(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マニピュレータは、前記第1加工エリアおよび前記第2加工エリアの間で移動可能な移動機構部を有し、多軸制御可能なロボットアームである、請求項1または2に記載の加工機械。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
材料を付着することによってワークに3次元形状を作成するものとして、付加加工法(Additive manufacturing)がある。他方、材料を除去することによってワークに3次元形状を作成するものとして、除去加工法(Subtractive manufacturing)がある。付加加工では、加工前後でワークの質量が増加し、除去加工では、加工前後でワークの質量が減少する。それぞれの加工法の特性を生かして、付加加工および除去加工を組み合わせ、ワークの最終的な形状を得る加工が行われる。
【0006】
一方、上述の特許文献には、付加加工のための各種の加工機械が開示されている。しかしながら、除去加工のための工作機械と、付加加工のための加工機械とをそれぞれ独立して設けると、設備費用が高コストとなる。このため、簡易な構成で、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械を実現することが求められる。
【0007】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、簡易な構成で、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従った加工機械は、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械である。加工機械は、第1加工エリアに設けられ、ワークを保持するワーク保持部と、第1加工エリアに設けられ、ワークの除去加工のための工具を保持する工具保持部と、第2加工エリアに設けられる付加加工用ヘッドと、ワークを保持し、第1加工エリアおよび第2加工エリアの間でワークを搬送するマニピュレータとを備える。付加加工用ヘッドは、ワークの付加加工時に、マニピュレータにより保持されたワークに対して材料を吐出する。
【0009】
このように構成された加工機械によれば、ワークの付加加工時に、ワーク搬送用のマニピュレータにより保持されたワークに対して材料を吐出するため、第2加工エリアにワークを保持するための機構を別途設ける必要がない。このため、簡易な構成で、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械を実現することができる。
【0010】
また好ましくは、加工機械は、第2加工エリアに不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、第1加工エリアおよび第2加工エリアを隔てる隔壁部を有し、第2加工エリアを略密閉された空間に形成するカバー体とをさらに備える。
【0011】
このように構成された加工機械によれば、第2加工エリアからの不活性ガスの漏洩を抑制することにより、ワークの付加加工時、第2加工エリアをより確実に不活性ガス雰囲気とすることができる。
【0012】
また好ましくは、マニピュレータは、第1加工エリアおよび第2加工エリアの間で移動可能な移動機構部を有し、多軸制御可能なロボットアームである。
【0013】
このように構成された加工機械によれば、ワークの付加加工時、ロボットアームにより保持されたワークと、付加加工用ヘッドとの相対的な位置関係を自在に変化させることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上に説明したように、この発明に従えば、簡易な構成で、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における加工機械を示す正面図である。
図1中には、加工機械の外観をなすカバー体を透視することにより、加工機械の内部が示されている。
【0018】
図1を参照して、加工機械100は、ワークの付加加工(AM(Additive manufacturing)加工)と、ワークの除去加工(SM(Subtractive manufacturing)加工)とが可能なAM/SMハイブリッド加工機である。加工機械100は、SM加工の機能として、固定工具を用いた旋削機能と、回転工具を用いたミーリング機能とを有する。
【0019】
加工機械100は、ベッド141と、ワークの除去加工のための第1主軸台111、第2主軸台116、工具主軸121および下刃物台131と、ワークの付加加工のための付加加工用ヘッド61とを有する。
【0020】
ベッド141は、第1主軸台111、第2主軸台116、工具主軸121、下刃物台131および付加加工用ヘッド61を支持するためのベース部材であり、工場などの据付け面に設置されている。
【0021】
第1主軸台111、第2主軸台116、工具主軸121および下刃物台131は、第1加工エリア200に設けられている。付加加工用ヘッド61は、第2加工エリア210に設けられている。第1加工エリア200および第2加工エリア210は、水平方向に延びるZ軸方向において、互いに隣り合って設けられている。
【0022】
第1主軸台111および第2主軸台116は、Z軸方向において、互いに対向して設けられている。第1主軸台111および第2主軸台116は、それぞれ、固定工具を用いた旋削加工時にワークを回転させるための第1主軸112および第2主軸117を有する。第1主軸112は、Z軸に平行な中心軸201を中心に回転可能に設けられ、第2主軸117は、Z軸に平行な中心軸202を中心に回転可能に設けられている。第1主軸112および第2主軸117には、ワークを着脱可能に保持するためのチャック機構が設けられている。
