特許第5941066号(P5941066)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5941066アクセス権と特権とを関連づけるためのユーザ/乗り物−ID
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941066
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】アクセス権と特権とを関連づけるためのユーザ/乗り物−ID
(51)【国際特許分類】
   B60R 25/24 20130101AFI20160616BHJP
   G06F 21/35 20130101ALI20160616BHJP
   G07C 9/00 20060101ALI20160616BHJP
   G06Q 30/04 20120101ALI20160616BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B60R25/24
   G06F21/35
   G07C9/00 Z
   G06Q30/04
   E05B49/00 J
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-549739(P2013-549739)
(86)(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公表番号】特表2014-515709(P2014-515709A)
(43)【公表日】2014年7月3日
(86)【国際出願番号】EP2011072179
(87)【国際公開番号】WO2012097917
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2013年9月5日
(31)【優先権主張番号】11290024.6
(32)【優先日】2011年1月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100128657
【弁理士】
【氏名又は名称】三山 勝巳
(74)【代理人】
【識別番号】100170601
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 孝
(72)【発明者】
【氏名】テンプル,ウォルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】コップ,ディーター
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−065635(JP,A)
【文献】 特開2007−314014(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0013434(US,A1)
【文献】 特開2010−158135(JP,A)
【文献】 特開平05−231055(JP,A)
【文献】 特開2005−018746(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0274690(US,A1)
【文献】 特開2004−190380(JP,A)
【文献】 特開2010−106562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00 − 25/99
B60R 16/00 − 17/02
E05B 49/00
G06F 21/35
G06Q 30/04
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物(1400)のユーザの認証のための認証デバイス(1200)であって、
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する情報を記憶するように適合された識別情報デバイス(100)から前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する前記情報を受信するように、また
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する前記情報が、検証されている場合に、アクセス権、特権および/またはユーザ設定を前記乗り物の前記ユーザに関連づけるように適合され、
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する前記情報は、ユーザIDと、乗り物IDとを含み、
前記認証デバイス(1200)は、前記乗り物(1400)から、さらなる乗り物IDを電力線通信の上で受信するように適合され、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとは、前記識別情報デバイス(100)からの前記乗り物IDと、前記乗り物(1400)から受信される前記さらなる乗り物IDとが、同じ乗り物(1400)を識別する場合だけに、検証される、認証デバイス(1200)。
【請求項2】
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとを認証要求と一緒に検証システム(1300)に対して送信するように、また
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されているかどうかを示す認証応答を前記検証システム(1300)から受信するように適合される、請求項1に記載の認証デバイス(1200)。
【請求項3】
前記識別情報デバイス(100)は、無線周波数識別情報デバイスを備え、
前記認証デバイス(1200)は、被変調無線周波数信号を経由して前記無線周波数識別情報デバイスから前記ユーザIDと前記乗り物IDとを読み取る、請求項1または2に記載の認証デバイス(1200)。
【請求項4】
前記認証デバイス(1200)は、前記乗り物(1400)についての制限されたアクセスを有するエリアに対するアクセスを制御するアクセス手段の一部分である、請求項1に記載の認証デバイス(1200)。
【請求項5】
前記アクセス手段は、ゲートであり、
前記検証システムは、前記ユーザIDによって識別される前記乗り物の前記ユーザと、前記乗り物IDによって識別される前記乗り物(1400)とが、前記ゲートを通過することが許可されるかどうかをチェックするように適合され、
前記乗り物(1400)は、さらに、無線通信の上で前記乗り物(1400)から前記認証デバイス(1200)へと送信されるさらなる乗り物IDストリングによって識別される、請求項4に記載の認証デバイス(1200)。
【請求項6】
電気自動車のための充電ステーション(200)であって、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の認証デバイス(1200)を備え、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されているときに、前記乗り物(1400)を充電するように適合される、充電ステーション(200)。
【請求項7】
前記認証デバイス(1200)は、前記ユーザIDおよび前記乗り物IDと、前記充電ステーション(200)からの最終的なメーターの読取りとを前記電気自動車を充電するために前記ユーザに課金する課金システムに対して送信するように適合される、請求項6に記載の充電ステーション(200)。
【請求項8】
乗り物(1400)のユーザの認証のための識別情報デバイス(100)であって、
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する情報を記憶するように、また
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する前記情報を認証デバイス(1200)に送信するように適合され、
前記ユーザと前記乗り物(1400)とを識別する前記情報は、ユーザIDと、乗り物IDとを含み、
前記認証デバイス(1200)は、前記乗り物(1400)から、さらなる乗り物IDを電力線通信の上で受信するように適合され、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとは、前記識別情報デバイス(100)からの前記乗り物IDと、前記乗り物(1400)から受信される前記さらなる乗り物IDとが、同じ乗り物(1400)を識別する場合だけに、検証される、識別情報デバイス(100)。
【請求項9】
無線周波数識別情報デバイスを備え、
