特許第5940522号(P5940522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940522
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】プリンタ組立体
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20160616BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B41J29/00 A
   B41J2/01 301
   B41J2/01 305
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-513629(P2013-513629)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2013-533133(P2013-533133A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2011059129
(87)【国際公開番号】WO2011154307
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】10165693.2
(32)【優先日】2010年6月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593016732
【氏名又は名称】オセ−テクノロジーズ ビーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンド,アンネ アー.
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−103717(JP,A)
【文献】 特開2004−284791(JP,A)
【文献】 特開平02−067139(JP,A)
【文献】 特開2003−127484(JP,A)
【文献】 特開2006−175860(JP,A)
【文献】 特開2006−103330(JP,A)
【文献】 特開2005−059598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面に配置されるように構成されたプリンタ組立体であって、
媒体排出ステーションと、
媒体投入ステーションと、
移動可能に構成された要素を有する印刷ステーションと、を有し、
前記プリンタ組立体は、第1の端部と第2の端部との間に垂直に延び、前記プリンタ組立体は、前記第1の端部で前記支持面に支持されるように構成され、
前記媒体排出ステーション、前記媒体投入ステーション、および前記印刷ステーションは、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記支持面に対して垂直に延びる線に沿って積み重ねられる方法で配置され、
前記印刷ステーションは、前記媒体排出ステーションより前記第1の端部の近くにかつ前記媒体投入ステーションより前記第1の端部の近くに配置され、
前記移動可能に構成された要素の移動の水平成分が、前記移動の垂直成分より大きい
プリンタ組立体。
【請求項2】
前記媒体排出ステーションは、前記第1の端部とユーザ相互作用位置における前記第2の端部との間に延びる前記線に沿って配置される、
請求項1に記載のプリンタ組立体。
【請求項3】
前記プリンタ組立体は媒体移送ユニットをさらに有し、前記媒体移送ユニットは、前記印刷ステーションから前記媒体排出ステーションに媒体を移送するように構成される、
請求項1に記載のプリンタ組立体。
【請求項4】
前記媒体移送ユニットは、前記媒体を前記媒体排出ステーションに向かって案内するための媒体案内手段を有する、
請求項3に記載のプリンタ組立体。
【請求項5】
前記媒体移送ユニットは、前記媒体に掛かるためのおよび前記媒体を前記媒体排出ステーションに向かって移送するためのニップを有する、
請求項3に記載のプリンタ組立体。
【請求項6】
前記ニップが、
前記印刷ステーションの排出ターミナルで前記媒体の一部に掛かり、
前記媒体排出ステーションの投入ターミナルに移動しながら、前記媒体を保持し、
前記媒体排出ステーションの前記投入ターミナルで前記媒体の一部を解放する、ように構成されるように、
前記ニップは、前記印刷ステーションの前記排出ターミナルから前記媒体排出ステーションの前記投入ターミナルに移動するように移動可能に構成される、
請求項5に記載のプリンタ組立体。
【請求項7】
前記媒体排出ステーションは、いくつかの印刷された媒体を積み重ねて受けるとともに、前記積み重ねの中のそれぞれの前記印刷された媒体の前縁を所定の排出位置に位置決めするように構成され、前記所定の排出位置はそれぞれの用紙サイズによって決まる、
請求項1に記載のプリンタ組立体。
【請求項8】
前記プリンタ組立体はオリジナル画像媒体をスキャンするためのスキャン装置をさらに有し、前記スキャン装置は前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる前記線上に配置され、前記印刷ステーションは、前記スキャン装置より前記第1の端部の近くに配置される、
請求項1に記載のプリンタ組立体。
【請求項9】
前記プリンタ組立体はオリジナル画像媒体をスキャンするためのスキャン装置をさらに有し、前記スキャン装置は前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる前記線上かつ前記印刷ステーションより前記第2の端部の近くに配置され、
前記媒体移送ユニットはさらに、前記オリジナル画像媒体を受けるとともに前記オリジナル画像媒体を前記媒体排出ステーションに移送するように構成される、
請求項3に記載のプリンタ組立体。
【請求項10】
前記媒体排出ステーションは、いくつかの媒体を積み重ねて受けるとともに、前記積み重ねの中のそれぞれの前記媒体の前縁を所定の排出位置に位置決めするように構成され、
前記所定の排出位置は、前記媒体の種類によって決まり、前記種類は、前記印刷ステーションから出てくる印刷された媒体および前記スキャン装置から出てくるオリジナル画像媒体を含む一群の種類から選択される、
