特許第5940581号(P5940581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5940581消費電力予測装置、方法、およびその非一時的コンピュータ可読記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940581
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】消費電力予測装置、方法、およびその非一時的コンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20160616BHJP
   G06F 19/00 20110101ALI20160616BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20160616BHJP
   G01R 21/00 20060101ALI20160616BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20160616BHJP
【FI】
   G06Q50/16 300
   G06F19/00 100
   H02J13/00 301A
   G01R21/00 Z
   G06Q50/06
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-80130(P2014-80130)
(22)【出願日】2014年4月9日
(65)【公開番号】特開2015-103241(P2015-103241A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2014年4月10日
(31)【優先権主張番号】102142609
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599060434
【氏名又は名称】財團法人資訊工業策進會
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】邱育生
(72)【発明者】
【氏名】曹孝櫟
(72)【発明者】
【氏名】陳勇旗
(72)【発明者】
【氏名】郭時粹
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−213825(JP,A)
【文献】 特開2013−196631(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0131883(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G01R 21/00
G06F 19/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費電力予測装置であって、
器具の複数の第1の消費電力データを受信するように構成されるインターフェースであって、前記器具は複数の操作状態を有し、前記第1の消費電力データは第1の時系列を有し、前記第1の消費電力データのそれぞれは第1の記録状態と、前記第1の記録状態に対応する第1の記録時間の長さとを含み、前記第1の記録状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであるインターフェースと、
前記インターフェースに電気的に接続し、前記操作状態のそれぞれの平均的な操作時間の長さを、前記第1の記録状態および前記第1の記録時間の長さにしたがって算出し、前記操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を、前記第1の時系列および前記第1の消費電力データにしたがって算出するように構成される処理装置であって、前記移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性であり、前記元の状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記目標状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記元の状態は前記目標状態とは異なる処理装置と、
を備え
前記処理装置はさらに、現時点から目標時点までの前記器具の予測消費電力を、前記器具の現在の状態の電力、残りの滞留時間、前記現時点、および前記目標時点にしたがって算出する、消費電力予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消費電力予測装置であって、前記処理装置は、前記操作状態のそれぞれにおいて、
前記第1の消費電力データから少なくとも1つの選択した消費電力データとして少なくとも1つを選択する操作であって、前記少なくとも1つの選択した消費電力データのそれぞれの前記第1の記録状態は前記操作状態である操作と、
前記少なくとも1つの選択した消費電力データに対応する前記少なくとも1つの第1の記録時間の長さを、前記操作状態の前記平均的な操作時間の長さとして算術的に平均する操作と、
を実施することによって前記操作状態のそれぞれの前記平均的な操作時間の長さを算出する、消費電力予測装置。
【請求項3】
請求項1に記載の消費電力予測装置であって、前記処理装置は、前記操作状態のそれぞれにおいて、
前記操作状態に入る第1の回数を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって数える操作と、
前記操作状態を出てから前記器具が入った少なくとも1つの移行状態を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって判断する操作であって、前記少なくとも1つの移行状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つである操作と、
前記操作状態から前記少なくとも1つの移行状態のそれぞれに入る少なくとも1つの第2の回数を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって数える操作と、
前記少なくとも1つの第2の回数のそれぞれを前記第1の回数で割って、前記操作状態の前記少なくとも1つの移行可能性を得る操作と、
を実施することによって前記操作状態のそれぞれの前記少なくとも1つの移行可能性を算出する、消費電力予測装置。
