特許第5941014号(P5941014)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941014
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】双腕作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20160616BHJP
【FI】
   E02F9/26 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-94196(P2013-94196)
(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公開番号】特開2014-214539(P2014-214539A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年1月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 http://www.hiatchi−power.solutions.com/news/data/news20121207_ASTACO−Sora.pdfの適用を認める。
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081569
【弁理士】
【氏名又は名称】若田 勝一
(74)【代理人】
【識別番号】100156018
【弁理士】
【氏名又は名称】若田 充史
(72)【発明者】
【氏名】奥田 一晶
【審査官】 富山 博喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭64−080628(JP,A)
【文献】 実開平01−057150(JP,U)
【文献】 特開2000−282512(JP,A)
【文献】 特開2005−256356(JP,A)
【文献】 特開2004−116108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体の旋回フレームに起伏可能に取付けたブームを含む多関節構造の作業用フロントを2組備えた双腕作業機において、
前記旋回フレームの前部に設けたフロント取付けフレームに、フロント取付け部を有するブラケットが設けられており、
前記ブラケットの前記フロント取付け部の左右に、左右の作業用フロントがそれぞれ左右方向に揺動可能に取付けられており、
前記ブラケットの上部に、左右の作業用フロントをそれぞれ揺動させる油圧シリンダが、横向きにかつ前後に隣接されて取付けられており、
前記各作業用フロントのブームの根本部の背面側に、前記作業用フロントの構成部材の回動角を検出する角度センサ設けられていることを特徴とする双腕作業機
【請求項2】
請求項1に記載の双腕作業機において、
前記作業用フロントはブームにアームを回動可能に取付けた構造を有し、
前記ブームの背面側に取付ける角度センサとして、ブーム角度センサおよびアーム角度センサを備えたことを特徴とする双腕作業機
【請求項3】
請求項2に記載の双腕作業機において、
前記ブームの根本部の背面側にセンサ取付け板設けられており、このセンサ取付け板に、前記ブーム角度センサと前記アーム角度センサと取付けられていることを特徴とする双腕作業機
【請求項4】
請求項2記載の双腕作業機において
前記アーム角度センサの検出レバーと前記アームとの間に、ブーム側面に回動可能に設けた中継リンクと、この中継リンクの両端と前記アームおよび前記検出レバーとの間をそれぞれ連結するロッドとを有するリンク機構設けられていることを特徴とする双腕作業機
【請求項5】
請求項1記載の双腕作業機において、
前記旋回フレームに左右に揺動可能に取付けられた揺動ブラケットを備え、
前記揺動ブラケットに前記作業用フロント取付けられており
前記揺動ブラケットに、前記作業用フロントの揺動角を検出する角度センサ設けられていることを特徴とする双腕作業機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部旋回体に多関節構造の作業用フロントを2組取付けてなる双腕作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
