(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.ゲーム装置のハードウェア構成]
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば、家庭用・業務用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機(スマートフォンを含む)、携帯情報端末(タブレット型端末)又はパーソナルコンピュータ等によって実現される。ここでは、実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
図1に示すゲーム装置10は、表示部32及び音声出力部34に接続される。表示部32は、例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイなどである。音声出力部34は、例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホンなどである。
【0025】
ゲーム装置10は、公知のコンピュータゲームシステムである。ゲーム装置10は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0026】
制御部14は、一又は複数の制御部(例えば、CPU等)を含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、ゲーム装置10の各部を制御する処理や情報処理を実行する。
【0027】
主記憶16は、例えば、RAMを含む。光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータは、主記憶16に書き込まれる。主記憶16は、制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12は、アドレス及びデータをゲーム装置10の各部でやり取りするためのものである。
【0028】
画像処理部18は、VRAMを含む。画像処理部18は、制御部14から供給される画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画する。VRAM上に描画されたゲーム画面は、ビデオ信号に変換されて所定のタイミングで表示部32に出力される。
【0029】
入出力処理部20は、制御部14が、音声処理部22、光ディスク再生部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。
【0030】
音声処理部22は、サウンドバッファを含む。音声処理部22は、光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを、音声出力部34から出力する。
【0031】
通信インタフェース28は、インターネットなどの通信ネットワークに、ゲーム装置10を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0032】
光ディスク再生部24は、光ディスク36(情報記憶媒体)に記録されたプログラムやデータを読み取る。本実施形態においては、プログラムやデータをゲーム装置10に供給するために、光ディスク36が用いられる場合を説明するが、メモリカード等の他の情報記憶媒体が用いられて、プログラムやデータがゲーム装置10に対して供給されるようにしてもよい。他にも例えば、通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータがゲーム装置10に供給されるようにしてもよい。
【0033】
ハードディスク26は、一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、本実施形態において光ディスク36に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、ハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0034】
コントローラ30は、ユーザによる各種ゲーム操作を受け付けるための汎用操作手段である。ゲーム装置10には、一又は複数のコントローラ30が有線又は無線接続される。入出力処理部20は、一定周期毎(例えば、1/60秒毎)にコントローラ30の各操作部材の状態をスキャンする。このスキャン結果を表す操作信号は、バス12を介して制御部14に入力される。制御部14は、操作信号に基づいてユーザのゲーム操作を特定する。なお、本実施形態において、ユーザがコントローラ30から行う操作は、他の種々の操作に置き換えてよい。例えば、音声を検出する音声検出装置(例えば、マイク)をゲーム装置10に接続しておき、音声解析を行うことにより各種操作が行われるようにしてもよい。
【0035】
[2.ゲーム装置において実行されるゲーム]
ゲーム装置10は、光ディスク36から読み出したゲームプログラムを実行することによって、ゲーム空間において、ユーザの操作対象が移動し、複数の動作対象(例えば、キャラクタ)が動作するゲームを実行する。本実施形態では、ゲーム空間において、ユーザの操作対象と複数の動作対象とが、移動物体(例えば、ボールやパック等)を移動目標位置に移動させるゲームを例に挙げて説明する。
【0036】
例えば、ユーザが操作するチーム(以降、「ユーザチーム」という。)と、対戦相手(コンピュータ又は他のユーザ)が操作するチーム(以降、「対戦相手チーム」という。)と、の間でサッカーの試合を行うサッカーゲームが実行される。ゲーム装置10がサッカーゲームを開始すると、ゲーム空間が主記憶16に構築される。
【0037】
図2は、ゲーム空間の一例を示す図である。
図2に示すゲーム空間40は、互いに直交する三つの座標軸(Xw軸、Yw軸、及びZw軸)が設定された仮想的な3次元空間である。
図2に示すように、ゲーム空間40には、サッカーフィールドを表すオブジェクトであるフィールド42(他のオブジェクトが配置される平面)が配置される。
【0038】
フィールド42上には、サッカーのゴールを表すオブジェクトであるゴール44が配置され、2本のゴールライン46及び2本のタッチライン48が表されている。ゴールライン46及びタッチライン48によって囲まれたピッチ50及び当該ピッチ50の周囲(ゴールライン46又はタッチライン48に接するピッチ50外の所定領域)において、試合が行われる。
【0039】
また、フィールド42上には、サッカーボール(移動物体)を表すオブジェクトであるボール52と、ユーザチームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ54と、対戦相手チームに所属するサッカー選手を表すオブジェクトであるキャラクタ56と、が配置される。各オブジェクトの位置は、例えば、ワールド座標系(Xw−Yw−Zw座標系)の3次元座標で特定される。
【0040】
キャラクタ54(56)とボール52とが近づくと、所定条件の下、当該キャラクタ54(56)とボール52とが関連づけられる。この場合、キャラクタ54(56)の移動動作は、ドリブル動作になる。以下では、キャラクタ54(56)にボール52が関連づけられた状態のことを「キャラクタ54(56)がボール52を保持している」というように記載する。ボール52を保持しているキャラクタ54(56)は、所与の動作(例えば、パス動作又はシュート動作)を行うことにより、ボール52を移動させる。キャラクタ54(56)がボール52を移動させてゴール44内にボール52が移動すると、得点イベントが発生する。
