特許第5941126号(P5941126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941126
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】検針端末および検針システム
(51)【国際特許分類】
   G08C 15/00 20060101AFI20160616BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20160616BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20160616BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20160616BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   G08C15/00 B
   G08C19/00 301B
   H04Q9/00 311H
   G07G1/12 361Z
   B41J3/36 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-240975(P2014-240975)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-103143(P2016-103143A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 康生
(72)【発明者】
【氏名】藤島 剛
(72)【発明者】
【氏名】山治 清裕
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊充
(72)【発明者】
【氏名】林 和代
(72)【発明者】
【氏名】久保田 恵子
(72)【発明者】
【氏名】瀬良 寿宏
(72)【発明者】
【氏名】園生 良恵
(72)【発明者】
【氏名】上西 駿士
(72)【発明者】
【氏名】角 直樹
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−316857(JP,A)
【文献】 特開2008−102695(JP,A)
【文献】 特開2014−106195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00
B41J 3/36
G07G 1/12
G08C 19/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力メータやガスメータを含む計量器を検針するために、検針員が携帯する検針端末であって、
前記計量器の指示数を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された指示数を該計量器の識別情報と対応付けて記憶する指示数記憶手段と、
前記入力手段で入力された指示数に基づく検針結果をお知らせ票として印刷する印刷手段と、
前記お知らせ票の印刷を一時保留する計量器である非印刷計量器の識別情報と、前記非印刷計量器に対する前記お知らせ票を一緒に印刷する計量器である複数印刷計量器の識別情報と、を含む印刷情報を記憶する印刷情報記憶手段と、を備え、
前記印刷情報として、複数の前記複数印刷計量器に対してそれぞれ一緒に印刷する前記非印刷計量器の識別情報が記憶され、前記指示数記憶手段への記憶を行った際に、前記印刷情報に基づいて、検針対象の計量器が前記非印刷計量器でない場合には、前記印刷手段によって前記お知らせ票を印刷し、検針対象の計量器が前記非印刷計量器の場合には、前記印刷手段による前記お知らせ票の印刷を一時保留し、検針対象の計量器が前記複数印刷計量器の場合には、該複数印刷計量器で一緒に印刷する前記識別情報の非印刷計量器の前記お知らせ票を前記印刷手段によって印刷する、
ことを備えることを特徴とする検針端末。
【請求項2】
検針対象の前記計量器の識別情報が検針順に配列され、かつ、前記非印刷計量器の識別情報の後に該非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列された、検針ルートを記憶する検針ルート記憶手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の検針端末。
【請求項3】
電力メータやガスメータを含む計量器を検針するための検針システムであって、
検針員が携帯する検針端末と、センタに配設された検針管理装置とが通信自在に接続され、
前記検針端末は、前記計量器の指示数を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された指示数に基づく検針結果をお知らせ票として印刷する印刷手段と、を備え、前記入力手段で前記指示数が入力されると、該指示数と該計量器の識別情報とを検針データとして前記検針管理装置に送信し、
