(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記ガラス層は、上記窓部の縁につながっており、かつ上記LEDチップから遠ざかるほど、上記基板の主面からその法線方向に遠ざかるように傾斜した傾斜面を有する、請求項1に記載の液晶表示装置バックライト用LED光源装置。
上記金属膜は、上記基板の幅方向一端寄りにおいて上記基板の長手方向に長く延びる共通帯状部と、上記共通帯状部と平行に配列されており、かつ上記長手方向において最も端に位置するものが上記共通帯状部と導通する複数のアイランド部からなる1以上のアイランド群と、を有しており、
上記複数のLEDチップは、上記複数のアイランド部に各別に実装されている、請求項13に記載の液晶表示装置バックライト用LED光源装置。
上記金属膜は、上記基板の長手方向一端寄りに設けられた接続端子部と、上記共通帯状部に沿って上記長手方向に配列された2つの上記アイランド群と、上記基板の幅方向において上記共通帯状部とは上記アイランド群を挟んで反対側に配置されており、上記長手方向に沿って上記接続端子部から長く延びており、かつ上記2つのアイランド群のうち上記接続端子部から遠いものに含まれる上記複数のアイランド部のうち上記接続端子部にもっとも近いものと導通する連絡帯状部と、を有する、請求項14に記載の液晶表示装置バックライト用LED光源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、輝度向上を図ることが可能である液晶表示装置バックライト用LED光源装置およびこれを用いた液晶表示装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される液晶表示装置バックライト用LED光源装置は、複数のLEDチップを備える液晶表示装置バックライト用LED光源装置であって、基板と、上記基板の主面を覆う金属膜と、を備えており、上記複数のLEDチップは、上記金属膜に実装されていることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、セラミックスからなる。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、少なくともその最外層がAl層からなる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記Al層の少なくとも一部と上記基板との間に介在するAgPt層をさらに含む。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、AgPt層のみからなる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記AgPt層は、AgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって形成されている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記Al層は、スパッタによって形成されている。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜と上記基板との間に介在するガラス層をさらに備える。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層には、上記基板の厚さ方向視において上記LEDチップを内包する窓部が設けられている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層は、上記窓部の縁につながっており、かつ上記LEDチップから遠ざかるほど、上記基板の主面からその法線方向に遠ざかるように傾斜した傾斜面を有する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記傾斜面は、上記LEDチップを囲む枠状である。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層は、ガラスを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって形成されている。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記LEDチップを囲む枠状のリフレクタをさらに備えている。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リフレクタは、白色樹脂からなる。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リフレクタが囲う空間には、上記LEDチップを覆う透光樹脂が充填されている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記透光樹脂には、蛍光材料が混入されている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、長矩形状であり、上記複数のLEDチップは、上記基板の長手方向に沿って配列されている。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記基板の幅方向一端寄りにおいて上記基板の長手方向に長く延びる共通帯状部と、上記共通帯状部と平行に配列されており、かつ上記長手方向において最も端に位置するものが上記共通帯状部と導通する複数のアイランド部からなる1以上のアイランド群と、を有しており、上記複数のLEDチップは、上記複数のアイランド部に各別に実装されている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記基板の長手方向一端寄りに設けられた接続端子部と、上記共通帯状部に沿って上記長手方向に配列された2つの上記アイランド群と、上記基板の幅方向において上記共通帯状部とは上記アイランド群を挟んで反対側に配置されており、上記長手方向に沿って上記接続端子部から長く延びており、かつ上記2つのアイランド群のうち上記接続端子部から遠いものに含まれる上記複数のアイランド部のうち上記接続端子部にもっとも近いものと導通する連絡帯状部と、を有する。
【0025】
本発明の第2の側面によって提供される液晶表示装置は、本発明の第1の側面によって提供される液晶表示装置バックライト用LED光源装置と、全体略板状であり、厚さ方向に沿って広がるとともに上記液晶表示装置バックライト用LED光源装置と正対する入射面、上記厚さ方向と直角である方向に広がるとともに上記入射面から進行してきた光を上記厚さ方向に向けて反射する反射面、および上記反射面と上記厚さ方向において離間しているとともに上記反射面から進行してきた光を出射する出射面を有する導光部材と、上記出射面から出射された光を選択的に透過させることにより画像を形成する液晶パネルと、を備えることを特徴としている。
【0026】
このような構成によれば、上記LEDチップからの光のうち上記金属膜に向けて発せられた光は、上記金属膜によって反射される。このため、より多くの光を上記液晶表示装置バックライト用LED光源装置から出射することが可能であり、輝度向上を図ることができる。
【0027】
本発明の第3の側面によって提供される液晶表示装置バックライト用LED光源装置は、複数のLEDチップを備える液晶表示装置バックライト用LED光源装置であって、上記複数のLEDチップが実装された主面を有する基板と、上記基板に取り付けられており、上記複数のLEDチップを各別に囲む内面を有する複数の開口が形成されたリフレクタと、を備えていることを特徴としている。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記内面は、上記主面の法線方向において上記主面から離れるほど上記主面と直角である方向において上記LEDチップから離れるように傾斜している。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記開口は、平面視矩形状である。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、長矩形状であり、上記複数のLEDチップは、上記基板の長手方向に沿って列状に配置されている。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リフレクタは、隣り合う上記開口の間に位置し、かつ部分的に断面積が小とされている小断面部を有する。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記小断面部は、上記リフレクタのうち上記基板とは反対側に位置する面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記小断面部は、上記リフレクタのうち上記基板側に位置する面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記小断面部は、上記リフレクタのうち幅方向を向く側面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リフレクタは、白色樹脂からなる。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記白色樹脂は、液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートである。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記LEDチップは、Siからなるサブマウント基板、およびこのサブマウンド基板に搭載された半導体層を有しており、かつ、上記サブマウント基板が上記基板側に位置するように実装されており、上記主面の法線方向に対して直角である方向を向く上記サブマウント基板の側面の少なくとも一部を覆い、かつ上記サブマウント基板よりも反射率が高い材質からなる不透明樹脂を備える。
【0038】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記不透明樹脂は、上記サブマウント基板の上記側面のすべてを覆っている。
【0039】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記不透明樹脂は、上記半導体層をすべて露出させている。
【0040】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記不透明樹脂は、平面視において上記リフレクタの上記開口によって囲まれた領域のうち上記サブマウント基板を除く部分を覆っている。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記不透明樹脂は、白色である。
【0042】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記不透明樹脂上に積層されているとともに、上記半導体層を覆っており、かつ上記半導体層からの光によって励起されることにより上記半導体層からの光とは異なる光を発する蛍光体材料を含む蛍光部を有する透光樹脂をさらに備える。
【0043】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記透光樹脂は、上記蛍光部と上記不透明樹脂との間に介在し、かつ上記蛍光体材料を含まない透明部を有する。
【0044】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記サブマウント基板には、上記半導体層に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのツェナーダイオードが作りこまれている。
【0045】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記LEDチップに対して隣り合う位置に実装されており、かつ上記半導体層に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのツェナーダイオードをさらに備えており、上記ツェナーダイオードは、上記不透明樹脂によって覆われている。
【0046】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板の上記主面を覆う金属膜を備えており、上記複数のLEDチップは、上記金属膜に実装されている。
【0047】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、セラミックスからなる。
【0048】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、少なくともその最外層がAl層からなる。
【0049】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記Al層の少なくとも一部と上記基板との間に介在するAgPt層をさらに含む。
