(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トコフェロールが、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、および前述のトコフェロールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
前記油脂が、植物油、硬化植物油、部分硬化植物油、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、一価不飽和脂肪酸、硬化パーム油、パームステアリン、パーム核油、パーム核ステアリン、シアバターノキ油、硬化綿実油、カカオ脂、大豆油、落花生油、綿実油、ヒマワリの種油、オリーブ油、イリペ油、アーモンド油および前述の油脂のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
チョコレート、コンパウンドコーティング、イナゴマメコーティング、フォンダン、ファッジ、フラッペ、キャラメル、ヌガー、圧縮錠剤、綿菓子、マジパン、チューイーキャンディー、ハードボイルドキャンディー、グミキャンディー、ゼリービーン、トフィー、タフィー、ゼリー、バタースコッチ、ナッツ入り砂糖菓子、芳香錠、プラリーヌまたはヌガー、穀粉またはデンプン菓子類、トリュフ、ノンパレイユ、ボンボン、アフターディナーミント、フール、ナッツペースト、チューインガム、モンテリマート(montelimart)、ヌガティーヌ、フルーツチュー、トルコ菓子、ハードグミ、ソフトグミ、デンプンゼリー、ゼラチンゼリー、寒天ゼリー、ペルジパン、ココナッツペースト、ココナツアイス、トローチ剤、カシュー、クリームペースト、ドラジェ、糖衣ナッツ、糖衣アーモンド、コンフィット、アニシードボール、リコリス、リコリスペースト、チョコレートスプレッド、チョコレートクラム、および前述の菓子組成物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の菓子組成物。
前記トコフェロールが、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、および前述のトコフェロールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
前記油脂が、植物油、硬化植物油、部分硬化植物油、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、一価不飽和脂肪酸、硬化パーム油、パームステアリン、パーム核油、パーム核ステアリン、シアバターノキ油、硬化綿実油、カカオ脂、大豆油、落花生油、綿実油、ヒマワリの種油、オリーブ油、イリペ油、アーモンド油および前記油脂のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
チョコレート、コンパウンドコーティング、イナゴマメコーティング、フォンダン、ファッジ、フラッペ、キャラメル、ヌガー、圧縮錠剤、綿菓子、マジパン、チューイーキャンディー、ハードボイルドキャンディー、グミキャンディー、ゼリービーン、トフィー、タフィー、ゼリー、バタースコッチ、ナッツ入り砂糖菓子、芳香錠、プラリーヌまたはヌガー、穀粉またはデンプン菓子類、トリュフ、ノンパレイユ、ボンボン、アフターディナーミント、フール、ナッツペースト、チューインガム、モンテリマート(montelimart)、ヌガティーヌ、フルーツチュー、トルコ菓子、ハードグミ、ソフトグミ、デンプンゼリー、ゼラチンゼリー、寒天ゼリー、ペルジパン、ココナッツペースト、ココナツアイス、トローチ剤、カシュー、クリームペースト、ドラジェ、糖衣ナッツ、糖衣アーモンド、コンフィット、アニシードボール、リコリス、リコリスペースト、チョコレートスプレッド、チョコレートクラムおよび前述の菓子組成物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
乳化剤がレシチン;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールのいずれかを多く含む分別レシチン;オートムギ由来の乳化剤;モノグリセリドおよびジグリセリドならびにそれらの酒石酸エステル;食用油脂および食用油のモノグリセリドおよびジグリセリドのモノリン酸ナトリウム誘導体;ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート;硬化レシチン;合成リン脂質(アンモニウムホスファチドなど);ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR);グリセロールおよびプロピレングリコールの乳酸脂肪酸エステル;脂肪酸のポリグリセロールエステル;脂肪酸のクエン酸エステル;脂質のプロピレングリコールモノエステルおよびジエステル;脂肪酸;および前述の乳化剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される、請求項7〜13のいずれか1項に記載の方法。
前記菓子組成物が、甘味料、高甘味度甘味料、フレーバー調節因子または増強剤、香味料、着色剤、医薬、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、呼気清涼化剤、無機質アジュバント、増量剤、酸味料、緩衝剤、温感剤、冷却剤、刺激剤、発泡剤、増粘剤、口内湿潤化剤、フレーバー増幅組成物、抗酸化剤、防腐剤、および前述の添加剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される添加剤をさらに含む、請求項7〜15のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
苦味物質を伴う少量のビタミンE化合物を投与することは、苦味物質の不快感および/または苦味を効果的にマスキングしまたは減少させることが見出された。苦味物質の食味プロファイル全体におけるビタミンE化合物の効果は、特に少なくとも1つの
油脂の存在下で投与されたときに効果的である。
【0013】
苦味物質の不快な食味のマスキング方法が本願明細書に開示される。当該方法は、少なくとも1つの