前記検針管理装置は、前記お知らせ票の印刷を一時保留する計量器である非印刷計量器の識別情報と、前記非印刷計量器に対する前記お知らせ票を一緒に印刷する計量器である複数印刷計量器の識別情報と、を含む印刷情報を記憶する印刷情報記憶手段を備え、前記印刷情報として、複数の前記複数印刷計量器に対してそれぞれ一緒に印刷する前記非印刷計量器の識別情報が記憶され、前記検針データを受信すると、前記印刷情報に基づいて所定の印刷指令を前記検針端末に送信し、
前記検針端末は、前記印刷指令に従って、検針対象の計量器が前記非印刷計量器でない場合には、前記印刷手段によって前記お知らせ票を印刷し、検針対象の計量器が前記非印刷計量器の場合には、前記印刷手段による前記お知らせ票の印刷を一時保留し、検針対象の計量器が前記複数印刷計量器の場合には、該複数印刷計量器で一緒に印刷する前記識別情報の非印刷計量器の前記お知らせ票を前記印刷手段によって印刷する、
ことを特徴とする検針システム。
【請求項4】
前記検針管理装置は前記検針端末に対して、検針対象の前記計量器の識別情報が検針順に配列され、かつ、前記非印刷計量器の識別情報の後に該非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列された、検針ルートを送信し、前記検針端末は前記検針ルートを記憶する、
ことを特徴とする請求項3に記載の検針システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力メータやガスメータ、水道メータなどの計量器を検針し、検針結果をお知らせ票として印刷するための検針端末および検針システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、検針員が電気の検針を行う場合、当日に予定されている訪問順序を検針端末(ハンディーターミナル)にダウンロードし、この検針端末を検針員が携帯して各需要家宅を訪問する。そして、需要家宅に設置されている電力メータの指示数を検針端末に入力、記録し、検針端末に一体的に備えられたプリンタや検針端末とは別体のプリンタから、検針結果をお知らせ票(検針票)として印刷して、該需要家にお知らせ票を配布する。
【0003】
また、適切なタイミングで検針票の印字を行えるようにすることで、個人情報流出のリスクを低減する、という検針携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この検針携帯端末は、検針結果をすぐに印刷するか後で印刷するかを選択可能で、検針結果を一括印刷する指示を受けた場合に、記憶されている検針結果のうち、未印刷の検針結果を一括印刷するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−143707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、需要家によっては、複数の電力消費場所を有し、それぞれに電力メータが設置され、各電力メータのお知らせ票をまとめて特定の場所に配布しなければならない場合がある。例えば、畑ポンプ用の電力メータと居住宅(本宅)の電力メータとを有する場合に、2つのお知らせ票を居住宅に配布しなければならない場合がある。あるいは、アパートの共用部の電力メータとアパート経営者宅の電力メータとを有する場合に、2つのお知らせ票をアパート経営者宅に配布しなければならない場合がある。
【0006】
このような場合、担当の検針員が配布先を覚えておき、複数のお知らせ票をまとめて配布している。しかしながら、担当の検針員が休んだりして、応援の検針員が代わって検針を行うなどの場合、その検針員は、複数のお知らせ票をまとめて配布することやその配布先を知らないため、あるいは、熟知していないため、配布先を間違ったり配布漏れが生じたりするおそれがあった。
【0007】
一方、特許文献1の検針携帯端末では、未印刷の検針結果を一括印刷できるだけであり、複数の所定のお知らせ票をまとめて特定の場所に配布しなければならない場合には、やはり、検針員がまとめて配布することやその配布先を覚えていなければならない。
【0008】
そこでこの発明は、複数の所定のお知らせ票をまとめて特定の場所に配布しなければならない場合に、適正かつ容易に配布することを可能にする検針端末および検針システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、電力メータやガスメータを含む計量器を検針するために、検針員が携帯する検針端末であって、前記計量器の指示数を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された指示数を該計量器の識別情報と対応付けて記憶する指示数記憶手段と、前記入力手段で入力された指示数に基づく検針結果をお知らせ票として印刷する印刷手段と、前記お知らせ票の印刷を一時保留する計量器である非印刷計量器の識別情報と、前記非印刷計量器に対する前記お知らせ票を一緒に印刷する計量器である複数印刷計量器の識別情報と、を含む印刷情報を記憶する印刷情報記憶手段と、を備え、前記印刷情報として、複数の前記複数印刷計量器に対してそれぞれ一緒に印刷する前記非印