特許第5941338号(P5941338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5941338トリフルオロメチル化剤、その製造方法並びにそれを用いたトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5941338
(24)【登録日】2016年5月27日
(45)【発行日】2016年6月29日
(54)【発明の名称】トリフルオロメチル化剤、その製造方法並びにそれを用いたトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 3/06 20060101AFI20160616BHJP
   C07C 67/343 20060101ALI20160616BHJP
   C07C 69/76 20060101ALI20160616BHJP
   C07D 213/26 20060101ALI20160616BHJP
   C07D 213/61 20060101ALI20160616BHJP
   B01J 27/122 20060101ALN20160616BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20160616BHJP
【FI】
   C07F3/06
   C07C67/343
   C07C69/76 Z
   C07D213/26
   C07D213/61
   !B01J27/122 X
   !C07B61/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-113898(P2012-113898)
(22)【出願日】2012年5月18日
(65)【公開番号】特開2013-241345(P2013-241345A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行
(74)【代理人】
【識別番号】100103506
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 弘晋
(73)【特許権者】
【識別番号】591180358
【氏名又は名称】東ソ−・エフテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行
(74)【代理人】
【識別番号】100103506
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 弘晋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】三上 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄三
(72)【発明者】
【氏名】相川 光介
【審査官】 山本 昌広
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−303935(JP,A)
【文献】 特開昭62−5926(JP,A)
【文献】 Journal of Fluorine Chemistry,2010年,Vol.131, No.2,p.212-216
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 3/00−3/14
C07C 67/00−69/96
C07D 213/00−213/90
B01J 27/00−27/32
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N,N−ジメチルホルムアミド中、亜鉛粉末とトリフルオロメチルアイオダイドを反応させることを含む、CDClを溶媒とした19F―NMRスペクトルにおいてベンゾトリフルオライド基準(δ=−63.24ppm)でのシフト値が−44.3ppm及び−43.1ppmであるピークを有する白色固体であるトリフルオロメチル化剤の製造方法。
【請求項2】
前記トリフルオロメチルアイオダイドの割合が前記亜鉛粉末に対して1.1〜5.0倍モル量であり、前記N,N−ジメチルホルムアミドの割合が前記亜鉛粉末に対して5〜200重量倍量である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の製造方法により得られるトリフルオロメチル化剤と下記一般式(2)
【化1】

(式中Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖、分岐若しくは環式のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜6の直鎖、分岐若しくは環式のアルコシキ基、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基を示し、Bは炭素原子または窒素原子を示す)
で表される置換フェニルアイオダイドを、銅存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(3)
【化2】

(式中A及びBは前記に同じ)
で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリフルオロメチルアイオダイド、亜鉛及びN,N−ジメチルホルムアミドより調製される固体粉末として取り扱いが容易なトリフルオロメチル化剤、その製造方法並びにそれを用いたトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法に関する。トリフルオロメチル基含有化合物は医農薬及び電子材料合成中間体として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、固体粉末のトリフルオロメチル化剤としては、トリフルオロメチルブロマイド、亜鉛及びN,N−ジメチルホルムアミドから調製されるZn(CF)Br・(DMF)が知られている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】M.M.Kremlev, et.al., Journal of Fluorine Chemistry, 131, 212-216(2010)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載のZn(CF)Br・(DMF)は室温下、安定な粉体として取扱いが可能であるが、銅存在下、トリフルオロメチル化剤として用いた場合、ジフルオロカルベンの発生に伴うペンタフルオロエチル基の導入反応が副反応として発生し、生成物はトリフルオロメチル化物とペンタフルオロエチル化物の混合物となる。
【0005】