油脂の存在下でビタミンE化合物を伴う苦味物質を投与することを含む。
【0014】
苦味物質を含有する菓子組成物における苦味をマスキングする方法も本願明細書に開示される。当該方法は、苦味物質、少なくとも1つの
油脂および食味をマスキングするのに有効な量のビタミンE化合物の含む菓子組成物を提供することを包含する。
【0015】
苦味物質、少なくとも1つの
油脂、食味をマスキングするのに有効な量のビタミンE化合物を包含している菓子組成物も本願明細書に開示される。
【0016】
ビタミンE化合物は、
油脂を含有する菓子組成物中、苦味物質の不快な食味印象を修飾、マスキング、削減、被覆または除去するために用いられる。
【0017】
本願明細書で使用する場合、「食味をマスキングするのに有効な量」は、ビタミンE化合物を伴わないで調製される組成物と比べて苦味物質の不快な食味を緩和または削減するのに十分なビタミンE化合物の量である。食味をマスキングするのに有効な量は、マスキングされた苦味の程度、特に菓子組成物、菓子組成物中に存在してよい追加成分、組成物を味わう様々な人の自然な遺伝子の変動性および個々の好み、ならびに苦味物質の食味におけるビタミンE化合物の自覚効果を変化させるかもしれない。
【0018】
いくつかの実施形態において、ビタミンE化合物は、トコフェロール、トコトリエノール、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0019】
いくつかの実施形態において、ビタミンE化合物はトコフェロールである。トコフェロールは、植物油、ナッツ、種および穀物全般に必然的に見いだされる。天然に製造されるトコフェロールの形態も合成された形態も用いられ得る。トコフェロールは、α、β、γおよびδ形態で生じる。
【0020】
いくつかの実施形態において、トコフェロールはα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらのトコフェロールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
1つの実施形態において、トコフェロールはα−トコフェロールである。天然に存在するα−トコフェロールは、1つの立体異性体に存在する。対照的に、合成して製造されるα−トコフェロールは、8個の候補の立体異性体を等量含有する。
【0022】
他の実施形態において、トコトリエノールのようなビタミンE化合物は、少なくとも1つの
油脂の存在下で投与されたとき、苦味物質の不快な食味印象を修飾、マスキングまたは減少するためにも用いられ得る。トコトリエノールは、厳選された植物油、パーム果実油、小麦胚芽、大麦、ノコギリヤシ、および特定の種類のナッツおよび穀物に極めて少量で必然的に見いだされる。トコトリエノールの天然に製造される形態と合成形態が用いられ得る。
【0023】
トコフェロールのようなトコトリエノールは、ビタミンE族の種であり、構造的にトコフェロールと似ている。トコフェロールのようなトコトリエノールは、α、β、γおよびδ形態で生じる。トコトリエノールも環に同じメチル構造を有するが、疎水性の側鎖に3つの二重結合の存在によりトコフェロールと異なる。疎水性の側鎖における不飽和は、トコトリエノールに立体異性の炭素原子を一つのみを与えるのに対して、トコフェロールは3つのキラル中心を有する。
【0024】
1つの実施形態において、トコトリエノールは、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、および前述のトコトリエノールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
苦味物質は、苦味を与えることが知られている任意の物質であり得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、苦味物質はメントールである。メントール(2−(2−プロピル)−5−メチル−1−シクロヘキサノールとしても知られる)は、人工形成、ペパーミント油などの天然由来の資源、またはペパーミント油から単離された自然形態で利用可能である。ペパーミント油は一般的に約45〜55%のメントール、約20〜25%のメントン、約5%の酢酸メンチル、約5%のユーカリプトールおよび他の多くの成分を含有する。
【0027】
いくつかの実施形態において、トコフェロールに対する苦味物質の重量比は、約5:1〜約1:5、具体的には約3:1〜約1:3、より具体的には約2:1〜約1:2、さらにより具体的には約1:1〜約1:1.7である。1つの実施形態において、トコフェロールに対する苦味物質の重量比は約1:1.5である。
【0028】
いくつかの実施形態において、
油脂は、植物油、硬化植物油、部分硬化植物油、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、一価不飽和脂肪酸、硬化パーム油、パームステアリン、パーム核油、パーム核ステアリン、シアバターノキ油、硬化綿実油、カカオ脂、大豆油、落花生、綿実油、ヒマワリ種油、オリーブ油、イリペ油、アーモンド油およびこれらの
油脂のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
(菓子組成物)
用語「糖菓」または「菓子類」または「菓子組成物」は、甘い成分を含む食用製品を意味する。菓子組成物は、当該技術分野で周知であり、そして一般的に「ハード」または「ソフト」な菓子製品のいずれかに分類される。菓子組成物は、砂糖、シロップ、またはハチミツ、および甘物(キャンディーまたはペーストリーなど)で作製される医薬製剤も含み得る。
【0030】
本願明細書で使用する場合、用語「菓子類領域」または「菓子ベース領域」は、中心充填物、または最内部、領域の周りに隣接してまたは少なくとも部分的にあってよい多領域菓子製品の領域を意味する。いくつかの実施形態において、菓子領域は中間の領域である。
【0031】