【0050】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、AgPt層のみからなる。
【0051】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記AgPt層は、AgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって形成されている。
【0052】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記Al層は、スパッタによって形成されている。
【0053】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜と上記基板との間に介在するガラス層をさらに備える。
【0054】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層には、上記基板の厚さ方向視において上記LEDチップを内包する窓部が設けられている。
【0055】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層は、上記窓部の縁につながっており、かつ上記LEDチップから遠ざかるほど、上記基板の主面からその法線方向に遠ざかるように傾斜した傾斜面を有する。
【0056】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記傾斜面は、上記LEDチップを囲む枠状である。
【0057】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ガラス層は、ガラスを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって形成されている。
【0058】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記基板は、長矩形状であり、上記複数のLEDチップは、上記基板の長手方向に沿って配列されており、上記金属膜は、上記基板の幅方向一端寄りにおいて上記基板の長手方向に長く延びる共通帯状部と、上記共通帯状部と平行に配列されており、かつ上記長手方向において最も端に位置するものが上記共通帯状部と導通する複数のアイランド部からなる1以上のアイランド群と、を有しており、上記複数のLEDチップは、上記複数のアイランド部に各別に実装されている。
【0059】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属膜は、上記基板の長手方向一端寄りに設けられた接続端子部と、上記共通帯状部に沿って上記長手方向に配列された2つの上記アイランド群と、上記基板の幅方向において上記共通帯状部とは上記アイランド群を挟んで反対側に配置されており、上記長手方向に沿って上記接続端子部から長く延びており、かつ上記2つのアイランド群のうち上記接続端子部から遠いものに含まれる上記複数のアイランド部のうち上記接続端子部にもっとも近いものと導通する連絡帯状部と、を有する。
【0060】
本発明の第4の側面によって提供される液晶表示装置は、本発明の第1の側面によって提供される液晶表示装置バックライト用LED光源装置と、全体略板状であり、厚さ方向に沿って広がるとともに上記液晶表示装置バックライト用LED光源装置と正対する入射面、上記厚さ方向と直角である方向に広がるとともに上記入射面から進行してきた光を上記厚さ方向に向けて反射する反射面、および上記反射面と上記厚さ方向において離間しているとともに上記反射面から進行してきた光を出射する出射面を有する導光部材と、上記出射面から出射された光を選択的に透過させることにより画像を形成する液晶パネルと、を備えることを特徴としている。
【0061】
このような構成によれば、上記LEDチップから上記基板の面内方向に進行した光は、上記開口の内面によって反射される。したがって、上記LED光源装置の高輝度化を図ることができる。
【0062】
本発明の第5の側面によると、複数のLEDチップと、上記複数のLEDチップが実装された主面を有する基板と、不透明樹脂と、を備え、上記複数のLEDチップのいずれか一つは、Siからなるサブマウント基板と、上記サブマウント基板に搭載された半導体層と、を含み、上記不透明樹脂は、上記サブマウント基板よりも反射率が高い材質からなり、上記サブマウント基板は、上記主面の法線方向に対して直角である方向を向く側面を有し、上記側面の少なくとも一部は、上記不透明樹脂に覆われている、液晶表示装置バックライト用LED光源装置が提供される。
【0063】
好ましくは、上記不透明樹脂は、上記サブマウント基板の上記側面のすべてを覆っている。
【0064】
好ましくは、上記不透明樹脂は、上記半導体層をすべて露出させている。
【0065】
好ましくは、上記不透明樹脂は、白色である。
【0066】
好ましくは、上記不透明樹脂上に積層され且つ上記半導体層を覆っている透光樹脂を更に備え、上記透光樹脂は、蛍光部を含み、上記蛍光部は、上記半導体層からの光によって励起されることにより上記半導体層からの光とは異なる光を発する蛍光体材料を有する。
【0067】
好ましくは、上記透光樹脂は、透明部を含み、上記透明部は、上記蛍光部と上記不透明樹脂との間に介在し、且つ、上記蛍光体材料を含まない。
【0068】
好ましくは、上記サブマウント基板には、上記半導体層に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのツェナーダイオードが作りこまれている。
【0069】
好ましくは、上記LEDチップに対して隣り合う位置に実装され、且つ、上記半導体層に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのツェナーダイオードを更に備え、上記ツェナーダイオードは、上記不透明樹脂によって覆われている。
【0070】
好ましくは、上記複数のLEDチップのいずれか一つを囲む内面を有する開口が形成されたリフレクタと、上記リフレクタと上記基板との間に介在する接着層と、を更に備える。
【0071】
好ましくは、上記リフレクタは、上記接着層に接する底面を有し、上記リフクレクタは、上記底面から上記基板に向かって突出する突出部を含み、上記突出部は、上記法線方向視において、上記接着層と上記不透明樹脂との間に位置する。
【0072】
好ましくは、上記突出部は、上記不透明樹脂に接する。
【0073】
好ましくは、上記突出部は、上記法線方向視において、上記不透明樹脂を囲む形状である。
【0074】
好ましくは、上記リフレクタは、上記法線方向視において、上記複数のLEDチップのいずれか一つを囲む第1表面と、上記第1表面とつながり且つ上記第1表面に対し傾く第2表面と、を有し、上記第2表面は、上記第1表面によって上記法線方向視において囲まれた領域とは反対側を向く。
【0075】
好ましくは、上記リフレクタは、上記法線方向を向く第3表面を有し、上記第2表面は、上記第3表面から上記第1表面に向かって起立している。
【0076】
好ましくは、上記透光樹脂は、上記法線方向に向かって膨らむ形状である。
【0077】
好ましくは、上記基板に取り付けられ且つ互いに離間した複数のリフレクタを更に備え、上記複数のリフレクタの各々には、上記複数のLEDチップのいずれか一つを囲む内面を有する開口が形成されている。
【0078】
好ましくは、上記基板に取り付けられ且つ複数の開口が形成されたリフレクタを更に備え、上記複数の開口は各々、上記複数のLEDチップのいずれか一つを囲む内面を有する。
【0079】
好ましくは、上記内面は、上記主面の法線方向において上記主面から離れるほど、上記法線方向と直角である方向において上記LEDチップから離れるように傾斜している。
【0080】
好ましくは、上記開口は、平面視矩形状である。
【0081】
好ましくは、上記基板は、長矩形状であり、上記複数のLEDチップは、上記基板の長手方向に沿って列状に配置されている。
【0082】
好ましくは、上記リフレクタは、上記複数の開口のうち隣り合う2つの開口の間に位置し且つ部分的に断面積が小とされている小断面部を有する。
【0083】
好ましくは、上記小断面部は、上記リフレクタのうち上記基板とは反対側に位置する面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0084】
好ましくは、上記小断面部は、上記リフレクタのうち上記基板側に位置する面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0085】
好ましくは、上記小断面部は、上記リフレクタのうち幅方向を向く側面から凹む凹部が形成されることによって構成されている。
【0086】
好ましくは、上記リフレクタは、白色樹脂からなる。
【0087】
好ましくは、上記白色樹脂は、液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートである。
【0088】
好ましくは、上記不透明樹脂は、平面視において、上記複数の開口のいずれか一つによって囲まれた領域のうち上記サブマウント基板を除く領域を覆っている。
【0089】
好ましくは、上記基板を覆う金属膜を更に備え、上記複数のLEDチップは、上記金属膜に実装されている。
【0090】
好ましくは、上記基板は、セラミックスからなる。
【0091】
好ましくは、上記金属膜は、最外層を構成するAl層を含む。
【0092】
好ましくは、上記金属膜は、上記Al層の少なくとも一部と上記基板との間に介在するAgPt層を含む。
【0093】
好ましくは、上記金属膜は、AgPt層のみからなる。
【0094】
好ましくは、上記AgPt層は、AgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって形成されている。
【0095】
好ましくは、上記Al層は、スパッタによって形成されている。
【0096】
好ましくは、上記金属膜に導通するワイヤを更に備え、上記複数のLEDチップのいずれか一つは、上記半導体層に積層された電極を含み、上記電極には、上記ワイヤがボンディングされている。
【0097】
好ましくは、上記基板は、長矩形状であり、上記複数のLEDチップは、上記基板の長手方向に沿って配列されており、上記金属膜は、共通帯状部と、1以上のアイランド群と、を含み、上記共通帯状部は、上記基板の幅方向の一端寄りにおいて上記基板の長手方向に長く延び、上記1以上のアイランド群の各々は、上記長手方向に沿って配列された複数のアイランド部を有し、上記複数のアイランド部のうち上記長手方向において最も端に位置するアイランド部は、上記共通帯状部と導通し、上記複数のLEDチップは各々、上記複数のアイランド部のいずれか一つに実装されている。
【0098】
好ましくは、上記金属膜は、接続端子部と、連絡帯状部と、を含み、上記接続端子部は、上記基板の長手方向の一端寄りに設けられ、上記1以上のアイランド群の個数は、2以上であり、上記1以上のアイランド群のいずれか2つのアイランド群は、上記共通帯状部に沿って配列され、上記連絡帯状部は、上記基板の幅方向において上記共通帯状部とは上記複数のアイランド群のいずれか一つを挟んで反対側に配置されており、且つ、上記長手方向に沿って上記接続端子部から長く延びており、上記連絡帯状部は、上記2つのアイランド群のうち上記接続端子部から遠いアイランド群に含まれる複数のアイランド部のうち上記接続端子部に最も近いアイランド部と導通する。
【0099】
本発明の第6の側面によると、本発明の第1の側面によって提供される液晶表示装置バックライト用LED光源装置と、入射面、反射面、および、出射面を有する導光板と、上記出射面から出射された光を選択的に透過させることにより画像を形成する液晶パネルと、を備え、上記入射面は、上記導光板の厚さ方向に平行な平面に沿って広がり、且つ、上記液晶表示装置バックライト用LED光源装置と正対し、上記反射面は、上記厚さ方向と直角である平面に沿って広がり、且つ、上記入射面から進行してきた光を上記厚さ方向に向けて反射し、上記出射面は、上記厚さ方向において上記反射面と離間し、且つ、上記反射面から進行してきた光を出射する、液晶表示装置が提供される。
【0100】
このような構成によれば、上記不透明樹脂は、上記サブマウント基板の上記側面によって上記半導体層からの光が吸収されることを防ぐ働きを果たす。これにより、上記液晶表示装置バックライト用LED光源装置の高輝度化を図ることができる。
【0101】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0103】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0104】
図1〜
図4は、本発明の第1実施形態に基づく液晶表示装置バックライト用のLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A1は、基板1、ガラス層2、金属膜3、複数のLEDチップ4、リフレクタ51、および透光樹脂55を備えている。LED光源装置A1は、
