(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従って前記パラメータを送信することをさらに備える請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図面を参照しながら様々な態様について説明する。以下の記述では、説明の目的で、1つまたは複数の態様の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細を記載する。ただし、様々な態様は、これらの具体的な詳細なしに実施できることは明白であろう。他の例では、これらの態様の説明を円滑にするために、よく知られている構造及びデバイスをブロック図の形態で示す。
【0024】
図1では、異種通信システム100において、ホーム・ベース・ノード(HNB)として示される小型ベース・ノード(たとえば、HNB、フェムト・セル、限定加入セルなど)102は、ホーム・ユーザ機器(HUE)として示されるユーザ機器(UE)104にサービスする。たとえば、複数のマクロ・ベース・ノード(MNB)108a、108bのうちの1つのカバレージ・エリアを拡大するため、またはそれらのMNBよりも有利な請求代替案を提供するために、HNB102を建築物106内に配置することができる。
【0025】
有利には、HNB102は、モバイル・ユーザ機器MUE112aに十分なサービスを提供しながら、他のノードまたは端末への干渉を回避するために十分な送信(Tx)電力を判断しようとする低減送信(Tx)電力構成要素110を有する。たとえば、MNB108aは、HNB102と同一チャネルであるMUE112aにサービスしていることがある。HNB102は、有利には、114において示される第1の制約として、HNB102からX1dB離れて位置するMUE112aのための−18dBの共通パイロット・チャネル(CPICH)Ec/No(チップ当たりのエネルギー対干渉電力密度)を維持するために、HNB102のTx電力を低減することができる。
【0026】
代替的にまたは追加として、MNB108bは、HNB102を用いて隣接チャネル上でサービスされるMUE112bにサービスしていることがある。HNB102は、116に示すように、隣接する同一チャネル干渉を防ぐためにHNB102からX2離れて位置するMUE112bに対する隣接チャネル干渉を回避するために、HNB102のCPICH Tx電力を低減することができる。
【0027】
代替的にまたは追加として、HNB102が他のもの(たとえば、ノードまたはユーザ機器(UE))118への不要な干渉を生じていないことを確認するために、HNB102は、120に示すように、HNB102からX3dB離れて位置するHUE104によって報告されるCPICH Ec/Noに対して−15dBの上限をエンフォースすることができる。
【0028】
特に、HNB102は、CPICH送信(Tx)電力を無線リソース制御(RRC)によってHUE104にシグナリングし、HUE104によってHNB102までの経路損失を推定するために使用される。推定経路損失は、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)のためのHUE104の初期Tx電力を判断するためにHUE104によって使用される。
【数1】
【0029】
現在、UEにシグナリングできる最低CPICH電力レベルは、3GPP TS 25.331 v8.3.0、「Radio Resource Control (RRC); Protocol Specification」で指定された−10dBmである。ノードB/HNB CPICH Tx電力が−10dBmを下回るとき、UEが推定する経路損失(すなわち、プライマリCPICHTx電力−CPICH_RSCP)は実際の経路損失よりも高い。これにより、UEによるTx電力は必要以上に高くなる。UE Tx電力の増加は、アクセスを促進するが、同時にマクロアップリンクに対して不要な干渉を生じる。
【0030】
例示的な態様では、現在、第3世代(3G)ホーム・ベース・ノード(HNB)のための新しい基地局クラスが定義されている。目的の1つは、HNBのためのTS25.104における無線要件を更新することである。最小HNB送信電力は仕様の一部ではないが、マクロ・セル・ダウンリンクに対して生じるカバレージホールを制限するために、適宜に下限を設定する必要がある。開示するイノベーションでは、総HNB送信(Tx)電力は、CPICH Ec/Ior=−10dBと仮定すると、現在UEにシグナリングできる最小レベルである−10dBmを下回る共通パイロット・チャネル(CPICH)電力レベルを生じる0dBmよりも低くなる必要があることがある。これにより、潜在的に、信号CPICH Tx電力と実際の電力レベルとの間の不一致が生じることがあり、それにより、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)のためのホーム・ユーザ機器(HUE)開ループTx電力レベルが増加することになる。しかしながら、有利には、RACHのための一定値パラメータを調整することによって、その不一致を補償することができる。
【0031】
したがって、マクロ・ベース・ノード(MNB)/HNBは、実際のCPICH Tx電力レベルとUEにシグナリングされた電力レベルとの間の不一致を補償するために、一定値パラメータまたはアップリンク(UL)干渉パラメータを使用することができる。MNB/HNBは、この場合、最低可能値を広告する。一定値パラメータに可能な範囲は、[−35dB...−10dB]と指定されている。CPICH Tx電力の不一致から生じる推定経路損失(PL)の増加をオフセットするために、UEにシグナリングされた一定値を所望のターゲットよりも低くすることができる。アップリンク(UL)干渉パラメータを使用して、同じ機構を上限に適用することができる。
【0032】
別の態様では、経路損失が選択された報告量である場合、経路損失の規定範囲が実効値を搬送するのに不十分であるときに調整を行うことができる。この例では、セル個別オフセット(CIO)を使用することによって緩和を達成することができる。
【0033】
追加の態様では、UEの所望のアップリンク送信電力レベルが、直接指令できる範囲の外にあるように、HNBがその受信感度を調整することができる。たとえば、干渉の緩和などのために、HNBがその感度を低下させる場合、UEは、HNBに達するには低すぎる電力レベルにおいて送信することがある。したがって、HNBは緩和信号を用いて間接的に指令する。特に、HUEがHNBに達するには低すぎる電力において送信することを防ぐために、HNBは、一定値またはアップリンク干渉値のいずれかを使用して、HNBの感度を間接的にシグナリングする必要がある。
【0034】
別の態様では、経路損失が、選択された報告量であるとき、また調整を考慮する必要がある。この例では、セル個別オフセット(CIO)を使用することによって調整を行うことができる。
【0035】
さらなる態様では、HNBは、サービスされるHUEに設定を搬送する際に同様の問題を生じることがある、アップリンクのためのHNBの受信感度を調整する。感度を低減すると、HUEは、HNBに達するには低すぎる送信電力において送信することがある。したがって、HNBは、一定値またはUL干渉値を使用して、HNBの感度を間接的にシグナリングする必要がある。
【0036】
HNB102は、上記の計算ステップ及び制御ステップを実行するための少なくとも1つのプロセッサによって、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令をローカルでまたはリモートで実行するコンピューティング・プラットフォーム140を含むことができる。HNB102は、HUE104からアップリンクを受信するための少なくとも1つの受信機(RX)142をさらに含んでいるかまたは受信機(RX)142にアクセスすることができる。HNB102は、ダウンリンクをHUE104に送信するための少なくとも1つの送信機(Tx)144をさらに含んでいるかまたは送信機(Tx)144にアクセスすることができる。
【0037】
図2に、規定有効範囲を下回る送信電力をシグナリングするための方法または動作のシーケンス200、特に限定加入者システムにおいてHNBがアップリンクのための送信電力レベルをダウンリンク上でHUEにシグナリングするための方法または動作のシーケンス200を与える。HNBは、電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるHUEのために所望されるターゲット送信電力レベルを判断する(ブロック204)。HNBは、ターゲット送信電力レベルに最も近い、規定範囲内の値において電力コマンドをHUEに送信する(ブロック206)。HNBは、オフセット値に基づいてHUEに緩和信号を送信する(ブロック208)。受信機は、ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信し(ブロック210)、HUEは、緩和信号に従って電力コマンドからの送信電力を調整する。
【0038】
一態様では、HNBは、有効範囲外の共通パイロット・チャネル電力(CPICH)を生じる実際の送信電力を判断する(ブロック212)。HNBは、CPICH電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信する(ブロック214)。HNBは、実際の送信電力に従って一定値を送信する(ブロック216)。HNBは、CPICH電力の値と一定値とに基づく実際の経路損失に従って、HUEからランダム・アクセス・チャネル(RACH)プリアンブルを受信する(ブロック218)。HNBは、実際の経路損失に基づいてハンドオーバ境界を設定するために、セル個別オフセット(CIO)の値をさらに送信する(ブロック220)。
【0039】
HNBは、アップリンク受信を実際の感度に低減することによって干渉を緩和する(ブロック222)。HNBは、HUEに、RACHプリアンブルを実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータ(たとえば、アップリンク干渉、一定値など)を調整する(ブロック224)。HNBは、調整されたパラメータをHUEに送信する(ブロック226)。HNBはランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信する(ブロック228)。