本願明細書で使用する場合、用語「中心充填」は、中心充填菓子製品の最内領域を意味する。いくつかの実施形態において、中心充填領域は、菓子ベース領域によって少なくとも部分的に取り囲まれている。用語「中心充填」は、菓子製品の対称性を必然的に意味するものではなく、「中心充填」は製品の別の領域の内部にあることだけを意味する。いくつかの実施形態において、中心充填物は実質的に菓子ピースの対称であってよく、他の場合において、中心充填物は対称でなくてもよい。いくつかの実施形態において、複数の中心充填物が存在してよい。中心充填物は固体、液体、気体およびこれらの混合物を包含してよい。中心充填物と関連して、用語「液体」は、流動物質、半固体またはゲル状物質を包含する。中心充填物は、水溶液、非水溶液またはエマルションであり得る。
【0032】
菓子組成物は、被覆され得るまたは被覆され得ない。本願明細書で使用する場合、用語「コーティング」は、菓類の核を少なくとも部分的に囲む物質の領域を言及するために用いられる。
【0033】
いくつかの実施形態において、菓子組成物は、苦味物質、少なくとも1つの
油脂、食味をマスキングするのに有効な量のビタミンE化合物を含む。1つの実施形態において、ビタミンE化合物はトコフェロールである。トコフェロールは、
油脂を含有する菓子組成物中の苦味物質の不快な食味印象を修飾、マスキングまたは減少するために用いられる。
【0034】
他の実施形態において、方法は、菓子組成物における苦味をマスキングするために提供され、当該方法は、苦味物質、少なくとも1つの
油脂および食味をマスキングするのに有効な量のビタミンE化合物を含む菓子組成物を与える工程を提供することを含む。いくつかの実施形態において、ビタミンE化合物は、トコフェロール、トコトリエノール、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0035】
いくつかの実施形態において、上記方法は、苦味物質、少なくとも1つの
油脂および食味をマスキングするのに有効な量のトコフェロールを含む菓子組成物を提供することを含む。1つの実施形態において、ビタミンE化合物は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびこれらのトコフェロールのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択されるトコフェロールである。
【0036】
いくつかの実施形態において、菓子組成物は、これらに限定されないが、チョコレート、コンパウンドコーティング、イナゴマメコーティング、フォンダン、ファッジ、フラッペ、キャラメル、ヌガー、圧縮錠剤、綿菓子、マジパン、チューイーキャンディー、ハードボイルドキャンディー、グミキャンディー、ゼリービーン、トフィー、タフィー、ゼリー、バタースコッチ、ナッツ入り砂糖菓子、パスティーユ、プラリーヌまたはヌガー、穀粉またはデンプン菓子、トリュフ、ノンパレイユ、ボンボン、アフターディナーミント、フール、ナッツペースト、チューインガム、モンテリマート(montelimart)、ヌガティーヌ、フルーツチュー、トルコ菓子、ハードグミ、ソフトグミ、デンプンゼリー、ゼラチンゼリー、寒天ゼリー、ペルジパン(persipan)、ココナッツペースト、ココナツアイス、トローチ剤、カシュー、クリームペースト、ドラジェ、糖衣ナッツ、糖衣アーモンド、コンフィット(comfit))、アニシードボール(aniseed ball)、リコリス、リコリスペースト、チョコレートスプレッド、チョコレートクラム、および前述の菓子組成物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群を包含する。
【0037】
いくつかの実施形態において、菓子組成物はチューイーキャンディーである。チューイーキャンディーの例は、これらに限定されないが、キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、ゼリービーン、トフィー、タフィー、ゼリー、フルーツチュー、トルコ菓子、ハードグミ、ソフトグミ、デンプンゼリー、ゼラチンゼリー、寒天ゼリー、および前述のチューイーキャンディーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群を包含する。
【0038】
1つの実施形態において、チューイーキャンディーは、中心充填剤を含む。中心充填剤は、水溶液、非水溶液またはエマルションであり得る。1つの実施形態において、中心充填剤はエマルションである。
【0039】
別の実施形態において、菓子組成物は、トローチ剤などのハード菓子類である。別の実施形態において、菓子組成物はチューインガムである。
【0040】
いくつかの実施形態において、トコフェロールは、菓子組成物中、菓子組成物の約0.0001重量%〜約10重量%の量で存在する。具体的には、トコフェロールは、菓子組成物の約0.0005重量%〜約5.0重量%、より具体的には約0.001重量%〜約1.0重量%、さらにより具体的には約0.01重量%〜約0.5重量%の量で存在する。
【0041】
苦味物質は、菓子組成物に苦味を与えることで知られている任意の物質である。
【0042】
いくつかの実施形態において、苦味物質がメントールである。メントールは、液体または固体形態のいずれかの中に用いられ得る。1つの実施形態において、メントールは、ペパーミント油の成分として菓子組成物中に存在する。他の実施形態において、メントールは、ペパーミント油に由来する人工形態または自然形態のいずれかとして存在する。
【0043】
いくつかの実施形態において、苦味物質は、菓子組成物の約0.0001重量%〜約10重量%の量で存在する。具体的には、苦味物質は、菓子組成物の約0.0005重量%〜約5重量%、より具体的には約0.001重量%〜約1.0重量%、さらにより具体的には約0.01重量%〜約0.5重量%の量で存在する。
【0044】
いくつかの実施形態において、トコフェロールに対する苦味物質の重量比は、約5:1〜約1:5、具体的には約3:1〜約1:3、より具体的には約2:1〜約1:2、さらにより具体的には約1:1〜約1:1.7である。1つの実施形態において、トコフェロールに対する苦味物質の重量比は、約1:1.5である。
【0045】
いくつかの実施形態において、
油脂は、植物油、硬化植物油、部分硬化植物油、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、一価不飽和脂肪酸、硬化パーム油、パームステアリン、パーム核油、パーム核ステアリン、シアバターノキ油、硬化綿実油、カカオ脂、大豆油、落花生、綿実油、ヒマワリ種油、オリーブ油、イリペ油、アーモンド油、および上述の
