特許第5940691号(P5940691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5940691電圧生成回路、半導体装置およびフラッシュメモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5940691
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】電圧生成回路、半導体装置およびフラッシュメモリ
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/07 20060101AFI20160616BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20160616BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   H02M3/07
   H01L27/04 B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-20498(P2015-20498)
(22)【出願日】2015年2月4日
【審査請求日】2015年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】竹下 利章
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−237374(JP,A)
【文献】 特開2008−091548(JP,A)
【文献】 特開2010−259155(JP,A)
【文献】 特開2012−238739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/07
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電圧を他の電圧レベルに変換し、変換した出力電圧を出力ノードに提供する変換回路と、
前記出力ノードとグランド間に接続され、前記出力電圧に応じた電圧を分圧ノードに生成する抵抗分圧回路と、
前記抵抗分圧回路の前記分圧ノードに生成された電圧と基準電圧とを比較する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に基づき前記変換回路を制御する制御回路とを有し、
前記抵抗分圧回路は、少なくとも一部の抵抗を前記出力ノードに容量結合させる容量素子を含み、
前記抵抗は、基板上に形成されている導電性の第1のポリシリコン層を含み、
前記容量素子は、前記出力ノードから少なくとも一部の第1のポリシリコン層上に延在している導電性の第2のポリシリコン層と、第1のポリシリコン層と第2のポリシリコン層との間に形成されている誘電体層とを含み、
第2のポリシリコン層は、少なくとも前記分圧ノードに近接する抵抗部分に前記誘電体層を介して容量結合し、前記近接する抵抗部分は、前記分圧ノードと前記出力ノードとの間に存在する第1の抵抗部分および前記分圧ノードと前記グランドとの間に存在する第2の抵抗部分を有する、電圧生成回路。
【請求項2】
前記容量素子はさらに、前記基板内の導電性の領域と、第1のポリシリコン層と前記基板内の導電性の領域との間に形成されている別の誘電体層とを含む、請求項に記載の電圧生成回路。
【請求項3】
前記変換回路は、チャージポンプ回路を含む、請求項1または2に記載の電圧生成回路。
【請求項4】
前記変換回路はさらに、前記比較回路の比較結果に基づきクロックイネーブルされるクロック回路を含み、前記チャージポンプ回路は、前記クロック回路からのクロック回路に応答して出力電圧を前記出力ノードに提供する、請求項に記載の電圧生成回路。
【請求項5】
請求項1ないしいずれか1つに記載の電圧生成回路を含む半導体装置。
【請求項6】
請求項1ないしいずれか1つに記載の電圧生成回路を含むNAND型のフラッシュメモリであって、
フラッシュメモリのNANDストリングを構成するメモリセルは、前記基板上に形成されているゲート酸化膜と、前記ゲート酸化膜上のフローティングゲート層と、当該フローティング層上の誘電体膜と、当該誘電体膜上のコントロールゲート層とを含み、
