作用ストローク調節機構からリボルバアセンブリを完全に取り外す作用をする。解除可能な連結手段は、クラッチギアホイール17、およびカウンタ表示修正前にクラッチギアホイール17および駆動機構の歯付きギアから取り外されるカウンタクラッチ18を有する。
【0076】
ノズル3を有するノズルアセンブリは、ハンドル1の下部へネジとめられ、ノズル3の円錐下部の上に交換可能チップ8が取り付けられる。
【0077】
本発明によるピペットの全ての機構が、以下のピペットの操作モードの説明と共に詳細に記載されるであろう。
【0078】
本発明による吸い上げられた液体の容積を調節可能な機械式ピペットは、以下の操作モード、すなわち、調整モード、ピペッティングモード、校正モードおよびチップ放出モードを有する。
【0079】
調整モード
本発明による機械式ピペットにおいて、吸い上げられた液体容積値は、機械式カウンタ駆動機構の歯付きギアによって駆動される3−または4−位式機械式カウンタ上に表示される。調節スリーブ14を介して歯付きホイールリム14aと連結される歯付きギアは、プランジャ作用ストローク調節機構の調節ノブ5と連結される調節ネジ12から回転動作を受ける。歯付きギアは、二重ギア16および形状クラッチ17aを有するクラッチギアホイール17を介して、この回転動作を伝え、同時に、この回転動作をカウンタの3または4つのリボルバ上に拡大させる。リボルバアセンブリのリボルバは、この技術分野において、機械式カウンタのカウンタホイールまたはナンバーホイールとも称される。カウンタのこれらのリボルバは、ピニオン23、26、および場合により28によって駆動される。図面においては、4−位式カウンタを有する本発明によるピペットの実施の形態が示されており、4つのリボルバ22、25、27、29が3つのピニオン23、26、28によって駆動される。
【0080】
ピペットにより吸い上げられた液体の容積値の設定を変えるために、ピペットを調整モードに、すなわち、作用ストローク調節機構をアンロックドポジションに切り替える必要があり、したがって、プランジャ作用ストローク調節機構のロック機構を、摩擦ブレーキの解除により解放する必要がある。
【0081】
図3および
図4に示されるように、吸い上げられた液体容積値の調節はピペット調整モードにおいて行われる。
図1および
図2に示されるピペッティングモードから調整モードへピペットを切り替えるために、
図7の拡大図に示される調節ノブ5を、最下位置から最上位置へ、調節ノブ5のラチェット5bが調節ネジ12の溝12cに突入するまで、移動しなければならない(
図5および6参照)。調節ノブ5のこの移動によって、プランジャ作用ストローク調節機構のロック機構の調節ネジ12のブレーキアセンブリのブレーキスリーブ34が上方に移動する。
図11に拡大して示されるように、ブレーキスリーブ34は、ヨーク34aにより調節ノブ5と係合し、ヨーク34aは、調節ノブ5を自由に回転可能にする調節ノブ5の周辺溝5a中に位置する。ブレーキスリーブ34は、誘導アーム34cによってピペット軸に関する回転から保護され、溝34dは、ハンドル1のカバー35のリブ35aと協働する(
図12参照)。
【0082】
調節ノブ5の最上位置への移動によって、2つのブレーキコーン:
図11に示されるブレーキスリーブ34のコーン34bおよび
図5に示される調節スリーブ14のコーン14d、が互いに離れ、その結果これらの2つの円錐面の間の摩擦力が減少する。これによって、ピペットにより吸い上げられた液体の容積値の設定を変えることが可能となる。プランジャ作用ストローク調節機構は、ピペットの調整モードが行われるアンロックドポジションにある。
【0083】
調節ノブ5が最下位置へ移動されると、ブレーキスリーブ34のコーン34bと調節スリーブ14のコーン14dとの間の摩擦力が誘発され、ピペット軸に関して調節スリーブ14が回転する可能性がなくなる。プランジャストローク調節機構は、ピペットのピペッティングモードが行われるロックドポジションにある。
【0084】
所望の吸い上げられた液体容積値の設定の遮断は、設定の偶発的な変化を防止して得られた液体吸上げの必要な信頼性を保証するので、機械式ピペットに特に必要とされる特徴である。ユーザにより調節ノブ5に与えられる必要がありピペッティングモードから調整モードへのピペットの切替えに必要な力が高いことによって、意図的でない切替えが防止される。