油脂のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。
【0046】
いくつかの実施形態において、
油脂は、菓子組成物の重量に基づいて菓子組成物の約1重量%〜約50重量%、具体的には、約5重量%〜約45重量%、およびより具体的には約10重量%〜約30重量%の量で存在する。
【0047】
いくつかの実施形態において、菓子組成物において苦味をマスキングする方法は、少なくとも1つの
油脂、苦味物質およびトコフェロールを混合する工程をさらに含み、食味のマスキングされた混合物を形成する。
【0048】
乳化剤も、食味のマスキングされた混合物に包含され得、エマルションを形成する。乳化剤は、
油脂、苦味物質およびトコフェロールと混合され、これらの成分は、食味のマスキングされた混合物に乳化剤を組み込むのと一緒に混合される。
【0049】
乳化剤は、食味をマスキングされた混合物の量に基づいて約0.05重量%〜約5重量%の量で包含される。具体的には、乳化剤は、食味のマスキングされた混合物の約0.1重量%〜約3.0重量%、より具体的には約0.2重量%〜約2.0、またはさらにより具体的には0.5重量%〜約1.5重量%の量で存在する。
【0050】
乳化剤の例は、大豆、紅花、またはトウモロコシ、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールのいずれかを多く含む分別レシチン由来のレシチン;オートムギ由来の乳化剤、モノグリセリドおよびジグリセリドならびにそれらの酒石酸エステル、食用油脂および食用油のモノグリセリドおよびジグリセリドのモノリン酸ナトリウム誘導体、ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、硬化レシチン、合成リン脂質(アンモニウムホスファチドなど)、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、グリセロールおよびプロピレングリコールの乳酸脂肪酸エステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のクエン酸エステル、
油脂のプロピレングリコールモノエステルおよびジエステル、脂肪酸、および上述の乳化剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを包含する。いくつかの実施形態において、乳化剤は、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)および蒸留モノグリセリドを含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、食味のマスキングされた混合物はエマルションである。
【0052】
食味のマスキングされた混合物は、他の個々の菓子成分と混合され、最終の所望の菓子組成物を形成する。いくつかの実施形態において、食味のマスキングされた混合物は、中心充填剤として菓子組成物内に組み込まれている。他の実施形態において、食味のマスキングされた混合物は、他の成分と混合され、かつ/または菓子組成物の全体にわたって均一に分散される。他の成分は、通常当業者に公知の組成物と同様所望の組成物の性質によって決定される組成物に組み込まれるだろう。菓子組成物は、一般的に食品技術および製薬分野において公知の方法を用いて容易に調製される。
【0053】
実に様々な1以上の菓子成分または添加剤は、菓子組成物に包含され得る。そのような成分の例は、甘味料、高甘味度甘味料、フレーバー調節因子または増強剤、香味料、着色剤、医薬、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、呼気清涼化剤、無機質アジュバント、増量剤、酸味料、緩衝剤、感覚剤、温感剤、冷却剤、刺激剤、発泡剤、増粘剤、口内湿潤化剤、フレーバー増幅組成物、抗酸化剤、防腐剤、増量剤、およびこれらの添加剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせからなる群から選択される。これらの添加剤のいくつかは、複数の目的を果たし得る。例えば、甘味料(例えば、スクロース、ソルビトールもしくは他の糖アルコール、またはこれらの甘味料の混合物)が増量剤としても機能し得る。
【0054】
甘味剤は、菓子組成物に甘味を提供するために包含される。甘味料は、砂糖甘味料、シュガーレス甘味料、高甘味度甘味料、またはこれらの甘味剤のうちの少なくとも1つの組み合わせを包含する。
【0055】
砂糖甘味料は、一般的に糖類を包含する。砂糖甘味料の例は、単糖類、二糖類および多糖類(これらに限定されないが、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解したデンプン、ハイマルトースグルコースシロップ、コーンシロップ固形物(ブドウ糖果糖液糖など)およびこれらの混合物など)を包含する。
【0056】
シュガーレス甘味剤の例は、糖アルコール(またはポリオール)(これらに限定されないが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、硬化イソマルチュロース、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの混合物など)を包含する。
【0057】