前記メモリセルのゲート酸化膜は、前記電圧生成回路の前記別の誘電体層と同じ材料であり、前記フローティングゲート層は、前記電圧生成回路の第1のポリシリコン層と同じ材料であり、前記誘電体膜は、前記電圧生成回路の誘電体層と同じ材料であり、前記コントロールゲート層は、前記電圧生成回路の第2のポリシリコン層と同じ材料である、フラッシュメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力電圧を監視しながら所望の電圧を生成する電圧生成回路に関し、特にフラッシュメモリやその他の集積回路等を含む半導体装置の動作に必要な電圧を生成する電圧生成回路に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体設計の微細化に伴い、半導体素子を駆動する動作電圧が低電圧化し、半導体装置に供給される電源電圧も低電圧化している。例えば、半導体メモリの外部から供給される電源電圧は、3.3Vから2.5Vまたは1.8Vへと低電圧化されている。他方、半導体メモリ等の内部回路では、多電源を必要とし、例えば、トランジスタを駆動するための電圧、基板やウエルに印加する電圧などは、電源電圧よりも高い高電圧を必要とすることがある。このため、半導体装置は、外部から供給された電源電圧を所望の電圧に昇圧する昇圧回路やレベルシフタ回路等を備えている。
【0003】
特許文献1は、昇圧回路を備えたNAND型フラッシュメモリを開示している。昇圧回路は、チャージポンプによって構成され、チャージポンプの段数を削減することにより、消費電流を減少させ、かつ回路面積を削減している。特許文献2もまた、電圧発生回路を備えたNAND型フラッシュメモリを開示している。電圧発生回路は、チャージポンプ回路と、チャージポンプ回路の出力電圧をモニタしてチャージポンプ回路を制御するリミッタ回路とを備えている。リミッタ回路は、第1、第2の抵抗素子と、第1、第2の容量素子と、スイッチ素子と、比較器とを備え、比較器の一方の入力に第1の抵抗素子と第2の抵抗素子との接続部が接続され、他方の入力に基準電位が入力される。さらに第1の容量素子は、チャージポンプ回路の出力と比較器の一方の入力との間に接続され、チャージポンプ回路の出力が負荷に接続されたときに、スイッチ素子によって第2の容量素子を比較器の一方の入力に接続することで、昇圧電位の安定化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−244660号公報
【特許文献2】特開2013−157053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1は、従来のチャージポンプを利用した電圧生成回路の一例を示す図、図2は、その動作波形の一例である。電圧生成回路10は、チャージポンプ回路20と、チャージポンプ回路20で生成された電圧を監視し、監視結果に基づきチャージポンプ回路20を制御する制御回路30とを備える。チャージポンプ回路20は、例えば、キャパシタとダイオード(またはダイオード接続されたMOSトランジスタ)を含む基本回路を直列に複数接続して構成される。キャパシタの一方の電極にクロックを印加することにより、入力ノードNINから与えられた電荷がクロック毎に次段に転送され、出力ノードNOUTに出力電圧VOUTが生成される。制御回路30は、出力ノードNOUTとグランドとの間に接続された抵抗分圧回路32と、比較器34と、論理回路36とを含む。抵抗分圧回路32は、出力ノードNOUTとグランドの間に直列に接続された複数の抵抗R1、R2、R3、R4を含み、抵抗R3と抵抗R4との間に形成された分圧ノードNの電圧Vmが比較器34の負側の入力端子に供給される。また、比較器34の正側の入力端子には、ノードNREFからの基準電位VREFが供給される。論理回路36は、NAND−1、NAND−2、複数のインバータを含み、NAND−1、NAND−2の一方の入力には、それぞれクロック信号CLK1、CLK2が供給される。
【0006】
次に、電圧生成回路の動作を説明する。抵抗分圧回路32のノードNには、チャージポンプ回路20の出力電圧VOUTに応じた電圧Vmが生成される。比較器34は、電圧Vmと基準電位VREFとを比較し、電圧Vm>VREFであるとき、Lレベルのクロックイネーブル信号CLK_ENを出力し、電圧Vm≦VREFであるとき、Hレベルのクロックイネーブル信号CLK_ENを出力する。クロックイネーブル信号CLK_ENがLレベルであるとき、NAND−1、NAND−2がイネーブル状態となり、クロック信号CLK1、CLK2がインバータに印加され、チャージポンプ回路20による昇圧が実施される。クロックイネーブル信号CLK_ENがHレベルであるとき、NAND−1、NAND−2がディスエーブル状態となり、クロック信号CLK1、CLK2の印加が停止され、チャージポンプ回路20の昇圧が停止される。
【0007】
