(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸(204)上に回転可能に取り付けられ、第1の位置と第2の位置の間で回転するように構成された部材(208、209、210)を含んでなる血液サンプルを引き出すための装置であって、部材(208、209、210)から突出し、部材(208、209、210)が第2の位置にあるときにランセット(601)による皮膚貫入を提供するように部材(208、209、210)と同速度で回転するように構成された湾曲ランセット(601)を含んでなり、ここで湾曲ランセットの端部分の少なくとも1mmが軸に対して同心であるラインと一致することを特徴とする上記装置。
ランセットと血液採取部との間の部分にわたる部材(208、209、210)の縁が、ユーザの皮膚と交差して移動するときに絞り操作を提供するように形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
軸(204)上に回転可能に取り付けられた部材(208、209、210)を備え、および部材から突出する湾曲ランセット(601)の端部分の少なくとも1mmが軸に対して同心であるラインと一致する、該湾曲ランセット(601)を備える工程;
部材が第2の位置に回転するときにランセットが皮膚貫入を提供するように第1の位置、第2の位置間で部材を回転させる工程;
を含んでなる、血液サンプルを引き出す装置の作動方法。
ランセットと血液採取部との間の部分にわたって部材の縁が、ユーザの皮膚と交差して移動するときに絞り操作を提供するように形成される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
部材(208、209、210)が第2の位置にあるときに、ランセット(601)が所定深さまで皮膚に貫入するように配置されるように構成される、請求項15に記載の装置。
ランセット(601)と血液採取部(315)との間の部分にわたって部材(208、209、210)の縁が、ユーザの皮膚と交差して移動するときに絞り操作を提供するように形成される、請求項15〜17のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
血糖メーター(BGM)100が
図1に示されている。このBGM100は透視図で示されている。BGM100は、全体的に平らなベース(図では見えない)を有する。BGM100は、ほぼ長さと同程度の高さであり、その幅はその高さのほぼ1/3である。
【0013】
BGMの1つの側面には、第1、第2、第3の入力101、102、103が設けられている。これらの入力は、たとえば、プッシュ・スイッチまたは接触式トランスデューサの形を採ってもよい。BGMの側面には、入力デバイス101〜103に隣接してディスプレイ104が設けられている。これは、任意適当な形、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、eインクなどの形を採ってもよい。使用に当たって、ユーザは、入力デバイス101〜103を用いてBGM100を制御することができ、ディスプレイ104を介してBGMによって情報を提供され得る。
【0014】
BGM100の前面には開口部105が設けてある。この開口部105は、BGMの高さのほぼ半分のところに位置する。開口部105は、ユーザの身体の一部から血液サンプルを抽出するためにユーザの身体の一部を受け入れることができるように構成されている。たとえば、開口部105は、指または親指の先または側部を受け入れるような寸法としてもよいし、ユーザの手の側部もしくはユーザの腕からのひとつまみの皮膚を受け入れるような寸法としてもよい。開口部は矩形の形状であってもよい。その縁は、ユーザの指を或る特定の位置に案内するように面取りしてあってもよい。
【0015】
開口部105は、カートリッジ106の側部に設けられる。カートリッジは、全体的に円筒形の形を有し、BGM100内に垂直に配置される。
【0016】
特に、BGMは、第1ハウジング部分107を含む。第1ハウジング部分107は、BGM100のベース、左右側面および背面を形成する。BGM100の前面に、第1ハウジング部分107は側面の最下部を含んでなる。固定蓋部分108が第1ハウジング部分107に取り付けられている。固定蓋部分108は、BGM100の頂面のほとんどを含んでなる。取り外し可能な蓋部分109は、BGM100の頂面の残りの部分を含んでなる。取り外し可能な蓋部分は、BGM100の前面でカートリッジ106上方に配列される。
【0017】
第1ハウジング部分107は、BGM100の前面のところに細長い孔110を提供するように構成されている。細長い孔110は、BGM100の前面の高さのほとんどにわたって延びていてもよい。細長い孔110は、最上部のところで取り外し可能な蓋部分109によって画成され、左、右および底部のところで第1ハウジング部分107によって画成される。BGM100は、カートリッジ106が細長い孔110の領域の全体を占めるように配置される。BGMが使用されていないときに、BGM100のハウジング部分107において、摺動可能または回動可能なドアが、細長い孔110のすべてまたは一部を覆ってもよい。このドアは、開口部105への土砂および他の潜在的汚染物質の侵入を防ぐために少なくとも開口部105を覆うとよい。
【0018】
カートリッジ106は、
図2により明確に示してある。
図2は、
図1と同じ図を示すが、取り外し可能な蓋部分109および第1ハウジング部分107がワイヤ・フレームで示してある。
図2からわかるように、カートリッジ106は、全体的に円筒形の形を有し、垂直に配置される。カートリッジ106の直径は、たとえば5〜50%の因数だけ孔110の幅より大きい。カートリッジ106は、その直径の3〜4倍である長さを有する。
【0019】
図3において、取り外し可能な蓋部分109が、BGM100から取り外した状態で示してある。第1ハウジング部分107、固定蓋部分108および取り外し可能な蓋部分109は、取り外し可能な蓋部分がBGM上の所定位置にあるとき、カートリッジ106がこれら3つのコンポーネント間の機械的な相互作用によって保持されるが、ユーザによって取り外し可能であるように構成される。取り外し可能な蓋部分109をBGM100から解除する厳密な方法は、重要ではないので、ここでは詳細に説明しない。