本願明細書で使用する場合、「高甘味度甘味料」は、重量基準で、スクロースの少なくとも100倍の甘味、具体的にはスクロースの少なくとも500倍の甘味を有する試薬を意味する。一実施形態において、高甘味度甘味料は、重量基準で、スクロースの少なくとも1,000倍の甘味、より具体的にはスクロースの少なくとも5,000倍の甘味である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性の人工甘味料、天然に存在する水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、ジペプチドベースの甘味料、およびタンパク質ベースの甘味料を包含する広範囲の物質から選択され得る。1以上の甘味料または1以上の上述のタイプの甘味料を含む混合物は用いられ得る。特定の甘味料に限定されないが、代表的なカテゴリーや例は以下を包含する:ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、および米国特許第4,619,834に開示されるようなL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドなどの水溶性甘味剤、または上述の水溶性甘味剤のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ;溶解性サッカリン塩、すなわち、サッカリンナトリウムまたはサッカリンカルシウム、シクラメート塩、アセスルファム塩(3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩またはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシド(アセスルファム−K)のカリウム塩、サッカリンの遊離酸形態、または上述のジペプチドベースの甘味料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせなどの水溶性の人工甘味料;ジペプチドベースの甘味料、例えば、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)および米国特許第3,492,131号に開示されている物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンのメチルエステルおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニルグリシン、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニンなどの甘味料由来のL−アスパラギン酸;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ;天然に存在する水溶性甘味料(ステビオシド、普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体(例えば、クロロデオキシ糖誘導体(例えばスクラロースの製品指定化で公知のクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体)由来の水溶性甘味料;クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例は、これらに限定されないが、1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ;タンパク質ベースの甘味料(thaumaoccous danielli(サウマオカウス・ダニエリ)など)、タリン、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ;およびアミノ酸ベースの甘味料を包含する。
【0058】
高甘味度甘味料は、様々な異なる物理的形態で用いられ、例えば甘味の初期噴出および/または甘味の長期の感覚を提供する当該技術分野で公知ものである。それらに限定されることなく、そのような物理的形態は、自由形式(例えば、スプレードライまたは粉末)、ビーズ形状、カプセル封入型、または上述の形態のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを包含する。
【0059】
用いられ得る香味料の例は、当該技術分野で公知の人工または天然フレーバー、例えば、合成香味油、天然香味芳香族および/または油、オレオレジン、植物、葉、花、果実、など由来のエキス、および前述の香味料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを包含する。限定するものではないが、代表的なフレーバーは、油(スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(メチルカルキュレート)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、ケイヒ油、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、バニラ、フルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤ、ハチミツレモン、などを包含している)を包含している柑橘油、または上述の香味料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。具体的な香味料は、ミント類(ペパーミント、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体、および種々の果実フレーバーなど)である。
【0060】
香味料の他の型は、種々のアルデヒドおよびエステル(カナリアの酢酸塩、シンナムアルデヒド、シトラール、ジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(リコリス、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール(すなわち、α−シトラール(レモン、ライム))、ネラール(すなわち、β−シトラール(レモン、ライム))、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ(すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム))、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様のフレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性体、多くの型)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、trans−2(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール(すなわち、メロナール(メロン))、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)を包含する。