【請求項4】
請求項1に記載の消費電力予測装置であって、前記処理装置はさらに、前記現時点での前記器具の前記現在の状態と、前記現在の状態下で経過した滞留時間の長さとを、前記器具の電力特徴データにしたがって判断し、前記現在の状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記処理装置はさらに、残りの滞留時間を、消費エネルギー予測間隔、前記経過した滞留時間の長さ、および前記現在の状態に対応する前記平均的な操作時間の長さにしたがって算出し、前記処理装置はさらに、前記残りの滞留時間がゼロ以上であることを判断し、前記現時点から前記目標時点までの前記器具の予測消費電力は、前記残りの滞留時間がゼロ以上であることが判断されてから算出される、消費電力予測装置。
【請求項5】
請求項1に記載の消費電力予測装置であって、前記インターフェースはさらに、前記器具の複数の第2の消費電力データを受信し、前記第2の消費電力データは第2の時系列を有し、前記第2の消費電力データのそれぞれは第2の記録状態と、前記第2の記録状態に対応する第2の記録時間の長さとを含み、前記第2の記録状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであり、前記処理装置はさらに、前記操作状態のそれぞれの前記平均的な操作時間の長さを前記第2の記録状態および前記第2の記録時間の長さにしたがって更新し、前記操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を前記第2の時系列および前記第2の消費電力データにしたがって更新する、消費電力予測装置。
【請求項6】
コンピュータに実施形態される消費電力予測方法であって、
(a)器具の複数の第1の消費電力データを受信することであって、前記器具は複数の操作状態を有し、前記第1の消費電力データは第1の時系列を有し、前記第1の消費電力データのそれぞれは第1の記録状態と、前記第1の記録状態に対応する第1の記録時間の長さとを含み、前記第1の記録状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであることと、
(b)前記操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを前記第1の記録状態および前記第1の記録時間の長さにしたがって算出することと、
(c)前記操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を前記第1の時系列および前記第1の消費電力データにしたがって算出することと、
(d)現時点から目標時点までの前記器具の予測消費電力を、前記器具の現在の状態の電力、残りの滞留時間、前記現時点、および前記目標時点にしたがって算出することと、
を備える方法であって、
前記移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る前記可能性であり、前記元の状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記目標状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記元の状態は前記目標状態とは異なり、前記現在の状態は前記操作状態のうちの1つである、方法。
【請求項7】
請求項に記載の消費電力予測方法であって、前記ステップ(c)の前記操作状態のそれぞれにおいて、
前記第1の消費電力データから少なくとも1つの選択した消費電力データとして少なくとも1つを選択するステップであって、前記少なくとも1つの選択した消費電力データのそれぞれの前記第1の記録状態は前記操作状態であるステップと、
前記少なくとも1つの選択した消費電力データに対応する前記少なくとも1つの第1の記録時間の長さを前記操作状態の前記平均的な操作時間の長さとして算術的に平均するステップと、
を実行することによって、前記操作状態のそれぞれの前記平均的な操作時間の長さを算出する、方法。
【請求項8】
請求項に記載の消費電力予測方法であって、前記ステップ(c)の前記操作状態のそれぞれにおいて、
前記操作状態に入る第1の回数を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって数えるステップと、
前記操作状態を出た後に前記器具が入った少なくとも1つの移行状態を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって判断するステップであって、前記少なくとも1つの移行状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであるステップと、
前記操作状態から前記少なくとも1つの移行状態のそれぞれに入る少なくとも1つの第2の回数を前記時系列および前記第1の記録状態にしたがって数えるステップと、
前記少なくとも1つの第2の回数のそれぞれを前記第1の回数で割って、前記操作状態の前記少なくとも1つの移行可能性を得るステップと、
を実行することによって、前記操作状態のそれぞれの前記少なくとも1つの移行可能性を算出する、方法。
【請求項9】
請求項に記載の消費電力予測方法であって、さらに、
前記現時点での前記器具の前記現在の状態と、前記現在の状態下で経過した滞留時間の長さとを、前記器具の電力特徴データにしたがって判断することであって、前記現在の状態は前記操作状態のうちの1つであることと、
残りの滞留時間を、消費エネルギー予測間隔、前記経過した滞留時間の長さおよび前記現在の状態に対応する前記平均的な操作時間の長さにしたがって算出することと、
前記残りの滞留時間はゼロ以上であることを判断することと、を備え、
前記現時点から前記目標時点までの前記器具の予測消費電力は、前記残りの滞留時間がゼロ以上であることが判断されてから算出される、方法。
【請求項10】
請求項に記載の消費電力予測方法であって、さらに、
前記器具の複数の第2の消費電力データを受信することであって、前記第2の消費電力データは第2の時系列を有し、前記第2の消費電力データのそれぞれは第2の記録状態と、前記第2の記録状態に対応する第2の記録時間の長さとを含み、前記第2の記録状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであることと、