刷計量器の識別情報が記憶され、前記指示数記憶手段への記憶を行った際に、前記印刷情報に基づいて、検針対象の計量器が前記非印刷計量器でない場合には、前記印刷手段によって前記お知らせ票を印刷し、検針対象の計量器が前記非印刷計量器の場合には、前記印刷手段による前記お知らせ票の印刷を一時保留し、検針対象の計量器が前記複数印刷計量器の場合には、該複数印刷計量器で一緒に印刷する前記識別情報の非印刷計量器の前記お知らせ票を前記印刷手段によって印刷する、ことを備えることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、入力手段で計量器の指示数を入力すると、この指示数が検針対象の計量器の識別情報と対応付けて指示数記憶手段に記憶される。そして、印刷情報記憶手段に記憶された印刷情報に基づいて、検針対象の計量器が非印刷計量器でない場合には、印刷手段によってお知らせ票(検針結果)が印刷され、検針対象の計量器が非印刷計量器の場合には、お知らせ票の印刷が一時保留され、検針対象の計量器が複数印刷計量器の場合には、この複数印刷計量器で一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票が印刷手段によって印刷される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の検針端末において、検針対象の前記計量器の識別情報が検針順に配列され、かつ、前記非印刷計量器の識別情報の後に該非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列された、検針ルートを記憶する検針ルート記憶手段を備える、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、電力メータやガスメータを含む計量器を検針するための検針システムであって、検針員が携帯する検針端末と、センタに配設された検針管理装置とが通信自在に接続され、前記検針端末は、前記計量器の指示数を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された指示数に基づく検針結果をお知らせ票として印刷する印刷手段と、を備え、前記入力手段で前記指示数が入力されると、該指示数と該計量器の識別情報とを検針データとして前記検針管理装置に送信し、前記検針管理装置は、前記お知らせ票の印刷を一時保留する計量器である非印刷計量器の識別情報と、前記非印刷計量器に対する前記お知らせ票を一緒に印刷する計量器である複数印刷計量器の識別情報と、を含む印刷情報を記憶する印刷情報記憶手段を備え、前記印刷情報として、複数の前記複数印刷計量器に対してそれぞれ一緒に印刷する前記非印刷計量器の識別情報が記憶され、前記検針データを受信すると、前記印刷情報に基づいて所定の印刷指令を前記検針端末に送信し、前記検針端末は、前記印刷指令に従って、検針対象の計量器が前記非印刷計量器でない場合には、前記印刷手段によって前記お知らせ票を印刷し、検針対象の計量器が前記非印刷計量器の場合には、前記印刷手段による前記お知らせ票の印刷を一時保留し、検針対象の計量器が前記複数印刷計量器の場合には、該複数印刷計量器で一緒に印刷する前記識別情報の非印刷計量器の前記お知らせ票を前記印刷手段によって印刷する、ことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、検針端末の入力手段で計量器の指示数を入力すると、この指示数と検針対象の計量器の識別情報とが検針データとして検針管理装置に送信される。次に、検針管理装置の印刷情報記憶手段に記憶された印刷情報に基づいて、検針管理装置から検針端末に所定の印刷指令が送信される。そして、この印刷指令に従って検針端末は、検針対象の計量器が非印刷計量器でない場合には、お知らせ票(検針結果)を印刷し、検針対象の計量器が非印刷計量器の場合には、お知らせ票の印刷を一時保留し、検針対象の計量器が複数印刷計量器の場合には、この複数印刷計量器で一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票を印刷する。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3に記載の検針システムにおいて、前記検針管理装置は前記検針端末に対して、検針対象の前記計量器の識別情報が検針順に配列され、かつ、前記非印刷計量器の識別情報の後に該非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列された、検針ルートを送信し、前記検針端末は前記検針ルートを記憶する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1および請求項3の発明によれば、予め記憶された印刷情報に基づいて、検針対象の計量器が非印刷計量器の場合には、お知らせ票の印刷が一時保留されて、検針対象の計量器が複数印刷計量器の場合に、この複数印刷計量器で一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票が印刷される。このため、複数の所定のお知らせ票をまとめて特定の場所(複数印刷計量器の需要家宅など)に配布しなければならない場合に、誰でも適正(漏れや間違いなどなく)かつ容易に配布することが可能となる。
