(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
一般に、本開示は、対象用途に適切な光度の均一性及び空間の均一性をもたらす照明アセンブリについて述べる。かかるアセンブリは、任意の好適な照明用途、例えば、ディスプレイ、標識、一般の照明などに用いることができる。幾つかの実施形態では、上述の照明アセンブリは、光ガイドと、光が光ガイドに入るように機能する複数の光源と、光源と光ガイドとの間に位置付けられた構造化面層と、を含む。上述のアセンブリは、アセンブリの出光面において均一の出力光束分布をもたらすように構成されてよい。「均一」という用語は、観察者には不快となるであろう観察可能な光度特性又は不連続性を有さない光分布を意味する。例えば、一般の照明用途での均一な出力光束分布は、ディスプレイ用途では均一であるとは考慮され得ないといったように、出力光束分布の許容可能な均一性は、その用途によって決定されることが多いであろう。
【0017】
本明細書で使用する「出力光束分布」という用語は、アセンブリ又は光ガイドの出光面にわたる光度の偏差を意味する。「光度」という用語は、単位立体角内への、単位面積当たりの光出力(cd/m
2)を意味する。
【0018】
LEDなどの光源及び光源の光を分配するための中実光ガイドを含む照明アセンブリは、多くの場合、光度の均一性に関する複数の課題に直面する。これらの課題のうちの1つは、広範囲での光の均一な分布である。これは、通常、光ガイドの表面又は光ガイド内部に形成される抽出機構の形状、パターン又は密度勾配を最適化することによって対処される。別の課題は、光ガイドの入射縁部付近の光度の均一性である。光ガイドの入光面における光度の不均一性を生じさせる要因は、(1)光が空気中から中実光ガイドへと入射するときに、例えば、1.49の屈折率を有する光ガイドに対して約+/−42度の全内部反射(TIR)錐内で屈折すること、及び(2)LEDが容易に線光源へと変換できない点光源であること、の2つである。その結果、個別の(discreet)点光源が約42度(半角)の光錐を光ガイドに入射させ、光ガイドの入射縁部付近の光度の均一性は、隣接する光錐間の著しいオーバーラップが存在する、この縁部から光ガイドまで特定の距離離れた場所においてのみ達成できる。
【0019】
例えば、
図5は、10mmの中心間距離を有する3個のLED 520から光ガイド510へと放射される、モデル化された幾つかの光線を示す。LEDは、光ガイド510の入光面514から1mmの距離に位置付けた。光線は、標準的なモデリング技法を用いて生成されたモデリングデータを示す。光ガイドの屈折率は1.49であった。隣接するLED 520によって放射された光錐の著しいオーバーラップ(「ヘッドライティング」として知られる現象)に欠けるため、不均一領域502が形成された。
【0020】
光ガイドの入光面付近のこの不均一領域の範囲は、次の式を用いて、ガイドの屈折率n
ガイド(ガイド内のTIR角θ
TIRを決定する)及びLED間隔D
LED(
図1Bの距離eに相当する)によって決定される。
【0021】
【数1】
LED効率は絶えず向上しているため、アセンブリの目標平均光度値をもたらすために必要なLEDの数は、減少し続けている。加えて、光ガイドの1つの縁部でより少ない数のLEDを用いることは、コスト及び熱の面で著しい利点を有し得る。しかし、より少ないLEDを用いることは、新たな問題が呈する。LEDの数が減少すると、LED同士の間隔D
LEDが増加し、不均一領域Lの範囲が大きくなり過ぎて、大部分の用途、例えば、LEDのLCDでは許容不能である。これは、「均一性の制約」として知られる。
【0022】
本開示の照明アセンブリは、光ガイドの平面で光をより効率的に拡散させることにより、光ガイドの入光面付近の不均一領域の寸法を小さくするように設計される。その結果、本開示のアセンブリは、D
LEDを大幅に増加できる。
【0023】
図1A〜Bは、照明アセンブリ100の一実施形態の概略断面図及び概略平面図である。照明アセンブリ100は、出光面112及び実質的に出光面に直交する光ガイドの少なくとも1つの縁部に沿った入光面114を有する光ガイド110と、光が入光面を通過して光ガイドに入るように位置付けられた複数の光源120と、複数の光源と入光面との間に位置付けられた構造化面層130と、を含む。図示した実施形態では、入光面はy軸に沿って延在し、複数の光源は実質的にy軸に平行である軸に沿って配置されている。幾つかの実施形態では、光源120は、光が構造化面層130を通過して、入光面114を通過して光ガイド110に入るように機能する。
【0024】
構造化面層130は、基材132と、複数の光源120に対向する基材の第1の表面133上の複数の構造体136と、を含む。入光面は、y軸に沿って延在する。幾つかの実施形態では、複数の構造体136は、本明細書で詳述するように、光ガイド110の屈折率n
2とは異なる屈折率n
1を有する。
【0025】
アセンブリ100の光ガイド110は、任意の好適な光ガイド、例えば中空光ガイド又は中実光ガイドを含んでよい。光ガイド110は、平面形状として図示されているが、光ガイドは、例えば、楔形状、円筒形状、平面形状、円錐形状、複合成型形状など任意の好適な形状であってよい。また、光ガイド110は、x−y平面で任意の好適な形状、例えば、方形形状、多角形形状、湾曲形状などを有してよい。更に、光ガイド110の入光面114及び/又は出光面112は、任意の好適な形状、例えば光ガイド110の形状について上述した形状を含んでよい。光ガイド110は、光がその出光面112を通過するように構成される。
【0026】
更に、光ガイド110は、任意の好適な材料を含んでよい。例えば、光ガイド110は、ガラス、アクリレート(ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、フルオロポリマーなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びPET又はPEN又はその両方を含有するコポリマーなど)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン(polynorborene)、アイソタクチック、アタクチック、及びシンジオタクチック立体異性体(sterioisomers)のポリオレフィン、並びにメタロセン重合によるポリオレフィン)を含んでよい。他の好適なポリマーには、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレンメタクリレートコポリマー(conpolymer)及びブレンド、シクロオレフィンポリマー(例えば、Zeon Chemicals L.P.(Louisville,KY)から入手可能なZEONEX及びZEONOR)、ポリエチルエチルケトン、及びポリエーテルイミドが挙げられる。
【0027】
複数の光源120は、光ガイド110の入光面114に近接して位置付けられる。光源120は、光が入光面114を通過して光ガイド110に入るように位置付けられる。1つ以上の光源120は、光ガイド110の一方の側部又は端部に沿って位置付けられるように図示されているが、光源は、光ガイドの2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の側部に沿って位置付けられてよい。例えば、方形形状の光ガイド110では、1つ以上の光源120が、光ガイドの4つの側部のそれぞれに沿って位置付けられてよい。図示した実施形態では、光源は、y軸に沿って配置されている。
【0028】
光源120を概略的に示す。ほとんどの場合、これらの光源120は小型の発光ダイオード(LED)である。この点で、「LED」は、可視、紫外線、又は赤外線にかかわらず、発光するダイオードを指す。これは、従来型か、超放射型かにかかわらず、「LED」として販売されているインコヒーレントな封入又は密閉型の半導体装置を含む。LEDが紫外線などの非可視光線を発する場合、及びLEDが可視光線を発するある特定の場合、LEDは蛍光体を含むようにパッケージ化され(あるいは遠隔配置された蛍光体を照射することができ)、短波長の光を長波長の可視光線に変え、特定の場合には白色光を発する装置を提供する。
【0029】
「LEDダイ」は、最も基本的な形態、すなわち半導体加工手順によって製造される個々の構成要素又はチップの形態のLEDである。構成要素又はチップは、デバイスに電圧を加えるための電力の適用に好適な電気接点を含むことができる。構成要素又はチップの個々の層及びその他の機能的要素は、通常、ウェハスケールで形成された後、仕上がったウェハは個々の小片部に切られて、多数のLEDダイとなることができる。
【0030】
白色光の生成に用いられるかどうかに関わらず、多色光源はライトアセンブリにおいて様々な形態であってよく、光ガイドの出光エリア、つまり出光面の色及び光度の均一性に様々な影響を及ぼす。ある手法では、複数のLEDダイ(例えば、赤、緑、及び青色を発光するダイ)がリード線フレーム又はその他の基材にすべて互いに隣接して実装され、1つのパッケージを形成するように1つの内包材で一緒に封入される。この場合、パッケージにはレンズ構成要素が1つだけ含まれていてもよい。このような光源は、いずれか1つの個別の色、又は同時にすべての色を発光するように制御可能である。別の手法では、1パッケージにつき1つのLEDダイと1色の発光色を提供する、個別にパッケージ化されたLEDを、所定のリサイクリングキャビティに一緒にまとめて配置してよく、この集合体には青/黄、赤/緑/青、赤/緑/青/白、又は赤/緑/青/シアン/黄などの異なる色を発光するパッケージ化LEDの組み合わせが含まれる。また、琥珀色LEDも用いてよい。また別の手法では、このような個別にパッケージ化された多色LEDを1つ以上の線、アレイ、又はその他のパターン内で位置決めされてもよい。
【0031】
LED効率は、温度に依存し、一般に温度の上昇と共に低下する。この効率の低下は、LEDのタイプにより異なることがある。例えば、赤色LEDは、青色LED又は緑色LEDよりかなり大きい効率低下を示す。熱の影響を受けやすいLEDが熱的に分離して、それらのLEDが、ヒートシンク上でより低いワット密度を有するように及び/又は他のLEDからの熱伝達を受けないようにする場合に、本開示の種々の実施形態を使用してこの影響を軽減することができる。従来のライティングアセンブリでは、1色のLEDの集合体を配置すると、色の均一性が低下した。本開示では、例えば赤色LEDの集合体の色を緑色及び青色LEDとよく混合して白を作ることができる。
【0032】
光センサとフィードバック・システムを使用して、LEDからの光の光度及び/又は色を検出し制御することができる。例えば、個別のLED又はLEDの集合体の近くにセンサを配置して、出力を監視し、白色点又は色温度を制御し、維持し、又は調整するためにフィードバックを提供することができる。混合光をサンプリングするための中空キャビティ内部又は縁に沿って1つ以上のセンサを配置することが有益なことがある。幾つかの例では、観察環境(例えば、表示装置が配置された部屋)で表示装置の外部の周囲光を検出するセンサを提供することが有益なことがある。そのような場合、制御論理を使用して、周囲の観察条件に基づいて表示光源出力を適切に調整することができる。多くのタイプのセンサは、テキサス州プラノ(Plano)のTexas Advanced Optoelectronic Solutionsから入手可能な光−周波数又は光−電圧センサなどの多くのタイプのセンサを使用することができる。更に、熱センサを使用して、LEDの出力を監視し制御することができる。これらの手法をすべて用いて、動作条件及び経年劣化する構成要素の補整に基づいて、白色点又は色温度を調整できる。制御システムにフィードバック信号を送るために動的コントラスト又はフィールド・シーケンシャルシステムにセンサを使用することができる。
【0033】
望ましい場合には、開示するバックライトの光源として、別個のLED光源の代わりに、又はLED光源に追加して、線形の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)又は熱陰極蛍光ランプ(HCFL)などの別の可視光線発光体を使用してもよい。更に、例えば冷白色及び温白色を含む(CCFL/LED)、CCFL/HCFL、例えば異なるスペクトルを放射するものなどの複合システムを使用することができる。発光体の組み合わせは、幅広く異なってもよく、LEDとCCFL、及び例えば複数のCCFL、異なる色の複数のCCFL、及びLEDとCCFLなどの多数を含むことが可能である。また光源には、レーザー、半導体レーザー、プラズマ光源、又は有機発光ダイオードが、単体又は他の種類の光源、例えばLEDとの組み合わせで含まれてよい。
【0034】
例えば、幾つかの用途では、個別の光源の列を、長い円筒形CCFLのような異なる光源と置き換えるか、又は長さに沿って光を放射し離れた能動素子(LEDダイやハロゲン電球など)に結合された線形面発光導光体と置き換え、また同様に他の光源列と置き換えることが望ましいことがある。このような線状表面発光導光体の例は、米国特許第5,845,038号(Lundinら)及び同第6,367,941号(Leaら)に開示されている。また、ファイバ結合レーザ・ダイオードや他の半導体発光体も既知であり、そのような場合、光ファイバ導波路の出力端は、開示されたリサイクリングキャビティ内の場所又は他の状況ではバックライトの出力エリアの後の場所に対する光源であると考えることができる。電球やLEDダイなどの活性成分から受け取った光を発する、レンズ、屈折体、狭い導光体などの小さな発光領域を有する他の受身の光学構成要素についても、同じことが言える。このような受身の構成要素の一例は、側面発光パッケージ化LEDの成型内包体又はレンズである。
【0035】
1つ以上の光源には、任意の適切な側面発光LED、例えば、Luxeon(商標)LED(Lumileds,San Jose,CAから入手可能)、又はLED Package with Converging Optical Elementと題する米国特許出願第11/381,324号(Leatherdaleら)、及びLED PACKAGE WITH WEDGE−SHAPED OPTICAL ELEMENTと題する同第11/381,293号(Luら)に記載されるLEDを使用することができる。本明細書に記載した様々な実施形態に他の放射パターンが望ましいことがある。例えば、「くさび形光学素子を有するLEDパッケージ(LED Package with Wedge-shaped Optical Element)」と題する米国特許公開第2007/0257270号(Luら)を参照されたい。