【0023】
第2主軸台116は、各種の送り機構や案内機構、サーボモータなどにより、Z軸方向に移動可能に設けられている。
【0024】
工具主軸(上刃物台)121は、回転工具を用いたミーリング加工時に回転工具を回転させる。工具主軸121は、鉛直方向に延びるX軸に平行な中心軸203を中心に回転可能に設けられている。工具主軸121には、回転工具を着脱可能に保持するためのクランプ機構が設けられている。
【0025】
工具主軸121は、図示しないコラム等によりベッド141上に支持されている。工具主軸121は、コラム等に設けられた各種の送り機構や案内機構、サーボモータなどにより、X軸方向、水平方向に延び、Z軸方向に直交するY軸方向、およびZ軸方向に移動可能に設けられている。工具主軸121に装着された回転工具による加工位置は、3次元的に移動する。工具主軸121は、さらに、Y軸に平行な中心軸を中心に旋回可能に設けられている。
【0026】
付加加工用ヘッド61は、ワークに対して材料粉末を吐出するとともにレーザ光を照射することにより付加加工を行なう(指向性エネルギ堆積法(Directed Energy Deposition))。
【0027】
付加加工用ヘッド61は、本体部62およびレーザ光出射部65を有する。本体部62には、コリメーションレンズや反射鏡等が内蔵されており、外部から導入されたレーザ光をレーザ光出射部65に向けて導く。レーザ光出射部65には、開口部66が形成されており、その開口部66を通じてレーザ光が出射され、材料粉末が吐出される。
【0028】
付加加工用ヘッド61は、各種の送り機構や案内機構、サーボモータなどにより、X軸方向に移動可能に設けられている。付加加工用ヘッド61は、このような構成に限られず、たとえば、第2加工エリア210内に固定して設けられてもよいし、X軸以外の軸方向に移動可能に設けられてもよい。付加加工用ヘッド61は、旋回機構を備えてもよく、たとえば、Y軸に平行な中心軸を中心に旋回可能に設けられてもよい。
【0029】
加工機械100は、材料粉末供給装置70、レーザ発振装置76および管部材73をさらに有する。材料粉末供給装置70は、付加加工に用いられる材料粉末を付加加工用ヘッド61に向けて供給する。材料粉末供給装置70は、付加加工に用いられる材料粉末を貯留する材料粉末タンク72と、材料粉末とキャリアガスとを混合する混合部71とを有する。
【0030】
レーザ発振装置76は、付加加工に用いられるレーザ光を発振する。管部材73は、材料粉末供給装置70およびレーザ発振装置76から付加加工用ヘッド61まで配索されている。管部材73には、レーザ発振装置76からのレーザ光を付加加工用ヘッド61に向けて導くための光ファイバと、材料粉末供給装置70より供給された材料粉末を付加加工用ヘッド61に向けて導くための配管とが収容されている。
【0031】
ワークに材料粉末を吐出することにより付加加工を行なう指向性エネルギ堆積法においては、加工エリアを不活性ガス雰囲気にすることが求められる。そこで、加工機械100は、第2加工エリア210に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部として、不活性ガスタンク81および配管82をさらに有する。
【0032】
不活性ガスタンク81は、アルゴンや窒素等の不活性ガスを貯える。配管82は、不活性ガスタンク81から第2加工エリア210に向けて配索されている。不活性ガスタンク81に貯えられた不活性ガスは、配管82を通じて第2加工エリア210に供給される。第2加工エリア210には、エリア内の酸素濃度を検出するための酸素濃度検出センサ86が設けられている。
【0033】
加工機械100は、カバー体142を有する。カバー体142は、第1加工エリア200および第2加工エリア210の各エリアを区画形成する。カバー体142は、複数枚の板金やシール部材が組み合わさって構成されている。
【0034】
カバー体142は、第1加工エリア200および第2加工エリア210を隔てる隔壁部143を有する。隔壁部143は、第2主軸台116に対して第1主軸台111の反対側に設けられている。隔壁部143には、後述するロボットアーム31の移動を可能とするために、開閉可能なシャッタ144が設けられている。
【0035】
カバー体142は、第2加工エリア210を略密閉された空間とするように設けられている。カバー体142による第2加工エリア210の密閉度は、カバー体142による第1加工エリア200の密閉度よりも高い。
【0036】
このような構成によれば、第2加工エリア210からの不活性ガスの漏洩、または、第2加工エリア210への酸素を含む外気の流入を抑制し、ワークの付加加工時、第2加工エリア210をより確実に不活性ガス雰囲気とすることができる。除去加工を行なう第1加工エリア200は、切粉や切削油を機外に排出する必要があるため、密閉度の高い空間にすることが難しい。本実施の形態では、除去加工および付加加工を隔壁部143により隔てられた別々の加工エリアで行なうため、第2加工エリア210を密閉度の高い空間にすることが可能である。
【0037】
図2は、
図1中の加工機械が備えるロボットアームを示す斜視図である。
図1および
図2を参照して、加工機械100は、ロボットアーム31をさらに有する。ロボットアーム31は、ワークを保持し、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間でワークを搬送する。
【0038】