前記ユーザIDと前記乗り物IDとは、前記認証デバイス(1200)によって被変調無線周波数信号を経由して前記無線周波数識別情報デバイスから読み取られる、請求項8に記載の識別情報デバイス(100)。
【請求項10】
前記識別情報デバイス(100)は、無線周波数識別情報デバイスを備える自動車のキーである、請求項8または9に記載の識別情報デバイス(100)。
【請求項11】
前記無線周波数識別情報デバイスは、前記ユーザIDと、前記乗り物IDとを含み、前記ユーザIDおよび/または前記乗り物IDは、暗号化されている、請求項9または10に記載の識別情報デバイス(100)。
【請求項12】
乗り物(1400)のユーザを認証するための方法であって、
識別情報デバイス(100)により、ユーザIDと、乗り物IDとを認証デバイス(1200)に対して送信するステップと、
前記認証デバイス(1200)により、前記乗り物(1400)から、さらなる乗り物IDを電力線通信の上で受信するステップと、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されている場合に、アクセス権、特権および/またはユーザ設定を前記乗り物の前記ユーザに関連づけるステップであって、前記ユーザIDと、前記乗り物IDとは、前記識別情報デバイス(100)からの前記乗り物IDと、前記乗り物(1400)から受信される前記さらなる乗り物IDとが、同じ乗り物(1400)を識別する場合だけに、検証される、ステップとを含む方法。
【請求項13】
前記認証デバイス(1200)により、前記ユーザIDと、前記乗り物IDとを認証要求と一緒に検証システム(1300)に対してルーティングする追加のステップと、
前記認証デバイス(1200)により、前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されており、また前記認証要求が許可されているかどうかを示す認証応答を前記検証システム(1300)から受信する追加のステップとを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザIDおよび/または前記乗り物IDは、前記認証デバイス(1200)および/または前記検証システム(1300)によって保持される公開キーによって暗号化され、前記方法は、
前記認証デバイス(1200)または前記検証システム(1300)により、前記認証デバイス(1200)または前記検証システム(1300)によって保持される秘密キーを使用して、前記ユーザIDおよび/または前記乗り物IDを暗号解読するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されている場合に、前記乗り物(1400)を充電するさらなるステップ、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されている場合に、アクセスを認可するさらなるステップ、
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されている場合に、認証を必要とする特権を認可するさらなるステップ、または
前記ユーザIDと、前記乗り物IDとが、検証されている場合に、通行料金徴収システムにより、前記乗り物の前記ルートを決定するさらなるステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、それにより、アクセス権と特権とが、特定の乗り物のユーザに関連づけられ得るユーザ/乗り物−識別情報(ID)に関する。詳細には、本出願は、乗り物IDによって識別される乗り物に対する関係を有するアクセス権、特権および/またはユーザ設定を自動車のキー・リモート・コントロール装置(car key remote control)のユーザに関連づけるための、自動車のキー・リモート・コントロール装置に記憶されるユーザ/乗り物−IDを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の充電については、充電オペレーションを制御するためのいくつかの解決法が、議論されている。しかしながら、それらはすべて、様々な欠点に悩まされている。
【0003】
例えば、現金またはクレジット・カードによる直接の支払いは、それが、コインによって動作させられるマシン、またはクレジット・カード読取装置を必要とするので、充電ステーションにおいて、高い努力を必要とする。さらに、それは、押し込み強盗、強盗、破壊行為など、高い安全保障上のリスクを引き起こし、また追加のメンテナンス努力を必要とする。
【0004】
さらに、シンプルなキャッシュ支払い方法は、それが、課金されている人が加入している料金請求方式を識別することを可能にしていないので、個々の料金請求を可能にはしていない。したがって、個々の料金請求を伴う電気自動車の充電は、例えば、識別情報カード、またはパーソナル無線周波数識別情報(RFID:radio frequency identification)デバイスの上の課金されている人のパーソナル識別情報を必要とする。
【0005】
RFIDデバイスの使用は、自動車産業において、例えば、車のドアの開閉のリモート・コントロール装置および盗難防止システムにおいて知られているが、パーソナルRFIDに関連した識別は、課金されている人によって携行される必要がある追加のRFIDデバイスを必要とする。それゆえに、RFID識別は、RFIDデバイスに対する紛失および損傷のリスクと、柔軟性の欠如とを引き起こす。
【0006】
したがって、自動車の運転手は、その上でデバイスの所有者に関連した情報が符号化される、IDカードなどの自動車に独立したデバイスの上で彼ら自身を識別する。電気自動車の充電の上記例に関して、自動車のユーザは、ユーザのIDカードの上で乗り物IDと組み合わされたユーザのユーザIDに関連づけられた料金請求方式に従って課金されることになる。
【0007】
自動車に独立したデバイスの上でユーザ自身を識別する自動車の運転手の別の例は、ユーザのIDカードを使用して、ゲートを開くことにより、営業所のある種のエリアにアクセスすることを許可された会社の従業員であろう。
【0008】
IDカードに伴う一般的な問題は、それらが、RFIDデバイスのように、識別されている人によって携行される必要があることである。したがって、追加の各IDカードは、IDカードに対する紛失および損傷のリスクを引き起こす。さらに、IDカードが、IDカードの上に記憶される情報を修正すること、またはIDカードの上に追加の情報を記憶することを可能にしないときに、識別プロシージャは、非効率的であり、また一般に柔軟性を欠く可能性がある。
【0009】
IDカードに伴うもっと具体的な問題は、それらが、ユーザの間で、簡単に交換される可能性があり、その結果、IDカードを使用している人が、IDカードの所有者でもあり、またそれゆえにIDカードの上で符号化されたユーザIDに関連づけられた特権を得る資格があることが、保証されないようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願は、自動車のキー・リモート・コントロール装置のユーザにアクセス権と特権とを関連づけるために、運転手と乗り物との識別のために自動車のキー・リモート・コントロール装置の修正されたコードを必要とする上記で列挙された問題に対する柔軟な解決法を提示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様によれば、運転手は、例えば、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI:human machine interface)の上で、自動車のキーを用いて識別コードを認証デバイスに対して送信することができる。コードは、検証システムにおいて、識別および認証のプロセスとのために使用されることもある。コードは、運転手の個別のパーソナル識別コードと、乗り物の識別コード(リモート・キー制御)とを含む可能性があり、またはそれらの識別コードから構成される可能性がある。
【0012】
