(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御システムは、前記第1と第2の構成要素の比率を変化させた処方計画に沿って、複数の成分を供給するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の手持ち式流体供給システム。
前記制御システムに接続されて、前記第1と第2ポンプ・アセンブリの少なくとも一方を計量する光センサとLEDを有するトランスデューサをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の手持ち式流体供給システム。
前記制御システムに接続されて、前記第1と第2ポンプ・アセンブリの少なくとも一方を計量する光センサとLEDを有するトランスデューサをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の手持ち式流体供給システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態による流体成分ディスペンサ20を
図1Aに示す。
図1Aに示した実施形態は、化粧用やスキンケア用流体成分にとって理想的な手持ち式ディスペンサとして使用するように形成される。ディスペンサ20は、局部又は全身用途のための医療用、化粧用又は栄養性流体であって、処置計画過程で変化する成分を持った流体を生成する上で使用される場合もある。さらに、ディスペンサ20は、公知のアレルギや以前発生したことにある肌反応など、ユーザーから提供された入力に基づく所望の処方の個人向けの流体成分を生成するのに使用されるかもしれない。しかしながら本発明は、小型化した流体調合や供給が望まれるような、その他の用途での使用に良く適している。例えば、流体ディスペンサ20は又、消耗飲料やフード・サプリメントを作るにあたって水にビタミン剤やサプリメントや香料を加える際に使用可能である。
【0016】
一般に、
図1Aの流体ディスペンサは、複数の流体溜32a−d、複数のポンプ24a−d、単一のモータ26と、マニホールド28及び制御システム30を備える。図示されたディスペンサ20は、カスタム流体成分を提供するために様々な割合で混ぜ合わすことができる、一定量の最大4種の異なる構成流体を格納するべく意図された4つの流体溜め32a−dを備えている。これらの流体溜め32a−dはそれぞれ異なる構成流体を含むことができるが、用途によっては2つ以上の流体溜め32a−dが同じ流体を含むことが好ましい場合もある。
【0017】
流体溜め32a−dは、構成流体を保持可能ならば如何なる所望形状であってもよい。 流体溜め32a−dは、液体溜めからの流体の供給をアシストするため、例えばバネ(図示せず)や従来からの積極的な付勢機構により正圧のもとで流体を含むこともあり得る。オプションとしては、流体溜め32a−dは、流体が排出された際には潰れるようなフレキシブルなハウジングであってもよい。
図2に示した現行の実施形態では、流体溜め32a−dは通常、堅固なハウジング34と出口36を備える。流体溜め32bは、ネック48の周りに形成されると共に、流体をポンプ・ハウジング52bに導くべくマニホールド28の一部と適合するように形成された第1の外ネジ山50を備える。マニホールド28は流体溜めのネック48を受けるためのボス54a−d
(図2においてボス54bのみを示す)を備え、各ボス54a−d
(図2においてボス54bのみを示す)はその上に前記第1の外ネジ山50と係合するように形成された第2の外ネジ山(図示せず)を備えている。或いはまた、マニホールド28は、例えばバヨネット嵌合や摩擦適合など、流体溜め32a−dをマニホールド28に固定できる、本質的には如何なる機構を備えてもよい。
【0018】
図3に示すように、マニホールド28はさらに流体溜め32a−dとその上に載るポンプ・ハウジング52a−dとの連通を可能にする孔60a−dを備えている。孔60a−dは、ボス直径よりも小さい孔径を定めることができる。オプションとして、孔60a−dとボス54a−d
(図2においてボス54bのみを示す)は共通の中心軸をもつ。図示した実施形態では、マニホールド28はマニホールド28の中央垂直軸64から等距離の4個の同じ孔60a−dを備えている。図示されないが、マニホールド28は、対応する数の流体溜め32とポンプ・ハウジング52との流体連通のための様々な方向の孔60a−dをいくつでも備えることができる。さらに、
図2に示されるように流体溜め32がマニホールド28に接合された際には、孔60a−dに接合された浸漬チューブ66が流体溜め32の中に延びるようになっている。流体溜め32内の流体は、浸漬チューブ66に進入可能となり、同チューブは孔60a−dを通ってポンプ・ハウジング52内へと垂直に流体を案内する。再循環した流体はまた、ポンプ・ハウジング52から浸漬チューブ66に進入し、流体溜め32に向かって移動可能となっている。
【0019】
マニホールド28は、例えばアルミニウム、真鍮、硬質ポリマー又は他の類似材料など、剛性があり寸法上安定した材料からを製造することができる。マニホールドの寸法上の安定性は、各ボス54a−d
(図2においてボス54bのみを示す)と孔60a−dを所定サイズにしたままで、流体溜め32とその上のポンプ・ハウジング52との間の流体の容易な移送を確実にできる。さらに、マニホールド28の上方部分68には、弾性O−リング(図示せず)の設置を可能にするべく、孔60a−dの周りに環状の凹部70を備えることができる。O−リングは、凹部70から上方に突出するべく、環状凹部70の深さより大きい軸方向寸法を持つことができる。したがって、O−リングは、上に載るポンプ・ハウジング52の突合せ部分によって係合された状態で凹部70内に圧縮され、マニホールド28とポンプ・ハウジング52の間にシールを提供することになる。