【0041】
また、ゲーム空間40には、仮想カメラ58(視点)が設定される。ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を表すゲーム画面が、表示部32に表示される。ゲーム画面は、ゲーム空間40に配置された各オブジェクトの頂点座標が、所定の座標変換演算を用いてワールド座標系からスクリーン座標系に座標変換されることによって生成される。
【0042】
なお、
図2では省略されているが、フィールド42上には、ユーザチームに所属する11体のキャラクタ54と、対戦相手チームに所属する11体のキャラクタ56と、が配置される。
【0043】
本実施形態では、ユーザチームに所属するキャラクタ54のうちの何れかが、ユーザの操作対象に設定される。ユーザの操作対象に設定されたキャラクタ54は、ユーザの操作に基づいてゲーム空間40内で動作する。ユーザの操作対象は、所与の切替操作又はゲームの状況に基づいて切り替わるようにしてもよいし、ゲームの開始時に設定された操作対象が切り替わらずに一試合で操作対象が固定されるようにしてもよい。ユーザの操作対象以外のキャラクタ54及びキャラクタ56は、所与の行動パターンに基づいて自律的に動作する。
【0044】
本実施形態では、例えば、ゲームの開始前又は一時停止中(例えば、試合のハーフタイム中や、ユーザが所与の操作を行って試合を一時停止させた場合)において、ユーザの操作対象以外の複数のキャラクタ54の各々がすべき動作を設定するための動作設定画面が表示部32に表示される。
【0045】
図3は、動作設定画面の一例を示す図である。
図3に示すように、動作設定画面60には、ピッチ50を模式的に示したピッチ画像62が表示される。本実施形態では、ピッチ50は複数の小領域に分けられており、ピッチ画像62には、小領域64A〜64K(以降、これらをまとめて単に小領域64ともいう。)が表示される。
【0046】
また、動作設定画面60は、設定済み動作66A〜66K(以降、これらをまとめて単に設定済み動作66ともいう。)が表示される。設定済み動作66が示す動作は、複数のキャラクタ54の各々がすべき動作の組み合わせ(以降、コンビネーション動作という。)である。コンビネーション動作は、複数のキャラクタ54の各々が連携して行う動作(連携プレイ)であり、例えば、複数のキャラクタ54の各々がユーザの操作対象を支援するために行う支援動作ともいえる。
【0047】
ここでは、ユーザは、小領域64ごとにコンビネーション動作を設定することができる。なお、コンビネーション動作が設定されていない小領域64については、設定済み動作66が「未設定」となる。ユーザは、コンビネーション動作を設定する場合、動作設定画面60に表示された小領域64の何れかをカーソル68を用いて選択する。
【0048】
図4は、ユーザが小領域64を選択した場合の動作設定画面60の一例である。
図4に示すように、ユーザがカーソル68を用いて小領域64を選択すると、当該選択された小領域64に設定するコンビネーション動作の候補を示す候補一覧70が表示される。ユーザは、候補一覧70に表示された複数の動作候補のうちの少なくとも一つを選択する。なお、ここでは、各小領域64に一つのコンビネーション動作が設定される場合を説明するが、各小領域64には複数のコンビネーション動作が設定されるようにしてもよい。
【0049】
なお、候補一覧70に含まれる各動作候補が示す動作内容は、詳細画像72に表示されるようにしてもよい。
図4に示すように、各動作候補に定義されている移動方向や動作種別が、詳細画像72に表示される。例えば、ユーザの操作対象又はボール52を基準として、複数のキャラクタ54の各々がすべき動作(移動方向や動作種別)が、詳細画像72に表示される。ユーザがカーソル68を用いて候補一覧70から候補を選択すると、当該選択された候補が小領域64に関連付けられて、設定済み動作66に反映される。
【0050】
上記のように、ユーザは、小領域64ごとにコンビネーション動作を選択する。なお、ユーザがコンビネーション動作を選択しなかった小領域64については、自動的に所定のコンビネーション動作が割り当てられるようにしてもよい。ゲームが開始されると、所与の条件のもとで、ユーザの操作対象がいる小領域64に設定されたコンビネーション動作を、複数のキャラクタ54の各々が行う。
【0051】
図5は、ゲームの実行中に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
図5に示すように、ゲーム画面74には、ゲーム空間40を仮想カメラ58から見た様子を示す画像が表示される。また、ユーザの操作対象に設定されているキャラクタ54に関連付けてアイコン76が表示される。例えば、ユーザの操作対象の頭上にアイコン76が表示される。アイコン76が表示されていないキャラクタ54は、ユーザの操作対象ではなく、原則として所与の行動パターンに基づいて動作する。
【0052】
本実施形態では、各コンビネーション動作を各キャラクタ54にさせるための基準状況(詳細後述)が定められている。例えば、ユーザの操作対象がいる小領域64に関連付けられたコンビネーション動作の基準状況と、現在のゲームの状況と、が同一又は類似する場合に、発動可能アイコン78がゲーム画面74に表示される。発動可能アイコン78は、各キャラクタ54にコンビネーション動作をさせることが可能な旨をユーザに案内するためのものである。
【0053】
ゲーム画面74に発動可能アイコン78が表示された状態において、ユーザがコントローラ30から所与の操作を行うと、複数のキャラクタ54の各々がコンビネーション動作を行う。本実施形態では、ユーザの操作対象に近い順に、コンビネーション動作を行うキャラクタ54が選出される。例えば、
図5の場合、キャラクタ54A,54Bのそれぞれが、ユーザの操作対象を基準として所定の方向に移動することによって、コンビネーション動作が行われる。
【0054】
上記のように、本実施形態のゲーム装置10は、小領域64ごとにコンビネーション動作を設定することで、ユーザの望み通りの動作を複数のキャラクタ54の各々にさせることができる構成になっている。以下、本技術について、詳細に説明する。
【0055】
[3.ゲーム装置において実現される機能]
図6は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームデータ記憶部100、候補取得部102、設定内容データ取得部104、小領域受付部106、候補提示部108、動作受付部110、記録部112、操作受付部114、動作制御部116、状況比較部118、許可制御部120、及び許可通知部122を実現する。
【0056】
ゲームデータ記憶部100は、主記憶16、ハードディスク26、及び光ディスク36を主として実現され、他の各機能は、制御部14を主として実現される。なお、ゲーム装置10において必須の機能は、設定内容データ取得部104、操作受付部114、及び動作制御部116であり、他の機能は省略するようにしてもよい。
【0057】
[3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部100は、ゲームを実現するために必要な各種データを記憶する。ここでは、ゲームデータ記憶部100に記憶されるデータとして、動作内容データ、動作候補データ、設定内容データ、及びゲーム状況データを説明する。