【0036】
照明アセンブリが表示パネル(例えば、
図4のパネル490)と組み合わせて用いられる幾つかの実施形態では、アセンブリ100は、白色光を連続的に放射し、液晶パネルは、カラーフィルターマトリックスと組み合わされて、多色画素のグループ(黄/青(YB)画素、赤/緑/青(RGB)画素、赤/緑/青/白(RGBW)画素、赤/黄/緑/青(RYGB)画素、赤/黄/緑/シアン/青(RYGCB)画素など)が形成され、その結果、表示画像は多色性になる。あるいは、カラーシーケンシャル技術(color sequential technique)を用いて多色画像を表示することができ、この技術は、LCパネルを白色光で連続的に後ろから照明し、LCパネル内のグループの多色画素を変調して色を生成する代わりに、アセンブリ内部の個別に色付けされた光源(例えば、赤、オレンジ、琥珀、黄、緑、シアン、青(紺青を含む)、及び上述の色などの組み合わせの白から選択される)を変調して、アセンブリが、空間的に均一な有色光出力を高速で繰り返し連続的(例えば、赤、次に緑、次に青など)に点滅させるものである。次に、この色変調アセンブリは、(カラーフィルターマトリックスのない)1つの画素アレイのみを有するディスプレイモジュールと組み合わされ、この画素アレイは、変調が観察者の視覚システム内で時間的に色混合されるのに十分に高速であるという条件で、アセンブリと同期して変調されて、画素アレイ全体にわたってあらゆる達成可能な色(バックライトに光源が使用されている場合)が生成される。フィールド・シーケンシャル・ディスプレイとしても知られるカラー・シーケンシャル・ディスプレイの例は、米国特許第5,337,068号(ステワート(Stewart)ら)と同第6,762,743号(ヨシハラ(Yoshihara)ら)に記載されている。特定の場合には、単色のみのディスプレイを提供することが望ましい場合もある。このような場合、照明アセンブリは、フィルター、又は単一の可視波長、つまり色で優勢に発する特定の光源を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、光源120は、1つ以上の偏光源を含んでよい。かかる実施形態では、偏光源の偏光軸が、実質的に前面反射体の通過軸に平行であるように配向されることが好ましい場合がある。あるいは、光源偏光軸が実質的に前面反射体の通過軸に垂直であることが好ましい場合がある。他の実施形態では、偏光軸は、前面反射体の通過軸に対していずれの適切な角度をなすことができる。
【0038】
光源120は、いずれの適切な配列で配置されてもよい。更に、光源120は、様々な波長又は色の光を放射する光源を含むことができる。例えば、光源は、第1の波長の光を放射する第1の光源と、第2の波長の光を放射する第2の光源と、を含んでよい。第1の波長は、第2の波長と同じでもよく、又は異なってもよい。光源120はまた、第3の波長の光を放射する第3の光源を含んでもよい。幾つかの実施形態では、様々な光源120は、混合されたときに、表示パネル又は他の装置に白色光を供給する光を生成してよい。他の実施形態では、光源210はそれぞれ白色光を生成してよい。
【0039】
更に、いくつかの実施形態では、放射光を少なくとも部分的に平行にする光源が好ましいことがある。そのような光源は、開示されたバックライトの中空の光リサイクリングキャビティ内に所望の出力を提供するためのレンズ、エキストラクタ、成形封入材、又光学素子の組み合わせを含むことができる。更に、本開示の照明アセンブリは、当初リサイクリングキャビティに注入された光を部分的に平行にする、又は制限する注入光学素子を含んでよい。
【0040】
光源120は、光ガイド110の入光面114から任意の好適な距離bに位置付けられてよい。例えば、幾つかの実施形態では、光源120は、入光面114から5mm以内、2mm以内、1mm以内、又は0.5mm以下以内に位置付けられてよい。更に、光源120は、構造化面層130の複数の構造体136から任意の好適な距離b’、例えば5mm以内、2mm以内、1mm以内、又は0.5mm以下以内に位置付けられてよい。
【0041】
光源120は、光ガイド110内部で 構造化面層130と組み合わせて任意の所望の配光をもたらすようにy軸に沿って任意の好適な距離で離隔配置されてよい。例えば、光源120は、本明細書で詳述するように、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、又は30mm以上の中心間距離(即ち、ピッチ)を有してよい。光源120は、ある光源の主要放射面が、隣接する光源の主要放射面から任意の好適な距離e、少なくとも5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、又は30mm以上であるように位置付けられてよい。
【0042】
構造化面層130は、複数の光源120と光ガイド110の入光面114との間に位置付けられる。
図1A〜Bに図示する実施形態では、構造化面層130は、光源120に対向する第1の表面133と、光ガイド110の入光面114に対向する第2の表面134と、を含む基材132を含む。また、層130は、複数の光源120に対向する基材132の第1の表面133上に位置付けられる複数の構造体136を含む。構造体136は、構造化面135を形成する。構造化面層130は、光ガイド110の1つの縁部に近接して位置付けられて図示されているが、構造化面層130は、追加の光源120と共に光ガイド110の2つ、3つ、又は4つ以上の縁部118に近接して位置付けられて、光ガイド110内部で所望の配光をもたらしてもよい。
【0043】
基材132として用いられてよい有用な高分子フィルム材料としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンド、ポリシクロオレフィン、及びポリイミドが挙げられる。任意に、基材材料は、これらの物質の混合物又は組み合わせを含んでよい。幾つかの実施形態では、基材は多層であってもよいし、又は連続相中に懸濁若しくは分散した分散成分を含有してもよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、基材材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリカーボネートを含んでよい。有用なPETフィルムの例としては、フォトグレードのポリエチレンテレフタレート及びMELINEX PET(DuPont Films(Wilmington,Del.)から入手可能)が挙げられる。
【0045】
一部の基材は、光学的に活性であってよく、偏光板として作用してよい。
【0046】
多くのベースはまた、本明細書においてフィルム又は基材とも呼ばれ、光学製品分野において偏光板として有用であることが既知である。フィルムを通る光の偏光は、例えば通過光を選択的に吸収する、フィルム材料内二色偏光子の包含により実現され得る。光の偏光はまた、配列雲母チップのような無機材料を組み込むことによって、又は、連続フィルム内部に分散している光変調液晶の液滴といった連続フィルム内部に分散している不連続相によって実現させることができる。代替手段として、異なる材料のマイクロファイン層からフィルムを作製することができる。フィルム内部の偏光材料は、例えば、フィルムの延伸、電場又は磁場の印加、及び好適なコーティング技術のような方法を利用することによって、偏光配向に揃えることができる。
【0047】
偏光フィルムの例としては、米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)及び同第5,783,120号(Ouderkirkら)に記載されるものが挙げられる。これらの偏光フィルムと光度向上フィルムとの併用については、例えば、米国特許第6,111,696号(Ouderkirkら)に記載されている。基部として用いることができる偏光フィルムの第2の例は、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)に記載されているフィルムである。市販のフィルムは、3Mから取引表記DBEF(デュアル光度上昇フィルム)のもとに販売された多層フィルムである。光度向上フィルムにおけるこのような多層偏光光学フィルムの使用については、例えば、米国特許第5,828,488号(Ouderkirkら)に記載されている。他の実施形態では、基材は、米国特許第6,531,230号(Weberら)に記載されるように、色選択性反射体として作用してよい。
【0048】
基材132は、任意の好適な厚さ、例えば、少なくとも0.5ミル(0.013mm)、0.6ミル(0.015mm)、0.7ミル(0.018mm)、0.8ミル(0.020mm)、0.9ミル(0.023mm)、又はそれ以上を有してよい。幾つかの実施形態では、基材の厚さは、1ミル〜5ミル(0.025mm〜0.13mm)の範囲である。
【0049】
複数の構造体136は、基材132の第1の表面133の上又はその中に位置付けられる。構造体136は、光源120に対向する。構造体136は、光ガイド110内に所望の配光をもたらす任意の好適な構造体又は要素を含んでよい。幾つかの実施形態では、構造体136は、光ガイド110の平面(即ち、x−y平面)で光を拡散するように機能する。構造体136は、屈折構造体又は回折構造体を含んでよい。更に、構造体は、任意の好適な形状及び寸法であり、任意の好適なピッチを有してよい。
【0050】
構造体136は、任意の好適な断面形状、例えば三角形、球形、非球面、多角形などであってよい。更に、幾つかの実施形態では、構造体136は、光ガイド110の厚さ方向、即ち、
図1A〜Bのz軸の方向に沿って延在してよい。例えば、構造体136は、三角形の断面を有し、z軸に沿って延在して、プリズム構造体を形成してよい。他の実施形態では、構造体136は、z軸及びy軸の両方に延在するレンズ状形状であってよい。
【0051】
例えば、
図2A〜Dは、構造化面層の幾つかの実施形態の概略断面図である。
図2Aでは、構造化面層230aは、実質的に三角形の断面をそれぞれ有する複数の構造体236aを含む。図示されるように、層230aは、すべてが実質的に同様の断面及び寸法を有する構造体236aを含むが、構造体は様々な寸法及び形状を有してよい。構造体236aは、実質的に図の平面に直交する軸(例えば、
図1A〜Bのz軸)に沿って延在して、プリズム構造体を形成してよい。構造体236aは、好適な頂角αを有してよい。幾つかの実施形態では、頂角αは、少なくとも60度であってよい。幾つかの実施形態では、頂角は少なくとも90度であってよい。他の実施形態では、頂角は140度未満であってよい。また、これらの構造体は、本明細書で詳述するように、任意の好適なピッチpを有してよい。
【0052】
構造体236aは、構造化パターンが層の長さにわたって(即ち、y軸に沿って)並進不変であるように、構造化面層の基材上に位置付けられてよい。他の実施形態では、構造体は、構造化面層が層の長さに沿って変化するように、寸法、形状、及び/又はパターンが変化してよい。
【0053】
一般に、構造化面層の構造体は、基材の第1の表面(例えば、
図1A〜Bの基材132の第1の表面133)にわたって連続的に位置付けられてよい。あるいは、構造体は、構造化面層の非構造化領域又は部分が存在するように形成されてよい。例えば、
図2Bは構造化面層230bの別の実施形態の概略断面図であり、この層は、構造体236bと、構造体を含まない層の領域238bと、を含む。これらの非構造化領域は、周期的であっても、非周期的であってもよい。また、構造体236bは、非構造化領域238bと共に、任意の好適なパターン又は配列にグループ化されてよい。幾つかの実施形態では、非構造化領域238bは、光源の発光軸に沿った光が実質的に構造体と相互作用せずに光ガイドの入光面に入る、例えば、より多くの光が入光面から離れた光ガイドの領域に拡散されるように、構造化面の非構造化部分が光の拡散をほとんどもたらさらないか、全くもたらさないように、複数の光源(例えば、
図1A〜Bの光源120)の1つ以上と位置合わせされてよい。この光の伝搬は、光ガイドの出光面におけるより均一の光速分布をもたらし得る。幾つかの実施形態では、非構造化領域238bは、その上に位置付けられた反射材料を含んでよい。
【0054】
本開示の構造化面層の構造体は、基材から延在するか、圧痕として基材の中へと延在するかのいずれかであってよい。あるいは、構造化面層は、基材から延在する及び基材の中へと延在する両方の組み合わせの基材を含んでよい。例えば、
図2Cは、構造化面層230cの別の実施形態の概略断面図である。層230cは、基材232cの中へと延在し、湾曲した断面形状を有する、複数の構造体236cを含む。任意の好適な断面形状が基材の中で形成されて、光ガイド内で所望の配光をもたらしてよい。
【0055】
本開示の構造化面層は、基材の第1の表面に位置付けられた構造体と同一の寸法及び形状を有してよい。あるいは、構造化面層は、2つ以上の構造体セットを含んでよい。例えば、
図2Dは、構造化面層230dの別の実施形態の概略断面図である。層230dは、第1の構造体セット236dと、第1の構造体セットとは異なる第2の構造体セット237dと、を含む。第1の群の構造体236dは、湾曲した断面又は円形の断面を有する構造体を含む。第2の構造体セット237dの各構造体は、三角形の断面を有する。幾つかの実施形態では、第1の構造体セット及び第2の構造体セットは1つ以上の断面形状を含んでよく、第1の構造体セットの形状は第2の構造体セットとは異なる寸法及び/又はピッチを有してよい。
【0056】
また、第1の構造体セット及び第2の構造体セットは、異なる配列又はパターンを含んでよい。例えば、第1の構造体セット及び第2の構造体セットのうちの1つ又は両方は、反復パターン又は非反復パターンを含んでよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、構造体は、構造体上の構造体の形態で2種類の寸法の構造体を有してよい。例えば、構造体は、屈折構造体の表面に、より小さい構造体を備えるレンズ状屈折構造体を含んでよい。このような構造体は、例えば、上に回折ナノ構造体が配置された屈折構造体、又は反射防止機能を提供する屈折構造体の表面にナノ構造体を備える屈折構造体を含んでよい。