【0020】
図4に示すように、流体ディスペンサ20はさらに、マニホールド28の一部分内に固定されたモータ26を備える。単一のモータ26は、流体溜め32a−dの数に対応し、4つのポンプ・ハウジング52a−dの中に固定された4台のポンプ24a−dを駆動するために設けられる。図示した実施形態ではモータ26はDCモータとなっているが、ステッッピング・モータを使用してもよい。モータ26は変速機
(図示せず)により全てのポンプ24a−dと接続される。図示した実施形態を駆動する際には、
図5に示すように、モータ26は、2個の駆動ギヤ80a−dにより2本の駆動軸78a−dに結合されたウォーム・ギア76を備えている。この実施形態では、変速機
(図示せず)は、モータ26が作動する際に4台全てのポンプ24a−dが直接駆動されるような直接固定型変速機である。その結果、モータ26が作動すると、4台全てのポンプ24a−dが流体を移動させることになる。
【0021】
ウォーム・ギア76はマニホールド28の中央垂直軸64と同軸状の回転軸を備える。駆動軸78bは、駆動ギヤ80bを回転可能に支持し、横方向に対向するポンプ・ハウジング52b−cの間のマニホールド28の中央垂直軸62に垂直な軸に沿って延びる。駆動軸78bは、それぞれ横方向に対向するポンプ・ハウジング52b−c内で、軸の一部分に沿ってジャーナル軸受化される。駆動ギヤ80bは、駆動軸78bと一体化するか、或いは駆動軸に固定することができ、例えばキーとそれに関連するキー溝により相対的なラジアル移動が回避され、又、対向するピンやブッシュ(図示せず)により相対的な軸方向移動ができないようになっている。作動時においては、モータ26は第1の方向に回転されて、半径方向に応答するウォーム・ギア76と駆動ギヤ80bを介して、駆動軸78bを、それに対応する第1の方向へと回転させている。モータ26は又、第2の方向にも回転でき、半径方向に応答するウォーム・ギア76と駆動ギヤ80bを介して、駆動軸78bを、それに対応する第2の方向へと回転させている。さらに、ここでは単一のモータ26が複数台のポンプ24a−dを作動するものとして示されているが、ディスペンサに2個以上のモータ26を備えさせて、複数台のポンプ24を作動してもよい。
【0022】
図6に示すように、各ポンプ24は駆動軸78によって駆動され互いに噛合するギヤ86、88を備えることができ、流体をポンプ・ハウジング52内へと引き入れるようになっている。歯付き従動ギヤ88と作動係合する歯付き駆動ギヤ86は、歯付き駆動ギヤ86が駆動軸78の回転軸と同軸状の回転軸を備えるように、駆動軸78の一部の周りにしっかりと据え付けられる。駆動軸78にはキーが付けられ、歯付き駆動ギヤ86と駆動軸78の間の相対的ラジアル移動が回避される。オプションとしては、歯付き駆動ギヤ86と駆動軸78の間の相対的なラジアル移動を回避するため、駆動軸78にスプライン加工された端部や他の結合機構を設けてもよい。ポンプ・ハウジング52は又、アイドラー軸106を受容するためのボス104を備える。従動ギヤ88のラジアル移動を可能にするために、歯付き従動ギヤ88はアイドラー軸106の一部の周りに固定される。さらに、ポンプ・ハウジング52には、マニホールドの孔60と一直線状に並ぶ貫通孔110が形成され、ポンプ・ハウジング52が、作動可能な構成にあるマニホールド28に固定された際には、ポンプチャンバ94と浸漬チューブ66との間で流体が連通できるようになっている。また、
図6に示されるように、ポンプチャンバ94は、歯付き駆動ギヤ86と歯付き従動ギヤ88を同時に収容するように形成され、いわゆる細長い楕円形の凹部を形成している。ポンプ・ハウジング52は機械加工で製造することも、或いは従来からある成型技術を用いて製造可能であり、またポンプ・ハウジング52はアルミニウム、真鍮、硬質ポリマー又は他の類似材料など、寸法的に安定した材料から製造するようにしてもよい。ポンプ・ハウジング52は、例えばバヨネット嵌合や摩擦適合など、流体溜めをマニホールド28に固定できる如何なる締着機構も備えることができる。
【0023】
複数のバルブ・アセンブリ112a−dは、ポンプチャンバ94a−dからの流体をヘッダ114又は再循環のためのポンプチャンバ94a−dのいずれか一方へと向けさせる。
図13に示されるように、ヘッダ114は、4台のバルブ・アセンブリ112a−dと出口ノズル116に連通するモノリス型マニホールドである。ここでは4台のバルブ・アセンブリ112a−dが示されているが、当業者であるならば、定められた用途においては所望された流体溜め22の数に応じてバルブ・アセンブリ112の数が異なってくることが明らかであろう。
【0024】
図7にさらに具体的に示すように、各バルブ・アセンブリ112a−dは、ポンプチャンバ94を形成するポンプ・ハウジング52の面と係合するように構成された第1の面122を持つバルブ・ハウジング120を備えている。バルブ・ハウジングの第1の面122は、入口路128に連結された入口ポート
(図示せず)と、ポンプチャンバ94と隣接しているバルブチャンバ134との間で流体連通を成すために再循環路130に接続された再循環ポート129とを備えることができる。バルブ・ハウジングの第1の面122はさらに、アイドラー軸106を回転可能に支持するための凹部110と、ポンプホース52から円筒スリーブ124を受容するための1つ以上の位置合わせ穴126とを備えることができる。