【0058】
図7は、動作内容データのデータ格納例を示す図である。動作内容データは、ゲームにおいて使用可能なコンビネーション動作を定義したデータである。例えば、
図7に示すように、各コンビネーション動作を識別するための動作IDと、コンビネーション動作に関する情報と、が関連付けられている。本実施形態では、動作IDが、本発明に係る動作情報に相当する。
【0059】
コンビネーション動作に関する情報は、例えば、キャラクタ54にコンビネーション動作をさせるための条件となる基準状況と、コンビネーション動作をさせるキャラクタ54の数と、コンビネーション動作の動作内容と、を含む。
【0060】
基準状況としては、後述するゲーム状況データの各項目の基準値が格納される。例えば、ボール52又はキャラクタ54の位置が所定の位置であること、ボール52又はキャラクタ54の移動方向が所定の方向であること、ユーザの操作対象とボール52又はキャラクタ54の位置関係が所定の関係を満たすこと、及び、キャラクタ54のパラメータ(能力値等)が所定の条件を満たすこと等である。
【0061】
例えば、基準状況を、ボール52又はキャラクタ54の位置が所定の位置としておくことにより、ボール52又はキャラクタ54が、コンビネーション動作をするために最適な位置にある場合にのみコンビネーション動作をさせることができる。また、基準状況を、ボール52又はキャラクタ54の移動方向としておくことにより、コンビネーション動作をするために最適な移動方向にある場合にのみコンビネーション動作をさせることができる。また、基準状況を、ユーザの操作対象とボール52又はキャラクタ54の位置関係としておくことにより、ユーザの操作対象との連携が有効な場合にのみコンビネーション動作をさせることができる。また、基準状況を、キャラクタ54のパラメータとしておくことにより、最適なキャラクタ54がいる場合のみ、コンビネーション動作をさせることができる。
【0062】
動作内容としては、複数のキャラクタ54が互いに連携する動作、ユーザの操作対象を支援するための動作、又はボール52をゴール44に移動させるための動作が定義される。例えば、キャラクタ54がいるべき位置、キャラクタ54が移動すべき方向、キャラクタ54がボール52を移動させるべき位置、キャラクタ54がボール52を移動させるべき方向、又は、複数種類の動作のうちでキャラクタ54がすべき動作の種類が、動作内容データに定義されている。
【0063】
特に、本実施形態のようなゲームでは、複数のキャラクタ54の各々がいるべき位置や移動すべき方向を定義しておくことで、各キャラクタ54が連携して動作する様子を表現することができる。例えば、各キャラクタ54が異なる位置(位置ずれが基準以上)や異なる方向(方向ずれが基準以上)に移動するように定義しておくことにより、連携して動く動作をより的確に表現することができる。また例えば、各キャラクタ54が略同じ位置(位置ずれが基準未満)や略同じ方向(方向ずれが基準未満)に移動するように定義しておくことにより、各キャラクタ54に統率のとれた動作をさせることができる。更に、対戦相手チームのキャラクタ56が存在するゲームでは、これら複数のキャラクタ54の連携した動きに、対戦相手チームのキャラクタ56がつられて動く様子を表現することができる。
【0064】
また、キャラクタ54がボール52を移動させるゲームでは、複数のキャラクタ54の各々がボール52を移動させるべき位置や方向を定義しておくことで、各キャラクタ54が連携してボール52を移動させる様子を表現することができる。特に、ボール52を移動目標位置(例えば、ゴール44)に移動させるゲームでは、ボール52を移動目標位置に移動させるために行う連携動作(例えば、パス回し)を表現することができる。更に、各キャラクタ54がすべき動作を定義しておくことで、パス動作をした後にシュート動作をする等の複雑な連携プレイを表現することができる。
【0065】
また、本実施形態では、コンビネーション動作の動作内容は、キャラクタ54が当該コンビネーション動作をする場合にのみ行うことができる特殊な動作(例えば、いわゆる必殺技)ではなく、通常の行動パターン(ゲームプログラムに定義された行動アルゴリズム)の代わりに行う動作である。別の言い方をすれば、コンビネーション動作としては、キャラクタ54が通常行うことができる複数種類の動作(例えば、特段の条件を満たす必要がなく行うことのできる動作)のうち、通常の行動パターンよりも優先して行うべき動作が定義されているともいえる。このため、特殊な動作をコンビネーション動作に定めておく場合に比べて、例えば、特殊な動作が行われることによる試合の現実味がなくなることや試合の流れが中断することを防止することができる。
【0066】
なお、動作内容データに格納されるコンビネーション動作は、ゲーム制作者が予め定めたものであってもよいし、ユーザが所与の操作を行うことで編集したものであってもよい。ユーザが編集する場合には、ユーザが指定した状況、ユーザが指定したキャラクタ54の数、及び、複数種類の動作のうちからユーザが指定した動作の組み合わせが関連付けられて動作内容データに格納される。
【0067】
図8は、動作候補データのデータ格納例を示す図である。
図8に示すように、動作候補データには、各小領域64と、複数種類の動作候補(コンビネーション動作の候補)の少なくとも一つと、が関連付けられている。ここでは、小領域64を識別する情報と、動作候補の動作IDと、が関連付けられている。なお、動作候補データに格納される動作候補についても、ゲーム制作者が予め定めたものであってもよいし、ユーザが所与の操作を行うことで編集したものであってもよい。
【0068】
図9は、設定内容データのデータ格納例を示す図である。
図9に示すように、設定内容データには、各小領域64と、複数のキャラクタ54の各々がすべき動作を示す動作情報(例えば、動作ID)と、が関連付けられている。なお、各小領域64には、一つの動作IDが関連付けられていてもよいし、複数の動作IDが関連付けられていてもよい。各小領域64に関連付けられた動作IDは、ユーザの操作対象が当該小領域64にいる場合に、複数のキャラクタ54の各々にさせるべきコンビネーション動作を識別するためのものといえる。
【0069】
ゲーム状況データは、実行中のゲームの状況を示す。例えば、ゲーム状況データは、ゲーム空間40の現在の状況(例えば、ボール52及びキャラクタ54(56)の位置や移動方向、仮想カメラ58の状態等)、ユーザの操作対象を識別する情報、実行中の試合の各種状況(例えば、試合の経過時間や、両チームの得点、シュートやパスの回数、ボール支配率等)が、ゲーム状況データに含まれる。ゲーム状況データは、ゲームの進行に応じて適宜更新される。例えば、ユーザの操作対象が切り替わった場合は、ユーザの操作対象を識別する情報が更新される。
【0070】
なお、ゲームデータ記憶部100に記憶されるデータは、上記の例に限られない。ゲームを実行するために必要なデータが、ゲームデータ記憶部100に記憶されていればよい。例えば、キャラクタ54(56)の行動パターンを示すデータ(行動アルゴリズム)が記憶されていてもよいし、ユーザチーム及び対戦相手チームに関する各種データ(例えば、各キャラクタ54(56)の名称や能力値等)が記憶されていてもよい。
【0071】
[3−2.候補取得部]