一般的に言えば、説明の一態様は、人とエンティティとの認証のためのシステムに関連しており、そこでは人は、エンティティに対するある関係を有する。本システムは、IDデバイスと認証デバイスとを備えることができる。IDデバイスは、人と、エンティティとについての情報を記憶するように適合されることもある。情報は、例えば、ストリング(strings)の形式の、人ID(person ID)およびエンティティID(entity ID)または人/エンティティID(person/entity ID)を含むことができる。人IDは、人を識別することができ、またエンティティIDは、エンティティを識別することができる。人IDおよびエンティティIDまたは人/エンティティIDが、検証されているときに、認証デバイスは、IDデバイスから人IDおよびエンティティID、または人/エンティティIDを受信し、またアクセス権、特権および/またはユーザ設定をその人に関連づけるように適合されることもある。したがって、人は、人IDおよびエンティティID、または人/エンティティIDの上でエンティティに関連づけられる。代わりに、1つのエンティティの代わりに、複数のエンティティが、例えば、人IDおよび複数のエンティティID、または人/複数のエンティティIDの使用により、人に関連づけられることもある。同様に、エンティティ、または複数のエンティティに人を関連づける代わりに、人は、例えば、第1の人IDおよび第2の人ID、または人/人IDもしくは第1の人IDおよび複数のさらなる人ID、あるいは人/複数の人IDの上で、人または複数の人に関連づけられることもある。
【0013】
特定のシナリオにおいては、乗り物のユーザは、その乗り物に関連づけられることもある。
【0014】
したがって、説明の一態様は、乗り物のユーザの認証のためのシステムに関する。本システムは、IDデバイスと、認証デバイスとを備えることができる。
【0015】
IDデバイスは、ユーザと、乗り物とを識別する情報を、例えば、記号ストリング(symbol strings)の形式の、例えば、ユーザIDおよび乗り物IDまたはユーザ/乗り物IDを記憶するように構成されていることもある。ユーザIDおよび乗り物IDまたはユーザ/乗り物IDは、乗り物のユーザと、乗り物とを識別することができる。
【0016】
例えば、ユーザIDおよび乗り物IDまたはユーザ/乗り物IDは、所定の数の記号を、すなわちキャラクタおよび数字を含むことができ、これらの記号は、ユーザと乗り物とを一意的に識別する。各IDストリングは、暗号化された形式で所定の数の記号を含むことができる。これまで、IDデバイスは、ユーザと乗り物とを一意的に識別する所定の数の記号を暗号化するための公開キーに対するアクセスを有することができる。代わりに、IDデバイスは、IDデバイス以外のエンティティによって暗号化されている所定の数の記号を記憶することもできる。例えば、IDデバイスは、他のエンティティが、その上に暗号化された形式で所定の数の記号を含むIDストリングを記憶するメモリを備えるRFIDデバイスを備えることができる。
【0017】
代わりに、他のエンティティは、IDデバイスのメモリに所定の数の記号を記憶することができ、またIDデバイスは、所定の数の記号を暗号化し、またこのようにしてユーザ/乗り物IDストリングを生成することができる。IDデバイスは、1つのストリングとしてユーザ/乗り物IDストリングを含むことができる。
【0018】
代わりに、IDデバイスは、2つのストリングの、すなわちユーザIDストリングと、乗り物IDストリングとの形式のユーザ/乗り物IDを含むこともできる。ユーザIDストリングと、乗り物IDストリングとのうちの少なくとも一方が、ユーザ/乗り物IDストリングに関して上記で説明されるようにしてIDデバイスの上で暗号化され、また記憶されることもある。
【0019】
認証デバイスは、IDデバイスからユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDを受信するように構成されていることもある。認証デバイスは、有線通信またはワイヤレス通信の上でIDを受信することができる。ワイヤレス通信では、短距離無線通信が、例えば、ブルートゥース(Bluetooth)が、使用されることもある。代わりに、または追加して、IDは、IDデバイスの中のRFIDデバイスから、例えば、被変調無線周波数信号を経由して、IDを読み取ることにより、送信されることもある。別の可能性としては、IDは、IDデバイスに結合されたIDデバイスまたはデバイスを認証デバイスへとプラグインすることにより送信されることもある。さらに別の可能性によれば、伝送は、カード読取装置を通してIDデバイスのカード形状の部分を引き寄せることによって達成されることもある。IDデバイスのユーザは、状況に応じて、IDデバイスの上記で識別された伝送能力の一部または全部から選択することができる。
【0020】
認証デバイスは、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDを認証要求と一緒に検証システムに対して送信することができる。この伝送は、ワイヤレス伝送または有線伝送とすることができる。例えば、ID/複数のIDおよび認証要求は、無線上で、例えば、ワイヤレス・アクセス・ネットワークの上で、または例えばLAN、WANまたはインターネットの上で送信される可能性がある。
【0021】
検証システムは、認証応答を用いて認証要求に対して応答することができ、そこでは認証応答は、ユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDが、検証システムによって検証されているかどうかを示すことができる。認証応答は、認証要求およびID/複数のIDを検証システムに対して送信するときに使用された同じ技術を使用して、検証システムから認証デバイスへと送信される可能性がある。
【0022】
認証応答は、上記で説明される技術を使用して検証システムから認証デバイスへと送信される可能性がある。例えば、認証要求およびID/複数のIDは、無線通信の上で、例えば、ワイヤレス・アクセス・ネットワークの上で、検証システムに送信されることもある。認証応答は、同じ無線通信の上で、例えば、ワイヤレス・アクセス・ネットワークの上で検証システムから認証デバイスへと送信されることもある。したがって、同じ通信技術は、両方の方向において使用されることもある。代わりに、または追加して、認証応答は、LANの上で送信されることもある。認証の要求/応答を送信する/受信するために異なるルートを取ることは、通信をスパイすることが、このようにして異なる通信チャネルをスパイすることを必要とする可能性があるので、全体的なシステム・セキュリティを高めることができる。
【0023】
認証要求が検証されているときに、すなわち、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDが検証されているときに、認証デバイスは、ユーザに、すなわちIDデバイスのユーザにアクセス権または特権を関連づけることができる。
【0024】
さらなる一態様によれば、認証デバイスは、充電ステーションの一部分とすることができる。充電ステーションは、例えば、電気自動車(e−カー)についての充電ステーション、すなわち電気自動車に電気エネルギーを供給するステーションとすることができる。認証デバイスは、充電ステーションにおける充電ステーション・コントローラと、ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)とに結合されることもある。さらに、認証デバイスは、検証システムと通信するためのワイヤレス通信手段または有線通信手段に結合されることもある。例えば、認証デバイスは、充電ステーションの通信手段に結合されることもある。
【0025】
充電ステーションは、認証デバイスが、認証要求が検証されていることを示す認証応答を受信するときに、電気エネルギーを用いて乗り物を充電するように構成されていることもある。より詳細には、認証デバイスは、充電プロシージャが開始され得ることを充電ステーション・コントローラに信号で伝えることができる。次いで、充電ステーション・コントローラは、充電プロシージャが開始され得ることをヒューマン・マシン・インターフェースの上で、例えば、タッチ・センサ方式ディスプレイの上でユーザに対して示すことができる。
【0026】
さらに、料金請求方式情報が、ヒューマン・マシン・インターフェースにおいて表示されることもある。次いで、ユーザは、ヒューマン・マシン・インターフェースを使用して充電プロシージャを選択することができる。それに応じて、充電ステーション・コントローラは、選択された充電プロシージャに従って電気自動車を充電することを開始することができる。充電プロシージャの終わりに、充電コントローラは、例えば、有線通信、またはワイヤレス通信、例えば、ワイヤレス・アクセス・ネットワークの上で、充電プロシージャの終了をIDデバイスに対して信号で伝えることができる。IDデバイスは、視覚的に、音響的に、または触覚のフィードバックを経由して、充電プロシージャの終了をIDデバイスのユーザに対して示すことができる。例えば、IDデバイスは、そのカラーを変化させることにより充電プロシージャの終了を示す、発光ダイオード(LED:light emitting diode)などの発光源を備えることができる。例えば、カラーが、赤から緑に変化して、充電プロシージャが終了しており、また電気自動車が充電されていることを示すことができる。
