【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様によれば、
−第1の無機層と;
−ゲッタ材を含む第1の有機層と;
−ゲッタ材を含まない第2の有機層と;
−第2の無機層と;がこの順で積層され、前記第1の無機層及び前記第2の無機層が前記第1の有機層及び前記第2の有機層を包囲する多層保護層であって、
前記ゲッタ材は前記第1の有機層内にナノサイズ粒子として分布しており、前記第2の有機層の厚さは少なくとも10μmである、多層保護層が提供される。
【0017】
本発明の第2の態様によれば、
−光電子素子と;
−前記光電子素子を大気物質から包囲して保護するための、本発明の第1の態様に係る多層保護層を含む保護包囲体と;を含む、有機光電子デバイスが提供される。
【0018】
ナノサイズ粒子(以下、ナノ粒子ともいう)は寸法が200nm未満である粒子である。
【0019】
本発明は、当初の有機ゲッタ粒子のサイズは小さいにもかかわらず、これらの粒子は数μmのサイズのクラスターを形成する傾向があるという本発明者らの観察に基づくものである。ゲッタ粒子を粉砕(ミリング)すると平均クラスターサイズが小さい分布が生じるため、かかる粒子を含む層の透明性が良好となることがわかった。このように平均クラスターサイズは小さいにもかかわらず、大きいサイズのクラスターの存在を完全に無視することはできないものと考えられた。よって、厚さが従来の0.1〜3μmである第2の有機層を第1の有機層上に設けると、クラスターが第2の無機層内へ突出しうり、また、クラスター表面の粒子が無機層に欠陥を生じる原因となる傾向がある。本発明によれば、第2の有機層の厚さは従来のものよりも実質的に大きい。水分の側面侵入を防止するように第1の無機層及び第2の無機層が第1の有機層及び第2の有機層を包囲する。
【0020】
ナノサイズ粒子は第1の有機層において水分と効率的に結合する。本発明は特に、ナノ粒子の有機層における含有量が組成物全量に対して4〜20重量%である実施形態に関する。しかしながら、特にこのような高含有量ではナノ粒子がクラスター化する傾向がある。典型的な実施形態において、前記含有量は組成物全量に対して5〜10重量%の範囲であり、例えば、5重量%である。
【0021】
好適な実施形態において、第2の有機層の厚さは少なくともとも20μmである。これには、製造プロセスの公差により第2の有機層の厚さにバラツキが生じたとしても、厚さが依然必要な10μmよりも大きくなるという利点がある。フレキシブル製品の場合、第2の有機層の厚さは100μm未満であることが好ましい。典型的な実施形態において、第2の有機層の厚さは約70μmである。
【0022】
一実施形態において、第1の有機層の厚さは10〜100μmの範囲である。厚さが実質的に小さいと(例えば5μm未満)ゲッタリング能力が不十分であり、厚さが実質的に大きいと(例えば200μm超)フレキシブル製品には望ましくない。
【0023】
一実施形態において、ナノサイズ粒子は金属酸化物から構成される。
【0024】
一実施形態において、金属酸化物はアルカリ土類金属酸化物である。アルカリ土類金属酸化物、特にCaOは非常に効率的に水と結合する。
【0025】
一実施形態において、光電子素子はOLEDであり、カソードとアノードとの間に配設された光電子層を有し、カソードは多層保護層に対向する。OLEDはカソード側が最も水分に対して脆弱であり、多層保護層は水分からの効率的かつ透明な保護を提供する。OLEDの反対面には金属箔などの他の保護層が配設されうる。金属箔はまた、カソード及びアノードのうちの1つの導電体となりうる。他の実施形態において、光電子素子は上述の多層保護層を両面に有する。
【0026】
有機層の樹脂成分は、第1の有機層においてゲッタ材の水除去作用が損なわれない限り特に限定されない。好適な有機材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、及び、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0027】
これらの樹脂は例えば溶融状態で押出しして塗布されうる。エポキシ樹脂は、通常、熱硬化されるか或いは室温において2成分系で硬化される。
【0028】
これらの樹脂の中でも、少なくとも1つのラジカル硬化性化合物とラジカル光開始剤とを含む光硬化性組成物から得られるものが好ましい。光硬化性化合物を使用する利点は硬化がほぼ即座に完了することである。
【0029】
光硬化性組成物は1つ以上のラジカル重合性化合物を含む。ラジカル重合性化合物はエチレン性不飽和であることが好ましく、1つの、より好ましくは2つ以上の末端エチレン性不飽和結合を有する化合物(1官能性又は多官能性化合物)から選択されることが特に好ましい。より具体的には、光硬化産業で周知であるものから好適に選択することができ、これにはモノマー、プレポリマー(すなわち、ダイマー、トリマー、及び、オリゴマー)、それらの混合物、及び、それらのコポリマーといった化学構造を有するものが含まれる。
【0030】
ラジカル重合性化合物の例としては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、芳香族ビニル化合物、ビニルエーテル、及び、内部二重結合を有する化合物(マレイン酸など)が含まれる。「(メタ)アクリレート)」は、アクリレート、メタクリレート又はその混合物を指し、「(メタ)アクリル」は、アクリル、メタアクリル又はその混合物を指す。
【0031】
(メタ)アクリレートの例としては、以下に示すものが含まれる。
【0032】