図2に示すように、チャージポンプ回路20の出力ノードNOUTの出力電圧VOUTが、要求される電圧、すなわちターゲット電圧に到達したとき時刻t1から一定時間遅延した時刻t2で、分圧ノードNの電圧Vmが基準電位VREFに一致する。その後、チャージポンプ回路20による昇圧が停止し、出力電圧VOUTが降下し、出力電圧VOUTが時刻t3でターゲット電圧に到達する。時刻t3から一定時間遅延した時刻t4で、分圧ノードNの電圧Vmが基準電圧VREFよりも降下する。分圧ノードNに電荷を充電し、あるいは電荷を放電させるには一定の時間がかかるため、実際には出力電圧VOUTがターゲット電圧を越えてから昇圧の制御が行われ、それ故、出力ノードNOUTに表れる出力電圧VOUTにはリップルが生じる。このリップルを小さくすることで電圧VOUTを安定化させることが望ましい。
【0008】
抵抗分圧回路32には、定常的に電流が流れるので、消費電力を低減させるためには、抵抗分圧回路32を流れる貫通電流を極力小さくすることが望ましい。しかし、貫通電流が小さくなれば、分圧ノードNの充放電時間が長くなり、つまり反応速度が遅くなり、結果として、電圧VOUTのリップルを小さくすることが難しくなる。
【0009】
この問題の解決手段として、図3に示すように、出力ノードNOUTと分圧ノードNとの間にキャパシタCを接続し、分圧ノードNを出力ノードNOUTに容量結合させる方法がある。出力電圧VOUTがターゲット電圧に向けて増加するとき、抵抗素子を介して流れる電流により分圧ノードNを充電するよりも前に、キャパシタCによって分圧ノードNが容量的に昇圧される。しかしながら、キャパシタCを新たに設けると、電圧生成回路10Aの回路面積の削減をすることが難しくなる。さらに、キャパシタCは、出力ノードNOUTと分圧ノードNとを直接的に容量結合させるため、分圧ノードNの昇圧が効きすぎてしまい、電圧Vmが大きくなり過ぎるという課題もある。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決し、回路面積の増加を抑制しつつ、出力電圧の安定化を図ることができる電圧生成回路およびこれを用いた半導体装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電圧生成回路は、入力された電圧を他の電圧レベルに変換し、変換した出力電圧を出力ノードに提供する変換回路と、前記出力ノードに結合され、前記出力電圧に応じた電圧を生成する抵抗分圧回路と、前記抵抗分圧回路により生成された電圧と基準電圧とを比較する比較回路と、前記比較回路の比較結果に基づき前記変換回路を制御する制御回路とを有し、前記抵抗分圧回路は、少なくとも一部の抵抗を前記出力ノードに容量結合させる容量素子を含む。
【0012】
好ましくは前記容量素子は、前記出力ノードから少なくとも一部の抵抗上に延在する導体部と、当該導体部と抵抗との間に形成された誘電体層とを含む。好ましくは前記抵抗は、基板上に形成された導電性を有する第1のポリシリコン層を含み、前記導体部は、第1のポリシリコン層上に形成された導電性を有する第2のポリシリコン層を含み、第1のポリシリコン層と第1のポリシリコン層との間に誘電体層が形成される。好ましくは前記抵抗は、基板上に形成された導電性を有する第1のポリシリコン層を含み、前記導体部は、前記基板内の導電性の領域であり、第1のポリシリコン層と前記基板内の領域との間に誘電体層が形成される。好ましくは前記抵抗は、基板上に形成された導電性を有する第1のポリシリコン層を含み、前記導電部は、第1のポリシリコン層上に形成された導電性を有する第2のポリシリコン層および前記基板内の領域とを含み、第1のポリシリコン層と第2のポリシリコン層との間に第1の誘電体層が形成され、第1のポリシリコン層と前記基板内の領域との間に第2の誘電体層が形成される。好ましくは前記変換回路は、チャージポンプ回路を含む。好ましくは前記変換回路はさらに、前記比較回路の比較結果に基づきクロックイネーブルされるクロック回路を含み、前記チャージポンプ回路は、前記クロック回路からのクロック回路に応答して出力電圧を前記出力ノードに提供する。
【0013】