ロボットアーム31は、移動機構部21と、移動機構部21に支持される基部32と、基部21に回動可能に連結されるアーム部33と、ワークを着脱可能に把持するワーク把持部51とを有し、6軸を互いに独立して制御可能なロボットアームである。
【0039】
移動機構部21は、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間で移動可能なように構成されている。移動機構部21は、ロボットアーム31を直線往復移動させるための機構として、ベース部材23、リニアガイド22、ラックピニオン25およびサーボモータ(不図示)を有する。
【0040】
なお、本実施の形態では、6軸制御可能なロボットアーム31について説明したが、6軸以外の多軸制御可能なロボットアームであってもよい。また、本実施の形態では、ロボットアーム31が直動機構(移動機構部21)を備えるが、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間でワークの搬送が可能であれば、直動機構を備えないロボットアームであってもよい。たとえば、ロボットアームを、X軸に平行な回転軸を中心に旋回可能な構成としてもよい。また、ロボットアームを、複数軸(代表的には、3軸)の直動機構のみを備える構成としてもよい。
【0041】
加工機械100は、ワークを格納可能なワークストッカ部をさらに有してもよい。この場合に、ロボットアームを、除去加工位置、付加加工位置およびワークストッカ部の間でワークを搬送する構成としてもよい。
【0042】
図3は、付加加工時のワーク表面を拡大して示す断面図である。
図1から
図3を参照して、付加加工用ヘッド61は、ワークの付加加工時に、ロボットアーム31により把持されたワークに対して材料を吐出する。
【0043】
より具体的に説明すると、ワークの付加加工時、ワーク把持部51によりワーク41を把持する。ロボットアーム31を動作させることによって、把持したワーク41を付加加工用ヘッド61に接近させる。ロボットアーム31の動作および/または付加加工用ヘッド61の移動によって、開口部66の開口面をワーク41の表面に対面させたまま、付加加工用ヘッド61およびワーク41を相対的に移動させる。このとき、付加加工用ヘッド61の開口部66からワーク41に向けて、レーザ光311と、材料粉末312と、シールドおよびキャリア用のガス313とが吐出される。これにより、ワーク41の表面に溶融点314が形成され、その結果、材料粉末312が溶着する。
【0044】
具体的には、ワーク41の表面に肉盛層316が形成される。肉盛層316上には、肉盛素材315が盛られる。肉盛素材315が冷却されると、ワーク41の表面に加工可能な層が形成された状態となる。なお、レーザ光311に替えて、電子ビームが用いられてもよい。材料粉末としては、アルミニウム合金およびマグネシウム合金等の金属粉末や、セラミック粉末を利用することができる。
【0045】
このような構成によれば、ワークの付加加工時、ワーク搬送用のロボットアーム31によりワークを把持するため、第2加工エリア210にワークを保持するための機構を別途設ける必要がない。このため、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械100を簡易な構成とすることができる。
【0046】
以上に説明した、この発明の実施の形態1における加工機械100の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における加工機械100は、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械である。加工機械100は、第1加工エリア200に設けられ、ワークを保持するワーク保持部としての第1主軸台111および第2主軸台116と、第1加工エリア200に設けられ、ワークの除去加工のための工具を保持する工具保持部としての下刃物台131および工具主軸121と、第2加工エリア210に設けられる付加加工用ヘッド61と、ワークを保持し、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間でワークを搬送するマニピュレータとしてのロボットアーム31とを備える。付加加工用ヘッド61は、ワークの付加加工時に、ロボットアーム31により保持されたワークに対して材料を吐出する。
【0047】
このように構成された、この発明の実施の形態1における加工機械100によれば、簡易な構成で、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械を実現することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、旋削機能とミーリング機能とを有する複合加工機をベースにAM/SMハイブリッド加工機を構成した場合について説明したが、このような構成に限られず、旋削機能を有する旋盤またはミーリング機能を有するマシニングセンタをベースにAM/SMハイブリッド加工機を構成してもよい。マシニングセンタをベースにAM/SMハイブリッド加工機を構成する場合、第1加工エリア内でワークを保持するワーク保持部として、テーブルが用いられる。
【0049】
また、加工機械100によって実行される付加加工は、指向性エネルギ堆積法に限られず、たとえば、ワークに溶融した熱可塑性樹脂を積層して3次元形状を作成する材料押出法や、粉末床の表面付近を熱により選択的に溶融・固化して積層する粉末床溶融結合法であってもよい。
【0050】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における加工機械100を用いて、ワークの付加加工および除去加工を行なう加工方法について説明する。
【0051】