【0085】
さらに、本発明のピペットにおいてラチェット機構を適用することによって、ピペットの2つの操作モードの間、すなわち調整モードとピペッティングモードとの間の位置に、ユーザが調節ノブ5を配置する可能性が排除される。本発明のロック機構に適用されるラチェット機構は、調節ノブ5上に形成されるラチェット5bを有し、ピペット調整モードにおいてラチェット5bは、調節ネジ12の溝12cと協働する。
【0086】
本発明による機械式ピペットにおける調整モードは、プランジャ作用ストローク調節機構のアンロックドポジションにおいて行われ、ピペットにより吸い上げられた液体の所望の容積値は、最上位置にある調節ノブ5を回転することにより手動で設定される。調節ノブ5は、調節ネジ12と連結され、その回転動作により上部ストップ13の直線的な移動が生じる。
図5および6に示されるように、上部ストップ13は、プランジャ33の作用ストロークを決定し、調節ネジ12と協働するナットを構成する。調整モードにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構の調節ノブ5および調節ネジ12によって、上部ストップ13の位置が変化する。
【0087】
図4および5に示されるように、上部ストップ13は、ベアリングスリーブ15の内表面上で誘導溝15aと協働する長手リブ13aによって回転から保護される。ネジ12は、ロック32によりベアリングスリーブ15中で軸方向に固定される。ロック32は、調節ネジ12の周辺溝12a中およびベアリングスリーブ15の方形開口部15b中に位置する。上部ストップ13は、ピペッティングロッド11の上部位置のリミッタ−であり、上部ストップ13の下表面13b上で周辺舌11bの上表面11cと接する。ピペッティングロッド11の球状下端11aは、ピペットプランジャ33と接触して作用し、
図4に示されるように、ピペットにより吸い上げられた液体の所望の容積値の吸引および排出のための軸方向の移動を行う。調節ネジ12のリブ12dと協働するノッチ5cにより調節ネジ12と係合する調節ノブ5と共に回転することによって、駆動機構の調節スリーブ14が回転される。調節スリーブ14は、調節ネジ12のリブ12dと協働するノッチ14bにより、調節ネジ12上に取り付けられる(
図5および6参照)。調節スリーブ14は、その下部において、クラッチギアホイール17を駆動する二重ギア16と連結される歯付きホイールリム14aを有する。クラッチギアホイール17は、その上部において、形状クラッチ17aを有し、これは、調整モードにおいて、
図8の拡大図に示されるように、カウンタクラッチ18の各成形下部18aと協働する。カウンタクラッチ18は、校正機構の解除可能連結手段の構造要素であり、校正モードにおいて機械式カウンタの駆動機構からリボルバアセンブリを完全に取り外す作用をする。カウンタクラッチ18は、長手突出部18eによって、リボルバスリーブ21のノッチ21bと連続的に係合される。
図9の拡大図に示されるリボルバスリーブ21は、突出部21aによって、リボルバアセンブリ、すなわちカウンタリボルバ22から第1リボルバを駆動させる。次に、カウンタリボルバ22は、ピニオン23によってカウンタリボルバ25を駆動する。次に、カウンタリボルバ25は、次のピニオン26、28によって、リボルバスリーブ21上に回転可能に取り付けられるリボルバアセンブリの次のリボルバ27、29を駆動する。
【0088】
プランジャ作用ストローク調節機構は、全てのピペット操作モードにあり、連続的に作動され、駆動機構の歯付きギアを介してクラッチギアホイール17と連続的に係合される。機械式カウンタアセンブリは、クラッチギアホイール17、カウンタクラッチ18、リボルバスリーブ21、リボルバ22、25、27、29およびピニオン23、26、28を有する。機械式カウンタアセンブリは、ワッシャ20を介してクラッチギアホイール17の下表面上に軸方向の力を与えるカウンタバネ19を使用する結果、カウンタカバー30に連続的に押圧される。そのような構成により、機械式カウンタアセンブリの構造要素の間の全ての間隔が連続的に補正される。さらに、高圧蒸気滅菌の処理中に物質の熱膨張の結果として現れる、構造要素の寸法変化もまた補正される。カウンタバネ19の適用によって、ピペット操作の過程でおよび高圧滅菌処理の過程で現れる間隔の結果として、カウンタアセンブリの構造要素の位置変化の結果として生じる、起こり得る表示エラーを排除することにより、カウンタアセンブリの操作信頼性が保証される。
