特許第5941194号(P5941194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5941194
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】PTP用の包装シート
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/26 20060101AFI20160616BHJP
   A61J 1/03 20060101ALI20160616BHJP
   B65D 75/34 20060101ALI20160616BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20160616BHJP
   B65D 83/04 20060101ALI20160616BHJP
   B32B 15/082 20060101ALI20160616BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20160616BHJP
【FI】
   B65D81/26 J
   A61J1/03 370
   B65D75/34
   B65D65/40 D
   B65D83/04 D
   B32B15/082 A
   B32B15/08 F
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-120328(P2015-120328)
(22)【出願日】2015年6月15日
【審査請求日】2015年6月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511069932
【氏名又は名称】昭北ラミネート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】森野 映介
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−094167(JP,U)
【文献】 実開平05−094156(JP,U)
【文献】 特開2011−042371(JP,A)
【文献】 特開昭49−105695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/26
A61J 1/03
B32B 15/08
B32B 15/082
B65D 65/40
B65D 75/34
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の容器シートに一方が開口して形成された収容部を閉鎖するPTP用の包装シートであって、
樹脂フィルムが積層されていない基材であるアルミニウム箔と、前記アルミニウム箔の一方の面を覆うように設けられ熱接着用の樹脂材料を主剤とするヒートシール層と、前記ヒートシール層の表面に設けられ、前記ヒートシール層に含む樹脂と同様の樹脂の主剤に特定の機能を有した機能物質が混合されて成る機能層とを備え、
前記機能層は、前記ヒートシール層の表面の、前記容器シートの前記収容部に対応する部分、及び前記収容部の周縁部に位置するように設けられ、
前記アルミニウム箔は、前記ヒートシール層における前記機能層が設けられていない部分及び前記収容部の周縁部に位置した前記機能層を介して、前記容器シートに熱接着されていることを特徴とするPTP用の包装シート。
【請求項2】
前記容器シートの樹脂はポリ塩化ビニルであり、前記ヒートシール層の樹脂材料はポリ塩化ビニル樹脂とポリエステル樹脂とを混合して成り、前記機能層の主剤はポリエステル樹脂ある請求項1記載のPTP用の包装シート。
【請求項3】
前記機能層は、前記主剤の樹脂材料に消臭機能又は抗菌機能を有した機能物質が混合されて成る請求項1または2記載のPTP用の包装シート。
【請求項4】
前記機能層は、前記主剤のポリエステル樹脂に着色用の顔料が混合されている請求項2記載のPTP用の包装シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方が開口した収容部に錠剤やカプセル等が入れられた容器シートに熱接着され、収容部を閉鎖する蓋材となるPTP用の包装シートに関する。
【背景技術】
【0002】
PTP(press through package)は、図3に示すPTP10のように、樹脂製の容器シート12に形成された収容部12a内に小形の固形物14を入れ、包装シート16を容器シート12の平面部12bに貼りつけることによって、収容部12aを閉鎖する包装形態であり、従来から、薬用の錠剤やカプセル等を包装する用途に広く用いられている。
【0003】
PTP10は、開封するとき、収容部12a内の固形物14を収容部12aの外側から包装シート16内面側へ強く押し当て、包装シート18を突き破って取り出すものであり、包装シート16の基材は、一般にアルミニウム箔が使用される。また、包装シート16を容器シート12に貼り付ける場合、包装シート16の一方の面に設けたヒートシール層を容器シート12の平面部12bに当接させ、包装シート16の他方の面に設けた耐熱コート層の側から加熱し、ヒートシール層を平面部12bに溶着させる方法が用いられる。
【0004】
従来から、PTPに、消臭、吸湿、抗菌等の機能をもたせる技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示されているように、不快な臭いをもつ製薬等を包装するための消臭機能を備えたPTPの容器シートである包装材があった。この包装材は、薬剤が収容される側の面全体(収容部の内側面及び平面部の表面)を覆うように、所定の臭い吸着剤を添加した樹脂で成る吸着層が設けられ、この吸着層を介して蓋材であるアルミニウム箔が熱接着される構造になっている。