【0040】
本開示全体にわたって、明快のために、HUE及びMUEが同じキャリアを共有する同一チャネル展開のための仮定を行う。全体を通して、限定加入者グループを仮定する。ただし、本イノベーションに一致する態様は、これらの仮定及び以下の仮定に対する例外を含むことができることを、本開示の利益とともに諒解されたい。一態様では、共通パイロット・チャネル(CPICH)Ec/No(チップ当たりのエネルギー対干渉電力密度)が収集時間値(Tacq)を下回る場合、UEはパイロットを収集することができないと見なされる。この分析では、Tacq=−20dBを使用する。さらに、マクロ・ベース・ノード(MNB)は、全電力の50%(すなわち、40dBm)において送信すると仮定する。MNB及びHNBのためのCPICH Ec/Iorは、−10dB(すなわち、33dBm)に設定する。
【0041】
いくつかの態様では、マクロスケールのカバレージ(たとえば、一般にマクロ・セルネットワークと呼ばれる、3Gネットワークなどの広域セルラー・ネットワーク)、及びより小さいスケールのカバレージ(たとえば、住居ベースまたは建築物ベースのネットワーク環境)を含むネットワーク中で、本明細書の教示を採用することができる。UEがそのようなネットワーク中を移動するとき、UEは、あるロケーションでは、マクロ・カバレージを与えるノードBによってサービスされ、他のロケーションでは、より小さいスケールのカバレージを与えるノードBによってサービスされることがある。いくつかの態様では、より小さいカバレージノードを使用して、(たとえば、よりロバストなユーザ経験のために)増分キャパシティの増大と、屋内カバレージと、様々なサービスとを与えることができる。本明細書での説明では、比較的大きいエリアにわたるカバレージを与えるノードを、マクロ・ノードと呼ぶ。比較的小さいエリア(たとえば、住居)にわたるカバレージを与えるノードを、フェムト・ノードと呼ぶ。マクロ・エリアよりも小さく、フェムト・エリアよりも大きいエリアにわたるカバレージを与える(たとえば、商業建築物内のカバレージを与える)ノードを、ピコ・ノードと呼ぶ。
【0042】
マクロ・ノード、フェムト・ノード、またはピコ・ノードに関連付けられたセルを、それぞれ、マクロ・セル、フェムト・セル、またはピコ・セルと呼ぶ。いくつかの実装形態では、各セルをさらに1つまたは複数のセクタに関連付ける(たとえば、分割する)ことができる。
【0043】
様々な適用例では、マクロ・ノード、フェムト・ノード、またはピコ・ノードを指すために他の用語を使用することがある。たとえば、マクロ・ノードを、ノードB、基地局、アクセスポイント、eノードB、マクロ・セルなどとして構成する、または呼ぶことがある。また、フェムト・ノードを、ホーム・ノードB、ホームeノードB、アクセスポイント基地局、フェムト・セルなどとして構成する、または呼ぶことがある。
【0044】
図3に、本明細書の教示を実装することができる、いくつかのユーザをサポートするように構成されたワイヤレス通信システム300を示す。システム300は、たとえば、マクロ・セル302a〜302gなど、複数のセル302の通信を可能にし、各セルは、対応するベース・ノード304(たとえば、ベース・ノード304a〜304g)によってサービスされる。
図3に示すように、UE306(たとえば、UE306a〜306l)は、時間とともにシステム全体にわたって様々なロケーションに分散できる。各UE306は、たとえば、UE306がアクティブであるかどうか、及びUE306がソフト・ハンドオフ中であるかどうかに応じて、所与の時点において順方向リンク(「FL」)及び/または逆方向リンク(「RL」)上の1つまたは複数のベース・ノード304と通信することができる。ワイヤレス通信システム300は広い地理的領域にわたってサービスを提供する。たとえば、マクロ・セル302a〜302gは、近隣内の数ブロックをカバーすることができる。
【0045】
図4に、1つまたは複数のフェムト・ノードがネットワーク環境内に展開された例示的な通信システム400を示す。特に、システム400は、ホーム・ベース・ノード(HNB)402a及び402bとして示される、比較的小規模のネットワーク環境中に(たとえば、1つまたは複数のユーザ住居404中に)設置された複数のフェムト・ノードを含む。各フェムト・ノード402a〜402bは、DSLルータ、ケーブルモデム、ワイヤレスリンク、または他の接続手段(図示せず)を介して、ワイドエリア・ネットワーク406(たとえば、インターネット)及びモバイル・オペレータ・コア・ネットワーク408に結合できる。以下で論じるように、各フェムト・ノード402a〜402bは、関連するアクセス端末またはユーザ機器(UE)410a、及び、随意に、(たとえば、限定加入者グループの加入者でない)外来アクセスUE410bにサービスするように構成できる。言い換えれば、フェムト・ノード402a〜402bへのアクセスを制限することができ、それによって、所与のUE410a〜410bを、指定された(たとえば、(1つまたは複数の)ホーム)フェムト・ノード402a〜402bのセットがサービスすることはできるが、指定されていないフェムト・ノード402a〜402b(たとえば、近隣のフェムト・ノード402a〜402b)がサービスすることはできない。
【0046】
フェムト・ノード410の所有者は、たとえば、3Gモバイル・サービスなど、モバイル・オペレータ・コア・ネットワーク408を介して提供されるモバイル・サービスに加入することができる。さらに、アクセス端末またはUE410a〜410bは、マクロ環境と、より小規模(たとえば、住居)のネットワーク環境の両方で動作することが可能である。言い換えれば、UE410a〜410bの現在位置に応じて、アクセス端末410a〜410bは、マクロ・セル・モバイル・ネットワーク408のアクセス・ノードまたはマクロ・ベース・ノード412によって、または、フェムト・ノード410のセットのうちのいずれか1つ(たとえば、対応するユーザ住居404内に常駐するフェムト・ノード402a〜402b)によってサービスされることがある。たとえば、加入者が自宅の外にいるとき、標準のマクロ・アクセス・ノード(たとえば、ノード412)によってサービスされ、自宅の中にいるとき、フェムト・ノード(たとえば、ノード402a〜402b)によってサービスされる。ここで、フェムト・ノード402a〜402bは既存のアクセス端末またはUE410a〜410bと後方互換性があることを諒解されたい。
【0047】
フェムト・ノード402a〜402bは、単一の周波数上に展開でき、または代替として、複数の周波数上に展開できる。特定の構成に応じて、単一の周波数、あるいは複数の周波数のうちの1つまたは複数は、マクロ・ノード(たとえば、ノード412)によって使用される1つまたは複数の周波数と重複することがある。
【0048】
いくつかの態様では、アクセス端末またはUE410a〜410bは、そのような接続性が可能であるときはいつでも、好ましいフェムト・ノード(たとえば、アクセス端末またはUE410a〜410bのホーム・フェムト・ノード)に接続するように構成できる。たとえば、アクセス端末またはUE410a〜410bがユーザの住居404内にあるときはいつでも、アクセス端末またはUE410a〜410bがホーム・フェムト・ノード402a〜402bのみと通信することが望ましい。
【0049】
いくつかの態様では、アクセス端末またはUE410a〜410bがマクロ・セルラー・ネットワーク408内で動作しているが、(たとえば、好ましいローミング・リスト中に定義された)その最も好ましいネットワーク上に常駐していない場合、アクセス端末またはUE410a〜410bは、ベターシステム・リセレクション(「BSR」)を使用して、最も好ましいネットワーク(たとえば、好ましいフェムト・ノード402a〜402b)を探索し続けることができ、ベターシステム・リセレクションでは、より良好なシステムが現在利用可能であるかどうかを判断するために利用可能なシステムの周期的なスキャンを行い、以後、そのような好ましいシステムに関連付けるために取り組むことができる。獲得エントリを用いて、アクセス端末またはUE410a〜410bは、特定の帯域及びチャネルの探索を制限することができる。たとえば、最も好ましいシステムの探索を周期的に繰り返すことができる。好ましいフェムト・ノード402a〜402bが発見されると、アクセス端末またはUE410a〜410bは、そのカバレージ・エリア内にキャンプするためにフェムト・ノード402a〜402bを選択する。
【0050】
フェムト・ノードは、いくつかの態様では、制限されることがある。たとえば、所与のフェムト・ノードは、いくつかのサービスをいくつかのアクセス端末のみに提供することができる。いわゆる制限(または限定)関連付けを用いた展開では、所与のアクセス端末は、マクロ・セル・モバイル・ネットワークと、フェムト・ノードの定義されたセット(たとえば、対応するユーザ住居404内に常駐するフェムト・ノード402a〜402b)とによってのみサービスされる。いくつかの実装形態では、ノードは、少なくとも1つのノードにシグナリング、データアクセス、登録、ページング、またはサービスのうちの少なくとも1つを与えないように制限される。
【0051】
いくつかの態様では、(限定加入者グループ・ホーム・ノードBと呼ばれることもある)制限されたフェムト・ノードは、サービスを、制限された準備されたアクセス端末のセットに提供するノードである。このセットは、必要に応じて、一時的にまたは永続的に拡大できる。いくつかの態様では、限定加入者グループ(「CSG」)は、アクセス端末の共通のアクセス制御リストを共有するアクセス・ノード(たとえば、フェムト・ノード)のセットとして定義できる。領域中のすべてのフェムト・ノード(またはすべての制限されたフェムト・ノード)が動作するチャネルをフェムト・チャネルと呼ぶことがある。
【0052】