1官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーオクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタアクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタアクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、及び、EO変性2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
【0033】
2官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化・エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及び、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが含まれる。
【0034】
3官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン・トリス((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸のアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールプロピオネートトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、エトキシ化グリセリントリアクリレートが含まれる。
【0035】
4官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトールプロピオネートテトラ(メタ)アクリレート、及び、エトキシ化ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレートが含まれる。
【0036】
5官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、及び、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが含まれる。
【0037】
6官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ホスファゼンのアルキレンオキシド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、及び、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレートが含まれる。
【0038】
不飽和(ポリ)ウレタンを使用してもよい。不飽和(ポリ)ウレタンは、分子中に少なくとも1つの重合性炭素−炭素不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物又は不飽和(ポリ)ウレタン化合物である。不飽和(ポリ)ウレタンは、例えば、ヒドロキシ基末端(ポリ)ウレタンと(メタ)アクリル酸とを反応させるか、または、イソシアネート末端プレポリマーとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとを反応させてウレタンメタアクリレートを得ることにより合成されうる。
【0039】
好ましい脂肪族ウレタンメタアクリレートの例としては、GenomerR 4205、GenomerR 4256、GenomerR 4297や、特許文献2に記載されるものが含まれる。
【0040】
さらに、高分岐ポリエステル型などのより多官能なメタアクリレートを使用してもよい。
【0041】
(メタ)アクリルアミドの例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、及び、(メタ)アクリロイルモルフォリンが含まれる。
【0042】
芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルメチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2-エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、及び、4−t−ブトキシスチレンが含まれる。
【0043】
1官能性ビニルエーテルの場合のビニルエーテルの例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチル・ビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ペンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテンオキシエチルビニルエーテル、メトキシエチル・ビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシ-エチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、クロロブチルビニルエーテル、クロロエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、及び、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテルが含まれる。
【0044】