【0005】
また、PTPに関する技術ではないが、特許文献2に開示されているように、消臭、吸湿又は酸素吸収の機能を備えた包装体であって、食品や飲料などのスタンディングパウチ等に使用されるシート状の包装体があった。この包装体は、フィルムのシール部に樹脂製のシーラントフィルムが表出している部分が少なくとも存在し、フィルムのその他の部分に、内容物と接して消臭、吸湿、又は酸素吸収の効果を発揮する機能性物質層が形成されている領域が少なくとも存在する積層フィルムを有している。この積層フィルムの機能性物質層とは反対側の面に、樹脂フィルムにアルミニウム箔等を積層した基材層を設けて積層体を形成し、この積層体を、機能性物質層が形成されている側の面同士が接触するように重ね合わせ、ヒートシールして製袋することにより包装体を得るものである。また、積層フィルムの機能性物質層を、フィルムのシール部以外の部分領域にパターン形成することによって、より強固な熱接着が可能になる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特再公表2008/050714号公報
【特許文献2】特開2014−50988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の包装材は、PTPの容器シートに臭いの吸着層を設ける構造なので、収容部の内側や収容部以外の平面部を綺麗に覆う吸着層を設けることが容易ではない。また、吸着層が蓋材であるアルミニウム箔に直接触れる構造なので、例えば、吸着層に酸性又はアルカリ性の臭い吸着剤が添加された場合、アルミニウム箔が腐食するおそれがある。
【0008】
特許文献2の包装体は、積層体がPTPの蓋材として使用されることは想定されておらず、樹脂フィルムと積層されており、樹脂フィルムの延伸性により容易に破断できないことから、PTP包装の収容部の蓋材として用いることができないものである。しかも、積層体が樹脂製の容器シートに熱接着されたときのシール強度、透明な容器シートから透けて見える機能性物質層の視認性やデザイン性等について考慮されていないものである。
【0009】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、消臭機能又は抗菌機能を備えたPTPを容易に得ることができるPTP用の包装シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は樹脂製の容器シートに一方が開口して形成された収容部を閉鎖するPTP用の包装シートであって、樹脂フィルムが積層されていない基材であるアルミニウム箔と、前記アルミニウム箔の一方の面を覆うように設けられ、熱接着用の樹脂材料を主剤とするヒートシール層と、前記ヒートシール層の表面に設けられ、前記ヒートシール層に含む樹脂と同様の樹脂の主剤に特定の機能を有した機能物質が混合されて成る機能層とを備えるPTP用の包装シートである。前記機能層は、前記ヒートシール層の表面の、前記容器シートの前記収容部に対応する部分及び前記収容部の周縁部に位置するように設けられ、前記アルミニウム箔は、前記ヒートシール層における前記機能層が設けられていない部分、及び前記収容部の周縁部に位置した前記機能層を介して、前記容器シートに熱接着されているPTP用の包装シートである。
【0011】
前記容器シートの樹脂はポリ塩化ビニルであり、前記ヒートシール層はポリ塩化ビニル樹脂とポリエステル樹脂とを混合して成る熱接着用の樹脂材料を主剤とし、前記機能層はポリエステル樹脂を主剤とするものである。
【0012】
前記機能層は、前記主剤の樹脂材料に消臭機能又は抗菌機能を有した機能物質が混合されて成るものである。さらに、前記機能層は、前記主剤の樹脂材料に着色用の顔料が混合されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のPTP用の包装シートは、従来の包装シートの構成に所定の機能層が追加されたシンプルな構成である。したがって、従来の包装シートを製作する既存の設備に、機能層を設けるための設備を付設することによって製作可能であり、消臭機能又は抗菌機能等の特定の機能を備えたPTPを容易に得ることができる。また、機能層とアルミニウム箔との間にヒートシール層が介在し、機能層に混合された機能物質がアルミニウム箔に直接触れない構造になっている。したがって、例えば、機能物質として酸性又はアルカリ性の物質を使用する場合でも、機能物質がアルミニウム箔を腐食させるのを確実に防止することができる。
【0014】
また、機能層を、ヒートシール層の表面の、容器シートの収容部に対応する部分設け、アルミニウム箔がヒートシール層介して容器シートに直に熱接着される構造にすることによって、従来と同様の優れたシール強度を得ることができる。さらに、機能層の主を、ヒートシール層に含まれる特定の樹脂材料と同の樹脂材料にすることによって、機能層とヒートシール層との密着性をより強くすることができ、しかも収容部に露出する機能層の面積を最大限に広くすることができるアルミニウム箔が、ヒートシール層と機能層の両方を介して容器シートに熱接着され、機能層が存在することによるシール強度の低下を小さくすることができる。
【0015】