【0089】
カウンタ表示の打切りのため、本発明によるピペットにおける機械式カウンタアセンブリ中で、ラチェット機構が適用される。ラチェット機構は、
図2および5に示されるように、カウンタカバー30の弾性クリック30aを有し、
図8に示されるように、それぞれ成形されカウンタクラッチ18上に形成される形状部18cを有する。
図2に示されるように、弾性クリック30aは、バネ31の動作の操作により、カウンタクラッチ18の形状部18cに押圧される。カウンタクラッチ18の形状部18cの構造により、トルク値の変更が可能となり、このトルクは、ピペットの現在の操作モードに従って、カウンタ軸24に関してカウンタクラッチ18の角度位置を変えるのに必要である。本発明のピペットに提供される、トルク値の2段階変更のための技術的手段は、形状部18cを有し、これは、調整モードにおいてカウンタカバー30の弾性クリック30aと協働するためのより小さい突出部18fをその上部に有し、ピペットの校正モードにおいてカウンタカバー30の弾性クリック30aと協働するためのより大きい突出部18gをその下部に有する。
【0090】
したがって、調整モードにおいて、カウンタクラッチ18は、二重ギア16のピニオン16aと連結された歯付きホイールリム14aをその下部に有する調節スリーブ14を有する歯付きギアを介して、駆動される。次に、
図5に示されるように、二重ギア16のギア16bはさらに、クラッチギアホイール17を駆動する。この歯付きギアの全体のギア比は、例えば10:1であり、したがって、ピペット軸の周りに調節ノブ5が完全に1回転することによって、カウンタ軸24の周りにカウンタクラッチ18が完全に10回転する。
【0091】
調節ノブ5とカウンタクラッチ18との間に、10:1のギア比を有する歯付きギアを適用することにより、カウンタクラッチ18により伝えられるトルクの10倍大きくカウンタ軸24の周りのカウンタクラッチ18の角度位置を変えるのに不可欠であるトルクを、ユーザが調節ノブ5に与えることが必要になる。カウンタクラッチ18、およびその結果調節ノブ5におけるトルクを減少するために、形状部18cの上部において、より小さい突出部18fがカウンタクラッチ18上に形成された。より小さい突出部18fは、形状部18cの下部におけるより大きい突出部18gと異なる。その結果、カウンタクラッチ18の回転中にカウンタカバー30の弾性クリック30aの曲がりにより生じる抵抗モーメントが減少される。したがって、ピペット調整モードにおいて、カウンタカバー30の弾性クリック30aは、カウンタクラッチ18の形状部18cの上部と協働し、これは、カウンタクラッチ18の角度位置を変えるためにより少ないトルクを提供するより小さい突出部18fを有する。そのような構造により、吸い上げられた液体の容積値の設定の変化の結果としての機械式カウンタ表示の変化は、ピペットの調整モードにおいてより容易である。
【0092】
ピペッティングモード
ピペットのピペッティングモードにおいて、プランジャ作用ストローク調節機構は、ロックド位置になければならず、ロック機構が作動されなければならない、すなわち、記載されるピペットの好ましい実施の形態において、摩擦ブレーキは、
図1および2に示されるように作動位置にある。
【0093】
吸い上げられた液体の所望の容積値の調整後、調節ノブ5を最下位置へ移動することにより、ピペットは調製モードからピペッティングモードへ切り替えられ、プランジャ作用ストローク調節機構はロックド位置に入れられる。この位置において、プランジャ作用ストローク調節機構のロック機構の調節ネジ12のブレーキアセンブリのブレーキスリーブ34のコーン34bと調節スリーブ14のコーン14dとの間に、摩擦力が生じる。
【0094】
