特許第5940768号(P5940768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5940768
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】気泡排出装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 5/00 20060101AFI20160616BHJP
   C02F 3/22 20060101ALI20160616BHJP
   C02F 7/00 20060101ALI20160616BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20160616BHJP
   C02F 3/20 20060101ALI20160616BHJP
   E02B 1/00 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B01F5/00 D
   C02F3/22 Z
   C02F7/00
   B01F3/04 A
   C02F3/20 D
   E02B1/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-100489(P2011-100489)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-232226(P2012-232226A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年3月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504024597
【氏名又は名称】独立行政法人水資源機構
(73)【特許権者】
【識別番号】591073337
【氏名又は名称】株式会社丸島アクアシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【弁理士】
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】後藤 孝
(72)【発明者】
【氏名】岩松 裕二
(72)【発明者】
【氏名】小阪 公則
(72)【発明者】
【氏名】矢延 孝也
(72)【発明者】
【氏名】山岸 真孝
(72)【発明者】
【氏名】細木 佑索
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04863644(US,A)
【文献】 特表平05−500772(JP,A)
【文献】 特開2010−119904(JP,A)
【文献】 特開2011−072982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 5/00
B01F 3/04
C02F 3/20
C02F 3/22
C02F 7/00
E02B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に起立姿勢で設置された筒状の気泡排出部の上端開口から気泡を水中に排出する気泡排出装置において、
前記気泡排出部から水中に排出される気泡を衝突させて細分させる細分部材と、
前記気泡排出部の上端開口と前記細分部材とが所定の隙間を隔てて対向するように、前記気泡排出部の上端開口付近における周方向略等角度間隔の位置で、当該上端開口付近と前記細分部材とを連結する棒状の連結部材と、を備え
前記気泡排出部は、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒であり、
前記気泡排出装置は、前記揚水筒内に気泡を供給する気泡供給部材を備え、この気泡によって、揚水筒の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させる空気揚水装置であって、
前記細分部材は、前記揚水筒の上端開口と対向するように配置され、下向き頂部が前記揚水筒の中心付近に位置して、周囲部が上向き錐形状に広がった空気細分部で構成され、
前記連結部材は、前記揚水筒の内側に向かって傾いた状態で前記上端開口付近と前記空気細分部とを連結していることを特徴とする気泡排出装置。
【請求項2】
水中に起立姿勢で設置された筒状の気泡排出部の上端開口から気泡を水中に排出する気泡排出装置において、
前記気泡排出部から水中に排出される気泡を衝突させて細分させる細分部材と、
前記細分部材に取り付けられて当該細分部材に浮力を与えるフロートと、
前記気泡排出部の上端開口と前記細分部材とが所定の隙間を隔てて対向するように、前記気泡排出部の上端開口付近における周方向略等角度間隔の位置で、当該上端開口付近と前記細分部材とを連結するチェーンからなる連結部材と、を備え
前記気泡排出部は、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒であり、
前記気泡排出装置は、前記揚水筒内に気泡を供給する気泡供給部材を備え、この気泡によって、揚水筒の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させる空気揚水装置であって、