さらに、機能層に着色用の顔料を混合することによって、透明な容器シートから透けて見える機能層の視認性やデザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のPTP用の包装シートの一実施形態を示す平面図(a)、A−A部の断面図(b)である。
図2】この実施形態の包装シートを容器シートに熱接着したPTPを示す断面図である。
図3】従来の包装シートを容器シートに熱接着したPTPを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のPTP用の包装シートの一実施形態について、図1図2に基づいて説明する。この実施形態の包装シート18は、図2に示すように、上記と同様の容器シート12と組み合わせて使用され、PTP20を構成するものである。
【0018】
包装シート18は、図1に示すように、樹脂フィルムが積層されていないアルミニウム箔22が基材に用いられている。アルミニウム箔22は、容器シート12に収容された錠剤等の固形物14を取り出すときに破れやすいように、10〜30μm程度の厚さの硬質又は軟質のアルミニウム材が使用されている。また、アルミニウム箔には、一方の面が光沢面(鏡面)で他方が艶消面(マット面)になっているタイプ、両面とも光沢面(鏡面)になっているタイプ、両面とも艶消面(マット面)になっているタイプの3タイプがあるが、このアルミニウム箔22は、一方の面が光沢面、他方の面が艶消面になっているタイプが選択されている。
【0019】
アルミニウム箔22の光沢面側は、白濁色印刷層24で覆われている。この白濁色印刷層24は、メジウム(顔料を含まない透明なインキ)と白色顔料を含むインキとを混合した液状の塗工樹脂を、アルミニウム箔22の光沢面に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。メジウムは、例えば、主剤である塩化ビニル樹脂に分子架橋促進用のアミノ樹脂を配合した固形分を、適量のシンナー等の溶剤で希釈したものを用いる。白色顔料を含むインキは、メジウムの固形分と同様の組成に白色顔料となる酸化チタン等を配合した固形分を、適量のシンナー等の溶剤で希釈したものを用いる。
【0020】
白濁色印刷層24の表面には、商品名や識別番号等の文字、バーコード、装飾用の絵柄等が表された第一の情報印刷層26が設けられている。第一の情報印刷層26は、白濁色印刷層24と同様に、主剤が塩化ビニル樹脂で、例えば黒色顔料又は茶色顔料等が配合されたインキをグラビア塗工方式等により印刷し、乾燥させることによって形成される。
【0021】
白濁色印刷層24及び第一の情報印刷層26の表面は、耐熱コート層28で覆われている。耐熱コート層28は、包装シート18が容器シート12に熱接着される際に加熱されるので、例えば、190〜230℃のヒートシールバーで3kg/cm、2secの加圧を行って、表面状態に変色、炭化、粘り等の変化が生じない等の条件を満たす耐熱性が求められる。従って、耐熱コート層28は、エポキシ樹脂、ニトロセルロース、又はアクリル系樹脂を主剤とする透明なコート剤を用いて印刷形成されている。
【0022】
白濁色印刷層24は、アルミニウム箔22の光沢面の反射を抑え、第一の情報印刷層26に形成された文字やバーコード等の視認性を向上させる働きをする。
【0023】
アルミニウム箔22の反対側の表面は、ヒートシール層30で覆われている。ヒートシール層30は、包装シート18が容器シート12に熱接着される際、平面部12bに当接して溶着する印刷層であり、容器シート12及びアルミニウム箔22に対して良好に接着可能な材料を選択する必要がある。この実施形態で良好な接着とは、140〜160℃のヒートシールバーを用いて2〜3kg/cm2、1secの加圧を行って熱接着したとき、0.6〜1kg/m以上の剥離強度が得られる場合を指す。ここでは、相手方の容器シート12の材質がポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)なので、ヒートシール層30の材料として、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)とポリエステル樹脂との混合物が選択されている。
【0024】
容器シート12及びヒートシール層30が透明なものであれば、アルミニウム箔22の反対側の表面にも装飾用の絵柄等を表した第二の情報印刷層32を設け、PTP20の容器シート12の側から視認できるようにすることができる。
【0025】
ヒートシール層30の表面には、容器シート12の収容部12aに対応する部分に、複数の機能層34が設けられている。機能層34は、主剤の樹脂材料に消臭機能又は抗菌機能を有した機能物質が混合されて成り、シンナー等の溶剤で希釈した液状の塗工樹脂をヒートシール層30の所定位置に塗布し、乾燥することによって形成することができる。主剤は、ヒートシール層30に含まれている樹脂材料と同様のポリエステル樹脂である。機能物質は、消臭用であれば、物理的または化学的に消臭する材料の粉体であれば良く、例えばゼオライト系粉体、活性炭系粉体、シリカ系粉体、チタニア系粉体等がある。抗菌用であれば、例えば水酸化カルシウムを主成分とする粉体、その他酸化カルシウム等がある。
【0026】
包装シート18は、図2に示すように、容器シート12に重ねられ、平面部12bに当接する部分が熱接着されて全ての収容部12aを閉鎖する。機能層34は収容部12aに対応する部分だけに設けられているので、アルミニウム箔22は、ヒートシール層30における機能層34が設けられていない部分を介して、容器シート12の平面部12bに熱接着される。また、機能層34は、収容部12に対応する部分だけに無駄なく設けられ、個々の固形物14の不快な臭いを効果的に吸収する等の働きをする。なお、機能層34に含まれる機能物質は、必ずしも主剤に溶融する物質でなくてもよく、例えば、粒状の機能物質を主剤に混ぜ合せ、粒状の一部が主剤の表面に露出させる構造にすれば、消臭又は抗菌の機能をより効果的に発揮させることができる。