また、非特許文献1で使用するトリフルオロメチルブロマイドは製造・輸入禁止物質で、工業的に入手することが困難な化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、工業的に入手可能なトリフルオロメチルアイオダイド、亜鉛及びN,N−ジメチルホルムアミドから調製されるZn(CF)I・(DMF)nが、室温下安定で、銅を用いたトリフルオロメチル化反応に用いた場合、副反応のジフルオロカルベンの発生に伴うペンタフルオロエチル体がほとんど副生せず、高選択的にトリフルオロメチル化が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
[1] 下記、一般式(1)

Zn(CF)I・(DMF)n (1)

(式中、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを示し、nは1〜4の整数を示す)
で表されるトリフルオロメチル化剤。
[2] N,N−ジメチルホルムアミド溶剤中、亜鉛粉末とトリフルオロメチルアイオダイドを反応させた後、ろ過、濃縮することを特徴とする項1に記載の一般式(1)で表されるトリフルオロメチル化剤の製造方法。
[3] 項1に記載の一般式(1)で表されるトリフルオロメチル化剤と下記一般式(2)
【0008】
【化1】
【0009】
(式中Aは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜6の直鎖、分岐若しくは環式のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、炭素数3〜6の直鎖、分岐若しくは環式のアルコシキ基、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニル基を示し、Bは炭素原子または窒素原子を示す)
で表される置換フェニルアイオダイドを、銅存在下、反応させることを特徴とする下記一般式(3)
【0010】
【化2】
【0011】
(式中A及びBは前記に同じ)
で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、工業的に実施可能なトリフルオロメチル化剤が提供された。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nは、具体的には例えば、トリフルオロメチル亜鉛アイオダイド−N,N−ジメチルホルムアミド錯体、トリフルオロメチル亜鉛アイオダイド−(N,N−ジメチルホルムアミド)錯体、トリフルオロメチル亜鉛アイオダイド−(N,N−ジメチルホルムアミド)錯体、トリフルオロメチル亜鉛アイオダイド−(N,N−ジメチルホルムアミド)錯体を示し、またこれら各々の混合物も示す。
【0015】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nの製造方法としては、亜鉛粉末を懸濁させたN,N−ジメチルホルムアミド溶剤にトリフルオロメチルアイオダイドを供給し、所定時間反応を行った後、残渣をろ別、得られた溶液を濃縮・乾固し、さらに必要に応じて、トリフルオロメチル化剤に不活性な溶剤で洗浄、乾燥する工程からなる。
【0016】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nの製造において、トリフルオロメチルアイオダイドは、亜鉛粉末に対して、1.1〜5.0モル量、好ましくは1.5〜4.0モル量使用する。
【0017】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nの製造において、N,N−ジメチルホルムアミドは、亜鉛に対して5〜200重量倍量、好ましくは10〜100重量倍量使用する。
【0018】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nの製造において、反応温度及び時間は−40〜40℃の温度範囲で、10〜100時間の反応時間である。反応温度−20℃以上で反応を行う場合は、使用するトリフルオロメチルアイオダイドの沸点が−22.5℃のため、加圧系で反応を実施することが好ましい。
【0019】
本発明の一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nの製造の後処理としては、例えば、窒素中で残渣をろ別、50℃以下で減圧濃縮・乾固、1〜20重量倍量のエーテルまたはヘキサンで洗浄、乾燥することにより一般式(1)で表されるZn(CF)I・(DMF)nを得る。
【0020】
本発明の一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイドとしては、具体的には例えば、2−フルオロフェニルアイオダイド、3−フルオロフェニルアイオダイド、4−フルオロフェニルアイオダイド、2−クロロフェニルアイオダイド、3−クロロフェニルアイオダイド、4−クロロフェニルアイオダイド、2−ブロモフェニルアイオダイド、3−ブロモフェニルアイオダイド、4−ブロモフェニルアイオダイド、2−メチルフェニルアイオダイド、3−メチルフェニルアイオダイド、4−メチルフェニルアイオダイド、2−エチルフェニルアイオダイド、3−エチルフェニルアイオダイド、4−エチルフェニルアイオダイド、4−n−プロピルフェニルアイオダイド、4−iso−プロピルフェニルアイオダイド、4−シクロプロピルフェニルアイオダイド、4−n−ブチルフェニルアイオダイド、4−iso−ブチルフェニルアイオダイド、4−tert−ブチルフェニルアイオダイド、4−n−ペンチルフェニルアイオダイド、4−シクロペンチルフェニルアイオダイド、4−n−ヘキシルフェニルアイオダイド、4−シクロヘキシルフェニルアイオダイド、2−メトキシフェニルアイオダイド、3−メトキシフェニルアイオダイド、4−メトキシフェニルアイオダイド、2−エトキシフェニルアイオダイド、3−エトキシフェニルアイオダイド、4−エトキシフェニルアイオダイド、4−n−プロポキシフェニルアイオダイド、4−iso−プロポキシフェニルアイオダイド、4−シクロプロポキシフェニルアイオダイド、4−n−ブトキシフェニルアイオダイド、4−iso−ブトキシフェニルアイオダイド、4−tert−ブトキシフェニルアイオダイド、4−n−ベントキシフェニルアイオダイド、4−シクロペントキシフェニルアイオダイド、4−n−ヘキシルオキシフェニルアイオダイド、4−シクロヘキシルオキシフェニルアイオダイド、2−ヨード安息香酸メチル、3−ヨード安息香酸メチル、4−ヨード安息香酸メチル、2−ヨード安息香酸エチル、3−ヨード安息香酸エチル、4−ヨード安息香酸エチル、2−ヨードピリジン、5−ブロモ−2−ヨードピリジン等が挙げられる。