【0061】
着香剤は、液体または固体形態で用いられ得る。固体(乾燥)形態で用いられるとき、好適な乾燥は、油の噴霧乾燥が用いられ得ることなどを意味する。あるいは、着香剤は、当該技術分野で公知の手段により、水溶性物質(例えばセルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガム、など)に封入され、吸収され得る。いくつかの実施形態において、着香剤は、フレーバーの初期噴出またはフレーバーの長期間隔を与えるのに効果的な物理的形態で用いられ得る。
【0062】
冷却剤は、口腔内、鼻腔内、または皮膚上で冷却効果またはリフレッシュ効果を与える添加剤である。本願明細書で使用する場合、メンチルベースの冷却剤は、メントールおよびメントール誘導体を包含する。メントール(2−(2−プロピル)−5−メチル−1−シクロヘキサノールとしても知られる)は、人工形態、またはペパーミント油などを原料とする天然形態において利用可能である。メントール誘導体は、メンチルエステルベースの冷却化合物およびメンチルカルボキシアミドベースの冷却化合物(メンチルカルボキシアミド、N−エチル−p−メンタンカルボキシアミド、モノコハク酸メンチル、α−モノメンチルメチルコハク酸モノメンチル、グルタル酸モノメンチル、2−ピロリドン−5−カルボン酸メンチル、3−メチルマレイン酸モノメンチル、酢酸メンチル、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサン−1’,3,1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、メンタン、メントン、メントンケタール、メントングリセロールケタール、グルタル酸メンチルエステル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせなど)を包含する。
【0063】
他の冷却剤は、メンチルベースの冷却剤、例えば、2−メルカプトシクロデカノン、2〜6の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、N−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、キシリトール、エリスリトール、α−ジメチルコハク酸塩、乳酸メチル、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせと組み合わせて用いられ得る。
【0064】
温感成分は、使用者に温感の感覚信号を与えることが知られている実に様々な化合物から選択され得る。これらの化合物は、暖かさの感覚、特に、口腔において暖かさの感覚を認識し、フレーバー、甘味料および他の感覚受容性成分の感覚をしばしば増強する。包含される有益な温感化合物は、バニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000、高砂香料工業株式会社製、東京、日本)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル(ethyleather)、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピル(isopropol)アルコール、イソアミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、および上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。
【0065】
着色剤(着色料、顔料)は、調理済みの食べ物の所望の色を製造するのに効果的な量で用いられ得る。好適な着色剤は、食べ物の重さの最大約6重量%で組み込まれ得る色素を包含する。例えば、二酸化チタンは、食べ物の最大約2重量%、および具体的には約1重量%未満で組み込まれ得る。好適な着色剤は、食品、薬品、および化粧品への用途に好適な天然食品着色料および色素も包含する。
【0066】
好適な着色料は、アナットーエキス(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a〜d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、α−カロチン、γ−カロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成した 部分的に脱脂した綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ粗粉、合成酸化鉄、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(アズテックマリーゴールド)粗粉、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5およびFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、または上述のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを包含する。いくつかの実施形態において、認定着色料は、FD&Cアルミニウムレーキ、または上述の着色料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを包含し得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、菓子組成物は、当該技術分野で公知の方法で水溶性コーティング組成物を被覆され得る。
【0068】
外側コーティングは、ハードまたはクランチ質であり得る。典型的には、外側コーティングは、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、イソマルト、および他の結晶性のポリオールを包含し得、スクロースも使用され得る。香味料は、独特の製品の特長を生み出すためにも添加され得る。
【0069】