前記操作状態のそれぞれの前記平均的な操作時間の長さを前記第2の記録状態および前記第2の記録時間の長さにしたがって更新することと、
前記操作状態のそれぞれの前記少なくとも1つの移行可能性を前記第2の時系列および前記第2の消費電力データにしたがって更新することと、
を備える、方法。
【請求項11】
その内部に記憶されるコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは電子機器に読み込まれた後に消費電力予測方法を実行し、前記消費電力予測方法は、
前記電子機器によって、器具の複数の消費電力データ受信することであって、前記器具は複数の操作状態を有し、前記消費電力データは時系列を有し、前記消費電力データのそれぞれは記録状態と、前記記録状態に対応する記録時間の長さとを含み、前記記録状態のそれぞれは前記操作状態のうちの1つであることと、
前記電子機器によって、前記操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを、前記記録状態および前記記録時間の長さにしたがって算出することと、
前記電子機器によって、前記操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を前記時系列および前記消費電力データにしたがって算出することと、
前記現時点から前記目標時点までの前記器具の予測消費電力を、前記器具の現在の状態の電力、残りの滞留時間、前記現時点、および前記目標時点にしたがって算出することと、
を備える方法であって、
前記移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性であり、前記元の状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記目標状態は前記操作状態のうちの1つであり、前記元の状態は前記目標状態とは異なり、前記現在の状態は前記操作状態のうちの1つである、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記消費電力予測方法は、さらに、
前記電子機器によって、現時点での前記器具の現在の状態と、前記現在の状態下で経過した滞留時間の長さとを、前記器具の電力特徴データにしたがって判断することであって、前記現在の状態は前記操作状態のうちの1つであることと、
前記電子機器によって、残りの滞留時間を、前記経過した滞留時間の長さおよび前記現在の状態に対応する前記平均的な操作時間の長さにしたがって算出することと、
前記電子機器によって、前記残りの滞留時間がゼロ以上であることを判断することと、
前記電子機器によって、前記現時点から目標時点までの前記器具の予測消費電力を前記現在の状態の電力、前記残りの滞留時間、前記現時点および前記目標時点にしたがって算出することと、
を備え
前記現時点から前記目標時点までの前記器具の予測消費電力は、前記残りの滞留時間がゼロ以上であることが判断されてから算出される、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力予測装置、方法、およびその非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。より具体的には、本発明は、器具の可能性を用いることに基づく、消費電力予測装置、方法、およびその非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電力は、すでに現代の生活の主要なエネルギー源になっている。電力を管理するために、消費電力を予測するための多数の技術が提案されてきた。ただし、これらの従来の消費電力予測技術は主に、地方電力系統の給電のための基準として、または発電能力の基準として、電源系で用いられている。
【0003】
実際には、エンドユーザにとっても、節電し、電荷を低減するために、小型の施設(たとえば単一の工場、スマートビル、スマートホームなど)の消費電力を予測することが必要である。エンドユーザの消費電力を予測するために、ほとんどの慣用技術では、消費電力データを長期間(たとえば1年)にわたってユーザから収集すること、または予測の基準として温度センサおよび湿度センサが感知したデータを取ることが必要となる。これらの慣用技術は通常、消費電力を予測するためにニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムなどの技法を採用する。
しかし、これらの技術には長期間の訓練が必要であり、比較的小型の施設で用いられる場合には、大規模な施設で用いられる場合に比べて予測結果がそれほど正確ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、器具の将来の消費電力を迅速に予測するために、器具の消費電力モデルを確立することができる技術を提供することが、本技術分野で緊急に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の問題を解決するために、本発明は消費電力予測装置と、方法と、その非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含む。
【0006】
本発明の一定の実施形態が提供する消費電力予測装置はインターフェースと、処理装置とを備える。インターフェースと処理装置はお互いに電気的に接続する。インターフェースは器具の複数の消費電力データを受信する。器具は複数の操作状態を有し、消費電力データは時系列を有する。消費電力データのそれぞれは記録状態と、記録状態に対応する記録時間の長さとを含み、記録状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。処理装置は、操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを記録状態および記録時間の長さにしたがって算出するように構成される。処理装置はまた、操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を時系列および消費電力データにしたがって算出するように構成される。移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性である。元の状態は操作状態のうちの1つであり、目標状態は操作状態のうちの1つであり、元の状態は目標状態とは異なる。