【0016】
請求項2および請求項4の発明によれば、検針ルートにおいて、非印刷計量器の識別情報の後にこの非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列されているため、非印刷計量器を検針した後に、この非印刷計量器のお知らせ票を印刷すべき複数印刷計量器を検針することになる。このため、複数印刷計量器を検針した際に、印刷すべき全非印刷計量器のお知らせ票を一度にまとめて印刷、配布することができ、円滑かつ効率的な検針が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の実施の形態1に係る検針端末を示す構成ブロック図である。
図2図1の検針端末の外観を示す正面図である。
図3図1の検針端末から出力されるお知らせ票を示す図である。
図4図1の検針端末の記憶部のデータ構成図である。
図5図1の検針端末の検針プログラムのフローチャートである。
図6】この発明の実施の形態2に係る検針システムを示す概略構成図である。
図7図6の検針システムのホストサーバを示す構成ブロック図である。
図8図6の検針システムの動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る検針端末1を示す構成ブロック図であり、図2は、検針端末1の外観を示す正面図である。この検針端末1は、電力メータやガスメータ、水道メータを含む計量器を検針するために、検針員が携帯する端末であり、主として、入力部(入力手段)12と、表示部13と、印刷部(印刷手段)14と、通信部15と、記憶部(指示数記憶手段、印刷情報記憶手段、検針ルート記憶手段)16と、検針プログラム17と、これらを制御などする中央処理部18と、を備えている。ここで、この実施の形態では、計量器が電力メータの場合について、主として説明する。
【0020】
入力部12は、電力メータの指示数などを入力するためのインターフェイスであり、テンキーや登録キーなどを含む。表示部13は、検針対象の電力メータのメータ番号(識別情報)や需要家名などを表示するためのディスプレイである。
【0021】
印刷部14は、入力部12で入力された指示数に基づく検針結果をお知らせ票Rとして印刷するプリンタであり、記憶部16に記憶された情報・データに基づいて、図3に示すようなお知らせ票Rを、図2に示す出力ポート141から出力するようになっている。通信部15は、電力会社の管理センタに配設されたホストサーバ(検針管理装置)などと通信するためのインターフェイスである。
【0022】
記憶部16は、検針対象の電力メータに関する情報を記憶するメモリであり、入力部12で入力された指示数を該電力メータの識別情報と対応付けて記憶したり、お知らせ票Rの印刷を一時保留する電力メータである非印刷計量器(子機)の識別情報と、非印刷計量器に対するお知らせ票Rを一緒に印刷する電力メータである複数印刷計量器(親機)の識別情報と、を含む印刷情報を記憶したり、検針対象の電力メータの識別情報が検針順に配列・配置され、かつ、非印刷計量器の識別情報の後に該非印刷計量器の複数印刷計量器の識別情報が配列された、検針ルートを記憶したりする。
【0023】
具体的には、図4に示すように、契約番号161ごとに、メータ番号162、需要家名163、所在地164、連絡先165、前回指示数166、今回指示数167、契約種別168、印刷保留169、複数印刷16aおよびその他16bが記憶されている。そして、契約番号161には、契約を識別する番号が記憶され、メータ番号162には、需要家宅(電力消費箇所)に設置されている電力メータの識別番号が記憶されている。
【0024】
需要家名163には、需要家・契約者の氏名が記憶され、所在地164には、需要家宅の所在地住所が記憶され、連絡先165には、需要家の連絡先電話番号などが記憶されている。前回指示数166には、前回検針時の電力メータの指示数が記憶され、今回指示数167には、今回検針時の指示数が記憶されるようになっており、契約種別168には、従量電灯Aなどの契約された電力供給の種別が記憶されている。このように、メータ番号162と今回指示数167とによって、入力部12で入力された指示数を該電力メータの識別情報と対応付けて記憶するようになっている。
【0025】
印刷保留169には、該電力メータが、検針時にお知らせ票Rをすぐに印刷しないで一時保留する非印刷計量器であるか否かが記憶されている。さらに、非印刷計量器である場合には、この非印刷計量器に対するお知らせ票Rを一緒に印刷する電力メータである複数印刷計量器の識別情報(メータ番号162)または契約番号161が記憶されている。
【0026】