候補取得部102は、各小領域64と、複数種類の動作候補の少なくとも一つと、を関連付けて記憶する手段(例えば、ゲームデータ記憶部100)の記憶内容を取得する。候補取得部102は、ゲームデータ記憶部100に記憶された動作候補データを取得する。
【0072】
[3−3.設定内容データ取得部]
設定内容データ取得部104は、ゲーム空間40に設定される複数の小領域64の各々と、ゲーム空間40内で動作する複数の動作対象(例えば、キャラクタ54)の各々がすべき動作を示す動作情報(例えば、動作ID)と、を関連付けて記憶する記憶手段(例えば、ゲームデータ記憶部100)の記憶内容を取得する。設定内容データ取得部104は、ゲームデータ記憶部100に記憶された設定内容データを取得する。
【0073】
[3−4.小領域受付部]
小領域受付部106は、各小領域64のユーザによる指定を受け付ける。例えば、小領域受付部106は、動作設定画面60において表示された複数の小領域64のうちから、ユーザによる指定を受け付ける。なお、各小領域64は、互いに重ならないように設定されるようにしてもよいし、一部が重なるように設定されるようにしてもよい。また、各小領域64の形状及び大きさは、互いに同じであってもよいし、異なっているようにしてもよい。
【0074】
[3−5.候補提示部]
候補提示部108は、小領域受付部106がユーザによる指定を受け付けた場合、複数種類の動作候補のうち、ユーザが指定した小領域64に関連付けられた動作候補を、ユーザに提示する。例えば、候補提示部108は、ユーザが選択した小領域64に関連付けられた動作候補を表す画像(例えば、候補一覧70や詳細画像72等)を表示部32に表示させたり、ユーザが選択した小領域64に関連付けられた動作候補を表す音声を音声出力部34から出力させたりすることによって、動作候補を提示する。
【0075】
[3−6.動作受付部]
動作受付部110は、各動作対象がすべき動作のユーザによる指定を受け付ける。例えば、動作受付部110は、予め用意された複数種類の動作候補(例えば、ユーザに提示された動作候補)のうちから、ユーザによる指定を受け付けることによって、各動作対象がすべき動作の指定を受け付ける。
【0076】
[3−7.記録部]
記録部112は、小領域受付部106及び動作受付部110がユーザによる指定を受け付けた場合に、ユーザが指定した小領域64と、ユーザが指定した動作を示す動作情報(例えば、複数種類の動作候補のうちでユーザにより指定された動作候補)と、を関連付けて記憶手段(例えば、ゲームデータ記憶部100)に記録する。ここでは、記録部112は、設定内容データの各レコードのうち、ユーザが指定した小領域64に対応するレコードに、ユーザが指定した動作を示す動作IDを格納することになる。
【0077】
[3−8.操作受付部]
操作受付部114は、ゲームの実行中において、ユーザによる所与の操作を受け付ける。当該操作は、動作制御部116による制御を開始するための操作であり、予め定められた操作であればよい。
【0078】
[3−9.動作制御部]
動作制御部116は、所与の操作が受け付けられた場合、複数の小領域64のうち、ユーザの操作対象の現在位置を含む小領域64に関連付けられた動作情報(例えば、動作ID)に基づいて、複数の動作対象(例えば、キャラクタ54)の各々を動作させる。本実施形態では、動作制御部116は、ユーザの操作対象以外のキャラクタ54のうち、動作IDが示す数のキャラクタ54に、動作IDが示す内容のコンビネーション動作をさせることになる。
【0079】
本実施形態では、ユーザの操作対象から近い順に選出した複数のキャラクタ54に、コンビネーション動作をさせる場合を説明する。例えば、ユーザの操作対象の近くにいるキャラクタ54にコンビネーション動作をさせる場合、ユーザの操作対象の遠くにいるキャラクタ54にコンビネーション動作をさせる場合よりも、コンビネーション動作がユーザのゲームプレイに与える影響を大きくすることができる。
【0080】
例えば、動作制御部116は、各キャラクタ54を、コンビネーション動作に定義された位置又は方向に移動させる。また例えば、動作制御部116は、各キャラクタ54に、コンビネーション動作に定義された位置又は方向に、ボール52を移動させる。また例えば、動作制御部116は、各キャラクタ54に、複数種類の動作のうちでコンビネーション動作に定義された種類の動作をさせる。
【0081】
[3−10.状況比較部]
状況比較部118は、実行中の前記ゲームの状況と、動作情報(例えば、動作ID)が示す動作を各動作対象(例えば、キャラクタ54)がすべき基準状況と、を比較する。状況比較部118は、これらの状況が同一又は類似しているか否かを判定する。
【0082】
例えば、状況比較部118は、ゲーム状況データに格納された各項目の値と、基準状況が示す各項目の値と、のずれが基準値以下であるか否かを判定する。この場合、状況比較部118は、各項目の値の差を算出することによって、ずれを算出するようにしてもよいし、各項目の値をn次元のベクトルとみなし、2つのベクトルの余弦(cosθ)を算出することによって、ずれを算出するようにしてもよい。当該算出されるずれは、状況の類似具合を表す類似度ともいえる。当該ずれが基準以下である場合、両者の状況が同一又は類似となる。
【0083】
本実施形態では、基準状況は、ユーザの操作対象と各動作対象とが所与の位置関係となる状況であり、状況比較部118は、ゲームの実行中において、ユーザの操作対象と各動作対象との現在の位置関係と、基準状況が示す所与の位置関係と、を比較する。例えば、状況比較部118は、実行中のゲームにおけるユーザの操作対象とキャラクタ54との位置関係と、基準状況が示す位置関係と、のずれが基準以上であるか否かを判定することになる。
【0084】
[3−11.許可制御部]
許可制御部120は、状況比較部118の比較結果に基づいて、動作制御部116による動作制御を許可するか否かを制御する。例えば、許可制御部120は、状況比較部118により状況が同一又は類似すると判定された場合、動作制御部116による動作制御を許可し、状況比較部118により状況が同一又は類似ではないと判定された場合、動作制御部116による動作制御を禁止する。「動作制御を禁止する」とは、ユーザが所与の操作を行ったとしても、コンビネーション動作をさせないことである。
【0085】
[3−12.許可通知部]
許可通知部122は、ゲームの実行中において、許可制御部120が動作制御を許可しているか否かをユーザに通知する。許可通知部122は、許可制御部120が動作制御を許可していることを示す画像(例えば、発動可能アイコン78)を表示部32に表示させたり、許可制御部120が動作制御を許可していることを示す音声を音声出力部34から出力したりする。当該画像や当該音声を示すデータは、ゲームデータ記憶部100に予め記憶されているものとする。なお、振動等で通知してもよい。
【0086】
[4.ゲーム装置において実行される処理]
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。ここでは、コンビネーション動作を設定するための動作設定処理と、複数のキャラクタ54にコンビネーション動作をさせるための動作制御処理と、について説明する。制御部14は、光ディスク36に記憶されたプログラムに従って、下記に説明する処理を実行し、
図6に示す機能ブロックが実現される。
【0087】
[4−1.動作設定処理]
図10は、ゲーム装置10が実行する動作設定処理を示すフロー図である。動作設定処理は、動作設定画面60の表示指示が行われた場合に実行される。まず、