下部走行体上に旋回装置を介して上部旋回体を設置し、上部旋回体に多関節構造の作業用フロントを取付けた双腕作業機が、建設、解体等の各種用途に用いられる。このような双腕作業機においては、動作姿勢確認等の目的をもって、ブーム、アーム等のフロント構成部材の角度を検出する角度センサが設けられる。従来の作業機においては、角度センサは、例えば特許文献1に開示されているように、関節部に設けられるピンの端部、すなわちフロント構成部材の軸受部の側面に取付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−8457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物内部や狭隘な地下空間等で例えば解体等の作業を行なう場合、作業機は小型に構成する必要がある。しかしながら、従来のように、ピンの端部となるフロント構成部材の軸受部の側面に角度センサを取付ける構造においては、作業機が小型になると角度センサの取付けスペースも狭くなり、角度センサの取付けが困難となる。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑み、角度センサの取付けが容易となる双腕作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の双腕作業機は、上部旋回体の旋回フレームに起伏可能に取付けたブームを含む多関節構造の作業用フロントを2組備えた双腕作業機において、
前記旋回フレームの前部に設けたフロント取付けフレームに、フロント取付け部を有するブラケットが設けられており、
前記ブラケットの前記フロント取付け部の左右に、左右の作業用フロントがそれぞれ左右方向に揺動可能に取付けられており、
前記ブラケットの上部に、左右の作業用フロントをそれぞれ揺動させる油圧シリンダが、横向きにかつ前後に隣接されて取付けられており、
前記各作業用フロントのブームの根本部の背面側に、前記作業用フロントの構成部材の回動角を検出する角度センサ設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の双腕作業機は、請求項1に記載の双腕作業機において、
前記作業用フロントはブームにアームを回動可能に取付けた構造を有し、
前記ブームの背面側に取付ける角度センサとして、ブーム角度センサおよびアーム角度センサを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の双腕作業機は、請求項2に記載の双腕作業機において、
前記ブームの根本部の背面側にセンサ取付け板設けられており、このセンサ取付け板に、前記ブーム角度センサと前記アーム角度センサと取付けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の双腕作業機は、請求項2記載の双腕作業機において、
前記アーム角度センサの検出レバーと前記アームとの間に、ブーム側面に回動可能に設けた中継リンクと、この中継リンクの両端と前記アームおよび前記検出レバーとの間をそれぞれ連結するロッドとを有するリンク機構設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の双腕作業機は、請求項1記載の双腕作業機において、
前記旋回フレームに左右に揺動可能に取付けられた揺動ブラケットを備え、
前記揺動ブラケットに前記作業用フロント取付けられており
前記揺動ブラケットに、前記作業用フロントの揺動角を検出する角度センサ設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明においては、双腕作業用フロントの構成部材の回動角を検出する角度センサ、ブームの根本部の背面側に設けられているので、角度センサの取付けがブーム側面の軸受部の広さによる制約を受けず、角度センサの取付けが容易となる。このため、軸受部を不必要に広くする必要がなくなり、狭い作業空間で小回りのきく双腕作業機を実現することができる。
【0012】
請求項2の発明においては、ブームの背面側に取付ける角度センサとして、ブーム角度センサおよびアーム角度センサを備えたので、これらの角度センサの取付けが容易となり、双腕作業機の小型化に貢献できる。
【0013】
請求項3の発明においては、ブームの根本部の背面側にセンサ取付け板が設けられ、このセンサ取付け板に、前記ブーム角度センサと前記アーム角度センサとが取付けられているので、これらの角度センサを狭いスペースにコンパクトに纏めることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、ブーム側面に設けた中継リンクおよび連結用ロッドを有するリンク機構を介してアームとアーム角度センサの検出レバーとの間が連結されているので、連結用ロッドとして短いものを用いることができ、ロッドにたわみ等の生じることなく、アームの回動を正確に反映した角度検出を行なうことができる。また、中継リンクにおける中心軸と各ロッドのとの連結点までの距離の比を選択することにより、アーム角度センサとして好ましい検出精度で角度信号を得ることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、作業用フロントの左右の揺動角を検出する角度センサもブームの根本部を取付ける揺動ブラケットに設けられているので、角度センサの配線をブームの根本部に纏めることができ、配線を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明一実施の形態を示す双腕作業機の側面図である。
