特許5940941IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

熱延鋼板の製造設備

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

作業空間を確保することができる冷却装置に関する技術としては、例えば、特許文献1がある。これは、冷却水の流れる水供給管体を中心軸として回転する旋回管体に噴射口を設けた上側冷却器と、架台に固定され冷却水を噴射する噴射口を設けた下側冷却器とから成る冷却装置である。これによれば、冷却装置の上側冷却器を上方へ大きく開くことができるので、圧延機および冷却装置の補修等の作業を容易に行うことができる。 しかし、旋回管体に供給される冷却水は、水供給管体と連結する一端側から先端の他端側へ流れながら、旋回管体の途中に形成した噴射口から噴射されるため、旋回管体における一端側近傍の噴射口と他端側近傍の噴射口とでは、噴射される冷却水の流量が異なる。つまり、冷却水の噴射流量を板幅方向に均一に分布させることは難しく、制御することができない。また、圧延機から離れた位置に設置される大型の装置であり、圧延直後の冷却および大流量の冷却水による冷却が考えられていない。この装置を圧延機の直近に設置することは難しい。 圧延機の通板方向出側直近に設置される冷却装置に関する技術としては、例えば、特許文献2がある。これは、ストリッパガイドがワークロール径の変化に追従可能なように油圧シリンダによる摺動機構を設け、被圧延材に冷却水を噴射する冷却装置である。これによれば、圧延機の通板方向出側直近に位置する多数のノズルから冷却水を直接被圧延材に噴射するので、圧延直後に被圧延材を急速冷却することができる。 しかし、冷却装置を圧延機における通板方向出側の直近に設置できる程度に小型化したため、冷却水を被圧延材に噴射する範囲は狭い。よって、通板速度が速い場合の被圧延材は、僅かな時間しか冷却水を噴射されない。つまり、特許文献2の小型化された冷却装置を備えた製造設備においては、冷却装置から前述したような10[m3/min・m2]以上の高水量密度で冷却水を噴射しても、被圧延材を十分に冷却することができない。 本発明は問題に鑑みてなされたもので、操業および補修等の作業効率を低下させないと共に、熱延鋼板を圧延直後に急速かつ十分に冷却することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