存在する場合、コーティングは、菓子組成物がコーティングを通して見えないような種々の不透明な層を包含し得、審美的な、食感および保護の目的のため、さらなる1以上の透明な層で任意に被覆され得る。外側コーティングは、少量の水およびアラビアガムも含有し得る。コーティングは、さらにワックスで被覆され得る。コーティングは、コーティング溶液の連続的な塗布と各コーティング間での乾燥により従来の態様において塗布され得る。コーティングは、他の着色料が添加され得るが、乾燥したときに通常不透明になり通常白である。ポリオールコーティングは、さらにワックスでさらに被覆され得る。コーティングはさらに着色された薄片またはスペックルを包含し得る。
【0070】
菓子組成物の熱安定性を増加し、そして製品が中心充填菓子類である場合に液体を充填することの欠点を予防することを補助するコーティングが形成され得る。いくつかの実施形態において、コーティングはゼラチン組成物を包含し得る。ゼラチン組成物は、40重量%の溶液として添加され得、コーティング組成物中にコーティング組成物の約5重量%〜約10重量%、より具体的には約7重量%〜約8重量%で存在し得る。ゼラチンのゲル強度は約130bloom〜約250bloomであり得る。
【0071】
上述および他の実施形態はさらに、効果的な請求項の範囲を限定することを意図しない、以下の実施例により説明される。実施例および明細書および請求項の全体にわたって、全部数およびパーセントは、特段の記載がない限り最終組成物の重量による。
【実施例】
【0072】
実施例1.エマルションの充填されたパンニングされたチューイーキャンディー製品におけるトコフェロールの効果
以下の例を、エマルションベースの中心充填剤を有するパンニングされたチューイーキャンディー製品のフレーバープロファイルの全てにおけるトコフェロールの効果を説明するために調製した。
【0073】
パンニングされたチューイー製品をエマルションを充填して調製した。エマルションの充填を表1および表2に示す形態において調製した。2つの
油脂を食感の質のため選択した。具体的には、エマルションは、低融点の
油脂(精製されたパーム油;表1)または高融点の
油脂(パームステアリン;表2)のいずれかを含む。精製されたパーム油(Palmotex(商標);AAK)は、36℃のスリップ融点を有する「柔らかい」
油脂である。パームステアリン(Palmotex(商標)98T;AAK)は、50℃のスリップ融点を有する「硬い」
油脂である。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
油脂、乳化剤およびトコフェロールを、混合して70℃に加熱して融解し、
油脂に乳化剤を溶解した。その後フレーバーを添加した。当該
油脂の混合物をホバートミキサーに置き、グルコースシロップ(事前に40℃に加熱した)を、撹拌しながらゆっくり添加した(約60秒超)。
【0077】
柔らかい
油脂製剤(表1)を混合し、33℃に冷却し、硬い
油脂レシピ(表2)を混合し42℃に冷却した。ホバートミキサーは、最初に室温冷却が用いられるが、カバーは付いてなく、エマルションの冷却に役立てるためにフリーズスプレー、冷却パックおよび氷水のトレイの使用を組み込む必要がある。エマルションは15kgのバッチで生成されている。
【0078】
得られたエマルションを、斬新的なキャビティ式ポンプ(例えば、モノポンプ)の上のホッパーに移した。当該プロセスのホッパーおよび配管ならびにその再循環ループを40℃でカバーをつけ、制御した。
【0079】
エマルションを、エマルションを中心充填したタフィーのつなぎを生成する共押出配列に注入した。このつなぎを、冷却し、伸ばし、集め、ローラーでサイズを変更し、ロータリーを形成し、冷却し、パンニングのために集めた。形成したチューイー中心充填物をマルチトール溶液で事前にコーティングした。その後、ハードコーティングを、マルチトール溶液およびパンニングプロセスを用いて形成された中心の表面上に塗布した。
【0080】
エマルションを酸敗臭の存在を試験するため製造プロセス中に試験した。エマルションの食味評価についてのコメントを以下の表3に示す。上記
油脂を使用に先立って試験し、フレーバーが漏れていないことが分かった。中心充填したチューイー製品をパンニングの前に食し、腐ったようなにおいはせず、調子は外れていないことが分かった
【0081】
【表3】
【0082】
エマルションの食味試験の後に、トコフェロールは苦味を減少させ、高融点の
油脂エマルションおよび低融点の
油脂エマルションの両方の甘味を増強させることが明らかとなった。
【0083】
一週後、最後にパンニングした、チューイー製品を試験評価した。最終生成物の食味評価の結果を表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
最後にパンニングした、チューイー製品を食味試験した後、DL−α−トコフェロールを包含しているエマルションを包含している調製された生成物はより甘く、DL−α−トコフェロールを包含しないエマルションと比べて一般的に苦味が少ないことが明らかとなった。高融点
油脂エマルションを中心に有するエマルション含有チューイー製品は、低融点
油脂エマルションを有するエマルション含有チューイー製品より好ましかった。
【0086】
実施例2.メントール苦味におけるトコフェロールの効果
水ベースのメントール溶液の調製
以下の例のメントールを含有する組成物の苦みに対するトコフェロールの効果を示すために調製した。
【0087】
DL−α−トコフェロールを伴メントールを含有する溶液うおよび伴わないメントールを含有する溶液を主な希釈剤として水を用いて調製した。メントールは水に不溶性であるので、メントールを食品等級アルコールにまず溶解し、次いで水で希釈した。
【0088】
希釈剤として水を用いて調製した試験溶液を以下の表5に示す。水ベースの溶液を調製するため、メントールをまず食品等級アルコールに添加し、30分間撹拌した。その後、DL−α−トコフェロールを添加し、当該混合物をさらに30分間撹拌する。当該溶液を500mLのメスフラスコに移し、当該フラスコを水で満たし、フラスコ中の成分の混合を促進するため数回反転させた。
【表5】
【0089】
水ベースのメントール溶液の食味試験
メントールとDL−α−トコフェロールとを含有する水ベースの溶液とメントールのみを含有する水ベースの溶液の検出可能な食味の差異があるかどうか決定するため食味試験を行った。