また、多官能ビニルエーテルの例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、及び、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル;及び、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリトリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリトリトールヘキサビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルのエチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパントリビニルエーテルのプロピレンオキシド付加物、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテルのエチレンオキシド付加物、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテルのプロピレンオキシド付加物、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテルのエチレンオキシド付加物、ペンタエリトリトールテトラビニルエーテルのプロピレンオキシド付加物、ジペンタエリトリトールヘキサビニルエーテルのエチレンオキシド付加物、及び、ジペンタエリトリトールヘキサビニルエーテルのプロピレンオキシド付加物などの多官能ビニルエーテルが含まれる。
【0045】
また、光硬化性組成物は少なくとも1つのフリーラジカル光開始剤を含む。フリーラジカル光開始剤はラジカル光重合を開始させるために常用されるものから選択されうる。
【0046】
フリーラジカル重合開始剤の例としては、ベンゾイン類(例えば、ベンゾイン、並びに、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、及び、ベンゾイン・アセタートなどのベンゾインエーテル);アセトフェノン類(例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、及び、1,1−ジクロロアセトフェノン);ベンジルケタール類(例えば、ベンジルジメチルケタール、及び、ベンジルジエチルケタール);アントラキノン類(例えば、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、及び、2−アミルアントラキノン);トリフェニルフォスフィン;ベンゾイルホスフィンオキシド類(例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド)(Lucirin TPO);ビスアシルホスフィンオキシド類;ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン);チオキサントン類及びキサントン類;アクリジン誘導体;フェナジン誘導体;キノキサリン誘導体;1−フェニル−1,2−プロパンジオン2−O−ベンゾイルオキシム;4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−プロピル)ケトン(Irgacure
(R)2959);1−アミノフェニルケトン又は1−ヒドロキシフェニルケトン(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシイソプロピルフェニルケトン、フェニル1−ヒドロキシイソプロピルケトン、及び、4−イソプロピルフェニル1−ヒドロキシイソプロピルケトン;及び、それらの組み合わせが含まれる。
【0047】
重合開始剤の含有量は重合性材料に対して0.01〜10%(質量)の範囲であることが好ましく、0.5〜7%(質量)であることがより好ましい。
【0048】
光硬化性組成物はチオール−エン系でありうる。よって、当該樹脂組成物は、(メタ)アクリレート成分及びフリーラジカル光開始剤に加えて、少なくとも1官能性又は多官能性チオールを含みうる。多官能性チオールは、2つ以上のチオール基を有するチオールを意味する。多官能性チオールは異なる多官能性チオールの混合物でありうる。好適な多官能性チオールは特許文献3(第8コラム第76行〜第9コラム第46行)、特許文献4(第7コラム第40〜57行)、特許文献5及び6に記載されている。特に好ましいものは、ポリオールをチオグリコール酸又はs−メルカプトプロピオン酸などのα−メルカプトカルボン酸又はs−メルカプトカルボン酸でエステル化して得られる多官能性チオールである。
【0049】
チオールの例としては、ペンタエリトリトールテトラ−(3−メルカプトプロピオネート)(PETMP)、ペンタエリトリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(PETMB)、トリメチロールプロパントリ−(3−メルカプトプロピオネート)(TMPMP)、グリコールジ−(3−メルカプトプロピオネート)(GDMP)ペンタエリトリトールテトラメルカプトアセテート(PETMA)、トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート(TMPMA)、グリコートジメルカプトアセテート(GDMA)、エトキシ化トリメチルプロパントリ(3−メルカプト−プロピオネート700(ETTMP 700)、エトキシ化トリメチルプロパントリ(3−メルカプト-プロピオネート1300(ETTMP 1300)、プロピレングリコール3−メルカプトプロピオネート800(PPGMP 800)が含まれる。
【0050】
ゲッタ粒子の有機マトリックスへの分散性を向上させるために分散剤を添加してもよい。分散剤は、低分子量有機分散剤、高分子量有機分散剤、低分子量有機/無機複合分散剤、高分子量有機/無機複合分散剤、有機/無機酸などでありうる。