【0007】
本発明の一定の実施形態が提供する消費電力予測方法はコンピュータによって実行される。消費電力予測方法は以下のステップを備える。(a)器具の複数の消費電力データを受信するステップ。ステップにおいて、器具は複数の操作状態を有する。消費電力データは時系列を有し、消費電力データのそれぞれは記録状態と、記録状態に対応する記録時間の長さとを含み、記録状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。(b)操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを記録状態および記録時間の長さにしたがって算出するステップ。(c)操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を時系列および消費電力データにしたがって算出するステップ。移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性である。元の状態は操作状態のうちの1つであり、目標状態は操作状態のうちの1つであり、元の状態は目標状態とは異なる。
【0008】
本発明の一定の実施形態で提供する非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、その内部に記憶されるコンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムが電子機器に読み込まれると、コンピュータプログラムは消費電力予測方法を実行する。消費電力予測方法は、以下のステップを備える。(a)電子機器によって、器具の複数の消費電力データを受信するステップ。ステップにおいて、器具は複数の操作状態を有する。消費電力データは時系列を有し、消費電力データのそれぞれは記録状態と、記録状態に対応する記録時間の長さとを含み、記録状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。(b)電子機器によって、操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを記録状態および記録時間の長さにしたがって算出するステップ。(c)電子機器によって、操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を時系列および消費電力データにしたがって算出するステップ。移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性である。元の状態は操作状態のうちの1つであり、目標状態は操作状態のうちの1つであり、元の状態は目標状態とは異なる。
【0009】
本発明は、一定の実施形態により、器具から収集する消費電力データを用いて器具の消費電力モデルを確立する。別の消費電力データを後で収集する場合は、後で収集する消費電力データを用いて、消費電力モデルを更新する。継続的な更新を通じて、消費電力モデルは異なる操作状態下での器具の平均的な操作時間の長さと、異なる操作状態間の移行可能性を正確に反映することができる。消費電力モデルを確立すると、本発明は、その後の器具の消費電力を予測することができる。簡潔に言えば、本発明はまず、現時点および現在の状態に入ってから経過した滞留時間の長さ時点においても、電力特徴データにしたがって、器具の現在の状態(つまり、器具の操作状態のうちの1つ)を判断する。その後、本発明は現在の状態下の器具の残りの滞留時間を算出する。次に、現時点から目標時点までの器具の予測消費電力を残りの滞留時間および消費電力モデルの情報にしたがって算出する。それによって、本発明は器具の消費電力モデルを確立し、器具から収集した消費電力データの一部を用いるだけで、任意の追加の環境データ(たとえば、温度データ、湿度データなど)を用いずに、器具の将来の消費電力を予測することができる。
【0010】
当業者が特許請求された発明の特徴を十分に理解するように、本発明で実施される詳細な技術および好ましい実施形態を以下の段落で添付図を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】第1の実施形態の消費電力予測装置を示す概略図である。
図1B】第1の消費電力データを示す概略図である。
図1C】器具の消費電力モデルを示す概略図である。
図2A】第2の実施形態の消費電力予測方法を示す主なフローチャート図である。
図2B】ステップS23の詳細なフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、本発明が提供する消費電力予測装置、方法、およびその非一時的コンピュータ可読記憶媒体を、例示的なその実施形態を参照して説明する。ただし、これらの本発明の例示的実施形態は、本発明をこれらの例示的実施形態に記載する特定の実施例、実施形態、環境、適用または実装に限定することを意図するものではない。したがって、これらの実施形態の説明は本発明を限定するものではなく、本発明を例示することのみを目的とする。以下の実施形態および添付図において、本発明に無関係な要素は説明から省略されていることを理解されたい。
【0013】
本発明の第1の実施形態は消費電力予測装置1であり、その概略図を図1Aに示す。消費電力予測装置1は、インターフェース11と、処理装置13とを備え、インターフェース11と処理装置13とはお互いに電気的に接続する。インターフェース11は、信号を送受信可能な任意の種類のインターフェースであってもよい。処理装置13は任意の様々なプロセッサ、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、または当業者に周知のその他の演算装置であってもよい。
【0014】
本実施形態では、インターフェース11はスマートメータ15に電気的に接続し、スマートメータ15は建物17内の器具19に接続する。本発明の別の実施形態では、スマートメータ15を非侵襲負荷監視装置と交換してもよい。
建物17の器具19は複数の操作状態を有する。たとえば、器具19が扇風機である場合は、その操作状態は、「高」、「中」、「低」、「入」および「切」を備えていてもよい。当業者が容易に理解できるように、異なる器具は異なる状態を有し、また異なる数の状態も有する。本実施形態では、器具19は5つの操作状態S1、S2、S3、入および切を有する。