【0020】
取り外し可能な蓋部分109は、BGM100から取り出されたとき、カートリッジ106をその軸に沿って垂直方向に動かすことによってBGMから引き抜くことができるように構成される。
図4において、カートリッジ106は、BGM100から部分的に取り外された状態で示されている。完全に取り外されたとき、細長い孔110はBGM100の内腔を現す。次に、古いカートリッジ106が取り外されたときと逆の方法でBGM100内に交換カートリッジが導入され得る。ひとたびBGMの内腔の底部に位置されたならば、新しいカートリッジ106は第1ハウジング部分107によって部分的に取り囲まれる。ひとたび取り外し可能な蓋部分109が
図1に示す位置に戻されたならば、カートリッジ106は、第1ハウジング部分107および取り外し可能な蓋部分109の作用によって所定の位置に保持される。カートリッジ106の開口部105は、
図1に示すと同じようにBGM100の前面に向けられる。 カートリッジ106およびカートリッジを受けいれる内腔は、キー止め機能、たとえば、突起と溝、非円形直径などを有するとよい。したがって、カートリッジ106が完全に挿入されたとき、開口部105は細長い孔110に対して固定された位置、たとえば、
図1に示す中心位置にある。
【0021】
図5は、血糖メーター100のサブシステム200を示す。サブシステム200は、カートリッジ106、駆動ホイール201および駆動ベルト202を含む。
【0022】
図5において、カートリッジが中空円筒形のハウジング部分203有するものとして示されており、ハウジングの一部を構成している。開口部105は、中空円筒形のハウジング部分203に形成されている。中空円筒形の部分203と同軸に細長い軸204があり、その頂部のみが
図5に示されている。軸204の長さは、その最上端部が中空円筒形のハウジング部分203の最上端部の僅かに下にあるようになっている。後述するように、軸204は、駆動ホイール201の回転によって回転可能であるように駆動ベルト202に機械的に連結されている。
【0023】
中空円筒形のハウジング部分203の内面に第1、第2のガイド部材205、206が形成されている。
図5でわかるように、第1、第2のガイド部材205、206はほぼ三角形の横断面を有する。第1、第2のガイド部材205、206の三角形の横断面の一辺は、中空円筒形のハウジング部分203の内面と一体であり、三角形横断面の頂点は カートリッジ106の中央に向かって延びている。第1ガイド部材205の長さの一部が
図5に示してあるが、第2ガイド部材206の最正面のみがこの図には示してある。
【0024】
図5は、血糖メーター100の部分を形成するいくつかの電子コンポーネントも示す。これらのコンポーネントは、ハウジング107内に提供されるが、カートリッジ106の部分を形成してはいない。
【0025】
マイクロプロセッサ212、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)213、リードオンリー・メモリ(ROM)214、キー・インタフェース215、ディスプレイ・ドライバ216、検体インタフェース回路219およびモータ・インタフェース217を含む多数のコンポーネントを連結するためにバス211が配置される。これらのコンポーネントのすべては、任意の適切な形を採ってよいバッテリ218によって電力を供給される。
【0026】
ROM214には、血糖メーター100の操作を管理するソフトウェアおよびファームウェアが記憶されている。ソフトウェア/ファームウェアは、RAM213を使用してマイクロプロセッサ212によって実行される。ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、キー・インタフェース215によって検出されるようなキーまたは入力デバイス101〜103を介してユーザによって制御できるように血糖メーター100を作動させるように作動できる。血糖測定値その他の情報は、ディスプレイ・ドライバ216を介してソフトウェア/ファームウェアおよびマイクロプロセッサ212を作動させることによって適切な時点でディスプレイ104上に提供される。
【0027】
モータ・インタフェース217は、ROM214に保存されたソフトウェア/ファームウェアに従ってマイクロプロセッサ212が駆動ホイール201に連結したモータおよび(後述するように)血糖メーター100に含まれる任意の他のモータを制御するのを可能にする。
【0028】
検体インタフェース回路219は、電気接触ターミナル401、したがって、接触パッド318,したがって、検体測定部316に対して或る種の電圧を有する電気信号を提供し、そして、マイクロプロセッサ212が血液サンプルの血糖濃度を決定するのを可能とするように信号のパラメータを測定するように作動可能である。
【0029】
図6は、内部のコンポーネントを見えるようにし、電子コンポーネントを省略して、ワイヤ・フレームで示す中空円筒形のハウジング部分203と共に
図5の駆動ホイール201およびカートリッジ106を示す。
図6では、第3のガイド部材207が見えている。この図からわかるように、第1、第2のガイド部材205、206は、カートリッジ106の長さの上半分にのみ位置し、第3のガイド部材207は、カートリッジ106の下半分にのみ位置する。第1、第2および第3のガイド部材205〜207は、中空円筒形のハウジング部分203の円周まわりに分布させられている。特に、第1、第2のガイド部材205、206は、互いからほぼ100〜160度のところに位置する。第3のガイド部材207は、第1、第2のガイド部材205、206の各々からほぼ60〜130度のところに位置する。
【0030】
軸204に複数の部材が取り付けてあり、そのうちの3つの部材が、
図6において、それぞれ208、209、210として示されている。部材208〜210は、以下、検査ディスク部材と呼ぶことにする。検査ディスク部材208〜210の各々は実質的に同じである。
【0031】