図10に示すように、制御部14は、動作設定画面60(
図3)を表示部32に表示させる(S1)。制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、動作設定画面60に表示された小領域64が選択されたか否かを判定する(S2)。
【0088】
小領域64が選択されたと判定された場合(S2;Y)、制御部14は、ハードディスク26に記憶された動作候補データに基づいて、ユーザが選択した小領域64に関連付けられた動作候補を示す候補一覧70(
図4)を表示させる(S3)。
【0089】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、候補一覧70に表示された動作候補の何れかが選択されたか否かを判定する(S4)。動作候補の何れかが選択されたと判定された場合(S4;Y)、制御部14は、ユーザが選択した小領域64と、ユーザが選択した動作候補の動作IDと、を関連付けて設定内容データに格納し(S5)、動作設定画面60の表示を更新する(S6)。
【0090】
S5においては、制御部14は、設定内容データの各レコードのうち、ユーザが選択した小領域64に対応するレコードに、ユーザが選択した動作候補の動作IDを格納する。S6においては、制御部14は、当該格納した動作IDに基づいて、設定済み動作66の表示を更新する。
【0091】
なお、小領域64が選択されたと判定されない場合(S2;N)、動作候補の何れかが選択されたと判定されない場合(S4;N)、S7の処理に移行する。この場合、ユーザが小領域64の指定又はコンビネーション動作の指定をしていないことになるので、小領域64とコンビネーション動作との関連付けは行われない。
【0092】
制御部14は、所与の終了操作が行われたか否かを判定する(S7)。終了操作が行われたと判定されない場合(S7;N)、S2の処理に戻る。この場合、ユーザによる小領域64の選択及びコンビネーション動作の指定が繰り返される。一方、終了操作が行われたと判定された場合(S7;Y)、本処理は終了する。
【0093】
[4−2.動作制御処理]
図11は、ゲーム装置10が実行する動作制御処理を示すフロー図である。動作制御処理は、ゲームが開始する場合に実行される。
図11に示すように、まず、制御部14は、ゲームを開始する(S10)。S10においては、制御部14は、ゲーム状況データを生成して主記憶16に格納し、ゲーム画面74を表示部32に表示させる。
【0094】
制御部14は、ユーザの操作に基づいて操作対象を動作させる(S11)。例えば、ユーザによる操作と、複数種類の動作のうち操作対象が行うべき動作と、の関連付けがゲームプログラムに記述されており、S11においては、制御部14は、ユーザが行った操作に関連付けられた種類の動作を、操作対象にさせる。例えば、制御部14は、ユーザが方向指示操作を行った場合、当該方向指示操作が示す方向に操作対象を移動させる。また例えば、ユーザの操作対象がボール52を保持している状態で、ユーザがボール52の移動操作(例えば、パス操作又はシュート操作)を行った場合、当該移動操作が示す方向にボール52を移動させる。
【0095】
制御部14は、動作中フラグの値を参照する(S12)。動作中フラグは、キャラクタ54がコンビネーション動作をしているか否かを識別するためのフラグであり、主記憶16に記憶される。動作中フラグがオンである場合は、コンビネーション動作をしている最中であることを示し、動作中フラグがオフである場合は、コンビネーション動作をしている最中ではないことを示す。
【0096】
動作中フラグがオフであると判定された場合(S12;オフ)、制御部14は、ゲーム空間40に設定された複数の小領域64のうちから、ユーザの操作対象の現在位置を含む小領域64を特定する(S13)。各小領域64の位置を示す情報は、ハードディスク26又は光ディスク36から読み出されており、予め主記憶16に格納されているものとする。なお、ユーザの操作対象が小領域64にいない場合は、S14〜S21の処理は実行しないようにしてもよい。これにより、ユーザの操作対象が小領域64にいる場合にのみ、コンビネーション動作をするか否か判断することができる。
【0097】
制御部14は、設定内容データを参照し、S13で特定した小領域64に関連付けられた動作IDを取得する(S14)。制御部14は、実行中のゲームの状況と、S14で取得した動作IDが示すコンビネーション動作の基準状況と、が同一又は類似であるか否かを判定する(S15)。
【0098】
同一又は類似であると判定された場合(S15;Y)、制御部14は、発動可能アイコン78をゲーム画面74に表示させる(S16)。なお、発動可能アイコン78は、S15において状況が同一又は類似でないと判定された場合に消去されるようにしてもよいし、一定時間経過後に消去されるようにしてもよい。また、ユーザの操作により発動可能アイコン78が消去されるようにしてもよい。
【0099】
制御部14は、コントローラ30の検出信号に基づいて、所与の操作が行われたか否かを判定する(S17)。所与の操作が行われたと判定された場合(S17;Y)、制御部14は、動作中フラグをオンにする(S18)。そして、制御部14は、動作内容データを参照し、S14で取得した動作IDに基づいて、複数のキャラクタ54の各々にコンビネーション動作をさせる(S19)。
【0100】
S19においては、まず、制御部14は、コンビネーション動作をさせる複数のキャラクタ54を選出する。例えば、制御部14は、ユーザの操作対象の位置と、各キャラクタ54の位置と、に基づいて、複数のキャラクタ54を選出する。ここでは、制御部14は、ユーザの操作対象から近い順に複数のキャラクタ54を選出する。そして、制御部14は、当該選出した複数のキャラクタ54の各々を、S14で取得した動作IDが示すコンビネーション動作に基づいて動作させることになる。
【0101】
制御部14は、コンビネーション動作が終了したか否かを判定する(S20)。コンビネーション動作が終了したと判定された場合(S20;Y)、制御部14は、動作中フラグをオフにする(S21)。
【0102】
一方、動作中フラグがオンであると判定された場合(S12;オン)、S13〜S18の処理を実行せず、S19の処理に移行する。この場合、複数のキャラクタ54がコンビネーション動作に基づいて動作中であるので、続きのコンビネーション動作が行われる。
【0103】
また、状況が同一又は類似であると判定されない場合(S15;N)、所与の操作が行われたと判定されない場合(S17;N)、S22の処理に移行する。この場合、コンビネーション動作が行われないことになる。一方、コンビネーション動作が終了したと判定されない場合(S20;N)、S21の処理を実行せず、S22の処理に移行する。この場合、動作中フラグがオンのままであるので、次にS12の処理が実行された場合は、S19の処理に移行して続きのコンビネーション動作が行われる。
【0104】
制御部14は、所与の行動パターンに基づいて、他のキャラクタ54(56)を動作させる(S22)。他のキャラクタ54(56)とは、ユーザの操作対象、及び、コンビネーション動作中ではないキャラクタ54のことである。
【0105】
制御部14は、ゲーム状況データを更新する(S23)。S23においては、制御部14は、各キャラクタ54(56)の動作やボール52の移動に基づいて、ゲーム状況データを更新する。また、ユーザの操作対象が切り替わった場合にも、ゲーム状況データが更新される。