複数印刷16aには、該電力メータが、非印刷計量器に対するお知らせ票Rを一緒に印刷する電力メータである複数印刷計量器であるか否かが記憶されている。さらに、複数印刷計量器である場合には、お知らせ票Rを一緒に印刷する非印刷計量器の識別情報(メータ番号162)または契約番号161が記憶されている。このように、印刷保留169と複数印刷16aとによって、非印刷計量器と複数印刷計量器の識別情報を含む印刷情報を記憶するようになっている。
【0027】
ここで、非印刷計量器と複数印刷計量器との組み合わせは複数有し、また、1つの複数印刷計量器に対して複数の非印刷計量器を有する場合がある。すなわち、複数の複数印刷計量器が記憶され、各複数印刷計量器に対して、それぞれ1つまたは複数の非印刷計量器が記憶されている。
【0028】
このような1つの電力メータに対する情報・データ161〜16bであるメータ情報郡160が、所定の条件(地理的条件等)に基づいて、検針員が訪問する電力メータの検針順に配列され、かつ、非印刷計量器のメータ情報郡160の後に、該非印刷計量器に対する複数印刷計量器のメータ情報郡160が配列されている。このようにして、各電力メータに関するメータ情報郡160が、検針順・訪問順に記憶されていることで、検針ルートが記憶されている。
【0029】
また、このような情報・データ161〜16b(検針ルート)は、電力会社のホストサーバからダウンロードされるようになっている。さらに、印刷保留169と複数印刷16aは、検針端末1を介して各検針員から情報をホストサーバに送信したり、ホストサーバで情報を入力したりすることで、登録・記憶されるようになっている。
【0030】
検針プログラム17は、検針業務を行うために、表示部13に各種情報・データを表示したり、印刷部14からのお知らせ票Rの印刷を制御したりするプログラムであり、次の制御を含む。すなわち、記憶部16に指示数を記憶した際に、印刷情報に基づいて、検針対象の電力メータが非印刷計量器でない場合には、印刷部14によってお知らせ票Rを印刷し、検針対象の電力メータが非印刷計量器の場合には、印刷部14によるお知らせ票Rの印刷を一時保留し、検針対象の電力メータが複数印刷計量器の場合には、該複数印刷計量器と一緒に印刷する非印刷計量器のお知らせ票Rを印刷部14によって印刷する。
【0031】
具体的には、図5に示すように、まず、最初の検針対象の電力メータの情報を記憶部16から取得して、メータ番号162や需要家名163、所在地164などを表示部13に表示する(ステップS1)。次に、入力部12によって電力メータの指示数が入力されると(ステップS2)、この指示数を表示部13に表示するとともに、記憶部16の今回指示数167に記憶する(ステップS3)。
【0032】
続いて、記憶部16の印刷保留169に基づいて、この電力メータが非印刷計量器であるか否か、つまり、お知らせ票Rの印刷を一時保留するか否かを判断する(ステップS4)。そして、非印刷計量器の場合(ステップS4で「Y」の場合)には、お知らせ票Rの印刷をしないでステップS1に戻り、次の検針対象の電力メータの情報を記憶部16から取得して表示部13に表示する。
【0033】
一方、非印刷計量器でない場合(ステップS4で「N」の場合)には、ステップS2で入力された指示数などに基づいて、この電力メータに対するお知らせ票Rを作成して、印刷部14によって印刷する(ステップS5)。ここで、非印刷計量器でない場合には、この電力メータが複数印刷計量器の場合を含み、複数印刷計量器の場合には、ステップS5においてこの電力メータに対するお知らせ票Rを印刷する。
【0034】
次に、記憶部16の複数印刷16aに基づいて、この電力メータが複数印刷計量器であるか否か、つまり、非印刷計量器に対するお知らせ票Rを一緒に印刷するか否かを判断する(ステップS6)。そして、複数印刷計量器でない場合(ステップS6で「N」の場合)には、ステップS1に戻って、次の検針対象の電力メータの情報を記憶部16から取得して表示部13に表示する。
【0035】
一方、複数印刷計量器の場合(ステップS6で「Y」の場合)には、この複数印刷計量器と一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票Rを印刷する(ステップS7)。すなわち、複数印刷16aから非印刷計量器のメータ番号162(契約番号161)を取得し、このメータ番号162の今回指示数167などを記憶部16から取得して、非印刷計量器に対するお知らせ票Rを作成して、印刷部14によって印刷する。この際、複数印刷16aに複数の非印刷計量器のメータ番号162が記憶されている場合には、すべての非印刷計量器に対してお知らせ票Rを印刷する。その後、ステップS1に戻って、次の検針対象の電力メータの情報を記憶部16から取得して表示部13に表示する、という処理を検針順・検針ルートに従って順次行うものである。
【0036】
次に、このような構成の検針端末1の作用および検針端末1による検針方法などについて説明する。
【0037】
まず、各検針員が管理センタのホストサーバから、自己の検針ルートを検針端末1にダウンロードする。これにより、上記のようにして、この検針員が訪問する検針順に、各電力メータに関するメータ情報郡160が記憶部16に記憶される。ただし、今回指示数167については、ブランク(空欄)となっている。