【0025】
図8乃至
図10に示されるように、各バルブ・チャンバ134は、略円形の基部
(図示せず)と、基部
(図示せず)から離れて延び、環状リム140で終端する第1の環状壁138とを備えることができる。環状リム140は、リム140からバルブ・ハウジングの第2の面146に向かって延びる第2の環状壁144を備えて外側に延びる棚部142を備えることができる。バルブ入口路128とバルブ再循環路130を、バルブ・ハウジングの第1の面122とバルブチャンバ基部
(図示せず)との間に配置することができる。
図9に示すように、バルブ入口路128は、バルブ再循環路130から遠いバルブチャンバ基部
(図示せず)の外側部分に配置することができる。バルブ・ハウジング120はさらに、バルブチャンバ134とヘッダ114との流体連通のために出口ポート131に接続された出口路132を備えることができる。出口路134はバルブチャンバ基部
(図示せず)の第3の外側部分に配置することができ、ここに入口路128と再循環路130と出口路132が、実質的に等しい直径の円形断面によって形成されることになる。
【0026】
図示した実施形態では、各バルブ・アセンブリ112a−dは、回転弁シリンダ148を備えるソレノイドバルブ、バルブキャップ150、O−リング152、磁石154(オプションとしては、2極性永久磁石)、コイル156、157及びボビン158、159を備える。バルブ・ハウジング120は、弁シリンダ148を受容しかつ両者間で相対的なラジアル移動が可能となるように形成される。弁シリンダの第1の面160は、磁石154を固定した状態で受容するように構成され、
図8に示すように
、磁石154に相補する形状及びサイズの凹部162を形成する。弁シリンダ148は、第1の面160の反対側に第2の面164を備え、入口路128から流体を受けて出口路132と再循環路130の内の少なくとも一方へと流体を向けるようになっている。
【0027】
図10に示すように、バルブ・アセンブリ112はバルブキャップ150と一体を成し、これより延びる隆起ストッパ166を備えている。弁シリンダ148は、弁シリンダの第1の面160上に、磁石の凹部162から弁シリンダ外周面170に対し半径方向外方に延びる窪み168を備える。作動の際には、ストッパ166は、弁シリンダの窪み168間に相互適合し、バルブハウジング120内での回転弁シリンダ148のラジアル移動を180度以下に制限する。また図示するように、弾性O−リング152は環状凹部142の深さよりも大きな軸方向寸法を有し、凹部142から外側に突き出すようになっている。従って、O−リング152は、バルブキャップ150の突き当て部分によって係合された状態で凹部142内に圧縮されることになり、バルブハウジング120とバルブキャップ150との間にシールを提供する。
【0028】
図8乃至
図10に示すように、各バルブ・アセンブリ112はさらに、第1及び第2ボビン158、159の鉄心にそれぞれ巻き付けられた第1及び第2の導電性コイル156、157を備える。示されるように、第1及び第2ボビン158、159はバルブハウジング120の対向部分に隣接して着座し、共通の長手軸を定める。1つの操作方法として、第1コイル156に通電することで弁シリンダ148をバルブチャンバ134の中で第1の位置へと回転させる引力を生みだすことができる。あるいは又、第1導電性コイル156への通電を停止して第2導電性コイル157に通電することで反対の極性の引力を生じさせ、弁シリンダ148をバルブチャンバ134の中で第2の位置へと回転させることができる。
図10の分解図に示すように、第1の位置においてソレノイドバルブ・アセンブリ112は流体の再循環を可能にする。第2の位置(図示せず)では、ソレノイドバルブ・アセンブリ112はポンプチャンバ94とヘッダ114の間における流体の双方向移動を可能にする。
【0029】
別の作動モードとしては、第1の共通極性を持った第1及び第2コイル156、157の通電により、弁シリンダ148を第1の位置に回転させる引力を生みだすことができる。第2極性を持った第1及び第2コイル156、157の通電は、弁シリンダ148を第2の位置に回転させる引力を生みだすことができる。さらに、バルブ・アセンブリ112は、ディスペンサ20が使用中でない時、弁シリンダ148を第1の位置に付勢する付勢機構(図示せず)を備えることができ、ヘッダ114への好ましからざる流体排出を防いでいる。
【0030】
別の実施形態としては、ディスペンサ20は仕切り弁174を含むバルブ・アセンブリ112を備えてもよい。
図11A−Cに示すように、対向する電磁コイル156、157は、バルブシート180内で矩形の磁気ゲート板178を作動させるための共通長手軸176を定める。閉じ位置では、ゲート板178は出口路132を覆う。ゲート板178は、長手軸を横断してバルブシート180に平行な方向に磁気偏極されるかもしれない。作動時においては、1つ以上の電磁コイル156、157がディスペンサ電源182によって通電されることで、ゲート板174を開放位置にスライド付勢する磁場を生みだす。開放位置では、入口路128が出口路132と開口連通する。 閉じ位置に戻るためには、反対の極性の磁場を生みだすため電磁コイル156、157は逆方向の電流によって通電されることにより、ゲート板178を閉じ位置に付勢し、ポンプ・ハウジング52を通して流体溜め31に流体を再循環させる。別の方法としては、仕切り弁174がバネ又はその他の付勢機構(図示せず)によって閉じ位置に付勢される。開放位置からは、付勢機構が、電磁コイル156、157への通電停止に伴ってゲート板178を閉じ位置に戻す場合もある。