【0015】
インターフェース11は、器具19の複数の第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eをスマートメータ15を介して受信する。図1Bに、第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eの概略図が示す。
第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eは第1の時系列を有する。第1の時系列によれば、第1の消費電力データ10aは第1の消費電力データ10bより早く、第1の消費電力データ10bは第1の消費電力データ10cより早く、以下同様である。第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eのそれぞれは、第1の記録状態と、第1の記録状態に対応する第1の記録時間の長さとを含む。
第1の記録状態のそれぞれは、器具19の5つの操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つである。簡潔に言えば、第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eのそれぞれは、器具19が一定の操作状態下で稼働する一定の時間の長さを記録する。
本実施形態では、第1の消費電力データ10aは記録状態S1と、第1の記録時間の長さT1とを含み、第1の消費電力データ10bは記録状態S2と、第1の記録時間の長さT2とを含み、第1の消費電力データ10cは記録状態S1と、第1の記録時間の長さT3とを含み、第1の消費電力データ10dは記録状態S2と、第1の記録時間の長さT4とを含み、第1の消費電力データ10eは記録状態S3と、第1の記録時間の長さT5とを含む。
【0016】
次に、処理装置13は、第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eにしたがって器具19の消費電力モデルを確立する。消費電力モデルは、操作状態S1、S2、S3、入および切の操作状態下それぞれにおいて、器具19の平均的な操作時間の長さと、1つの操作状態から別の操作状態に移行する器具19の移行可能性とを含む。
【0017】
具体的には、処理装置13は操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれにおいて平均的な操作時間の長さを、第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eに含まれる第1の記録状態および第1の記録時間の長さにしたがって算出する。たとえば、処理装置13は、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれにおいて以下の操作を実施することによって、操作状態のそれぞれの平均的な操作時間の長さを算出する。
(a)第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eから少なくとも1つの選択した消費電力データとして少なくとも1つを選択するステップ。本ステップにおいて、少なくとも1つの選択した消費電力データのそれぞれの第1の記録状態は操作状態である。
(b)少なくとも1つの選択した消費電力データに対応する少なくとも1つの第1の記録時間の長さを、操作状態の平均的な操作時間の長さとして平均するステップ。操作状態S1を例にすると、処理装置13は第1の消費電力データ10a、10cを選択した消費電力データとして選択する。次に、選択した消費電力データ(つまり、第1の消費電力データ10a、10c)に含まれる第1の記録時間の長さ(つまり、第1の記録時間の長さT1、T3)を操作状態の平均的な操作時間の長さS1として平均する。
本発明の別の実施形態では、処理装置はまた、別の方法、たとえば、平均的な操作時間の長さとして中央値または最頻値をとることによって、操作状態のそれぞれの平均的な操作時間の長さを算出してもよい。
【0018】
さらに、処理装置13は、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれにおいて少なくとも1つの移行可能性を第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eおよびその時系列にしたがって算出する。移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性である。元の状態は操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つであり、目標状態も操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つであり、元の状態は目標状態とは異なる。
【0019】
たとえば、処理装置13は、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれで以下の操作を実施することによって算出してもよい。
(a)時系列および第1の記録状態にしたがって、操作状態に入る第1の回数を数える操作。
(b)時系列および第1の記録状態にしたがって、器具が操作状態を出た後に入った少なくとも1つの移行状態を判断する操作。操作中、少なくとも1つの移行状態のそれぞれは操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つである。
(c)時系列および第1の記録状態にしたがって、操作状態から少なくとも1つの移行状態のそれぞれに入る少なくとも1つの第2の回数を数える操作。
および(d)少なくとも1つの第2の回数のそれぞれを第1の回数で割って、操作状態の少なくとも1つの移行可能性を得る操作。
【0020】
ここで、操作状態S1を例にとってさらに説明する。処理装置13は、時系列および第1の記録状態にしたがって、操作状態S1に入る第1の回数を数える。
図1Bに示す第1の消費電力データ10b、10cを例にとると、第1の消費電力データ10cは第1の消費電力データ10bのすぐ後に続くため、器具19は操作状態S2を出た後に操作状態S1に入ったことを意味する。処理装置13は操作状態S1に入る第1の回数をこの種の情報のみにしたがって数える。一方、処理装置13はまた、状態器具19が操作状態S1を出た後にどの状態に入るかを、時系列および第1の記録状態にしたがって判断し、その状態を操作状態S1の移行状態とする。