前記細分部材は、前記揚水筒の上端開口と対向するように配置され、下向き頂部が前記揚水筒の中心付近に位置して、周囲部が上向き錐形状に広がった空気細分部で構成され、
前記連結部材は、前記揚水筒の内側に向かって傾いた状態で前記上端開口付近と前記空気細分部とを連結していることを特徴とする気泡排出装置。
【請求項3】
前記揚水筒の下端部に、下向き錐形状のスカート部が形成され、このスカート部の下方に、スカート部の内面と所定の隙間を隔てて対向する外面に、気泡を噴出する散気孔が形成された上向き錐形状の散気管部材が配置されていることを特徴とする請求項又はに記載の気泡排出装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中に設置された気泡排出部から気泡を水中に排出する気泡排出装置としては、例えば、空気揚水装置や散気装置等がある。
【0003】
空気揚水装置は、図4(a)に示すように、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒20と、この揚水筒20内に気泡を間欠的に噴出する送気管(気泡排出部)21とを備えている。そして、この気泡(空気塊)によって、揚水筒20の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させるものである(特許文献1参照)。
【0004】
また、図4(b)に示すように、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒20と、この揚水筒20内に気泡を連続的に噴出する散気管部材(気泡排出部)22とを備え、この気泡(小気泡)によって、揚水筒20の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させるようにしたものもある(特許文献2参照)。
【0005】
この循環により、表層の水が攪拌されることで、水温の均一化や藻類の発生を抑制することができる。
【0006】
特許文献1の間欠的空気揚水装置の気泡は、比較的大きな空気塊として水中に間欠的に放出されるだけであるため、表層の水が攪拌されにくい。
【0007】
特許文献2の連続式空気揚水装置の気泡は、特許文献1の空気塊よりも小さい気泡が連続的に放出されるため、特許文献1と比較すれば、表層の水が攪拌されやすい。
【0008】
一方、散気装置は、散気管部材(気泡排出部)から小さい気泡を水中に散気することで、表層の周囲の水を連行し上下循環流による水温の鉛直方向の均一化を図るものである。また、気泡の上昇過程において水中に酸素の供給を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−165988号公報
【特許文献2】特開2010−119904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1のような空気塊のような気泡はもとより、特許文献2や散気装置のような小気泡であっても、これらの気泡をより細分化(微細気泡化)できれば、各気泡の表面積の増加で水の連行効率が向上して、表層の水をより効果的に攪拌することができる。
【0011】
本発明は、前記知見に基づいてなされたもので、水中に放出される気泡をより細分化(微細気泡化)することで、各気泡の表面積の増加で水の連行効率が向上する気泡排出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明は、水中に起立姿勢で設置された筒状の気泡排出部の上端開口から気泡を水中に排出する気泡排出装置において、前記気泡排出部から水中に排出される気泡を衝突させて細分させる細分部材と、前記気泡排出部の上端開口と前記細分部材とが所定の隙間を隔てて対向するように、前記気泡排出部の上端開口付近における周方向略等角度間隔の位置で、当該上端開口付近と前記細分部材とを連結する棒状の連結部材と、を備え、前記気泡排出部は、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒であり、前記気泡排出装置は、前記揚水筒内に気泡を供給する気泡供給部材を備え、この気泡によって、揚水筒の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させる空気揚水装置であって、前記細分部材は、前記揚水筒の上端開口と対向するように配置され、下向き頂部が前記揚水筒の中心付近に位置して、周囲部が上向き錐形状に広がった空気細分部で構成され、前記連結部材は、前記揚水筒の内側に向かって傾いた状態で前記上端開口付近と前記空気細分部とを連結していることを特徴とする気泡排出装置を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、水中に起立姿勢で設置された筒状の気泡排出部の上端開口から気泡を水中に排出する気泡排出装置において、前記気泡排出部から水中に排出される気泡を衝突させて細分させる細分部材と、前記細分部材に取り付けられて当該細分部材に浮力を与えるフロートと、前記気泡排出部の上端開口と前記細分部材とが所定の隙間を隔てて対向するように、前記気泡排出部の上端開口付近における周方向略等角度間隔の位置で、当該上端開口付近と前記細分部材とを連結するチェーンからなる連結部材と、を備え、前記気泡排出部は、起立姿勢に保持された状態で水底付近に係留される揚水筒であり、前記気泡排出装置は、前記揚水筒内に気泡を供給する気泡供給部材を備え、この気泡によって、揚水筒の下端開口から上端開口に向けて揚水した下層水を表層に循環させる空気揚水装置であって、前記細分部材は、前記揚水筒の上端開口と対向するように配置され、下向き頂部が前記揚水筒の中心付近に位置して、周囲部が上向き錐形状に広がった空気細分部で構成され、前記連結部材は、前記揚水筒の内側に向かって傾いた状態で前記上端開口付近と前記空気細分部とを連結していることを特徴とする気泡排出装置を提供するものである。