1つの検査ディスク部材208が、
図7に或る程度詳しく示してある。検査ディスク部材208は全体的に円形の形状を有するが、側部にノッチ301が形成され、反対側の側部に切り落とし部302が設けてある。切り落とし部は、ミルキング部を構成しており、それについては以下により詳しく説明する。
【0032】
検査ディスク部材208は、最上面303、
図8に示す最下面304およびディスク縁305を含む。検査ディスク部材208の直径は、15〜25ミリメートル、たとえば20ミリメートルである。ディスクの厚さは、ディスク縁305の高さに等しく、0.5ミリメートル〜1ミリメートルである。
図8は、下側から見た検査ディスク部材208を示す。したがって、下面304は見えるが、上面303は見えない。以下、
図7、8を参照しながら検査ディスク部材208を説明する。
【0033】
穴306が検査ディスク部材208の中央に形成されている。この穴306は2つの主要部分を含んでなる。円形部が検査ディスク部材208の中央にあり、この円形部は軸204の外径に等しいか、それよりわずかに大きい直径を有する。ドライブ・ノッチ307が穴306の円形部に隣接して設けてあり、これはドライブ・ドッグと係合できる縁を含む。
【0034】
ドライブ・ドッグ320(
図9で部分的に見えており、
図10ではより完全に見えている)は軸204に形成されている。ドライブ・ドッグ320は、検査ディスク部材208の穴306にあるドライブ・ノッチ307と係合する。この係合によって、軸204の回転が検査ディスク部材208の回転を生じさせることが可能になる。
【0035】
検査ディスク部材208の下面には、スペーサー部材308が設けてある。このスペーサー部材308は中空シリンダのスライスを含んでなる。シリンダは検査ディスク部材208の中央に位置する。スペーサー部材308の内径は、穴306がスペーサー部材308と重なることがないように選定される。スペーサー部材308の外径は、内径よりほんのわずか大きいので、スペーサー部材308の厚さは小さい。スペーサー部材308の高さは0.5〜1ミリメートルである。複数の検査ディスク部材を一緒に積み重ねたとき、スペーサー部材308は、或る検査ディスク部材の上面303とその直ぐ上にある検査ディスク部材の下面304とを隔離する。この隔離距離は、スペーサー部材308の高さで決まる。
【0036】
ここで再び
図7を参照して、湾曲ランセット601がディスク縁305から突出して示されている。湾曲ランセット601は、切り落とし部302に設けられている。湾曲ランセット601の第1端は、検査ディスク部材208の材料内に埋め込まれており、第2端は、鋭い先端を備え、外方へ延びている。湾曲ランセット601は、切り落とし部302が始まる第2の位置313に比較的近い位置312のところでディスク縁305から突出する。湾曲ランセット601は、その端が検査ディスク部材に埋め込まれている位置312のところで検査ディスク部材208の半径線から30〜60度の角度で延びている。湾曲ランセット601の第2端は、検査ディスク部材208の周縁311のところ、または、そのちょっと外側に位置する。周縁311は、実体ではなくて仮想なので
図7では点線で示してある。切り落とし部302は第3の位置314のところで終わる。切り落とし部302と反対側で第2、第3位置313、314間では、ディスク縁305は、ノッチ301が中断しているが、全体的に円の形をとる。
【0037】
湾曲ランセット601のディスク縁305に隣接している部分のところで、湾曲ランセット601の縦軸は、湾曲ランセット601、ディスク縁305の交点と軸204の中心との間に引かれた直線に対して角度Xである。湾曲ランセット601の湾曲は、ディスク縁305から離れた端のところでその縦軸が、湾曲ランセット601とディスク縁305の交点と軸204の中心との間に引かれたラインに対して、角度Xより大きい角度となるようにしている(縦軸は湾曲上の種々の点で異なっている)。この効果は、湾曲ランセット601がディスク縁305に隣接する端のところよりもその遠位端で検査ディスク部材208の周縁とより一層整合するということにある。これは、ランセットがユーザの指または他の身体部を穿刺するとき、検査ディスク部材208の回転によってユーザの指を穿刺するときにランセットの通る経路が、真っすぐなランセットを備える対応する配置で経験されるよりもランセットの形状および向きにより緊密に合致するという実際的な効果を有する。
【0038】
ランセット601の円筒形状が遠位端において傾斜カットで終るので、この効果はランセット601で高められる。特に、湾曲ランセット601の遠位端は、縦軸に対して垂直ではない角度で切断されたシリンダに類似する。こうして、湾曲ランセット601の端面は楕円の形状を有する。この楕円は、長半径および短半径を有し、ディスク縁305から最も遠い長半径の端にある点が先端を形成する。検査ディスク部材208に対して円周方向である方向に延びる先端が形成されるようにランセット601を通して切断が行われる。特に、湾曲ランセットの端部分の少なくとも1mmは、軸に対して同心であるラインと一致する。
【0039】
第3の位置314に隣接して血液採取部315が位置する。これは任意適当な形を採り得る。たとえば、血液採取部315は積層材を含んでなるものであってもよい。血液採取部315は、第3位置でディスク縁305と接触している血液を検査ディスク部材208内へ血液採取部315に隣接する血液分析物測定部316、たとえば、血糖測定用の酵素または同様のものを収容している部分まで引き寄せる機能を有する。血液は毛管作用で引き寄せられ得る。検体測定部316は、血糖濃度を測定できる方法で血液と化学的に反応する酵素を含む。検体測定部316は、第1〜3の導電路317によって第1〜3の接触パッド318に接続される。接触パッド318および導電路317は、検査ディスク部材208の上面303に形成される。検体測定部316も検査ディスク部材208の上面303に形成される。導電路317、接触パッド318および検体測定部316の一部またはすべては、検査ディスク部材208の上面303上へ印刷されてもよい。別の実施態様において、検査ディスク部材208は接触パッドを2つだけ有してもよい。さらに別の実施形態において、検査ディスク部材208は、3つ以上の接触パッド、たとえば、4つまたは5つの接触パッドを有していてもよい。