【0051】
分散剤は、例えば凝集を防止することによりゲッタ粒子を有機層内へ良好に分散させることでゲッタ粒子のサイズを最小化し、その結果ゲッタ粒子をナノメートルオーダーの大きさで存在させて透明な水分吸収層を作製するためのものである。
【0052】
光硬化性組成物は、安定化剤、調節剤(modifier)、強靱化剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、顔料、色素、充填剤、及び、それらの組み合わせなどのその他の成分を更に含みうる。
【0053】
光硬化性組成物は1つ以上のカチオン重合性エポキシポリシロキサン化合物を含みうる。
【0054】
このようなエポキシポリシロキサン化合物の例としては、ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、エポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン、エポキシプロポキシプロピル末端ポリフェニルメチルシロキサン、(エポキシプロポキシプロピル)ジメトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン、モノ−(2,3−エポキシ)ポリエーテル末端ポリジメチルシロキサン、エポキシシクロヘキシルエチル末端ポリジメチルシロキサンが含まれる。
【0055】
以下に示すものは市販のエポキシポリシロキサン成分の例である。DMS−E12、DMS−E21、DMS−EX21、MCR−E11、MCR−E21、DMS−EC13、SIB1115.0(Gelest);UV9200(Momentive);Silcolease UV POLY220、Silcolease UV POLY200、Silcolease UV POLY201(BLuestar);PC1000、PC1035(Polyset)。
【0056】
したがって、樹脂組成物は硬化性能、接着性、機械特性、及び、粘度を調節するためにエポキシ官能性及び/又はオキセタン官能性有機化合物を含みうる。エポキシ官能有機化合物としては、例えば、エポキシド化ポリブタジエン樹脂、リモネンオキシド、4−ビニルシクロヘキセンオキシド、アリルグリシジルエーテル、7−エポキシ−1−オクテン、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、クレジルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。このようなエポキシド類の混合物もまた好適である。オキセタン官能性有機化合物としては、例えば、3−エチル−3−((2−エチルヘキシロキシ)メチル)オキセタン、トリメチロールプロパンオキセタンが挙げられる。
【0057】
また、光硬化性組成物は少なくとも1つのカチオン性光開始剤を含む。
【0058】
カチオン性光開始剤の例としては、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロアルセネート、及び、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの非求核性アニオンを有する、スルホン酸のオニウム塩及びジアリールヨードニウム塩、スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、及び、ボロン酸のトリアリールスルホニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
カチオン性光開始剤の塗膜組成物における添加量は、塗膜組成物全量に対して、約0.01〜10%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3%の量とすることができる。
【0060】
オニウム塩は、正に帯電(通常は+1)されており、負電荷のカウンターイオンが存在する。好適なオニウム塩としては、R
92I
+MX
z−、R
93S
+MX
z−、R
93Se
+MX
z−、R
94P
+MX
z−、及び、R
94N
+MX
z−(式中、各R
9は独立して炭素数1〜30のヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基であり;Mは遷移金属、希土類金属、ランタニド金属、メタロイド、リン、及び、硫黄から選択される元素であり;Xはハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素など)であり;zは「(Xの電荷+Mの酸化数)×z=−1」となるような数値である)から選択される式を有する塩が挙げられる。ヒドロカルビル基の置換基の例としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜16のアルキル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、シアノ基、カルボキシル基、メルカプト基、並びに、ピリジル基、チオフェニル基、及び、ピラニル基などの芳香族複素環基が含まれるが、これらに限定されない。Mで表される金属の例としては、Fe、Ti、Zr、Sc、V、Cr、及び、Mnなどの遷移金属;Pr、Ndなどのランタニド金属;Cs、Sb、Sn、Bi、Al、Ga、及び、Inなどの他の金属;B、Asなどのメタロイド;及び、Pが含まれるが、これらに限定されない。式MX
z−は非塩基性・非求核性アニオンを表す。MX
z−で表されるアニオンの例としては、BF
4−、PF
6−、AsF
6−、SbF
6−、SbCl
6−、及び、SnCl
