(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート状の外側生地とシート状の内側生地との間に固形食材を配置して両生地を重ね合せた所定幅のシート状の外皮材を連続して形成する外皮材形成手段と、連続形成された前記外皮材の上面に内材を配置して内材を包み込むように前記外皮材の両側部を封着することで内材の周囲を前記外皮材により被覆した棒状体を連続成形する棒状成形手段と、連続成形された前記棒状体を所定長さ毎に分割して成形する分割成形手段とを備え、前記外皮材形成手段は、前記外側生地をシート状に連続形成する外側生地供給部と、連続形成されたシート状の前記外側生地を搬送する搬送部と、搬送されるシート状の前記外側生地の上面に粒状の固形食材を配置する固形食材供給部と、前記固形食材を上面に配置したシート状の前記外側生地に対して前記内側生地をシート状に連続形成して上方から重ね合せることでシート状の前記外側生地とシート状の前記内側生地との間に前記固形食材を配置する内側生地供給部を備えている包被食品成形装置。
前記外皮材形成手段は、シート状の前記外側生地とシート状の前記内側生地との間に前記固形食材を所定間隔を空けて配置して前記外皮材を形成する請求項1に記載の包被食品成形装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明に係る実施形態に関する正面図であり、
図2は、本発明に係る実施形態に関する上面図である。包被食品成形装置1は、シート状の外側生地とシート状の内側生地との間に固形食材を配置して両生地を重ね合せた所定幅のシート状の外皮材を連続して形成する外皮材形成手段と、連続形成された外皮材の上面に内材を配置して内材を包み込むように外皮材の両側部を封着することで内材の周囲を外皮材により被覆した棒状体を連続成形する棒状成形手段と、連続成形された棒状体を所定長さ毎に分割して成形する分割成形手段とを備えている。
【0013】
外皮材に用いる外側生地及び内側生地としては、公知の包被食品の外皮材に使用する食材が用いられ、例えば、餅生地、葛生地、団子生地、饅頭生地、パイ生地、クッキー生地、チョコレート生地といったものが挙げられる。外側生地及び内側生地には、同じ食材を用いてもよく、異なる種類の食材を組み合せた生地を用いることができる。同じ食材でも異なる色の食材を組み合せることもでき、色、食感、素材といった多様な組み合わせの外皮材を形成することが可能となる。例えば、餅及び葛を組み合せた2層生地や紅白の餅を組み合せた2層生地といった外皮材が挙げられる。
【0014】
内材に用いる食材としては、公知の包被食品の内材に使用する食材が用いられ、例えば、粒餡や漉し餡等の豆類の餡、豆腐ペースト、野菜ペースト、カレーペースト、クリームチーズ等が挙げられる。
【0015】
固形食材としては、外側生地及び内側生地の間に挟み込むことが可能な粒状の食材が好ましく、例えば、えんどう豆、黒豆等の豆類、ブルーベリー等の果実類、リンゴやオレンジ等の果肉の角切り、甘納豆、乾燥フルーツ、金時豆、ナッツ類の粒状物、角切り肉、角切りジャガイモ、角切りニンジン等の加工食材が挙げられる。
【0016】
外皮材形成手段としては、前記外側生地をシート状に連続形成する外側生地供給部2、連続形成されたシート状の外側生地を搬送する搬送部5、搬送されるシート状の外側生地の上面に粒状の固形食材を配置する固形食材供給部3、及び、固形食材を上面に配置したシート状の外側生地に対して内側生地をシート状に連続形成して上方から重ね合せることでシート状の外側生地とシート状の内側生地との間に固形食材を配置する内側生地供給部4備えている。
【0017】