図8および
図9に示すように、たとえば液晶表示装置B1のバックライトを構成する光源として用いられる。なお、理解の便宜上、
図1においてはガラス層2および透光樹脂55を省略しており、
図2においては、透光樹脂55を省略している。
【0105】
基板1は、たとえばアルミナなどのセラミックスからなり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。本実施形態の基板1は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。
【0106】
ガラス層2は、金属膜3を形成するのに適した平滑な面を提供するためのものであり、基板1の主面11に形成されている。ガラス層2の厚さは、たとえば100μm程度である。
図5は、LED光源装置A1の製造工程において、基板1にガラス層2を形成した状態を示している。ガラス層2の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、このガラスペーストを焼成することによって行う。
【0107】
同図に示すように、ガラス層2には、複数の窓部21が形成されている。複数の窓部21は、それぞれが矩形状であり、x方向にほぼ等ピッチで配列されている。窓部21は、x方向寸法が1.8mm程度、y方向寸法が1.2mm程度とされている。また、
図3および
図4に示すように、ガラス層2には、傾斜面22が形成されている。傾斜面22は、窓部21の外縁につながっており、x方向またはy方向において窓部21から遠ざかるほど、z方向図中上方に位置する傾斜とされている。本実施形態においては、傾斜面22は、z方向視において矩形の枠状とされている。
【0108】
金属膜3は、LEDチップ4への給電機能を果たすものであり、窓部21に重なる部分を除き、ガラス層2上に形成されている。本実施形態においては、金属膜3は、Al層31およびAgPt層32からなる。
図6は、LED光源装置A1の製造工程において、AgPt層32を形成した状態を示している。AgPt層32の形成は、たとえばAgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって行う。AgPt層の厚さは、たとえば10μm程度である。
【0109】
Al層31は、金属膜3の最外層を構成するものである。
図7は、LED光源装置A1の製造工程においてAl層31を形成した状態を示している。Al層31の形成は、たとえばスパッタ法を用いて行う。Al層31の厚さは、たとえば1.2μm程度である。Al層31とガラス層2との間には、部分的にAgPt層が介在している。
【0110】
図1〜
図4に示すように、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド群35、連絡帯状部36、および複数の接続端子部37を有している。
図1に示すように、共通帯状部33は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部33の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部33は、y方向において、基板1の一端寄りに位置している。
図4、
図6、および
図7から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0111】
図1に示すように、複数のアイランド群35は、x方向に並べて配置されており、本実施形態においては、2つのアイランド群35が設けられている。各アイランド群35は、複数のアイランド部34によって構成されている。複数のアイランド部34は、共通帯状部33と平行に、x方向に配列されている。本実施形態においては、各アイランド群35が、12個のアイランド部34を含んでいる。
図3、
図4、
図6、および
図7から理解されるように、本実施形態においては、アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0112】
図2に示すように、アイランド部34は、本体部341と延出部342を有している。本体部341は、x方向を長手方向とし、一部が欠落した矩形状とされている。本実施形態においては、本体部341は、x方向寸法が9.0mm程度、y方向寸法が2.5mm程度である。
図2〜
図4に示すように、本体部341は、ガラス層2の窓部21および傾斜面22を覆うように形成されている。本体部341のうち窓部21を覆う部分には、LEDチップ4が実装されており、本体部341のうち窓部21に隣接するガラス層2の部分を覆う部分には、ツェナーダイオード41が実装されている。延出部342は、本体部341からx方向に長く延びる部分であり、本実施形態においては、幅が0.5mm程度、長さが3.0mm程度とされている。
図2に示すように、あるアイランド部34の延出部342は、x方向左方に隣接するアイランド部34の本体部341の欠落部分にはまり込むように配置されている。
【0113】
連絡帯状部36は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部36の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部36は、y方向において、アイランド群35を挟んで共通帯状部33とは反対側の基板1の一端寄りに位置している。
図4、
図6、および
図7から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0114】
図1に示すように、複数の接続端子部37は、基板1のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B1の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。
図6および
図7から理解されるように、接続端子部37は、AgPt層32によって構成されている。
【0115】
図1においてx方向右方に位置する接続端子部37は、共通帯状部33につながっており、x方向左方に位置する接続端子部37は、連絡帯状部36につながっている。x方向中央に位置する接続端子部37は、複数のアイランド部34のうちx方向においてもっとも左に位置するもの(接続端子部37にもっとも近いもの)につながっている。また、各アイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向右端に位置するもの(接続端子部37からもっとも遠いもの)は、共通帯状部33につながっている。また、x方向右方(接続端子部37に対して遠い方)に位置するアイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向左端に位置するもの(接続端子部37からもっとも近いもの)は、連絡帯状部36につながっている。
【0116】
LEDチップ4は、たとえばSiからなるサブマウント基板44とGaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された半導体層43とを有する構造とされており、たとえば青色光を発する。半導体層43には、サブマウント基板44側に形成された電極パッド(図示略)が形成されている。これらの電極パッドが、サブマウント基板44に形成された配線パターン(図示略)に接合されている。
図2に示すように、LEDチップ4は、アイランド部34の本体部341のうち窓部21を覆う部分に実装されている。これにより、z方向視において、LEDチップ4は、窓部21に内包されており、枠状の傾斜面22に囲まれている。LEDチップ4には、2つの電極が形成されており、一方の電極は、ワイヤ42によって実装されたアイランド部34の本体部341に接続されている。他方の電極は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。本実施形態のLEDチップ4は、x方向寸法が1.9mm程度、y方向寸法が1.3mm程度とされている。サブマウント基板44をアイランド部34に接合することにより、LEDチップ4から金属膜3への放熱を高める効果が期待できる。LEDチップ4とアイランド部34との接合は、たとえばAgペースト、エポキシ樹脂、あるいは高伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。なお、本実施形態のLEDチップ4は、いわゆる2ワイヤタイプであるが、これと異なり、1本のワイヤ42によって実装可能であるいわゆる1ワイヤタイプのLEDチップ4や、ワイヤ42を用いない実装が可能であるいわゆるフリップチップタイプのLEDチップ4を用いてもよい。
【0117】
上述した金属膜3の構成と、LEDチップ4の実装形態により、本実施形態においては、LED光源装置A1には、互いに直列に接続された12個のLEDチップ4からなるLEDチップ4のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ4のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0118】
ツェナーダイオード41は、LEDチップ4に過大な逆電圧が印加されるのを防止するためのものであり、アイランド部34の本体部341のうち窓部21を覆う部分に隣接する部分に実装されている。ツェナーダイオード41は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。なお、LEDチップ4のサブマウント基板44にツェナーダイオード41と同等の機能を果たす素子を作りこんでもよい。
【0119】
リフレクタ51は、LEDチップ4からの光をより多くz方向へと進行させるためのものであり、たとえば白色樹脂からなる矩形枠状である。リフレクタ51を形成するときには、LEDチップ4の実装が完了している。このため、リフレクタ51は、たとえば利府ロー炉において高温にさらされることがない。これにより、この白色樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を用いることができる。PBT樹脂は、リフレクタ51の表面の反射率を高めるのに適している。リフレクタ51は、LEDチップ4およびツェナーダイオード41を囲むように金属膜3上(一部は、ガラス層2上)に形成されている。本実施形態においては、リフレクタ51は、x方向寸法が6.8mm程度、y方向寸法が3.0mm程度、z方向高さが1mm程度とされている。また、リフレクタ51のうちLEDチップ4を収容する開口部分のサイズは、x方向寸法が3.9mm程度、y方向寸法が1.9mm程度とされている。
【0120】
透光樹脂55は、
図3および
図4に示すように、リフレクタ51によって囲まれた空間に充填されており、LEDチップ4およびツェナーダイオード41を覆っている。透光樹脂55は、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえばLEDチップ4からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ4からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置A1からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0121】
図8および
図9は、LED光源装置A1を用いた液晶表示装置の一例を示している。同図に示された液晶表示装置B1は、LED光源装置A1、導光板6、および液晶パネル7を備えている。
【0122】
導光板6は、LED光源装置A1とともにバックライトを構成するものであり、たとえば透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂からなる。導光板6は、zx平面に広がる板状とされている。導光板6は、入射面61、反射面62、および出射面63を有している。入射面61は、z方向に対してな平滑な面であり、LED光源装置A1と正対している。反射面62は、y方向に対して直角な面であり、複数の溝621が形成されている。出射面63は、y方向に対して直角な平滑な面であり、反射面とは反対側に位置している。
【0123】
図9に示すように、LED光源装置A1から出射された光は、入射面61から入射したのちに、導光板6内を進行する。進行してきた光は、反射面62の溝621によって反射あるいは拡散されることにより、y方向に向けて進行する。反射面62から進行してきた光は、出射面63から出射する。これにより、LED光源装置A1が発光すると、導光板6の出射面63前面から白色光が発せられる。
【0124】
液晶パネル7は、導光板6から出射された光を選択的に透過させることにより液晶表示装置B1が表示するべき画像を形成するためのものである。液晶パネル7は、たとえば対抗する2枚の透明基板とこれらの透明基板に挟まれた液晶層とからなり、たとえばアクティブマトリクス方式によって、画素ごとに透過状態を変更可能に構成されている。