請求項9に記載のプリンタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してプリンタ組立体、特に移動可能に構成された要素を有するプリンタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のプリンタ組立体は、支持面、例えば床または専用の取付構造の表面に取り付けられるとともに、例えば、記録媒体上の画像に関して例えばインク等の記録物質の液滴を噴射するために記録媒体に沿って移動するプリントヘッドキャリッジ等の移動要素を有する。
【0003】
記録媒体は、媒体投入ステーションから、記録物質が記録媒体上に供給される印刷ステーション、通常印刷ステーションと組み合わされる媒体排出ステーションへ移送される。移送中、媒体は、結果として生じる印刷画像の良好な画像品質を得るように印刷アーチファクトを防ぐために、印刷ステーションのプリントヘッドと位置合わせされる必要がある。
【0004】
例えば特許文献1に開示されているような既知のプリンタ組立体、特に、例えば16インチ以上の幅を有するロールで供給される記録媒体に印刷するのに適した既知の大判プリンタ組立体では、媒体投入ステーションおよび印刷ステーションは、プリンタ組立体が比較的小さい設置面積を有することをもたらすために、印刷ステーションが上で、互いに上下に配置され、したがって最小の床面積を使用する。印刷ステーションは、印刷媒体を取るための、快適なユーザ相互作用位置、すなわち、腰を曲げるまたはつま先で立つ必要がない、または他の望ましくない運動をする必要がないような位置でユーザが印刷媒体を取り得るように、上部に配置される。
【0005】
媒体のプリントヘッドに対するアライメントを維持するために、既知のプリンタ組立体のフレーム構造の少なくとも一部は、プリントヘッドキャリッジの移動によって生じる慣性力がこのアライメントを乱さないように、通常、比較的硬く作られ、結果的に比較的高価な構造をもたらす。例えば特許文献1に記載されたような他のやり方では、特定の二つ折り構造のフレーム構造が、記録媒体およびプリントヘッドのミスアラインメントを防ぐために設計される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許公開第1674281号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フレーム構造が費用効果的に作られ得るプリンタ組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、プリンタ組立体は、媒体排出ステーション、媒体投入ステーション、および移動可能に構成された要素を有する印刷ステーションを有する。プリンタ組立体は、第1の端部と第2の端部との間に実質的に垂直に延びるとともに、媒体排出ステーション、媒体投入ステーション、および印刷ステーションは、第1の端部と第2の端部との間の線に沿って配置される。第1の端部は、支持面に支持されるように構成される一方、印刷ステーションは、媒体排出ステーションより第1の端部の近くにかつ媒体投入ステーションより第1の端部の近くに配置される。
【0009】
移動可能に構成された要素の移動方向は、少なくとも実質的な水平成分を有する、すなわち、第1の端部と第2の端部との間に延びる実質的に垂直な線と平行でないことが機能的に意図される。特に、水平成分は、水平成分が移動要素の慣性のためにプリンタ組立体の潜在的な実質的な移動をもたらす場合に、実質的であるとみなされ得る。いずれにせよ、水平成分は、移動の水平成分が移動の垂直成分より大きい場合に、少なくとも実質的である。
【0010】
本明細書で使用される「実質的に垂直に延びる」の句は、分離したモジュール/ステーションが他のモジュール/ステーションより高くまたは低く配置される配置を示すとともに、他のモジュール/ステーションの上または下の比較的大きい部分に関して、互いに正確に上であるおよび/または正確に直線上にある必要はないことが留意される。基本的に、垂直に延びるプリンタ組立体は、分離したモジュール/ステーションを実質的に垂直に配置することによって比較的小さい設置面積を提供することを目的としている。
【0011】
プリンタ組立体は支持面に取り付けられる。通常、プリンタ組立体は、プリンタ組立体が動くことができないように支持面に配置され、したがって、プリンタ組立体のフレーム構造は、支持面の支持点に(静止して)固定されたと推定される。上述の既知の、すなわち従来技術の、プリンタ組立体では、特に、比較的重印刷ステーションのプリントヘッドが、プリンタ組立体の上部に配置されている。フレーム構造の第1の端部での、すなわち支持面での固定および比較的大きい移動質量、特に、第2の端部でのプリントヘッドキャリッジの結果として、フレーム構造全体が移動質量の動きとともに変形する傾向がある。フレーム構造のこのような変形を防ぐために、従来技術では、フレームが上述のように硬く作られている。
【0012】
本発明では、移動要素は、第1の端部の近く、すなわち、支持面に支持された端部の近くに配置され、上述のように固定される。固定点と移動質量との間の比較的小さい距離のために、変形は、あったとしても小さく保たれる。さらに、第2の端部に移動する質量が無いので、印刷ステーションから第2の端部に延びるフレーム構造の一部は実質的に変形しない。したがって、印刷ステーションと媒体排出ステーションおよび/または媒体投入ステーションとの間に延びるフレーム構造の一部は、非常に硬くされる必要はなく、より費用効果的なフレーム構造を使用することができる。
【0013】
プリンタ組立体を床に配置することは一般的な方法であるが、本発明による垂直に配置されたプリンタ組立体は、天井面にも取り付けられ得る。このような実施形態では、移動可能に構成された要素を有する印刷ステーションは、プリンタ組立体が使用可能であるとき、ぶら下がるプリンタ組立体が揺れはじめないように、第1の端部(第1の端部は天井面に近い端部である)の近くに設けられるべきである。
【0014】