ピペッティングモードを行うために、ピペットは、ハンドル1およびノズル3中に取り付けられる吸上げおよび排出機構を有する。吸上げおよび排出機構は、ピペッティングロッド11を介してピペットノズル3中に配置されたプランジャ33と連結されるハンドル1の上のピペット上端においてピペッティングボタン7を有する。
【0095】
ユーザは、ピペッティングボタン7により、ピペッティングロッド11を下方に押し、次に、この動きは、ピペッティングロッド11の球状下端11aを介して、ノズル3内のプランジャ33上に、ピペッティングバネの力に逆らって伝えられる。ピペットのピペッティングモードにおいて、下方への移動中、プランジャ33はノズル3から端部8の外へ空気を押し出す。ピペッティングロッド11が押し込まれると、プランジャ33はその下方位置で停止する。チップ8が液体中に浸かりピペッティングボタン7が開放されると、ピペッティングバネの作用の下でプランジャ33が上部位置へ戻り、同時に液体をチップ8へ吸引する。チップを空にするために、ピペッティングボタン7は再び下方へ押されなければならず、プランジャ33は下方位置へ移動する。
【0096】
ピペットのピペッティングモードにおいて、ピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値がカウンタにより生じされたものとどの程度異なるかが制御される。ピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値とカウンタにより表示された液体容積値との間のこの差異は、ピペット精度偏差と称される。この目的のために、一連の液体吸上げ、およびその後の重量測定が行われ、これに基づいて、実際のピペット吸上げ液体容積値が、プランジャ作用ストロークの所定の調整、すなわち所定のカウンタ表示において、特定される。所望のピペット吸上げ液体容積値と実際の容積値との間の差異が確認された場合、これらの異なる容積値は、ピペット精度偏差の修正により、すなわち、機械式カウンタ表示をピペットにより吸い上げられた液体の実際の容積値に変えることにより、互いに整合される。
【0097】
校正モード
吸引された液体容積とカウンタに表示された容積値との間に差異が観察される場合、ピペットは校正される。本発明のピペットにおける校正は、機械式カウンタ表示を、吸い上げられた液体の実際の容積値にリセットすることに基づく。
【0098】
校正モード中、校正機構において、機械式カウンタリボルバアセンブリの駆動部は、機械式カウンタ駆動機構の歯付きギアから完全に外され、プランジャ作用ストローク調節機構の調節ノブ5は、プランジャ作用ストローク調節機構のロックド位置においてプランジャ作用ストロークの上部ストップ13と連続的に連結されたままである。
【0099】
取外しは、本発明のピペットにおいて、校正機構においておよび正確には機械式カウンタにおいて、解除可能連結手段を適用することにより可能である。解除可能連結手段は、校正モードへピペットを切り換える切替え手段と係合し、校正モードにおいてカウンタ上の液体容積値の表示をリセットするためのリセット手段とも係合する。
【0100】
解除可能連結手段は、カウンタ軸24上にスライド可能および回転可能に取り付けられる。解除可能連結手段は、クラッチギアホイール17およびカウンタクラッチ18を有し、連結手段の長手突出部18eを受け取るための長手ノッチ21bおよびカウンタリボルバアセンブリの第1リボルバ22と係合するためのノッチ21bを備えるリボルバスリーブ21を介して、リボルバアセンブリと連結される。
【0101】
校正モードへピペットを切り替えるための切替え手段により、連結されたリボルバアセンブリと共に、駆動機構から連結手段を取り外すことが可能となる。切替え手段は、外部から、好ましくは、校正レンチ39の平端部39aからアクセス可能なスライダ9を有する。
【0102】
ここに記載される好ましい実施の形態において、リセット手段は、交差舌39bを備えた校正レンチ39のそれぞれ成形された第2端と協働するために、カウンタクラッチ18の形状端18dを有する。
【0103】