【0058】
本明細書に記載したように、構造化面層の構造体は、光ガイドの厚さ方向(即ち、z軸)に沿って延在してよい。幾つかの実施形態では、構造体が沿って延在する軸は、z軸に対して任意の好適な角度で配向されてよい。例えば、構造体は、z軸と0度超の角度をなす軸に沿って延在してよい。他の実施形態では、構造体は、構造体がy軸内で延在するように、z軸と90度の角度をなす軸に沿って延在してよい。
【0059】
本明細書に記載したように、構造化面層130は、屈折構造体又は回折構造体のいずれかを含んでよい。例示の回折構造体には、構造化された拡散体(例えば、Luminit LLC(Torrance,CA)から入手可能なLSD拡散フィルム)が挙げられる。
【0060】
図1A〜Bに戻ると、構造化面層130の構造体136は、任意の好適な材料から形成されてよい。これらの材料は、入光面に入る光の分布を更に調整できるように、任意の所望の屈折率値をもたらしてよい。例えば、構造体136は、構造体の屈折率と光ガイド110の屈折率n
2と間の関係が任意の所望の関係を有し得るように選択され得る、屈折率n
1を有してよい。例えば、n
1は、n
2と等しくても異なってもよい。幾つかの実施形態では、n
1はn
2よりも大きくてよく、あるいは、n
1はn
2よりも小さくてよい。幾つかの実施形態では、2つの屈折率の差(Δn=│n
1−n
2│)は、少なくとも0.01以上であってよい。
【0061】
更に、構造体136の屈折率n
1は、基材132の屈折率n
4と任意の好適な関係を有してよい。例えば、n
1はn
4と等しいか、これよりも小さいか、これよりも大きくてよい。
【0062】
任意の好適な材料を用いて複数の構造体136を形成し、光ガイド110及びアセンブリ100の他の要素とこれらの屈折率関係をもたらしてよい。例えば、構造体136は、高屈折率の有機樹脂又は無機樹脂で形成されてよい。幾つかの実施形態では、構造体は、米国特許第7,547,476号(Jonesら)に記載のナノ粒子(樹脂など)を含む高屈折率樹脂で形成されてよい。他の実施形態では、構造体は、例えば米国特許出願公開第2009/0017256 A1号(Huntら)及び国際公開第2010/074862号(Jonesら)に記載されている、紫外線硬化性アクリル樹脂で形成されてよい。
【0063】
構造体136の形成に用いられてよい有用な材料としては、例えば、スチレン−アクリロニトリル、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ナフタレンジカルボン酸系コポリマー又はブレンド、及びポリシクロオレフィンなどの熱可塑性材料が挙げられる。任意に、構造体136の形成に用いられる材料は、これらの材料の混合物又は組み合わせを含んでよい。幾つかの実施形態では、特に有用な材料には、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、スチレンメタクリレート、及びシクロオレフィンポリマー(例えば、ZEON Chemicalsから入手可能なZeonor及びZeonex)が挙げられる。
【0064】
また、構造体は、他の好適な硬化性材料、例えば、エポキシ、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(フェニルメチル)シロキサン、及び他のシリコーン系材料、例えば、シリコーンポリオキサミド及びシリコーンポリ尿素で形成されてよい。構造化面層は、短波長吸収材(例えば、紫外線吸収材)を含んでよい。
【0065】
本明細書で詳述するように、構造化面層130は任意の好適な技法を用いて形成してよい。例えば、構造体136は、基材132上で鋳造され、硬化されてよい。あるいは、構造体は、基材132に型押しされてよい。又は、構造体及び基材は、国際公開第2010/117569号に記載のように押出し成形複製プロセスで単一の材料から作製されてよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、構造化面層130は、任意の好適な技法を用いて光ガイド110の入光面114に貼り付けられてよい。例えば、構造化面層130は、接着剤層150を用いて光ガイド110の入光面114に取り付けられていてよい。幾つかの実施形態では、接着剤層150は光学的に無色透明であり、光ガイド110への構造化面層130の光結合をもたらす。更に、接着剤層150は、好ましくは無黄変であり、熱及び湿度、熱衝撃などに耐性があってよい。
【0067】
接着剤層150は、任意の好適な材料を用いて形成されてよい。幾つかの実施形態では、接着剤層150は任意の好適な再付着性接着剤又は感圧接着剤(PSA)を含んでよい。
【0068】
幾つかの実施形態では、有用なPSAは、(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Second Ed.,D.Satas,ed.,Van Nostrand Reinhold,New York,1989に記載されるような)ダルキスト基準線に記載のPSAを含む。
【0069】
PSAは、特定の剥離力を有してよいか、少なくとも特定の範囲内の剥離力を呈してよい。例えば、PSAは、約50〜約3000g/インチ(約0.19N/cm〜約11.6N/cm)、約300〜約3000g/インチ(約1.16N/cm〜約11.6N/cm)、又は約500〜約3000g/インチ(約1.93N/cm〜約11.6N/cm)の90°剥離力を有してよい。剥離力は、IMASSからの剥離試験機を用いて測定することができる。
【0070】
幾つかの実施形態では、PSAは可視光スペクトル(約400〜約700nm)の少なくとも一部にわたって約80〜約100%、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約98〜約100%の高光透過率を有する光学的に透明なPSAを含む。幾つかの実施形態では、PSAは、約5%未満、約3%未満、又は約1%未満のヘイズ値を有する。幾つかの実施形態では、PSAは、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満のヘイズ値を有する。透過率におけるヘイズ値は、ASTM D1003に従ってヘイズメータを用いて測定され得る。
【0071】
幾つかの実施形態では、PSAは、高光透過率かつ低ヘイズ値を有する光学的に透明な接着剤を含む。高い光線透過率は、可視光スペクトルの少なくとも一部分(約400〜約700nm)にわたって、約90〜約100%、約95〜約100%、又は約99〜約100%であってもよく、ヘイズ値は、約0.01〜約5%未満、約0.01〜約3%未満、又は約0.01〜約1%未満であってもよい。
【0072】
幾つかの実施形態では、PSAは、曇っていて、光、特に可視光を拡散する。曇ったPSAは、約5%超、約20%超、又は約50%超のヘイズ値を有し得る。曇ったPSAは、約5〜約90%、約5〜約50%、又は約20〜約50%のヘイズ値を有し得る。幾つかの好ましい実施形態では、光を拡散するヘイズは、主として拡散を促進し、つまり、発光元の光源へと後方散乱する光がほとんどない。
【0073】
PSAは、約1.3〜約2.6、1.4〜約1.7、又は約1.5〜約1.7の範囲の屈折率を有してよい。PSAに選択される特定の屈折率又は屈折率の範囲は、光学テープの全体的な設計に応じて異なってよい。
【0074】
PSAは、一般に少なくとも1つのポリマーを含む。PSAは、被着体同士を接着するうえで有用であり、(1)強力かつ持続的な粘着性を有し、(2)指で押さえる程度で接着し、(3)被着体上に固定される充分な性能を有し、(4)被着体からきれいに取り除かれるように充分な凝集力を有する、といった性質を示す。感圧接着剤として充分な機能を有することが示されている材料は、粘着力、剥離接着力、及び剪断保持力の望ましいバランスを得るうえで必要な粘弾性を示すように設計及び配合されたポリマーである。異なる性質の適正なバランスを得ることは簡単なプロセスではない。PSAの定量的な説明は、本明細書に引用したダルキストの参照文献に見ることができる。
【0075】
例示のポリ(メタ)アクリレートPSAは、PSAの可撓性と粘着性に寄与する、モノエチレン的に不飽和の少なくとも1つのアルキル(メタ)アクリレートモノマーを含むモノマーA、及びPSAのTgを引き上げ、PSAの貼着強度に寄与する、モノエチレン的に不飽和で遊離基によって共重合可能な少なくとも1つの補強モノマーを含むモノマーBから得られる。モノマーBは、モノマーAよりも高いホモポリマーガラス転移温度(Tg)を有する。本明細書で用いるとき、(メタ)アクリル系とは、アクリル系及びメタクリル系分子種の両方を指し、同様に(メタ)アクリレートに関する。
【0076】
好ましくは、モノマーAは約0℃以下のホモポリマーTgを有する。好ましくは、(メタ)アクリレートのアルキル基が、平均約4から20の炭素原子を有する。モノマーAの例として、2−メチルブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、及びイソノニルアクリレートが挙げられる。アルキル基は、エーテル、アルコキシエーテル、エトキシル化又はプロポキシル化メトキシ(メタ)アクリレートを含むことができる。モノマーAは、ベンジルアクリレートを含み得る。
【0077】
好ましくは、モノマーBは少なくとも約10℃、例えば、約10〜約50℃のホモポリマーTgを有する。モノマーBは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド及びN−モノアルキル又はそのN−ジアルキル誘導体、又は(メタ)アクリレートを含み得る。モノマーBの例には、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−アミノエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、及びN−オクチルアクリルアミドが挙げられる。モノマーBの他の例としては、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、2,2−(ジエトキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレート、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(フェノキシ)エチルアクリレート又はメタクリレート、ビフェニルアクリレート、t−ブチルフェニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジメチルアダマンチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、フェニルアクリレート、N−ビニールホルムアミド、N−ビニールアセトアミド、N−ビニールピロリドン、及びN−ビニールカプロラクタムが挙げられる。
【0078】
一部の実施形態では、(メタ)アクリレートPSAは、約0℃未満及びより好ましくは約−10℃未満のTgが得られるように形成される。そのような(メタ)アクリレートPSAは、両方とも(メタ)アクリレートPSAコポリマーの総重量と比較して、少なくとも1つのモノマーAの重量で約60〜約98%及び少なくとも1つのモノマーBの重量で約2〜約40%を含む。
【0079】
実用的なPSAは、天然ゴム系及び合成ゴム系のPSAを含む。ゴム系PSAには、ブチルゴム、イソブチレンとイソプレンのコポリマー、ポリイソブチレン、イソプレンのホモポリマー、ポリブタジエン、及びスチレン/ブタジエンゴムが挙げられる。これらのPSAは、本質的にべとついているか、又はこれらは、粘着付与剤を必要とし得る。粘着付与剤は、ロジン及び炭化水素樹脂を含む。
【0080】
実用的なPSAは、熱可塑性エラストマーを含む。これらのPSAには、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(エチレン/ブチレン)、ポリ(エチレンプロピレン)の弾性のあるブロックをともなうスチレンブロックコポリマーが挙げられる。エラストマー自体が十分に粘着性でない場合は、ゴム相に関連する樹脂を熱可塑性エラストマーPSAと共に使用してもよい。樹脂に関連するゴム相の例には、脂肪族オレフィン由来の樹脂、水素添加樹脂、及びテルペンフェノール樹脂が挙げられる。エラストマーが十分に硬くない場合は、熱可塑性相に関連する樹脂を熱可塑性エラストマーPSAと共に使用してもよい。樹脂と関連する熱可塑性相には、多環芳香族、クマロンインデン樹脂、コールタール又は石油由来の樹脂が挙げられる。
【0081】
実用的なPSAには、米国特許第7,005,394号(Ylitaloら)に記載されるような、粘着力を高めた熱可塑性エポキシ感圧接着剤が挙げられる。これらのPSAは、熱可塑性ポリマー、粘着付与剤、及びエポキシコンポーネントを含む。
【0082】
実用的なPSAには、米国特許第3,718,712号(Tushaus)に記載されるような、ポリウレタン感圧接着剤が挙げられる。これらのPSAは、架橋されたポリウレタン及び粘着付与剤を含む。
【0083】
有用なPSAには、米国特許出願公開第2006/0216523号(Shusuke)に記載されるような、ポリウレタンアクリレートが挙げられる。これらのPSAは、ウレタンアクリレートオリゴマー、可塑剤及び反応開始剤を含む。
【0084】
実用的なPSAには、例えば、米国特許第5,214,119号(Leirら)に記載された、ポリジオルガノシロキサン、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミド、シリコーン尿素ブロックコポリマー等のシリコーンPSAが挙げられる。シリコーンPSAは、シリコーン結合した水素と不飽和の脂肪族との間のヒドロシリル化反応から形成され得る。シリコーンPSAは、ポリマー又はゴム及び任意の粘着付与樹脂を含み得る。粘着付与樹脂は、トリアルキルシロキシ基でエンドキャップされる三次元ケイ酸塩構造を含み得る。
【0085】