6−が含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
オニウム塩の例としては、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、及び、ジアルキルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのビス−ジアリールヨードニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
スルホン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、パーフルオロブタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、パーフルオロエタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、及び、トリフルオロメタンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩などのパーフルオロアルキルスルホン酸のジアリールヨードニウム塩;及び、p−トルエンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩、及び、3−ニトロベンゼンスルホン酸のジアリールヨードニウム塩などのアリールスルホン酸のジアリールヨードニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0063】
スルホン酸のトリアリールスルホニウム塩の例としては、パーフルオロブタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、パーフルオロエタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、及び、トリフルオロメタンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩などのパーフルオロアルキルスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩;及び、p−トルエンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩、及び、3−ニトロベンゼンスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩などのアリールスルホン酸のトリアリールスルホニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
ボロン酸のジアリールヨードニウム塩の例としては、パーハロアリールボロン酸のジアリールヨードニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。ボロン酸のトリアリールスルホニウム塩の例としては、パーハロアリールボロン酸のトリアリールスルホニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。ボロン酸のジアリールヨードニウム塩、及び、ボロン酸のトリアリールスルホニウム塩は特許文献7に例示されているように当該技術分野において周知である。
【0065】
市販のカチオン生光開始剤の例としては、UV9390C、UV9380C(Momentive)、Irgacure 250(BASF)、Rhodorsil 2074、Rhodorsil 2076(Rhodia)、Uvacure 1592(UCB Chemicals)、Esacure 1064(Lamberti)が含まれる。中でも、UV9390C、Rhodorsil 2074が特に好ましい。
【0066】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、
(A)少なくとも1つの芳香族であるアクリレート又はメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(B)好ましくは30℃における粘性が100mPa・s未満である、少なくとも1つの1官能性であるアクリレート、メタアクリレート、ビニルアミド、アクリルアミド又はメタアクリルアミド成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(C)少なくとも1つの光開始剤、或いは、任意のそれらの混合物と;を含む光硬化性樹脂組成物を、UV照射などの活性光照射により硬化することにより、第1の有機層及び/又は第2の有機層を得る。
【0067】
前記実施形態の一実施形態において、光硬化性樹脂組成物は、当該樹脂組成物全量に対して、
(A)30〜90重量%の前記芳香族であるアクリレート又はメタアクリレート成分Aと;
(B)1〜30重量%の前記1官能性であるアクリレート、メタアクリレート、ビニルアミド、アクリルアミド又はメタアクリルアミド成分Bと;
(C)0.1〜10重量%の前記光開始剤Cと;を含む。
【0068】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、
(D)少なくとも1つのポリブタジエンアクリレート又はポリブタジエンメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(E)好ましくは30℃における粘性が100mPa・s未満である、ポリブタジエン基を有さない少なくとも1つのアクリレート又はメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(C)少なくとも1つの光開始剤、或いは、任意のそれらの混合物と;を含む光硬化性樹脂組成物を、活性光照射により硬化することにより、第1の有機層及び/又は第2の有機層を得る。