【0040】
回転可能部材およびランセットの組み合わせの使用は、より複雑な機構と比較して潜在的に低減されたコストの比較的簡単なランシング機構を提供できる。軸まわりの部材の回転およびランセットの端部と軸と同心の線分との一致により、ユーザの皮膚に貫入するときの引き裂き損傷をランセットで少しにするかまたはまったくなくすことができる。 これは、ユーザとって痛みをより少なくし、治癒時間をより短くすることができる。
【0041】
本装置は、部材が第2の位置にあるとき、ランセットが皮膚を所定深さまで穿刺するように配置されるように構成されて得る。こうすれば、ランシング深さは、装置の配置によって設定され得る。ランシング深さは、装置の設計に予め設定されていてもよいし、あるいは、装置によって調整可能であってもよい。調整は、機械的な機能の調整を介して行ってもよいし、または、電子的もしくはソフトウェアで調整してもよい。オプションとして、ランシング深さはユーザにより設定されてもよい。こうすると、ランシング経験を通じてユーザに制御を提供する。
【0042】
以下に詳述するように、使用に当たって、まず、ユーザの一部が湾曲ランセット601によって穿刺され、次いで、この部分が切り落とし部302のところでディスク縁305によって絞られ、次いで、血液が血液採取部315を通して検体測定部316に提供される。次に、導電路317および接触パッド318を経由して検体測定部316に接続された測定回路が、ユーザの血糖濃度を決定できる。次に、血糖濃度がディスプレイ104に表示される。
【0043】
以下、図を参照しながら動作を説明する。
【0044】
図6に示すように、検査ディスク部材208〜210は同じ向きで始まる。ここで、第1検査ディスク部材208が最上にある。第3のガイド部材207は、最下の検査ディスク部材209、210のノッチ301内に位置させられる。第1検査ディスク部材208のノッチ301は、第3のガイド部材207に整合させられているが、それにより拘束されることはない。最上の検査ディスク部材208の上面303は、第1ガイド部材205の最下面と接触している。第2ガイド部材206の最下面は、第1ガイド部材205の最下端と同じレベルにある。しかしながら、第2ガイド部材206は、
図6に示す第1検査ディスク部材208の向きで、第1検査ディスク部材208の切り落とし部302の一部と一致している。したがって、第1検査ディスク部材がこの位置にあるとき第2ガイド部材206と第1検査ディスク部材208の接触はない。
【0045】
検査ディスク部材208〜210は、スプリングでもよいバイアス手段(図示せず)によって上方へ付勢される。しかしながら、検査ディスク部材208〜210は、第1検査部材208の上面303と第1ガイド部材205の最下端との接触によって、カートリッジ106内を上方へ移動するのを阻止される。
【0046】
図6に示す位置では、湾曲ランセット601の遠位端は開口部105と同じ位置にはない。したがって、湾曲ランセット601は、この位置では作動できない。別の表現をすると、この位置で湾曲ランセット601は中空円筒形の部分203(ハウジングの一部を構成する)によって覆われている。
【0047】
図6に示される位置から、軸204は、駆動ホイール201および駆動ベルト202の作用によって第1方向(たとえば時計方向)へ回転させられる。ドライブ・ドッグ320が検査ディスク部材208の穴306にあるドライブ・ノッチ307と係合しているので、軸204の回転が検査ディスク部材208の回転を生じさせることができる。回転は湾曲ランセット601を開口部105の前方に持って行く。したがって、ユーザの皮膚で覆われた部分(以下、この部分は、便宜上、ユーザの指と呼ぶ)は、湾曲ランセット601によって切開される。これは、指の皮膚の穿刺を生じさせる。これにより、血液が漏出し得る。
図9は、湾曲ランセット601がユーザの指を切開するように作動可能となる位置へ回転させられた第1検査ディスク部材208を示す。軸204は、所定量だけ回転させられ、湾曲ランセット601の最大移動量が制御される。ユーザの指における湾曲ランセット601の侵入量は、当業者に知られる多数のファクタに依存する。回転量、したがって、侵入深さは、ユーザが定め得る。ユーザによって特定される侵入深さは、軸204の回転をソフトウェアまたはファームウェアで制御することによって達成され得る。侵入深さは、たとえば、第1、第2、第3の入力101〜103のうち1つ以上を使用してユーザによって定められてもよい。たとえば、第1、第2入力101、102が、それぞれ、増加、減少であり、第3入力103が選択入力または確認入力であってもよい。深さを定義する値はメモリに保存されてもよい。引き続いて、軸204は、反対方向に、たとえば、反時計方向へ回転するように制御される。これは、湾曲ランセット601をユーザの指から取り外させ、検査ディスク部材208が回転するにつれて切り落とし部302のところのディスク縁305がユーザの指をこする。検査ディスク部材208の回転の或る時点で、第2ガイド部材206の最下部が切り落とし部302と一致するのを止め、検査ディスク部材208の上面303上へ反応力を加えることが可能となる。短時間後、第1ガイド部材205の最下部が切り落とし部302と一致するようになり、検査ディスク部材208の上面303との接触を止める。この時点で、第1検査ディスク部材208がカートリッジ206内で上方へ移動するのを阻止するのは第2ガイド部材206である。
【0048】
検査ディスク部材208は、血液採取部315が開口部105と整合するまで回転し続ける。ここで、回転は停止する。この位置で、湾曲ランセット601によって、そして、ユーザの指へのディスク縁305の作用によって、ユーザの指から放出させられた血液は、毛管作用によって検体測定部316に吸い込まれる。次いで、血液と酵素が反応する。
【0049】
適当な時点で、軸204は、反対方向、たとえば、反時計方向にさらに回転させられる。 ここで、検査ディスク部材208は、
図10に示される位置(血液採取部315が開口部105と一致している)から