【0027】
一態様によれば、IDデバイスは、無線周波数識別情報(RFID)デバイスを備えることができる。上記で述べられるように、RFIDデバイスは、IDストリング、例えば、ユーザ/乗り物IDストリング、またはユーザIDストリングおよび乗り物IDストリングを記憶することができる。認証デバイスは、RFIDデバイスからユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDを読み取ることができる。これまでは、ユーザは、IDデバイスを認証デバイスの非常に近くに持って行くことができる。それゆえに、認証デバイスは、ヒューマン・マシン・インターフェースの近くにあるロケーションにおいて充電ステーションに取り付けられることもある。例えば、認証デバイスは、ヒューマン・マシン・インターフェースに結合される可能性があるだけでなく、充電ステーションにおけるヒューマン・マシン・インターフェースの一部分とすることもできる。言い換えれば、認証デバイスは、ヒューマン・マシン・インターフェースへと一体化される可能性もある。
【0028】
一態様によれば、認証デバイスは、乗り物から乗り物IDを追加して受信するように構成されていることもある。例えば、乗り物は、ワイヤレス通信手段または有線通信手段の上で乗り物IDを送信することができる。乗り物は、乗り物IDを認証デバイスに対して直接に送信することもでき、または乗り物IDは、他のエンティティの上で認証デバイスに対してルーティングされることもある。例えば、乗り物は、無線通信の上で、例えば、ブルートゥースの上で乗り物IDを送信することができる。代わりに、または追加して、乗り物は、乗り物IDを電力線通信の上で充電ステーションに対して送信することができる。次いで、充電ステーションは、乗り物IDを認証デバイスに対して伝えることができる。
【0029】
乗り物IDは、暗号化されることもある。暗号化された乗り物IDストリングは、認証デバイスまたは検証システムによって保持される公開キーに従って、乗り物の中のエンティティによって暗号化されることもある。代わりに、または追加して、乗り物IDストリングは、暗号化された形式で、乗り物の中のメモリに記憶されることもある。乗り物IDストリングが、乗り物の中のエンティティによって暗号化されるとき、エンティティまたは乗り物は、例えば、無線通信、電力線通信、または有線通信の上で、充電ステーションに公開キーを要求し、また充電ステーションから公開キーを受信することができる。
【0030】
認証デバイスからの認証要求は、乗り物からの乗り物IDと、ユーザ/乗り物IDとが、同じ乗り物を識別する場合だけに、検証され、または認可される可能性がある。これによって、ユーザIDによって識別されるユーザが、乗り物IDによって識別される車を充電することが保証される。認証デバイスが、乗り物からの乗り物IDと、ユーザ/乗り物IDとが同じ乗り物を識別しないことを決定するときに、認証デバイスは、認証要求を検証されなかったステータスへと設定することにより、すなわちユーザ/乗り物IDを検証されなかったステータスに設定することにより、プロシージャを途中停止することができる。したがって、認証デバイスが、乗り物からの乗り物IDと、ユーザ/乗り物IDとが同じ乗り物を識別しないことを決定するときに、検証システムが、認証要求を検証しないときと同じ結果が起こる可能性があり、すなわち、プロシージャは、途中停止される可能性がある。言い換えれば、乗り物からの乗り物IDと、ユーザ/乗り物IDとのストリングが、同じ乗り物を識別しないときに、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDは、検証されない可能性がある。
【0031】
一態様によれば、乗り物IDは、電力線通信、無線通信、または有線通信の上で乗り物から認証デバイスへと送信されることもある。代わりに、または追加して、乗り物IDは、乗り物のナンバー・プレート(license plate)または乗り物の上のバー・コードを使用して識別される可能性もある。これまでは、認証デバイス・ステーションは、ナンバー・プレート読取手段またはバー・コード読取手段に、例えば、ナンバー・プレートまたはバー・コードの記号を識別するように構成されているロジックに結合されたイメージ・センサに結合される可能性がある。
【0032】
代わりに、ナンバー・プレートの上の記号は、ナンバー・プレート読取手段を使用して識別されることもあり、また識別された記号は、乗り物IDと比較されることもあり、乗り物IDは、ナンバー・プレート読取手段以外の別のソースから、例えば、上記で説明されるソースのうちの1つから導き出される。例えば、識別された記号は、乗り物IDが、識別された記号に対応しており、または識別された記号を含んでいるかどうかを決定することにより、乗り物IDと比較されることもある。比較の結果に応じて、認証要求は、乗り物IDと、識別された記号とが対応しており、またはマッチする場合に、検証されるにすぎないことになる。
【0033】
より一般的には、乗り物IDは、上記で説明されるように任意の2つ以上の異なるソースから導き出され、また互いに比較される可能性があり、ここで、認証要求は、すべての乗り物IDが、対応しているか、またはマッチする場合に、検証されるにすぎないことになる。
【0034】
一態様によれば、認証デバイスは、ユーザIDまたはユーザ/乗り物IDおよび最終的なメーターの読取りを充電ステーションから課金システムへと送信するように構成されていることもある。代わりに、認証デバイスは、ユーザIDまたはユーザ/乗り物IDを充電ステーション・コントローラに対して送信することもでき、この充電ステーション・コントローラは、ユーザID、またはユーザ/乗り物IDおよび最終的なメーターの読取りを充電ステーションから課金システムへと送信することができる。伝送は、上記で説明されるように、ワイヤレス通信または有線通信を使用して達成されることもある。課金システムは、ユーザID、例えばユーザ/乗り物IDストリングで符号化されるユーザIDを使用して電気自動車を充電するために、ユーザに課金することができる。さらに、課金システムは、どの充電プロシージャをユーザが電気自動車を充電するために選択しているかを示す1つまたは複数のパラメータを受信することができる。この場合に、課金システムは、電気自動車を充電するためにユーザに課金するときに、選択された課金プロシージャを考慮に入れることができる。
【0035】
一態様によれば、検証システムは、少なくとも第1のサーバと第2のサーバとを備えることができる。第1のサーバは、ユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDを受信するように構成されていることもある。第1のサーバは、ユーザ情報と一緒にユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDを対応する他のサーバ、すなわち第2のサーバに対してルーティングすることができる。第2のサーバは、ユーザ/乗り物ID、あるいはユーザIDおよび/または乗り物IDをデータベースにおけるエントリ(entry)と比較するように構成され、また認証応答を認証デバイスに対して送信するように構成されていることもある。認証応答は、ユーザ/乗り物ID、あるいはユーザIDおよび/または乗り物IDが、データベースにおけるエントリとマッチするかどうかを示すことができる。
【0036】
一態様によれば、認証デバイスは、アクセス手段の、例えば、ゲートの一部分とすることができる。ゲートは、乗り物についての制限されたアクセスを有するエリアに対するアクセスを制御することができ、例えば、ゲートは、パーキング・エリアに対する入場、またはパーキング・エリアの退場を制限することができる。代わりに、または追加して、ゲートは、会社サイトにおける乗り物テスト・エリアに対する入場、または乗り物テスト・エリアの退場を制限することができる。
【0037】