さらに、印刷ステーションは、媒体投入ステーションおよび媒体排出ステーションより第1の端部の近くにあり、フレーム構造の如何なる変形も第1の端部と印刷ステーションとの間のフレーム構造に限定されることをもたらすことが主張され、これは印刷ステーションから第2の端部に延びるプリンタ組立体の一部のためのフレーム構造がより硬くなくなることを可能にする一方、当然ながら得られる印刷画像の適切な印刷品質を得るために望まれる、記録媒体と印刷ステーションとのアライメントを維持する。印刷ステーションが、第1の端部の近くに、より好ましくはできる限り第1の端部の近くに配置されるとき、このような位置決めは全体としてフレーム構造の要件を最小化するので、特に、良好かつ費用効果的な結果が得られる。
【0015】
ある実施形態では、媒体排出ステーションおよび媒体投入ステーションは、第1の端部から第2の端部に延びる線上にそれぞれ配置される。これは、媒体排出ステーションおよび媒体投入ステーションが上下に配置されることを意味する。このような配置は、プリンタ組立体の小さい設置面積をもたらす。
【0016】
ある実施形態では、媒体排出ステーションは、第1の端部とユーザ相互作用位置(ユーザやりとり位置)における第2の端部との間に延びる線上に配置される。比較的大きいプリンタ組立体、例えば、上述のような大判プリンタ組立体では、ユーザはシンプルで快適に組立体と相互作用(やりとり)をすることが望ましい。ユーザとプリンタ組立体との間の非常に一般的な、恐らく最も実行されている相互作用は、印刷された媒体の回収である。ユーザは通常、印刷ジョブをコンピュータからプリンタに送り、印刷された媒体は次に媒体排出ステーションから回収される。したがって、この実施形態では、媒体排出ステーションはユーザ相互作用位置に配置される。このユーザ相互作用位置は、媒体排出ステーションが、ほとんどのユーザが印刷された媒体を回収するために屈むまたは背伸びする必要がないように配置されることを意味する。特に、プリンタ組立体が床に支持され、ユーザがプリンタ組立体まで歩くとともに立った姿勢で印刷された媒体を回収することが意図されている場合、ユーザ相互作用位置は、約0.75mから約1.5mまでの床の上の高さ、好ましくは約0.9mから約1.1mの高さ、さらに好ましくは約1mの高さに配置され得る。
【0017】
ある実施形態では、プリンタ組立体はさらに媒体移送ユニットを有し、媒体移送ユニットは、印刷ステーションから媒体排出ステーションに媒体を移送するように構成される。印刷ステーションによって印刷されている媒体は、印刷ステーションから媒体排出ステーションに移送されることになる。印刷ステーションおよび媒体排出ステーションは離間され得るので、ある実施形態では、特定の媒体移送ユニットがこのような移送を実行するために設けられ得る。媒体移送ユニットは、媒体を移送するために任意の適切な要素を使用する任意の適切な方法を実行し得る。例えば、媒体移送ユニットは、ローラ、案内部、ベルト、(空気)圧力制御装置または他の適切な搬送手段を有し得る。
【0018】
本出願に記載されるとともに特許請求の範囲に記載されている媒体移送ユニットは、印刷された媒体をプリンタ組立体に配置された媒体排出ステーションに移送するために使用され得る。しかし、媒体移送ユニットはまた、印刷された媒体を、例えば、折畳み装置等の外部仕上げステーションへ移送するように構成され得るとともに移送するのに適合され得る。媒体移送ユニットは、印刷された媒体を媒体排出ステーションまたは外部仕上げステーションのみに送るように構成され得る、或いは、印刷された媒体を、例えばユーザの選択に応じていくつかのステーションの1つに移送するように構成され得る。
【0019】
特定の実施形態では、媒体移送ユニットは、媒体を排出ステーションに向かって案内するための媒体案内手段を有する。印刷された媒体は印刷ステーションによって送られるので、媒体は印刷ステーションから押し出されるとともに印刷ステーションから遠ざけられる。案内レール、案内ローラ等のような適切な案内手段を使用することで、媒体は媒体排出ステーションに向かって案内され得る。
【0020】
他の特定の実施形態では、媒体移送ユニットは、媒体に掛かる(係合する)ためのおよび媒体を媒体排出ステーションに向かって移送するためのニップを有する。本出願で使用される用語「ニップ」は、印刷された媒体を移送するのに適した任意の適切な締め付け構造を意味することに留意されたい。ニップを有する、場合によっては(他の)案内手段も有するこのような実施形態では、ニップは、印刷された媒体の一部を受け入れるとともにこの部分に掛かるように構成される。ニップが印刷された媒体に掛かるための2つのローラを有する場合、この2つのローラの少なくとも1つが駆動され、印刷された媒体はこのニップを通って移送され得る。特定の実施形態では、ニップが、
・印刷ステーションの排出ターミナルで媒体の一部に掛かり;
・排出ステーションの投入ターミナルに移動しながら、媒体を保持し;
・排出ステーションの投入ターミナルで媒体の一部を解放する;
ように構成されるように、ニップは、印刷ステーションの排出ターミナルから排出ステーションの投入ターミナルに移動するように移動可能に構成される。
【0021】
したがって、このような実施形態では、ニップは、例えば、締め付けることおよび移動することによって、印刷ステーションの排出ターミナルから、すなわち印刷された媒体が排出される印刷ステーションの位置から、排出ステーションの媒体投入ターミナルに、すなわち印刷された媒体がユーザへの引渡しのために排出される媒体排出ステーションの位置に、印刷された媒体を引っ張るまたは押し得る。
【0022】
ある実施形態では、排出ステーションは、いくつかの印刷された媒体を積み重ねて受けるとともに積み重ねの中のそれぞれの印刷された媒体の前縁を所定の排出位置に位置決めするように構成され、所定の排出位置はそれぞれの用紙サイズによって決まる。このような実施形態では、ユーザは、例えば、他のユーザの印刷ジョブによる、印刷された媒体の積み重ねから彼の印刷ジョブによる印刷された媒体を容易に回収することができる。従来技術では、全ての印刷された媒体は、それらのサイズにかかわらず、それらの前縁が同じ位置にある単一の積み重ねの上に排出されるので、小さい紙を覆い隠す一方、この実施形態では、小さい紙の前縁は、例えば大きい紙の前縁よりユーザに近い位置に位置決めされ得る。したがって、小さい紙は、積み重ねから容易に回収され得る。この排出方法の使用は、本発明によるプリンタ組立体での使用に限定されるものではなく、如何なるプリンタ組立体にも有利に利用され得ることが留意される。