図11に示される位置まで回転させられる。ここで、ノッチ301が第2ガイド部材206と整合させられる。この位置で第1ガイド部材205が検査ディスク部材208の切り落とし部302と一致しているので、第1または第2のガイド部材205、206のいずれも第1検査ディスク部材208の上方移動を阻止しない。したがって、第1〜3のディスク部材208〜210は、バイアス手段(図示せず)によって、上方へ移動させられる。
【0050】
図11と
図12との間で第1検査ディスク部材208が上方へ移動すると、ドライブ・ドッグ320が第1検査ディスク部材208の穴306のドライブ・ノッチ307と協働するのを停止する。第1検査ディスク部材208が
図12に示される位置に達する前、ドライブ・ドッグ320の下面は第2検査ディスク部材209の上面303と接触する。これは、第2検査ディスク部材209のさらなる上方への移動を阻止し、したがって、検査ディスク部材210のさらなる移動を阻止する。この位置で、軸204は、ドライブ・ドッグ320が第2検査ディスク部材209のドライブ・ノッチ307と一致するように駆動ホイール201および駆動ベルト202によって回転させられる。この位置で、第2ディスク部材209は、軸204上を上方へ移動することができ、それによって、ドライブ・ドッグ320を第2検査ディスク部材209のドライブ・ノッチ307と係合させる。第2検査ディスク部材209が上方へスペーサー部材308の高さに等しい距離だけ移動した後、第2検査ディスク部材209のさらなる上方移動は、第1ガイド部材205と第2検査ディスク部材209の上面303との接触によって阻止される。この時点(
図12に示される)で、第2ガイド部材206は、第1検査ディスク部材208のノッチ301内に位置する。これは、カートリッジ106内での第1検査ディスク部材208のさらなる回転を阻止する。第1〜3の検査ディスク部材208〜210のカートリッジ106の上向き移動によって第3のガイド部材207は、第2検査ディスク部材209のノッチ301内にない。この段階で、第3のガイド部材207は、第2ディスク部材209の回転移動を阻止することがない。
【0051】
図12に示される位置で、
図6に示される位置に第1検査ディスク部材208があったとまったく同じ位置に第2検査ディスク部材209がある。さらにまた、軸204、したがって、ドライブ・ドッグ320は、同じ向きを有する。したがって、第2検査ディスク部材209は、ユーザから血液サンプルを引き出し、第1検査ディスク部材208におけると同じ方法でその血糖濃度を検査するのに用いられ得る。
【0052】
カートリッジ106内に検査ディスク部材208〜210の重なりを提供し、適切な物理的配置を提供することによって、多数回の検査にカートリッジ106が使用され得る。カートリッジ106が新しいときには、検査ディスク部材208〜210はカートリッジ106の下半分に位置し、最上部の検査ディスク部材が 開口部105と整合させられている。検査ディスク部材が用いられるにつれて、検査ディスク部材の積み重なりがカートリッジ内を上方へ移動する。最後の検査ディスク部材が用いられたとき、カートリッジは使い切ったと言える。この段階で、検査ディスク部材のすべてがカートリッジ106の最上部分に位置する。
【0053】
カートリッジ106内に収容され得る検査ディスク部材208〜210の数、したがって、カートリッジ106によって提供され得る検査の回数は、カートリッジ106の高さおよび隣り合った検査ディスク部材208〜210の対応する部分(たとえば上面)間の隔離量のファクタであることは了解されたい。背の高いカートリッジを使用することや検査ディスク部材の隔離量を減らすことにより、単一のカートリッジ106を使用して実施され得る検査の回数を増やすことができる。
【0054】
以下、
図13〜15を参照するが、ここには、測定回路(図示せず)への検体測定部316の接続を示す。
【0055】
まず
図13を参照して、中空円筒形のハウジング部分203は、上述したように設置した開口部105および軸204と共に示してある。スリット孔400が中空円筒形のハウジング部分203に設けられている。このスリット孔400は、開口部105と実質的に同じ高さに位置する。しかしながら、スリット孔400は、中空円筒形のハウジング部分203の、実質的に開口部105とは反対側に位置する。
【0056】
スリット孔400は、BGM100の前部に形成された細長い孔110とは一致していない。したがって、カートリッジ106がBGM100内の所定位置にあるとき、スリット孔400は見えない。
【0057】
図14は、中空円筒形のハウジング部分203が省略されているが、
図13に示す図と同じである。
【0058】
スリット孔400に隣接してスイング・アーム401が位置している。スイング・アーム401は、
図15に示すように、スピンドル402まわりに回転可能である。スピンドル402は、軸204の軸と平行である軸を有する。スピンドル402の軸は、駆動ベルト202上方に位置する。接続アーム403がスピンドル402をスイング・アーム401に連結している。この実施形態においては、接続アーム403は、垂直コネクタ404によって、スイング・アーム401に連結される。垂直コネクタ404によって、接続アーム403が取り付けられたスピンドル402をスイング・アーム401に対する種々の垂直方向位置に位置させることができる。スピンドル402、接続アーム403および垂直コネクタ404は、接続アームがスピンドル402の軸上で回転するときにスイング・アーム401が軸に向かって移動させられるように配置される。スイング・アーム401の移動は、軸204に対して実質的に半径方向である。
【0059】
スイング・アーム401には第1〜3の電気的接触ターミナル405が取り付けられる。各ターミナルは、ほぼ水平のアーム405aおよびそこから垂れ下がる接触ヘッド405bを含む。電気接触ターミナル405は、弾力的な導電材料(たとえば金属)で作られる。垂れ下がる接触ヘッド405bは、スイング・アーム401から最も遠い端で曲げられる。
【0060】