一態様によれば、検証システムは、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDによって識別される乗り物のユーザが、ゲートを通過することが許可されるかどうかをチェックするように構成されていることもある。例えば、ユーザは、特定の乗り物に乗ってだけ、ゲートを通過することが許可されることもある。特定の乗り物は、ワイヤレス通信または有線通信、例えば、ブルートゥースなどの無線通信の上で乗り物から認証デバイスへと送信され得るさらなる乗り物IDによって識別されることもある。
【0038】
一態様によれば、IDデバイスは、RFIDトランスポンダを備える自動車のキーとすることができる。
【0039】
一態様によれば、RFIDデバイスは、すなわち、RFIDトランスポンダは、ユーザ/乗り物IDストリングまたはユーザIDストリングおよび乗り物IDストリングと、ユーザ/乗り物IDとを含むことができる。ユーザIDおよび乗り物IDは、暗号化されることもあり、またデジタル署名を含むこともある。
【0040】
説明の一態様によれば、人およびエンティティを認証するための一方法が、開示されており、そこでは人は、エンティティに対してある関係を有する。本方法は、IDデバイスにより、人およびエンティティを識別する情報を、例えば、人IDおよびエンティティIDまたは人/エンティティIDを認証デバイスに対して送信するステップを含むことができる。人IDおよびエンティティIDまたは人/エンティティIDのストリングは、人およびエンティティを識別するように適合されることもある。人IDおよびエンティティIDまたは人/エンティティIDが、検証されているときに、認証デバイスは、アクセス権、特権および/またはユーザ設定を人に関連づけることができる。
【0041】
上記で列挙されるように、エンティティは、乗り物とすることができ、また人は、乗り物のユーザとすることができる。
【0042】
したがって、乗り物のユーザを認証するための一方法が、開示されている。本方法は、IDデバイスにより、ユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDを認証デバイスに対して送信するステップを含むことができる。ユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDは、乗り物のユーザおよび/または乗り物を識別することができる。ユーザ/乗り物ID、またはユーザIDおよび乗り物IDは、永続的であり、または部分的に永続的とすることができる。例えば、乗り物IDは、永続的とすることができるが、ユーザIDは、変更可能とすることができる。ユーザIDは、IDデバイスの外側でエンティティによって変更可能とすることができる。前記エンティティは、ユーザIDを暗号化し、また暗号化されたユーザIDを暗号化された形式でIDデバイスに、例えば、ユーザ/乗り物IDストリングの一部分として記憶することができる。代わりに、または追加して、乗り物IDは、エンティティによって変更可能とすることができ、またユーザIDは、永続的とすることができる。
【0043】
本方法は、認証デバイスにより、認証要求と一緒に、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDを検証システムに対してルーティングするステップを含むことができる。本方法は、認証デバイスにより、認証応答を受信するステップを含むことができ、そこでは認証応答は、認証要求が検証されているかどうかを、すなわち、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDが検証されているかどうかを示すことができる。さらに、本方法は、ユーザ/乗り物IDまたはユーザIDおよび乗り物IDが検証されているときに、アクセス権、特権および/またはユーザ設定をIDデバイスのユーザに関連づけるステップを含むことができる。
【0044】
一態様によれば、ユーザ/乗り物IDストリング、またはユーザIDストリングおよび乗り物IDストリングは、認証デバイスおよび/または検証システムによって保持される公開キーによって暗号化されることもある。
【0045】
本方法は、認証デバイスまたは検証システムにより、認証デバイスまたは検証システムによって保持される秘密キーを使用して、ユーザ/乗り物IDストリングを暗号解読する追加のステップを含むことができる。さらに、本方法は、認証要求が検証されている場合に乗り物を充電するステップ、認証要求が検証されている場合にアクセスを認可するステップ、認証要求が検証されている場合に特権を認可するステップ、または通行料金徴収システム(toll collect system)により、認証要求が検証されている場合に乗り物のルートを決定するステップを含むことができる。
【0046】
本方法は、認証デバイスにより、無線通信または電力線通信の上で、乗り物から、乗り物を識別するさらなる乗り物IDを受信するステップをさらに含むことができる。認証応答は、さらなる乗り物IDと、IDデバイスからの乗り物IDとが同じものを識別することを決定することに応じて、認証要求が、検証されている、または認可されていることを示すことができる。
【0047】
上記で述べられた態様は、様々なやり方で、互いに組み合わされ、または互いから抽出され得ることに注意すべきである。とりわけ、すべての可能性のある請求項および特徴の組合せは、本文書によって開示されるものと考えられる。さらに、システムに関連して概説される態様および特徴は、対応する方法に関連して同等に適用可能である。
【0048】
クレジット・カードによる支払い、または他の支払い方法を有する上記で列挙された態様の割付けは、広範囲の支払いアプリケーションを、例えば、電気自動車の充電、通行料金徴収、駐車場チケットまたは他のスピード・チケット(speed ticket)、および/またはレンタカーのマイレージ価格決定を提供することになる。さらに、本明細書において説明される識別原理は、営業所のある種のエリアに対するアクセスを制御するために使用される可能性がある。
【0049】
本明細書において概説される方法およびシステムは、高い柔軟性、安全性、およびセキュリティと低いハードウェアの努力を組み合わせるものである。セキュリティの追加の程度は、自動車と個人との識別情報を組み合わせることにより達成される可能性がある。結果として、電気自動車の窃盗は、電気自動車の充電が、両方の識別コード(すなわち、自動車の識別情報と個人の識別情報との両方)を必要とすることになるので、やる気がそがれる可能性がある。
【0050】
同様に、乗り物IDによって識別される乗り物にマッチしないナンバー・プレートは、検証されていない認証要求をもたらすことになり、またそれゆえに、乗り物IDにマッチしないナンバー・プレートを有する電気自動車は、充電されない可能性がある。代わりに、または追加して、セキュリティ・システムは、ナンバー・プレートが乗り物IDにマッチしないことを示して、警報を鳴らす可能性がある。
【0051】
識別コードの動的修正を可能にすることにより、本明細書において概説される概念は、便利さと一緒に進む高度の柔軟性によって特徴づけられる。本文書において説明される方法およびシステムは、追加の専用のデバイスを必要としないので、本方法および本システムは、別のチップ・カード、トランスポンダなどを気にする必要がない顧客にとって快適で安全である。さらに、本方法および本システムは、低い実装コストで実現される可能性がある。いくつかの識別コードを動的に組み合わせる可能性は、高度の機能的柔軟性および安全性を可能にする。
【0052】
本発明の実施形態による機器および方法のいくつかの実施形態は、次に、例だけとして、また添付図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】電気自動車の充電プロシージャにおいて乗り物のユーザを認証するためのシステムを概略的に示す図である。
図2】営業所のある種のエリアに対するアクセスを制御するためのシステムを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、電気自動車の充電プロシージャにおいて乗り物のユーザを認証するためのシステムを示すものである。本システムは、IDデバイス(100)と、充電ステーション(200)と、モビリティ・オペレータ(300)と、エネルギー・プロバイダ・サーバ(400)とを備える。
【0055】
電気自動車の充電プロシージャ中に、IDデバイス(100)は、識別コード(IC:identification code)を認証デバイスに対して送信することができる。認証デバイスは、充電ステーション(200)の一部分とすることができる。ICは、暗号化された情報を含むことができる。ICが、暗号化された情報を含む場合、認証デバイスは、認証デバイスまたは検証システムによって保持される秘密キーを使用して情報を暗号解読することができる。認証デバイスから、暗号化され、または暗号解読されたICは、モビリティ・オペレータ(300)に対して送信される可能性がある。