【0023】
ある実施形態では、プリンタ組立体はさらに媒体投入ステーションを有し、媒体投入ステーションは、第1の端部と第2の端部との間に延びる線上に配置される。このような媒体投入ステーションは、印刷されていない媒体の積み重ねを保持するように構成される、および/または媒体のロールを保持するように構成され得る、および/または一枚の紙等の単一の媒体を受け入れるように構成され得る、および/または他の適切な媒体投入手段を有し得る。いずれにしても、媒体投入ステーションは、印刷ステーションと媒体排出ステーションの間に配置され得る、または媒体投入ステーションは、媒体排出ステーションより第2の端部の近くに配置され得る。好ましくは、印刷ステーションは、上述のように移動要素の移動によるフレームの変形をできるだけ小さくするために、媒体投入ステーションより第1の端部の近くにある。さらに、ユーザは、印刷ステーションより媒体排出ステーションとより多く相互作用を持つことが推定され得る。したがって、媒体投入ステーションを印刷ステーションより、上で定められたユーザ相互作用位置に近づけることが望ましくなり得る。
【0024】
ある実施形態では、プリンタ組立体はオリジナル画像媒体をスキャンするためのスキャン装置をさらに有し、スキャン装置は第1の端部と第2の端部との間に延びる線上に配置される。
【0025】
ある実施形態では、プリンタ組立体はオリジナル画像媒体をスキャンするためのスキャン装置をさらに有し、スキャン装置は第1の端部と第2の端部との間に延びる線上に配置され、媒体移送ユニットはさらに、オリジナル画像媒体を受けるとともにオリジナル画像媒体を媒体排出ステーションに移送するように構成される。特定の実施形態では、排出ステーションは、いくつかの媒体を積み重ねて受けるとともに、積み重ねの中のそれぞれ媒体の前縁を所定の排出位置に位置決めするように構成され、所定の排出位置は、媒体の種類によって決まり、この種類は印刷ステーションから出てくる印刷された媒体およびスキャン装置から出てくるオリジナル画像媒体を含む一群の種類から選択される。
【0026】
本発明のさらなる適用範囲は、以後与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、本発明の範囲内の様々な変更および修正が当業者にこの詳細な説明から明らかになるであろうから、詳細な説明および特定の例は、本発明の実施形態を示しているが、例示のみのために与えられていることが理解されるべきである。
【0027】
本発明は、例示のみを目的として与えられ、したがって本発明を限定するものではない、以下に与えられる詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、走査型インクジェット印刷プロセスの概略図である。
図2図2は、本発明によるプリンタ組立体の第1の実施形態を概略的に示す。
図3A図3Aは、図2によるプリンタ組立体内の記録媒体を移送するための例示の方法を示す。
図3B図3Bは、図2によるプリンタ組立体内の記録媒体を移送するための例示の方法を示す。
図3C図3Cは、図2によるプリンタ組立体内の記録媒体を移送するための例示の方法を示す。
図3D図3Dは、図2によるプリンタ組立体内の記録媒体を移送するための例示の方法を示す。
図4図4は、プリンタ組立体の排出ステーションに記録媒体を排出するための例示の方法を示す。
図5A図5Aは、図4に示された方法を実行するように構成された媒体排出ステーションの実施形態の側面図を示す。
図5B図5Bは、図4に示された方法を実行するように構成された媒体排出ステーションの実施形態の上面図を示す。
図6図6は、図2によるプリンタ組立体にオリジナル媒体を供給する例示の方法を示す。
図7図7は、積み重ね可能なモジュールを有する本発明によるプリンタ組立体の第2の実施形態を示す。
図8図8は、積み重ね可能なモジュールを有する本発明によるプリンタ組立体の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、ここに添付の図面を参照して記載され、同じ参照番号がいくつかの図面にわたって同じまたは同様の要素を識別するために使用されている。さらに、図面は本発明を示すことを目的とすることが留意される。したがって、明確さのために、ある構造要素、例えば支持構造は、省略され得るが、このような要素は実際には必要とされ得る。当業者は、このような要素の省略を認識するとともに、このような要素を現実的な実施形態において提供することができる。
【0030】
図1は走査型インクジェットプリンタ1の典型的な構成を概略的に示す。インクジェットプリンタ1は、いくつかのマルチノズルプリントヘッド2a−2dを有し、それぞれのプリントヘッドは、例えば、シアン、マゼンタ、黄、黒等それぞれの色のインクを備える。プリントヘッド2a−2dは、少なくとも1つの案内レール4に案内されるキャリッジ3に取り付けられる。動作中、キャリッジ3は案内レール4に沿って行き来する。キャリッジ3の動きは、方向Bにおいて記録媒体10(例えば紙)に実質的に平行であるので、画像の帯(すなわち、通常複数の平行な点線を含む画像の細長い片)がプリントヘッド2a−2dの各通過で媒体10に印刷される。
【0031】
記録媒体10が取り付けられる送りローラ6を有する媒体支持ユニット5が設けられる。媒体支持ユニット5は、回転手段、例えば、送りローラ6の軸(図示せず)に取り付けられたウォームホイールを有する。ウォーム(図示せず)は、ウォームホイールと噛み合うように取り付けられるとともに、電気モータ(図示せず)によって駆動される。送りローラ6が矢印Aの方向に回転するとき、記録媒体10はプリントヘッド2a−2dに対して矢印Cによって示された方向に進められる。方向Cは、一般にプリンタ1の副走査方向と呼ばれ、方向Bは一般に主走査方向、すなわち、プリントヘッド2a−2dが行き来する方向、と呼ばれる。カメラ(図示せず)が、記録媒体10上の領域、例えば、印刷品質管理のためにインクのドットをちょうど備える領域を撮像するために、キャリッジ3に取り付けられ得る。
【0032】