【0038】
次に、検針プログラム17を起動させて検針業務を開始すると、上記のようにして、検針対象の電力メータの情報が表示部13に表示されるため、これに従って需要家宅に訪問する。次に、指示数を入力、記憶すると、この電力メータが非印刷計量器(例えば、アパート共用部のメータ)の場合には、お知らせ票Rの印刷が一時保留され、非印刷計量器でない場合には、この電力メータに対するお知らせ票Rがその場で印刷される。そして、このお知らせ票Rをこの電力メータの需要家に配布する。
【0039】
続いて、この電力メータが複数印刷計量器(例えば、アパート経営者宅のメータ)である場合には、この複数印刷計量器と一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票Rが印刷されるため、このお知らせ票Rもこの需要家に配布する。つまり、複数印刷計量器(訪問対象の電力メータ)のお知らせ票Rと非印刷計量器のお知らせ票Rとを、一緒にこの需要家に配布する。
【0040】
このような検針業務を検針順・検針ルートに従って順次行うものである。これにより、ある複数印刷計量器に対する検針を行うと、この複数印刷計量器と一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票Rが印刷され、別の複数印刷計量器に対する検針を行うと、この複数印刷計量器と一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票Rが印刷される。
【0041】
以上のように、本検針端末1によれば、予め記憶された印刷情報に基づいて、自動的に、検針対象の電力メータが非印刷計量器の場合には、お知らせ票Rの印刷が一時保留されて、検針対象の電力メータが複数印刷計量器の場合に、この複数印刷計量器で一緒に印刷すべき非印刷計量器のお知らせ票Rが印刷される。このため、複数の所定のお知らせ票Rをまとめて特定の場所(複数印刷計量器の需要家宅など)に配布しなければならない場合に、誰でも適正(漏れや間違いなどなく)かつ容易に配布することが可能となる。
【0042】
また、検針ルートにおいて、印刷を保留する非印刷計量器の後に、この非印刷計量器のお知らせ票Rも印刷(一括印刷)すべき複数印刷計量器が配列されているため、非印刷計量器を検針した後にこの非印刷計量器の複数印刷計量器を検針することになる。このため、複数印刷計量器を検針した際に、印刷すべき全非印刷計量器のお知らせ票を一度にまとめて印刷、配布することができ、円滑かつ効率的な検針が可能となる。すなわち、複数印刷計量器を検針した後に非印刷計量器を検針する場合には、再度複数印刷計量器の設置場所に行かなければならないが、本検針端末1によればそのような必要がなく、複数印刷計量器の設置場所に一度行くだけで、複数の所定の非印刷計量器のお知らせ票Rをまとめて印刷、配布することができる。
【0043】
(実施の形態2)
図6は、この実施の形態に係る検針システム10を示す概略構成図であり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
【0044】
検針システム10は、各需要家宅Hに設置された電力メータH1を検針するための検針システムであり、検針員Kが携帯する検針端末1と、電力会社の管理センタCに配設されたホストサーバ(検針管理装置)2とが、通信網Nを介して通信自在に接続されている。
【0045】
検針端末1は、実施の形態1と同等の構成であるが、次の点において実施の形態1と構成が異なる。第1に、記憶部16には、印刷保留169と複数印刷16aとを含まず、印刷情報が記憶されていない。第2に、入力部12で指示数が入力されると、この指示数と検針対象の電力メータH1の識別情報(メータ番号162)とを、検針データとしてホストサーバ2に送信する。第3に、検針プログラム17は、お知らせ票Rの印刷を制御せず(ステップS4〜S7を含まず)、ホストサーバ2から受信した印刷指令に従って、お知らせ票Rを作成、印刷する。
【0046】
具体的には、印刷指令に従って、検針対象の電力メータH1が非印刷計量器でない場合には、印刷部14によってお知らせ票Rを印刷し、検針対象の電力メータH1が非印刷計量器の場合には、印刷部14によるお知らせ票Rの印刷を一時保留し、検針対象の電力メータH1が複数印刷計量器の場合には、この複数印刷計量器で一緒に印刷する非印刷計量器のお知らせ票Rを印刷部14によって印刷するものである。
【0047】
ホストサーバ2は、図7に示すように、入力部21と、通信部22と、検針データベース(印刷情報記憶手段)23と、ルートプログラム24と、印刷プログラム25と、これらを制御などする中央処理部26と、を備えている。入力部21は、各種情報や指令を入力するためのインターフェイスであり、通信部22は、各検針端末1などと通信するためのインターフェイスである。
【0048】