したがって、所与のフェムト・ノードと所与のアクセス端末またはユーザ機器との間には様々な関係が存在する。たとえば、アクセス端末の観点から、開いたフェムト・ノードは、制限された関連付けをもたないフェムト・ノードを指す。制限されたフェムト・ノードは、何らかの形で制限された(たとえば、関連付け及び/または登録のために制限された)フェムト・ノードを指す。ホーム・フェムト・ノードは、アクセス端末がアクセスし、その上で動作することを許可されるフェムト・ノードを指す。ゲスト・フェムト・ノードは、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを一時的に許可されるフェムト・ノードを指す。外来フェムト・ノードは、おそらく非常事態(たとえば、911番)を除いて、アクセス端末がアクセスし、またはその上で動作することを許可されないフェムト・ノードを指す。
【0053】
制限されたフェムト・ノードの観点から、ホームアクセス端末は、制限されたフェムト・ノードへのアクセスを許可されるアクセス端末を指す。ゲストアクセス端末は、制限されたフェムト・ノードへの一時的アクセスをもつアクセス端末を指す。外来アクセス端末は、たとえば、おそらく911番などの非常事態を除いて、制限されたフェムト・ノードにアクセスする許可を有していないアクセス端末(たとえば、制限されたフェムト・ノードに登録する証明書または許可を有していないアクセス端末)を指す。
【0054】
便宜のために、本明細書の開示では、フェムト・ノードの文脈で様々な機能について説明する。ただし、ピコ・ノードは、より大きいカバレージ・エリアに同じまたは同様の機能を提供することができることを諒解されたい。たとえば、所与のアクセス端末に対して、ピコ・ノードを制限すること、ホームピコ・ノードを定義することなどが可能である。
【0055】
ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレスアクセス端末のための通信を同時にサポートすることができる。上述のように、各端末は、順方向リンク及び逆方向リンク上の送信を介して1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(またはダウンリンク)とは、基地局から端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)とは、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(「MIMO」)システム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立できる。
【0056】
図5に、いくつかのトラッキング・エリア502(またはルーティング・エリアまたは位置エリア)が画定されたカバレージマップ500の例を示し、そのエリアの各々はいくつかのマクロ・カバレージ・エリア504を含む。ここで、トラッキング・エリア502a、502b、及び502cに関連付けられたカバレージのエリアは太線によって示され、マクロ・カバレージ・エリア504は六角形によって表される。トラッキング・エリア502はフェムトカバレージ・エリア506をも含む。この例では、フェムトカバレージ・エリア506(たとえば、フェムトカバレージ・エリア506c)の各々は、マクロ・カバレージ・エリア504(たとえば、マクロ・カバレージ・エリア504b)内に示される。ただし、フェムトカバレージ・エリア506は、完全にマクロ・カバレージ・エリア504内にあるわけではないことを諒解されたい。実際問題として、多数のフェムトカバレージ・エリア506を所与のトラッキング・エリア502またはマクロ・カバレージ・エリア504とともに画定することができる。また、1つまたは複数のピコカバレージ・エリア(図示せず)を所与のトラッキング・エリア502またはマクロ・カバレージ・エリア504内に画定することができる。
【0057】
特に、ワイヤレス多元接続通信システムは、複数のワイヤレスUEのための通信を同時にサポートすることができる。上述のように、各端末は、順方向リンク及び逆方向リンク上の送信を介して1つまたは複数の基地局と通信する。順方向リンク(またはダウンリンク)とは、基地局から端末への通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)とは、端末から基地局への通信リンクを指す。この通信リンクは、単入力単出力システム、多入力多出力(「MIMO」)システム、または何らかの他のタイプのシステムを介して確立できる。本イノベーションは、例示的な実装形態として本明細書で説明するMIMOシステムにおける使用に限定されないことを諒解されたい。
【0058】
MIMOシステムは、データ送信用の複数(N
T)個の送信アンテナ及び複数(N
R)個の受信アンテナを使用する。N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナとによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルと呼ばれることもあるN
S個の独立チャネルに分解でき、ここで、N
S≦min{N
T,N
R}である。N
S個の独立チャネルの各々は1つの次元に対応する。複数の送信アンテナ及び受信アンテナによって生成された追加の次元数が利用された場合、MIMOシステムは改善されたパフォーマンス(たとえば、より高いスループット及び/またはより大きい信頼性)を与えることができる。
【0059】
MIMOシステムは時分割複信(「TDD」)及び周波数分割複信(「FDD」)をサポートすることができる。TDDシステムでは、順方向及び逆方向リンク伝送が同一周波数領域上で行われるので、相反定理による逆方向リンクチャネルからの順方向リンクチャネルの推定が可能である。これにより、複数のアンテナがアクセスポイントで利用可能なとき、アクセスポイントは順方向リンク上で送信ビーム形成利得を抽出することが可能になる。
【0060】
本明細書の教示は、少なくとも1つの他のノードと通信するための様々な構成要素を使用するノード(たとえば、デバイス)に組み込むことができる。
図6に、ノード間の通信を可能にするために採用できるいくつかの例示的な構成要素を示す。特に、
図6に、MIMOシステム600のワイヤレスデバイス610(たとえば、アクセスポイント)及びワイヤレスデバイス650(たとえば、アクセス端末)を示す。デバイス610では、いくつかのデータ・ストリームのトラフィック・データが、データ・ソース612から送信(「TX」)データ・プロセッサ614に供給される。
【0061】
いくつかの態様では、各データ・ストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ614は、符号化データを供給するために、そのデータ・ストリーム用に選択された特定のコーディング方式に基づいて、データ・ストリームごとにトラフィック・データをフォーマット化し、符号化し、インタリーブする。
【0062】
各データ・ストリームの符号化データは、OFDM技法を使用してパイロット・データで多重化できる。パイロット・データは、典型的には、知られている方法で処理され、チャネル応答を推定するために受信機システムにおいて使用できることが知られているデータパターンである。次いで、各データ・ストリームの多重化されたパイロット・データ及び符号化データは、変調シンボルを供給するために、そのデータ・ストリーム用に選択された特定の変調方式(たとえば、BPSK、QSPK、M−PSK、またはM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)される。各データ・ストリームのデータ転送速度、符号化、及び変調は、プロセッサ630によって実行される命令によって決定される。データメモリ632は、プロセッサ630またはデバイス610の他の構成要素によって使用されるプログラムコード、データ及び他の情報を記憶する。
【0063】
次いで、すべてのデータ・ストリームの変調シンボルがTX MIMOプロセッサ620に供給され、TX MIMOプロセッサ620はさらに(たとえば、OFDMの場合)その変調シンボルを処理する。次いで、TX MIMOプロセッサ620は、各々が、送信機(TMTR)と受信機(RCVR)とを有する、N
T個の変調シンボル・ストリームをN
T個のトランシーバ(「XCVR」)622a〜622tに供給する。いくつかの態様では、TX MIMOプロセッサ620は、データ・ストリームのシンボルと、シンボルが送信されているアンテナとにビーム形成重みを付加する。
【0064】
各トランシーバ622a〜622tは、それぞれのシンボル・ストリームを受信し、処理して、1つまたは複数のアナログ信号を生成し、さらに、それらのアナログ信号を調整(たとえば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)して、MIMOチャネルを介して送信するのに適した変調信号を与える。次いで、トランシーバ622a〜622tからのN
T個の変調信号は、それぞれ、N
T個のアンテナ624a〜624tから送信される。
【0065】
デバイス650では、送信された変調信号はN
R個のアンテナ652a〜652rによって受信され、各アンテナ652a〜652rからの受信信号は、それぞれのトランシーバ(「XCVR」)654a〜654rに供給される。各トランシーバ654a〜654rは、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)し、調整された信号をデジタル化して、サンプルを供給し、さらにそれらのサンプルを処理して、対応する「受信」シンボル・ストリームを供給する。
【0066】
次いで、受信(「RX」)データ・プロセッサ660は、特定の受信機処理技法に基づいてN
R個のトランシーバ654a〜654rからN
R個の受信シンボル・ストリームを受信し、処理して、N
T個の「検出」シンボル・ストリームを供給する。次いで、RXデータ・プロセッサ660は、各検出シンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、データ・ストリームに対するトラフィック・データを回復する。RXデータ・プロセッサ660による処理は、デバイス610におけるTX MIMOプロセッサ620及びTXデータ・プロセッサ614によって実行される処理を補完するものである。
【0067】
プロセッサ670は、どのプリコーディング行列を使用すべきかを定期的に判断する。プロセッサ670は、行列インデックス部とランク値部とを備える逆方向リンクメッセージを作成する。データメモリ672は、プロセッサ670またはデバイス650の他の構成要素によって使用されるプログラムコード、データ及び他の情報を記憶する。