本発明に係るNAND型のフラッシュメモリは、上記特徴を有する電圧生成回路を含み、前記第1のポリシリコン層は、NANDストリングのメモリセルを構成するフローティングゲート層と共通の材料から構成され、前記第2のポリシリコン層は、コントロールゲート層と共通の材料から構成され、前記誘電体層は、フローティングゲート層とコントロールゲート層との間に形成される誘電体層と共通の材料から構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、抵抗分圧回路は、少なくとも一部の抵抗を出力ノードに容量結合させる容量素子を含むようにしたので、出力ノードの出力電圧の変化を迅速に抵抗分圧回路の分圧ノードに伝えることができ、これにより、電圧生成回路の回路面積を増加させることなく、かつ、抵抗分圧回路による消費電力を抑制しつつリップルの少ない安定化された出力電圧を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来のチャージポンプ回路を有する電圧生成回路の一例を示す図である。
図2図1に示す電圧生成回路の各部の電圧波形の一例を示す図である。
図3】従来の他の電圧生成回路の一例を示す図である。
図4】本発明の実施例に係る電圧生成回路の構成例を示す図である。
図5】本発明の実施例に係るチャージポンプ回路を有する電圧生成回路の一例を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るチャージポンプ回路を有する電圧生成回路の他の例を示す図である。
図7】本実施例の抵抗分圧回路の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面は、分かり易くするために各部を強調して示してあり、実際のデバイスのスケールとは同一ではないことに留意すべきである。
【0017】
図4は、本発明の実施例に係る電圧生成回路の構成を示す図である。本実施例の電圧生成回路100は、入力ノードNINから供給された入力電圧VINを、要求される電圧に変換し、変換された出力電圧VOUTを出力ノードNOUTに供給する変換回路110と、出力ノードNOUTに接続された抵抗分圧回路120と、抵抗分圧回路120によって分圧された電圧Vmと基準電圧VREFとを比較する比較回路130と、比較回路130の比較結果に基づき変換回路110を制御する制御回路140とを備えて構成される。
【0018】
電圧生成回路100は、出力ノードNOUTに生成された出力電圧VOUTを監視し、当該監視結果に基づき変換回路110を制御するフィードバックループを有し、これにより、出力ノードNOUTに安定化された出力電圧VOUTを生成する。変換回路110は、その構成を特に限定されないが、例えば、チャージポンプ、スイッチングレギュレータ、その他の昇圧回路または降圧回路などであることができる。
【0019】
抵抗分圧回路120は、出力ノードNOUTとグランド間に直列に接続された複数の抵抗素子を含み、分圧ノードNに、出力電圧VOUT応じた電圧Vmを生成する。抵抗素子は、任意の導電性材料から構成され、例えば、配線、層、または領域であることができる。抵抗分圧回路120はさらに、複数の抵抗素子の少なくとも1部の抵抗素子と出力ノードNOUTとの間に寄生キャパシタCpを形成し得る導電部122を含む。導電部122は、導電性材料から構成され、例えば、配線、層、または領域であることができる。
【0020】
比較回路130は、抵抗分圧回路120の分圧ノードNの電圧Vmと、基準電圧VREFとを比較し、比較結果に応じた信号を制御回路140へ提供する。例えば、電圧Vmが基準電圧VREFよりも大きいとき、比較回路130は、Hレベルの信号を制御回路140へ提供し、電圧Vmが基準電圧VREF以下であるとき、比較回路130は、Lレベルの信号を制御回路140へ提供する。
【0021】
制御回路140は、比較回路130の比較結果に基づき変換回路110の動作を制御する。例えば、変換回路110が昇圧回路であるとき、昇圧回路は、出力ノードNOUTに昇圧された出力電圧VOUTを生成し、出力電圧VOUTは、抵抗分圧回路120によって生成された電圧Vmによって監視される。もし、出力電圧VOUTが要求される電圧を下回れば、昇圧回路による昇圧が行われ、出力電圧VOUTが要求される電圧を上回れば、昇圧回路による昇圧が停止させるような制御が行われる。
【0022】
出力ノードNOUTから抵抗分圧回路120に電流が流れることで、分圧ノードNには、出力電圧VOUTに応じた電圧Vmが生成される。抵抗分圧回路120を流れる電流は、貫通電流であり、この電流が大きいと消費電力が大きくなる。このため、抵抗分圧回路120に流れる電流は、出来るだけ小さい方が望ましい。他方、電流が小さくなると、分圧ノードNに表れる電圧Vmの反応が遅くなり、その結果、制御回路140による制御が遅延し、出力電圧VOUTのリップルが大きくなってしまう。本実施例では、そのような不具合を解消するため、出力ノードNOUTと抵抗素子との間に寄生キャパシタCpを形成することで、抵抗分圧回路120を流れる貫通電流を小さくしても、出力電圧VOUTに応じた電圧Vmが分圧ノードNに迅速に表れやすくする。この寄生キャパシタCpは、抵抗素子と容量的に結合するような導電部122を設けることによって形成されるが、導電部122による構成を工夫すれば(例えば、導電部を積層させたり、ウエル領域を利用したり)、電圧生成回路100の回路面積を実質的に増加させないあるいは増加の程度を極力小さくすることができる。