プリンタ制御ユニット(図示せず)は、プリントヘッド2a−2dを支えるキャリッジ3が記録媒体10を横切る通過を実行するとすぐに、記録媒体10を必要な長さだけ前進させるように送りローラ6を制御することができ、この通過の間、プリントヘッド2a−2dは、印刷されることになる画像に対応するインクのドットを供給するように制御される。このような画像の帯が印刷された後、記録媒体10は画像の帯の幅と実質的に等しい長さだけ進められるように制御され得るので、次の画像の帯が隣接して印刷される。
【0033】
例えばA0サイズの媒体など、特に比較的大きい幅、例えば、24インチ以上、を有する、比較的大きい記録媒体に印刷するために、プリンタ1は4つのプリントヘッド2a−2dを超えるプリントヘッドを備え得る。既知の大判プリンタでは、キャリッジ3は10個またはさらに多くのプリントヘッドを支持し得る。各プリントヘッドは、ある量のインクを備えるとともにキャリッジ3は通常硬くなるように構成される。全体で、プリントヘッド2a−2dを含むキャリッジ3の重さは比較的高くなり得る。したがって、方向Bへの走査動作は、かなりの慣性力をもたらす。印刷中にキャリッジ3の高速移動を必要とするとともに、各帯の後にキャリッジ3の急転向を必要とし、したがって高加速度を必要とする、高速で印刷するようにプリンタ1が構成されるとき、これらの慣性力は、なお一層著しくなる。本発明に従うとともに図2に示されるように、プリンタ1では、キャリッジ3の大きい移動質量は、支持面11の近くに配置される
図2は、本発明によるプリンタ1の例示の実施形態を概略的に示す。プリンタ1は、印刷ステーション12、媒体投入ステーション13、媒体排出ステーション14およびスキャンステーション15を有する。プリンタ1はさらにユーザ操作パネル18を有する。もちろん、全てのステーション12−15および18が本発明を実施するために必要とされるわけではない。プリンタ1は支持面11に配置される。
【0034】
プリンタ1は、支持面11の近くに配置された第1の端部から、この実施形態ではユーザ操作パネル18が配置されている第2の端部に延びる。プリンタ1はしたがって支持面11に配置され得ると同時に第1の端部で支持される。印刷ステーション12、媒体投入ステーション13、媒体排出ステーション14およびスキャンステーション15は、第1の端部から第2の端部に延びる線上に配置され、一方で印刷ステーション12は、第1の端部に対する媒体排出ステーション14の位置に比べて第1の端部の近くに配置される。
【0035】
プリンタ1の図示された実施形態は、例えば紙、しかし他の種類の媒体も想定され得る記録媒体のウェブの2つのロール13a、13bを有する媒体投入ステーション13を備える。ウェブは記録媒体経路16a−16eに沿って送られる。第1のロール13aは第1のウェブを有し、第2のロールは第2のウェブを有する。第1のウェブは媒体投入ステーション13を経由して印刷ステーション12に矢印16aおよび16bによって示されるように送られ得る。第1のロール13aのウェブの代わりに、第2のロール13bのウェブが矢印16bによって示された経路にしたがって印刷ステーション12に送られ得る。ウェブは、媒体投入ステーション13から印刷ステーション12に送られ、矢印16cに示されるように印刷ステーション12を通って送られる。印刷ステーション12では、画像が記録媒体に提供され得る。印刷ステーション12によって排出された記録媒体は次に、矢印16dおよび16eによって示されるように、この実施形態ではプリンタ1の上部に配置される、媒体排出ステーション14に案内される。
【0036】
図示された実施形態はさらにスキャンステーション15を有する。スキャンステーション15は、大型のオリジナル媒体をスキャンするのに適したフィードスルースキャナとして具体化される。オリジナル媒体は、矢印17aによって示されるように、スキャンステーション内に送られ得る。オリジナル媒体は次に、スキャナを通って、矢印17bによって示されるように、オリジナル媒体を案内する、受け入れトレイに移送され得る。他の実施形態では、オリジナル媒体の経路17a、17bは反対向きにされ得る、すなわち、オリジナル媒体は矢印17bの場所で投入され、スキャナにそしてスキャナを通って移送され、矢印17aの場所でスキャンステーション15を離れる。
【0037】
図示された実施形態では、印刷ステーション12は、図面の面に垂直な方向に著しい慣性力をもたらす、高速印刷用に設定された移動可能に構成されたキャリッジ3を有する。プリンタ1のフレーム組立体が、慣性力が印刷品質に影響を及ぼすことを防ぐために硬くされる必要があることを防ぐために、印刷ステーション12は支持面11の近くに配置される。プリンタ1と支持面11との間の摩擦(または慣性力に対抗する他の適切な力)のために、慣性力による印刷ステーション12の如何なる動きも制限される。さらに、印刷ステーション12の動きが依然としてあったとしても、媒体投入ステーション13および媒体排出ステーション14は印刷ステーション12とともに動き、その結果さらに、もたらされる印刷品質への慣性力の如何なる影響も制限する。支持面11と印刷ステーション12との間の距離は、プリンタ1のフレーム組立体によって規定され得る。
【0038】
本発明では、印刷ステーション12は移動可能に構成された要素を有する。移動可能に構成された要素は、走査型インクジェットプリンタ組立体のキャリッジ3であり得る。しかし、もう一つの実施形態では、移動可能に構成された要素は、例えば、印刷後にウェブを切断するための媒体切断ナイフ組立体等、他の種類の要素であり得る。他の実施形態では、他の移動する要素が設けられ得る。
【0039】