【0014】
前記揚水筒の下端部に、下向き錐形状のスカート部が形成され、このスカート部の下方に、スカート部の内面と所定の隙間を隔てて対向する外面に、気泡を噴出する散気孔が形成された上向き錐形状の散気管部材が配置されている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水中に設置された気泡排出部と対向する細分部材を配置して、この細分部材に、気泡排出部から水中に排出される気泡を衝突させて潰すことで、気泡を細分化し、微細気泡として散気させるようにしたものである。
【0016】
したがって、微細気泡による表面積の増加で水の連行効率が向上して、表層の水が効果的に攪拌されるようになる。また、細分部材を気泡排出部の上端開口付近に連結部材で連結する構成であるため、既存の気泡排出装置であっても、気泡排出部に細分部材を連結部材で連結するだけで適用できるようになる。
【0017】
特に、気泡排出装置空気揚水装置であり、揚水筒の上端開口と対向する細分部材を配置して、この細分部材に、揚水筒の上端開口から水中に排出される気泡を衝突させて潰して細分化し、微細気泡として散気させるようにしている。したがって、微細気泡による表面積の増加で水の連行効率が向上して、表層の水が効果的に攪拌されるようになる。
【0018】
しかも、細分部材を上向き円錐形状に広がった空気細分部で構成しているので、構造がきわめて簡単で堅牢であり、コスト安であるとともに、メンテナンスも不要になる。
【0019】
上記構成において、さらに、揚水筒の下端部に下向き錐形状のスカート部を形成し、スカート部の下方に、上向き錐形状の散気管部材を配置すれば、下層水を揚水筒の下端開口から揚水する際に、散気管部材の上向き錐形状部の外面とスカート部の内面との間の隙間に下層水がスムーズにガイドされるようになる。その結果、揚水筒のほほ真下の底泥が巻き込まれにくくなって、底泥を表層に撒き散らすおそれが少なくなり、水質浄化を充分に果たせるようになる。また、上向き錐形状の散気管部材から気泡を連続的に噴出するようにしたから、揚水筒から空気塊を一気に放出することで下層水を表層に揚水する間欠式の空気揚水装置と比べて、揚水効果が格段に向上するようになる。さらに、揚水筒内に障害物(散気管等)が全く無いので、水の流れがスムーズになり、揚水効果が向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る空気揚水装置の側面断面図である。
図2】(a)は散気管部材の平面図、(b)は細分部材の斜視図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る散気装置の側面図である。
図4】(a)は特許文献1の揚水装置の側面図、(b)は特許文献2の揚水装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、第1実施形態の空気揚水装置1の側面断面図である。
【0022】
この空気揚水装置1は、ダム湖等の水底2に係留されて、水底付近の深層(下層)の水をエアーレーションにより表層に循環(矢印a参照)させるものである。
【0023】
空気揚水装置1は、円筒状の揚水筒7を備え、この揚水筒7の下端部には、水底2のシンカー3に連結部11を介して固定された散気管部材8の係留部材(チェーン等)4が係止されている。また、揚水筒7の上部には、自立用フロート5が取付けられて、揚水筒7が起立姿勢に保持された状態で、係留部材4により水底付近に係留されるようになる。
【0024】
散気管部材(気泡供給部材)8は、上向き中空円錐形状(シャープドコーン)に形成されて、図2(a)のように、散気管部材8の頂部付近には、円周上等角度間隔で複数個の散気孔8aが形成されている。
【0025】
この散気管部材8の側部の入口8bに送気管9が接続されて、送気管9から散気管部材8に送気された空気を気泡gとして、各散気孔8aから連続的に噴出するようになる。この気泡gの上昇流によって、下層水jを表層に揚水するようになる。
【0026】
揚水筒7の下端開口7aには、下向き円錐形状のスカート部10が形成されている。このスカート部10の内面は、散気管部材8の外面と所定の隙間S1を隔てて対向するように、係留部材4の長さが設定されている。なお、スカート部10と散気管部材8は多角錐形状であってもよい。
【0027】
この場合、内筒7は、フロート5で浮力が付与されていて、係留部材4が上方に引っ張られた状態となるから、係留部材4によって、内筒7のスカート部10の内面と散気管部材8の外面とが所定の隙間S1が隔てられるようになる。