ピペット校正を行うために、調節ノブ5は、最下位置に、すなわち、ロック機構が作動されたプランジャ作用ストローク調節機構のロックド位置にあるピペッティングモードと同様に、配置されなければならない。次に、プラグ6をてこで動かすためにイジェクタ2の押しボタン4の穴4aに平端部39aが入れられる構成レンチ39を用いて、イジェクタ押しボタン4の開口部4bからプラグ6が取り出される(
図2および5参照)。
【0104】
次の段階において、ピペットに備えられた校正レンチ39の平端部39aは、
図10の拡大図に示されるように、スライダ9の長手ソケット9a中に導入され、ひっかけつめ9bがハンドル1の下方溝1aからハンドル1の上部溝1bへ飛び越すまで、最下位置から最上位置へ移動する。下方溝1aおよび上方溝1bは、
図13中の拡大部に示される。そのようにして、切替え手段により、ピペットが校正モードに切り替えられる。カウンタクラッチ18の周辺溝18b中に配置されるスライダヨーク9dによりカウンタクラッチ18に連結されたスライダ9の上方への移動によって、カウンタ軸24に沿ってカウンタクラッチ18が軸方向に移動する。カウンタクラッチ18の軸方向の移動によって、形状クラッチ17aからカウンタクラッチ18が取り外される(
図5参照)。
【0105】
さらに、校正レンチ39は、交差舌39bを有する端部により、イジェクタ2の押しボタン4の開口部4b中に挿入され、交差舌39bを有する端部が、
図8の拡大図に示されるカウンタクラッチ18のそれぞれ形成された形状端部18dに当たる。交差舌39bをカウンタクラッチ18と係合した後、校正レンチ39により回転することにより、プランジャ作用ストローク調節機構に取り付けられた上部ストップ13の位置を変えずに、ピペットカウンタにおける表示を変えることが可能である。それにより、ピペットにより吸い上げられた液体の容積値の設定を変えずに、ピペットカウンタにおける表示を変えることが可能である。そのようにして、リセット手段により、液体容積値表示の各変化がカウンタ上で行われる。
【0106】
校正モードを行うために、クラッチギアホイール17の形状クラッチ17aの機械式カウンタリボルバアセンブリを、歯付きギアがプランジャ作用ストローク調節機構と連続的に係合したまま、駆動機構の歯付きギアから取り外さなければならない。
【0107】
カウンタクラッチ18の形状端部18dに校正レンチ39を不適合にまたは不注意に導入することにより、カウンタクラッチ18が意図的でなく偶発的に下方に押されることによって、ピペットが校正モードからピペッティングモードへ偶発的に切り替えられることを防止するために、カウンタ軸24は、それぞれ長さを有する。
図4および
図8に示されるように、このカウンタ軸長さは、カウンタ表示を変えるためにカウンタクラッチ18により校正モードにおいて回転する過程で、形成された交差舌39bを有する校正レンチ39の端部が、カウンタ軸24の表面24aで連続的に終端となり同時にカウンタクラッチ18の形状端部18dの表面18h上に圧力を与えないように、選択される。そのようにして、ユーザが誤って下方にカウンタクラッチ18を軸方向に移動することは不可能であり、カウンタクラッチ18上に意図的でなく圧力を与えることによりピペットがピペッティングモードに偶発的に切り替えられることが排除される。
【0108】
校正モードにおいて、 周辺溝18bによりカウンタクラッチ18と連結されるスライダ9の上方への移動中、カウンタクラッチ18の移動が起こる。そのような移動によって、カウンタカバー30の弾性クリック30aが、カウンタクラッチ18の形状部18cの下部との協働を開始する。形状部18cは、カウンタ軸24の周りの連結手段の角度位置を変えるのに必要なトルク値の2段階変更のための技術的手段を形成する。形状部18cは、その下部において、ピペットの校正モードにおいてカウンタカバー30の弾性クリック30aと協働するためのより大きい突出部18gをそれぞれ備えている。
【0109】