また、有用なシリコーンPSAには、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミド及び参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,361,474号(Shermanら)に記載されるような任意の粘着付与剤が挙げられる。有用な粘着付与剤としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,090,922 B2号(Zhouら)に記載されるようなシリコーン粘着付与樹脂が挙げられる。
【0086】
PSAは、PSAの分子量及び強度を築くため、架橋され得る。架橋剤は、化学架橋、物理架橋又はそれらの組み合わせを形成するために使用されてよく、熱、紫外線等によって活性化され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、PSAは、米国特許第7,255,920 B2号(Everaertsら)に記載されるような(メタ)アクリレートブロックコポリマーから形成される。一般に、これらの(メタ)アクリレートブロックコポリマーは、アルキルメタクリレート、アラルキルメタクリレート、アリールメタクリレート、又はこれらの組み合わせを含む第1のモノマー組成物の反応生成物である少なくとも2つのAブロックポリマー単位であって、各Aブロックが少なくとも50℃のTgを有し、メタクリレートブロックコポリマーがAブロックを20〜50重量%含む、少なくとも2つのAブロックポリマー単位と、アルキル(メタ)アクリレート、ヘテロアルキル(メタ)アクリレート、ビニルエステル、又はこれらの組み合わせを含む第2のモノマー組成物の反応生成物である少なくとも1つのBブロックポリマー単位であって、Bブロックが20℃以下のTgを有し、(メタ)アクリレートブロックコポリマーがBブロックを50〜80重量%含む、少なくとも1つのBブロックポリマー単位と、を含み、Aブロックポリマー単位は、Bブロックポリマー単位のマトリックス中に、約150nm未満の平均寸法を有する微小領域として存在する。
【0088】
幾つかの実施形態では、接着剤は透明なアクリルPSA、例えば、3M CompanyからのVHB(商標)Acrylic Tape 4910Fなどの転写テープ、及び国際公開第2004/0202879号に記載されている3M(商標)Optically Clear貼合せ用接着剤(8140及び8180シリーズ)、3M(商標)Optically Clear貼合せ用接着剤(8171 CL及び8172 CL)を含む。他の例示の接着剤は、件名番号第63534US002号に記載されている。
【0089】
幾つかの実施形態では、接着剤は、米国特許第6,663,978 B1号(Olsonら)に記載されるような置換又は非置換の芳香族部分を含有する少なくとも1つのモノマーから形成されたPSAを含む。
【0090】
幾つかの実施形態では、PSAは、(a)ペンダントビフェニル基を有するモノマー単位と、(b)アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位と、を含む米国特許出願第11/875194号(63656US002、Determanら)に記載されるようなコポリマーを含む。
【0091】
幾つかの実施形態では、PSAは、(a)ペンダントカルバゾール基を有するモノマー単位と、(b)アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位と、を含む米国特許仮出願第60/983735号(63760US002、Determanら)に記載されるようなコポリマーを含む。
【0092】
幾つかの実施形態では、接着剤は、接着剤マトリックス中に分散されてルイス酸/塩基のペアを形成するブロックコポリマーを含む米国特許仮出願第60/986298号(63108US002、Schafferら)に記載されるような接着剤を含む。ブロックコポリマーはABブロックコポリマーを含み、Aブロック相は分離して、Bブロック/接着剤マトリックス内部に微小領域を形成する。例えば、接着剤マトリックスは、ペンダント酸官能基を有するアルキル(メタ)アクリレートとの(メタ)アクリレートのコポリマーを含んでもよく、ブロックコポリマーは、スチレン−アクリレートコポリマーを含んでもよい。微小領域は散乱入射光線を前方に進めるほど十分に大きいが、入射光線を後方散乱するほど大きくなくてもよい。通常、これらのマイクロドメインは可視光の波長(約400〜約700nm)よりも大きい。いくつかの実施形態では、微小領域のサイズは約1.0〜約10μmである。
【0093】
接着剤は、ストレッチリリースPSAを含んでよい。ストレッチリリースPSAは、0度角で又はほぼ0度角で延伸されると基材から除去することができるPSAである。幾つかの実施形態では、接着剤又は光学テープで用いられたストレッチリリースPSAは、1ラジアン/秒及び−17℃で測定された場合、約10MPa未満の剪断力貯蔵弾性率を有する、又は1ラジアン/秒及び−17℃で測定された場合、約0.03〜約10MPaを有する。ストレッチリリースPSAは、分解、再加工、又は再生利用が望ましい場合に使用してもよい。
【0094】
幾つかの実施形態では、ストレッチリリースPSAは、米国特許第6,569,521 B1号(Sheridanら)又は米国特許仮出願第61/020423号(63934US002、Shermanら)及び同第61/036501号(64151US002、Determanら)に記載されるようなシリコーン系PSAを含んでよい。このようなシリコーン系PSAは、MQ粘着付与樹脂及びシリコーンポリマーの組成物を含む。例えば、ストレッチリリースPSAは、MQ粘着付与樹脂と、尿素系シリコーンコポリマー、オキサミド系シリコーンコポリマー、アミド系シリコーンコポリマー、ウレタン系シリコーンコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるエラストマーシリコーンポリマーとを含んでもよい。
【0095】
ある実施形態では、ストレッチ解放式のPSAは、米国仮出願第61/141767号(64418US002、Yamanakaら)及び同第61/141827号(64935US002、Tranら)に記載があるように、アクリレート系のPSAを含む。このようなアクリレート系のPSAには、アクリレート、無機粒子及び架橋剤の組成物が挙げられる。これらのPSAは、単層又は多層であることができる。
【0096】
PSA及び/又は構造化面層は、充填剤、粒子、可塑剤、連鎖移動剤、反応開始剤、酸化防止剤、安定剤、粘度調整剤、帯電防止剤、蛍光染料及び顔料、リン光染料及び顔料、量子ドット、並びに繊維強化剤など1つ以上の添加剤を任意に含んでよい。
【0097】
接着剤は、ナノ粒子(直径約1μm未満)などの粒子、微小球(直径1μm以上)又は繊維を含むことによって、曇ったように、かつ/又は拡散性に作製されてもよい。代表的なナノ粒子にはTiO
2が挙げられる。幾つかの実施形態では、粘弾性光ガイドは、光学的に透明なPSA及びPSAの屈折率より小さい屈折率を有するシリコーン樹脂粒子を含み、本明細書に参照によって組み込まれている、米国特許仮出願第61/097685号(代理人整理番号64740US002)に記載されるように、PSAマトリックス及び粒子を含んでよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、PSAが微細構造化された接着面を有して、光ガイドの縁部への塗布時に抽気できることが望ましい場合がある。抽気穴を有する光学PSAの付加方法は、米国特許出願公開第2007/0212535号に記載されている。
【0099】
接着剤層は、米国特許出願公開第2007/0055019 A1号(Shermanら、代理人整理番号60940US002)及び同第2007/0054133 A1号(Shermanら、代理人整理番号61166US002)に記載されているような多官能性エチレン性不飽和シロキサンポリマーと1つ以上のビニルモノマーとの硬化反応生成物を含んでよい。
【0100】
接着剤層は、加圧がほとんどない、又は全くない場合に層が強力な接着性を示すようにPSAを含んでよい。PSAは、(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology,Second Ed.,D.Satas,ed.,Van Nostrand Reinhold,New York,1989に記載されるような)ダルキスト基準線に記載のPSAである。有用なPSAには、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、(メタ)アクリルブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、ポリオレフィン、及びポリ(メタ)アクリレートに基づくものが挙げられる。本明細書で用いるとき、(メタ)アクリル系とは、アクリル系及びメタクリル系分子種の両方を指し、同様に(メタ)アクリレートに関する。
【0101】
例示のPSAは、ポリエーテルセグメントを含むオリゴマー及び/又はモノマーから誘導されるポリマーを含み、そのポリマーの35〜85重量%がそれらのポリエーテルセグメントを含むものである。これらの接着剤は、米国特許出願公開第2007/0082969 A1号(Malikら)に記載されている。別の例示のPSAは、遊離基によって共重合可能なウレタン系又は尿素系オリゴマー及び遊離基によって共重合可能なセグメント化シロキサン系コポリマーの反応生成物を含むみ、これらの接着剤は、米国特許仮出願第61/410510号(代理人整理番号67015US002)に記載されている。
【0102】
場合によっては、接着剤層はシリコーンを含有しない接着剤を含む。シリコーンは、Si−O及び/又はSi−C結合を有する化合物を含む。例示の接着剤は、国際公開第2009/085662号(代理人整理番号63704WO003)に記載されるような硬化性非シリコーン尿素系オリゴマーから調製される非シリコーン尿素系接着剤を含む。好適な非シリコーン尿素系接着剤は、X−B−X反応性オリゴマー及びエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。このX−B−X反応性オリゴマーは、エチレン性不飽和基としてXを含み、少なくとも1つの尿素基を有する非シリコーンセグメント化尿素系単位としてBを含む。幾つかの実施形態では、接着剤層は微細構造化されていない。
【0103】
別の例示の接着剤は、国際出願PCT/US2010/031689号(代理人整理番号65412WO003)に記載されているような非シリコーンウレタン系接着剤を含む。好適な非シリコーンウレタン系接着剤は、X−A−B−A−X反応性オリゴマー及びエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。X−A−B−A−X反応性オリゴマーは、エチレン性不飽和基としてXを含み、数平均分子量が5,000グラム/モル以上の非シリコーン単位としてBを含み、ウレタン結合基としてAを含む。
【0104】
更に、気泡が接着剤層150と入光面114との間に閉じ込められにくいように、接着剤層150が入光縁部114に対向する第2の表面134上に微細構造化表面を含んで、空気が微細構造化表面を通過できるようにしてよい。
【0105】
幾つかの実施形態では、接着剤層150は、この境界面において光の拡散がほとんど発生しないか、全く発生しないように、光ガイド110の入光面114を平坦化する作用を行うように選択されてよい。これらの実施形態では、構造化面層130の貼り付け前に必ずしも入光面114を研磨する必要がないため、光ガイド110の製造を単純化できる。
【0106】
接着剤層150は任意の所望の屈折率n
3を有してよい。例えば、n
3は、構造化面層130の複数の構造体136の屈折率n
1よりも小さいか、これと等しいか、これよりも大きくてよい。また、n
3は、光ガイド110の屈折率n
2よりも小さいか、これと等しいか、これよりも大きくてよい。
【0107】
構造化面層130は、光ガイド110のTIR角よりも大きい、光ガイドの平面(即ち、x−y平面)の入光面の法線に対する角度で光が光ガイド110に入るため、一部の入射光は、TIR角よりも小さい角度で光ガイドの1つ以上の縁部118に入射でき、したがって光ガイドを離れることができる。この漏光は、出光面112を通過するように方向付けられている光の均一性(即ち、出力光束分布)を減少させ得、これは、望ましくない量の光が入光面114から離れて光ガイド内で伝搬されないことがあり得るためである。また、漏光は、照明アセンブリ100の効率性の低下をもたらし得る。
【0108】
この漏光の防止を促進するために、1つ以上の側面反射体140が光ガイド110の1つ以上の縁部118に近接して位置付けられて、漏光を反射して光ガイド110内に戻してよい。側面反射体140は、任意の好適な種類の反射体を含んでよい。例えば、側面反射体140は、鏡面反射性、半鏡面反射性、又は拡散反射性であってよい。幾つかの実施形態では、側面反射体は少なくとも1つの偏光を反射する誘電性多層光学フィルム、例えば、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能な強化鏡面反射体フィルム(ESRフィルム)を含んでよい。側面反射体は、背面反射体152について本明細書に記載したものと同じ反射体を含んでよく、光ガイドに対して取り付けられたり、外したりできる。
【0109】
幾つかの実施形態では、側面反射体140は、任意の好適な技法を用いて光ガイド110の1つ以上の縁部118に取り付けられていてよい。例えば、側面反射体140は、本明細書に記載の接着剤層150に類似の接着剤層(図示せず)を用いて1つ以上の縁部118に取り付けられていてよい。接着剤層は、縁部118を平坦化するように選択されてよく、それによって、縁部を研磨しないままにできることにより、光ガイド110の製造化を単純化する。側面反射体140が多層光学フィルム反射体を含む実施形態では、例えば、米国特許出願第61/405,141号(代理人整理番号66153US002)に記載のように、反射体の表面と光ガイド112の縁部118との間に低屈折率層を配置することが反射体にとって有利な場合がある。
【0110】
また、照明アセンブリ110は背面反射体152を含んでよい。背面反射体152は、高反射性であることが好ましい。例えば、背面反射体152は、光源によって放射された可視光に関して、いずれの偏光の可視光の少なくとも90%、95%、98%、99%、又はそれ以上の軸上の平均反射率を有することができる。そのような反射率値は、また、高リサイクリングキャビティ内の損失量を減少させることができる。そのような反射率の値は、半球内に反射される全ての可視光を含み、すなわち、かかる値は、鏡面反射と拡散反射の両方を含む。