検針データベース23は、すべての検針対象の電力メータH1に関する情報を記憶するデータベースであり、実施の形態1における図4と同等のデータ構成となっている。つまり、各電力メータH1に対して各情報・データ161〜16bを記憶し、印刷情報も記憶している。ルートプログラム24は、各検針端末1(各検針員K)に対する検針順序・ルートを策定するプログラムであり、所定の条件(地理的条件等)に基づいて検針ルートを策定する。この際、非印刷計量器の識別情報の後に、この非印刷計量器のお知らせ票Rを印刷すべき複数印刷計量器の識別情報が配列・配置されるように、検針ルートを策定する。
【0049】
このようにして、実施の形態1と同様に各検針端末1に対して、検針対象の電力メータH1のメータ情報郡160(印刷保留169と複数印刷16aを除く)が、検針順に配列されて検針ルートが策定され、ホストサーバ2から各検針端末1に対して検針ルートが送信される。これを受けて、検針端末1の記憶部16に検針ルート(各メータ情報郡160)が記憶されるものである。
【0050】
印刷プログラム25は、検針端末1から検針データを受信すると、検針データと印刷情報とに基づいて所定の印刷指令を検針端末1に送信するプログラムである。すなわち、検針データ(検針対象)の電力メータH1が非印刷計量器でない場合には、この電力メータH1のお知らせ票Rをすぐに印刷すべき指令(当器印刷指令)を検針端末1に送信する。また、検針対象の電力メータH1が非印刷計量器の場合には、お知らせ票Rの印刷を一時保留にすべき指令(印刷保留指令)を検針端末1に送信する。さらに、検針対象の電力メータH1が複数印刷計量器の場合には、非印刷計量器のお知らせ票Rを一緒に印刷すべき指令であり、印刷すべき非印刷計量器の識別情報(メータ番号162)を含む指令(一括印刷指令)を検針端末1に送信する。
【0051】
このような構成の検針システム10では、図8に示すように、まず、ホストサーバ2においてルートプログラム24が起動され(ステップS11)、各検針員Kに対する検針ルートが策定されて、検針ルートが各検針端末1に送信される(ステップS12)。これを受けて、各検針端末1の記憶部16に検針ルートが記憶され(ステップS13)、検針プログラム17を起動させて検針業務を開始する。
【0052】
そして、実施の形態1と同様にして、検針ルートに従って需要家宅Hを訪問し、検針端末1に指示数を入力すると(ステップS14)、記憶部16の今回指示数167に指示数が記憶される(ステップS15)。続いて、検針対象の電力メータH1のメータ番号162と指示数とを含む検針データが、検針端末1からホストサーバ2に送信され(ステップS16)、検針データベース23の該当する今回指示数167に指示数が記憶される(ステップS17)。
【0053】
次に、印刷プログラム25が起動され(ステップS18)、上記のように、検針データと印刷情報とに基づいて所定の印刷指令が検針端末1に送信される(ステップS19)。そして、検針端末1において、当器印刷指令を受信した場合には、検針対象の電力メータH1のお知らせ票Rがその場で印刷される。また、印刷保留指令を受信した場合には、お知らせ票Rの印刷が一時保留され、さらに、一括印刷指令を受信した場合には、検針対象の電力メータH1と非印刷計量器のお知らせ票Rとが一緒に印刷される(ステップS20)。そして、印刷されたお知らせ票Rを、訪問・検針している電力メータH1が設置されている需要家に配布するものである。
【0054】
このように、この実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、複数の所定のお知らせ票Rをまとめて特定の場所(複数印刷計量器の需要家宅Hなど)に配布しなければならない場合に、誰でも適正(漏れや間違いなどなく)かつ容易に配布することが可能となる。また、複数印刷計量器を検針した際に、印刷すべき全非印刷計量器のお知らせ票Rを一度にまとめて印刷、配布することができ、円滑かつ効率的な検針が可能となる。
【0055】
さらに、各検針端末1の記憶部16に印刷情報を記憶する必要がないため、各検針端末1の記憶部16の容量を削減することができる。また、各検針端末1においてお知らせ票Rの印刷を制御せず、ホストサーバ2において一元的・統括的に制御するため、各検針端末1の制御負担を軽減することができるばかりでなく、需要家の事情などに応じた柔軟かつ迅速な対応が可能となる。
【0056】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、検針端末1に印刷部14を一体的に備える場合について説明したが、検針端末1の本体と印刷機とが別体であってもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1 検針端末
12 入力部(入力手段)
13 表示部
14 印刷部(印刷手段)
15 通信部
16 記憶部(指示数記憶手段、印刷情報記憶手段、検針ルート記憶手段)
17 検針プログラム
10 検針システム
2 ホストサーバ(検針管理装置)
23 検針データベース(印刷情報記憶手段)
24 ルートプログラム
25 印刷プログラム
H 需要家宅
H1 電力メータ(計量器)
K 検針員
R お知らせ票
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8