図13、14に示す1つの位置において、電気接触ターミナル405は、垂れ下がる接触ヘッド405bがスリット孔400内に位置するか、または中空円筒形のハウジング部分203の外側に位置するように外にあるようにスイング・アーム401で支えられる。血液採取部315が
図14に示すように開口部105と一致するように検査ディスク部材208が回転させられると、接触パッド318がスリット孔400と一致/整合させられる。検査ディスク部材208がこの位置に保持されると、スイング・アーム401が軸204に向かって移動するように接続アーム403がスピンドル402の軸まわりを回転させられる。この配置は、電気接触ターミナル405が検査ディスク部材208の上面303上方の空間内へ移動するにつれて、電気接触ターミナル405の水平アーム405aでなく垂れ下がる接触ヘッド405bが接触パッド318と接触することになるようにする。電気接触ターミナルの弾力性により、電気接触ターミナル405は接触パッド318に対して押される。したがって、電気接触ターミナル405の水平アーム405aと検体測定部316との間に電気接続が提供される。電気接触ターミナル405に接続される電子測定手段(図示せず)が、接触ターミナル405および検体測定部316を通して電圧を通過させ、電気パラメータの測定値を獲得するように作動し、これらの測定値から検体レベル、たとえば血糖濃度の測定値が決定され得る。
【0061】
接続アーム403は、所定時間にわたって、あるいは血糖濃度測定が完了したことが検出されるまで
図15に示す位置に留まるように制御され、その後、接続アーム403は軸402まわりに回転させられてこの位置から検査ディスク部材208を上面上方へ電気接触ターミナル405を取り外す。この段階で、配置は
図14に示すものとなる。ひとたび電気接触ターミナル405が引っ込められたならば、検査ディスク部材208は反時計回りに回転させられ、検査ディスク部材208〜210を軸204上で上方へ移動させる。
【0062】
ここで、電気接触ターミナル405の最高許容高さ寸法がスペーサー部材308の高さによって決まることは了解されたい。より厚いスペーサー部材を使えば、より大きい電気接触ターミナル405を使用することが可能になる。しかしながら、これは、隣り合った検査ディスク部材208〜210間の分離距離を増加させ、したがって、カートリッジ106のための容量を減らすという犠牲を伴う。水平アーム405aおよび垂れ下がる接触ヘッド405bを含む電気接触ターミナル405の使用は、電気接触ターミナルの高さ寸法を最小限に抑えることを可能にすると共に、電気接触ターミナルと接触パッド318との良好な電気的接触を可能にし、また、電気接触ターミナル405が充分なサイクル回数を通じて正確に作動するのを可能にする。
【0063】
検査ディスク部材208〜210の構成は、作動が湾曲ランセット601によって生じるユーザの指の切開部をしごくことになるようなものである。特に、開口部105は、ユーザが指を開口部105に押し込んだときにユーザの指の先端を新しく形作る量を円筒形の部分203の内部空間内に存在させることを可能にするように構成されている。ユーザが指で開口部105に力を加えたとき、指がゆがみ、中空円筒形のハウジング部分203の内径内にふくらんだ部分が提供される。ふくらんだ部分の寸法、特にふくらんだ部分の高さは、ユーザの指の物理特性およびユーザが加える力の量ならびに開口部105の構成を含む多数のファクタに依存する。
【0064】
開口部105は、通常の使用(すなわち代表的なユーザが代表的な力の量を適用する場合)において、ユーザの指のふくらんだ部分がほぼ1ミリメートルの深さまで中空円筒形のハウジング部分203の内部空間内へ突入するような寸法となっている。検査ディスク部材208〜210は、湾曲ランセット601がユーザの指を切開できる位置にあるときに、ディスク縁305がユーザの指と接触しない(すなわち、ディスク縁305と開口部105の分離距離が1mmより大きくなる)ように形成された切り落とし部302を有するように構成される。切り落とし部302のこの部分は、第1の絞り部分と呼ぶことができる。この位置で、ユーザによって加えられる圧力が、指のふくらんだ部分内の流体圧力が通常圧力よりわずかに大きくなるようにする。この増大した圧力はユーザが指に加える力から生じる。この圧力は、湾曲ランセット601によって、生じる切開部の出血を促す。有利には、関連した機能の配置は、湾曲ランセット601が0.4〜0.7ミリメートルの深さまでユーザの指を穿刺するようにする。
【0065】
検査ディスク部材208〜210が次いで反時計回りに回転するにつれて、湾曲ランセット601はユーザの指から取り外される。短時間後、ユーザの指のふくらんだ部分の端が、カットアウト部部分203に沿った経路のほぼ1/3〜2/5のところでディスク縁305と接触することになる。この部分は、第2絞り部分と呼び得る。検査ディスク部材208〜210は、第2絞り部分に対して、切り落とし部302に沿った経路のほぼ2/3または4/5の位置まで延びる実質的に一定の半径を有する。検査ディスク部材208〜210が回転するにつれて第2絞り部分がユーザの指のふくらんだ部分と一致する時点まで、ユーザの指のふくらんだ部分の内部圧力は、ユーザの指が湾曲ランセット601と接触する時点に比べて増大させられる。さらにまた、ディスク縁305が指のふくらんだ部分と接触し、そして、それを乗り越えて移動するにつれて、皮膚の下の血液がランセットによって生じた切開部に向かって押される。
【0066】
第2絞り部分と血液採取部315の位置との間で、検査ディスク部材208〜210の半径は、減らされるか、または、別の言い方をすれば、より低い値を有する。この部分は、第3の絞り部分と呼ぶことができる。したがって、第2絞り部分の後、そして、ユーザの指が血液採取部315に接触する前、ディスク縁305によってユーザの指のふくらんだ部分に適用される圧力は、第2絞り部分で適用される圧力と比較して減らされる。有利には、第3の絞り部分のところでの検査ディスク部材208〜210の半径は、ユーザの指のふくらんだ部分がディスク縁305と接触しない(すなわち、ディスク縁305と開口部105の分離距離が1mmより大きくなる)ように選定される。検査ディスク部材208〜210が回転するにつれて第3の絞り部分がユーザの指と一致している間、血液は湾曲ランセット601によって作られた切開部を自由に出ることができる。検査ディスク部材208〜210が回転し続けるにつれて、血液採取部315直前位置でディスク縁305がユーザの指のふくらんだ部分に再び接触する。これは、ユーザの指のふくらんだ部分内の内部圧力を再び増大させる。これは、検体測定部316に向かう血液の移動を促す。血液採取部315の位置のところでのディスク縁305と開口部105の分離距離はほぼ0.5mmである。