図2図1双腕作業機の平面図である。
図3】この実施の形態のフロント取付け構造を示す斜視図である。
図4】この実施の形態における旋回フレームを示す斜視図である。
図5】この実施の形態における作業用フロント取付け用ブラケットとフロント揺動用油圧シリンダの取付け構造を示す斜視図である。
図6】この実施の形態における作業用フロントのブラケットに対する取付け部および角度センサの取付け構造を示す一部断面側面図である。
図7】この実施の形態における角度センサの取付け構造を示す側面図である。
図8】この実施の形態における角度センサの取付け構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の一実施の形態を示す双腕作業機の側面図、図2はその平面図である。この実施の形態の双腕作業機は無線操作によって制御されるものについて示している。1は履帯式下部走行体、2はこの下部走行体1上に旋回装置3を介して設置された上部旋回体である。上部旋回体2は旋回フレーム2a上に建屋4設置され、建屋4内にエンジンや油圧ポンプ等を含むパワーユニット5やコントロール弁(図示せず)等搭載されて構成される。建屋4上にはオペレータが持つ送信機(図示せず)からの操作信号を受けて走行、旋回、フロント操作を行なう受信機付きコントローラ6が搭載される。7は下部走行体1のフレームに上下動可能に取付けられた排土板である。
【0018】
9は旋回フレーム2aの前部に旋回フレーム2aと一体に設けられたフロント取付けフレームである。図3図4の斜視図に示すように、このフロント取付けフレーム9は、旋回フレーム2aに含まれる左右の縦板2b,2bの前部を上方に立ち上げて形成されている。
【0019】
11はこれらのフロント取付けフレーム9,9に取付けられるフロント取付け用ブラケットである。図5の斜視図に示すように、このブラケット11は、2枚の脚板11aを有し、これらの脚板11aにそれぞれ上下にピン孔11b、11bを有する。図3に示すように、このブラケット11の2枚の脚板11a,11aは、フロント取付けフレーム9,9間に挿入され、上下2本のピン12,12フロント取付けフレーム9のピン孔9a,9aとブラケット11のピン孔11b,11bに挿着されてブラケット11がフロント取付けフレーム9,9に取付けられる。
【0020】
図5に示すように、ブラケット11の上部には左右に長くボックス状に形成されたフロント取付け部11cを有し、その左右の端部に円筒状の軸受13A,13Bが固着されている。14A,14Bはそれぞれ左右に1組ずつ、合計2組の作業用フロント15A,15B(図3参照)それぞれ左右に揺動可能に取付けられる揺動ブラケットである。これらの揺動ブラケット14A,14Bは、これらに取付けた縦軸16A,16B軸受13A,13Bに回動可能に内嵌されることにより、ブラケット11に左右に揺動可能に取付けられる。
【0021】
図5において、18A,18Bはそれぞれ左右の作業用フロント15A,15Bを揺動させる油圧シリンダである。19はシリンダ取付け板であり、このシリンダ取付け板19は、ブラケット11のフロント取付け部11cの上面にこの上面と間隔を有して固定される。油圧シリンダ18A,18Bの一端は、フロント取付け部11cとシリンダ取付け板19との間に取付けたピン20A,20Bにより、ブラケット11に連結される。油圧シリンダ18A,18Bの他端は、揺動ブラケット14A,14Bにそれぞれ固着した平行板状の連結部21A,21Bにピン22A,22Bにより連結される。したがって、油圧シリンダ18A,18Bの伸縮により、揺動ブラケット14A,14Bが左右に揺動する。
【0022】
油圧シリンダ18A,18Bは、左右の幅方向に対してやや傾斜させて横向きに取付けられると共に、油圧シリンダ18A,18Bは前後に隣接させて取付けられる。
【0023】