【0031】
さらに別の実施形態において、ディスペンサ20はフリッパ弁184を含むバルブ・アセンブリ112を備えてもよい。
図12A−Dに示すように、対向する電磁コイル156、157は共通の長手軸176を定め、バルブチャンバ134内で矩形の磁気フリップ板186を作動させる。閉じ位置では、フリップ板186は機械的又は電磁気的にバルブ・チャンバ134の第1の部分188に向けて付勢されることで、出口132を入口路128からシールする。作動中は、1個以上の電磁コイル156、157がディスペンサ電源182によって通電され、バルブ・チャンバ134の第2の部分190に向かってフリップ板186を旋回させるかはじき出すための磁場を生成する。この開放位置では
図12A−Dに示すように、再循環路130は入口路128からシールされ、入口路128は出口路132との流体連通状態になる。閉じ位置に戻るために、電磁コイル156、157は反対の極性の磁場を生成するべく反対方向の電流で通電され、それによってフリッパ弁184を閉じ位置に付勢し、ポンプ・ハウジング52を通して流体溜め31に流体を再循環させる。別な方法としては、磁場を用いず、フリップ板186をバネや他の付勢機構(図示せず)によって閉じ位置に付勢する。電磁コイル156、157への通電を停止した際、付勢機構がフリップ板186を開放位置からバルブチャンバ134の第1の位置188に戻すこともある。
【0032】
さらに
図13に示すように、ディスペンサ20は外部に、基部194に係合するように構成されてエンクロージャを成すキャップ192を備えてもよい。図示されたキャップ192は、ノズルポート196と、基部194にキャップ192を固定するための可撓性の戻りコネクタ198とを備えている。ヘッダ114は中間カバー200に結合されて、ポンプハウジング52a−dやバルブ・アセンブリ112a−dやマニホールド28を覆いかくす。キャップ192が基部194に結合された際に、ヘッダ・ノズル116はノズルポート196を通って延び、ユーザーが望むような使い勝手の良い流体散布を可能にする。オプションとしては、ディスペンサ20は所定の散布に対し所望の粘調度を成すような発泡又は噴霧手段(図示せず)を備えてもよい。
【0033】
図1Bに示すように、ディスペンサ制御システム30は、オプションとして充電式バッテリを含む電源182を備えている。電源182は、例えば接触ベース内での充電のため従来からあるリード線のような再充電手段に接続される。図示した実施形態では、ディスペンサ20は、ディスペンサ電源182を再充電するために誘電性電源と誘導的に結合されるように構成される。
図1Bは
図1Aのディスペンサの断面図である。誘導充電する二次コイル204は誘導的な一次側(図示せず)に誘導結合するために基部194の内部206を取り囲む。関連する誘導的一次側は基本的には如何なる誘電性電源回路と結合してもよいが、図示実施形態では、ミシガンにあるアダ・フルトン・イノベーションから入手可能なエカップルド(登録商標)誘導性電源回路を含んでいる。さらに、ディスペンサ電源182は、例えば状態、成分処方、その他の情報を伝達するべく、他の装置との間でデータ通信ができるものでもよい。その通信は、例えば異なる二位相コードを伴った後方散乱変調を使用することで一次と二次のコイルに亘って運ばれるようにしてもよい。あるいは又、システムは、例えばブルートゥース(登録商標)、RFID、WiFi、赤外線(IR)、ニア・フィールド・コミュニケーション、その他の無線通信リンクといったような通信用分離型通信リンクを備えてもよい。
【0034】
電源182、バルブ・アセンブリ112、モータ26及び選択可能なユーザー・インタフェース(図示せず)は、ディスペンサ制御システム30と電子的に結合され、オプショナルとしてはマイクロプロセッサ制御手段(図示せず)とメモリ(図示せず)に結合される。作動時は、制御システム30は、ユーザーからの供給データや予めセットされた処方に従って、供給される流体の量と成分を調整する。例となる化粧品処方はEngelらの米国特許第6,986,442号や同じEngelらの同6,715,642号に開示されており、それらはここではその全体を参照することにより本願に含まれる。制御システム30からの命令に基づき、モータ26は所定の方向、出力設定や速度で作動し、ディスペンサ電源182からの動力を引き出す。さらに先に詳細に説明したように、モータ26は単一の変速機(図示せず)を介して各ポンプ24a−dに推進力を与える。図示した実施形態では、4つのポンプハウジング5
2a−dは夫々、同一のギヤポンプ86a−d、88a−dを備えている。しかしながら、ディスペンサ20は、所望されたような異なる流量を達成するために異なるギヤ比を持ったギヤポンプを備えてもよい。制御システム30はさらに、対応するバルブ・アセンブリ112a−dを介した4流体の流量を制御する。希望の成分を成すために、制御システム(図示せず)は再循環路130と出口路132の間にある各バルブ170a−dを作動させる。ポンプチャンバ94からの正圧は、制御システム30によって計量された状態でバルブ・アセンブリ112a−dを介して流体を移動させる。供給された成分においてある流体が望まれる場合、出口路132はその流体をヘッダ114に送り、その特定の流体が所望されない時には、再循環チャンネル130が流体を流体溜め32に戻すことで、要求された比率の構成流体を持つ供給成分を作り上げることができる。所望された量の分解成分が達成された際には、制御システム30が各バルブ170a−dを閉じ、又は再循環位置へと戻し、モータ26の運転を停止させる。