【0125】
次に、LED光源装置A1および液晶表示装置B1の作用について説明する。
【0126】
本実施形態によれば、LEDチップ4からの光のうち金属膜3に向けて発せられた光は、金属膜3によって反射される。このため、より多くの光をLED光源装置A1から出射することが可能であり、輝度向上を図ることができる。特に、金属膜3は、最外層がAl層31からなるため、吸収される割合は小さい。これは、LED光源装置A1の輝度向上に有利である。本実施形態においては、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を区画するためのスリットが形成されているほかは、基板1の主面11のほとんどを覆っている。これにより、LEDチップ4からの光が不当に吸収されてしまうことを抑制することができる。
【0127】
金属膜3は、ガラス層2上に形成されている。このため、金属膜3の表面は、鏡面に近い平滑な面となっている。これにより、LEDチップ4からの光をより高い割合で反射することが可能である。スパッタによって形成されたAl層31は、高密度であり、鏡面状態を実現するのに適している。
【0128】
金属膜3(本体部341)のうち傾斜面22を覆う部分は、LEDチップ4を囲む枠状の反射領域を形成している。このため、LEDチップ4からの光をより高い割合で出射することが可能である。印刷および焼成を用いた手法によれば、ガラス層2の傾斜面22を適切に形成することができる。また、リフレクタ51によってもLEDチップ4からの光が吸収されてしまうことを抑制可能である。
【0129】
LEDチップ4は、z方向視において窓部21に内包されている。これにより、LEDチップ4と基板1との間には、金属膜3が介在するのみであり、ガラス層2は介在していない。これは、LEDチップ4の放熱促進に適している。
【0130】
金属膜3に共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を備えることにより、複数のLEDチップ4を適切に接続することが可能である。
【0131】
共通帯状部33および連絡帯状部36をAl層31とAgPt層32の積層構造とすることにより、抵抗値を低下させることが可能である。共通帯状部33および連絡帯状部36は、比較的狭幅であり、かつ長さが長いため、電圧低下が生じやすい。上述した積層構造によれば、共通帯状部33および連絡帯状部36の電圧低下を抑制することができる。
【0132】
LED光源装置A1の輝度向上を図ることにより、液晶表示装置B1は、より明るく、より鮮明な画像を表示することができる。
【0133】
図10〜
図20は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0134】
図10および
図11は、本発明の第2実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A2は、金属膜3の構成が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、金属膜3は、AgPt層32のみからなる。AgPt層32は、明るい白色を呈するものであり、比較的反射率が高い。したがって、このような構成によってもLED光源装置A2の輝度向上を図ることができる。また、LED光源装置A2を製造する際には、Al層31を形成する工程を省略可能である。これにより、LED光源装置A2のコスト低減を図ることができる。
【0135】
図12および
図13は、本発明の第3実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A3は、ガラス層2に窓部21および傾斜面22が形成されていない点が上述した実施形態と異なっている。このような実施形態においては、本体部341の全面が鏡面状態となる。これによって、LEDチップ4からの光がz方向へと反射する割合を高めるという効果が期待できる。
【0136】
図14および
図15は、本発明の第4実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A4は、ガラス層2を備えない点が上述した実施形態と異なっている。ガラス層2を備えない場合、金属膜3の表面は、艶消し状態の白色面となる。このような状態の金属膜3であっても、最外層がAl層31からなるため、反射率は相対的に高い。したがって、LED光源装置A4の輝度向上を図ることができる。また、ガラス層2を形成する工程を省略可能であるため、LED光源装置A4のコスト低減に有利である。また、LEDチップ4からの放熱促進を図ることができる。
【0137】
図16および
図17は、本発明の第5実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A5は、リフレクタ51を備えない点が上述した実施形態と異なっている。本実施形態においては、透光樹脂55は、たとえば液体樹脂材料をポッティングによってLEDチップ4を覆うように滴下したのちに、この液体樹脂材料を硬化させることによって形成する。このような実施形態によっても、基板1の主面11のほとんどが金属膜3によって覆われているため、LEDチップ4からの光が不当に吸収されてしまうことを抑制可能であり、LED光源装置A5の輝度向上を図ることができる。
【0138】
図18は、本発明の第1実施形態に基づくLED光源装置と、これの変形例とを組み合わせた構成を示している。同図に示されたLED光源装置A1’は、上述したLED光源装置A1と比較して、接続端子部37が省略されている点が異なっている。LED光源装置A1とLED光源装置A1’の共通帯状部33どうし、および連絡帯状部36どうしが、それぞれ配線38によって接続されている。このような構成により、より大きな画面サイズの液晶表示装置のバックライト用LED光源装置を実現することができる。
【0139】
図19および
図20は、LED光源装置A1において、異なる種類のLEDチップ4が適用された構成を示している。以下に説明するLEDチップ4は、LED光源装置A1のみならず、LED光源装置A2〜A5、およびLED光源装置A1’に用いることができることはもちろんである。
【0140】
図19に示されたLED光源装置A1に用いられたLEDチップ4は、いわゆる2ワイヤタイプと称される構造を有する。具体的には、下層からn型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された半導体層43によって構成されており、n型半導体層およびp型半導体層に導通する2つの電極パッド(図示略)が図中上面に配置されている。これらの電極パッドに、ワイヤ42がボンディングされている。
【0141】
図20に示されたLEDチップ4は、ワイヤ42を用いることなく実装可能なタイプである。具体的には、サブマウント基板44に2つのスルーホール電極441が形成されている。これらのスルーホール電極441は、サブマウント基板44に形成された配線パターンを介して、半導体層43のn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ導通している。スルーホール電極441の下面には、実装用のバンプ442が形成されている。LEDチップ4は、このバンプ442によって、金属膜3に実装されている。
【0142】
本発明に係る液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0143】
図21〜
図25は、本発明の第6実施形態に基づく液晶表示装置バックライト用のLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A6は、基板1、ガラス層2、金属膜3、複数のLEDチップ4、リフレクタ51、透光樹脂55、および白色樹脂58を備えている。LED光源装置A6は、
図30および
図31に示すように、たとえば液晶表示装置B2のバックライトを構成する光源として用いられる。なお、理解の便宜上、
図21および
図22においてはガラス層2、および透光樹脂55を省略しており、
図23においては、透光樹脂55を省略している。
【0144】
基板1は、たとえばアルミナなどのセラミックスからなり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。本実施形態の基板1は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。
【0145】
ガラス層2は、金属膜3を形成するのに適した平滑な面を提供するためのものであり、基板1の主面11に形成されている。ガラス層2の厚さは、たとえば100μm程度である。
図26は、LED光源装置A6の製造工程において、基板1にガラス層2を形成した状態を示している。ガラス層2の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、このガラスペーストを焼成することによって行う。
【0146】
金属膜3は、LEDチップ4への給電機能を果たすものであり、ガラス層2上に形成されている。本実施形態においては、金属膜3は、Al層31およびAgPt層32からなる。
図27は、LED光源装置A6の製造工程において、AgPt層32を形成した状態を示している。AgPt層32の形成は、たとえばAgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって行う。AgPt層32の厚さは、たとえば10μm程度である。
【0147】
Al層31は、金属膜3の最外層を構成するものである。
図28は、LED光源装置A6の製造工程においてAl層31を形成した状態を示している。Al層31の形成は、たとえばスパッタ法を用いて行う。Al層31の厚さは、たとえば1.2μm程度である。Al層31とガラス層2との間には、部分的にAgPt層32が介在している。
【0148】
図22〜
図25に示すように、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド群35、連絡帯状部36、および複数の接続端子部37を有している。
図22に示すように、共通帯状部33は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部33の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部33は、y方向において、基板1の一端寄りに位置している。
図25、
図27、および
図28から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0149】
図22に示すように、複数のアイランド群35は、x方向に並べて配置されており、本実施形態においては、2つのアイランド群35が設けられている。各アイランド群35は、複数のアイランド部34によって構成されている。複数のアイランド部34は、共通帯状部33と平行に、x方向に配列されている。本実施形態においては、各アイランド群35が、12個のアイランド部34を含んでいる。
図24、
図25、
図27、および
図28から理解されるように、本実施形態においては、アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0150】
図23および
図24に示すように、アイランド部34は、本体部341と延出部342を有している。本体部341は、x方向を長手方向とし、一部が欠落した矩形状とされている。本実施形態においては、本体部341は、x方向寸法が9.0mm程度、y方向寸法が2.5mm程度である。本体部341には、LEDチップ4が実装されている。延出部342は、本体部341からx方向に長く延びる部分であり、本実施形態においては、幅が0.5mm程度、長さが3.0mm程度とされている。
図23に示すように、あるアイランド部34の延出部342は、x方向右方に隣接するアイランド部34の本体部341の欠落部分にはまり込むように配置されている。
【0151】
連絡帯状部36は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部36の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部36は、y方向において、アイランド群35を挟んで共通帯状部33とは反対側の基板1の一端寄りに位置している。
図25、
図27、および
図28から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0152】
図22に示すように、複数の接続端子部37は、基板1のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B2の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。
図27および