【0023】
次に、本実施例のチャージポンプ回路を備えた電圧生成回路の構成を図5に示す。なお、図1に示す構成要素と同一のものについては同一参照番号を付し、説明を省略する。本実施例の電圧生成回路100Aは、同図に示すように、抵抗分圧回路120を備え、抵抗分圧回路120には、抵抗R1、R2、R3、R4と容量的に結合される導電部122が形成され、抵抗R1、R2、R3、R4と出力ノードNOUTとの間に寄生キャパシタCpが形成される。導電部122は、例えば、抵抗R1、R2、R3、R4上を誘電体層を介して延在する導電性の配線であり得る。
【0024】
出力電圧VOUTを監視するとき、抵抗R1、R2、R3、R4を流れる電流により分圧ノードNに電圧Vmが生成されるが、出力電圧VOUTが変動するとき、抵抗を介して流れる電流の変化に先立って、容量結合による変化が分圧ノードNに表れる。例えば、出力電圧VOUTがターゲット電圧を越えたとき、抵抗を流れる電流による充電に先立って、容量結合により分圧ノードNが昇圧される。また、出力電圧VOUTがターゲット電圧より降下したとき、抵抗を介した放電に先立って、容量結合により分圧ノードNが降圧される。このように、寄生キャパシタCpを設けることにより、出力電圧VOUTの変化を分圧ノードNに迅速に反映させることができ、その結果、出力電圧VOUTの監視による遅延が抑制され、出力電圧VOUTのリップルを低減させ、出力電圧VOUTの安定化を図ることができる。
【0025】
図6は、電圧生成回路の変形例である。図5に示す電圧生成回路100Aでは、抵抗分圧回路120の全ての抵抗R1、R2、R3、R4に寄生キャパシタCpが形成される例を示したが、図6に示す電圧生成回路100Bでは、抵抗分圧回路120の一部の抵抗R3、R4に寄生キャパシタCpが形成される。一部の抵抗素子に寄生キャパシタCpを形成する場合には、その一部の抵抗素子は、分圧ノードNに近接するであることが望ましい。つまり、抵抗R1に寄生キャパシタCpを形成するよりも、分圧ノードNに近接する抵抗R3、R4に寄生キャパシタCpを形成した方が、出力電圧VOUTの変化を迅速に分圧ノードNの電圧Vmに反映させることができる。
【0026】
次に、本実施例による抵抗分圧回路の構成例について説明する。図7(A)は、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリのメモリセルを構成するポリシリコン層を利用して抵抗分圧回路を形成したときの断面を模式的に表している。同図において、200は、シリコン基板またはウエル領域であり、210は、トレンチ(STI)やフィールド酸化膜のような絶縁領域、220は、フローティングゲート(FG)を構成するn型のポリシリコン層、230は、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜を積層したONO構造の高誘電体層、240は、コントロールゲート(CG)を構成するn型のポリシリコン層、250は、ポリシリコン層240上に形成される金属シリサイド層、260−1、260−2は、コンタクトである。
【0027】
ポリシリコン層220は、例えば、絶縁領域210上にストリップ状に延在される。ポリシリコン層240は、開口242を介して、第1のポリシリコン部240−1と、第2のポリシリコン部240−2に分離される。第1のポリシリコン部240−1は、ポリシリコン層220の上を誘電体層230を介して延在する。コンタクト260−1に対応する誘電体層230の位置に貫通孔が形成され、第1のポリシリコン部240−1がポリシリコン層220に電気的に接続され、同様に、コンタクト260−2に対応する誘電体層230の位置に貫通孔が形成され、第2のポリシリコン部240−2がポリシリコン層220に電気的に接続される。ポリシリコン層220は、コンタクト260−1からコンタクト260−2の間に電流経路を形成し、抵抗素子として機能する。第1のポリシリコン部240−1は、誘電体層230を介してポリシリコン層220上を延在することにより、ポリシリコン層220との間に寄生キャパシタを形成する。
【0028】