【0106】
制御部14は、終了条件を満たすか否かを判定する(S24)。終了条件は、本処理を終了させるために定められた条件であればよい。例えば、試合の終了時間が到来したか否か、ユーザにより所与の操作が行われたか否かが終了条件に相当する。終了条件を満たさないと判定された場合(S24;N)、S11の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判定された場合(S24;Y)、本処理は終了する。
【0107】
以上説明したゲーム装置10によれば、ユーザの操作対象がいる小領域64に関連付けられた動作IDのコンビネーション動作を、複数のキャラクタ54の各々にさせることができるので、ユーザの望み通りの動作を各キャラクタ54にさせることが可能になる。例えば、実施形態のような複数のキャラクタ54で行われるスポーツゲームにおいては、キャラクタ54どうしの連携プレイが行われることになるので、スポーツゲームの醍醐味を味わうことができる。
【0108】
また、ユーザが小領域64を指定することによって、ユーザの操作対象が当該小領域64に入るか否かによってコンビネーション動作をさせるか否かを判断することができるため、不必要な判断処理を行うことがなくなり、ゲーム装置10の処理負荷を軽減することができる。例えば、ユーザは、自分の操作対象以外のキャラクタ54(例えば、他のユーザの操作対象であるキャラクタ54(又はオブジェクト))の動作や位置を特に確認する必要がなく、かつ、当該キャラクタ54の動作や位置についての指示操作が不要であるため、自身の操作対象を移動させ、所定の操作を行うという簡易な操作でコンビネーションプレイを実施できる。
【0109】
より具体的には、複数のキャラクタ54の各々を動作させる場合、一人のキャラクタ54のみを動作させる場合と比べて、それぞれの動きにより多くのバリエーションが存在するため、多くの動作情報を用意しておかなければならない。例えば、ユーザの操作と動作情報とを対応付けておけば、ユーザの操作に応じた動作を複数のキャラクタ54の各々にさせることはできるが、動作情報の分だけ操作(操作部材又は操作パターン)を対応付けておかなければならない。このため、ユーザが各動作情報を使い分けるためには、より多くの操作を覚えておかなければならない。この点、上記のゲーム装置10では、各小領域64にコンビネーション動作を関連付けておくことによって、比較的簡易な操作(例えば、操作対象の移動操作、及び、コンビネーション動作を発動するための所与の操作)を行うだけで、複数のキャラクタ54に適切なコンビネーション動作をさせることができる。更に、例えば、コンビネーション動作ごとに操作を用意しておく必要がなく、ユーザは、操作対象の移動操作という比較的簡易な操作で、コンビネーション動作を使い分けることができる。
【0110】
また、ユーザが指定した小領域64ごとに、キャラクタ54がすべき動作を指定して記録しておくことができるので、よりユーザの望み通りの動作を動作対象にさせることができる。更に、複数種類の動作候補のうちからユーザが指定したものを記録することができるので、ユーザが動作を指定する際の支援をすることができる。また、小領域64ごとに動作候補を関連付けておくことによって、各小領域64に最適な動作候補をユーザに指定させることができる。
【0111】
また、実行中のゲームの状況と基準状況との比較結果に基づいて動作制御を許可することができるので、例えば、最適な状況において動作情報が示す動作をさせることができ、かつ、動作情報が示す動作をすべきでない状況のときに動作制御が行われることを防止することができる。
【0112】
また、ユーザの操作対象と各動作対象との位置関係に応じて動作制御を許可することができるので、例えば、ユーザの操作対象と各動作対象との位置関係が最適である場合に動作情報が示す動作をさせることができ、かつ、ユーザの操作対象と各動作対象との位置関係が、動作情報が示す動作をさせるべきでない位置関係のときに動作制御が行われることを防止することができる。
【0113】
また、ゲームの実行中において、発動可能アイコン78が表示されるため、コンビネーション動作の実行が許可されているか否かをユーザが容易に把握することができる。
【0114】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0115】
図12は、変形例の機能ブロック図である。
図12に示すように、以降説明する変形例では、実施形態の機能に加えて、類似具合通知部124、移動判定部126、及び小領域設定部128が実現される。これら各機能は、制御部14を主として実現される。なお、ゲーム装置10において、下記に説明する機能は省略するようにしてもよい。
【0116】
(1)例えば、実行中のゲームの状況と基準状況との類似具合をユーザに通知するようにしてもよい。即ち、基準状況は、コンビネーション動作をさせることが好ましい状況といえるので、上記の類似具合を通知することで、コンビネーション動作をさせるのに適した状況か否かをユーザに通知することができる。
【0117】
本変形例のゲーム装置10は、類似具合通知部124を含む。類似具合通知部124は、ゲームの実行中において、状況比較部118の比較結果に基づいて、実行中のゲームの状況と基準状況との類似具合(ずれ具合)をユーザに通知する。類似具合通知部124は、状況の類似具合を示す画像をゲーム画面74に表示させたり、状況の類似具合を示す音声を音声出力部34から出力したりする。状況の類似具合を判定する方法は、実施形態で説明した方法と同様であり、例えば、ゲーム状況データの各項目の値と、基準状況の各項目の値と、のずれに基づいて判定される。
【0118】
例えば、類似具合通知部124は、状況の類似具合を表す数値を通知したり、実行中のゲームの状況が基準状況と一致している項目を通知したりする。なお、類似具合通知部124が状況の類似具合を通知する方法は、これに限られない。例えば、基準状況に含まれる各項目のうちで実行中のゲームの状況が類似していない項目を通知すること、当該項目が類似するために必要な操作又はキャラクタ54の動作を通知することが、状況の類似具合を通知することに相当してもよい。
【0119】
例えば、
図4に示すように2人のキャラクタ54が所定方向に移動することがコンビネーション動作に相当する場合、当該コンビネーション動作をさせるために必要なキャラクタ54の人数が足りなかったり、人数が足りていても移動させるべきキャラクタ54のポジションではなかったりした場合に、人数が足りないことやポジションが相違していることが通知されるようにしてもよい。この場合、例えば、「味方の上がりを待て」や「フォワードのサポートを待て」等の画像や音声が出力されることによって、状況の類似具合が通知される。他にも例えば、基準状況が示す位置関係を満たすキャラクタ54がいない場合、当該満たしていない位置関係が通知されるようにしてもよい。この場合、例えば、キャラクタ54が操作対象に対して左側にしかいない場合、「左に切り込め」等の画像や音声が出力されることになる。
【0120】
変形例(1)によれば、ゲームの実行中において、コンビネーション動作をさせるのに適した状況であるか否かをユーザが容易に把握することができる。特に、実施形態のように、ゲーム空間40においてキャラクタ54がボール52を移動させるゲームでは、コンビネーション動作をさせるのに適した状況でなければ、対戦相手チームのキャラクタ56にボール52を奪われて戦況が変わってしまうため、状況の類似具合を通知することで、より最適なタイミングでコンビネーション動作をさせることができる。