プリンタ1のユーザビリティ(使い勝手)に関して、大判プリンタ1は、床(支持面11)に配置されるとともに、ユーザ操作パネル18、媒体排出ステーション14およびスキャンステーション15が第1の端部と第2の端部との間に延びる線上のユーザ相互作用位置に配置されるような高さを有すると考えられる。ユーザ相互作用位置は、この実施形態において床からの高さである、大抵のユーザにとって容易に近づきやすい、つまり屈むまたは背伸びすることを必要としない、または同様のものである位置である。さらに、図示された実施形態は、如何なるユーザもプリンタ1を操作するのに屈むおよび/または背伸びすることが最小になるように構成され、これは以下の考慮に基づいている。ユーザのプリンタ1との最大の数の相互作用は印刷された媒体の回収であり、この印刷された媒体はユーザ相互作用位置において媒体排出ステーション14に排出される。第2に、より少ない数のユーザの相互作用は、オリジナルのスキャンに関係する。第3に、さらにより少ない数の相互作用が、媒体投入ロールを交換するために実行される。第4に、たまにだけ、ユーザは、印刷ステーション12との相互作用を必要とする、プリントヘッドまたは同様のものを交換する必要があり得る。インクリザーバが、プリントヘッドからある距離に配置され得るとともに適切なユーザ相互作用高さでプリンタ組立体にも配置され得ることに留意されたい。したがって、媒体排出ステーション14をユーザ相互作用位置にすることは、プリンタ1のそれぞれのステーションの使い易い配置をもたらす。
【0040】
媒体を印刷ステーション12から媒体排出ステーション14に矢印16dによって示されるように移送するために、媒体移送ユニットが設けられ得る。媒体移送ユニットは、例えば、2つの板の間に与えられた媒体が印刷ステーション12によって媒体排出ステーション14に案内されるとともに押されるように、互いに近くに配置されるとともに印刷ステーション12から媒体排出ステーション14に延びる2つの板等、案内組立体であり得る。このような実施形態は単純であるとともに費用効果的である。他の実施形態では、このような案内板は、送りローラ、運搬手段、移動バンド、その他同様のものを伴い、その結果、媒体20を受動的に案内することに頼るだけでなく、能動的にも媒体20を移送する。特定の洗練された媒体移送ユニットの実施形態は図3A−3Dに示される。
【0041】
図3A−3Dに示されたプリンタ1の実施形態は、印刷ステーション12および媒体排出ステーション14を有する。ウェブ型の媒体20が、媒体投入ロール13bに設けられるとともに、印刷ステーション投入ターミナル21において印刷ステーション12に送り込まれる。印刷ステーション12では、媒体20は、キャリッジ3が同時にかつ画像方向に帯状にインクの液滴を供給するように動くことができるように、案内される。さらに、媒体20は、媒体20のウェブを切断するように構成された切断組立体23に沿って案内される。切断組立体は、印刷ステーション排出ターミナル22の近くに配置される。印刷ステーション12の外側、その排出ターミナル22の近くに、ニップ24が設けられる。ニップ24は、ニップ24が媒体排出ステーション14に向かって動き得るように、適切な案内手段25によって案内されて、移動可能に構成される。
【0042】
図3Aは、記録媒体20に画像を印刷する前のプリンタ1の開始位置を示す。記録媒体20の前縁20aは、切断組立体23に配置される。プリンタ1は記録媒体20に印刷を開始し得る。画像を媒体20に印刷するとき、媒体20は印刷ステーション12の各帯とともに外側に押し出され、これによって、印刷ステーション排出ターミナル22において印刷ステーションを段階的に離れる。
【0043】
媒体20の前縁20aは、最終的に媒体移送ユニットのニップ24に達する。前縁20aは案内手段によって案内され得る、またはニップ24は、前縁20aがニップ24に必ず達するように構成され得る。いずれにせよ、ニップ24は、前縁20aに掛かるように配置されるとともに構成され、前縁20a、したがって、媒体20を媒体排出ステーション14に向かって引っ張る。もちろん、媒体20の前縁20aに掛かるニップ24は単にある実施形態に過ぎない。他の実施形態では、ニップ24は、例えば、図4に関連して以下に記載されるように、媒体20が媒体排出ステーション14に提供されなければならない位置に応じて等、記録媒体20の他の適切な部分に掛かるように構成され得る。
【0044】
媒体20に掛かりながら、ニップ24は、印刷ステーション12によって印刷される画像の帯に対応するステップで、媒体排出ステーション14に向かって移動し得る。媒体ウェブの如何なる望まれない張力も防止するために、巻きまたはたるみが印刷ステーション排出ターミナル22の近くに設けられ得るが、このような巻きは必要とされないかもしれない。
【0045】
図3Cでは、ニップ24は媒体排出ステーション14に向かって進められる。この位置において、印刷ステーション12は画像を印刷することを終えており、画像、したがって印刷は完了していると想定される。したがって、この位置において、切断組立体23は媒体20のウェブを切断するように制御される。切断後、ニップ24は、前縁20aを媒体排出ステーション14に移送し得る。
【0046】
図3Dは、媒体排出ステーション14の媒体排出ステーション投入ターミナル26におけるニップ24の位置を示し、媒体20の前縁20aは媒体排出ステーション14に送られる。媒体20の前縁20aがそこに留まるように媒体20の前縁20aを排出ステーション14に送ると、ニップ24は、媒体20を解放し得るとともに印刷ステーション排出ターミナル22に戻り得る。
【0047】
図3A−3Dに関連して図示されるとともに記載された媒体移送ユニットの実施形態の使用は図示されるとともに記載された用途に限定されることがなく、媒体移送ユニットは、プリンタ以外の装置にも使用され得る、および記録媒体または、例えば電子写真に基づいたプリンタで使用されるようなシート状の光伝導体等、他の媒体を移送するのに適した他の種類のプリンタにも使用され得ることが留意される。
【0048】
図4は、図3A−3Dに示されたようにプリンタ1の特定の実施形態を示す。図3A−3Dのプリンタ1は、いくつかの異なるサイズの媒体に印刷するのに適している。例えば、プリンタ1は28インチの幅を有する媒体に印刷することができる。通常、このようなプリンタ1は、例えば24インチ等、より小さい幅を有する媒体にも印刷することができる。異なるサイズの媒体が使用中に混ぜられ、印刷媒体が媒体排出ステーション14に積み重ねられるとき、ユーザは積み重ねから小さいサイズの印刷物を回収することが難しいことに気付くかもしれない。
【0049】