図28から理解されるように、接続端子部37は、AgPt層32によって構成されている。
【0153】
図22においてx方向右方に位置する接続端子部37は、共通帯状部33につながっており、x方向左方に位置する接続端子部37は、連絡帯状部36につながっている。x方向中央に位置する接続端子部37は、複数のアイランド部34のうちx方向においてもっとも左に位置するもの(接続端子部37にもっとも近いもの)につながっている。また、各アイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向右端に位置するもの(接続端子部37からもっとも遠いもの)は、共通帯状部33につながっている。また、x方向右方(接続端子部37に対して遠い方)に位置するアイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向左端に位置するもの(接続端子部37からもっとも近いもの)は、連絡帯状部36につながっている。
【0154】
LEDチップ4は、Siからなるサブマウント基板44とたとえばGaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された半導体層43とを有する構造とされており、たとえば青色光を発する。半導体層43には、サブマウント基板44側に形成された電極パッド(図示略)が形成されている。これらの電極パッドが、サブマウント基板44に形成された配線パターン(図示略)に接合されている。サブマウント基板44には、ツェナーダイオードが作りこまれている。このツェナーダイオードは、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのものである。
【0155】
図23に示すように、LEDチップ4は、アイランド部34に実装されている。LEDチップ4には、2つの電極が形成されており、一方の電極は、ワイヤ42によって実装されたアイランド部34の本体部341に接続されている。他方の電極は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。本実施形態のLEDチップ4は、x方向寸法が1.9mm程度、y方向寸法が1.3mm程度とされている。サブマウント基板44をアイランド部34に接合することにより、LEDチップ4から金属膜3への放熱を高める効果が期待できる。LEDチップ4とアイランド部34との接合は、たとえばAgペースト、エポキシ樹脂、あるいは高熱伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。
【0156】
上述した金属膜3の構成と、LEDチップ4の実装形態により、本実施形態においては、LED光源装置A6には、互いに直列に接続された12個のLEDチップ4からなるLEDチップ4のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ4のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0157】
リフレクタ51は、LEDチップ4からの光をより多くz方向へと進行させるためのものであり、たとえば液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートなどの白色樹脂からなる。リフレクタ51は、x方向に長く延びた形状であり、複数の開口52および複数の凹部53が形成されている。各開口52は、z方向視において矩形状とされている。
図24および
図25に示すように開口52の内面は、各LEDチップ4を囲んでおり、主面11の法線方向において基板1から遠ざかるほどLEDチップ4から遠くなるように傾斜している。各凹部53は、
図22〜
図24に示すように、隣り合う開口52の間に位置している。各凹部53は、リフレクタ51の上面から凹む断面矩形状の溝である。リフレクタ51のうち凹部53が形成された部位は、yz平面における断面積が部分的に縮小しており、本発明で言う小断面部に相当する。本実施形態においては、リフレクタ51のy方向寸法が2.0〜4.0mm程度とされている。
【0158】
LED光源装置A6の製造工程においては、
図29に示すように、リフレクタ51は、LEDチップ4の実装が完了した基板1に対して貼りつけられる。本実施形態においては、リフレクタ51は、y方向寸法が3.0mm程度、z方向高さが1mm程度とされている。また、開口52のサイズは、x方向寸法が3.9mm程度、y方向寸法が1.9mm程度とされている。凹部53は、x方向寸法が0.5〜4.0mm程度、z方向深さが0.2〜0.8mm程度とされている。
【0159】
白色樹脂58は、本発明で言う不透明樹脂の一例に相当し、たとえば白色のエポキシ樹脂などLEDチップ4からの光に対して不透明であり、かつサブマウント基板44よりも高反射率である材質からなる。
図23〜
図25に示すように、白色樹脂58は、リフレクタ51の開口52に囲まれた領域のうち、LEDチップ4を除く部分を覆っている。また、白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面をすべて覆っている。なお、本実施形態とは異なり、サブマウント基板44の側面の一部が白色樹脂58に覆われている構成であってもよい。
【0160】
透光樹脂55は、
図24および
図25に示すように、開口52内に充填されており、LEDチップ4を覆っている。透光樹脂55は、透明部57と蛍光部56とからなる。透明部57は、白色樹脂58上に積層されており、本実施形態においては、半導体層43を覆っている。透明部57は、たとえば透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂からなる。蛍光部56は、透明部57上に積層されており、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、たとえばLEDチップ4からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ4からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置A6からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0161】
図30および
図31は、LED光源装置A6を用いた液晶表示装置の一例を示している。同図に示された液晶表示装置B2は、LED光源装置A6、導光板6、および液晶パネル7を備えている。
【0162】
導光板6は、LED光源装置A6とともにバックライトを構成するものであり、たとえば透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂からなる。導光板6は、zx平面に広がる板状とされている。導光板6は、入射面61、反射面62、および出射面63を有している。入射面61は、z方向に対して平滑な面であり、LED光源装置A6と正対している。反射面62は、y方向に対して直角な面であり、複数の溝621が形成されている。出射面63は、y方向に対して直角な平滑な面であり、反射面62とは反対側に位置している。
【0163】
図31に示すように、LED光源装置A6から出射された光は、入射面61から入射したのちに、導光板6内を進行する。進行してきた光は、反射面62の溝621によって反射あるいは拡散されることにより、y方向に向けて進行する。反射面62から進行してきた光は、出射面63から出射する。これにより、LED光源装置A6が発光すると、導光板6の出射面63全面から白色光が発せられる。
【0164】
液晶パネル7は、導光板6から出射された光を選択的に透過させることにより液晶表示装置B2が表示するべき画像を形成するためのものである。液晶パネル7は、たとえば対向する2枚の透明基板とこれらの透明基板に挟まれた液晶層とからなり、たとえばアクティブマトリクス方式によって、画素ごとに透過状態を変更可能に構成されている。
【0165】
次に、LED光源装置A6および液晶表示装置B2の作用について説明する。
【0166】
各LEDチップ4がリフレクタ51の開口52に囲まれていることにより、LEDチップ4から側方に進行した光は、開口52によって反射される。開口52の内面は、
図24および
図25に示すように、上方に向けて開くように傾斜している。このため、反射された光は、LED光源装置A6外へと出射されやすい。したがって、LED光源装置A6の高輝度化を図ることができる。
【0167】
さらに、
図29に示すように、リフレクタ51を形成するときには、LEDチップ4の実装が完了している。このため、リフレクタ51は、たとえばLEDチップ4を実装する工程において用いられるリフロー炉において高温にさらされることがない。これにより、この白色樹脂としては、液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートを用いることができる。液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートは、リフレクタ51の表面の反射率を高めるのに適している。これは、LED光源装置A6の高輝度化に有利である。
【0168】
図29に示すように、リフレクタ51は、基板1に取り付けられる前においては、それ単独で取り扱われることが多い。リフレクタ51の保持方法によっては、リフレクタ51に過大なモーメントが作用しうる。複数の凹部53が形成された複数の小断面部は、これら以外の部位よりも弾性変形しやすい。したがって、リフレクタ51にモーメントが作用したときには、上記複数の小断面部が積極的に変形することにより、リフレクタ51のいずれかの部分に亀裂が入ることなどを防止することができる。
【0169】
凹部53は、リフレクタ51のうち基板1とは反対側の面から凹むように形成されている。これにより、リフレクタ51のうち基板1と接合されている面積は、上記小断面部を設けることによっては縮小されていない。したがって、リフレクタ51の保護を図りつつ、リフレクタ51と基板1との接合力低下を回避することができる。
【0170】
本実施形態によれば、白色樹脂58は、LEDチップ4のサブマウント基板44の側面を覆っている。サブマウント基板44の材質であるSiは、比較的光を吸収しやすい。白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面によって半導体層43からの光が吸収されることを防ぐ働きを果たす。これにより、LED光源装置A6の高輝度化をさらに促進することができる。
【0171】
また、白色樹脂58は、開口52によって囲まれた領域のうちLEDチップ4を除く部分すべてを覆っている。このため、基板1などによって半導体層43からの光が吸収されてしまうことを回避することが可能である。これは、LED光源装置A6の高輝度化に有利である。
【0172】
LEDチップ4は、サブマウント基板44に作りこまれたツェナーダイオードを有している。このツェナーダイオードにより、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止することができる。また、このツェナーダイオードを設けることによってLED光源装置A6の高輝度化が阻害されることはない。
【0173】
透光樹脂55に透明部57を設けることにより、透光樹脂55に含まれる蛍光材料の量を削減することができる。これは、LED光源装置A6の低コスト化に有利である。
【0174】
LED光源装置A6の輝度向上を図ることにより、液晶表示装置B2は、より明るく、より鮮明な画像を表示することができる。
【0175】
図32〜
図49は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0176】
図32は、LED光源装置A6の凹部53についての変形例を示している。本変形例のLED光源装置A6は、凹部53の構成が上述したLED光源装置A6と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51のy方向を向く側面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。より具体的には、隣り合う開口52の間に1対の凹部53が配置されている。1対の凹部53は、リフレクタ51のy方向両側に形成されている。このような変形例によっても、LED光源装置A6の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0177】
図33は、LED光源装置A6の凹部53についての他の変形例を示している。本変形例のLED光源装置A6は、凹部53の構成が上述したLED光源装置A6と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51の基板1に接合された面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。各凹部53は、隣り合う開口52の間に配置されている。このような変形例によっても、LED光源装置A6の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0178】