【0056】
IDデバイス(100)は、自動車のキーとすることができる。IDデバイス(100)は、RFIDデバイスを備えることができる。例えば、RFIDデバイスは、自動車のキー・トランスポンダとすることができる。自動車のキー・トランスポンダは、充電ステーション(200)のすぐ近くに運ばれることができ、その結果、充電ステーション(200)は、RFIDトランスポンダからICを読み取ることができる。
【0057】
ICは、IDデバイス(100)のユーザを識別するユーザIDを含むことができる。ICはまた、乗り物IDを、例えば、IDデバイス(100)が関連づけられる対象の乗り物を一意的に識別する乗り物IDを含むこともできる。
【0058】
ユーザIDは、数字および/またはキャラクタを含むコードとすることができる。例えば、ユーザIDは、記号のうちの所定の数字(例えば、9)を含み、また乗り物のユーザを一意的に識別することができる。乗り物IDは、数字および/またはキャラクタを含むコードとすることができる。例えば、乗り物IDは、ユーザIDと同様に、記号のうちの所定の数字(例えば、9)を含み、また乗り物を一意的に識別することができる。
【0059】
ICは、乗り物のユーザと、乗り物それ自体とを一意的に識別する数字および/またはキャラクタのシーケンスを含む組み合わされたユーザ/乗り物IDを含むことができる。ユーザ/乗り物IDは、チェックサムを含むことができる。そのチェックサムは、乗り物のユーザと、乗り物とを一意的に識別するシンボル・シーケンスに追加されることもある。
【0060】
ICは、ユーザID、乗り物IDおよび/または組み合わされたユーザ/乗り物IDを含むことができ、これらは、IDデバイス(100)の上に、例えば、IDストリングの形式で、例えば、ユーザIDストリング、乗り物IDストリングおよび/または組み合わされたユーザ/乗り物IDストリングの形式で記憶されることもある。IDストリングは、公開キーに従って暗号化されたユーザ、乗り物および/またはユーザ/乗り物IDを含むことができる。公開キーは、認証デバイスまたはモビリティ・オペレータ(300)によって保持されることもある。
【0061】
IDデバイス(100)が、RFIDデバイスを備える場合、IDストリングは、RFIDデバイスの上に記憶されることもあり、その結果、IDストリングは、RFID読取装置を、例えば、充電ステーションの中のRFID読取装置、または乗り物の中のRFID読取装置を使用してIDデバイス(100)から読み取られることもあるようになる。
【0062】
IDデバイス(100)が、自動車のキーである場合、自動車のロッキング・システムとの互換性は、乗り物IDについてのICの適切な構造またはフィルタリングによって達成されることもある。
【0063】
IDデバイス(100)に記憶されるICは、永続的であり、または少なくとも部分的に永続的であるようにすることができる。例えば、IDデバイス(100)は、乗り物IDと、運転手のパーソナルID、すなわち、ユーザIDとを含むことができる。例えば、自動車を借りるときに、レンタカー会社は、運転手のパーソナルIDを乗り物IDに動的にアタッチすることができる。これは、IDデバイス(100)を、例えば、自動車のキーを顧客に手渡すときに、レンタカーのデスクにおいてトランスポンダを用いて達成されることもある。より詳細には、これは、IDデバイス(100)におけるワイヤレス・トランスポンダ技術と、書き込み可能な永続的メモリとを用いて達成されることもある。部分的に永続的なデータを含むそのような組み合わされたコードを使用して、特別な充電レートと、専用の充電インフラストラクチャとに対するアクセスを有する顧客に提供し、またさらなるアクセス権と、特権とを顧客に提供することができる。
【0064】
運転手のパーソナルIDを乗り物IDに対して動的にアタッチすることは、必ずしも、コードが、個別のコードの連結されたシーケンスによって表される必要があることを意味するものとは限らない。それは、同様に、個々の、別個の(例えば、個人および乗り物の)コード・シーケンスを使用して、知られている符号化アルゴリズムを用いて生成される別のコード・ワード(code word)である可能性がある。
【0065】
ICに加えて、乗り物識別コード(VIC:vehicle identification code)が、乗り物から認証デバイスへと送信されることもある。VICは、上記で説明されるように、乗り物IDを含むことができ、そこでは、乗り物IDは、一意的に乗り物を識別する。VICは、乗り物IDストリングの形式の乗り物IDを含むことができる。乗り物IDストリングは、認証デバイスまたはモビリティ・オペレータ(300)によって保持される公開キーに従って、暗号化された乗り物IDを含むことができる。
【0066】
VICは、無線通信の上で送信されることもある。認証デバイスが、充電ステーション(200)の一部分である場合、VICは、電力線の上で乗り物から充電ステーション(200)の中の認証デバイスへと送信されることもある。
【0067】
同様な方法で、ICは、電力線の上で認証デバイスへと送信されることもある。これまでは、乗り物の中のデバイスは、IDデバイス(100)からICを読み取り、また電力線の上で充電ステーション(200)の中の認証デバイスに対してICを送信することができる。代わりに、乗り物の中のデバイスは、IDデバイス(100)からICを読み取り、また無線通信の上で、例えば、ブルートゥースの上で、自動車から認証デバイスへとICを送信することができる。
【0068】
VICの中の乗り物IDが暗号化される場合、認証デバイスは、乗り物IDを暗号解読することができる。
【0069】
ICが、乗り物IDを含む場合、認証デバイスは、ICの乗り物IDと、VICの乗り物IDを比較することができる。認証デバイスは、ICから取られる乗り物IDと、VICから取られる乗り物IDとがマッチしない場合、認証デバイスは、認証プロシージャを途中停止することができる。代わりに、認証デバイスは、ICの乗り物IDと、VICの乗り物IDを比較しないこともあるが、暗号化され、または暗号解読されたVICおよび/またはICをモビリティ・オペレータ(300)に対して送信する可能性があり、すなわち、認証デバイスは、乗り物IDのマッチングをモビリティ・オペレータ(300)に委ねることができる。
【0070】
ICが送信される相手のモビリティ・オペレータ(300)は、モバイル通信システムにおけるホーム・ロケーション・レジスタ(HLR:home location register)に匹敵する機能を有するデータベースを備えることができる。このデータベースは、顧客IDのレコードを含むことができ、またはデータベースは、別のデータベースからそのようなレコードを受信することができる可能性がある。レコード情報に基づいて、システムは、顧客のエネルギー・プロバイダおよび/またはIDを識別することができる。
【0071】
モビリティ・オペレータが、暗号化された情報を有するIDストリングを含むICまたはVICを受信する場合、モビリティ・オペレータは、モビリティ・オペレータ(300)によって保持される秘密キーを使用して、暗号化された情報を暗号解読することができる。
【0072】
モビリティ・オペレータ(300)が、おのおのが乗り物IDを含むVICおよびICを受信する場合、モビリティ・オペレータ(300)は、ICの乗り物IDと、VICの乗り物IDを比較し、またそれらの乗り物IDがマッチしない場合に、認証プロシージャを途中停止することができる。認証プロシージャが、途中停止される場合、認証デバイスは、認証要求が、検証されなかった、または認可されなかったことを示す認証応答を受信する。認証デバイスが、認証要求が、検証されなかったことを示す認証応答を受信する場合、充電ステーションは、電気自動車を充電することを開始しない。
【0073】
モビリティ・オペレータ(300)は、顧客のエネルギー・プロバイダによって保持されるエネルギー・プロバイダ・サーバ(400)に対して認証要求を伴う顧客IDを送信することができる。エネルギー・プロバイダ・サーバ(400)は、顧客データベースを備えることができる。認証が確認されるときに、すなわち顧客IDが、有効であることが見出される場合に、認証要求が検証されたことを示す認証応答が、認証デバイスに対して送信されることもある。認証デバイスが、認証要求が、検証されたことを示す認証応答を受信する場合、充電ステーション(200)は、例えば、特定の充電プロシージャを選択することにより、ヒューマン・マシン・インターフェースの上で自動車のユーザによって決定される時間に電気自動車を充電すること、または電気自動車を充電するスケジュールを開始することができる。