【0068】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク及び/または受信データ・ストリームに関する様々なタイプの情報を備えることができる。次いで、逆方向リンクメッセージは、データ・ソース636からいくつかのデータ・ストリームのトラフィック・データをも受信するTXデータ・プロセッサ638によって処理され、変調器680によって変調され、トランシーバ654a〜654rによって調整され、デバイス610に戻される。
【0069】
デバイス610において、デバイス650からの変調信号は、アンテナ624a〜624tによって受信され、トランシーバ622a〜622tによって調整され、復調器(「DEMOD」)640によって復調され、RXデータ・プロセッサ642によって処理されて、デバイス650によって送信された逆方向リンクメッセージが抽出される。次いで、プロセッサ630は、ビーム形成重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用すべきかを判断し、次いで、抽出されたメッセージを処理する。
【0070】
図6はまた、通信構成要素が、干渉制御動作を実行する1つまたは複数の構成要素を含むことができることを示す。たとえば、干渉(「INTER」)制御構成要素690は、デバイス610のプロセッサ630及び/または他の構成要素と協働して、別のデバイス(たとえば、デバイス650)との間で信号を送信/受信することができる。同様に、干渉制御構成要素692は、プロセッサ670及び/またはデバイス650の他の構成要素と協働して、別のデバイス(たとえば、デバイス610)との間で信号を送信/受信することができる。各デバイス610及び650について、記載の構成要素の2つ以上の機能が単一の構成要素によって提供できることを諒解されたい。たとえば、単一の処理構成要素が干渉制御構成要素690及びプロセッサ630の機能を提供し、また、単一の処理構成要素が干渉制御構成要素692及びプロセッサ670の機能を提供することができる。
【0071】
図7では、開示するイノベーションの態様を示すシミュレーション仮定を用いたシナリオについて考える。本開示では、密集都市モデル700は、より小さいサイズの住戸704をもつ高層団地建築物702a、702bがある、人口密度の高いエリアに対応する。密集都市モデルについて以下で説明する。
【0072】
密集都市モデル700では、団地のブロックを、サイト間距離(ISD)1kmであるマクロ・セルレイアウトの3つの中心セル中にドロップする。各ブロックは、50m×50mで、
図7に示すように、(南及び北の)2つの建築物702a、702bと、建築物間の東西の街路706とからなる。街路の幅は10メートルである。各建築物はK階建てである。Kは、2〜6の間でランダムに選択される。各フロアには、5戸ずつ2列で10戸の住戸がある。各住戸は、10m×10m(すなわち、約1076平方フィート)であり、1メートル幅のバルコニーを有する。2つの隣接するブロック間の最小間隔は10mである。ホーム・ユーザ機器(HUE)(たとえば、フェムト・セル)がバルコニー中にある確率が10%であると仮定する。各セル中に2000戸の住戸をドロップし、これは1平方キロメートル当たり6928世帯に対応する。これは密集都市エリアを表す。ワイヤレス普及率(80%)、事業者普及率(30%)及びホーム・ベース・ノード(HNB)普及率(20%)などの様々なファクタを考慮に入れて、各セル中の2000戸のうちの96戸に同じ事業者のHNBが設置されていることを意味する4.8%のHNB普及率を仮定する。これらのうち、24個のHNBが同時にアクティブである(HUEが接続モードにある)。HNBがアクティブである場合、HNBは全電力において送信し、他の場合、HNBはパイロット・チャネル及びオーバーヘッドチャネルのみを送信する。
【0073】
また、複数のモバイル・ユーザ機器(MUE)を、MUEの30%が屋内にあるように、57セルマクロレイアウトの3つの中心セルにランダムにドロップする。さらに、UEとHNBとの間に38dBの最小経路損失をエンフォースする(すなわち、1メートル間隔)。密集都市モデルでは、3GPPマイクロ都市モデルは、UMTS 30.03(すなわち、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS),Requirements for the UMTS Terrestrial Radio Access System(UTRA)ETSI Technical Report、UMTS 30.03バージョン3.1.0、1997年11月)の屋外経路損失計算のために使用される。マイクロ都市モデルの自由空間成分は、次式によって与えられる。
【数2】
【0074】
他の伝搬モデル:干渉管理は、ホーム・ノードB(HNB)展開を可能にするために重要である。同時に、任意の干渉管理研究の結論は、基礎をなす伝搬モデルに大きく依存する。一態様では、HNB間干渉シナリオを研究するために有用であるHNB伝搬モデルについて説明する。別の態様では、HNBマクロ干渉問題を研究するためのHNBマクロ伝搬モデルについて説明する。
【0075】
HNB団地建築物モデル:HNB間干渉シナリオを研究するために、以下の団地モデルを提案する。フロア当たり25戸の住戸をもつ3階建て建築物について考える。住戸は、10m×10mであり、フロアごとに5×5格子状に隣り合わせに配置される。フロア間隔は4メートルであると仮定する。さらに、確率pで、各住戸にHNBがあると仮定する。この確率はHNB展開の密度を表す。HNBを有する住戸では、HNB及びHUEを最小間隔1メートルで住戸中にランダム及び一様にドロップする。次いで、以下のようにKeenan−Motleyモデルの変更バージョンを使用して、各ホームUE(HUE)からあらゆるHNBまでの伝搬損失を計算する。
【数3】
【0076】
上式で、
fはキャリア周波数(Hz)であり、
cは光速(m/s)であり、
dは送信機と受信機との間の距離(メートル)であり、
W
inは、(たとえば、住戸内の)内壁に対応する隔壁損失(dB)であり、
q
inは、送信機と受信機との間の内壁の総数を表すランダム変数であり、
W
exは、送信機と受信機との間の内壁の総数を表す隔壁損失であり、
q
exは、送信機と受信機との間の外壁の総数を表すランダム変数であり、
Fはフロア損失(dB)であり、
nは、送信機と受信機とを分離しているフロアの数である。
【0077】
隔壁損失、W
in、W
ex及びFは固定であると仮定し、q
in及びq
exは、住戸レイアウトにおけるばらつきを捕捉するためにランダムであると仮定する。送信機と受信機との間の壁の総数、q=q
in+q
exは、セット
【数4】
【0078】
から等確率で選択されたランダムな数である。ここで、d
wは最小壁間隔を表す。2つの隔壁間の平均距離が約2d
wに等しいことに留意されたい。qの値が与えられると、内壁と外壁の数は次のように計算される。送信機と受信機とが同じ住戸中にある場合は、q
in=q及びq
ex=0であり、送信機と受信機とが異なる住戸中にある場合は、q
ex=max(1[q/k])及びq
in=max(0,q−q
ex)である。ここで、kは外壁当たりの平均内壁数を表す。この団地モデルでは、kは10/d
wに等しい。上記パラメータのために提案された値を下記の表中に示す。
【表1】
【0079】
HNBマクロ伝搬モデル:HNBとマクロNB(MNB)との間の対話を研究するために、以下のHNBマクロモデルを提案する。サイズ12m×12mのM個のHNB家屋(すなわち、HNB家屋はHNBがある家屋である)を各マクロ・セル内にドロップする。HNBを各家屋内にランダム及び一様にドロップする。各HNBに対応して、確率p
HUEでHUEが家屋内にあり、確率1−p
HUEでHUEが屋外の庭にあるように、HUEをランダムにドロップする。(庭を含む)総宅地サイズは24m×24mであると仮定する。HNB家屋及びHUEをドロップするとき、家屋は重複せず、HUEは近隣家屋内にない。次いで、N個のマクロUE(MUE)を各マクロ・セル内にドロップする。MUEは確率p
MUEでマクロ家屋内にあると仮定し(すなわち、マクロ家屋は、HNB/HUEはないが、MUEはある家屋である)、その場合、そのUEに対してマクロ家屋をドロップする。マクロ家屋は、HNB家屋と同じサイズ(すなわち、12m×12m)を有する。家屋は重複せず、また、HUEはマクロ家屋内にない。ただし、MUEはHNB家屋内にあることを妨げられない。さらに、MUEとHNBとの間にX dBの最小経路損失をエンフォースする。言い換えれば、MUEが経路損失に関してHNBからX dBの範囲内にある場合は、MUEを再ドロップする。
【0080】
上記のモデルに基づいて、以下のセクションで説明するように、様々な伝搬損失を計算する。表2に、様々なシナリオの経路損失計算を要約する。
【表2】
【0081】
MUEからマクロ・ノードB(MNB)までの伝搬損失:(A)MUEが屋外にある場合、3GPP TR 25.896 v6.0.0の付属書類Aで説明するマクロ・セル伝搬モデル「Feasibility Study for Enhanced Uplink for UTRA FDD」を使用する。(B)MUEが屋内にある場合、3GPP TR 25.951 v7.0.0のセクション5.2.1「FDD Base Station (BS) classification」で説明する屋内屋外モデルと同様のモデルを使用することができる。より詳細には、MUEを、家屋の端に位置する4つの仮想UEに投影する。次いで、経路損失を次のように計算する。
【数5】
【0082】
上式で、PL
(v)macroはMNBから仮想UEまでの経路損失であり、RはMUEと仮想UEとの間の距離であり、qはMUEと仮想UEとの間の壁の総数であり、Wは5dBに設定された隔壁損失であり、aは0.8dB/mに等しい減衰係数であり、L
owは屋外浸透損失である。セクション2.1で説明するHNBモデルと同様に、qはセット
【数6】
【0083】
から等確率で選択されたランダムな数であり、ここで、d
wは同じく2mに設定されていると仮定する。さらに、L