図34および
図35は、LED光源装置A6の金属膜3についての変形例を示している。本変形例においては、金属膜3は、AgPt層32のみからなる。このような変形例によれば、LED光源装置A6を製造する際には、Al層31を形成する工程を省略可能である。これにより、LED光源装置A6のコスト低減を図ることができる。
【0179】
図36および
図37は、LED光源装置A6の他の変形例を示している。本変形例においては、ガラス層2を備えない点が上述したLED光源装置A6と異なっている。このような変形例によれば、ガラス層2を形成する工程を省略可能であるため、LED光源装置A6のコスト低減に有利である。また、LEDチップ4からの放熱促進を図ることができる。
【0180】
図38は、LED光源装置A6のLEDチップ4についての変形例を示している。本変形例のLEDチップ4は、ワイヤ42を用いることなく実装可能なタイプである。具体的には、サブマウント基板44に2つのスルーホール電極441が形成されている。これらのスルーホール電極441は、サブマウント基板44に形成された配線パターンを介して、半導体層43のn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ導通している。スルーホール電極441の下面には、実装用のバンプ442が形成されている。LEDチップ4は、このバンプ442によって、金属膜3に実装されている。
【0181】
図39は、LED光源装置A6の透光樹脂55についての変形例を示している。本変形例においては、透光樹脂55が蛍光部56のみによって構成されている。このような変形例によっても、LED光源装置A6の高輝度化を図ることができる。
【0182】
図40は、LED光源装置A6の変形例を示している。本変形例は、LEDチップ4とは別体とされたツェナーダイオード41を備えている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4とともにアイランド部34の本体部341に実装されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4の半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止する。また、ツェナーダイオード41は、白色樹脂58によって覆われている。これにより、LEDチップ4からの光がツェナーダイオード41によって吸収されることを防止することができる。
【0183】
図41は、本発明の第6実施形態に基づくLED光源装置と、これの変形例とを組み合わせた構成を示している。同図に示されたLED光源装置A6’は、上述したLED光源装置A6と比較して、接続端子部37が省略されている点が異なっている。LED光源装置A6とLED光源装置A6’の共通帯状部33どうし、および連絡帯状部36どうしが、それぞれ配線38によって接続されている。このような構成により、より大きな画面サイズの液晶表示装置のバックライト用LED光源装置を実現することができる。
【0184】
図42〜
図44は、本発明の第7実施形態に基づくLED光源装置A7を示している。本実施形態のLED光源装置A7は、白色樹脂58を備えない点と、ガラス層2および金属膜3の構成とが、上述したLED光源装置A6と異なっている。
【0185】
ガラス層2には、複数の窓部21が形成されている。複数の窓部21は、それぞれが矩形状であり、x方向にほぼ等ピッチで配列されている。窓部21は、x方向寸法が1.8mm程度、y方向寸法が1.2mm程度とされている。また、
図43および
図44に示すように、ガラス層2には、傾斜面22が形成されている。傾斜面22は、窓部21の外縁につながっており、x方向またはy方向において窓部21から遠ざかるほど、z方向図中上方に位置する傾斜とされている。本実施形態においては、傾斜面22は、z方向視において矩形の枠状とされている。
【0186】
本体部341は、ガラス層2の窓部21および傾斜面22を覆うように形成されている。本体部341のうち窓部21を覆う部分には、LEDチップ4が実装されており、本体部341のうち窓部21に隣接するガラス層2を覆う部分には、ツェナーダイオード41が実装されている。アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0187】
LEDチップ4は、アイランド部34の本体部341のうち窓部21を覆う部分に実装されている。これにより、z方向視において、LEDチップ4は、窓部21に内包されており、枠状の傾斜面22に囲まれている。
【0188】
LED光源装置A7の製造方法においては、まず、
図45に示すように基板1に複数の窓部21を有するガラス層2を形成する。ついで、
図46に示すようにAgPt層32を形成する。そして、
図47に示すように、窓部21を覆うようにAl層31を形成する。
【0189】
本実施形態によれば、LEDチップ4からの光のうち金属膜3に向けて発せられた光は、金属膜3によって反射される。このため、より多くの光をLED光源装置A7から出射することが可能であり、輝度向上を図ることができる。特に、金属膜3は、最外層がAl層31からなるため、吸収される割合は小さい。これは、LED光源装置A7の輝度向上に有利である。本実施形態においては、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を区画するためのスリットが形成されているほかは、基板1の主面11のほとんどを覆っている。これにより、LEDチップ4からの光が不当に吸収されてしまうことを抑制することができる。
【0190】
金属膜3は、ガラス層2上に形成されている。このため、金属膜3の表面は、鏡面に近い平滑な面となっている。これにより、LEDチップ4からの光をより高い割合で反射することが可能である。スパッタによって形成されたAl層31は、高密度であり、鏡面状態を実現するのに適している。
【0191】
金属膜3(本体部341)のうち傾斜面22を覆う部分は、LEDチップ4を囲む枠状の反射領域を形成している。このため、LEDチップ4からの光をより高い割合で出射することが可能である。印刷および焼成を用いた手法によれば、ガラス層2の傾斜面22を適切に形成することができる。また、リフレクタ51によってもLEDチップ4からの光が吸収されてしまうことを抑制可能である。
【0192】
LEDチップ4は、z方向視において窓部21に内包されている。これにより、LEDチップ4と基板1との間には、金属膜3が介在するのみであり、ガラス層2は介在していない。これは、LEDチップ4の放熱促進に適している。
【0193】
金属膜3に共通帯状部33、複数のアイランド部34、および連絡帯状部36を備えることにより、複数のLEDチップ4を適切に接続することが可能である。
【0194】
共通帯状部33および連絡帯状部36をAl層31とAgPt層32の積層構造とすることにより、抵抗値を低下させることが可能である。共通帯状部33および連絡帯状部36は、比較的狭幅であり、かつ長さが長いため、電圧低下が生じやすい。上述した積層構造によれば、共通帯状部33および連絡帯状部36の電圧低下を抑制することができる。
【0195】
なお、金属膜3の構成は、本実施形態の構成に限定されず、たとえば
図34〜
図37に示した構成を採用できることはもちろんである。
【0196】
図48は、LED光源装置A7のLEDチップ4についての変形例を示している。本変形例のLEDチップ4は、いわゆる2ワイヤタイプと称される構造を有する。具体的には、下層からn型半導体層、活性層、およびp型半導体層が積層された半導体層43によって構成されており、n型半導体層およびp型半導体層に導通する2つの電極パッド(図示略)が図中上面に配置されている。これらの電極パッドに、ワイヤ42がボンディングされている。
【0197】
図49は、本発明の第8実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A8は、1つの基板1に2つのリフレクタ51が取り付けられている点が、上述したLED光源装置A6と異なっている。本実施形態においては、リフレクタ51は、x方向長さが基板1の半分弱程度とされている。2つのリフレクタ51は、x方向に直列に配置されており、LED光源装置A6と同様に、それぞれに形成された開口52がLEDチップ4を格別に囲んでいる。
【0198】
このような実施形態によっても、LED光源装置A6の高輝度化を図ることができる。また、基板1に対してx方向が短いリフレクタ51を用意することにより、基板1の長さに応じて、1枚の基板1に取り付けるリフレクタ51の個数を調整することができる。これにより、異なる長さの複数種類の基板1に対してリフレクタ51を共通部品化することが可能であり、様々な長さのLED光源装置A7を効率よく製造することができる。
【0199】
本発明に係る液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0200】
図50〜
図54は、本発明の第9実施形態に基づく液晶表示装置バックライト用のLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A9は、基板1、ガラス層2、金属膜3、複数のLEDチップ4、リフレクタ51、透光樹脂55、および白色樹脂58を備えている。LED光源装置A9は、
図59および
図60に示すように、たとえば液晶表示装置B3のバックライトを構成する光源として用いられる。なお、理解の便宜上、
図50および
図51においてはガラス層2、および透光樹脂55を省略しており、
図52においては、透光樹脂55を省略している。
【0201】
基板1は、たとえばアルミナなどのセラミックスからなり、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする長矩形状とされている。本実施形態の基板1は、長さが222mm程度、幅が6.0mm程度、厚さが1.0mm程度とされている。基板1は主面11を有する。主面11の法線方向は方向zに一致する。以下、適宜、法線方向zと称する。
【0202】
ガラス層2は、金属膜3を形成するのに適した平滑な面を提供するためのものであり、基板1の主面11に形成されている。ガラス層2の厚さは、たとえば100μm程度である。
図55は、LED光源装置A9の製造工程において、基板1にガラス層2を形成した状態を示している。ガラス層2の形成は、たとえばガラスペーストを印刷した後に、このガラスペーストを焼成することによって行う。
【0203】
金属膜3は、LEDチップ4への給電機能を果たすものであり、ガラス層2上に形成されている。本実施形態においては、金属膜3は、Al層31およびAgPt層32からなる。
図56は、LED光源装置A9の製造工程において、AgPt層32を形成した状態を示している。AgPt層32の形成は、たとえばAgおよびPtを含むペーストを印刷した後に、このペーストを焼成することによって行う。AgPt層32の厚さは、たとえば10μm程度である。
【0204】
Al層31は、金属膜3の最外層を構成するものである。
図57は、LED光源装置A9の製造工程においてAl層31を形成した状態を示している。Al層31の形成は、たとえばスパッタ法を用いて行う。Al層31の厚さは、たとえば1.2μm程度である。Al層31とガラス層2との間には、部分的にAgPt層32が介在している。
【0205】
図51〜
図54に示すように、金属膜3は、共通帯状部33、複数のアイランド群35、連絡帯状部36、および複数の接続端子部37を有している。
図51に示すように、共通帯状部33は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。共通帯状部33の幅は、たとえば1mm程度である。共通帯状部33は、y方向において、基板1の一端寄りに位置している。
図54、
図56、および
図57から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0206】
図51に示すように、複数のアイランド群35は、x方向に並べて配置されており、本実施形態においては、2つのアイランド群35が設けられている。各アイランド群35は、複数のアイランド部34によって構成されている。複数のアイランド部34は、共通帯状部33と平行に、x方向に配列されている。本実施形態においては、各アイランド群35が、12個のアイランド部34を含んでいる。
図53、
図54、
図56、および
図57から理解されるように、本実施形態においては、アイランド部34は、Al層31のみの単層構造とされている。
【0207】
図52および