図1Bに示す第1の消費電力データ10a、10bならびに第1の消費電力データ10c、10dを例にとると、どちらの事例においても、器具19は操作状態S1を出た後に操作状態S2に入る。したがって、処理装置13は、操作状態S1が操作状態S2である1つの移行状態を有すると判断する。次に、処理装置13は、操作状態S1から少なくとも1つの移行状態(つまり、操作状態S2)のそれぞれに入る少なくとも1つの第2の回数を時系列および第1の記録状態にしたがって数える。その後、処理装置13は、少なくとも1つの第2の回数のそれぞれを第1の回数で割り、操作状態S1の少なくとも1つの移行可能性を得る。
【0021】
理解しやすいように、処理装置13によって、器具19のために確立された消費電力モデルを図1Cに示す。図1Cの5つの円は操作状態S1、S2、S3、入および切を表し、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれは平均操作時間の長さを有する。さらに、操作状態入から操作状態S1に入る移行可能性はρ01であり、操作状態S1から操作状態S2に入る移行可能性はρ12であり、操作状態S2から操作状態S1、S3それぞれに入る移行可能性はρ21およびρ23であり、操作状態S3から操作状態S1、切それぞれに入る移行可能性はρ31およびρ34である。
本発明の焦点は器具の消費電力モデルを確立することであるが、消費電力モデルは図1Cに示す状態移行図で表示されているものに限定されない。
【0022】
前述の操作を通じて、処理装置13は、器具19の消費電力モデルを器具19から収集した第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eにしたがって確立することができる。器具19の消費電力モデルを確立後、器具19のその後の消費電力を、消費電力予測装置1によって予測することができる。
本実施形態では、消費電力予測装置1は消費エネルギー予測間隔を有する。消費エネルギー予測間隔は、処理装置13が毎回消費電力を予測することができる時間の長さを表す。たとえば、現在の時点が午前10:00であり、消費エネルギー予測間隔が15分である場合は、処理装置13は、午前10:00から午前10:15までの消費電力を、器具19の消費電力モデルにしたがって予測する。消費電力予測装置1が器具19のその後の消費電力を器具19の消費電力モデルにしたがって予測する方法を、以下に説明する。
【0023】
処理装置13は、器具19の電力特徴データにしたがって、現時点の器具19の現在の状態および現在の状態下で経過した滞留時間の長さを判断してもよい。現在の状態は操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つであり、経過した滞留時間の長さは、器具19が今回現在の状態に入ってから経過した時間の長さを表す。
処理装置13が、器具19の電力特徴データにしたがって、どの操作状態(つまり、前述の現在の状態)に器具19が現在あるかを判断する方法、および操作状態下で経過した時間の長さを判断する方法は、本発明の焦点ではないため、本明細書ではこれ以上詳しくは説明しない。
【0024】
次に、処理装置13は以下の方程式(1)にしたがって、現時点から目標時点までの器具19の予測消費電力を帰納的に予測することができる。

【0025】
方程式(1)では、変数Tfromは現時点を表し、変数Ttoは目標時点を表し、変数iは現在の状態を表し、変数tは現時点(つまり、変数Tfromの値)の現在の状態(つまり、変数iの値)下の残りの滞留時間を表し、変数Pは現在の状態(つまり、変数iの値)の電力(つまり、平均消費電力)を表し、変数
は時間間隔hでの操作状態jの平均的な操作時間の長さを表し、変数
は時間間隔hでの操作状態iから操作状態jへの移動の可能性(つまり、前述の移行可能性)を表し、変数Hは器具19の限定操作状態のセットを表し、変数ΔPijは操作状態iから操作状態jに入る電力変化を表し、予測値Eは現時点から目標時点までの器具19の予測消費電力を表す。
【0026】
理解しやすいように、本明細書では、現在の状態は操作状態S2であり、操作状態の平均的な操作時間の長さS2は30分であり、現時点は午前10:00であり、消費エネルギー予測間隔は15分であり、現時点(つまり、午前10:00)での現在の状態(つまり、操作状態S2)下での器具19の経過した滞留時間の長さは20分であると仮定する。前述の方程式(1)にしたがって処理装置13が予測する値は、E(午前10:00、午前10:10、10、i)+P+E(午前10:10、午前10:15、5、i)である。
【0027】
詳細には、処理装置13が方程式(1)にしたがって前述の予測を実施する場合、処理装置13は現在の状態下の残りの滞留時間を、消費エネルギー予測間隔(たとえば、前述の15分)、経過した滞留時間の長さ(たとえば、前述の20分)、現在の状態に対応する平均的な操作時間の長さ(たとえば、前述の30分)によって算出する。
前述の例では、現時点での現在の状態下の器具19の残りの滞留時間は10分であるため、まず、E(午前10:00、午前10:10、10、i)にしたがって算出する。次にPをE(午前10:00、午前10:10、10、i)に加えると、残りの滞留時間はゼロ未満となり、状態移行が必要となる。そのためE(午前10:10、午前10:15、5、i)をさらに加える。
【0028】
簡潔に言えば、方程式(1)から分かるように、処理装置13が残りの滞留時間がゼロ以上であると判断すると、処理装置13は現時点から目標時点までの器具19の予測消費電力を、現在の状態の電力、残りの滞留時間、現時点および目標時点にしたがって算出する。
処理装置13が残りの滞留時間がゼロ未満であると判断すると、処理装置13は、現在の状態の少なくとも1つの移行可能性を少なくとも1つの選択した移行可能性として選択し、現時点から目標時点までの器具19の予測消費電力を、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれ、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態の滞留時間の長さ、現在の状態から少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態に入る少なくとも1つの切り替え電力、現時点および目標時点にしたがって算出する。