外側生地供給部2は、外側生地を投入するホッパ20及びホッパ20の底部に配置された一対の押出部材21を備えている。ホッパ20の底面には、搬送部5の搬送方向と直交する方向に沿ってスリット状の開口22が形成されており、押出部材21は、外周面に歯車状の凹凸が軸方向に沿って形成された筒状体からなり、互いに噛み合った位置が開口22の上方に対向配置するように設定されている。一対の押出部材21は、図示せぬ駆動機構により互いに反対方向に回動するようになっており、噛み合った部分で上方から下方に向かうように回動するように設定されている。一対の押出部材21を回動させた場合、ホッパ部20内の外側生地は、回動する押出部材21の噛み合った部分において凹凸により掬い込まれて下方のスリット状の開口22に向かって押し出されるようになる。そのため、開口22からシート状の外側生地f1が所定幅で連続形成されて押し出されていくようになる。こうした生地シートを形成する供給装置としては、例えば、特公昭56−1055号公報に記載された装置が挙げられる。
【0018】
搬送部5は、外側生地供給部2の下方に配置された無端状の搬送ベルト50並びに搬送ベルト50を張架する駆動プーリ51及び従動プーリ52を備えており、図示せぬ駆動機構により駆動プーリ51を回転駆動することで、搬送ベルト50を所定の搬送方向に搬送するようになっている。外側生地供給部2の搬送方向上流側には、公知の粉振り装置6が配置されており、搬送ベルト50の上面に打ち粉するようになっている。打ち粉する粉末は、外側生地に合わせて選択するようにすればよく、片栗粉、小麦粉といった粉末が用いられる。外側生地供給部2の開口22から押し出された外側生地f1は、搬送ベルト50の打ち粉された上面に載置されて搬送方向に連続搬送されるようになる。
【0019】
固形食材供給部3は、粒状の固形食材である食材Nを貯留するホッパ30及びホッパ30の底部に配置されて固形食材を定量ずつ搬出する搬出機構31を備えている。
図3は、搬出機構31の搬送方向と直交する方向の概略断面図である。搬出機構31は、細幅で無端状の搬出ベルト32が駆動プーリ33及び従動プーリ34に張架されており、搬出ベルト32の両側部及び底部はカバー体35により覆われている。搬出ベルト32には、搬送面に所定間隔を空けて隔壁部32aが立設されている。
【0020】
隔壁部32aは、搬出ベルト32の全幅にわたって直立するように形成されており、搬出ベルト32の両側に沿って近接配置されたカバー体35の両側部の高さと隔壁部32aの高さがほぼ同一になるように設定されている。隣接する隔壁部32aとカバー体35の両側部により平面視矩形状の区画領域Rが画定されており、区画領域Rの容量は、一定量の食材Nが収容されるように設定されている。
【0021】
駆動プーリ33から従動プーリ34に搬送される搬出ベルト32の上側部分は、ほぼ水平に搬送されるように設定されており、駆動プーリ33側の一部がホッパ30の下部に収容され、従動プーリ34側が搬送部5の搬送面に向かって延設されている。搬出ベルト32がホッパ30の下部に収容されている部分では、ホッパ30に貯留されている食材Nが自重により下方に移動して区画領域R内に充填されるようになる。
【0022】
駆動プーリ33には、駆動モータ33aが連結されており、駆動モータ33aの回転駆動により駆動プーリ33が回転することで、搬出ベルト32は、搬出移動するようになる。
【0023】
ホッパ30には、搬出ベルト32の上方に近接してスクリュー部材36が配設されている。スクリュー部材36は、金属棒を螺旋状に形成した形状であり、根元部分がホッパ30の外面に取り付けられた回転モータ36aに接続されている。そして、回転モータ36aが回転駆動することで、スクリュー部材36がホッパ30内で回転し、スクリュー部材36の回転により食材Nを搬出方向と逆方向に移動させる。
【0024】
ホッパ30の搬出ベルト32の出口部分には、搬出ベルト32の上方に近接してローラ状の回転部材37が取り付けられている。回転部材37は、駆動モータ37aと連結されており、駆動モータ37aの回転駆動により回転部材37が回転するようになっている。
【0025】