課題を解決する第一の発明に係る冷却装置は、被圧延材を圧延する圧延機と、前記圧延機で圧延された前記被圧延材に対して冷却水を噴射する冷却設備とを備える熱延鋼板の製造設備であって、前記冷却設備は、前記圧延機のワークロールにおける通板方向出側に、前記被圧延材に対して上下一対に設置される冷却装置と、前記冷却装置における通板方向出側の直近かつ前記被圧延材に対して上下一対に設置される後続の冷却装置とを・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る
【発明の効果】
第一の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、冷却装置および後続の冷却装置を備えた冷却設備とすることにより、冷却装置、後続の冷却装置をそれぞれの用途に合った大きさ、冷却能力、設置位置で設定することができる。冷却装置をある程度小型化することにより、圧延機のワークロールにおける通板方向出側に設置することができるので、被圧延材を冷却することができる。更に、後続の冷却装置の設置位置を冷却装置における通板方向出側の直近とすることにより、後続の冷却装置を周辺機器等による空間の制約が少ない圧延機のワークロールから離れた位置に設置することができるので、後続の冷却装置を大きくすることができる。よって、後続の冷却装置に十分な冷却能力を持たせることができ、被圧延材を十分に冷却することができる。
また、圧延機のワークロールにおける通板方向出側に冷却装置、後続の冷却装置と連ねて設置することにより、被圧延材を圧延直後から冷却し続けて十分な温度まで下げることができる。よって、圧延後0.2秒以内に冷却を開始して、結晶粒の微細化された高強度鋼板を製造することができる。
また、後続の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動することにより、固定される下側冷却器との隙間を大きく開くことができるので、種々の作業を行うための空間を確保することができる。よって、補修等の作業を容易に行うことができる。なお、後続の冷却装置における通板方向出側の直近にピンチロール装置等を設置した場合においても、後続の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動させるので、後続の冷却装置とピンチロール装置等との干渉を伴わずに前述の空間を確保することができる。更に、後続の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動させることにより、冷却装置を通板方向出側へ移動、もしくは取出すための空間を確保することができる。よって、冷却装置を通板方向出側へ取出して、冷却装置の補修等の作業を容易にすることができる。 第二の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、第一の冷却装置、第二の冷却装置、第三の冷却装置を備えた冷却設備とすることにより、第一の冷却装置、第二の冷却装置、第三の冷却装置をそれぞれの用途に合った大きさ、冷却能力、設置位置で設定することができる。第一の冷却装置を小型化することにより、第一の冷却装置を圧延機のワークロールにおける通板方向出側の直近に設置することができるので、圧延の直後に被圧延材を冷却することができる。また、第二の冷却装置をある程度小型化することにより、第一の冷却装置における通板方向出側の直近に設置することができるので、第一の冷却装置に続いて被圧延材を冷却し続けることができる。更に、第三の冷却装置の設置位置を第二の冷却装置における通板方向出側の直近とすることにより、第三の冷却装置を周辺機器等による空間の制約が少ない圧延機のワークロールから離れた位置に設置することができるので、第三の冷却装置を大きくすることができる。よって、第三の冷却装置に十分な冷却能力を持たせることができ、被圧延材を十分に冷却することができる。
また、圧延機のワークロールにおける通板方向出側に第一の冷却装置、第二の冷却装置、第三の冷却装置と連ねて設置することにより、被圧延材を圧延直後から冷却し続けて十分な温度まで下げることができる。よって、圧延後0.2秒以内に冷却を開始して、結晶粒の微細化された高強度鋼板を製造することができる。
また、第三の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動することにより、固定される下側冷却器との隙間を大きく開くことができるので、種々の作業を行うための空間を確保することができる。よって、補修等の作業を容易に行うことができる。なお、第三の冷却装置における通板方向出側の直近にピンチロール装置等を設置した場合においても、第三の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動させるので、第三の冷却装置とピンチロール装置等との干渉を伴わずに前述の空間を確保することができる。更に、第三の冷却装置の上側冷却器をパスラインに対して上方向へ回動させることにより、第一の冷却装置および第二の冷却装置を通板方向出側へ移動、もしくは取出すための空間を確保することができる。よって、第一の冷却装置および第二の冷却装置を通板方向出側へ取出して、第一の冷却装置および第二の冷却装置の補修等の作業を容易にすることができる。 第三の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、第一の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器は第二の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器に対して通板方向に移動可能であり、第二の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器は圧延機のハウジングに対して通板方向に移動可能であるので、第一の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器と第二の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器をそれぞれ個別に移動させることができ、圧延機のワークロールの径、傾きの変化に対して追従し位置を細かく調整することができる。また、第一の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器と第二の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器とを伸縮部材を介して連結し、第二の冷却装置における上側冷却器および下側冷却器と圧延機のハウジングとを伸縮部材とは別の伸縮部材を介して連結しているので、簡易な構造とすることができる。 第四の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、第三の冷却装置における上側冷却器を圧延機の近傍に設置する回転軸部材を軸としてパスラインに対して上方向へ回動可能としているので、第三の冷却装置における上側冷却器を下側冷却器に対して大きく開くことができる。また、複数のヘッダ制御弁を積載したフレーム部材を本管中心に回動させることにより、第三の冷却装置における上側冷却器の回動時にはフレーム部材にモーメント力が作用するので、第三の冷却装置における上側冷却器では、制御弁をバランサーとしてフレーム部材の反対側に配置しスイング部材の重心を回転軸の近傍に配置することで、フレームの強度および剛性を低くすることができる。よって、第三の冷却装置における上側冷却器の製作費用および大きさを抑えることができる。 第五の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、回転軸部材を第三の冷却装置に供給する冷却水を流す本管とすることにより、設置する機器の数を抑えることができるので、製造設備全体としての製作費用および大きさを抑えることができる。 第六の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、圧延機の近傍に設置した本管と第三の冷却装置との間に設置する支管に冷却水の流量を制御する制御弁を設けることにより、冷却水を噴射させる噴射口から近い位置で冷却水の流量を制御することができるので、制御弁を作動してから噴射口における冷却水の噴射流量が制御されるまでに掛かる時間が短い。よって、冷却水の噴射流量を俊敏に制御することができるので、冷却条件等の細かい設定および素早い設定の切換えをすることができる。 第七の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、前記第一の冷却装置、前記第二の冷却装置、第三の冷却装置の少なくとも一つにおける多数のノズルに、通水の開閉を個々に制御することのできる開閉弁を設けることにより、冷却水を常時ヘッダ内に充満させることができるので、所定の圧力になれば噴射できるため、高い応答性を実現することができる。また、水撃力を低くすることができるので、フレーム部材の強度および剛性を低く抑えることができる。 第八の発明に係る熱延鋼板の製造設備によれば、第三の冷却装置におけるヘッダユニットと下流側通板ガイドとを容易に着脱できるようにピン結合としているので、第三の冷却装置の補修やヘッダユニットの交換等の作業を容易に行うことができる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備を示す側面図である。

【図2】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備を示す側断面図である。

【図3】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備を示す平面図である。

【図4】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備における第一の冷却装置および第二の冷却装置とハウジングとの係合を示す横断面図(図2におけるIV矢視断面図)である。

【図5A】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備における第三の冷却装置の冷却位置を示す横断面図である。

【図5B】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備における第三の冷却装置の退避位置を示す横断面図である。

【図6A】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備における第三の冷却装置の閉じた状態の開閉弁を示す説明図である。

【図6B】実施例1に係る熱延鋼板の製造設備における第三の冷却装置の開いた状態の開閉弁を示す説明図である。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

1 帯板   2 圧延機   3 冷却設備   4 ピンチロール装置   5 サイドガイド   10 ワークロール   20 バックアップロール   30 ハウジング   31 ガイドレール   40 第一の冷却装置   41 第一の冷却装置のストリッパガイド   42 第一の冷却装置のノズルヘッダ   43 第一の冷却装置のガイド突起   50 第二の冷却装置   51 第二の冷却装置の通板ガイド   52 第二の冷却装置のノズルヘッダ   53 第二の冷却装置のガイド突起   60 第三の冷却装置   61 第三の冷却装置の通板ガイド   62 第三の冷却装置のノズルヘッダ   70 ノズル   80 第一の油圧シリンダ   90 第二の油圧シリンダ   100 本管   101 本管の回転部   102 本管のロータリージョイント   103 本管の回転支持台   104 本管のアーム部   110 フレーム部材   111 ストッパ部材   120 貯水部   121 貯水部の開口部   130 シール部材   140 開閉弁   141 通水穴   142 内部材   143 外部材   150 回転油圧シリンダ   160 支管   170 支管の流量調整弁

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