【0027】
以上説明したように、PTP用の包装シート18は、従来の包装シート12の構成に所定の機能層34が追加されたシンプルな構成である。したがって、従来の包装シート12を製作する既存の設備に、機能層34を設けるための設備を付設することによって製作可能であり、消臭機能又は抗菌機能を備えたPTP20を容易に得ることができる。また、機能層34とアルミニウム箔22との間にヒートシール層30が介在し、機能層34に混合された機能物質がアルミニウム箔22に直接触れない構造になっている。したがって、例えば、機能物質として酸性又はアルカリ性の物質を使用する場合でも、機能物質がアルミニウム箔22を腐食させるのを確実に防止することができる。
【0028】
また、機能層34は、ヒートシール層30の表面の、容器シート12の収容部12aに対応する部分設けられ、アルミニウム箔22がヒートシール層30介して容器シート12に熱接着される構造なので、従来と同様の優れたシール強度を得ることができる。
【0029】
また、機能層34の主成分が、ヒートシール層30に含まれている樹脂材料と同様のポリエステル樹脂なので、機能層34とヒートシール層30との密着性が強い。また、ポリエステル樹脂も一定のヒートシール性を有しているので、アルミニウム箔22がヒートシール層30と機能層34の両方を介して容器シート12に熱接着される構造の場合でも、機能層34が存在することによるシール強度の低下を最小限に抑えることができる。したがって機能層34の面積を少し大きくし、収納部12aの周縁部まで塞ぐ構造にすることで、機能層34の効果をより大きくすること可能である。
【0030】
さらに、機能層34に着色用の顔料が混合されているので、透明な容器シート12から透けて見える機能層34の視認性やデザイン性を向上させることができる。例えば、固形物14の色に合わせて顔料の色を適宜変更することによって、固形物14の有無を容易に視認できるようにしたり、固形物14を取り出した後の包装シート18の部分の見栄えを良くしたりことができる。
【0031】
なお、本発明のPTP用の包装シートは、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の包装シート18の場合、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)で成る容器シート12の蓋材として使用されるため、ヒートシール層30の主剤として、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)とポリエステル樹脂との混合物が用いられ、機能層34の主剤としてポリエステル樹脂が用いられている。しかし、例えば、容器シートの材質がポリプロピレン樹脂(PP樹脂)の場合は、ヒートシール層及び基材層の主剤も、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)とすることが好ましい。また、容器シートの材質がポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)の場合は、ヒートシール層の主剤をポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)とし、基材層の主剤をポリエステル樹脂(PP樹脂)とすることが好ましい。また、容器シートの材質がポリスチレン樹脂(PS樹脂)の場合は、ヒートシール層の主剤をポリ塩化ビニル樹脂(PVC樹脂)とポリエステル樹脂との混合物とすることが好ましい。このように、ヒートシール層及び機能層の主剤の組み合わせは、相手方の容器シートの材質に合わせ、適宜変更することができる。
【0032】
上記の包装シート18は、機能層34に着色用の顔料が混合されているが、他の色の顔料に変更してもよいし、無色にするため顔料を省略してもよい。また、情報表示が不要であれば、白濁色印刷層24、第一及び第二の情報印刷層26,32を省略することができる。その他、機能層の作用としては、消臭機能又は抗菌機能の他に、吸湿、脱酸素、中和等の物理的または化学的機能を有したものでもよい。
【符号の説明】
【0033】
10,18 PTP
12 容器シート
12a 収容部
12b 平面部
16 PTP用の包装シート
18PTP
20 アルミニウム箔
28 ヒートシール層
32 機能層
【要約】      (修正有)
【課題】消臭機能又は抗菌機能を備えたPTPを容易に得ることができるPTP用の包装シートを提供する。
【解決手段】基材であるアルミニウム箔22の一方の面を覆うように設けられ、熱接着用の樹脂材料を主剤とするヒートシール層30を備える。ヒートシール層の表面に設けられ、主剤の樹脂材料に消臭機能又は抗菌機能を有した機能物質が混合されて成る機能層34を備える。機能層34は、ヒートシール層30の表面の、相手方の容器シートの収容部に対応する部分に設けられ、アルミニウム箔22は、ヒートシール層30の機能層34以外の部分を介して、容器シートに熱接着される。機能層34は、ヒートシール層30に含まれる特定の樹脂材料と同一の樹脂材料を主剤とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3