owが確率0.8で10dBであり、窓を考慮するために確率0.2で2dBに等しいと仮定する。式(2)に従って4つの仮想UEの各々に対応する経路損失を計算し、最小の1つを選択する。
【0084】
HUEからMNBまでの伝搬損失:HUEからMNBまでの伝搬損失は、直前の説明と同様にして計算することができる。
【0085】
MUEからHNBまでの伝搬損失:(A)MUEがHNBと同じ家屋内にある場合は、式(1)を使用して経路損失を計算する。(B)MUEが屋外にある場合は、経路損失を次のように計算する。
【数7】
【0086】
上式で、PL
fsは、次式によって与えられる自由空間損失である。
【数8】
【0087】
ただし、dはMUEとHNBとの間の距離(メートル)である。ここで、qはMUEとHNBとの間の壁の総数であり、Wは隔壁損失であり、L
owは屋外浸透損失である。この場合、qは、セット
【数9】
【0088】
から選択されるランダムな数であり、ここで、
【数10】
【0090】
(C)MUEがHNBとは異なる家屋内にある場合は、経路損失を次のように計算する。
【数11】
【0091】
上式で、PL
fsは(4)によって与えられ、
【数12】
【0093】
は2つの家屋のための浸透損失であり、qはセット
【数14】
【0094】
から選択されたランダムな数である。ここで、
【数15】
【0097】
HUEからHNBまでの伝搬損失:HUEからHNBまでの伝搬損失は、直前の説明と同様にして計算することができる。
【0098】
ここまで、HNB間干渉及びHNBマクロ干渉の問題を研究するための特定の追加の伝搬モデルについて説明した。
【0099】
図8に示すプロット800に、密集都市についての、モバイル・ユーザ機器(MUE)から最も近いホーム・ベース・ノード(HNB)までの経路損失(PL)の累積密度関数(CDF)802を
図8に示す。
【0100】
較正HNB送信電力を用いたカバレージ分析:HNB送信電力の1つの値は、すべてのシナリオにおいて機能するわけではない。したがって、HNB送信電力は、HUE及びMUEのための許容できるパフォーマンスを提供するように適合される必要がある。HNB DL送信電力を選ぶためのガイドラインとして、以下のアルゴリズムを使用することができる。
【0101】
図9に、HUEがHNBにキャンプしたのかMNBにキャンプしたのか、またはHUEが別のキャリアに移動したかどうかを判断するための空きセル再選択プロシージャのための方法または動作のシーケンス900を示す。HUEが共有キャリア上でHNB及びMNBのパイロットを収集することが可能でない場合(ブロック904)、HUEは別のキャリアに移動する(ブロック902)。同様に、HUEが(たとえば、関連付けが制限された)近隣HNBに対して空きセル再選択を実行しようと試みて失敗した場合(ブロック906)、HUEは別のノードに移動する(ブロック904)。同様に、MUEがマクロパイロットを収集することができない場合、またはMUEがHNB(図示せず)に対して空きセル再選択を実行しようと試みた(失敗した)場合、MUEは別のキャリアに移動する。表3に、この分析において使用される代表的な空きセル再選択パラメータを要約する。これらのパラメータは、HUEが空きセル再選択を実行するとき、MNBよりもHNBに高い優先順位を与えるように設定されている(ブロック908)。ただし、HNB信号品質が良好であるときのみHNBへの空きセル再選択が行われるように、HNBに対して−19dBの最小CPICH Ec/Noをエンフォースする(ブロック910)。
【表3】
【0102】
図10に、本方法をコンピュータに実行させるために少なくとも1つのプロセッサによって実施され、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるアルゴリズム、または装置の構成要素とすることができる、HNB送信電力較正のための方法または動作のシーケンス1000を示す。各UEは、上述のような空きセル再選択プロシージャを実行する(ブロック1002)。HNBの送信電力を次のように判断する(ブロック1003)。各HNBは、他のベース・ノード(ノードB(MNB及びHNBを含む))のすべてからの総信号強度(すなわち、雑音(No))を測定する(ブロック1004)。各HNBはまた、最良のMNBからのパイロット強度(Ec)を測定する(ブロック1006)。これらの測定に基づいて、HNBはその送信電力を判断する(ブロック1008)。
【0103】
制約1:同じチャネル上でHNBからX1 dB離れて位置するMUEに対して−18dBのCPICH Ec/Noを維持する(すなわち、同一チャネル・マクロ・ユーザを保護する)(ブロック1010)。
【0104】
制約2:隣接チャネル上でHNBからX2 dB離れて位置するMUEに対して−18dBのCPICH Ec/Noを維持する(すなわち、隣接チャネル・マクロ・ユーザを保護する)(ブロック1012)。
【0105】
制約3:HNBからX3 dB離れた位置においてHUEのCPICH Ec/Noに対して−15dBの上限をエンフォースすることによって、HNBが他のものに対して不要な干渉を生じていないことを確認する(ブロック1014)。
【0106】
HNBがその送信電力の較正のためにそれ自体の測定を使用する場合、この誤差は、最適値に比較してより低いまたはより高い送信電力値を生じることがある。最悪の場合の誤差を防ぐ実際的な方法として、HNB送信電力に対して一定の上限及び下限をエンフォースする(ブロック1016)。
【0107】
要約すると、HNBは、制約1、2、及び3から取得される値の最小値を選び、値が許容範囲内(すなわち、PminとPmaxとの間)にあることを保証する(ブロック1018)。
【0108】
この部分では、UEのパフォーマンスは、上述の較正HNB送信電力アルゴリズムを用いて分析される。アルゴリズムでは、X1=X3=80dBに設定する。ここでは単一周波数同一チャネル展開を仮定するので、アルゴリズムにおける第2の制約は適用不可能である。表4及び表5に、較正HNB送信電力を用いた密集都市モデルについてのパイロット収集及び機能停止統計を示す。次の2つの場合を比較する。
【数17】
【表4】
【表5】
【0109】
また、HNB送信電力CDF1100、1200を、それぞれ
図11及び
図12に示す。
【0110】
密集都市モデルでは、有意な数のHNBが最小−10dBm送信電力にヒットすることがわかる(
図12)。最小HNB電力を0dBmに制限すると、マクロに対して有意なカバレージホールが生じる。表5に示すように、MUEの24%は、Tx電力が−10dBmである14%に比較してHNB Tx電力が0dBmである別の周波数に切り替わる。これは、マクロ・セル・ダウンリンクに対して生じるカバレージホールを制限するために、総HNB Tx電力の下限を0dBm未満に設定すべきであることを示唆している。当業者には理解されるように、これにより、CPICH電力レベルは、TS 25.331(すなわち、3GPP TS 25.331 v8.3.0、「Radio Resource Control (RRC);Protocol specification」)で指定された、現在UEにシグナリングできるプライマリCPICH Tx電力の最小値−10dBmを下回ることになる。
【0111】
本開示では、HUE及びMUEが同じキャリアを共有する同一チャネル展開における、マクロ・ダウンリンク・パフォーマンスに対して生じるカバレージホールへのHNB最小総Tx電力レベルの影響について研究した。HNB送信電力は、マクロに対するカバレージホールを制限するために、0dBを下回る必要があることを示した。これにより、CPICH Tx電力は−10dBmを下回ることがある。CPICH Tx電力は、RRCによってUEにシグナリングされ、UEによってノードBまでの経路損失を推定するために使用される。推定経路損失は、RACHの初期Tx電力を判断するためにUEによって使用される。
【数18】
【0112】
現在、UEにシグナリングできる最低CPICH電力レベルは、3GPP TS 25.331 v8.3.0、「Radio Resource Control (RRC); Protocol Specification」で指定された−10dBmである。HNB CPICH Tx電力が−10dBmを下回るとき、HUEが推定する経路損失(すなわち、プライマリCPICHTx電力−CPICH_RSCP)は実際の経路損失よりも高い。これにより、HUEによるTx電力は必要以上に高くなる。HUEのTx電力の増加は、アクセスを促進するが、同時にマクロアップリンクに対して不要な干渉を生じる。これを回避するために、HNBは、一定値パラメータを使用して、実際のCPICH Tx電力レベルと、HUEにシグナリングされたCPICH Tx電力レベルとの間の不一致を補償することができる。TS 25.331では、一定値パラメータの可能な範囲は[−35dB...−10dB]と指定されている。CPICH Tx電力の不一致に起因する推定経路損失の増加をオフセットするために、HUEにシグナリングされた一定値を所望のターゲットよりも低くすることができる。
【0113】
要約すると、マクロ・セル・ダウンリンクに対して生じるカバレージホールを制限するために、HNB合計Tx電力は0dBmを下回る必要があることがある。これにより、UEに現在シグナリングできる最低レベルである−10dBmを下回るHNB CPICH Tx電力が生じ、したがって、HUEによって推定される経路損失の誤差が生じることがある。しかしながら、HNBによってHUEにシグナリングされる、RACHの一定値パラメータを調整することによって、その不一致を補償することができる。
【0114】
上記により、一態様では、ワイヤレス通信システムにおいて動作可能である装置を提供する。第1の電力レベルにおいて送信されたパイロット・チャネル信号を受信するための手段を提供する。パイロット・チャネル信号が第2の電力レベルにおいて送信されたという指示を受信するための手段を提供し、第1の電力レベルと第2の電力レベルとは異なる。プリアンブル初期電力値を調整する際に使用される一定値を受信するための手段を提供する。一定値、第1の電力レベル、及び第2の電力レベルを使用して、プリアンブル初期電力値を調整するための手段を提供する。
【0115】