【0035】
例えば、所望の成分に粘着性の構成流体がある時などは、1つ以上のバルブ170a−dの作動を補助するため制御システム30は、供給ルーチンの間、モータ26の操作を中断して、1つ以上のバルブ170a−dに対する圧力を軽減するためにモータ方向及び/又は速度を操作することができる。例えば、制御システム30はモータ速度を減少させたり、モータを停止させたり、モータ26の方向を反転させたり、或いはこれらの動作を如何様にも組み合わせたりすることができる。1つ以上のバルブ170a−dの作動の後に、制御システム30は、モータ26の運転を所望の速度と方向に再開することができ、オプション的には中断前の値に戻すことも可能である。さらに、1つ以上のバルブ170a−dの作動を補助するため、制御システム30は、最初に正規の流体の流れに対応する方向とは反対にモータ26を逆転方向に動かすことにより、休止の状態から供給ルーチンを開始することができる。所定の時間が経過した後は、制御システム30はモータ26を順方向に動かして、上述したような供給工程を始めることができる。
【0036】
供給ルーチンが完了した際には、ヘッダ114や1つ以上のバルブ・アセンブリ112a−dの中に構成流体が残留する可能性がある。仮に、ヘッダ114や1つ以上のバルブ・アセンブリ112a−dに残留するようなことがある場合、構成流体は、凝固したり、酸化したり、汚染されたり、他の構成流体と混ざったり、さもなければ構成流体として望ましからざるものとなる。 少なくともこれらの理由により、供給ルーチンの終了した時点で、制御システム30は、モータ26を反対の方向に動かしてポンプ・アセンブリ24a−dから流体を抜き、最終的に流体溜め32a−dへと汲み出すことができる。またディスペンサ20は、1つ以上の構成流体からなる成分の逆流を防ぐために1個以上の逆止弁(図示せず)を備えるようにしてもよい。出口ノズル116に向かう方向に流体を通させることを目的として、1個以上の逆止弁は出口路132、ヘッダ114、カバー200或いはバルブ・アセンブリ112a−dの中に配置することができる。一実施形態としては、ディスペンサ20は、ヘッダ114内の分離した流路であってかつ2つ以上の流路の収束点よりも上流側に配置される4個の軟質ゴムのダックビル弁を備える。別の実施形態では、ディスペンサ20は4個の逆止弁を備え、それぞれが各バルブ・アセンブリ112a−dの中の出口路132で配置されたものとなる。さらに別の実施形態では、ディスペンサは、2つ以上の流路の収束点よりも下流側のヘッダ114の内部、オプションとしては、出口ノズル116に単一の逆止弁を備える。
【0037】
1つの実施形態では、計量は、バルブ・アセンブリ112の作動のための時間間隔を測定することによって達成される。より粘着性のある流体の場合、制御システム30は、所定のバルブ・アセンブリ112の作動のための時間間隔を増加でき、モータ速度を増加できる。粘性のより少ない流体の場合、制御システム30は、所定のバルブ・アセンブリ112の作動に要する時間間隔を減少することができ、モータ速度を減少できる。オプションとしては、バルブ・アセンブリ112は、流体を所望の成分へと著しく混合する使用中に、流体を循環することができる。例えば、溶質と溶剤のような2種類の流体を、著しく異なる比率で組み合わせることが望ましい場合もある。供給された流体がより均一な成分となるように、制御システム30は、第1のバルブ・アセンブリ112aに対しては、溶質を投与する均一な間隔Tiをもって「排水」と「循環」を繰り返させ、他方、第2のバルブ・アセンブリ112bに対しては、溶媒を投与する期間T
2において「排水」又は開放状態のままにすることが可能である(但しTi<T
2)。全排水期間にわたり、溶質(容量:小)が断続的ではるが一様に溶剤(容量:大)に添加されるように、時間Tiを選択してもよい。従って、溶剤に僅かな割合で溶質を含ませたとしても、構成流体を著しく混合させることで、供給された成分は比較的均一になる。一般に、仮に2種類の構成要素を凡そ2:1の割合で混ぜることが望ましいならば、制御システムは、目立つ方の構成要素を排出するのに必要な期間にわたってモータを駆動するかもしれない。この期間においては、目立つ側の構成要素にくまなく目立たない側の構成要素をより均等に配分するための均等な時間間隔を以て、目立たない側の構成要素のためのバルブをオンオフすることができる。目立たない側の構成要素の流量を制御するバルブのサイクルタイム(バルブOFF+ONの時間量)を選択することで、本質的には如何なる割合の構成成分をも混ぜることができる。この操作方法は、例えば最大容量の構成要素を除く、その他全ての構成要素のためのバルブを適当に循環させることで、複数の流体に対し要望通りに適応させることが可能である。
【0038】
別の実施形態では、計量はトランスデューサ214であって、例えばLED214と、駆動ギヤ80のラジアル移動を識別する光センサ216とにより達成される。
図2に示すようには、LED214と光センサ216は、駆動ギヤ80の動作中は、LED214から発せられた光が駆動ギヤの歯220間を通過して光センサ216に向かうように、LED214と光センサ216が方向付けられる。光センサ216によって受光された光の各パルスは、駆動ギヤ80のラジアル移動として制御システム30に伝達される。別実施形態としては、LED214からの光が通過するギヤの歯20で反射して光センサ216に当たるように、LED214と光センサ216を方向付けることも可能である。反射光の各パルスは、駆動ギヤ80のラジアル移動として制御システム30に伝達することができる。