搬出ベルト32は、駆動モータ33aを回転駆動させることで上側部分が駆動プーリ33から従動プーリ34に向かって搬出動作を行う。その際に、スクリュー部材36は、回転モータ36aを回転駆動させることで食材Nを搬出ベルト32の搬出方向とは逆方向に移動させるように作用するため、搬出ベルト32の隔壁部32aより上方の食材Nは搬出方向と逆方向に押し戻されるようになり、区画領域R内に収容された食材Nのみが搬出ベルト32とともに搬出されていく。スクリュー部材36により回転しながら区画領域Rの上方にはみ出た食材Nを押し戻すようにしているので、食材Nを圧縮するといったダメージを極力小さくして移動させることができる。また、スクリュー部材36を区画領域Rの上方で近接して回転させるので、各区画領域Rに食材Nが充填した状態にすることができる。
【0026】
ホッパ30の出口部分では、回転部材37が搬出ベルト32と近接する側で搬出方向と逆方向に回動するように回転駆動される。そのため、搬出ベルト32の隔壁部32aから上方にはみ出た食材Nが搬出ベルト32とともに外部に搬出されるのを規制する。回転部材37を回転しながらはみ出た食材Nを規制するので、食材Nに与えるダメージを極力小さくすることができる。
【0027】
搬出ベルト32の従動プーリ34に近接する先端部には、一方の側に投入部材38が配置され、他方の側にガイド体39が配置されてカバー体35に取り付けられており、カバー体35の投入部材38に対向する両側部分は、切欠いて開口が形成されている。投入部材38は、区画領域Rと同じ幅で矩形状に形成されており、駆動シリンダ(図示せず)により搬出方向と直交する方向に往復移動して区画領域R内を進退移動するようになっている。ガイド体39は、筒状の固定ガイド部材39a及び可動ガイド部材39bを備えており、軸方向が上下方向となるように設定されている。固定ガイド部材39aは、カバー体35の投入部材38と対向する開口部分を覆うように取り付けられている。可動ガイド部材39bは、固定ガイド部材39aの下側に配置されており、上側が固定ガイド部材39aの外側に挿入されて駆動シリンダ(図示せず)により固定ガイド部材39aの外周面に沿って上下方向に昇降可能に取り付けられている。可動ガイド部材39bの下端開口は、搬送部5の搬送面に対向配置されており、下方に移動することでシート状の外側生地f1の上面に近接配置されるようになっている。
【0028】
搬出ベルト32は、区画領域Rが投入部材38に対向する位置に位置決めするように搬出制御され、区画領域Rが投入部材38に対向する位置に設定された状態で投入部材38を区画領域R内を進退動作することで、区画領域R内に充填された所定量の食材Nが固定ガイド部材39aに向かって押し出されて落下するようになる。その際に、可動ガイド部材39bを下降させて外側生地f1の上面に近接配置した状態に設定しておくことで、落下した所定量の食材Nを外側生地f1の所定位置に確実に配置するようにする。また、食材Nを外側生地f1の中央部に配置することで、外側生地f1の封着部分となる両側部に食材Nが配置されないようにすることができる。そして、外側生地f1の搬送動作に合わせて投入部材38による投入動作を所定時間毎に行うことで、所定量の食材Nを外側生地f1上に搬送方向に所定間隔を空けて順次配置していく。
【0029】
また、食材Nの落下直後に可動ガイド部材39bを上昇させて外側生地f1から離間させることで、外側生地f1が一定の搬送速度で搬送されている場合でも食材Nが所定位置から離散することなく安定した状態で所定位置に配置することが可能となる。そして、投入部材38による投入動作のタイミングを調整することで、食材Nの外側生地f1上に配置する搬送方向の間隔を調整することもできる。
【0030】
上述した搬出機構は、えんどう豆等の潰れやすい固形食材を一定量搬出してシート状の外側生地に配置するのに好適であるが、えんどう豆等の食材以外の固形食材の場合には、別の固形食材供給部を用いることもできる。例えば、周方向に複数の穴部を等間隔で形成した円板の下面に薄板状の支持板を取り付け、支持板には搬送面に対向する位置に落下口を形成した投入装置を用いて、各穴部に所定量の食材を投入しておき、円板を回動させて落下口から所定量の食材を順次外側生地の上面に落下させて配置することもできる。
【0031】