【0111】
背面反射体152は、空間的に均一又はパターン付きであるにかかわらず、主として鏡面反射体、拡散反射体、又は鏡面/拡散反射体の組み合わせであり得る。幾つかの実施形態では、背面反射体152は、国際公開第2008/144644号、表題「RECYCLING BACKLIGHTS WITH BENEFICIAL DESIGN CHARACTERISTICS」及び米国特許出願第11/467,326号(Maら)、表題「BACKLIGHT SUITABLE FOR DISPLAY DEVICES」に記載のように半鏡面反射性反射体であってよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、背面反射体152は高反射率コーティングを有する硬い金属基材、又は支持基材に積層された高反射率フィルムから作製され得る。好適な高反射率材料としては、強化鏡面反射体(ESR)多層高分子フィルム、厚さ0.4ミル(0.010mm)のイソオクチルアクリレートアクリル酸感圧接着剤を使用して硫酸バリウム混合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ2ミル(0.05mm))をESRフィルムに積層することによって作製されるフィルム(得られた積層体フィルムは本明細書で「EDR II」フィルムと称する)、Toray Industries,Inc.から入手可能なE−60シリーズLumirror(商標)ポリエステルフィルム、W.L.Gore & Associates,Inc.から入手可能なものなどの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、Labsphere,Inc.から入手可能なSpectralon(商標)反射材料、Alanod Aluminum−Veredlung GmbH & Co.から入手可能なMiro(商標)陽極酸化アルミニウムフィルム(Miro(商標)2フィルムを含む)、Furukawa Electric Co.,Ltd.から入手可能なMCPET高反射発泡シート材、Mitsui Chemicals,Inc.から入手可能なWhite Refstar(商標)フィルム及びMTフィルム、並びに2xTIPS(説明は実施例を参照のこと)が挙げられる。
【0113】
背面反射体152は、実質的に平らで滑らかでもよく、あるいは光の散乱又は混合を高めるために構造化面が付随していてもよい。そのような構造化面は、(a)背面反射体152の表面上に与えることもでき、又は(b)表面に塗布された透明なコーティング上に与えられてもよい。前者の場合では、高反射フィルムは、構造化面が予め形成された基板に積層されてよいか、高反射フィルムは、平坦な基板(例えば3M Companyから入手可能な耐久性強化鏡面反射体金属(DESR−M)などの薄型金属シート)に積層され、その後で刻印操作などにより構造化表面が形成されてよい。後者の場合、構造化面を有する透明フィルムを平らな反射面に貼り付けてもよいし、透明フィルムを反射体に貼り付け、その後で透明フィルムの上に構造化面を設けてもよい。幾つかの実施形態では、背面反射体は、光ガイドの下面に取り付けられていてよい。更に、幾つかの実施形態では、米国特許出願第61/267,631号(代理人整理番号65796US002)及び国際出願PCT/US2010/053655号(代理人整理番号65900WO004)に記載されているように、光ガイドの出光面112に取り付けられた光学フィルム(例えば、反射偏光フィルム)がそこに存在することが有利又は有益であり得る。
【0114】
更に、本開示のバックライトは、複数の光源120からの光を光ガイド110の入光面114へと方向付けることができる注入光学素子(図示せず)を含んでよい。幾つかの実施形態では、注入光学素子は、当初光ガイド110に注入された光を部分的に平行にするか、横断面(アセンブリの出光面110に配光な横断面)に近い伝搬方向に制限するように機能できる。適切な注入器形状には、くさび、放物線、複合放物線などがある。
【0115】
また、照明アセンブリ100は、複数の抽出機構160を含んでよい。光ガイド110の背面152に近接して位置付けられたものとして図示されているが、抽出機構は、あるいは、光ガイド110の出光面112に近接して位置付けられてよい。又は、抽出機構160は、出光面112及び背面116の両方に近接して位置付けられてよい。あるいは、抽出機構160は、光ガイド110の内部に位置付けられてよい。
【0116】
一般に、光抽出機構は光ガイドから光を抽出し、光ガイドの表面全体で出光の均一性を向上するように構成されてよい。光ガイドからの光抽出を制御するなんらかのプロセスがないと、光源により近い光ガイドの領域は、光源から遠い領域より明るく見えることがある。光抽出機構は、光源の近くではより少ない光を抽出し、光源から遠いところではより多くの光を抽出するように配置されている。分散した光抽出特徴を使用する実装では、光抽出器のパターンは面密度に関して不均一であってもよく、面密度は単位面積内部の抽出器の数又は単位面積内部の抽出器の寸法によって決定されてもよい。
【0117】
抽出機構160は、光ガイド110からの光が出光面112を通過するように方向付けるために、任意の好適な形状及び寸法を含んでよい。例えば、抽出機構160は、様々な寸法、幾何学的形状、及び表面形状(例えば、凸型及び凹型構造体の両方を含む)に形成されてよい。機構160は、高さ及び/又は傾斜角などの少なくとも1つの形状因子の変化が、機構の光抽出効率を制御するように形成されてよい。
【0118】
構造化面層130の光学特性に加えて、抽出機構160の寸法、形状、パターン、及び位置は、所望の出力光束分布をもたらすように調整されてよい。例えば、抽出機構のパターンは、1つ以上の抽出機構が光ガイド112の入光面から任意の好適な距離に、例えば、10mm以内、5mm以内、3mm以内、又は1mm以下以内に位置付けられるように位置付けられてよい。更に、抽出機構160のパターンの開始位置は、1つ以上の抽出機構が複数の光源120の任意の好適な距離(即ち、
図1Aの距離c)以内、例えば、10mm以内、5mm以内、3mm以内、又は1mm以下以内に位置付けられるように位置付けられてよい。更に、抽出機構160は、任意の好適なパターン、例えば、均一、不均一、勾配などで位置付けられてよい。
【0119】
図示されていないが、反射防止コーティング(即ち、ARコーティング)は、構造化面層130の複数の構造体136の少なくとも1つ又は光ガイド110の入光面114に塗布されてよい。任意の好適な反射防止コーティング、例えば、4分の1波長フィルム、ナノ粒子コーティング、又は出願済みの米国特許出願第61/330592号(代理人整理番号66192US002)に記載されるように反応性イオンエッチングによって作製されたナノメートルサイズの微細複製機構若しくはナノ構造表面が用いられてよい。反射防止コーティングは、構造体136及び/又は入光面114の表面におけるフレネル反射の防止を促進することにより、光源120から放射されて光ガイド110の入光面114の中に入る光の結合効率を向上できる。
【0120】
また、照明アセンブリ100は、光ガイド110の1つ以上の縁部に近接して位置付けられ得る任意のベゼル154を含んでよい。ベゼル154は、通常、LCディスプレイなどのディスプレイ内に設けられ、光源120、パネル、及びバックライト装置、並びに光ガイド110を囲む他の素子を観察者から隠す。ベゼル154は、任意の好適な寸法及び形状であってよい。幾つかの実施形態では、出光面112に最も近いベゼル154の縁部から入光面の法線に沿った複数の光源120の1つ以上の光源の主要放射面までの距離dは、20mm未満、15mm未満、10mm未満、7mm未満、又は5mm以下未満であってよい。本明細書に記載の構造化面層を用いると距離dを低減しやすくなるので、ベゼルの寸法が小さくなり、光源120及び光ガイド110の縁部に近接する他の素子が占める空間が小さくなり、それによってアセンブリ100の周囲の不可視エリアが小さくなる。
【0121】
本明細書に記載したように、構造化面層の構造体の特徴は、1つ以上の入光面を通過して光ガイド内に入る光の所望の配光をもたらすように選択されてよい。幾つかの実施形態では、これらの特徴は、光ガイドの平面(例えば、
図1A〜Bのx−y平面)で光を拡散することにより、本明細書に記載のヘッドライティングを排除する配光をもたらすように選択されてよい。幾つかの実施形態では、距離cは距離dよりも小さい。
【0122】
任意の好適な技法を用いて、本開示の照明アセンブリを形成してよい。例えば、
図1A〜Bを参照すると、光ガイド110は本明細書に記載の任意の好適な技法を用いて形成されてよい。次に、複数の光源120は、光ガイド110の入光面114に近接して位置付けられてよく、入光面は、実質的に光ガイドの出光面112に直交する。光源120は、少なくとも1部の光が入光面114を通過して光ガイド110に入るように操作できる。構造化面層130は、構造化面層が複数の光源120と入光面との間に存在するように、光ガイド110の入光面114に取り付けられていてよい。構造化面層130は、光源120に対向する基材132の第1の表面133上に複数の構造体136を含んでよい。
【0123】
所望の出力光束分布、例えば、均一の出力光束分布が選択されてよい。構造化面層130の特徴は、光ガイド110の入光面114に入るように方向付けられる光の所望の配光をもたらすように選択されてよい。
【0124】
また、光抽出機構160は、光ガイド110の出光面112又は背面152のうちの少なくとも1つに近接して形成されてよい。抽出機構160は、光源120及び構造化面層130によって光ガイド内に配光がもたらされるように設計されて、光ガイド110からの光が出光面112を通過するようにして所望の出力光束分布をもたらしてよい。
【0125】
構造化面層130は、任意の好適な技法を用いて製造されてよい。例えば、層130は、第1の主表面及び第2の主表面を有するキャリアフィルム、例えば、下塗りされたPETを設けることによって形成されてよく、プリズム構造体又は微細構造体がキャリアフィルムの第1の主表面に配置されており、接着剤がキャリアフィルムの第2の主表面に配置されている。光ガイド上で組み立てる前のテープ物品は、接着剤上のライナー及びプリズム又は微細構造体の表面上の任意の保護用プレマスクを有する。
【0126】
例えば、
図3は、構造化面層330を含む構造化面層物品380の一実施形態の概略断面図である。層330は、基材332と、基材の第1の表面333上の複数の構造体336と、を含む。構造化面層330は、本明細書に記載の任意の構造化面層を含んでよい。また、物品380は、基材332の第2の表面334上に位置付けられた接着剤層350を含む。ライナー382は接着剤層350上に設けられて、構造化面層330が光ガイドに取り付けられるまで接着剤層を保護してよい。また、物品380は、構造体336上に位置付けられた任意のプレマスク384を含んで、光ガイドへの層の貼り付け前に構造体が損傷しないように保護してよい。
【0127】
あるいは、構造化面層330は、押出し成形複製によって形成されてよい。例えば、接着剤は、熱可塑性樹脂の非構造化面に塗布されてよい。構造化面層は、接着剤上のライナーと、構造化面フィルムの構造化面上の任意の保護用プレマスクと、を含んでよい。
【0128】
また、構造化面層330は、裏側にライナーを備える接着剤の上にプリズムが直接鋳造され、したがって、基材を排除し、著しくコストを削減する、連続鋳造及び硬化プロセスによって作製されてよい。
【0129】
物品330は、最大60インチ以上の幅を有するフィルムロールとして作製され、光ガイドの縁部の上に位置付けられてよい薄型ストリップに加工されてよい。接着剤ライナー382は接着剤層350から取り外され、次に構造化面層330は光ガイドの縁部に貼り付けられる。
【0130】
構造化面層は、スリッティング、回転打抜き、及びレーザー加工を含む幾つかの技法を用いて、フィルムの大型ロールから加工されてよい。構造化面層は、製品を、リールに巻かれた薄型テープの巻きロール状にする方法で更に加工され得るか、幅広コアの上で水平巻きにされ得るか、ライナー上のテープシートに加工され得る。また、構造化面層テープは、個別の独立したフィルム片として調製されてよい。
【0131】
構造化面層フィルムのロールは、フィルム片が本質的にライナー上の長い薄型ラベルである、シート状製品として調製されてよい。これらの片は、一般に知られているキスカット法によって調製されるか、ライナーがレーザーカット止めとして選択されるレーザー加工によって調製されてよい。テープは、光ガイドの縁部に貼付するために、事前に薄型ストリップに切断されてよい。
【0132】
用いることのできる1つの別の技法は、構造化面層のより大きい片を加工し、典型的な光ガイドの製造プロセス下での処理中に研磨された光ガイドの積層体の上に層を取り付けることである。構造化面層フィルムは、光ガイドプレートの積層体に貼り付けられることができ、次にフィルムは、スリッティング又はレーザー加工などのプロセスによって連続的な工程でプレートを分離するように加工されてよい。このプロセスは、テープを光ガイドに貼り付けて大量生産する、効率的かつ低コストの技法を示す。
【0133】
図1A〜Bに戻ると、構造化面層130は、任意の好適な技法を用いて入光面114に近接して位置付けられてよい。例えば、構造化面層130は、接着剤層150上に取り外し可能なライナー(例えば、
図3の物品330)を有する個別のテープとして設けられてよい。ライナーは取り外し可能であり、層130は入光面114に取り付けられていてよい。製造中に層130の構造化面に貼り付け可能なプレマスク層は、層を光ガイド110に取り付けられた後に取り外してよい。
【0134】
あるいは、構造化面層130のストリップは、テープ状に巻かれてよい。テープの一部をテープロールから引き出し、接着剤層からライナーを取り外してよい。次に、層130を入光面114に貼り付け、寸法に合わせてカットする。テープロールをテープガンに挿入して、層130を光ガイド110に貼り付けやすくしてよい。
【0135】