【0039】
図示されたディスペンサ20は又、選択できるユーザー・インタフェース
(図示せず)を備え、オプションとしてはディスプレイ222とユーザー選択ボタン224を備えた基部194の一部を備える。ディスプレイ222は、バッテリーレベルや充電状態などの電力値を示してもよい。さらに、ディスプレイ222に、一連の選択可能な成分や成分歴や流体溜めのレベルを表示させるようにしてもよい。
【0040】
流体ディスペンサ20は、オプションとしては前述した特徴を含んで、如何なる数の処方に従って、様々な供給成分を生成するために構成されるかもしれない。一般に、流体ディスペンサ20は、与えられた範囲の構成流体のための1つ以上の前もってプログラムされた処方を含む制御システム30を備えてもよい。オプションとしては、流体ディスペンサ20の選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)により、ユーザーは、前もってプログラムされた利用可能な処方から選択すること可能となる。選択可能なユーザーインタフェース
(図示せず)は又、例えばユーザーの好みや公知のアレルギー状態を受け入れるといったように、ユーザーによる処方のカスタマイズや要望通りの処方作成を可能にする。さらに、制御システム30は、時間経過と共に構成流体の比率が変化するような複数の成分を含み、供給された成分の処方計画を作るように構成することができる。処方計画は、事前にプログラムされた一連の処方であってもよいし、オプションとしてはユーザーから供給された嗜好と他のデータに従って変動するものであってもよいし、或いは選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)や他の通信方法を介してユーザーや第三者から供給されるものでもよい。
【0041】
個人向けレチノール療法計画の作成に関し、1つの作動方法を
図14に示す。この実施形態では、ユーザーは、ディスペンサ側の選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)により、一連のユーザー入力プロンプト304、306、312を介してガイドされる。以下にさらに詳細に説明するように、ユーザー入力は処方計画が開始する前に請い求められたり、更に/或いは処置の間に入力を促すようにして、処方計画中に調合・供給される製剤に影響を与えるようにしてもよい。ディスペンサを作動させた上で(302)、ユーザーはレチノール療法の今回の使用がユーザー入力プロンプト304における最初の使用であるかどうかを選択することができる。この実施形態における質問は、処置計画においてこれが最初の処置であるかどうかの評価に向けられているが、他の用途としては、質問を、ユーザーが以前に処置計画を体験したか否かに向けたものでもよい。さらに他の用途では、この質問は完全に削除するようにしてもよい。
図14の実施形態に戻り、ユーザーは、選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)の上にあるユーザー選択ボタン224を使用することで「Yes」又は「No」を選択することができる。仮に、ユーザーが「今回がこの計画にとって最初のレチノール処置になる」ことを示す「Yes」を選択したならば、制御システム30は制御システムメモリ
(図示せず)に格納された参照テーブル310を参照し、レチノールの開始用量を含む処方を選択する(308)。参照テーブル310に含まれる情報は用途に応じて変わるかもしれない。例えば、参照テーブル310は処方や他のデータを備えることができ、他のデータの場合にはシステムに計算させたり、さもなければ処方計画において異なる処置のための処方をシステムに作成させることになる。別の例としては、参照テーブル310は、処方計画における各処置のための構成流体の夫々の比容積や比率を含む場合もある。仮に、ユーザーが代わりに、レチノール療法計画にいて以前の処置があったことを示す「No」を選択したならば、ユーザーは、療法計画に従いかつ必要に応じて変更された処置を提供する目的をもった、異なるユーザー入力プロンプト306、312を介してガイドされる。これらと他の入力プロンプトは、オーダーメイドの療法計画によって、例えば仮にユーザーが炎症を経験していたら処置の強さを低減させたり、或いは適切な場合には処置の強さを高めさせるのに使用されるかもしれない。他の用途としては、ユーザーは、例えばベースやフレグランス、或いは他の構成成分を変えることで、処置の他の面をカスタマイズできるかもしれない。用途によっては、ユーザーが処置に対し拒絶反応を持つことになるというリスクを減少させるスケジュールにのっとり有効成分を増量しなければならない場合もある。例えば、ある用途においては、増加した投与量を受ける前にユーザーの肌を調整させるべく、有効成分を指定日数にわたって投与することが必要であるかもしれない。この情報は参照テーブル310に格納することができる。この特定用途においては、システムはユーザーに対して、仮に皮膚炎が生じたら有効成分の量を減少できる能力を提供する。 ユーザー入力プロンプト306では、ユーザーは、その人自身が先の治療処方において炎症があったか否かが問われる。仮にユーザーが「No」を選択したならば、ディスペンサ制御システム30は、有効成分の投与量を増やすことが適切であるか否かを決定する(314)。この用途では、ディスペンサ20は、所定の療法計画に対し提示された回数の処置(例えば0.5%レチノールで7回の処置)が出されたか否かを決定する。この機能を容易にするためには、以下に詳しく説明するように、投与処置の履歴が保存されるかもしれない。その結果に従い、制御システム30は現在のレチノール投与量を維持したり(316)、或いは参照テーブル310を参照して適切なレチノール投与量の増量分を決定するかもしれない(318)。仮に、ユーザー入力プロンプト306において、ユーザーが先の治療時に炎症があったことを示唆したならば、プロンプト312でユーザーは、現在の例において構成流体レチノールの投与量を減少してもらう要望を知らせることができる。これを受け、制御システム30は、オプションとして参照テーブル310を介する形で、減少されたレチノール投与量を持った処方を提供することができる(320)。