固形食材供給部3の搬送方向下流側には、密着ローラ10が搬送ベルト50の搬送面の上方に配置されており、密着ローラ10は、搬送方向に直交する方向に沿って取り付けられた回転軸10aに回動自在に取り付けられている。回転軸10aは上下方向の位置調整ができるようになっており、密着ローラ10と搬送ベルト50の搬送面との間の間隔調整を行えるようになっている。
【0032】
所定量の食材Nが所定間隔で配置された外側生地f1が搬送ベルト50により搬送されながら密着ローラ10との間を通過する際に、食材Nが外側生地f1の方に押圧されて一部入り込むように密着した状態となる。そのため、食材Nが外側生地f1に密着した状態となって以後の封着工程等において食材Nが不用意に移動することを抑止することができる。また、えんどう豆等の豆類を外皮材に含む餅菓子において外皮材の表面に豆類による凹凸形状が表出するように仕上げる場合、外側生地に豆類が一部入り込むように密着させておくことで、外皮材表面に豆類をバランスよく外表面に表出させることができる。
【0033】
なお、外側生地に密着させる必要がない食材の場合には、密着ローラ10を上方に移動させて退避させるようにすればよい。
【0034】
内側生地供給部4は、外側生地供給部2と同様に構成されており、内側生地を投入するホッパ40及びホッパ40の底部に配置された一対の押出部材41を備えている。ホッパ40の底面には、搬送部5の搬送方向と直交する方向に沿ってスリット状の開口42が形成されており、押出部材41は、外周面に歯車状の凹凸が軸方向に沿って形成された筒状体からなり、互いに噛み合った位置が開口42の上方に対向配置するように設定されている。一対の押出部材41は、図示せぬ駆動機構により互いに反対方向に回動するようになっており、噛み合った部分で上方から下方に向かうように回動するように設定されている。一対の押出部材41を回動させた場合、ホッパ部40内の内側生地は、回動する押出部材41の噛み合った部分において凹凸により掬い込まれて下方のスリット状の開口42に向かって押し出され、開口42からシート状の内側生地f2が所定幅で連続形成されて押し出されていくようになる。
【0035】
シート状の内側生地f2は、外側生地f1上に配置された食材N全体を覆うことができる形状に形成されていればよく、外側生地f1よりも厚さが薄く幅が狭い形状に形成することもできる。内側生地f2で食材N全体を覆うことで、内材を包み込むように封着する際に食材Nが内材の方に入り込むことを防止し、食材Nを外皮材F内に確実に内蔵させた状態で成形することができる。また、内側生地f2の幅を外側生地f1よりも狭くして外側生地f1の中央部に配置した食材Nを覆うように配置することで、外側生地f1の両側部が露出した状態となり、後述する外側生地f1の両側部の封着動作を確実に行うことが可能となる。
【0036】
外皮材形成手段を以上のように構成することで、シート状の外側生地とシート状の内側生地との間に固形食材を配置して重ね合せた所定幅のシート状の外皮材を連続して形成することができる。
【0037】
棒状成形手段としては、連続形成された外皮材の上面に内材を供給する内材供給部7、及び、外皮材を封着コンベヤで搬送しながら複数の短冊ベルト片を上方に湾曲させて外皮材の両側部を上方に湾曲させるとともに複数対の封着部材を往復揺動させて外皮材の両側部を封着する封着部8を備えている。
【0038】
内材供給部7は、内部に内材Gを投入するホッパ70、ホッパ70内の内材Gをノズル72に圧送するベーンポンプ71及び圧送された内材Gを吐出するノズル72等を備えた公知の機構を用いている。ノズル72から棒状に連続吐出される内材Gは、連続形成されて搬送される外皮材Fの中央部に沿って配置されるようになっている。
【0039】
封着部8は、駆動プーリ81と従動プーリ82の間に張設された封着コンベヤ80、及び、クランク機構83により往復揺動される複数対の封着部材84を備えている。駆動プーリ81は、搬送部5の従動プーリ52の搬送方向下流側に近接して配設されており、封着コンベヤ80は搬送ベルト50の搬送方向に沿って近接して配置されるようになっている。そのため、搬送ベルト50により連続搬送される外皮材Fは、そのまま封着コンベヤ80に移送されるようになっている。