図1図3に示すように、左右の作業用フロント15A,15Bは、ブーム24A,24Bとアーム26A,26Bとを有する多関節構造を有する。ブーム24A,24Bは、揺動ブラケット14A,14Bにそれぞれピン23A,23Bにより起伏可能に取付けられる。アーム26A,26Bは、それぞれブーム24A,24Bに対してピン25A,25Bにより回動可能に連結される。ブーム24A,24Bをそれぞれ起伏させる油圧シリンダ27A.27Bは、各一端をそれぞれ揺動ブラケット14A,14Bにそれぞれピン28A,28Bにより連結し、他端をそれぞれピン29A,29Bによりブーム24A,24Bに連結して取付けられる。30A,30Bはブーム24A,24Bに対してアーム26A,26Bを回動させる油圧シリンダである。
【0024】
31A,31Bはそれぞれアーム26A,26Bの先端にピン32A,32Bを中心として油圧シリンダ33A,33Bにより回動可能に取付けられた作業具取付け用のブラケットである。この例では解体を行なうため、図1に示すように一方のブラケット31Aに旋回装置34を介してカッタ35取付けられており、他方には例えばホーク等の把持具(図示せず)が取付けられる。解体を行なう場合、カッタ35の代わりに高速回転カッタが取付けられる場合もある。その他、作業目的に応じた作業具が作業具取付け用のブラケット31A,31Bに取付けられる。
【0025】
36A,36Bはそれぞれ左右の作業用フロント15A,15Bの油圧式アクチュエータ(油圧シリンダ27A,27B,30A,30B,33A,33Bおよび旋回装置34や作業具をそれぞれ作動させる不図示の油圧式アクチュエータ)に作動油を供給する油圧ホースを収容した可撓性を有する筒状カバーである。37は旋回フレーム2aの前部に取付けられた回転式継手であり、カバー36A,36B内の油圧ホースの基端部が接続されるものである。これらのカバー36A,36B、すなわち作業用フロント15A,15Bの油圧式アクチュエータに作動油を供給する油圧ホース、作業用フロント15A,15Bの内側すなわち相互の対向面に取付けられている。
【0026】
このように、カバー36A,36Bに収容される油圧ホース作業用フロント15A,15Bの内側に取付けられる理由は、油圧ホースの作業中における損傷を防止するためである。すなわち、旋回装置3の作動により上部旋回体2を旋回させる際や、作業用フロント15A,15Bを左右に揺動させるかあるいは上方に動かした際に、作業用フロント15A,15Bに添設する油圧ホースが障害物に衝突して損傷することを防止するためである。また、回転式継手37を用いて作業用フロント15A,15Bに添設する油圧ホースを接続することにより、油圧ホースに捻れ等により過大な力が作用することを防ぎ、油圧ホースの損傷防止を図っている。
【0027】
図6は作業用フロント15Aのブラケット11に対する取付け部および角度センサの取付け構造を示す側面図である。図6において、39は作業用フロント15Aの左右の揺動角を検出するための角度センサであり、この揺動角度センサ39は、揺動ブラケット14Aに設けた筒体46上にこの筒体46に内嵌する縦軸16Aと同心に取付けられている。また、40は作業用フロント15Aのブーム24Aの起伏角を検出するブーム角度センサ、41はブーム24Aに対するアーム26Aの角度を検出するアーム角度センサである。47はブーム24Aの根本部の背面にボルト48(図8参照)により取付けられた角度センサ取付け用の取付け板である。これらのブーム角度センサ40およびアーム角度センサ41は、この取付け板47にそれぞれボルト49,50により取付けられる。
【0028】
図7の側面図にアーム角度センサ41の回動角検出機構を示す。図7において、43はブーム24Aの側面に軸42を中心として回動可能に取付けられた中継リンクである。この中継リンク43の一端とアーム角度センサ41の検出レバー41aとロッド44により連結され、中継リンク43の他端、ロッド45によりアーム26Aに取付けられた連結部材51に連結される。各ロッド44,45の両端の連結部はボールジョイント44a,45aによって構成され、これによってロッド44,45の曲がり方向の力が作用しても、連結部に無理な力が生じないようにしている。また、これらのロッド44,45は長さ調整部44b、45bによって長さ調整可能に構成されている。
【0029】
図7において、ブーム24Aに対してアーム26Aが回動することにより、ロッド45を介して中継リンク43が軸42を中心に回動され、これに伴ってロッド44を介してアーム角度センサ41の検出レバー41aがアーム角度センサ41の本体に対して回動されるので、ブーム24Aに対するアーム26Aの回動角を検出することができる。
【0030】
図8は角度センサ39〜41を拡大して示す斜視図である。52は揺動ブラケット14Aに取付けられた連結部材であり、この連結部材52とブーム角度センサ40の検出レバー40aとの間ロッド53により連結される。
【0031】