別の実施形態では、転写接着剤ガンと、構造化面層テープロールと、を含む2点キットが提供されてよい。接着剤ガンを用いて最初に入光面114に接着剤を塗布し、次に、層130を接着剤に貼り付けて寸法に合わせてカットしてよい。
【0136】
構造化面層130は、複数の光源120から入光面114を通過して光ガイド110に入るように方向付けられる光の所望の配光をもたらしてよい。例えば、光線170は光源120から放射され、構造化面層130上に入射する。層130は、光ガイドの平面(即ち、x−y平面)内で入光面114の法線172と角度αをなすように、(例えば、屈折又は回折によって)光線170が光ガイド110に入るように方向転換する。この光線170は、光ガイド110のTIR角θよりも大きい角度で光ガイド110に注入される。
図1Bに示すように、したがって光源120からの光は、光ガイドの平面内部で拡散し、それによってヘッドライティング効果を低減させるように、光ガイド110内に入るように方向付けられてよい。
【0137】
これは、
図1Bでも概略的に図示される。光源120の1つから光ガイド112に入る光の円錐角は、エリア176及び178の組み合わせとして図示される。エリア178は、光源と光ガイドの入光面との間に構造化面層が位置付けられていないと仮定して、光ガイドの屈折率によって画定される円錐角を示す光錐である。エリア178の両側のエリア176は、構造化面層130によって、光ガイド112のTIR円錐角よりも大きい円錐角に入れられる光を定める。理想的には、構造化面層130は、TIR円錐角を超える角度で十分な光を供給して、光源120の2つの隣接する放射面の間のエリアを満たす。
【0138】
光ガイド112に入る光の割合、例えば、10%は、光ガイドのTIR円錐角外であるため、TIRによる反射で光ガイドに戻されない、光ガイド112の隣接する縁部118に達する光の部分が存在する。このため、幾つかの実施形態では、光ガイドの1つ以上の縁部118に近接するか、取り付けられている側面反射体140を有することが有用である。幾つかの実施形態では、反射体140は、光ガイド112の縁部118から空隙によって分離されてよい。この場合、反射体は、バックライトフレームと光ガイド112の縁部118との間を浮動してよいか、反射体は、バックライトフレームに貼付されて支持されてよい。幾つかの実施形態では、反射体140は、光ガイド112の縁部118に取り付けられていてよく、これについては、本明細書で詳述する。
【0139】
反射体140が光ガイドの縁部118に取り付けられているか、これから分離されているかに関わらず、側面反射体140は、光が反射体に入射する場合、この反射体が少なくとも90%の光を戻し、戻した光の大部分が面外TIR領域内部に存在するように位置付けられ、このような特性を有する必要がある。反射体140が、面内TIR領域外である光ガイド112内に光を戻すことが望ましい場合もあり、そうでない場合、面外TIR領域外に存在するように、光は厚さ方向(即ち、z方向)に著しくそれることなく光ガイドから漏れるであろう。側面反射体140によって反射される光を面外TIR領域内部に維持することが望ましいため、側面反射体140は、本明細書で詳述するように鏡面性又は半鏡面性であることが好ましい場合がある。
【0140】
LEDを取り外し、各LEDの間隔を増してコストを低減するという目標は、照明アセンブリの性能が悪影響を受けないようにすべてのパラメーターを慎重に検討する必要がある。
図1A〜Bは、アセンブリの性能、具体的には、アセンブリがアセンブリの出光面112の可視エリアの縁部において許容可能な均一性をもたらすかどうかに影響を与え得る幾つかの関係を示す。例えば、距離aは光源120の中心間距離であり、bは光源120の放射面から光ガイド112の入光面114までの距離であり、b’は光源の放射面と構造化面層130の構造体136との間の距離であり、cは光源120の放射面と抽出パターン160との間の距離であり、dは光源120の放射面と出光面112の中心に最も近いベゼル154の端部との間の距離であり、eは光源120の主要放射面間の距離である。これらの距離は、光ガイド112の出光面112を通過するように方向付けられる光の所望の均一性をもたらす、任意の好適な寸法を含んでよい。例えば、これらの距離は、それぞれ15mm未満、10mm未満、5mm未満、1mm以下未満であってよい。
【0141】
本開示の照明アセンブリを用いて、任意の好適な用途に対して照明光を供給できる。例えば、上述の照明アセンブリは、LCディスプレイのバックライトとして、及び能動又は受動標識として用いられてよい。また、上述のアセンブリは、建物照明又は一般的な照明、作業灯などの照明装置又は照明設備に用いられてよい。
【0142】
例えば、
図4には、直下型表示システム490の一実施形態の概略断面図が図示される。かかる表示システム490は、例えば、LCDモニタ、LCDタブレット装置、又はLCD−TVで用いられてよい。表示システム490は、表示パネル492と、表示パネル492に光を供給するように位置付けられた照明アセンブリ400と、を含む。表示パネル492は、任意の好適な種類のディスプレイを含んでよい。表示パネル492は、LCパネルを含んでよい。LCパネル492は、通常、パネルプレート間に配置されたLCの層を含む。プレートは多くの場合ガラスから形成され、LC層中の液晶の配向を制御するために、プレートの内面上に電極構造体及びアラインメント層を含んでよい。これら電極構造体は、液晶パネル画素、即ち隣接する領域とは独立して液晶の配向を制御できる液晶層の領域を画定するように一般的に配置されている。また、1つ以上のプレートと共に、LCパネル492によって表示された画像に色付けするためのカラーフィルターが含まれてもよい。
【0143】
LCパネル492は、通常、上方吸収偏光子と下方吸収偏光子との間に位置付けられる。上方吸収偏光子及び下方吸収偏光子は、LCパネル492の外側に位置する。吸収型偏光子及びLCパネル492は共同して、表示システム490を通過してバックライト400から観察者まで達する光の透過を制御する。例えば、吸収偏光子は、その透過軸が互いに垂直な状態で配列されてもよい。活性化されていない状態では、LC層の画素は、そこを通過する光の偏光を変えることはない。したがって、下方吸収偏光子を通過する光は、上方吸収偏光子によって吸収される。一方、画素が活性化されると、その画素を通過する光の偏光は回転されて、下方吸収偏光子を透過した光の少なくとも一部は上方吸収偏光子も透過する。例えば、制御装置496によって、LC層の異なる画素を選択起動すると、光が特定の所望の位置から表示システム490を出て、それにより観察者に見られる画像を形成する。制御装置496は、例えば、コンピュータ、又はテレビ画像を受信して表示するテレビ制御装置を含み得る。
【0144】
例えば、表示面の機械的保護及び/又は環境的保護を提供するために、上方吸収偏光子に近接して1つ以上の任意の層が設けられてよい。ある例示の実施形態において、この層は上方吸収偏光子上にハードコートを含んでよい。
【0145】
いくつかのLCディスプレイは上記の方式とは異なった方式で作動できることは理解されよう。例えば、吸収偏光子は平行に整列されてもよく、LCパネルは非活性化状態にあるときに光の偏光を回転させてもよい。これと関係なく、そのような表示装置の基本構造は、本明細書での基本構造と類似したまま残存する。
【0146】
システム490は、バックライト400と、任意に、バックライト400とLCパネル492との間に位置付けられた1つ以上の光管理フィルム494と、を含む。バックライト400は、本明細書に記載の任意の照明アセンブリ、例えば、
図1A〜Bの照明アセンブリ100を含んでよい。
【0147】
光制御ユニットとも呼ばれる場合がある光制御フィルム494の配列は、バックライト400とLCパネル492との間に位置決めされる。光管理フィルム494は、バックライト400から伝播する照明光に影響を及ぼす。例えば、光管理フィルム494の配列は、拡散体を含んでよい。拡散体はバックライト490から受けた光を拡散するのに用いられる。
【0148】
拡散層は、任意の好適な拡散フィルム又はプレートであってよい。例えば、拡散層は、任意の好適な拡散材(単数又は複数)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、拡散層は、ガラス、ポリスチレンビーズ、及びCaCO3粒子を含む様々な分散相を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)の高分子マトリックスを含んでよい。代表的なディフューザーには、3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能な3M(商標)Scotchcal(商標)Diffuser Film、タイプ3635−30、3635−70及び3635−100を挙げることができる。
【0149】
また、任意の光管理ユニット494は反射性偏光子を含んでよい。任意の好適な種類の反射性偏光子、例えば、多層光学フィルム(MOF)反射性偏光子;ファイバ偏光子、ワイヤグリッド反射性偏光子、又はコレステリック反射性偏光子を含む連続/分散相偏光子のような拡散反射性偏光フィルム(DRPF)が、反射性偏光子に用いられてよい。
【0150】
MOFと連続/分散相反射偏光子の両方が、少なくとも2種類の材料、通常は高分子材料の間における屈折率の差異を利用して、1つの偏光状態の光を選択的に反射し、一方で直交する偏光状態にある光を透過させる。MOF反射性偏光子の幾つかの例は共有の米国特許第5,882,774号(Jonzaら)に記載されており、反射性偏光子は国際公開第2008/144656号(Weberら)に記載されている。MOF反射性偏光子の市販の例には、3M Companyから入手可能な、拡散面を含むDBEF−D200及びDBEF−D440多層反射性偏光子が挙げられる。
【0151】
本開示と関連した有用なDRPFの例には、例えば同一出願人に所有された米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)に記載された連続/分散相反射偏光子と、例えば同一出願人に所有された米国特許第5,867,316号(Carlsonら)に記載された拡散反射多層偏光子がある。他の好適なタイプのDRPFが、米国特許第5,751,388号(Larson)に記載される。
【0152】
本開示と関連して使用できるワイヤグリッド偏光子のいくつかの例には、例えば米国特許第6,122,103号(Perkinsら)に記載されたものがある。ワイヤグリッド偏光子は、とりわけユタ州オレムのMoxtek Inc.から市販されている。
【0153】
本開示と関連して役立つコレステリック偏光子の幾つかの例には、例えば米国特許第5,793,456号(Broerら)と米国特許出願公開第2002/0159019号(Pokornyら)に記載されたものがある。コレステリックの偏光子は多くの場合に、コレステリックの偏光子を透過する光が直線偏光に変換されるように、出力側に4分の1波長遅延層を伴って提供される。
【0154】
幾つかの実施形態では、偏光制御層を拡散プレートと反射性偏光子との間に設けてよい。偏光制御層の例には、4分の1波長遅延層、及び液晶偏光回転層のような偏光回転層が挙げられる。偏光制御層は、再利用される光が反射偏光子を透過する割合が増加するように、反射偏光子から反射された光の偏光を変化させるために使用してもよい。
【0155】
光処理フィルム494の選択的な配列は、1つ以上の光度向上層を含んでもよい。光度強化層は、軸から外れた光の向きをディスプレイの軸に近い方向に変化させることができる。これは、軸上でLC層を伝搬する光の量を増加させ、したがって、観察者が見る画像の光度を向上させる。光度向上層の一例は、照明光を屈折と反射で変化させるいくつかのプリズム隆起部を有するプリズム光度向上層である。表示システム490で用いられてよいプリズム光度向上層の例には、BEF II 90/24、BEF II 90/50、BEF IIIM 90/50、及びBEF IIITを含む、3M Companyから入手可能なBEF II及びBEF III系のプリズムフィルムが挙げられる。光度向上は、本明細書で更に詳しく説明される前方反射体の実施形態のいくつかによって提供され得る。
【実施例】
【0156】
比較実施例1:参照用照明アセンブリ
参照用照明アセンブリは、標準的なモデリング技法を用いてモデル化した。このアセンブリは、入光面を有する光ガイドと、光が光ガイドに入るように位置付けられた光源と、を含んだ(例えば、
図1A〜Bの照明アセンブリ100)。光ガイドは、1.51の屈折率を有した。このモデル化例及び他のモデル化例では、結合効率は、入光面から最遠の光ガイドの縁部に達した、光源が発した光線の割合として定めた。光ガイドの平面で結合した光線の角拡散の特性を評価するために、モデル内の、入光面から1.5mm離れた距離に検出器を配置した。検出器は、光ガイドの幅(10mm)を占めた。この検出器は、入光面と平行な平面において、光ガイド全体の光度プロファイルを測定した。均一性は、L
Min/L
Max×100%として定義し、式中、Lは輝度である。
図6は、y軸に沿った入光面と平行な平面(
図1Bを参照)における光ガイドの位置(mm)に対する、輝度(cd/m
2)のグラフである。
【0157】
この参照用アセンブリは構造化面層を含まなかった。結合効率は93.2%に等しく、均一性は34%に等しかった。
【0158】
実施例1:拡張プリズム構造体を備える構造化面層を有する照明アセンブリ
光ガイドの入光面に位置付けられた構造化面層を使用して、比較実施例1の参照用照明アセンブリを再度モデル化した。この構造化面層は、プリズム方向が光ガイドの平面に直交するように配向された線形プリズムを含む複数の構造体を含んだ。プリズムは、90度の頂角を有した。プリズムは、光ガイドの反対側を向いており、LED光源に対向するプリズム先端部を備えていた。また、プリズムの表面は、ARコーティングを含んでいた。
図7は、y軸に沿った入光面と平行な平面における光ガイドの、位置(mm)に対する輝度(cd/m
2)のグラフである。
【0159】
LED光源から放射される光の結合効率は、比較実施例1の結合効率93.2%から97%へと増加した。構造化面層は、グレージング角で入光面に入射した光線の数を最小化するのに役立った。均一性は、比較実施例1の均一性34%から69%へと向上した。
【0160】
比較実施例2:参照用照明アセンブリ