別の態様では、ワイヤレス通信システムにおいて使用される方法を提供する。第1の電力レベルにおいて送信されたパイロット・チャネル信号を受信する。パイロット・チャネル信号が第2の電力レベルにおいて送信されたという指示を受信し、第1の電力レベルと第2の電力レベルとは異なる。プリアンブル初期電力値を調整する際に使用される一定値を受信する。一定値、第1の電力レベル、及び第2の電力レベルを使用して、プリアンブル初期電力値を調整する。本方法を実行するように電子デバイスを構成することができる。本方法を実行するように構成された電子デバイスを提供することができる。
【0116】
追加の態様では、機械可読媒体は、機械によって実行されると、機械に、第1の電力レベルにおいて送信されたパイロット・チャネル信号を受信することと、パイロット・チャネル信号が第2の電力レベルにおいて送信されたという指示を受信することであって、第1の電力レベルと第2の電力レベルとが異なる、受信することと、プリアンブル初期電力値を調整する際に使用される一定値を受信することと、一定値、第1の電力レベル、及び第2の電力レベルを使用してプリアンブル初期電力値を調整することとを含む動作を実行させる命令を備える。
【0117】
図13を参照すると、規定範囲外の送信電力をシグナリングするためのシステム1300、特に限定加入者システムにおいて、アップリンク送信電力をダウンリンク上でシグナリングするためのシステム1300が示されている。たとえば、システム1300は、少なくとも部分的にユーザ機器(UE)内に常駐することができる。システム1300は、コンピューティング・プラットフォーム、プロセッサ、ソフトウェア、またはそれらの組合せ(たとえば、ファームウェア)によって実装される機能を表す機能ブロックを含むものとして表されていることを諒解されたい。システム1300は、連携して動作することができる電気構成要素の論理グルーピング1302を含む。たとえば、論理グルーピング1302は、電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるHUEのために所望されるターゲット送信電力レベルを判断するための電気構成要素1304を含むことができる。その上、論理グルーピング1302は、ターゲット・アップリンク送信電力レベルに最も近い、規定範囲内の値において電力コマンドをHUEに送信するための電気構成要素1306を含むことができる。論理グルーピング1302は、オフセット値に基づいてHUEに緩和信号を送信するための電気構成要素1308を含むことができる。論理グルーピング1302は、ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信するための電気構成要素1310を含むことができ、HUEは、緩和信号に従って電力コマンドからの送信電力を調整する。論理グルーピング1302は、その実際の送信電力が有効な範囲外で共通パイロット・チャネル(CPICH)電力を生じると判断するための電気構成要素1312を含むことができる。論理グルーピング1302は、CPICH電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信するための電気構成要素1314を含むことができる。論理グルーピング1302は、実際の送信電力に従って一定値を送信するための電気構成要素1316を含むことができる。論理グルーピング1302は、CPICH電力の値と一定値とに基づく実際の経路損失に従って、HUEからランダム・アクセス・チャネル(RACH)プリアンブルを受信するための電気構成要素1318を含むことができる。論理グルーピング1302は、実際の経路損失に基づいてハンドオーバ境界を設定するために、セル個別オフセット(CIO)の値を送信するための電気構成要素1320を含むことができる。論理グルーピング1302は、アップリンク受信を実際の感度に低減することによって干渉を緩和するための電気構成要素1322を含むことができる。論理グルーピング1302は、HUEに、RACHプリアンブルを実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータ(たとえば、アップリンク干渉、一定値など)を調整するための電気構成要素1324を含むことができる。論理グルーピング1302は、調整されたパラメータをHUEに送信するための電気構成要素1326を含むことができる。論理グルーピング1302は、ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための電気構成要素1328を含むことができる。さらに、システム1300は、電気構成要素1304〜1328に関連する機能を実行するための命令を保持するメモリ1330を含むことができる。メモリ1320の外部にあるものとして示されているが、電気構成要素1304〜1328の1つまたは複数は、メモリ1330の内部に存在することができることを理解されたい。
【0118】
図14に、規定範囲外の送信電力をシグナリングするための装置1402、特に限定加入者システムにおいて、アップリンク送信電力をダウンリンク上でシグナリングするための装置1402を示す。電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるHUEのために所望されるターゲット送信電力レベルを判断するための手段1404を提供する。ターゲット・アップリンク送信電力レベルに最も近い、規定範囲内の値において電力コマンドをHUEに送信するための手段1406を提供する。オフセット値に基づいてHUEに緩和信号を送信するための手段1408を提供する。ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信するための手段1410を提供し、HUEは、緩和信号に従って電力コマンドからの送信電力を調整する。有効範囲外の共通パイロット・チャネル(CPICH)電力を生じる実際の送信電力を判断するための手段1412を提供する。CPICH電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信するための手段1414を提供する。実際の送信電力に従って一定値を送信するための手段1416を提供する。CPICH電力の値と一定値とに基づく実際の経路損失に従って、HUEからランダム・アクセス・チャネル(RACH)プリアンブルを受信するための手段1418を提供する。実際の経路損失に基づいてハンドオーバ境界を設定するために、セル個別オフセット(CIO)の値を送信するための手段1420を提供する。アップリンク受信を実際の感度に低減することによって、干渉を緩和するための手段1422を提供する。HUEに、RACHプリアンブルを実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータ(たとえば、アップリンク干渉、一定値など)を調整するための手段1424を提供する。調整されたパラメータをHUEに送信するための手段1426を提供する。ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための手段1428を提供する。
【0119】
さらに、本明細書で開示される態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップを、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこの両方の組合せとして実装できることを当業者なら諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例及び全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0120】
本出願で使用する「構成要素」、「モジュール」、「システム」などの用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアなど、コンピュータ関連のエンティティを指すものとする。たとえば、構成要素は、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、及び/またはコンピュータとすることができるが、これらに限定されない。例として、サーバ上で実行されるアプリケーションと、そのサーバの両方を構成要素とすることができる。1つまたは複数の構成要素がプロセス及び/または実行スレッド内に常駐することができ、1つの構成要素を1つのコンピュータ上に配置し、及び/または2つ以上のコンピュータ間に分散することができる。
【0121】
「例示的」という単語は、本明細書では、例、事例、または例示の働きをすることを意味するために使用する。「例示的」として本明細書で説明するいかなる態様または設計も、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利なものと解釈すべきではない。
【0122】
様々な態様を、いくつかの構成要素やモジュールなどを含むシステムに関して提示する。様々なシステムは、追加の構成要素やモジュールなどを含んでもよく、及び/または各図に関連して論じる構成要素やモジュールなどのすべてを含まなくてもよいことを理解及び諒解されたい。これらの手法の組合せを使用することもできる。本明細書で開示する様々な態様は、タッチスクリーンディスプレイ技術及び/またはマウス及びキーボードタイプインターフェースを利用するデバイスを含む、電気デバイス上で実行できる。そのようなデバイスの例には、コンピュータ(デスクトップ及びモバイル)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、及びワイヤードとワイヤレスの両方の他の電子デバイスがある。
【0123】
さらに、本明細書で開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0124】