処理装置13が、現時点が目標時点と同一であると判断すると、処理装置13は現在の状態下の器具19の電力(つまり、平均的な消費電力)を現時点から目標時点までの予測消費電力とする。さらに、処理装置13が目標時点が現時点を過ぎていると判断すると、現時点から目標時点までの予測消費電力はゼロになる。
【0029】
本発明の別の実施形態では、処理装置13は、残りの滞留時間がゼロ未満である事例に他の方法で対処してもよい。処理装置13は、まず、少なくとも1つの選択した移行可能性を、現在の状態の少なくとも1つの移行可能性にしたがって算出してもよい。次に、処理装置は、現時点から目標時点までの器具の予測消費電力を、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれ、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態の滞留時間の長さ、現在の状態から少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態に入る少なくとも1つの切り替え電力、現時点および目標時点にしたがって算出する。たとえば、処理装置13は1日を複数の異なる時間間隔に分割し、異なる時間間隔および移行可能性にしたがって少なくとも1つの選択した移行可能性を算出してもよい。
【0030】
その後、インターフェース11が器具19の複数の第2の消費電力データ12a.....12bをさらに受信する場合は、器具19の消費電力モデルは、第2の消費電力データ12a.....12bにしたがって更新されてもよい。具体的には、第2の消費電力データ12a.....12bは、第2の時系列を有する。第2の消費電力データ12a.....12bのそれぞれは、第2の記録状態と、第2の記録状態に対応する第2の記録時間の長さとを含む。第2の記録状態のそれぞれは、5つの操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つである。
処理装置13は、操作状態の平均的な操作時間の長さS1、S2、S3、入および切のそれぞれを第2の記録状態および第2の記録時間の長さにしたがって更新し、操作状態S1、S2、S3、入および切のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を、第2の時系列および第2の消費電力データ12a.....12bにしたがって前述の方法で更新する。
【0031】
前述の説明によれば、消費電力予測装置1は器具19の消費電力モデルを器具19から収集した第1の消費電力データ10a、10b、10c、10d.....10eにしたがって確立する。その後別の消費電力データを収集する場合は、後で収集する消費電力データを用いて、消費電力モデルを更新する。継続的な更新を通じて、消費電力モデルは異なる操作状態下での器具19の平均的な操作時間の長さと、異なる操作状態間の移行可能性を正確に反映することができる。
消費電力モデルを確立後、消費電力予測装置1は、それにともなって器具19の消費電力を予測することができる。簡潔に言えば、消費電力予測装置1はまず、現時点および現在の状態に入ってから今回経過した滞留時間の長さ時点における、器具19の現在の状態(つまり、器具19の操作状態S1、S2、S3、入および切のうちの1つ)を判断する。その後、消費電力予測装置1は現在の状態下の器具19の残りの滞留時間を、消費エネルギー予測間隔、経過した滞留時間の長さおよび現在の状態に対応する平均的な操作時間の長さにしたがって算出する。次に、消費電力予測装置1は、現時点から目標時点までの器具19の予測消費電力を、残りの滞留時間および消費電力モデルの情報にしたがって算出する。
【0032】
本実施形態の機構によれば、消費電力予測装置1は器具19の消費電力モデルを確立し、器具19の将来の消費電力を、器具19から収集した消費電力データの一部を用いるだけで、任意の追加の環境データ(たとえば、温度データ、湿度データなど)を用いずに、予測することができる。
【0033】
本発明の第2の実施形態は消費電力予測方法であり、その主なフローチャートを図2Aに示す。本実施形態の消費電力予測方法はコンピュータ、電子機器、処理装置または演算機能を有するその他の演算装置によって実行される。
【0034】
まず、ステップS21を実行して、器具の複数の消費電力データを受信する。器具は複数の操作状態を有し、消費電力データは時系列を有し、消費電力データのそれぞれは記録状態と、記録状態に対応する記録時間の長さを含み、記録状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。
【0035】
次に、ステップS22を実行して、操作状態のそれぞれの平均操作時間の長さを記録状態および記録時間の長さにしたがって算出する。本発明の別の実施形態では、操作状態のそれぞれの平均的な操作時間の長さを、ステップS22の操作状態のそれぞれにおいて、以下のステップを実行することによって算出してもよい。
(a)消費電力データから少なくとも1つの選択した消費電力データとして少なくとも1つを選択するステップであって、少なくとも1つの選択した消費電力データのそれぞれの記録状態は操作状態であるステップ。
(b)少なくとも1つの選択した消費電力データに対応する少なくとも1つの第1の記録時間の長さを操作状態の平均的な操作時間の長さとして平均するステップ。
【0036】
ステップS23を実行して、操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を時系列および消費電力データにしたがって算出する。移行可能性のそれぞれは元の状態から目標状態に入る可能性である。元の状態は操作状態のうちの1つであり、目標状態は操作状態のうちの1つであり、元の状態は目標状態とは異なる。
【0037】
本発明の別の実施形態では、すべての操作状態の移行可能性を、図2Bに示すプロセスフローにしたがってステップS23において算出してもよい。まず、ステップS231を実行して、移行可能性がまだ算出されていない操作状態を選択する。次に、ステップS232を実行して、ステップS231において選択した操作状態に入る第1の回数を時系列および記録状態にしたがって数える。ステップS233を実行して、器具が操作状態を出てから入る少なくとも1つの移行状態を時系列および記録状態にしたがって判断する。少なくとも1つの移行状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。