【0090】
三転比較試験を用いてサンプル間の食味の差異を検出した。パネリストは、全てランダムに3つのアラビア数字のコードをコードした3つのサンプルを提示された。3つのサンプルを比較例3の2つのサンプルと実施例3の1つのサンプル;または比較例3の1つのサンプルと実施例3の2つのサンプルから選択した。当該3つのサンプルを、結果が偏らないようにするため、ランダムに提示した。パネリストに、3つのサンプルを食し、「変な(odd)」サンプルを特定するように頼んだ。また、パネリストにそれらの選択の理由を明確にするように頼んだ。
【0091】
水ベースのメントール溶液(比較例3および実施例3)の三点比較試験の結果を以下の表6に示す。
【0092】
【表6】
【0093】
表6に示すように、試験した20人のパネリストの7個が変なサンプルであると正確に判別し得、メントールとトコフェロールとを含有するサンプルおよびメントールのみを含有するサンプル間の食味に有意差はないことが示された。変なサンプルと正確に判別された7個のサンプルのうち、3人のパネリストは、トコフェロールはサンプル中に存在するメントールの苦みをマスキングするということを示唆した。
【0094】
水はメントール溶液の食味においてトコフェロールの効果を試験するため最良な媒体(希釈剤)ではないことが明確となった。トコフェロールは脂溶性ビタミンであるので、水ベースの溶液中のトコフェロールの分散は、十分均一ではなかったと考えられている。
【0095】
ミルクベースのメントール溶液の調製
メントール溶液中、トコフェロールの分散を改善するため、脂肪分の高いミルクを主な希釈剤として用い、溶液を調整した。加えて、より少ない量の食品等級アルコールをメントールを溶解するために用いた。
【0096】
脂肪分の高いミルクとして水を用いて調製した試験溶液を以下の表7に示す。ミルクベースの溶液を調製するため、まずメントールをメスフラスコ中の食品等級アルコールに添加し、30分間撹拌した。その後、DL−α−トコフェロールを250mLのミルクに、30分間撹拌して溶解させた。ミルク溶液(またはミルクのみ)およびメントール溶液を500mLのメスフラスコに移し、その後フラスコを水で満たし、フラスコ中の成分の混合を促進するため数回反転させた。
【0097】
【表7】
【0098】
ミルクベースのメントール溶液の食味試験
メントールとDL−α−トコフェロールとを含有するミルクベースの溶液とメントールのみを含有する水ベースの溶液の検出可能な食味の差異があるかどうか決定するため食味試験を行った。三転比較試験を用いてサンプル間の食味の差異を検出した。パネリストは、全てランダムに3つのアラビア数字のコードでコードした3つのサンプルを提示された。3つのサンプルを以下のグループから選択した:(1)比較例4の2つのサンプルと実施例4の1つのサンプル;または(2)比較例4の1つのサンプルと実施例4の2つのサンプル。当該3つのサンプルを、結果が偏らないようにするため、ランダムに提示した。パネリストに、3つのサンプルを食し、「変な」サンプルを特定するように頼んだ。パネリストにそれらの選択の理由を明確にするように頼んだ。
【0099】
ミルクベースのメントール溶液(比較例3および実施例3)の三点比較試験の結果を以下の表8に示す。
【0100】
【表8】
【0101】
表8に示すように、試験した20人のパネリストの10個が変なサンプルであると正確に判別された。この結果のp値は0.092であり、メントールとトコフェロールとを含有するサンプル(実施例4)およびメントールのみを含有するサンプル(比較例4)と間の食味プロファイルに傾向差(trend difference)があることがわかった。当該結果も、トコフェロールは脂肪分の高いミルク中のメントールの苦みを大きく低下させることを示す。
【0102】
本願明細書で使用する場合、移行句「含む(comprising)」(「comprises」なども)は、「有する(having)」、「包含する(including)」、「含有する(containing)」、または「特徴とする(characterized by)」と同義であり、これは、包括的またはオープンエンド型であり、請求項の前提部または本体部での使用によらず、付加的な、記載されていない要素または方法の工程を排除しない。
【0103】
単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」は、文脈と明らかに矛盾する場合を除いて、複数の指示対象を含む。
【0104】
同じ特徴または成分に向けられたすべての範囲の端点は、独立に組み合わせ可能であり、かつ記載された端点を包括する。
【0105】
用語「または(もしくは)」は、「および(ならびに)/または(もしくは)」を意味する。
【0106】
提供は、製造業者、流通業者、または製品を消費者にとって利用可能にする他の販売者によって、成し遂げられ得る。
【0107】
本願明細書全体にわたって、「1つの実施形態」、「他の実施形態」、「一実施形態」などの言及は、その実施形態に関連して記載される特定の要素(例えば、特長、構造、および/または特徴)は、本願明細書に記載される少なくとも1つの実施形態に含まれ、そしてそれは、他の実施形態で存在することができるし、または存在することができないということを意味する。加えて、記載された要素は、種々の実施形態において、あらゆる好適な態様で組み合わせることができるということを理解されたい。
【0108】
例示的な実施形態を参照して本発明が記載されたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱せずに、種々の変更をなすことができ、その実施形態の要素を均等物で置き換えることができるということを理解するであろう。加えて、特定の状況または物質を適合させるために、本発明の本質的範囲から逸脱せずに、本発明の教示に対して多くの改変をなすことができる。それゆえ、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されないこと、および本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての実施形態を包含することになろうということが意図されている。