さらに、標準的なプログラミング及び/またはエンジニアリング技法を使用して、開示する態様を実装するようにコンピュータを制御するためのソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組合せを生成する方法、装置、または製造品として1つまたは複数のバージョンを実装することができる。本明細書で使用する「製造品」(または代替的に「コンピュータ・プログラム製品」)という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア、または媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含するものとする。たとえば、コンピュータ可読媒体は、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ...)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多目的ディスク(DVD)...)、スマートカード、及びフラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック)を含むことができるが、これらに限定されない。さらに、電子メールを送信及び受信する際またはインターネットもしくはローカルエリア・ネットワーク(LAN)などのネットワークにアクセスする際に使用される搬送波など、搬送波を使用して、コンピュータ可読電子データを搬送することができることを諒解されたい。もちろん、開示する態様の範囲から逸脱することなく、この構成に対して多数の改変を行うことができることを当業者ならば認識するであろう。
【0125】
本明細書で開示する態様に関して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている他の形態の記憶媒体に存在してよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読むことができ、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサ及び記憶媒体はASIC中に常駐することができる。ASICは、ユーザ端末内に常駐することができる。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末内に個別構成要素として常駐することもできる。
【0126】
開示された態様の前述の説明は、当業者が本開示を実施または使用できるようにするために提供されるものである。これらの態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で示した実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理及び新規の特徴に一致する最も広い範囲を与られるべきである。
【0127】
上記で説明した例示的なシステムに鑑みて、開示した主題に従って実装できる方法について、いくつかの流れ図を参照しながら説明した。説明を簡単にするために、方法を一連のブロックとして図示及び説明したが、いくつかのブロックは本明細書で図示及び説明したブロックとは異なる順序で、及び/または他のブロックと同時に、行うことができるので、主張する主題はブロックの順序によって限定されないことを理解及び諒解されたい。さらに、本明細書に記載の方法を実装するために、図示したすべてのブロックが必要とされるわけではない。さらに、本明細書で開示した方法は、そのような方法をコンピュータに移送及び転送することを可能にするために製造品に記憶することが可能であることをさらに諒解されたい。本明細書で使用する製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア、または媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含するものとする。
【0128】
全体的または部分的に、参照により本明細書に組み込まれると言われる任意の特許、公報、または他の開示資料は、その組み込まれる資料が本開示で説明した既存の定義、記述、または他の開示資料と競合しない限り、本明細書に組み込まれることを諒解されたい。したがって、必要な限り、本明細書で明示的に説明した開示は、参照により本明細書に組み込まれる任意の競合する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれると言われるが、本明細書で説明した既存の定義、記述、または他の開示資料と競合する、いかなる資料またはその部分も、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間に競合が生じない限り、組み込まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] アップリンクのための送信電力レベルを正確に設定するために、調整されたパラメータをダウンリンク上でシグナリングするための方法であって、
電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるユーザ機器のために所望されるターゲット送信電力レベルを判断する行為と、
前記ターゲット送信電力レベルに最も近い、前記規定範囲内の値において電力コマンドを送信する行為と、
前記オフセット値に基づいて緩和信号を送信する行為と、
前記ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信する行為と
を実施するためにコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを採用することを備え、
前記ユーザ機器が、前記緩和信号に従って前記電力コマンドからのその送信電力を調整する方法。
[C2] 前記ダウンリンクチャネルが共通パイロット・チャネルを備え、前記方法が、
前記規定範囲を下回る前記ターゲット送信電力レベルを判断することと、
ターゲット送信電力レベルに従って一定値を設定することによって、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信することと、
実際の経路損失に従ってランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信することと、
をさらに備えるC1に記載の方法。
[C3] ハンドオーバ境界が実際の経路損失に基づくことを保証するために、セル個別オフセットの値を設定することによって、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信すること、
をさらに備えるC2に記載の方法。
[C4] アップリンク干渉を緩和するために、前記アップリンク・チャネルの受信感度を前記規定範囲外にある実際の感度レベルに低下させることと、
前記ユーザ機器に、そのランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを実際の感度レベルに対応する送信電力レベルにおいて送信させるために、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信することと、
をさらに備えるC1に記載の方法。
[C5] Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従って前記電力コマンド及び前記緩和信号を送信することをさらに備えるC1に記載の方法。
[C6] 前記ユーザ機器を限定加入者システムの一部として認証することをさらに備えるC1に記載の方法。
[C7] アップリンクのための送信電力レベルを正確に設定するために、調整されたパラメータをダウンリンク上でシグナリングするためのコンピュータ・プログラム製品であって、 少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるユーザ機器のために所望されるターゲット送信電力レベルを判断するためのコードの第1のセットと、
前記ターゲット送信電力レベルに最も近い、前記規定範囲内の値において電力コマンドを送信するためのコードの第2のセットと、
前記オフセット値に基づいて緩和信号を送信するためのコードの第3のセットと、
前記ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信するためのコードの第4のセットと、
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を備え、
前記ユーザ機器が、前記緩和信号に従って前記電力コマンドからのその送信電力を調整するコンピュータ・プログラム製品。
[C8] アップリンクのための送信電力レベルを正確に設定するために、調整されたパラメータをダウンリンク上でシグナリングするための装置であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるユーザ機器のために所望されるターゲット送信電力レベルを判断するための手段と、
前記ターゲット送信電力レベルに最も近い、前記規定範囲内の値において電力コマンドを送信するための手段と、
前記オフセット値に基づいて緩和信号を送信するための手段と、
前記ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信するための手段と、
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体と、を備え、
前記ユーザ機器が、前記緩和信号に従って前記電力コマンドからのその送信電力を調整する装置。
[C9] アップリンクのための送信電力レベルを正確に設定するために、調整されたパラメータをダウンリンク上でシグナリングするための装置であって、
電力コマンドの規定範囲からオフセット値だけ外にあるユーザ機器のために所望されるターゲット送信電力レベルを判断するためのコンピューティング・プラットフォームと、 前記ターゲット送信電力レベルに最も近い、前記規定範囲内の値において電力コマンドを送信し、前記オフセット値に基づいて緩和信号を送信するための送信機と、
前記ターゲット送信電力レベルにおいてアップリンク・チャネルを受信するための受信機と、を備え、
前記ユーザ機器が、前記緩和信号に従って前記電力コマンドからのその送信電力を調整する装置。
[C10] 前記ダウンリンクチャネルが共通パイロット・チャネルを備え、
前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、前記規定範囲を下回る前記ターゲット送信電力レベルを判断するためのものであり、
前記送信機が、さらにターゲット送信電力レベルに従って一定値を設定することによって、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信するためのものであり、