【0040】
図4は、封着部8に関する一部拡大斜視図である。封着コンベヤ80は、複数の短冊ベルト片80aの中央部を無端ベルト80bに取り付けて構成されており、封着コンベヤ80の搬送面の両側には、搬送方向に沿って封着部材84が複数対配列されている。各対の封着部材84は、クランク機構83により封着コンベヤ80の中央部に向かって互いに接近又は離間するように同期して往復揺動するようになっている。
【0041】
封着部材84が配置された箇所には、封着コンベヤ80の両側に湾曲した一対のガイド板85が配設されており、ガイド板85を切り欠いた開口部分に封着部材84がそれぞれ配置されている。封着コンベヤ80がガイド板85の間を通過する際に、短冊ベルト片80aがガイド板85に沿って上方に湾曲するように変形する。封着コンベヤ80の駆動プーリ81側には、両側に一対のガイド棒体86が取り付けられており、一対のガイド棒体86は搬送方向下流側に行くに従い間隔が狭くなるように設定されている。そして、ガイド棒体86の搬送方向下流側の先端部分はガイド板85に固定されている。そのため、封着コンベヤ80が搬送されるに従って、短冊ベルト片80aはガイド棒体86に沿って次第に上方に湾曲してスムーズにガイド板85の間に導入されていき、上方に湾曲変形した状態で封着部材84の間を通過していくようになる。
【0042】
図5は、封着部8の動作を示す搬送方向と直交する方向の断面図である。
図5(a)は、内材供給部7より内材Gが供給される位置における断面図である。短冊ベルト片80bは、ガイド棒体86によりその両側が持ち上げられて上方に湾曲していき、それに伴い、封着コンベヤ80に移送される外皮材Fの両側部が上方に次第に湾曲していく。また、内材供給部7のノズル72から吐出された棒状の内材Gが外皮材Fの中央部に沿って配置されていくため、内材Gの周囲を外皮材Fで囲むように両側部が上方に次第に湾曲しながら搬送されていくようになる。
図5(b)は、外皮材Fの両側部が封着部材84により封着された位置における断面図である。短冊ベルト片80bは、ガイド板85によりU字状に上方に湾曲変形した状態に保持されており、各対の封着部材84が回動軸84aを中心に回動して互いに接近離間するように往復揺動動作を行い、短冊ベルト片80bの両側が互いに接近するように繰り返し湾曲変形される。そのため、内材Gが配置されて搬送される外皮材Fの両側部が互いに密着した状態で繰り返し押圧されるようになり、外皮材Fにより内材Gを包み込むように両側部が封着されながら搬送されていき、内材Gの周囲を外皮材Fにより被覆した棒状体が連続成形されるようになる。
【0043】
棒状成形手段を以上のように構成することで、連続形成されたシート状の外皮材の上面に内材を配置し、内材を包み込むように外皮材の両側部を封着し、内材の周囲を外皮材により被覆した棒状体を連続成形することができる。
【0044】
上述した例では、食材Nの配置されていない外皮材の両側部を上方に湾曲させて封着するようにしているので、外皮材に内蔵する食材Nがえんどう豆等の豆類の場合でも潰れることやずれることなく安定した状態で封着することが可能となる。外皮材の両側部を封着する場合、内蔵する食材に応じて他の封着方法を用いてもよく、例えば、外皮材の一方の側をガイド部材により持ち上げ、中央部で折り返すようにして他方の側に重ね合せて両側部を封着することもできる。
【0045】
分割成形手段として、分割成形部9が設けられており、分割成形部9は、複数のシャッタ片を備えた切断部90、封着コンベヤ80から搬送される棒状体Hを移送する移送コンベヤ91、切断部90により分割された成形品Jを搬出する移送コンベヤ92、及び切断部90の切断領域に棒状体Hを進入させる進入コンベヤ93を備えている。
【0046】
図6は、切断部90を搬送方向から見た側面図である。切断部90は、複数のシャッタ片90aが搬送方向と直交する垂直面内で回動軸を中心に回動して往復揺動するように取り付けられており、シャッタ片90aにより囲まれる切断領域90bは垂直面に沿って画定されている。