図4は、操作パネル18および媒体排出ステーション14の上面図を示し、図示された実施形態では、この媒体排出ステーションは、印刷された媒体20−20IVの積み重ねを作り出すためのトレイのような場所である。印刷された媒体20IIは積み重ねの上部にある一方、印刷された媒体20、20IIIおよび20IVはその下に配置される。媒体排出ステーション14では、各印刷された媒体20−20IVの前縁20a−20aIVは所定の位置に位置決めされ、この所定の位置は、印刷された媒体20−20IVの幅に基づいて決められるとともに幅に依存する。
【0050】
図3Dに示されたように、印刷された媒体20は、媒体排出ステーション14に後部側R(すなわち、操作者がプリンタ1を操作する側である前部側Fの反対側)で移送され、印刷された媒体20を媒体排出ステーション14に媒体排出ステーション投入ターミナル26において供給する。例えば、使用される媒体投入ステーション13のロールから導出可能である、投入された媒体のサイズに基づいて、プリンタ制御ユニット(図示せず)は、前縁20aを予め決められるとともに媒体20のサイズに対応する位置に対応する位置に移送するように、媒体移送ユニットおよび/または媒体排出ステーション14を制御する。例えば、図4を参照すると、例えば媒体20等、比較的小さい幅を有する媒体の前縁20aは、前部側Fの近くに位置決めされる一方、前縁20aIVは後部側Rのより近くに位置決めされる。したがって、比較的小さい媒体20は積み重ねの前部から広がり、したがって容易に回収され得る一方、比較的幅広の媒体20IVは積み重ねの側部から広がり、したがって容易に回収され得る。
【0051】
媒体の前縁の位置決めは、媒体排出ステーション14によって実行され得るとともに、媒体排出ステーション14が媒体に掛かるとともに媒体を位置決めするための適切な手段を備えることがもたらされ得る。他の実施形態では、位置決めは、ニップ24(図3A−3D)によって実行され得る。例えば、上で示唆されるように、ニップ24は、いったんニップ24が媒体排出ステーション投入ターミナル26において解放すると、媒体20が正しく位置決めされるように、ある位置で媒体に掛かるように構成され得るおよび/または制御され得る。他の実施形態では、ニップ24はスプーリング機能を備え得る。例えば、ニップ24は図示されたように2つのローラを有する。一方または両方のこのローラが、少なくともローラの1つが回転するように駆動され得るように、例えばモータ等、駆動ユニットに結合される場合、ニップ24は媒体20を前方または後方に送ることができ、したがってニップ24が前縁20aを所定の位置に位置決めすることを可能にする。媒体および/または媒体の前縁を所定の位置に位置決めするための他の適切な手段も使用され得る。
【0052】
図5Aおよび5Bは、媒体排出ステーション14の単純な実施形態を示し、送られた印刷された媒体は、図4に関連して記載されるとともに図4に示された方法に従って分類される。図5Aは、媒体が、重力または媒体排出手段に設けられた適切な移送手段によって、媒体排出ステーション投入ターミナル26から媒体排出トレイ31上の位置に、案内されるとともに移送され得るように配置された、媒体排出トレイ31の側面図を示す。図5Aおよび5B(上面図)の両方を参照すると、媒体排出トレイ31は、いくつかの適切に配置された付随する媒体排出位置32a−32gを定める、いくつかの適切に配置されたリッジ部30a−30gを備える。特に、図5Bから見られるように、リッジ部30a−30gは、媒体排出トレイ31の全幅に渡って広がらない。第1のリッジ部30aは、媒体排出トレイ31の前部側32に沿った第1の位置に配置され、媒体排出トレイ31の幅の小さい部分に渡って広がる。対応する7番目のリッジ部30gは、媒体排出トレイ31の前部側32に沿った第7の位置に配置される。幅広の媒体、すなわち、第1のリッジ部30aと第7のリッジ部30gとの間の間隔より大きい幅を有する媒体は、それらが媒体排出トレイ31の前部側32に向かって移送されるとき、第1のリッジ部30aおよび第7のリッジ部30gに掛かる。小さい幅を有する媒体はさらに前部側32に向かって移動し、その幅に応じて、第2のリッジ部30bおよび第6のリッジ部30fまたは、第3のリッジ部30cおよび第5のリッジ部30e、または第4のリッジ部30dに掛かる。したがって、非常に小さい媒体は、第4のリッジ部30dに掛かり、したがって、前部側32において、媒体排出トレイ31に配置された媒体の積み重ねから突出する一方、大きい幅を有する媒体は側端部において積み重ねから突出する。
【0053】
媒体排出トレイ31の図示された上述の実施形態は、プリンタ組立体1が媒体を中心に位置決めされた方法で、すなわち各媒体が、幅にかかわらず、プリンタ組立体1の中心に位置決めされる方法で、移送することを仮定している。しかし、他の実施形態では、媒体は異なって位置決めされ得る。したがって、リッジ部30a−30gの数、幅および位置は、プリンタ組立体1の構成に応じて、図示された実施形態とは異なり得る。特定の実施形態では、リッジ部は、取り外し可能に取り付けられるとともに、ユーザによってよく使われる異なる媒体に応じて、ユーザによって位置決めされることができ、ユーザがこれらのよく使用される媒体に対する排出位置を決定することを可能にする。
【0054】
図6はさらなる実施形態を示し、スキャンステーション15を通って送られるオリジナル媒体27が移送されるとともに媒体排出ステーション14に送られる。図示された、特に、例示の実施形態では、オリジナル媒体27は、矢印28aに従って、スキャンユニット15を通って移送され、オリジナル媒体27の前縁27aは、矢印28bに従って、例えば重力により案内されて、ニップ29を通って、印刷ステーション12に向かって移動する。ニップ29は、オリジナル媒体27に掛かるとともにオリジナル媒体27の移動を能動的に支援する、または、ニップ29は、開かれ得るとともにオリジナル媒体27を単に受動的に案内する。いずれにせよ、後縁27bがニップ29に接近するとすぐにオリジナル媒体27はニップ29に掛けられ、ニップ29は、後縁27bを媒体排出ステーション投入ターミナル26に移送するように構成されるとともに配置される。したがって、媒体排出ステーション14はオリジナル媒体27の後縁27bを受け、媒体排出ステーション14がオリジナル媒体27を操作者に届けることを可能にする。
【0055】