【0042】
この段階では、所望の処置が施術の準備にあり(322)、オプションとしてはユーザーの命令に応じた形で施術される(324)。ディスペンサは、メモリ
(図示せず)に、例えば投与された処置の処方、投与日時、及びその他の関連データ等、施術された処置の履歴を示すデータを格納することができる(326)。データを収集する機能(326)には、(1)所定の処方計画でさらに提供される処理数;(2)処置が施術された時;(3)処置を構成したもの;(4)どの処置が、ユーザーが要求した有効成分の減少を含んだか;及び(5)先の処置に対してはどの処置が表明した炎症に関わっているか、などのデータ格納を含ませることができる。さらに制御システム30は、メモリ
(図示せず)から、例示された方法のその後の繰り返しにあたって、投与された処置の以前の処方を参照することができる。これとは別の実施形態では、その代わりとしてユーザーに入力を委ねるプロンプト(304)は、制御システムの決定動作か、或いはユーザー入力と制御システム決定動作を組み合わせたものとなる。例えば、メモリ
(図示せず)を参照し、制御システム30は、そのディスペンサ20の使用が、メモリに保存された適用処置の履歴を参照したユーザー入力なしのレチノール療法計画としては初めての使用であるか否かを決定することができる(304)。
【0043】
上で述べたように、参照テーブル310に格納される情報は、制御システムが所望された機能を提供できるため必要とされる情報に主に依存した状態で、用途によって異なるかもしれない。上述した方法では、参照テーブル310には、投与ID/処置番号(例えば、28日間の処置計画の処置番号1)、投与量(例えば、5%のレチノール)、調剤パラメータ(例えば、ベース・他の成分とそれに対応する割合、モータ運転回数、バルブ作動プロフィール)及び所定濃度における処置回数(例えば、0.5%のレチノールでの処置7回)を含ませることができる。さらに、選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)は、それぞれの流体溜め32a−dが正しい構成流体を含んでいるのを確実にするために、ユーザーに対し流体溜めの交換指示を提供することができる。あるいは又、ディスペンサ制御システム30は、流体溜めの中身を指示するユーザー供給データを受け入れることができ、オプションとしては、所定の用途において所望された最大有用な流体溜めよりも少ない数の流体溜めを用いることができる。例えば、選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)は、第1の流体溜め32aがレチノールを含み、第2の流体溜め32bが保湿剤を含み、第3の流体溜め32cはレチノールと保湿剤を供給するためのベースを含む、ことを示す一連の入力を受け取ることができる。
【0044】
図15に示される別の作動方法においては、カスタマイズされたアンチエイジング治療計画を望むユーザーはディスペンサの選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)により、一連のユーザー入力プロンプト342、344、346、360を介してガイドされる。ディスペンサを駆動した上で(302)、ユーザーは、プロンプト342において、今回のアンチエイジング治療の使用が初めての使用であるかどうかを選択できる。仮にユーザーが初回の使用を示した「Yes」を選択したならば、制御システム30は参照テーブル348を参照し、開始の処方を選択することになる(350)。ユーザーは再びステップ344に促され、ユーザーに対し開始の処方に存在するフレグランスに対する既知アレルギや他の構成要素を指摘させる。仮に、ユーザーが開始の処方に存在するフレグランスに対し既知アレルギがあることを表明したならば、制御システム30は処方からフレグランスの全て又は一部を除去することになる(352)。次いで制御システムは、以下に説明するように、更なる変更や調剤のために現在の処方を表示することになる(354)。
【0045】
342において、仮にユーザーが逆にアンチエイジング治療の先使用を表明したならば、制御システムは以前の治療法を表示することになる(356)。ユーザーは再び346に促され、ユーザーに対し以前の処置において炎症の有無を表明させる。仮にユーザーが過去炎症があったことを示す「Yes」を選択したならば、制御システム30は処方からアンチエイジング活性剤の少なくとも一部を除去し(358)、現在の処方を表示することになる(354)。逆にユーザーが「No」を選択したならば、制御システム30は単に現在の処方を表示することになる(354)。
【0046】
制御システムが以前の処方を表示(354)した後は、ユーザーは再びプロンプト360に進み、そこでユーザーは表示された処方が受け入れ可能なものか否かを表明してもよい。ここで仮にユーザーが「No」を選択したなら、制御システム30は、参照テーブル348、メモリ