【0067】
したがって、検査ディスク部材208〜210の構成は、ユーザの指から血液のサンプルをしごくことを促す。そのシーケンスは以下の通りである。まず、比較的低い圧力(ディスク縁305とユーザの指との接触によらない圧力)での湾曲ランセット601による切開があり、次いで、比較的低い圧力量ならびにこすり移動が第2絞り部分によってユーザの指に提供される期間が続き、ディスク縁305によってユーザの指に対して少しの圧力が提供されるかまたはまったく圧力が提供されない期間が続き、血液採取部315の直前およびそこでユーザの指に対してディスク縁305によって提供される比較的高い圧力が続く。
【0068】
以下、血糖メーター100の動作を
図16のフローチャートを参照しながら説明する。動作はステップS1で始まる。ステップS2で、ユーザは開口部105内に指を位置させる。上述したように、ユーザは、切開および採血を可能にするに適する圧力または力で指を開口部105内に押し込む。ステップS3で、ユーザは血糖測定を開始する。これには、ユーザが入力101〜103のうちの1つを押さなければならない。これは、キー・インタフェース215を介してマイクロプロセッサ212によって検出される。ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアがこのキー入力を使用して機能を呼び出すか、またはソフトウェア・モジュールを実行する。ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、次に、マイクロプロセッサ212をして駆動ホイール201に取り付けられたモータにモータ・インタフェース217を介して指令を発行させ、軸204を第1方向、たとえば時計回り方向に回転させる。ソフトウェア/ファームウェアは回転の程度を制御する。ステップS4で、回転量は、湾曲ランセット601でユーザの指を切開するのに充分となる。次いで、ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、ステップS5で、マイクロプロセッサ212をして軸204を反対方向に回転させるようにモータを制御させる。検査ディスク部材が反対方向に、たとえば反時計回りに回転するにつれて、絞りがステップS6で発生する。まず、ステップS6Aでは、指へ検査ディスク部材により適用される圧力はまったくない。ステップS6Bで、中くらいの指への圧力がある。ステップS6Cで、指へ検査ディスク部材により適用される圧力は小さいか、または、全くない。この時点で、指は、血液採取部315の直前にある検査ディスク部材の部分と一致する。
【0069】
ステップS7で、ソフトウェア/ファームウェアは、血液採取部材315が開口部105と一致し、したがって、ユーザの指と一致するようになったときにマイクロプロセッサ212をしてモータを制御させ、回転を停止させる。ステップS8で、ソフトウェア/ファームウェアは、スイング・アーム401を軸204に向かって回転させるようにモータを制御する。ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212がスイング・アーム401のこの必要な移動量だけを生じさせるようになっている。この時点で、検体インタフェース回路219は、血液採取部315の作用によって、ユーザの指からの血液を提供された血液分析物測定部316に直結される。ステップS9で、検体測定が実施される。これには、電気接続接点318に、したがって、血液分析物測定部316に電圧を印加し、その結果生じた信号のパラメータを測定させる検体インタフェース回路219が関係する。ユーザの血糖測定濃度を算出するように測定されたパラメータ、特に電圧パラメータ)はROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアにより使用され、たとえば、プロセッサ212によって実行される。次に、ディスプレイ・ドライブ216へのマイクロプロセッサ212の作用を介してソフトウェア/ファームウェアによって、血糖測定値がディスプレイ104に表示される。ステップS10で、スイング・アームが、ROM214に記憶されたソフトウェア、モータ・インタフェース217およびモータ(図示せず)の制御の下にマイクロプロセッサ212の作用によって取り外させられる。
【0070】
ステップS11で、ソフトウェア/ファームウェアは、マイクロプロセッサ212に駆動ディスク201を反対方向に回転させるように制御させる。回転は、検査ディスク部材上のノッチ301がガイド206と一致するまで続く。 ステップS12で、検査ディスク部材はカートリッジ106内を上昇する。検査ディスクをカートリッジ106内で上方へ付勢することがバイアス手段、たとえばスプリングにより提供される場合には、ステップS12は、ソフトウェア/ファームウェアおよびマイクロプロセッサ212の部分に及ぼす作用を必要としないが、次のステップの前に一時停止があってもよい。軸204に沿った検査ディスク部材の移動が駆動作用で発生する実施形態においては、ステップS12では、ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御の下に、マイクロプロセッサ212にモータ・インタフェース217を介してモータを制御させる。引き続いて、ステップS13において、マイクロプロセッサ212が、ROM214に記憶されたソフトウェア/ファームウェアの制御下で、軸204を第1方向に再び回転させ、ドライブ・ドッグ320がカートリッジ106内の次の検査ディスク部材のスロット307と係合したときに回転を停止させる。この段階で、検査ディスク部材はカートリッジ106内をわずかに上昇する。
【0072】