【0074】
さらに、エネルギー・プロバイダ・サーバ(400)は、料金請求方式情報をヒューマン・マシン・インターフェースに対して送信することができる。ヒューマン・マシン・インターフェースは、充電プロシージャを通してユーザを誘導し、また料金請求方式情報を表示することができる。ヒューマン・マシン・インターフェースは、充電ステーション(200)または乗り物の一部分とすることができる。
【0075】
ヒューマン・マシン・インターフェースが、乗り物の一部分であるときに、ヒューマン・マシン・インターフェースは、乗り物のセンター・コンソールの中に一体化されることもある。さらに、電力ケーブルまたは電力線を電気自動車に接続することは、自動的に行われる可能性があり、その結果、電気自動車のユーザは、電気自動車を離れることなく、ヒューマン・マシン・インターフェースの上で充電プロセスを開始することができるようになる。代わりに、電気自動車は、誘導的に充電されることもある。例えば、誘導的充電パドルが、自動的に乗り物の上のレセプタクルへと挿入されることもある。したがって、電気自動車のユーザは、この場合にも、電気自動車を離れずに、ヒューマン・マシン・インターフェースの上で充電プロセスを開始することができる。この場合に、充電パドルは、電力線通信または他の通信のために使用されることもある。代わりに、自動車は、例えば、交通信号灯に、または駐車場の中に自動車を停止させるときに、あるいは1つまたは複数のインダクタが、乗り物の底部側におけるインダクタに結合する交流の磁場を生成する特別に装備された道路の上で運転するときに、インダクタの上に自動車を配置させることにより誘導的に充電されることもある。この場合には、乗り物と、認証デバイスとは、無線通信の上で通信することができ、または通信信号は、交流の磁場の上で変調されることもある。
【0076】
充電が完了した後に、最終的なメーターの読取りは、充電ステーション(200)から顧客に課金するエンティティへと送信されてもよい。最終的なメーターの読取りは、ユーザと乗り物とを示すICと一緒に送信されてもよい。
【0077】
別のシナリオにおいては、IDデバイス(100)を使用して、ある種の営業所に対するアクセスを獲得することができる。
【0078】
対応するシステムは、複数の乗り物を保持する会社の営業所のある種のエリアに対するアクセスを制御するためのシステムを概略的に示す図2に示されている。
【0079】
ビジネス・サイトのある種のエリアに対するアクセスを制御するために、エリアは、そのエリアの入口ポイントにおけるゲートを通過することにより、アクセスされるだけの可能性がある。同様に、エリアは、そのエリアの出口ポイントにおけるゲートを通過することにより退出されるだけの可能性がある。ある種の場合には、あるエリアは、1つのゲートを通してアクセスされ、または退出されることもある。
【0080】
乗り物のユーザが、ゲートに近づくときに、ユーザは、ユーザを識別して、ユーザが、エリアにアクセスすることが許可されることを証明する必要がある可能性がある。同様に、特定の乗り物(1400)のユーザは、ユーザが、乗り物(1400)に乗ってエリアに入り、または出ることが許可されることを証明する必要がある可能性がある。
【0081】
例えば、自動車製造業者によって雇用されるエンジニアは、通常の勤務時間中に実験的な乗り物をテストすることが許可されることもあり、またこのようにして、エンジニアは、通常の業務時間中の任意の時間に、ある種のエリアにアクセスし、または退出することが許可されることもある。しかしながら、同じテスト・エンジニアは、例えば、監督者が、通常の業務時間以外には、テスト・エリアに居合わせていないので、通常の業務時間以外にはある種のテスト・エリアにアクセスすることが許可されていないこともある。任意の時間にテスト・エリアにおいて実験的な乗り物をテストする特権は、シニア・スタッフ・メンバーのために予約されることもある。
【0082】
同様に、乗り物、例えば、自動車に対する修正形態が、まだ十分にテストされておらず、またそのような自動車を運転する特別なトレーニングが必要とされる危険な振る舞いを示す可能性があるので、実験的な乗り物は、シニア・スタッフ・メンバーだけによって運転されるように制限されている可能性がある。したがって、自動車は、シニア・スタッフ・メンバーによる初期のテスト期間の後に、非シニア・スタッフ・メンバーによるテストのために解放されることもある。
【0083】
ある種のエリア、例えば、実験的な乗り物をテストするためのエリアに対するアクセスを制御するために、乗り物(1400)のユーザは、図1に関して説明されるIDデバイス(100)を使用してユーザ自身を識別することができる。
【0084】
アクセス認可プロシージャ中に、IDデバイス(100)は、認証デバイス(1200)に対してICを送信することができる。認証デバイス(1200)は、ゲートの一部分とすることができる。IDデバイス(100)から認証デバイス(1200)へのICの伝送は、乗り物(1400)の中のIC読取装置により、IDデバイス(100)からICを読み取ること、および無線通信の上で、例えば、ブルートゥースの上で認証デバイス(1200)に対してICを送信することを含むことができる。代わりに、ICは、認証デバイス(1200)に結合されたIC読取装置により、例えば、ゲートの中のRFID読取装置により、IDデバイス(100)から読み取られることもある。
【0085】
認証デバイス(1200)は、図1に関して説明されるようにして、乗り物(1400)からVICを受信することもできる。すなわち、乗り物(1400)から認証デバイス(1200)へのVICの伝送は、無線通信の上で、例えば、ブルートゥースの上で達成されることもある。代わりに、認証デバイス(1200)は、ゲートの中のVIC読取装置に結合されることもあり、このVIC読取装置は、光学的手段により、例えば、乗り物(1400)の上のナンバー・プレートまたはバー・コードを読み取ること、またはスキャンすることにより、VICを決定する。
【0086】
次いで、認証デバイス(1200)は、ICからの乗り物識別情報が、VICからの乗り物IDにマッチするかどうかをチェックすることができる。ICと、VICとは、暗号化された形式で乗り物IDを含むIDストリングを含むことができるので、認証デバイス(1200)は、認証デバイス(1200)または検証システム(1300)によって保持される秘密キーを使用して、ICと、VICとの中の乗り物IDを暗号解読することができる。ICと、VICとの中のそれらの乗り物IDが、マッチしない場合、ユーザは、ゲート(1200)を通過することが、許可されないこともあり、すなわち、ゲート(1200)は、閉じたまま保持される。代わりに、認証デバイス(1200)は、ICと、VICとの間のマッチングを検証システム(1300)に任せることもできる。
【0087】
ICと、VICとの間のマッチングが、検証システム(1300)に任されるときに、またはICと、VICとの間のマッチングが、成功している場合に、認証デバイス(1200)は、少なくともICを含む認証要求を検証システム(1300)に対して送信する。認証デバイス(1200)が、ICまたはVICを暗号解読している場合、認証要求は、暗号解読されたIDを含むことができる。
【0088】
検証システム(1300)は、ICを受信することができる。ICと、VICとの間のマッチングが、検証システム(1300)に任される場合に、検証システム(1300)は、VICを受信することもできる。ICまたはVICが、暗号化された形式におけるIDを含むIDストリングを含む場合、検証システム(1300)は、検証システム(1300)によって保持される秘密キーを使用して、IDを暗号解読することができる。ICの中の乗り物IDと、VICの中の乗り物IDとがマッチしない場合、検証システム(1300)は、認証要求が、検証されていないことを示す認証応答を認証デバイス(1200)に対して送信する。認証デバイスに対する認証応答が、認証要求が検証されていないことを示す場合には、ユーザは、ゲート(1200)を通過することが許可されず、すなわち、ゲート(1200)は、閉じたまま保持される。
【0089】