標準的なモデリング技法を用いて、屈折率1.49の標準的なPMMA光ガイドを含む参照用照明アセンブリの光度均一性シミュレーションを実行した。LEDは、光ガイドの入光面から1mmに位置付けた。LED放射面の寸法は1mm×2mmであり、LED間隔は10mmに等しく、光ガイドの厚さは4mmであった。
図8は、入光面と平行な平面において測定した入光面と平行な方向(例えば、
図1Bのy軸)における光ガイドの、位置に対する輝度(cd/m
2)のグラフである。
【0161】
光度の均一性は4.1%に等しく、結合効率は94.5%に等しかった。
【0162】
実施例2:構造化面層を含む照明アセンブリ
標準的なモデリング技法を用いて、LED光源と光ガイドの入光面との間に位置付けられた構造化面層を備える、比較実施例2の照明アセンブリのシミュレーションを実行した。構造化面層の屈折率は、光ガイドの屈折率(n=1.49)に一致していた。構造化面層の平面側は、光ガイドに光学的に結合された。光ガイド内部の入光面と平行な平面において測定された光度プロファイルを
図9に示す。
【0163】
光ガイドの平面において、屈折誘起性光錐は実質的に拡大しており、検出器において、隣接するLEDからの光線とのオーバーラップが著しく増加する。このモデル化された実施例の光度の均一性は、比較実施例2の4.1%から17.3%へと増加した一方、結合効率は95.5%でほぼ同一であった。
【0164】
実施例2の構造化面層の複数の構造体の形状をベジエ曲線として
図20Aに示す。この構造体は、光ガイドの平面に垂直に(即ち、z軸に沿って)整列させた非球面プリズムであった。構造化面層は並進不変であり、層と光源の位置合わせを行う必要はなかった。
図20Aの形状の面法線の分布を
図20Bに示す。この分布は、構造体の法線に対して+65度〜−65度の間のすべての角度を含み、光ガイドに入る光に対して、光ガイドの平面での光の広範囲への拡散をもたらすことができる。
【0165】
構造化面層によってもたらされる更なる光拡散を利用して、光ガイド設計においてLED間隔を増加できる。用途に応じて、所望の均一性閾値は、光源と光ガイドの入光面との間の所与の距離に対して決定してよい。例えば、
図10Aは、標準的なモデリング技法を用いてモデル化した照明アセンブリの、光源ピッチに対する均一性のグラフである。この照明アセンブリは、光ガイド(例えば、光ガイド110)の入光面(例えば、入光面114)から1mmの距離に位置付けられた複数の光源(例えば、
図1A〜Bの光源120)を含む。様々な光源ピッチに対してこのアセンブリをモデル化した。曲線1002aは構造化面層を含まない照明アセンブリを示し、曲線1004aは本明細書に記載の構造化面層(例えば、構造化面層130)を含む照明アセンブリを示す。
【0166】
更に、
図10Bは、構造化面層を含まない照明アセンブリの、光源ピッチに対する均一性のグラフ(即ち、曲線1002b)及び構造化面層を含む照明アセンブリの、光源ピッチに対する均一性のグラフ(即ち、曲線1004b)である。様々な光源ピッチをモデル化した。このモデルでは、光ガイドの入光面から5mmの距離に光源を位置付けた。
【0167】
図10Bに示すように、所望の出力光束分布を得るために、構造化面層は2倍を超えるLED間隔を実現でき、したがって、システム設計上の自由が得られる。例えば、開示した構造化面層を用いると、より低コストのLED、例えば、大型ダイLEDを用いることができる。また、この設計上の自由は、LED間隔を大きくして熱管理を向上できることにより、システム効率の向上に役立つことができる。最終的には、上述の構造化面層によって実現する光拡散は、片側照明構造と同数のLEDを備える両側照明構造を実現し、したがって、アセンブリの有効アスペクト比を低減することにより、高アスペクト比(薄型)システムにおける光度の均一性の問題の解決に役立つことができる。
【0168】
実施例3:線状非球面プリズム構造化面層の微細複製
微細複製ツールを用いて、
図20A〜Bを参照して記載したように、線状プリズム構造体を有する構造化面層を作製した。層の作製に用いたツールは、
図11に示すダイヤモンドを含む精密ダイヤモンド旋盤を用いてツールの銅表面に切削した、改質ダイヤモンド旋削の金属製円筒形ツールパターンであった。ダイヤモンドは、ラフカットダイヤモンドを取得し、ダイヤモンドの形状が
図20Aに示す構造プロファイル(
図11の点線で示す)に一致するように集束イオンビームミリングを用いて成形することによって作製した。得られた精密切削機構を備える銅円筒にニッケルめっきを施し、米国特許第5,183,597号(Lu)に記載のプロセスを用いて取り外し処理を行った。
【0169】
構造化面層は、下塗りされたPET支持フィルム(厚さ2ミル(0.05mm))上で鋳造してから、紫外線を用いて精密円筒形ツールで硬化した、アクリレートモノマー及び光開始剤を含む一連のアクリル樹脂を用いて作製した。第1の樹脂は、CN120(Sartomer Company(Exton,PA)から入手可能なエポキシアクリレートオリゴマー)及びフェノキシエチルアクリレート(SR3339という名前でSartomerから入手可能)の重量比75/25の混合物に0.25重量%のDarocur 1173及び0.1重量%のDarocur TPO(どちらもCiba Specialty Chemicals Inc.から入手可能)からなる光開始剤パッケージを加えたものであった。第1の樹脂が硬化すると、屈折率1.57の中実の高分子物質になる。第2の樹脂は、国際公開第2010/074862号の実施例2に記載のとおりに調製した光硬化性アクリレート処方物であった。第2の樹脂が硬化すると、屈折率1.65の中実の高分子物質になる。微細構造体を備える物品を調製するための鋳造及び硬化技法は、米国特許第5,183,597号(Lu)及び同第5,175,030号(Luら)に記載されている。
【0170】
フィルム微細複製装置を用いて、連続フィルム基材上に線状非球面構造体を作製した。この装置は、コーティング溶液を塗布するための一連のニードルダイ及びギアポンプと、円筒形の微細複製ツール、ツールと接触するゴムニップロールと、微細複製ツールの表面に隣接して配置され、最大出力の60%で動作するFusion UV硬化光源と、連続フィルムの供給、伸張、及び巻き取りを行うウェブ処理システムと、を含んでいた。装置は、ツール温度、ツール回転、ウェブ速度、ゴムニップロール/ツール圧力、塗料溶液流量、及びUV放射照度など、幾つかのコーティングパラメーターを制御するように構成した。構造化面層は、アクリレートモノマー及び光開始剤を含む一連のアクリレート樹脂を用いて作製した。光硬化性アクリル樹脂は、下塗りされたPET支持フィルム(厚さ2ミル(0.05mm))上で鋳造してから、紫外線を用いてPET支持フィルムと精密円筒形ツールとの間で硬化した。2種類の樹脂のうちの第1の樹脂(1.57の硬化後屈折率を有する樹脂)については、ライン速度70フィート/分(0.36m/秒)、ツール温度華氏135度、ニップ圧15〜50psi(0.10〜0.34MPa)の範囲、最大出力の60%で動作するFusion UV硬化光源という条件を用いて鋳造及び硬化プロセスを実行した。2種類の樹脂のうちの第2の樹脂、即ち、1.65の硬化後屈折率を有する樹脂については、ライン速度50フィート/分(0.25m/秒)、ツール温度華氏125度、ニップ圧15psi(0.10MPa)、最大出力の60%で動作するFusion UV硬化光源という条件を用いて鋳造及び硬化プロセスを実行した。
【0171】
得られた微細複製フィルムの特性を評価するために、屈折率の異なるプリズム構造体を備える2枚のフィルム片をScotchcast 5(3M Companyから入手可能)に埋め込み、断面が線状非球面プリズムの方向に直交するように断面を切断した。
図12Aは、1.57の硬化後屈折率を有するアクリル樹脂で作製した微細複製層の断面を示し、
図12Bは、1.65の屈折率を有する、ジルコニア充填硬化アクリル樹脂の断面を示す。
【0172】
光学的に透明な感圧接着剤8172−CL(2つのライナー間が2ミル(0.05mm)の感圧接着剤(3M Companyから入手可能))を使用して、両方の微細複製フィルム(n=1.57の線状非球面及びn=1.65の線状非球面)を積層させた。次に、構造化面層が3mm長の繰り返し線状非球面微細構造体を含み、テープの長さが54インチになるように、線状非球面方向に直交するフィルムストリップを3mm幅に切断して、積層フィルムを被覆した。
【0173】
構造化面層の性能を評価するために、ディスプレイ試験台を選択した。ディスプレイは、16:9のアスペクト比を有するLenovo ThinkVision L2251xwD 22”対角モニタを選択した。このモニタは、白色反射体を有するバックライトキャビティと、バックライトキャビティ内に配置され、白色反射体をその後ろに備え、その表面に勾配抽出ドットパターンが印刷されたアクリル光ガイドと、光ガイド/ディスプレイの底縁部から導波路を照らす1列のLEDと、拡散フィルム、マイクロレンズフィルム、及びDBEF D−280を含む光度向上フィルムの標準的な積層体と、LCDパネルと、LCDパネルの上にあるベゼルと、を含んだ。
【0174】
LED光バーは、電力が直列で供給される9個のLEDで各ストリングが構成される、6個の独立したストリングとして動作する、54個のLEDで構成した。LEDストリングは、インターレース方式になるように、つまり、LEDが6個おきに同一のストリングになるように光バーに配置した(ストリングは、s1−s2−s3−s4−s5−s6−s1−s2−s3−s4−s5−s6などの反復方法で編成した)。この配列のおかげで簡単に再配線でき、各LEDストリングを個別に制御することによってバックライト内の様々なLED間隔(中心間ピッチ)を実現できる。配線の変更は、すべてのLEDが(9mmのLED中心間距離)、1個おきのLEDが(18mmの中心間距離)、3個おきのLEDが(27mmの中心間距離)、6個おきのLEDが(54mmの中心間距離)という構成で可能であった。LED間隔を2倍にするには、1個おきのLEDストリング(s1+s3+s5、又はs2+s4+s6)を作動できる。LED間隔を3倍にするには、3個おきのLEDストリング(s1+s4、又はs2+s5、又はs3+s6)を作動できる。そして最終的に間隔を6倍にするには、LEDストリングの1個だけを作動できる。
【0175】
ディスプレイは、当初9mmのLED中心間距離(すべてのLED)、0.25mm未満のLED表面から光ガイドの入光面までの距離、約2mmのLEDから抽出パターンの開始位置までの距離、約5mmの完全に組み立てたディスプレイ内でのLED表面からベゼル縁部までの距離という、限界寸法を有した。LEDは、単一のパッケージに2個のダイを含む蛍光体変換白色LEDであり、約2mm×4.5mmの放射面を有する。LEDの寸法を所与とすると、隣接するLEDの発光領域の間隔(
図1Bの距離e)は、9mm、18mm、27mm、及び54mmの対応するLED中心間距離に対して、それぞれ5mm、14mm、23mm、及び50mmに一致する。注意すべき特徴の1つは、光ガイド抽出パターンが、光ガイドの入光面の縁部において様々な寸法又は密度を有したことである。この特徴は、当初9mmのLEDピッチ構成に向上した均一性をもたらすために設計した。
【0176】
構造化面層の効率性を評価するために、手動積層プロセスによって層又はテープのストリップを光ガイドの入光面に貼り付けた。光学的に透明な接着剤は、接着剤と入光面との間に空気が閉じ込められずに、微細構造化層が入光面と光学的に結合するように、塗布時に湿潤し、光ガイドの入光面の表面粗さに適合した。
【0177】
図13A−1、B−1、及びC−1は、構造化面層を有さない、LED中心間距離が27mmであるディスプレイのプロメトリック画像からの輝度のライン走査を示す。
図13A−2、B−2、及びC−2は照明アセンブリのプロメトリック画像を示し、黒線は、
図13A−1、B−1、及びC−1に示したライン走査の位置を示す。
図14A〜Cは、1.57の屈折率及び27mmのアセンブリのLED中心間距離を有する構造化面層フィルムを備えるディスプレイのプロメトリック画像からの輝度のライン走査及び照明アセンブリ画像を示す。
図15A〜Cは、1.65の屈折率及び27mmのアセンブリのLED中心間距離を有する構造化面を備えるディスプレイの照明アセンブリの輝度のライン走査及びプロメトリック画像を示す。各パラメトリック(parametric)画像では、ライン走査は、ディスプレイの左下隅にある3個のLEDの同一の範囲のすべてを対象とした。各ケースのライン走査は、ベゼルから5画素、つまり2.4mmの距離、ベゼルから16画素、つまり7.6mmの距離、及びベゼルから30画素、つまり14.3mmの距離で実施された。光ガイドの縁部からの各ライン走査の距離は、7.4mm、12.6mm、及び19.3mmであった。
【0178】
各ケースの均一性データの概要を表1にまとめ、構造化面層を含むアセンブリは、27mmの中心間距離(隣接するLEDの発光領域の間隔は23mm)において、構造化面層を含まないアセンブリよりも均一性が高いことを確認する。
【0179】
【表1】
実施例4:光ガイドの入光面からの光源の距離
次の実施例は、Breault Research Organization,Inc.(Tucson,AR)から市販されている光線追跡プログラムであるASAPを用いて実行した。これらの実施例では、光ガイドの屈折率を1.51に設定し、
図20A〜Bの線状非球面プリズム形状を用い、構造化面層の構造体の屈折率を1.62に設定し、LED放射面は2mm×3.5mmであり、光ガイドの厚さは3mmであり、均一性を測定するために光ガイドの入光面から5mmの位置に検出器を配置した、という仮定を用いた。
【0180】
検討する最初のパラメーターは、光源と光ガイドとの間の距離である。この距離と構造化面との組み合わせは、照明アセンブリの性能に影響を与え得る。
図16A〜Bは、LEDから光ガイドの入光面までの距離に応じた結合効率及び均一性に関するデータを示す。このモデルでは、光源は光ガイドの入光面に位置付け、光ガイドの直交縁部を吸収性にした。曲線1601及び1602は、構造化面層を含まない照明アセンブリの曲線であり、曲線1603及び1604は、光ガイドの入光面に取り付けられた構造化面層を含む照明アセンブリを示し、曲線1605及び1606は、光ガイドの入光面から離隔配置された構造化面層を有する照明アセンブリを示し、曲線1607及び1608は、構造体上に形成されたARコーティングを有する、取り付けられた構造化面層を含む照明アセンブリを示す。