このシステムにおいて、校正レンチ39によるカウンタクラッチ18の回転中に弾性クリック30aが曲がることにより生じる抵抗モーメントは、調整モードにおけるカウンタクラッチ18上のトルクより大きい。しかしながら、校正モードにおいて、校正レンチ39による回転中にユーザにより与えられるトルクは、任意のギア比がないために、調整モードにおいて調節ノブ5上に与えられるトルクよりも依然として著しく小さい。しかしながら、校正の精度を増加するために、機械式カウンタ表示の個々の急激な変化は、ユーザによってよく認識されなければならない。したがって、校正モードにおいて、弾性クリック30aは、カウンタクラッチ18の形状部18cの下部上に形成されたより大きい突出部18gと協働し、これによって、校正レンチ39によるカウンタクラッチ18の回転中に弾性クリック30aの曲がりによって生じる抵抗モーメントが増加する。したがって、超えられなければならず校正レンチ39による回転中にユーザによって与えられなければならないトルク値が増加する。
【0110】
したがって、カウンタ表示の変化の打切りが、本発明による機械式ピペットのユーザによって校正モードにおいてより良好に認知できる。校正モードにおけるカウンタクラッチ18の角度位置の変化に必要なトルクがより大きいことによって、カウンタ軸24の周りのカウンタクラッチ18の角度位置の変化の制御が可能となり、吸い上げられた液体の容積値表示のカウンタにおける正確な調整がより容易となる。
【0111】
校正の完了後、すなわちカウンタ表示が実際の吸い上げられた液体容積値と一致した後、上記の動作を逆の順序で行わなければならない。校正レンチ39を、イジェクタ2の押しボタン4中の開口部4bから取り出さなければならず、次に、校正レンチ39の平端部39aをスライダ9の長手ソケット9aに挿入することにより、ハンドル1の上部溝1bからハンドル1の下部溝1a中にひっかけつめ9bが飛び越すまで、スライダ9を最下位置へ移動しなければならず、同時にカウンタクラッチ18をクラッチギアホイール17に係合しておき、それによりピペットを校正モードからピペッティングモードへ切り換える。最後に、プラグ6を、イジェクタ2の押しボタン4の開口部4b中に配置する。
【0112】
さらに、本発明によるピペットが偶発的に誤って校正されることを防止するために、全てのピペット操作モードにおいて、校正機構のスライダ9を偶発的な移動から保護する。この目的のために、スライダ9において、半円形ノッチ9cを有するリブ上に、Oリングの形状の弾性要素36を構成する追加の技術的弾性手段を取り付ける(
図5、10、12および13参照)。
【0113】
チップ放出モード
チップ8が使い古されたまたは損傷した場合あるいは液体容積の作業値の変化が必要である場合に、ピペット中のチップ8の交換のために、ユーザが吸引液体と接触するのを避けるために、本発明によるピペットは、ピペットノズル3からの交換可能チップ8の改良された放出機構を備える。
【0114】
本発明によるピペットにおいて、ノズル3からチップ8を放出するのに必要な力を減少する技術的解決法が適用される。セカンドクラスレバーの機構を使用することにより、チップ8を取り外すのに必要な力は、ユーザが押しボタン4で操作する方法に依存して距離が変化する、ユーザが力を与える場所と押しボタン4の回転軸との間の距離比、および押しボタン4の回転角度に依存して距離が変化する、押しボタン4の回転軸から、押しボタン4からイジェクタ2へ力を伝える中間手段のフレーム37のアーム37aとの押しボタン4の接触点までの距離から生じる値だけ、減少した。
【0115】
本発明の示される好ましい実施の形態において、押しボタン4からイジェクタ2上に力を伝える作用をする、押しボタン4と放出機構のイジェクタ2との間の中間手段として、イジェクタ2と連結されるスリーブ38と協働するフレーム37が使用される。
【0116】
適用される放出機構の作用の原理は以下のようである:ピペットユーザがピペットからチップ8を放出したい場合、ノズル3が、押しボタン4の開口部4b中にプラグ6が押し込まれる場所にイジェクタ押しボタン4を押圧する。その結果、イジェクタ2の押しボタン4の回転軸の周りで押しボタン4の角度移動が生じる。
図5および12並びに
図14の拡大図に示されるように、それぞれ形成されるハンドル1の円筒陥没1c中に、および
図12に示されるように、ハンドル1のカバー35の円筒陥没35b中に、イジェクタ2の押しボタン4の円筒サイドピン4dを支えることにより、回転軸が生じる。押しボタン4の角度移動によって、押しボタン4の直線的な接触面4cに沿ってフレーム37のアーム37aがスライドすることにより、放出機構の中間手段のフレーム37が長手方向に移動することが、