図4は、付加加工および除去加工に伴って変化するワークの形態を示す図である。
図4を参照して、まず、母材42を準備する。母材42は、円盤形状を有する。次に、付加加工により、母材42の端面上に肉盛部43が形成された中間加工物46を得る。肉盛部43は、円柱形状を有する。次に、除去加工により、肉盛部43の外周面にネジ部44を形成する。最後に、母材42および肉盛部43の間を分離することにより、ネジ部44が形成された最終製品47を得る。
【0052】
図5から
図10は、この発明の実施の形態2におけるワークの加工方法の工程を模式的に表す図である。
【0053】
図5を参照して、第2加工エリア210において、ワーク把持部51により母材42を把持する。ロボットアーム31を動作させることによって、把持したワーク41を付加加工用ヘッド61に接近させる。付加加工用ヘッド61から母材42に向けて材料粉末を吐出しつつ、レーザ光を照射することによって、母材42に肉盛部43を形成する(中間加工物46の製造)。
【0054】
図6を参照して、次に、ロボットアーム31を第2加工エリア210から第1加工エリア200に移動させる。ロボットアーム31を動作させることによって、保持した中間加工物46を第2主軸台116に接近させる。肉盛部43が第2主軸117に対して所定位置に位置決めされたら、肉盛部43を第2主軸117によりチャッキングする。肉盛部43がチャッキングされたタイミングで、ワーク把持部51による母材42の把持を解除する。ロボットアーム31を第1加工エリア200から第2加工エリア210に退避させる。
【0055】
図7を参照して、第1加工エリア200において、第1主軸台111および第2主軸台116を接近させる。母材42を第1主軸112によりチャッキングするとともに、第2主軸117による肉盛部43のチャッキングを解除することにより、中間加工物46を第2主軸台116から第1主軸台111に移し替える。一方、第2加工エリア210において、ワーク把持部51により新たな母材42を把持する。
【0056】
図8を参照して、第1加工エリア200において、肉盛部43にネジ部44を形成するための除去加工を開始する。一方、第2加工エリア210において、母材42に肉盛部43を形成するための付加加工を開始する。
【0057】
本実施の形態における加工機械100では、第1加工エリア200における除去加工と、第2加工エリア210における付加加工とを同時に進行させることが可能である。また、除去加工時、第1加工エリア200は、切削油の雰囲気下に置かれる。本実施の形態では、除去加工の間、付加加工用ヘッド61が第2加工エリア210にあるため、光学部品を備えた付加加工用ヘッド61が切削油に晒されることを防止できる。
【0058】
図9を参照して、第1主軸112および第2主軸117の回転を同期させながら、第1主軸台111および第2主軸台116を接近させる。第2主軸117により、中間加工物46の肉盛部43の端部をチャッキングする。中間加工物46の両端が第1主軸台111および第2主軸台116により保持された状態で、母材42および肉盛部43の間を分離するための除去加工(突っ切り加工)を行なう。
【0059】
図10を参照して、第1主軸台111に母材42が残り、第2主軸台116に最終製品47が残る。第1加工エリア200から、母材42および最終製品47を回収する。
【0060】
このように構成された、この発明の実施の形態2における加工機械100および加工方法によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
【0061】
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態3における加工機械を模式的に表す正面図である。本実施の形態における加工機械は、実施の形態1における加工機械100と比較して、基本的には同様の構造を有する。以下、重複する構造については、その説明を繰り返さない。
【0062】
図11を参照して、本実施の形態における加工機械では、ロボットアーム31の移動機構部21が、台車部411およびレール412を有する。レール412は、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間で直線状に延びている。レール412は、第1加工エリア200および第2加工エリア210の底部に設けられている。台車部411は、レール412上を走行可能に設けられている。
【0063】
基部32は、移動機構部21(台車部411)から鉛直上方向に突出する形状を有する。基部32からアーム状に延出するアーム部33の構造は、実施の形態1における加工機械100と同様である。本実施の形態では、シャッタ144が、ロボットアーム31が移動する高さに合わせて、第1加工エリア200および第2加工エリア210の底部に近い位置に設けられている。
【0064】
このように構成された、この発明の実施の形態3における加工機械によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【解決手段】加工機械100は、ワークの除去加工および付加加工が可能な加工機械である。加工機械100は、第1加工エリア200に設けられ、ワークを保持する第1主軸台111および第2主軸台116と、第1加工エリア200に設けられ、ワークの除去加工のための工具を保持する下刃物台131および工具主軸121と、第2加工エリア210に設けられる付加加工用ヘッド61と、ワークを保持し、第1加工エリア200および第2加工エリア210の間でワークを搬送するロボットアーム31とを備える。付加加工用ヘッド61は、ワークの付加加工時に、ロボットアーム31により保持されたワークに対して材料を吐出する。