上述した実施形態に関連して種々の変形例および代替機能が使用され得る。いくつかの代替案を以下に示す。
【0073】
第3の位置314の隣に位置する、すなわちディスク縁305の完全に円周方向の部分のみの境界となっている血液採取部315の代わりに、血液採取部を、切り落とし部302と円周方向部分との交点でディスク縁305に位置させることができる。この実施形態における血液採取部315は、切り落とし部302のところでディスク縁305に沿って0.5mm〜2mmにわたって延びていてもよい。この実施形態における血液採取部315は、円周方向部分のところでディスク縁305に沿って0.5mm〜2mmにわたって延びていてもよい。
【0074】
あるいは、または、それに加えて、検体測定部316は、2つのウイッキング材料層の間に挟まれていてもよい。この場合、ウイッキング材料が検体測定部316を通して血液を吸い上げる。
【0075】
上記において、軸204は、駆動ベルト202により連結された駆動ホイール201によって駆動されると説明したが、代替案として、駆動が直接的であってもよい(すなわち、駆動機構が軸204に直結されていてもよい)し、または、ノッチ付きベルト、Vベルトまたは歯車直結機構によって連結が行われてもよい。電気モータの代わりに、ぜんまい仕掛け駆動を使用してもよい。ぜんまい仕掛け駆動機構は、特にバッテリまたはバッテリ充電器または電力供給源へのアクセスが制限されている場合に、多数の利点を有する。ぜんまい仕掛け駆動機構が用いられる実施形態においては、ユーザは、バッテリの消耗のためにBGM100が作動を停止することがないことを確信できる。ぜんまい仕掛け駆動機構は、開発途上国および新興成長市場場に特に適しているかも知れない。
【0076】
電気モータを使用して軸204を駆動する実施形態では、モータの制御をソフトウェアで行うのが好ましい。こうすれば、回転速度を容易に制御できる。加えて、回転程度をより容易に制御できる。モータはステップ・モータであってもよい。
【0077】
あるいは、たとえば手動操作のためのレバーまたは他のデバイスを使用する機械的な駆動装置があってもよい。適当な機構として、SLRカメラで従来使用されているものに類似する機構がある。
【0078】
スイング・アーム401は任意適当な方法で作動させてもよい。たとえば、軸204と同じモータまたは機構によって駆動されてもよい。あるいは、別のモータによって駆動されてもよい。いずれの場合においても、スイング・アーム404の回転がカム機構またはピン・スロット(トラック・パス)機構による作用を受けてもよい。電気モータが用いられている事象において、モータは、好ましくは、ソフトウェア駆動される。モータは好ましくはステップ・モータである。
【0079】
機械的装置は、バイアス手段(たとえば、機械的な圧縮スプリング)が付勢され、次いで解除されて電気接触ターミナル405を所定位置へ押す機構を含んでいてもよい。次いで、回転運動を用いるスイング・アーム401によって、ターミナル405が引っ込められ得る。この機構全体は、ラッチ・タイプ・トリガ機構と呼ぶことができる。
【0080】
電気接触ターミナル405を所定位置へ回転させるのに用いられているスイング・アーム401の代わりに、接触パッド318をディスク縁305上に位置させ、固定電気接触ターミナル405の使用を可能にしてもよい。電気接触ターミナルは、検査ディスク部材208〜210がコンポーネントのいずれかに損傷を生じさせることなく電気接触ターミナルと接触しながら移動できるように、ブラシその変形可能な部品を含んでいてもよい。同様の配置が、ブラシ付き直流モータで使われている。この場合、電気接触ターミナル405は、検査ディスク部材208〜210の周縁に乗って接触パッド318と接触する可撓性フィンガ接触であってもよい。あるいは、スイング・アーム401の代わりに、電気接触ターミナル405の所定位置への長手方向移動に作用を及ぼして接触パッド318と接触させる機構を用いてもよい。
【0081】
導電性トラック317および接触パッド318をリードフレームによって、形成してもよい。あるいは、オーバーモールディングを使用してもよい。あるいは、プリント配線板(PCB)を使用してもよい。
【0082】
オプションとして、検査ディスク部材209、210の各々は薄膜(図示せず)によって、隣り合った検査ディスク部材から隔離される。この場合、薄膜は、中空円筒形のハウジング部分203の内面に緊密に適合させると好ましい。薄膜の効果は、ディスク相互汚染の可能性を減らすことにある。薄膜の使用によって、検査ディスク部材208〜210が薄膜を用いない場合よりも短い分離量を有することが可能になる。
【0083】
上記の場合、検査ディスク部材208〜210は、バイアス手段、たとえば圧縮スプリングによって、上方へ付勢されると言える。検査ディスク部材208〜210をカートリッジ内で上方へ移動させるための別の機構を使用してもよい。たとえば、ねじ付きリフティング・カムが、軸204上に設けられてもよいし、あるいは、中空円筒形のハウジング部分203の内面に設けられてもよい。あるいは、検査ディスク部材208〜210は、カートリッジ106の軸に沿って移動せられる代わりに、開口部105およびドライブ・ドッグ320を備えたまま固定状態に留まってもよい。開口部105の移動は、細長いスロット内で摺動するドアを用いて達成され得る。ドアの移動によって、異なったストリップが開口部105のところに露出させられる。
【0084】
検体測定部316に向かって血液を運ぶ血液採取部315の代わりに、重力で血液を検体測定部316に送ってもよい。
【0085】
加えて、検査ディスク部材208〜210は、ランシング前に指と接触する消毒または清浄化部分を含んでいてもよい。これにより、傷による感染症のリスクを減らすことができ、また、特に皮膚から任意のグルコース(果物その他を食べた後に発生する可能性がある)を除去することによって精度を高めることができる。
【0086】
加えて、または、代わりに、検査ディスク部材208〜210は、血液採取部305に続いて指と接触するように配置された清浄化部分を含んでいてもよい.これにより、指から余分な血液を除去できると共に、切開部がふさがるのを助けるのに役立つ可能性がある。