前記受信機が、さらに実際の経路損失に従ってランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するためのものである、
C9に記載の装置。
[C11] 前記送信機がさらに、ハンドオーバ境界が実際の経路損失に基づくことを保証するために、セル個別オフセットの値を設定することによって、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信するためのものであるC10に記載の装置。
[C12] 前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、アップリンク干渉を緩和するために、前記アップリンク・チャネルの受信感度を前記規定範囲外にある実際の感度レベルに低減させるためのものであり、
前記送信機がさらに、前記ユーザ機器に、そのランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを実際の感度レベルに対応する送信電力レベルにおいて送信させるために、前記オフセット値に基づいて前記緩和信号を送信するためのものであるC9に記載の装置。
[C13] 前記送信機がさらに、Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従って前記電力コマンド及び緩和信号を送信するためのものであるC9に記載の装置。
[C14] 前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、前記ユーザ機器を限定加入者システムの一部として認証するためのものであるC9に記載の装置。
[C15] 有効範囲外の共通パイロット・チャネル電力を生じる実際の送信電力を判断する行為と、
共通パイロット・チャネル電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信する行為と、
前記実際の送信電力に従って一定値を送信する行為と、
共通パイロット・チャネル電力の前記値と前記一定値とに基づく実際の経路損失に従って、ユーザ機器からランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信する行為と
を実施する、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを採用すること、
を備える方法。
[C16] 前記実際の経路損失に基づいてハンドオーバ境界を設定するために、セル個別オフセットの値を送信することをさらに備えるC15に記載の方法。
[C17] Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従ってシグナリングすることをさらに備えるC15に記載の方法。
[C18] 前記ユーザ機器を限定加入者システムの一部として認証することをさらに備えるC15に記載の方法。
[C19] 少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
有効範囲外の共通パイロット・チャネル電力を生じる実際の送信電力を判断するためのコードの第1のセットと、
共通パイロット・チャネル電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信するためのコードの第2のセットと、
前記実際の送信電力に従って一定値を送信するためのコードの第3のセットと、
共通パイロット・チャネル電力の前記値と前記一定値とに基づく実際の経路損失に従って、ユーザ機器からランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するためのコードの第4のセットと、
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を備える、コンピュータ・プログラム製品。
[C20] 少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
有効範囲外の共通パイロット・チャネル電力を生じる実際の送信電力を判断するための手段と、
共通パイロット・チャネル電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信するための手段と、
前記実際の送信電力に従って一定値を送信するための手段と、
共通パイロット・チャネル電力の前記値と前記一定値とに基づく実際の経路損失に従って、ユーザ機器からランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための手段と、
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体とを備える装置。
[C21] 有効範囲外の共通パイロット・チャネル電力を生じる実際の送信電力を判断するためのコンピューティング・プラットフォームと、
共通パイロット・チャネル電力の値をダウンリンク上で最低有効値において送信し、前記実際の送信電力に従って一定値を送信するための送信機と、
共通パイロット・チャネル電力の前記値と前記一定値とに基づく実際の経路損失に従って、ユーザ機器からランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための受信機と、
を備える装置。
[C22] 前記送信機がさらに、前記実際の経路損失に基づいてハンドオーバ境界を設定するために、セル個別オフセットの値を送信するためのものであるC21に記載の装置。
[C23] 前記送信機がさらに、Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従って送信するためのものであるC21に記載の装置。
[C24] 前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、前記ユーザ機器を限定加入者システムの一部として認証するためのものであるC21に記載の装置。
[C25] アップリンク受信を実際の感度に低減することによって、干渉を緩和する行為と、
ユーザ機器に、ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを前記実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータを調整する行為と、
前記パラメータを前記ユーザ機器に送信する行為と、
前記ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信する行為と
を実施する、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを採用すること、
を備える方法。
[C26] アップリンク干渉の前記パラメータを調整することをさらに備えるC25に記載の方法。
[C27] 一定値の前記パラメータを調整することをさらに備えるC25に記載の方法。
[C28] Third Generation Partnership Project(3GPP)通信規格に従って前記パラメータを送信することをさらに備えるC25に記載の方法。
[C29] 少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
アップリンク受信を実際の感度に低減することによって、干渉を緩和するためのコードの第1のセットと、
ユーザ機器に、ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを前記実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータを調整するためのコードの第2のセットと、
前記パラメータを前記ユーザ機器に送信するためのコードの第3のセットと、
前記ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するためのコードの第4のセットと、
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を備える、コンピュータ・プログラム製品。
[C30] 少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、
アップリンク受信を実際の感度に低減することによって干渉を緩和するための手段と、 ユーザ機器に、ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを前記実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータを調整するための手段と、
前記パラメータを前記ユーザ機器に送信するための手段と、
前記ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための手段と
を備える構成要素を実装するコンピュータ実行可能命令を記憶する少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体と、
を備える装置。
[C31] アップリンク受信を実際の感度に低減することによって、干渉を緩和するため、及びユーザ機器に、ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを前記実際の感度に対応する値において送信させるために、パラメータを調整するためのコンピューティング・プラットフォームと、
前記パラメータを前記ユーザ機器に送信するための送信機と、
前記ランダム・アクセス・チャネル・プリアンブルを受信するための受信機と、
を備える装置。
[C32] 前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、アップリンク干渉の前記パラメータを調整するためのものであるC31に記載の装置。
[C33] 前記コンピューティング・プラットフォームがさらに、一定値の前記パラメータを調整するためのものであるC31に記載の装置。
[C34] 前記送信機がさらに、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)通信規格に従って前記パラメータを送信するためのものであるC31に記載の装置。