図16A〜Bに示すように、構造化面層を用いたケースでは、著しい光損失が存在する。このシステム効率の低下は、面内TIR領域外に光の大部分を方向付ける構造化面層が原因であり、これらの光はガイドの隣接する直交縁部において光ガイドから漏れる。更に、LEDと光ガイドの入光面との間の距離を増加させると、光混合の距離を増加でき、これは均一性を向上させるが、光ガイドに達する前により多くの光線が吸収されるために、光ガイドに結合され得る光の量を減少させることにもなる。
【0181】
図17A〜Bは、この場合では光ガイドの直交縁部が高反射性である(例えば、この面に取り付けられた強化鏡面反射体を有する)点を除いて、同一の実験を示す。隣接かつ直交する光ガイドの縁部に反射体を用いると、構造化面層を含まない場合よりも効率性を向上できる。構造化面層はそれでも面内TIR領域外に光を送るが、側面反射体が光をアセンブリに戻し、その結果、システム効率を維持する。比較のために、分離した構造化面層は光ガイドの均一性を向上できるが、アセンブリの効率性は減少し得る。
【0182】
実施例5:光ガイドの屈折率
図18は、TIR円錐角外で光ガイドに入る光の割合に対する光ガイドの屈折率の関係を示す。これらすべての場合について、線状非球面プリズム構造化面層は1.62の屈折率を有した。グラフに示すように、光ガイドの屈折率が増加すると、TIR円錐角は減少し、TIR円錐角外で光ガイドに入る光の割合は増加する。これは、
図19にもグラフ表示されており、ガイド内の40〜50%の光がガイドの平面内でTIR円錐角外である。直交縁部上に側面反射体が存在すると、相当量の光がシステムに戻される。
【0183】
実施例6:構造化面層の構造体の最適形状
3次ベジエ関数を用いて構造化面層の構造体の様々な形状をモデル化し、4つの異なる屈折率(n=1.49、n=1.545、n=1.62、及びn=1.65)に対して最適化した。3次ベジエ曲線の式は、次のように求める。つまり、2個の端点(x
0,y
0)及び(x
3,y
3)並びに2個の制御点(x
1,y
1)及び(x
2,y
2)を所与とすると、2個の端点を結ぶベジエ曲線は、次のように求める:
x(t)=a
xt
3+b
xt
2+c
xt+x
0、y(t)=a
yt
3+b
yt
2+c
yt+y
0(t∈[0 1]の場合)
式中、
c
x=3(x
1−x
0)
b
x=3(x
2−x
1)−c
x
a
x=x
3−x
0−c
x−b
x
c
y=3(y
1−y
0)
b
y=3(y
2−y
1)−c
y
a
y=y
3−y
0−c
y−b
y。
【0184】
物理的には、各制御点の位置が対応端点におけるベジエ曲線の傾斜を決定する。これらの実施例について、x
0=0及びx
3=1に設定して構造体の半値幅を1に固定し、y
3=0に設定して第2の端点を直交方向の0参照点に選択した。構造体の形状の頂点における接線は、y
1=y
0に設定してゼロに固定した。次に、残りの自由パラメーターは、y
0(構造体の高さ)、x
1(構造体の頂角の先鋭度)、x
2、及びy
2であった。
【0185】
以下の表は、3種類の屈折率に対して最適化されたパラメーターを示す。
【0186】
【表2】
y
0が0.75より大きく1.25未満の範囲であり、x
1が0.1より大きく0.6未満の範囲であり、x
2が0.1より大きく0.6未満の範囲であり、y
2が0.5より大きく1.0未満の範囲を選択した。これは、平滑な球面及び様々な高さのやや円形のプリズムを含む。
【0187】
構造体の屈折率に対して最適化された各形状の感度を表3に示す。これらのモデル化結果では、光ガイドプレートの屈折率を1.49に設定し、光源の中心間距離は25mmであり、光源から光ガイドの入光面までの距離は0.25mmであった。
【0188】
【表3】
図20A〜C、22A〜C、24A〜C、及び26A〜Cは、それぞれ1.49、1.545、1.62、及び1.65の屈折率を有する構造体の最適化された構造形状のベジエ曲線、面法線分布、及び面法線確率分布のグラフである。また、
図21A〜C、23A〜C、25A〜C、及び27A〜Cは、
図20A〜C、22A〜C、24A〜C、及び26A〜Cに示す構造体の、位置に対する輝度を示す。
図20A、22A、24A、及び26Aは、幾つかの実施形態において、結合光の最適な角度分布はコウモリの翼のような分布を有し、許容可能な均一性は、軸上(即ち、光ガイドの入光面に直交する)を伝搬する光と軸外の光との釣り合いを取ることによって達成できることを図示する。
【0189】
テープの所与の屈折率では、この特定の屈折率に合わせて最適化された形状が別の形状よりも優れたシステムの均一性をもたらす。しかし所与の形状では、形状がどの屈折率に合わせて最適化されたか関わらず、屈折率が高いテープがより優れた均一性をもたらす。所望の均一性は、(平坦な境界面の屈折最大値を大幅に超える)構造化面層自体で広範囲の面内角度を効果的に結合する構造体の形状と、構造化面層からガイドへの屈折による光の拡散量を決定する構造体の高屈折率と、を組み合わせることにより達成できる。
【0190】
面法線分布は、位置に応じた構造化面の局所面法線の方向(光ガイドの入光面の面法線に対して度単位で測定される)として定義する。次に、面法線確率分布は、角度に応じた、特定の角度範囲(本明細書では、+/−5度)内部にあるべき構造化面上の無作為位置における面法線方向の確率として定義する。
【0191】
構造化面層の構造体の形状は、主として、光ガイドの屈折錐内部の角度に応じて配光を制御する。最適な形状は、(1)ガイドの厚さ方向でTIR角を超えて光をガイドに結合させず、(2)ガイドに結合される光の量をガイドの平面のTIR錐内部とTIR錐外とで釣り合わせ、ガイドの縁部付近に良好な光度の均一性をもたらす必要がある。TIR錐内部の光が多すぎると、LED間に薄暗いスポットが生じ(テープのないケース)、一方ではTIR錐外の光が多すぎると、LEDの位置に薄暗いスポットが生じる(BEFの場合)。例えば、
図21A〜Cを参照されたい。
【0192】
幾つかの実施形態では、光ガイドの入光面から5mm離れた検出器の場合、大きい角度広がりに寄与しない浅面(面法線は10度未満)の割合は、50%未満、30%未満、10%未満だが、5%以上であってよい。高結合効率を維持するためには、高反射率かつ小衝撃係数(最初の反発相互作用が非常に小さい)を有する急傾斜面(70度より大きい)の割合は小さい、即ち、15%未満、好ましくは5%未満であってよい。最終的に、ガイド面での光の拡散に最も寄与し、コウモリの翼のような好ましい角度分布(即ち、15度〜65度)をもたらす表面の割合は、40%以上であるべきである。
【0193】
本明細書に引用したすべての参照文献及び刊行物は、本開示と直接矛盾しうる場合を除いて、それらの全容を本開示に明確に援用するものである。本開示の例示的実施形態を検討すると共に本開示の範囲内の可能な変形例を参照してきた。本開示のこれらの及び他の変形例及び変更例は開示の範囲から逸脱することなく当業者には明らかであろうと共に、本開示は本明細書に記載された例示的実施形態に限定されないことは理解されよう。したがって本開示は、冒頭に提示した特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[33]に記載する。
[1]
照明アセンブリであって、
出光面及び実質的に前記出光面に直交する光ガイドの少なくとも1つの縁部に沿った入光面を含む光ガイドと、
光が前記入光面を通過して前記光ガイドに入るように位置付けられた複数の光源と、
前記複数の光源と前記光ガイドの入光面との間に位置付けられ、基材及び前記複数の光源に対向する前記基材の第1の表面上の複数の構造体を含む、構造化面層と、
を含み、前記複数の構造体が前記光ガイドの屈折率n2とは異なる屈折率n1を有する、照明アセンブリ。
[2]
│n1−n2│が0.01よりも大きい、項目1に記載のアセンブリ。
[3]
n1がn2よりも大きい、項目1に記載のアセンブリ。
[4]
前記構造化面層が接着剤層で前記光ガイドの入光面に取り付けられている、項目1に記載のアセンブリ。
[5]
前記接着剤層が感圧接着剤を含む、項目4に記載のアセンブリ。
[6]
前記接着剤層がn1よりも小さい屈折率n3を有する、項目4に記載のアセンブリ。
[7]
前記構造化面層の複数の構造体の1つ以上の構造体が、実質的に前記光ガイドの出光面に垂直である軸に沿って延在する、項目1に記載のアセンブリ。
[8]
前記複数の構造体がプリズム構造体を含む、項目7に記載のアセンブリ。
[9]
前記複数の構造体が非球面構造体を含む、項目7に記載のアセンブリ。
[10]
前記複数の構造体がレンズ状構造体を含む、項目7に記載のアセンブリ。
[11]
前記複数の構造体が第1の構造体セットと、前記第1の構造体セットとは異なる第2の構造体セットと、を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[12]
前記光ガイドが、前記光ガイドからの光が前記光ガイドの出光面を通過するように機能する複数の抽出機構を更に含む、項目1に記載のアセンブリ。
[13]
前記複数の抽出機構が、実質的に前記出光面に平行である前記光ガイドの背面に近接して配置されている、項目12に記載のアセンブリ。
[14]
前記光ガイドが、実質的に前記出光面に平行である前記光ガイドの背面に近接して配置された背面反射体を更に含む、項目1に記載のアセンブリ。
[15]
前記光ガイドの1つ以上の縁部に近接して配置された1つ以上の側面反射体を更に含み、前記1つ以上の縁部が実質的に前記出光面に直交する、項目1に記載のアセンブリ。
[16]
前記1つ以上の側面反射体が鏡面反射性である、項目15に記載のアセンブリ。
[17]
前記1つ以上の側面反射体が半鏡面反射性である、項目15に記載のアセンブリ。
[18]
前記複数の光源が実質的に前記入光面及び前記出光面に平行であるy軸に沿って配置され、前記複数の光源の少なくとも1つの光源の主要放射面からの距離が、前記複数の光源の隣接する光源の主要放射面から少なくとも15mmである、項目1に記載のアセンブリ。
[19]
前記複数の光源の少なくとも1つの光源の主要放射面から前記光ガイドの入光面までの距離が5mm未満である、項目1に記載のアセンブリ。
[20]
前記光ガイドが、前記光ガイドからの光が前記出光面を通過するように機能する複数の抽出機構を更に含み、1つ以上の前記抽出機構が前記光ガイドの入光面から10mm未満の距離に位置付けられている、項目19に記載のアセンブリ。
[21]
前記光ガイドの厚さ方向zに沿って前記入光面に平行であり、前記入光面から前記光ガイド内部に約5mmである平面上の配光が、50%を超える均一性((Lmin/Lmax)×100%)を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[22]
前記複数の光源からの光の少なくとも80%が前記入光面を通過して前記光ガイドに入る、項目1に記載のアセンブリ。
[23]
前記構造化面層の基材が、n1よりも小さい屈折率n4を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[24]
前記複数の光源及び前記構造化面層が、前記光ガイドの平面において前記入光面の法線に対して少なくとも45度の角度で、光の少なくとも一部が前記入光面を通過して前記光ガイドに入るように機能する、項目1に記載のアセンブリ。
[25]
前記構造化面層が前記基材の第1の表面の非構造化部分を更に含む、項目1に記載のアセンブリ。
[26]
前記構造化面層が前記光ガイドの入光面に取り付けられた複数のセグメント化部分を含む、項目1に記載のアセンブリ。
[27]
実質的に前記出光面に直交する前記光ガイドの第2の入光面に沿って、光が前記第2の入光面を通過して前記光ガイドに入るように位置付けられた複数の光源と、
前記複数の光源と前記光ガイドの第2の入光面との間に位置付けられ、基材及び前記複数の光源に対向する前記基材の第1の表面上の複数の構造体を含む、構造化面層と、
を更に含み、前記複数の構造体が前記光ガイドの屈折率n2よりも大きい屈折率n1を有する、項目1に記載のアセンブリ。
[28]
前記アセンブリの周囲に配置されたベゼルを更に含み、前記複数の光源の少なくとも1つの光源の主要放射面が、前記入光面の法線に沿って前記光ガイドの出光面に最も近い前記ベゼルの縁部の15mm以内に位置付けられている、項目1に記載のアセンブリ。
[29]
前記ベゼルから前記出光面まで約1mmの位置において測定される前記アセンブリの出力光束分布の均一性が40%を超える、項目28に記載のアセンブリ。
[30]
表示システムであって、
表示パネル、及び
前記表示パネルに光を供給するように配置された照明アセンブリであって、
出光面及び実質的に前記出光面に直交する光ガイドの縁部に沿った入光面を含む光ガイドと、
光が前記入光面を通過して前記光ガイドに入るように位置付けられた複数の光源と、
前記複数の光源と前記光ガイドの入光面との間に位置付けられ、基材及び前記複数の光源に対向する前記基材の第1の表面上の複数の構造体を備える、構造化面層と、を備える、照明アセンブリを含み、
前記複数の構造体が前記光ガイドの屈折率n2よりも大きい屈折率n1を有する、表示システム。
[31]
前記光ガイドが、前記光ガイドからの光が前記光ガイドの出光面を通過するように機能する複数の抽出機構を更に含む、項目30に記載のシステム。
[32]
照明アセンブリを形成する方法であって、
出光面及び実質的に前記出光面に直交する光ガイドの少なくとも1つの縁部に沿った入光面を含む光ガイドを形成する工程と、
光が前記入光面を通過して前記光ガイドに入るように光源が機能するように、前記入光面に近接して複数の光源を位置付ける工程と、
構造化面層が前記複数の光源と前記入光面との間に存在するように、前記光ガイドの入光面に構造化面層を取り付ける工程であって、前記構造化面層が基材及び前記複数の光源に対向する前記基材の第1の表面上の複数の構造体を含む、工程と、を含み、前記複数の構造体が前記光ガイドの屈折率n2よりも大きい屈折率n1を有する、方法。
[33]
所望の出力光束分布を選択する工程と、
実質的に前記出光面に平行である前記光ガイドの背面に複数の光抽出機構を形成する工程であって、前記光抽出機構が、前記光ガイドからの光が前記出光面を通過して前記所望の出力光束分布をもたらすように設計される、工程と、を更に含む、項目32に記載の方法。