【0121】
(2)また例えば、動作制御部116は、基準状況に基づいて、コンビネーション動作をさせる動作対象のキャラクタ54を選出するようにしてもよい。即ち、コンビネーション動作をさせるのに好ましいキャラクタ54を選出するようにしてもよい。
【0122】
本変形例の動作制御部116は、状況比較部118の比較結果に基づいて、ゲーム空間40に配置された複数の動作対象(例えば、キャラクタ54)のうちの複数を選出する。動作制御部116は、当該選出された動作対象(例えば、キャラクタ54)の各々を、動作情報に基づいて動作させる。
【0123】
例えば、基準状況が、ユーザの操作対象と、他の複数のキャラクタ54の各々と、の位置関係が所与の関係であることを示す場合、動作制御部116は、ユーザの操作対象以外のキャラクタ54のうちから、ユーザの操作対象との位置関係が当該所与の関係であるキャラクタ54を選出する。これにより、ユーザの操作対象との連携プレイにより適した位置にいるキャラクタ54にコンビネーション動作をさせることができる。
【0124】
また例えば、基準状況が、ボール52と、他の複数のキャラクタ54の各々と、の位置関係が所与の関係であることを示す場合、動作制御部116は、ユーザの操作対象以外のキャラクタ54のうちから、ボール52との位置関係が当該所与の関係であるキャラクタ54を選出する。これにより、ボール52の移動により効果的な位置にいるキャラクタ54にコンビネーション動作をさせることができる。
【0125】
また例えば、基準状況が、複数のキャラクタ54の各々の能力が所与の能力であることを示す場合、動作制御部116は、ユーザの操作対象以外のキャラクタ54のうちから、所与の能力を有するキャラクタ54を選出する。これにより、コンビネーション動作をさせるのに適した能力を有するキャラクタ54にコンビネーション動作をさせることができる。
【0126】
変形例(2)によれば、コンビネーション動作をさせるのに最適なキャラクタ54を選出して動作させることができる。
【0127】
(3)また例えば、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された場合、ユーザの操作対象が、当該小領域64から一度出た後でなければ、この小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されないようにしてもよい。
【0128】
本変形例のゲーム装置10は、移動判定部126を含む。移動判定部126は、ユーザの操作対象の現在位置を含む小領域64に関連付けられた動作情報(例えば、動作ID)に基づいて動作制御部116が動作制御を行った場合、ユーザの操作対象が当該小領域64の外に移動したか否かを判定する。移動判定部126は、ユーザの操作対象の位置が小領域64に含まれるか否かを判定することになる。
【0129】
許可制御部120は、上記小領域64に関連付けられた動作情報に基づいた動作制御部116の動作制御を許可するか否かを、移動判定部126の判定結果に基づいて制御する。例えば、許可制御部120は、ユーザの操作対象が小領域64の外に出たと判定された場合、当該小領域64に関連付けられた動作IDに基づいた動作制御を許可し、ユーザの操作対象が小領域64の外に出ていないと判定された場合、当該小領域64に関連付けられた動作IDに基づいた動作制御を禁止する。
【0130】
変形例(3)によれば、ユーザの操作対象が小領域64の外に出た場合に、再び、当該小領域64に関連付けられたコンビネーション動作をキャラクタ54にさせることができるので、例えば、ある小領域64で連続してコンビネーション動作をさせることを防止することができる。特に、実施形態のように、ゲーム空間40でボール52を移動させるゲームでは、キャラクタ54同士でパス回しをするコンビネーション動作を繰り返して、不当に時間を稼ぐようなプレイを防止することができる。
【0131】
なお、上記では、ある小領域64においてコンビネーション動作を1回行った場合は、当該小領域64の外に出なければ当該コンビネーション動作を行うことができない場合を説明したが、コンビネーション動作を実行することができる制限回数を設けてもよい。例えば、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作は、ユーザの操作対象が当該小領域64に留まっていても、2回までは連続してコンビネーション動作を実行できるようにしてもよい。更に、この制限回数は、小領域64又はコンビネーション動作の種類ごとに異なっていてもよい。
【0132】
また、変形例(3)では、ユーザの操作対象が小領域64の外に出ることが、当該小領域64に関連付けられたコンビネーション動作を実行するための条件に相当する場合を説明したが、当該条件は、これに限られない。予め定められた条件であればよく、例えば、下記のような条件を定めることで、コンビネーション動作の連続使用を制限するようにしてもよい。
【0133】
例えば、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されてから一定時間経過することが、上記条件に相当するようにしてもよい。この場合、許可制御部120は、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された場合に計時を開始し、経過時間が閾値を超えるまでは、当該コンビネーション動作が実行されることを制限し、経過時間が閾値を超えた場合に、当該コンビネーション動作が実行されることを許可する。このようにすれば、コンビネーション動作を連続使用させることなく、適度な時間間隔をあけさせることができる。
【0134】
また例えば、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された後に、ユーザチーム及び対戦相手チームの攻守が切り替わる(即ち、ボール52を保持するチームが変わる)ことが、上記条件に相当するようにしてもよい。この場合、許可制御部120は、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された場合にボール52を保持しているチームを特定し、他のチームがボール52を保持するまでは、当該コンビネーション動作が実行されることを制限し、他のチームがボール52を保持した場合に、当該コンビネーション動作が実行されることを許可する。このようにすれば、攻守が切り替わるまでは、コンビネーション動作の連続使用を防止することができる。更に、特定のコンビネーション動作を繰り返すことにより、ボール52が奪われなくするようなゲームプレイを防止することができる。
【0135】