図53に示すように、アイランド部34は、本体部341と延出部342を有している。本体部341は、x方向を長手方向とし、一部が欠落した矩形状とされている。本実施形態においては、本体部341は、x方向寸法が9.0mm程度、y方向寸法が2.5mm程度である。本体部341には、LEDチップ4が実装されている。延出部342は、本体部341からx方向に長く延びる部分であり、本実施形態においては、幅が0.5mm程度、長さが3.0mm程度とされている。
図52に示すように、あるアイランド部34の延出部342は、x方向右方に隣接するアイランド部34の本体部341の欠落部分にはまり込むように配置されている。
【0208】
連絡帯状部36は、x方向に長く延びる帯状であり、基板1のほぼ全長にわたって形成されている。連絡帯状部36の幅は、たとえば1mm程度である。連絡帯状部36は、y方向において、アイランド群35を挟んで共通帯状部33とは反対側の基板1の一端寄りに位置している。
図54、
図56、および
図57から理解されるように、本実施形態においては、共通帯状部33は、Al層31とAgPt層32とが積層された構造となっている。
【0209】
図51に示すように、複数の接続端子部37は、基板1のx方向一端寄りに形成されており、たとえば液晶表示装置B3の電源もしくは制御部(いずれも図示略)と接続するために用いられる。
図56および
図57から理解されるように、接続端子部37は、AgPt層32によって構成されている。
【0210】
図51においてx方向右方に位置する接続端子部37は、共通帯状部33につながっており、x方向左方に位置する接続端子部37は、連絡帯状部36につながっている。x方向中央に位置する接続端子部37は、複数のアイランド部34のうちx方向において最も左に位置するもの(接続端子部37に最も近いもの)につながっている。また、各アイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向右端に位置するもの(接続端子部37から最も遠いもの)は、共通帯状部33につながっている。また、x方向右方(接続端子部37に対して遠い方)に位置するアイランド群35に含まれる複数のアイランド部34のうちx方向左端に位置するもの(接続端子部37から最も近いもの)は、連絡帯状部36につながっている。
【0211】
LEDチップ4は、Siからなるサブマウント基板44とたとえばGaNからなるn型半導体層、活性層およびp型半導体層が積層された半導体層43とを有する構造とされており、たとえば青色光を発する。半導体層43には、サブマウント基板44側に形成された電極パッド(図示略)が形成されている。これらの電極パッドが、サブマウント基板44に形成された配線パターン(図示略)に接合されている。サブマウント基板44には、ツェナーダイオードが作りこまれている。このツェナーダイオードは、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを回避するためのものである。
【0212】
図52に示すように、LEDチップ4は、アイランド部34に実装されている。LEDチップ4には、2つの電極が形成されており、一方の電極は、ワイヤ42によって実装されたアイランド部34の本体部341に接続されている。他方の電極は、ワイヤ42によって隣接するアイランド部34の延出部342に接続されている。本実施形態のLEDチップ4は、x方向寸法が1.9mm程度、y方向寸法が1.3mm程度とされている。サブマウント基板44をアイランド部34に接合することにより、LEDチップ4から金属膜3への放熱を高める効果が期待できる。LEDチップ4とアイランド部34との接合は、たとえばAgペースト、エポキシ樹脂、あるいは高熱伝導率を有する材料からなるフィラーが混入されたエポキシ樹脂を用いれば、放熱効果の促進に好ましい。
【0213】
上述した金属膜3の構成と、LEDチップ4の実装形態により、本実施形態においては、LED光源装置A9には、互いに直列に接続された12個のLEDチップ4からなるLEDチップ4のグループが2つ含まれており、これらのLEDチップ4のグループどうしが互いに並列に接続された回路を構成している。
【0214】
リフレクタ51は、LEDチップ4からの光をより多くz方向へと進行させるためのものであり、たとえば液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートなどの白色樹脂からなる。リフレクタ51は、x方向に長く延びた形状であり、複数の開口52および複数の凹部53が形成されている。各開口52は、z方向視において矩形状とされている。
図53および
図54に示すように開口52の内面は、各LEDチップ4を囲んでおり、主面11の法線方向zにおいて基板1から遠ざかるほどLEDチップ4から遠くなるように傾斜している。各凹部53は、
図51〜
図53に示すように、隣り合う開口52の間に位置している。各凹部53は、リフレクタ51の上面から凹む断面矩形状の溝である。リフレクタ51のうち凹部53が形成された部位は、yz平面における断面積が部分的に縮小しており、本発明で言う小断面部に相当する。本実施形態においては、リフレクタ51のy方向寸法が2.0〜4.0mm程度とされている。
【0215】
LED光源装置A9の製造工程においては、
図58に示すように、リフレクタ51は、LEDチップ4の実装が完了した基板1に対して貼りつけられる。本実施形態においては、リフレクタ51は、y方向寸法が3.0mm程度、z方向高さが1mm程度とされている。また、開口52のサイズは、x方向寸法が3.9mm程度、y方向寸法が1.9mm程度とされている。凹部53は、x方向寸法が0.5〜4.0mm程度、z方向深さが0.2〜0.8mm程度とされている。
【0216】
白色樹脂58は、本発明で言う不透明樹脂の一例に相当し、たとえば白色のエポキシ樹脂などLEDチップ4からの光に対して不透光であり、かつサブマウント基板44よりも反射率が高い材質からなる。
図52〜
図54に示すように、白色樹脂58は、リフレクタ51の開口52に囲まれた領域のうち、LEDチップ4を除く部分を覆っている。また、白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面をすべて覆っている。なお、本実施形態とは異なり、サブマウント基板44の側面の一部が白色樹脂58に覆われている構成であってもよい。白色樹脂58は半導体層43から離間している。すなわち、白色樹脂58は半導体層43をすべて露出させている。
【0217】
透光樹脂55は、
図53および
図54に示すように、開口52内に充填されており、LEDチップ4を覆っている。透光樹脂55は、透明部57と蛍光部56とを含む。透明部57は、白色樹脂58上に積層されており、本実施形態においては、半導体層43を覆っている。透明部57は、たとえば透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂からなる。蛍光部56は、透明部57上に積層されており、たとえば透明なエポキシ樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。なお、透明部57には、このような蛍光材料が混入されていない。蛍光部56に混入された蛍光材料は、たとえばLEDチップ4からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ4からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とが混色することにより、LED光源装置A9からは白色光が発せられる。なお、上記蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光材料と緑色光を発する蛍光材料とを合わせて用いてもよい。
【0218】
図59および
図60は、LED光源装置A9を用いた液晶表示装置の一例を示している。同図に示された液晶表示装置B3は、LED光源装置A9、導光板6、および液晶パネル7を備えている。
【0219】
導光板6は、LED光源装置A9とともにバックライトを構成するものであり、たとえば透明なポリカーボネイト樹脂やアクリル樹脂からなる。導光板6は、zx平面に広がる板状とされている。導光板6は、入射面61、反射面62、および出射面63を有している。入射面61は、z方向に対して直角な、平滑な面であり、LED光源装置A9と正対している。反射面62は、y方向に対して直角な面であり、複数の溝621が形成されている。出射面63は、y方向に対して直角な平滑な面であり、反射面62とは反対側に位置している。
【0220】
図60に示すように、LED光源装置A9から出射された光は、入射面61から入射したのちに、導光板6内を進行する。進行してきた光は、反射面62の溝621によって反射あるいは拡散されることにより、y方向に向けて進行する。反射面62から進行してきた光は、出射面63から出射する。これにより、LED光源装置A9が発光すると、導光板6の出射面63全面から白色光が発せられる。
【0221】
液晶パネル7は、導光板6から出射された光を選択的に透過させることにより液晶表示装置B3が表示するべき画像を形成するためのものである。液晶パネル7は、たとえば対向する2枚の透明基板とこれらの透明基板に挟まれた液晶層とからなり、たとえばアクティブマトリクス方式によって、画素ごとに透過状態を変更可能に構成されている。
【0222】
次に、LED光源装置A9および液晶表示装置B3の作用について説明する。
【0223】
本実施形態によれば、白色樹脂58は、LEDチップ4のサブマウント基板44の側面を覆っている。サブマウント基板44の材質であるSiは、比較的光を吸収しやすい。白色樹脂58は、サブマウント基板44の側面によって半導体層43からの光が吸収されることを防ぐ働きを果たす。これにより、LED光源装置A9の高輝度化を図ることができる。
【0224】
また、白色樹脂58は、開口52によって囲まれた領域のうちLEDチップ4を除く部分すべてを覆っている。このため、基板1などによって半導体層43からの光が吸収されてしまうことを回避することが可能である。これは、LED光源装置A9の高輝度化に有利である。
【0225】
LEDチップ4は、サブマウント基板44に作りこまれたツェナーダイオードを有している。このツェナーダイオードにより、半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止することができる。また、このツェナーダイオードを設けることによってLED光源装置A9の高輝度化が阻害されることはない。
【0226】
透光樹脂55に透明部57を設けることにより、透光樹脂55に含まれる蛍光材料の量を削減することができる。これは、LED光源装置A9の低コスト化に有利である。
【0227】
各LEDチップ4がリフレクタ51の開口52に囲まれていることにより、LEDチップ4から側方に進行した光は、開口52によって反射される。開口52の内面は、
図53および
図54に示すように、上方に向けて開くように傾斜している。このため、反射された光は、LED光源装置A9外へと出射されやすい。したがって、LED光源装置A9の高輝度化を更に促進することができる。
【0228】
更に、
図58に示すように、リフレクタ51を形成するときには、LEDチップ4の実装が完了している。このため、リフレクタ51は、たとえばLEDチップ4を実装する工程において用いられるリフロー炉において高温にさらされることがない。これにより、この白色樹脂としては、液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートを用いることができる。液晶ポリマまたはポリブチレンテレフタレートは、リフレクタ51の表面の反射率を高めるのに適している。これは、LED光源装置A9の高輝度化に有利である。
【0229】
図58に示すように、リフレクタ51は、基板1に取り付けられる前においては、それ単独で取り扱われることが多い。リフレクタ51の保持方法によっては、リフレクタ51に過大なモーメントが作用しうる。複数の凹部53が形成された複数の小断面部は、これら以外の部位よりも弾性変形しやすい。したがって、リフレクタ51にモーメントが作用したときには、上記複数の小断面部が積極的に変形することにより、リフレクタ51のいずれかの部分に亀裂が入ることなどを防止することができる。
【0230】
凹部53は、リフレクタ51のうち基板1とは反対側の面から凹むように形成されている。これにより、リフレクタ51のうち基板1と接合されている面積は、上記小断面部を設けることによっては縮小されていない。したがって、リフレクタ51の保護を図りつつ、リフレクタ51と基板1との接合力低下を回避することができる。
【0231】
LED光源装置A9の輝度向上を図ることにより、液晶表示装置B3は、より明るく、より鮮明な画像を表示することができる。
【0232】
図61〜
図83は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0233】