【0069】
前記実施形態の一実施形態において、光硬化性樹脂組成物は、当該樹脂組成物全量に対して、
(D)10〜60重量%の前記ポリブタジエンアクリレート又はポリブタジエンメタアクリレート成分Dと;
(E)1〜89.9重量%の前記アクリレート又はメタアクリレート成分Eと;
(C)0.1〜10重量%の前記光開始剤Cと;を含む。
【0070】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、
(F)少なくとも1つのウレタンアクリレート又はウレタンメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(E)好ましくは30℃における粘性が100mPa・s未満である、ウレタン基を有さない少なくとも1つのアクリレート又はメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(C)少なくとも1つの光開始剤、或いは、任意のそれらの混合物と;を含む光硬化性樹脂組成物を、活性光照射により硬化することにより、第1の有機層及び/又は第2の有機層を得る。
【0071】
前記実施形態の一実施形態において、光硬化性樹脂組成物は、当該樹脂組成物全量に対して、
(F)5〜50重量%の前記ウレタンアクリレート又はウレタンメタアクリレート成分Fと;
(E)1〜94.9重量%の前記アクリレート又はメタアクリレート成分Eと;
(C)0.1〜10重量%の前記光開始剤Cと;を含む。
【0072】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、
(G)clogP値が>2である、少なくとも1つのアクリレート又はメタアクリレート成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(H)少なくとも1つのチオール成分、或いは、任意のそれらの混合物と;
(C)少なくとも1つの光開始剤、或いは、任意のそれらの混合物と;を含む光硬化性樹脂組成物を、活性光照射により硬化することにより、第1の有機層及び/又は第2の有機層を得る。
【0073】
前記実施形態の一実施形態において、光硬化性樹脂組成物は、当該樹脂組成物全量に対して、
(G)20〜98.9重量%の前記アクリレート又はメタアクリレート成分Gと;
(H)1〜20%重量%の前記チオール成分Hと;
(C)0.1〜10重量%の前記光開始剤Cと;を含む。
【0074】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、
(I)少なくとも1つのエポキシポリシロキサン成分と;
(J)少なくとも1つのカチオン性光開始剤、或いは、任意のそれらの混合物と;を
含む光硬化性樹脂組成物を、活性光照射により硬化することにより、第1の有機層及び/又は第2の有機層を得る。
【0075】
前記実施形態の一実施形態において、光硬化性樹脂組成物は、当該樹脂組成物全量に対して、
(I)20〜99.9重量%の前記エポキシポリシロキサン成分Iと;
(K)0.2〜79.9重量%の、ポリシロキサン基を有さないエポキシ官能又はオキセタン官能有機成分、或いは、当該エポキシ官能又はオキセタン官能有機成分の混合物と;
(J)0.1〜10重量%の前記光開始剤Jと;を含む。
【0076】
第1の有機層に使用する場合、本組成物は比較的塩基性が低いゲッタ材と併用する場合のみに使用するべきである。CaOなどの比較的塩基性が高いゲッタ材はカチオン性光硬化プロセスを抑制しうる。
【0077】
第1の態様に係る多層保護層の一実施形態において、第1の有機層及び/又は第2の有機層はclogP値が>2である光硬化性樹脂組成物を活性光照射により硬化することにより得る。
【0078】
本発明の第3の態様によれば、
第1の無機層を成膜する工程と;
ナノサイズ粒子として分布するゲッタ材を含む第1の有機層を成膜する工程と;
厚さが10〜100μmの範囲である、ゲッタ粒子を含まない第2の有機層を成膜する工程と;
第2の無機層を成膜する工程と;を含み、これにより、光電子素子、前記第1の無機層、前記第1の有機層、前記第2の有機層、及び、前記第2の無機層を順に有し、前記第1の無機層及び前記第2の無機層が前記第1の有機層及び前記第2の有機層を包囲する積層体を得る、多層保護層の製造方法が提供される。
【0079】
本発明の第4の態様によれば、
−光電子素子を提供する工程と;
−前記多層保護層の製造工程を含む、保護包囲体を提供する工程と;を含む、保護包囲体で包囲された光電子素子を含む光電子デバイスの製造方法が提供される。
【0080】
保護包囲体は、多層保護層を更なる保護層と組み合わせて、光電子素子を当該多層保護層と当該更なる保護層とで包囲することで得られうる。更なる保護層は前記多層保護層であってもよいが、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層とが交互に積層されてなる無機層の積層体などの他のバリア構造体であってもよい。更なる実施形態において、光電子デバイスは、金属箔又はガラス板を基板として使用する場合など、それ自身がバリア層として機能する基板を有しうる。
【0081】
また、本発明の第3及び第4の態様に係る方法の工程間に追加の工程を行ってもよい。例えば、第1の無機層を設ける工程の後であって第1の有機層を設ける工程の前に、更なる有機層を設ける追加の工程を行って、第1の無機層と第1の有機層との間に更なる有機層を設けてもよい。これらの及び他の態様を、図面を参照してより詳細に説明する。