図7は、4つの積み重ね可能なモジュール:印刷ステーション40、第1の媒体投入ステーション51、第2の媒体投入ステーション52および媒体排出ステーション60、から構成される単一の設置面積のプリンタ組立体を示す。4つのモジュールは互いに上に積み重ねられ、印刷ステーション40は支持面11の最も近くに配置される。印刷ステーション40は、媒体20に印刷するための移動可能に構成されたキャリッジ42を有する。キャリッジ42の移動から生じる慣性力は、印刷ステーション40の比較的硬いフレーム構造によって吸収される。これは、その他のモジュールが印刷ステーション40の上に積み重ねられ得ることを可能にする。従来技術では、このような積み重ね可能な配置が十分に硬い配置を得るために特定の手段を必要とする一方、本発明による積み重ねられたプリンタ組立体は、このような硬い構造を必要とせず、費用効果的なモジュール式プリンタ組立体を使用可能にする。垂直に配置されて積み重ねられたプリンタ組立体は、必要とされる床面積(設置面積)を小さく保つ一方、大きい範囲の可能な構成および所望の機能性に対する自由な選択を可能にすることを提供するために、大判プリンタ組立体での使用に特に有利である。
【0056】
図7に示されるようなモジュール式プリンタ組立体はもちろん、さらなる媒体投入ステーションおよび/またはさらなる媒体排出ステーションを積み重ねることによってさらに拡張され得る。媒体排出ステーションが例えば折り曲げ組立体等の仕上げ組立体を含み得ることに留意されたい。複数のステーションを積み上げることを可能にするために、各モジュールは、例えば寸法等、所定の設計ルールに適合すべきである。特定の設計ルールは媒体移送手段に関連し、この媒体移送手段は媒体を1つのステーションから次への移送を可能にすることに結び付けられるべきである。それに、標準化された機械的結合インターフェースおよび/または標準化された電気的結合インターフェースが定められ得るとともに使用され得る。さらに、支持面の近くに印刷ステーション40を有する垂直配置のために、2つのほかのモジュールの間に配置されたモジュール、例えば第1の媒体投入ステーション51は、第2の媒体投入ステーション52から出る投入媒体が印刷ステーション40に移送され得るとともに印刷された媒体が媒体排出ステーション60に移送され得るように、投入移送経路71および排出移送経路72を提供する必要があり得る。
【0057】
図7は、媒体投入ステーション51、52および媒体排出ステーション60が、支持面11における第1の端部から媒体排出ステーション60における第2の端部に延びる仮想垂直線上に配置される、本発明によるプリンタ組立体を示すが、図8は、垂直線に沿って配置された媒体投入ステーション51、52および2つの媒体排出ステーション61、62を有する両面印刷ステーション41を含む代替実施形態を示す。両面印刷ステーション41は、それぞれが媒体20のそれぞれの面を印刷するための、2つの移動可能に構成されたキャリッジ42、43を含むとともに、印刷後かつ案内ローラまたは同様のものに接触する前にインクを乾かすことができる媒体20のための適切な経路を含む。結果として、両面印刷ステーション41は、片面印刷ステーション40(図7参照)の設置面積のサイズの2倍である設置面積を有するように構成される。同じ媒体投入ステーション51、52を使用することは、機械的および電気的結合インターフェースの適切な配置によって可能にされる。図8はさらに、例えば、媒体排出ステーション60の半分の高さにある媒体排出ステーション61および折り曲げステーション62等、積み重ね可能に垂直に配置されたプリンタ組立体での使用のためのさらなる適切なモジュールを示す。
【0058】
媒体投入ステーション51、52および媒体排出ステーション61、62は、支持面11におけるプリンタ組立体の第1の端部とプリンタ組立体の上部における第2の端部との間に延びる垂直線に沿って、背中合わせに配置される。ある実施形態では、これらのステーション51、52、61、62は背中合わせに配置される必要はなく、ステーション51、52、61、62の間の小さい距離も、「垂直線に沿って」の句の中に含まれると見なされる。
【0059】
さらに、図示されたように、両面印刷ステーション41では、2つの移動可能に構成されたキャリッジ42、43は、同時に反対方向に動くように制御され得るので、互いの慣性力を相殺し、したがって水平方向のどのような力もさらに減少させる。
【0060】
本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されている。しかし、開示された実施形態は本発明の単なる例示であり、本発明は様々な形態で実施され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示されている特定の構造および機能の詳細は、限定するものとして解釈されるべきでなく、単なる特許請求の範囲のための基礎としておよび本発明を実質的に任意の適切な詳細な構造に様々な方法で用いるための当業者への教示のための代表的な基礎として解釈されるべきである。特に、別々の従属請求項に記載された特徴は、組み合わせて適用され得るとともに、このような請求項の任意の組合せがここに開示されている。
【0061】
さらに、本明細書で使用される用語および句は限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明の理解可能な記載を提供することを意図する。本出願で使用される用語「1つの」(“a”または“an”)は1つまたは複数と定義される。本出願で使用される、複数という用語は2つ以上と定義される。本出願で使用される、他のという用語は、少なくとも第2のまたはそれ以上と定義される。本出願で使用される、含むおよび/または有するという用語は、有する(すなわち、オープンランゲージ)と定義される。本出願で使用される、結合されるという用語は、接続されると定義されるが、必ずしも直接的ではない。
【0062】
本発明はこのように記載されているが、同じものが多くの方法で変形され得ることは明らかである。このような変形は、本発明の精神および範囲からの逸脱であるとはみなされるべきではなく、当業者にとって明らかであろうこのような修正は、次の請求項の範囲内に含まれることが意図される。

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8