(図示せず)、ユーザー入力、或いはそれらを組み合わせたものを参照し、処方を変更することになる(362)。そしてユーザーは、変更された処方が許容できるか否かを問うプロンプト360へと再び促されることになる。 ここで又、制御システム30は処方を所望されたように変更したり(362)、或いは選択された処方で施術する用意をすることになる(364)。オプションとしては、制御システム30は、処方の変更に制限をかけるようにし(362)、その処方が、許容できるパラメータや提案されたユーザー条件から外れていないのを確実にしてもよい。このようにして最終的には、オプションとしてユーザーの命令に応じた形で、所望されたアンチエイジング治療が施され(366)、さらにディスペンサ20は、提供された処置と関連データをメモリ
(図示せず)に保存することになる(368)。
【0047】
データを収集する機能(368)には又、(1)さらに提供されたアンチエイジング治療の回数;(2)治療が施された時間;(3)その治療を構成したもの;(4)どの治療が、プロンプト346で表明された先の炎症に関わっているか;及び(5)どの治療が、プロンプト344で表明された先のアレルギに関わっているか、についてのデータ格納を含ませることができる。参照テーブル348は、投与ID/治療番号(例えば、治療番号:14)、投与量(例えば、5%のアンチエイジング活性剤)、調剤パラメータ(例えば、ベース・他の成分とそれに対応する割合、モータ運転回数、バルブ作動プロフィール)及び所定のアンチエイジング治療計画において所定濃度における治療回数(例えば、0.5%のアンチエイジング活性剤での7回の治療)を含むことができる。
【0048】
さらに、例示された方法をその後繰り返すにあたっては、制御システム30は、メモリ
(図示せず)や参照テーブル348から、1つ以上の治療処方を参照することができる。例えば、その代わりとしてユーザーに入力を委ねるプロンプト342は、制御システムの決定動作である。メモリ
(図示せず)を参照して、制御システム30はディスペンサ20の使用がアンチエイジング治療計画の最初の使用になるか否かを決定する(342)。次いでディスペンサは、メモリ
(図示せず)と参照テーブル348を参照して(もし、あるのならば)先の治療処方を表示することができる(356)。
【0049】
本例では、カスタマイズされたアンチエイジング治療は、アンチエイジング活性剤を含む1つの流体溜め32aと、フレグランスを含む2つの流体溜め32b−cと、ベースを含む1つの流体溜め32dを使用する。選択可能なユーザー・インタフェース
(図示せず)は、それぞれの流体溜め32a−dが確実に適切なポンプ24a−dとバルブ・アセンブリ112a−dと流体連通するように、ユーザーに対して流体溜配置指示を提供することができる。この代わりとしては、ディスペンサ制御システム30が流体溜めの中身を表明するようなユーザーからの供給データを受け入れることができ、オプションとしては、ある用途において望まれるように最大使用可能な流体溜めのよりも少ない数の流体溜めを使用する。
【0050】
本発明は独立型又は遠隔型コンピュータに接続されるように構成されることが計画されている。処方の情報はコンピュータのハードウェア、ソフトウェア、又はディスペンサ20用としてセットアップされたウェブサイトに保存してもよい。ディスペンサ20は、コンピュータをディスペンサ20まで接続するため、例えばUSBポート、シリアルポート、パラレルポート又は他の通信ポートといったようなプラグインを備えてもよい。これとは別に、ディスペンサ20は、オプションとして、例えばブルートゥース(登録商標)、RFID、WiFi、IR、ニア・フィールド・コミュニケーション、その他の無線通信リンクといったようなネットワークにわたる形で、独立型又は遠隔型コンピュータに無線通信できる機能を備えてもよい。このようにすれば、無線トランシーバは、コミュニケーションポートの必要性を排除できるだろうし、ディスペンサの20の携帯性を高めることができるだろう。1つの操作として、ユーザーはコンピュータを使って1化粧品としてのシェードを選ぶ可能性もあり、そのような場合、コンピュータは特別な処方をディスペンサ制御システム30にダウンロードし、所望されたシェードを直ちに調合することになる。そのコンピュータは、あらかじめ作成された処方に関するデータベースを備えていてもよく、或いはユーザーとの相互通信によりリアルタイムな状態で処方を作成してもよい。コンピュータは又、ユーザーによる処方入力を可能にするかもしれない。さらに、ディスペンサ20はモデルや通し番号、使用プロフィール、流体溜めの状態はネットワークに伝えてもよく、オプションとしては製品を推薦する意味で、コンピュータを介してディスペンサ20用にセットアップされたウェブサイトにあげるようにしてもよい。ウェブサイトはさらに、ディスペンサ20やユーザーにより提供されたデータに基づき、パーツやアクセサリや消耗材料の注文・再注文を可能にする。一実施形態では、流体溜めの中の構成流体が予め定められた容量以下になった際、ディスペンサは、流体溜めの状態や再注文リクエスト等の流体溜め情報を遠隔コンピュータに伝えることが可能であり、代替液や流体溜めをオーダーできるようになっている。
【0051】
以上は本発明の実際の実施形態を説明するものである。均等論を含む特許法の原則に従って理解されるべき、追加請求の範囲で定義されたような本発明の趣旨と広い観点から逸脱することなく、様々な修正と変更が可能である。例えば、「a」、「an」、「the」又は「said」などの冠詞を用いたような単数表記の要素に対する如何なる参照も、要素の数を単数に限定して構成されるべきものではない。