図61は、LED光源装置A9の凹部53についての変形例を示している。本変形例のLED光源装置A9は、凹部53の構成が上述したLED光源装置A9と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51のy方向を向く側面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。より具体的には、隣り合う開口52の間に1対の凹部53が配置されている。1対の凹部53は、リフレクタ51のy方向両側に形成されている。このような変形例によっても、LED光源装置A9の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0234】
図62は、LED光源装置A9の凹部53についての他の変形例を示している。本変形例のLED光源装置A9は、凹部53の構成が上述したLED光源装置A9と異なっている。本変形例においては、リフレクタ51の基板1に接合された面から凹むように、複数の凹部53が形成されている。各凹部53は、隣り合う開口52の間に配置されている。このような変形例によっても、LED光源装置A9の高輝度化を図りつつ、リフレクタ51に亀裂が生じることなどを防止することができる。
【0235】
図63および
図64は、LED光源装置A9の金属膜3についての変形例を示している。本変形例においては、金属膜3は、AgPt層32のみからなる。このような変形例によれば、LED光源装置A9を製造する際には、Al層31を形成する工程を省略可能である。これにより、LED光源装置A9のコスト低減を図ることができる。
【0236】
図65および
図66は、LED光源装置A9の他の変形例を示している。本変形例においては、ガラス層2を備えない点が上述したLED光源装置A9と異なっている。このような変形例によれば、ガラス層2を形成する工程を省略可能であるため、LED光源装置A9のコスト低減に有利である。また、LEDチップ4からの放熱促進を図ることができる。
【0237】
図67は、LED光源装置A9のLEDチップ4についての変形例を示している。本変形例のLEDチップ4は、ワイヤ42を用いることなく実装可能なタイプである。具体的には、サブマウント基板44に2つのスルーホール電極441が形成されている。これらのスルーホール電極441は、サブマウント基板44に形成された配線パターンを介して、半導体層43のn型半導体層およびp型半導体層にそれぞれ導通している。スルーホール電極441の下面には、実装用のバンプ442が形成されている。LEDチップ4は、このバンプ442によって、金属膜3に実装されている。
【0238】
図68は、LED光源装置A9の透光樹脂55についての変形例を示している。本変形例においては、透光樹脂55が蛍光部56のみによって構成されている。このような変形例によっても、LED光源装置A9の高輝度化を図ることができる。
【0239】
図69は、本発明の第9実施形態に基づくLED光源装置と、これの変形例とを組み合わせた構成を示している。同図に示されたLED光源装置A9’は、上述したLED光源装置A9と比較して、接続端子部37が省略されている点が異なっている。LED光源装置A9とLED光源装置A9’の共通帯状部33どうし、および連絡帯状部36どうしが、それぞれ配線38によって接続されている。このような構成により、より大きな画面サイズの液晶表示装置のバックライト用LED光源装置を実現することができる。
【0240】
図70〜
図73は、本発明の第10実施形態に基づくLED光源装置A10を示している。本実施形態のLED光源装置A10は、複数のリフレクタ51を備える点、およびLEDチップ4とは別体とされたツェナーダイオード41を備えている点が、上述した実施形態と異なっている。複数のリフレクタ51は互いに離間している。
【0241】
本実施形態においては、基板1に複数のリフレクタ51が取り付けられている。各リフレクタ51には、LEDチップ4を収容する開口52が形成されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4とともにアイランド部34の本体部341に実装されている。ツェナーダイオード41は、LEDチップ4の半導体層43に過大な逆電圧が印加されることを防止する。また、ツェナーダイオード41は、白色樹脂58によって覆われている。これにより、LEDチップ4からの光がツェナーダイオード41によって吸収されることを防止することができる。
【0242】
なお、ツェナーダイオード41がLEDチップ4とは別体ではなく、サブマウント基板44に形成され、且つ、互いに離間した複数のリフレクタ51を備える構成を採用してもよい。
【0243】
図74は、本発明の第11実施形態に基づくLED光源装置を示している。本実施形態のLED光源装置A11は、1つの基板1に2つのリフレクタ51が取り付けられている点が、上述したLED光源装置A9と異なっている。本実施形態においては、リフレクタ51は、x方向長さが基板1の半分弱程度とされている。2つのリフレクタ51は、x方向に直列に配置されており、LED光源装置A9と同様に、それぞれに形成された開口52がLEDチップ4を格別に囲んでいる。
【0244】
このような実施形態によっても、LED光源装置A11の高輝度化を図ることができる。また、基板1に対してx方向が短いリフレクタ51を用意することにより、基板1の長さに応じて、1枚の基板1に取り付けるリフレクタ51の個数を調整することができる。これにより、異なる長さの複数種類の基板1に対してリフレクタ51を共通部品化することが可能であり、様々な長さのLED光源装置A11を効率よく製造することができる。
【0245】
図75は、LEDチップ4についての変形例を示している。本変形例にかかるLED光源装置A12のLEDチップ4は、サブマウント基板44にワイヤ42がボンディングされているのではなく、半導体層43に積層された電極481にワイヤ42がボンディングされている点において、
図53等に示したLEDチップ4と異なる。
【0246】
具体的には、LEDチップ4は、サブマウント基板44と、半導体層43と、2つの電極481と、を有する。サブマウント基板44および半導体層43は、上述の構成と同様であるから、説明を省略する。各電極481は半導体層43に積層されている。各電極481は、主面11の法線方向zを向いている。
【0247】
透明部57は、ワイヤ42の一部と、電極481とを直接覆っている。蛍光部56はワイヤ42の一部を直接覆っている。
図76に示すように、蛍光部56は、ワイヤ42を直接覆っていなくてもよい。
【0248】
図75、
図76に示す構成によっても、LED光源装置A9,A10に関して述べた利点と同様の利点を得ることができる。なお、本変形例にかかるLEDチップ4の構成を、上述のLED光源装置A9,A10のいずれにおいても、採用することができる。
【0249】
図77、
図78は、リフレクタ51についての変形例を示している。本変形例にかかるLED光源装置A13のリフレクタ51は、突出部512を含む点において、
図53等に示したリフレクタ51と異なる。なお、本変形例においては、LED光源装置A13が、LED光源装置A10に関して説明したように複数のリフレクタ51を備えているとして、説明する。また、LED光源装置A13は接着層8を備える。LED光源装置A9,A10等も接着層を備えていてもよいが、理解の便宜上、記載を省略していた。接着層8は、リフレクタ51と基板1との間に介在している。
【0250】
接着層8は、リフレクタ51を基板1に対し接合している。接着層8は、たとえば、エポキシ系の接着剤である。具体的には、本実施形態において、接着層8は、ガラス層2および金属膜3に接している。
【0251】
各リフレクタ51は、底面511と、突出部512と、を更に有する。本変形例において各リフレクタ51の構成はいずれも同一であるから、一つのリフレクタ51について説明する。底面511は、基板1の位置する側(すなわち、
図77、
図78の下方)を向く。突出部512は、底面511から基板1に向かって突出する。突出部512は、主面11の法線方向z視において、接着層8と白色樹脂58との間に位置する。
図79は、
図77、
図78のXXX−XXX線に沿うリフレクタ51の底面図である。
図79では、LEDチップ4が配置されるべき位置を点線で示している。また、白色樹脂58が配置されるべき領域を、ハッチングにより示している。
図79に示すように、本実施形態では、突出部512は、法線方向z視(xy平面視、以下同様)において、白色樹脂58を囲む形状である。突出部512と基板1との間に、接着層8が介在していてもよい。
【0252】
本変形例のLED光源装置A13を製造する際、接着層8になる液状の接着剤を底面511に塗布した状態で、リフレクタ51を基板1に対し貼り合わせる。このとき、底面511に塗布された接着剤は、突出部512によってせき止められるため、突出部512よりも白色樹脂58の配置される側に侵入しにくい。よって、接着層8が、リフレクタ51から、白色樹脂58の配置される側にはみ出ることを防止できる。そのため、接着層8になる液状の接着剤をより多く底面511に塗布することができる。これにより、接着層8によって、リフレクタ51を基板1に対し、より強固に接合することができる。
【0253】
また、本変形例においては、突出部512は、法線方向z視において、白色樹脂58を囲む形状である。このような構成は、接着層8が、リフレクタ51から白色樹脂58の配置される側にはみ出ることを防止するのにより好適である。
【0254】
図80、
図81は、リフレクタ51についての他の変形例を示している。
図82は、リフレクタ51のみを示す平面図である。
図82では、LEDチップ4が配置されるべき位置を点線で示している。本変形例にかかるLED光源装置A14のリフレクタ51は、表面591,592,593,594を有する点において、LED光源装置A13と主に相違する。また、本変形例において透光樹脂55は、法線方向zに向かって膨らむ形状である。
【0255】
表面591は、主面11の法線方向zを向く。
図82に示すように、表面591は、法線方向z視において、複数のLEDチップ4のいずれか一つを囲んでいる。表面591は平坦である。表面591は透光樹脂55に覆われている。表面592は、表面591につながり且つ表面591に対し傾く。本変形例においては、表面592と表面591との境界は尖っている。表面592は、表面591に方向z視において囲まれた領域とは反対側を向く。すなわち、
図80において、表面592は、右側もしくは左側を向く。表面592は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。表面593は、表面591につながり且つ表面591に対し傾く。本変形例においては、表面593と表面591との境界は尖っている。表面593は、表面591に方向z視において囲まれた領域とは反対側を向く。すなわち、
図81において、表面593は、右側もしくは左側を向く。
図82に示すように、表面593は表面592とつながっている。表面593は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。表面594は主面11の法線方向zを向く。表面594からは、表面592が表面591に向かって起立している。表面594は、透光樹脂55に覆われておらず、透光樹脂55から露出している。なお、本実施形態と異なり、リフレクタ51が表面594に相当する面を有さなくても良い。すなわち、リフレクタ51が筒状であってもよい。また、リフレクタ51が突出部512を有さなくてもよい。
【0256】
図83に示すように、本変形例にかかるLED光源装置A14は液晶パネル7とともに用いられることにより液晶表示装置B4を構成する。しかしLED光源装置A14は、上述のLED光源A9,A10,A12,A13とは異なり、導光板6とともに用いられない。複数のLED光源装置A14が、液晶パネル7に対向する位置に配置され、面状の光源として機能する。
【0257】
本変形例によると、透光樹脂55になる液状の樹脂材を開口52に充填する場合、当該樹脂材は、表面591も覆うことがある。上記樹脂材を開口52に充填する際、表面592は、表面591よりも重力方向において下側に位置する。そのため、上記樹脂材が表面591を覆っても、樹脂材の表面張力の影響により、樹脂材が表面592に流れにくい。これにより、樹脂材を表面591上にて留まらせることができる。よって、樹脂材が硬化したものである透光樹脂55を、法線方向z視において、表面591ないし表面591に囲まれた領域内に形成することができる。したがって、透光樹脂55の形状が大きく崩れることを防止でき、所望の形状の透光樹脂55を形成することができる。
【0258】
なお、LED光源装置A14は導光板6とともに用いないのが好ましいが、LED光源装置A9と同様に、導光板6とともに用いられてもよい。
【0259】
本発明にかかる液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明にかかる液晶表示装置バックライト用LED光源装置および液晶表示装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。