このロッド53も前記ロッド44,45と同様に、両端にボールジョイント53aと長さ調整部53bとを備える。このブーム角度センサ40においては、ブーム24Aの起伏に伴ってブーム角度センサ40の本体に対して検出レバー40aが回動するため、ブーム24Aの起伏角を検出することができる。
【0032】
図8に示すように、揺動角センサ39は、揺動ブラケット14Aにおいて、前記筒体46上にボルト54により取付けられる。55は揺動角検出のためにブラケット11のフロント取付け部11cに固定された連結部材である。この連結部材55と揺動角度センサ39の検出レバー39aとの間ロッド56により連結される。このロッド56は前記ロッド44,45,53と同様に、両端にボールジョイント56aと長さ調整部56bとを備える。右側の作業用フロント15Bについても同様の構成の揺動角度センサ39、ブーム角度センサ40およびアーム角度センサ41取付けられる。
【0033】
このように、この実施の形態においては、作業用フロント15A,15Bの構成部材であるブーム24A,24Bやアーム26A,26Bの回動角を検出する角度センサ40,41をブーム24A,24Bの根本部の背面に設けられ、揺動ブラケット14A,14Bの揺動角を検出する角度センサ39円筒状の軸受13A,13B上に設けられているので、角度センサ39,40,41の取付けが作業用フロント15A,15Bの軸受部となる揺動ブラケット14A,14Bや、ブーム24A,24Bとアーム26A,26Bとをピン連結する軸受部側面等の広さ(スペース)の制約を受けることなく、角度センサ39,40,41の取り付けが容易となる。また、ブーム24A,24Bやアーム26A,26Bの側方に、センサやセンサを取付けるためのブラケットが大きく突出することがないので、作業中にセンサが土砂や解体対象物に曝されることがなくセンサの損傷を防止することができる。さらに複数のセンサブーム24A、24Bの基端部の1箇所にまとめてコンパクトに配置されているので、取付部分の構成が大型化することなく、建屋内や地下空間等における狭い作業空間で小回りの利く小型の作業機の実現に寄与することができ、また、複数のセンサの取付作業、メンテナンス作業を1箇所で、しかも比較的高さの低い場所で行なうことができるため、作業性も向上できる
【0034】
また、この実施の形態においては、ブーム24A,24Bの根本部の背面側にセンサ取付け板47設けられ、このセンサ取付け板47に、ブーム角度センサ40とアーム角度センサ41と取付けられているので、これらの角度センサ40,41とまとめて狭いスペースにコンパクトに取付けることができる。
【0035】
また、この実施の形態においては、ブーム24A,24Bの側面に設けた中継リンク43および連結用ロッド44,45を有するリンク機構を介してアーム26A,26Bとアーム角度センサ41の検出レバー41aとの間連結されているので、連結用ロッド44,45として短いものを用いることができ、ロッド44,45にたわみ等の生じることなく、アーム26A,26Bの回動を正確に反映した角度検出を行なうことができる。また、中継リンク43における中心軸42と各ロッド44,45との連結点までの距離の比を選択することにより、アーム角度センサ41として好ましい検出精度で角度信号を得ることができる。
【0036】
また、この実施の形態においては、作業用フロント15A,15Bの左右の揺動角を検出する角度センサ39もブーム24A,24Bの根本部を取付ける揺動ブラケット14A,14Bに設けられているので、角度センサ39〜41の配線をブームの根本部に纏めることができ、配線を簡素化することができる。
【0037】
本発明は動力源が電動機で被駆動回転体が油圧ポンプである場合にも適用することができる。また、本発明は、無線操作式等の遠隔操作式の作業機のみならず、運転席を有する作業機にも適用できる。その他、上記の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
【符号の説明】
【0038】
1:履帯式下部走行体、2:上部旋回体、2a:旋回フレーム、3:旋回装置、4:建屋、5:パワーユニット、11:フロント取付け用ブラケット、14A,14B:揺動ブラケット、15A,15B:作業用フロント、18A,18B:揺動用油圧シリンダ、23A,23B:ピン、24A,24B:ブーム、25A,25B:ピン、26A,26B:アーム、27A,27B:油圧シリンダ、30A,30B:油圧シリンダ、39:揺動角度センサ、40:ブーム角度センサ、41:アーム角度センサ、43:中継リンク、44,45,53,56:ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8