また例えば、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された後に、他の小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されることが、上記条件に相当するようにしてもよい。この場合、許可制御部120は、ある小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行された場合に、他の小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されたか否かを判定する。そして、許可制御部120は、他の小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されていないと判定された場合、コンビネーション動作が実行されることを制限し、他の小領域64に関連付けられたコンビネーション動作が実行されたと判定された場合、コンビネーション動作が実行されることを許可する。これにより、ユーザに、種々の場所でコンビネーション動作を実行させることを促進することができ、多様なコンビネーションが実現される。
【0136】
(4)また例えば、実施形態のように、ゲーム空間40が、ユーザの操作対象及び各動作対象に関連付けられたユーザ領域(例えば、ユーザチームの陣地)と、対戦相手に関連付けられた対戦相手領域(例えば、対戦相手チームの陣地)と、を含む場合、小領域64の広さや数を、対戦相手領域側に設定するようにしてもよい。ユーザ領域は、ユーザチームに関連付けられたゴール44がある領域であり、対戦相手領域は、対戦相手チームに関連付けられたゴール44がある領域である。
【0137】
本変形例のゲーム装置10は、小領域設定部128を含む。小領域設定部128は、対戦相手領域に含まれる小領域64の広さ又は数が、ユーザ領域に含まれる小領域64の広さ又は数よりも広く又は多くなるように、ゲーム空間40に複数の小領域64を設定する。例えば、小領域設定部128は、対戦相手領域に含まれる複数の小領域64の面積が、ユーザ領域に含まれる複数の小領域64の面積よりも大きくなるように小領域64を設定する。
【0138】
変形例(4)によれば、対戦相手領域の方に小領域64を広く又は多く設定することができるので、例えば、対戦相手領域内での動作の多様性を高めることができる。言い替えると、移動目標位置(例えば、対戦相手チームのゴール44)の周辺領域の方に小領域64の数が多く又は広くなるように設定する。このようにすることで、移動目標位置(例えば、対戦相手チームのゴール44)の周辺領域における動作の多様性を高めることができる
【0139】
(5)また例えば、実施形態と上記変形例の二つ以上とを組み合わせるようにしてもよい。
【0140】
また例えば、上記においては、各小領域64に一つのコンビネーション動作が関連付けられる場合を説明したが、各小領域64には複数のコンビネーション動作が関連付けられるようにしてもよい。この場合、ゲームの状況と、上記複数のコンビネーション動作の各々と、を関連付けておき、小領域64に関連付けられた複数のコンビネーション動作のうち、実行中のゲームの状況に関連付けられたものを使用するようにしてもよい。また例えば、ユーザの操作対象がいる小領域64に関連付けられた複数のコンビネーション動作のうちの何れかがランダムに選出されて使用されるようにしてもよい。更に、ユーザの操作内容と、一の小領域64に関連付けられた複数のコンビネーション動作の各々と、を関連付けておき、ユーザの操作に応じて、ある小領域64に関連付けられた複数のコンビネーション動作を使い分けるようにしてもよい。
【0141】
また例えば、上記においては、基準状況が満たされた場合にのみ、複数のキャラクタ54の各々にコンビネーション動作をさせることができる場合を説明したが、ユーザが所定の操作をすれば、基準状況が満たされていなくても、コンビネーション動作をさせるようにしてもよい。即ち、ユーザの操作対象が小領域64内に位置しており、かつ、ユーザが所与の操作をしさえすれば、例えば、他のキャラクタ54の位置に関らずコンビネーション動作をさせるようにしてもよい。
【0142】
また例えば、本発明に係る動作情報が、動作IDである場合を説明したが、動作情報はコンビネーション動作を識別可能な情報であればよい。また、本発明に係る処理を実行するために必要なデータ例は、実施形態の例に限られない。例えば、動作情報と基準状況とが同じデータに含まれているようにしてもよいし、それぞれが別データであり互いに関連付けられているようにしてもよい。
【0143】
また例えば、上記実施形態及び変形例では、小領域64内にユーザの操作対象がいることを条件として、当該小領域64に関連付けられたコンビネーション動作を他のキャラクタ54にさせているが、当該小領域64にいないキャラクタ54がコンビネーション動作の動作対象になるようにしてもよい。即ち、コンビネーション動作をさせるキャラクタ54は、ユーザの操作対象がいる小領域64の中にいてもよいし外にいてもよい。
【0144】
また例えば、ユーザが小領域64を指定した後にコンビネーション動作を指定する場合を説明したが、ユーザが小領域64を指定した場合にコンビネーション動作が自動的に設定されるようにしてもよい。逆に、ユーザがコンビネーション動作を指定した場合に、小領域64が自動的に設定されるようにしてもよい。
【0145】
また例えば、戦術設定画面60において、ユーザがコンビネーション動作を指定した場合に、当該コンビネーション動作が設定可能な小領域64の候補をユーザに提示するようにしてもよい。この場合、動作候補データが参照され、ユーザが指定したコンビネーション動作の動作IDが関連付けられている小領域64が候補として提示される。当該提示された小領域64の候補のうちの少なくとも一つをユーザが選択すると、当該選択された小領域64と上記指定されたコンビネーション動作とが関連付けられて、設定内容データに記録されることになる。
【0146】
また例えば、予め用意された複数の小領域64のうちからユーザが指定する場合を説明したが、ユーザが小領域64の位置及び広さ自体を指定できるようにしてもよい。例えば、ユーザは、所与の描画操作を行うことで、小領域64を指定できるようにしてもよい。
【0147】
また例えば、ゲーム空間40を、
図2に示すような3次元空間として説明したが、本発明に係るゲーム空間は、キャラクタ54(56)やボール52の位置等が、2つの座標要素で管理されるような2次元ゲーム空間であってもよい。
【0148】
また、上記においては、スタンドアロン型ゲームを例に挙げて説明したが、ソーシャルネットワークを利用したオンライン型ゲーム(例えば、いわゆるブラウザ型ゲームやネイティブアプリ型ゲームを含む)等の種々のゲームに本発明を適用するようにしてもよい。この場合、ユーザが操作する端末に接続されたサーバが、本発明に係るゲーム装置に相当するようにしてもよい。
【0149】
また例えば、本発明は、サッカーゲーム以外のゲームを実行するゲーム装置にも適用することができる。本発明は、所定のゲーム空間において、CPUによって制御される動作対象とユーザによって操作する操作対象が参加するゲームに適用できる。例えば、各種スポーツゲーム(例えば、バスケットボールゲーム、アイスホッケーゲーム、又は、アメリカンフットボールゲーム)、シューティングゲーム(例えば、FPS;First Person Shooting)やアクションゲーム、ロールプレイングゲーム等を実行するゲーム装置にも、本発明を適用することができる。
【0150】
また例えば、本実施例では、動作対象がキャラクタ54(56)である場合を説明したが、ゲーム空間40においてCPUによって動作制御されるものが動作対象であればよく、他にも例えば、ロボットや飛行機のような機械が動作対象であってもよい。また例えば、本実施例では、ゲーム空間の領域が一定の形状であったが、これに限られず、小領域を設定できればどのような形状であっても良い。