【0047】
封着コンベヤ80から移送コンベヤ91に移送された棒状体Hは、複数のシャッタ片90aを備えた切断部90の切断領域90b内へ導入され、各シャッタ片90aが同期して切断領域90bを閉じる方向に回動することで内材Gの周囲の外皮材Fが絞り込まれていき、内材Gを包み込むように切断分割される。その際に、外皮材F内における食材Nが配置された位置の間に切断位置が設定されるように棒状体Hを切断領域に導入することで、切断動作の際にシャッタ片90aに食材Nが接触することなく切断分割を行うことができ、外表面に食材Nが露出していない良好な成形品Jに成形することが可能となる。
【0048】
シャッタ片90aの切断動作では、シャッタ片90aが開いた状態で進入コンベヤ93を切断領域90b内に進入させ、移送コンベヤ91により棒状体Hを搬送して切断領域90b内を通過させて進入コンベヤ93により橋渡しさせることで、棒状体Hの先端部を搬送方向下流側の移送コンベヤ92に移送されるようになる。そして、進入コンベヤ93を切断領域90bから退避させて切断部90を搬送方向上流側に移動させた後元の位置に戻しながらシャッタ片90aを閉じる方向に回動させることで、棒状体Hを移送しながら移送コンベヤ92に移送させた棒状体Hの先端部分を搬送方向に所定長さだけ切断して分割することができる。そして、分割成形された成形品Jは、そのまま移送コンベヤ92に載置されて移送されるようになる。
【0049】
上述したように、外皮材形成時において食材Nを搬送方向に所定間隔を空けて順次配置しているので、その間隔に合わせて棒状体Hの切断領域を通過する搬送方向の長さを調整するように棒状体Hの切断位置制御を行って所定長さごとに切断分割すれば、良好な成形品Jを安定して分割成形することができる。
【0050】
分割成形手段を以上のように構成することで、連続成形された棒状体を所定長さ毎に分割して固形食材を内蔵する外皮材により内材を包み込むように成形した成形品を安定して成形することができる。なお、上述した例では、4枚のシャッタ片を備えた切断部により分割するようにしているが、シャッタ片は4枚以外の枚数を備えた切断部でもよい。また、内材が露出しないように外皮材で包み込むように切断可能な機構であれば、切断部として用いることができ、特に限定されない。例えば、複数枚のシャッタ片を絞り込むように直進移動させて切断動作を行うことで棒状体を分割させることもできる。
【0051】
図7は、分割成形された成形品Jに関する断面図である。成形品Jは、外皮材Fの封着部分を底部とすることで、底部以外の部分に食材Nが分布して外皮材Fに内蔵された状態となっている。そのため、外表面に食材Nが露出することなくその形状が表出して凹凸形状を呈しており、良好な外観に仕上げることができ、食材Nが内蔵されていない底部を平面状に仕上げることで成形品Jを安定した状態で載置することができる。また、食材Nが外皮材Fに内蔵されて内材Gに入り込むことがないため、内材G及び食材Nが混ざり合って成形品Jの食感に悪影響を与えることがない。
【0052】
以上説明したように、シート状の外側生地とシート状の内側生地との間に粒状の固形食材を配置して両生地を重ね合せた外皮材を連続形成し、連続形成された外皮材により内材を包み込むように封着して棒状体を連続成形し、連続成形された棒状体を所定長さ毎に分割成形しているので、固形食材を内蔵する外皮材により内材を包み込むように成形した成形品をスムーズに成形することができる。
【解決手段】包被食品成形装置1は、外側生地供給部2及び内側生地供給部4によりシート状の外側生地f1及びシート状の内側生地f2を連続形成し、両シート生地の間に固形食材供給部3により固形食材Nを配置して重ね合せることで所定幅のシート状の外皮材Fを連続して形成し、外皮材Fの上面に内材供給部7より内材Gを配置して封着部8により内材Gを包み込むように外皮材Fの両側部を封着して棒状体Hを連続成形し、分割成形部9により棒状体Hを所定長さ毎に分割して成形品Jを成形する。