【0028】
一方、揚水筒7の上端開口7bと所定の隙間S2を隔てて対向するように配置され、この上端開口7bから水中に排出される気泡を衝突させて細分させる細分部材15が設けられている。
【0029】
具体的には、細分部材15は、下向き頂部15aが揚水筒7の中心付近に位置して、図2(b)のように、周囲部が上向き円錐形状に広がった空気細分部15bで構成されている。この空気細分部15bは、揚水筒7の上端開口7bと同じか、それよりも大径に設定されている。なお、細分部材15は多角錐形状であってもよい。
【0030】
細分部材15は、揚水筒7の上端開口7bの付近に円周上略等角度間隔(本例では120度)で棒状の連結部材17で連結されている。なお、連結部材17はチェーンのようなものであってもよい。この場合には、細分部材15にフロートを取付け、このフロートで浮力を付与して、連結部材17を上方に引っ張った状態とすることで、内筒7の上端開口7bとの間に所定の隙間S2が隔てられるようになる。
【0031】
前記のように空気揚水装置1を構成すれば、送気管9から散気管部材8に送気された空気が気泡gとして、揚水筒7内に各散気孔8aから連続的に噴出するようになるから、この気泡gの上昇流によって、下層水jが表層に揚水されるようになる。
【0032】
そして、揚水筒7の上端開口7bから気泡gが水中に散気される時に、細分部材15の上向き円錐形状に広がった空気細分部15bに衝突する。これにより、気泡gが潰されることで、空気細分部15bを経て水中に散気される時には気泡gが細分化され、細分化された微細気泡hとして散気されるようになる。
【0033】
したがって、気泡gがより細分化された微細気泡hとして散気されるため、微細気泡hによる表面積の増加で水の連行効率が向上して、表層の水が効果的に攪拌されるようになる。
【0034】
また、細分部材15は、上向き円錐形状に広がった空気細分部15bで構成できるから、構造がきわめて簡単で堅牢であり、コスト安であるとともに、メンテナンスも不要になる。
【0035】
さらに、既存の空気揚水装置であっても、揚水筒7に細分部材15を連結部材17で連結するだけで適用できるようになる。
【0036】
また、本実施形態では、揚水筒7のほぼ真下のシンカー3の上部に、上向き円錐形状の散気管部材8を配置するとともに、揚水筒7の下端部にスカート部10を形成している。
【0037】
したがって、下層水jを揚水筒7の下端開口7aから揚水する際に、散気管部材8の上向き錐形状部の外面とスカート部10の内面との間の隙間S1に下層水jがスムーズにガイドされるようになる。その結果、揚水筒7のほほ真下の底泥が巻き込まれにくくなって、底泥を表層に撒き散らすおそれが少なくなり、水質浄化を充分に果たせるようになる。
【0038】
また、上向き錐形状の散気管部材8から気泡gを連続的に噴出するようにしたから、揚水筒7から空気塊を一気に放出することで下層水を表層に揚水する間欠式の空気揚水装置と比べて、揚水効果が格段に向上するようになる。
【0039】
さらに、揚水筒7内に障害物(散気管等)が全く無いので、水の流れがスムーズになり、揚水効果が向上するようになる。
【0040】
また、揚水筒7はフロート5で浮力が付与されているから、揚水筒7と散気管部材8(シンカー3)とを係留部材4で連結・係留すれば、揚水筒7のスカート部10と散気管部材8が所定の隙間S1を隔てて常に対向するように維持できるようになる。
【0041】
前記実施形態は、連続式空気揚水装置であったが、間欠式空気揚水装置にも適用可能である。
【0042】
図3は、第2実施形態の散気装置18の側面図である。この散気装置(単筒型曝気装置)18は、ダム湖等の水底2に設置されて、円筒状の散気管部材19の上端開口から小さい気泡を水中に散気することで、表層の周囲の水を連行し上下循環流(矢印a参照)による水温の鉛直方向の均一化を図るものである。また、気泡の上昇過程において水中に酸素の供給を行うものである。
【0043】
このような散気装置18においても、空気揚水装置1と同様にして、細分部材15を散気管部材19の上端開口と所定の隙間を隔てて対向するように配置することができる。
【0044】
そして、散気管部材19から水中に散気される気泡を細分部材15に衝突させて潰すことで、気泡を細分化し、微細気泡として散気させるようにできる。したがって、微細気泡による表面積の増加で水の連行効率が向上して、表層の水が効果的に攪拌されるようになる。これにより、表層の周囲の水を連行し上下循環流による水温の鉛直方向の均一化がより図れるとともに、気泡の上昇過程において水中により酸素の供給を行うことができる。
【0045】
なお、散気管部材19は、図3のような円筒状である必要はなく、例えば図1のような偏平な散気管部材8であってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 空気揚水装置(気泡排出装置)
2 水底
3 フロート
7 揚水筒(気泡排出部)
7a 下端開口
7b 上端開口
8 散気管部材(気泡供給部材)
15 細分部材
15a 下向き頂部
15b 空気細分部
17 連結部材
18 散気装置(気泡排出装置)
19 散気管部材(気泡排出部)
g 気泡
h 微細気泡
j 下層水
S1,S2 所定の間隔
図1
図2
図3
図4