図15の拡大図に示される。
【0117】
押しボタン4の直線的な接触面4cからフレーム37のアーム37aが横滑りすることを排除するために、フレーム37のアーム37aの端部37bがキャノピ形状で形成され、同時に、それと協働して、チップ放出モードにおいて、押しボタン4の直線的な接触面4cが、対応するキャノピ特性のノッチを有して形成される。
【0118】
中間手段のフレーム37は、
図12に示されるハンドル1の誘導リブ1dおよび1eと、
図5に示されるベアリングスリーブ15の突合わせ舌15cとの間で、長手方向に誘導される。そのような配置により、信頼できる態様で不都合な摩擦なく、ハンドル1中にフレーム37が誘導される。イジェクタ2の押しボタン4の角度移動により、イジェクタ2のフレーム37の長手移動が生じ、これは次にイジェクタ2のスリーブ38の突合わせ面38a上に伝えられる。
図2に示されるように、スリーブ38は、イジェクタ2とのネジ接続を介してネジ込まれる。さらに、下方への移動中に、イジェクタ2の下端は、その放出端によりノズル3からチップ8を押しやる。
【0119】
イジェクタ2は初期位置に戻り、これは、ユーザによってイジェクタ2の押しボタン4上に与えられる力の方向と反対方向にイジェクタ2のスリーブ38上に働く、放出機構の伸縮バネによって確実にされる。
【0120】
放出機構のそのような構成上の解決により、ピペットイジェクタ2の大きい作用ストロークを得ることが可能となり、同時に、協働する校正要素のデザインのそれぞれ適切な選択の結果、チップ8を放出するのに不可欠の力が大きく減少する。
【0121】
放出機構の構造により、イジェクタ2の押しボタン4の回転角に対して、中間手段のフレーム37の長手方向の移動の非直線的特性を得ることができる。この初期段階において、イジェクタ押しボタン4の角度移動によって、フレーム37の小さい長手方向の移動が生じ、それによって、スリーブ38は、ピペットノズル3からチップ8を放出するのに必要な力の値を実質的に減少させる。次に、ピペットユーザが力を与える点に向かって、イジェクタ2のフレーム37のアーム37aの端部37bが押しボタン4の直線的な接触面4cと接触する点を移動することにより、セカンドクラスレバーのてこの作用が減少し、同時に、イジェクタ2のフレーム37の長手方向の移動の経路が増加する。したがって、チップ放出モードの終末段階において、本発明によるピペットにおいて、既知のピペットと比較して、ノズル3からのチップ8の取り外しが促進される
本発明によるピペットにおいて適用される放出機構は、その構成によりイジェクタ2の長い作用ストロークが提供され、ピペットが、吸上げ液体の所定の容積値について異なるデザインの広いポートフォリオのチップ8と協働することが可能となる。
【0122】
さらに、ピッティングモードにおいてピペットにより吸引された容積値の高い精度および信頼性を提供する必要性の認識から、ピペット内部の温度は一定でなければならない。しかしながら、ピペットによる長時間の操作の間、ピペットはユーザにより握られ、温められ、同時にピペット内部に含まれる空気もまた温められる。このことは、ピペット操作使用中のピペット精度偏差の変化に不都合な影響を与え、
校正モードにおけるピペット精度偏差の修正が余儀なくされる。本発明のピペットにおいて、イジェクタ2の押しボタン4の角度移動を行う放出機構の改良された構造によって、チップ放出モードにおいてピペット内部で強制空気循環が生じる。これにより、温められた空気が冷たいものに交換され、度量衡のピペット精度が著しく増加する。
【0123】
本明細書に開示される放出機構は、ここに開示されるのと異なる構造の機械式ピペットにおいて、および特に異なるプランジャ作用ストローク調節機構、異なる係合機構、異なるカウンタ駆動機構および異なる
校正機構を備えるピペットにおいて、並びに電動式ピペットにおいて、適用してもよい。
【0124】
本発明の上記の例示的実施の形態に基づいて、異なる変化、修正および改良が可能であるが、そのような変化、修正および改良は、本発明の概念および添付の特許請求の範囲に照らして明らかである。