それらの乗り物IDがマッチすることが、決定される場合、またはそれらの乗り物IDの間のマッチングが、認証デバイス(1200)によって実行されている場合に、検証システム(1300)は、検証システム(1300)に結合されるデータベース、またはリモート・データベースを検索して、ユーザIDによって識別されるユーザが、乗り物IDによって識別される乗り物(1400)に乗ってゲートを通過することが許可されるかどうかを決定することができる。ユーザが、乗り物IDによって識別される乗り物(1400)に乗ってゲートを通過することが許可されることが決定される場合、検証システム(1300)は、認証要求が検証されていることを示す認証応答を認証デバイス(1200)に対して送信する。万一、認証デバイス(1200)に対する認証応答が、認証要求が、検証されていることを示す場合には、ユーザは、乗り物(1400)に乗ってゲートを通過することが許可される可能性があり、すなわち、ゲートは、開かれる。
【0090】
類似したシナリオにおいて、IDデバイス(100)を使用して、例えば、通行料金徴収システムによって必要とされるような、乗り物(1400)の運転ルートを決定することができる。これまでは、ICとVICとは、上記で説明されるように、認証デバイス(1200)に対して送信されることもある。しかしながら、認証デバイス(1200)は、通行料金徴収ステーションの一部分とすることができる。認証デバイス(1200)は、図1および2を参照して上記で説明されるのと類似した方法で、ユーザと、乗り物(1400)とを認証することができる。しかしながら、認証要求が検証されていることを示す認証応答は、いくつかの通行料金徴収ステーションからのデータを使用して、乗り物(1400)は、どのルートをどの運転手により運転されてきているかを決定するエンティティに対して送信されることもある。このようにして、通行料金は、ルートおよび運転手の情報を考慮に入れて計算される可能性がある。
【0091】
別の類似したシナリオにおいては、電気自動車を充電し、またはエリアに対するアクセスを制御するための上記で説明されたプロシージャは、駐車チケットまたはスピード・チケットの支払いを行うために修正される可能性がある。そのときには、乗り物のユーザは、認証デバイス(1200)を使用して、例えば、駐車サイトにおいて、ユーザ自身を識別するためにIDデバイス(100)を適用することができる。このユーザ/乗り物IDは、課金システムへと転送されることもある。課金システムは、認証デバイス(1200)から検証されたユーザ/乗り物IDを受信し、またユーザに課金することができる。
【0092】
乗り物のユーザに関して説明されている上記の原理は、他のシナリオにおいても有利に使用される可能性があることに注意すべきである。一般的に言えば、乗り物は、任意のエンティティとすることができ、またそのエンティティのユーザは、エンティティとある関係を有する任意の人とすることができ、すなわち、IDデバイス(100)の上に記憶される人/エンティティIDストリングは、認証デバイス(1200)を使用して、人とエンティティとが互いに関連している、人とエンティティとを一意的に識別するために使用される可能性がある。例えば、人は、貨物運搬人とすることができ、またエンティティは、貨物とすることができる。この例においては、人とエンティティとの間の関係は、貨物運搬人が、貨物を搬送することになる。したがって、上記の例は、アクセス権、特権および/またはユーザ設定を乗り物のユーザに関連づける原理を説明しているが、上記で列挙された原理を使用することにより、あるエンティティに対してある関係を有する任意の人は、そのエンティティに関してアクセス権、特権および/またはユーザ設定に関連づけられることは、当業者にとって明確であるはずである。
【0093】
同様に、人とエンティティとが互いに関連している、人とエンティティとを一意的に識別する人/エンティティIDストリングの代わりに、IDデバイス(100)の上に記憶される人/グループIDストリングは、認証デバイス(1200)を使用して、人と人のグループとが互いに関連している人と人のグループとを一意的に識別することができる。この場合には、人のグループのうちの各人は、その人のIDデバイスの上で識別される可能性がある。人/グループIDが検証されているときに、認証システムは、アクセス権と特権とを人および/または人のグループに関連づけることができる。
【0094】
本説明と図面とは、提案された方法およびシステムの原理を単に例証するものにすぎないことに注意すべきである。したがって、当業者は、本明細書において明示的に説明されても、または示されてもいないが、本発明の原理を実施し、またその趣旨および範囲の内部に含まれる様々な構成を工夫することができるようになることが、理解されるであろう。さらに、本明細書において列挙されるすべての例は、提案された方法およびシステムの原理と、当技術を推進する本発明者等によって寄与される概念とを理解する際に、読者を支援する教育上の目的のためにすぎないように、明示的に原理的に意図されており、またそのように具体的に列挙された例および状態だけに限定することのないように解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する、本明細書におけるすべての叙述は、その等価物を包含するように意図される。
【0095】
さらに、様々な上記で説明された方法のステップと、説明されたシステムのコンポーネントとは、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることに注意すべきである。本明細書においては、いくつかの実施形態はまた、プログラム・ストレージ・デバイス、例えば、デジタル・データ・ストレージ媒体を対象として含むようにも意図されており、このプログラム・ストレージ・デバイスは、マシン読取り可能、またはコンピュータ読取り可能であり、また命令のマシン実行可能なプログラム、またはコンピュータ実行可能なプログラムを符号化しており、そこでは前記命令は、前記上記で説明された方法のステップの一部または全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、または光学的に読取り可能なデジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。それらの実施形態はまた、上記で説明された方法の前記ステップを実行するようにプログラムされるコンピュータを対象として含むようにも意図される。
【0096】
さらに、本特許文書において説明される様々な要素の機能は、専用のハードウェア、ならびに適切なソフトウェアと関連づけてソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通して提供され得ることに注意すべきである。プロセッサによって提供されるときに、それらの機能は、単一の専用のプロセッサによって、単一の共用のプロセッサによって、またはそれらのうちのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供されてもよい。さらに、用語「プロセッサ」または「コントローラ」の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを排他的に意味するように解釈されるべきではなく、また限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)のハードウェアと、ネットワーク・プロセッサと、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)と、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、ソフトウェアを記憶するためのリード・オンリー・メモリ(ROM:read only memory)と、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)と、不揮発性ストレージとを暗黙のうちに含むことができる。他のハードウェアもまた、従来および/またはカスタムもまた、含められてもよい。
【0097】
最後に、本明細書における任意のブロック図は、本発明の原理を実施する実例となる回路の概念図を表すことことに注意するべきである。同様に、任意のフロー・チャートと、流れ図と、状態遷移図と、擬似コードなどとは、コンピュータ読取り可能媒体の形で実質的に表され、またそのようにしてコンピュータまたはプロセッサによって、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、実行され得る様々なプロセスを表すことが、理解されるであろう。
図1
図2