1つの態様として、コンタクト260−1を、図5に示す出力ノードNOUTに対応させ、コンタクト260−2を、分圧ノードNに対応させることができる(但し、抵抗分圧回路のグランド電極は省略)。他の態様として、図7(A)に示す構成を基本構成とし、これを複数直列に接続することで抵抗分圧回路を構成することも可能である。
【0029】
NAND型フラッシュメモリでは、外部から供給される電源電圧を用いて、プログラム電圧、消去電圧、パス電圧等を生成する電圧生成回路を備えている。同様にNOR型フラッシュメモリにおいて、プログラム電圧や消去電圧を生成する電圧生成回路を備えている。図7(A)に示すような抵抗分圧回路を有する電圧生成回路をNAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリに適用した場合、NAND型およびNOR型フラッシュメモリのメモリセルと共通のプロセスを用いて抵抗分圧回路の抵抗素子および寄生キャパシタCpを形成することができる。さらに電圧生成回路の一部に、メモリセルの構成を適用することで、電圧生成回路の回路面積を小さくすることができる。
【0030】
図7(B)は、抵抗分圧回路の導電部としてウエル領域を利用する例を示している。抵抗素子は、図7(A)のときと同様に、基板200上に誘電体層232を介して形成されたn型のポリシリコン層220が利用される。コンタクト270−1は、シリサイド層250を介してポリシリコン層220の一方の端部に電気的に接続され、コンタクト270−2は、シリサイド層250を介してポリシリコン層220の他方の端部に電気的に接続される。ポリシリコン層220は、例えば、MOSトランジスタのゲートと共通のプロセスを用いて形成することができ、その場合には、誘電体層232は、シリコンゲート酸化膜である。また、n型またはp型のシリコン基板またはウエル領域200には、ウエルタップ280を介してコンタクト272−1、272−2が電気的に接続される。ウエルタップ280は、例えば、金属シリサイド層である。ウエルタップ280は、STI等の絶縁領域210によりポリシリコン層220から電気的に隔離されている。こうして、ポリシリコン層220とウエル領域200との間に寄生キャパシタが形成される。
【0031】
例えば、コンタクト270−1、272−1を、図5に示す出力ノードNOUTに対応させ、コンタクト272−2を分圧ノードNに対応させることができる。さらに図7(B)に示す構成を基本単位としてこれを複数直列に接続することで、抵抗分圧回路を構成することも可能である。
【0032】
図7(C)は、図7(A)の構成と図7(B)の構成とを組み合わせたものである。コンタクト270−1、270−2の間で、ポリシリコン層220が抵抗素子として機能する。ポリシリコン層220上に形成されたポリシリコン層240は、図7(A)のときのように導電ラインとして機能し、誘電体層230を間に挟む寄生キャパシタが形成される。また、ポリシリコン層220の下方に誘電体層232を介して形成されたウエル200が導電部として機能し、図7(B)のときのように誘電体層232を間に挟む寄生キャパシタが形成される。本例のような構成により、寄生キャパシタによる抵抗素子との容量結合をさらに増強することができる。
【0033】
以上のように本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
100:電圧生成回路
110:変換回路
120:抵抗分圧回路
122:導電部
130:比較回路
140:制御回路
200:基板(ウエル)
210:絶縁領域
220:ポリシリコン層
230、232:誘電体層
240:ポリシリコン層
250:シリサイド層
260−1、260−2:コンタクト
27−1、270−2、272−1、272−2:コンタクト
280:ウエルタップ
【要約】
【課題】 回路面積の増加を抑制しつつ、出力電圧の安定化を図ることができる電圧生成回路を提供する。
【解決手段】 本実施例の電圧生成回路100Aは、チャージポンプ回路20と、抵抗分圧回路120と、抵抗分圧回路120から出力された電圧Vmと基準電圧VREFとを比較する比較器34と、比較器34の比較結果に基づきチャージポンプ回路20の動作を制御する制御回路36とを有する。抵抗分圧回路120は、出力ノードNOUTとグランドとの間に直列に接続された抵抗R1、R2、R3、R4を含み、出力電圧VOUTに応じた電圧Vmを分圧ノードNに生成する。抵抗分圧回路120はさらに、抵抗R1、R2、R3、R4を出力ノードNOUTに容量的に結合させるための寄生キャパシタCpを有する。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7