次に、ステップS234を実行して、操作状態から少なくとも1つの移行状態のそれぞれに入る少なくとも1つの第2の回数を時系列および記録状態にしたがって数える。その後、ステップS235を実行して、少なくとも1つの第2の回数のそれぞれを第1の回数で割り、操作状態の少なくとも1つの移行可能性を得る。次に、ステップS236を実行して、移行可能性がまだ算出されていない任意の操作状態があるかを判断する。
ステップS236において判断の結果が「はい」である場合は、ステップS231からステップS235を繰り返し実行して、別の操作状態の移行可能性を算出する。ステップS236において判断の結果が「いいえ」である場合は、ステップS23を終了する。ステップS23の終了とは、本実施形態の消費電力予測方法が器具の消費電力モデルを確立済みであるため、器具の消費電力を消費電力モデルを用いて後で予測することができることを意味する。
【0038】
次に、ステップS24を実行して、器具の電力特徴データを受信してもよい。次に、ステップS25を実行して、現時点での器具の現在の状態と、現在の状態下で経過した滞留時間の長さとを、器具の電力特徴データにしたがって判断する。現在の状態は操作状態のうちの1つである。その後、ステップS26を実行して、残りの滞留時間を消費エネルギー予測間隔、経過した滞留時間の長さおよび現在の状態に対応する平均的な操作時間の長さにしたがって、算出する。
【0039】
次に、ステップS27を実行して、現時点に対応する消費エネルギー予測間隔の消費電力を、残りの滞留時間にしたがって予測する。具体的には、ステップS27において、消費電力を方程式(1)にしたがって帰納的に算出してもよい。簡潔に言えば、帰納的算出中に、残りの滞留時間がゼロ以上である場合は、現時点から目標時点までの器具の予測消費電力をステップS27において現在の状態の電力、残りの滞留時間、現時点および目標時点にしたがって算出する。
残りの滞留時間がゼロ未満である場合は、ステップS27において、現在の状態の少なくとも1つの移行可能性を少なくとも1つの選択した移行可能性として選択し、現時点から目標時点までの器具の予測消費電力を、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれ、少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態の平均的な操作時間の長さ、現在の状態から少なくとも1つの選択した移行可能性のそれぞれの目標状態に入る少なくとも1つの切り替え電力、現時点および目標時点、にしたがって算出する。
【0040】
一方、ステップS23が完了後(つまり、消費電力予測方法が器具の消費電力モデルを確立後)、別のステップを消費電力予測方法によってさらに実行し、消費電力モデルを更新してもよい。具体的には、ステップ(不図示)を消費電力予測方法によってさらに実行し、器具の別の複数の消費電力データを受信してもよい。
別の消費電力データは時系列を有し、別の消費電力データのそれぞれは記録状態と、記録状態に対応する記録時間の長さとを含む。記録状態のそれぞれは操作状態のうちの1つである。その後、別のステップを実行して、操作状態のそれぞれの平均的な操作時間の長さを、記録状態、別の消費電力データに含まれる記録時間の長さにしたがって更新し、操作状態のそれぞれの少なくとも1つの移行可能性を時系列および別の消費電力データにしたがって更新する。
【0041】
前述のステップに加えて、第2の実施形態もまた、第1の実施形態で説明するすべての操作および機能を実行することができる。第2の実施形態がこれらの操作および機能を実行する方法は第1の実施形態の説明に基づいて、当業者には容易に理解されるであろう。したがって本明細書ではさらに説明しない。
【0042】
さらに、第2の実施形態で説明する消費電力予測方法を、複数のコードを有するコンピュータプログラムで実施してもよい。コンピュータプログラムは非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。コンピュータプログラムのコードを電子機器に読み込んだ後に、コンピュータプログラムは、第2の実施形態で説明する消費電力予測方法を実行する。
前述の非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、コンパクトディスク(CD)、モバイルディスク、磁気テープ、ネットワークにアクセス可能なデータベース、または同一の機能を有し、当業者には周知である任意の別の記憶媒体であってもよい。
【0043】
前述の説明によれば、本発明は器具の消費電力モデルを器具から収集する消費電力データを用いて確立する。別の消費電力データを後で収集する場合は、後で収集する消費電力データを用いて消費電力モデルを更新する。継続的な更新を通じて、消費電力モデルは器具の異なる操作状態下での平均的な操作時間の長さと、異なる操作状態間の移行可能性を正確に反映することができる。
消費電力モデルが確立されると、本発明はその後の器具の消費電力を予測することができる。簡潔に言えば、本発明はまず、現時点および器具が現在の状態に入った後で経過した時間の長さでの器具の現在の状態(つまり、器具の操作状態のうちの1つ)を、電力特徴データにしたがって判断する。その後、本発明は現在の状態下の器具の残りの滞留時間を算出し、次に現時点から目標時点までの器具の予測消費電力を残りの滞留時間および消費電力モデルの情報にしたがって算出する。それによって、本発明は器具の消費電力モデルを確立し、器具の将来の消費電力器具から収集した消費電力データの一部を用いるだけで、任意の追加の環境データ(たとえば、温度データ、湿度データなど)を用いずに、予測することができる。
【0044】
上記の開示は詳細な技術的内容およびその発明の特徴に関する。当業者は本発明の開示および示唆に基づいて、本発明の特性から逸脱せずに前述の多様な修正および代替を進めてもよい。それにも関わらず、そのような修正および代替は上記の説明に完全には開示されていないが、添付する以下の請求項によって、実質的に網羅されている。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B