【0021】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物としては、具体的には例えば、2−フルオロベンゾトリフルオライド、3−フルオロベンゾトリフルオライド、4−フルオロベンゾトリフルオライド、2−クロロベンゾトリフルオライド、3−クロロベンゾトリフルオライド、4−クロロベンゾトリフルオライド、2−ブロモベンゾトリフルオライド、3−ブロモベンゾトリフルオライド、4−ブロモベンゾトリフルオライド、2−メチルベンゾトリフルオライド、3−メチルベンゾトリフルオライド、4−メチルベンゾトリフルオライド、2−エチルベンゾトリフルオライド、3−エチルベンゾトリフルオライド、4−エチルベンゾトリフルオライド、4−n−プロピルベンゾトリフルオライド、4−iso−プロピルベンゾトリフルオライド、4−シクロプロピルベンゾトリフルオライド、4−n−ブチルベンゾトリフルオライド、4−iso−ブチルベンゾトリフルオライド、4−tert−ブチルベンゾトリフルオライド、4−n−ペンチルベンゾトリフルオライド、4−シクロペンチルベンゾトリフルオライド、4−n−ヘキシルベンゾトリフルオライド、4−シクロヘキシベンゾトリフルオライド、2−メトキシベンゾトリフルオライド、3−メトキシベンゾトリフルオライド、4−メトキシベンゾトリフルオライド、2−エトキシベンゾトリフルオライド、3−エトキシベンゾトリフルオライド、4−エトキシベンゾトリフルオライド、4−n−プロポキシベンゾトリフルオライド、4−iso−プロポキシベンゾトリフルオライド、4−シクロプロポキシベンゾトリフルオライド、4−n−ブトキシベンゾトリフルオライド、4−iso−ブトキシベンゾトリフルオライド、4−tert−ブトキシベンゾトリフルオライド、4−n−ベントキシベンゾトリフルオライド、4−シクロペントキシベンゾトリフルオライド、4−n−ヘキシルオキシベンゾトリフルオライド、4−シクロヘキシルオキシベンゾトリフルオライド、2−トリフルオロメチル安息香酸メチル、3−トリフルオロメチル安息香酸メチル、4−トリフルオロメチル安息香酸メチル、2−トリフルオロメチル安息香酸エチル、3−トリフルオロメチル安息香酸エチル、4−トリフルオロメチル安息香酸エチル、2−トリフルオロメチルピリジン、5−ブロモ−2−トリフルオロメチルピリジン等が挙げられる。
【0022】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造方法としては、反応に不活性な溶剤中、一般式(1)で表されるトリフルオロメチル化剤、一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイド、塩化銅(I)及び1,10−フェナントロリンを仕込み、所定の温度・時間、反応を行う。
【0023】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造で、一般式(1)で表されるトリフルオロメチル化剤の使用量としては、使用する一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイドに対して、1.0〜2.0モル量使用する。
【0024】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造で使用可能な溶剤は、反応に不活性なものでれば特に規定はないが、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N´−ジメチルプロピレン尿素等の非プロトン性極性溶剤が好ましく、反応に使用する一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイドに対して、2〜50重量倍量使用する。
【0025】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造で使用する塩化銅(I)は、反応に使用する一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイドに対して、0.5〜30モル%使用する。
【0026】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造で使用する1,10−フェナントロリンは反応に使用する一般式(2)で表される置換フェニルアイオダイドに対して、0.5〜30モル%使用する。
【0027】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造の反応温度及び時間は、通常、30〜60℃の温度範囲で、12〜48時間の反応時間である。
【0028】
本発明の一般式(3)で表されるトリフルオロメチル基含有化合物の製造後の後処理としては、衆知の方法で実施可能で、例えば、5%塩酸を添加、エーテルで抽出、硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過、濃縮することにより、粗製の一般式(3)で表されるトリフルオロメチルベンゼン誘導体を得、さらに必要に応じて、蒸留精製、シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製等を行っても良い。
【実施例】
【0029】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0030】
実施例1 トリフルオロメチル亜鉛アイオダイド・(ジメチルホルムアミド)n錯体の調製
攪拌子を備えた20mlの2口なす型フラスコに、アルゴン雰囲気下、亜鉛粉末(654mg、10mmmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(6ml)を仕込み、攪拌しながら−30℃に冷却した後、これにトリフルオロメチルアイオダイド(5.0g、25.5mmol)をバブリングさせながら供給した。次いで、室温まで昇温し、さらに24時間熟成を行った後、アルゴン雰囲気下、固体をろ別、減圧濃縮し淡黄色固体を得、エーテルで2回洗浄、乾燥することにより目的物を白色の固体として得た(2.85g)。
19F−NMR(282MHz,CDCl)δ−44.3(s)、−43.1(s)ppm。
(ベンゾトリフルオライド基準:δ=−63.24ppm)
融点:80℃(分解)。
【0031】
実施例2 5−ブロモ−2−トリフルオロメチルピリジンの製造
試験管にアルゴン雰囲気下、実施例1で調製したトリフルオロメチル亜鉛アイオダイド・(ジメチルホルムアミド)n錯体(600mg)、塩化銅(I)(1.9mg、0.01mmol)、1,10−フェナントロリン(1.8mg、0.01)、5−ブロモ−2−ヨードピリジン(142mg、0.5mmol)及びN,N’−ジメチルプロピレン尿素(0.4ml)を仕込み、50℃で24時間反応を行った。
【0032】
反応終了後、19F−NMR(ベンゾトリフルオライド内部標準法)で定量した結果、目的物5−ブロモ−2−トリフルオロメチルピリジンの収率は90%であった。
【0033】
実施例3 2−トリフルオロメチルピリジンの製造
実施例2と同じ反応装置を用い、5−ブロモ−2−ヨードピリジンに替えて2−ヨードピリジンを用いた以外、実施例2と同じ操作を行った。19F−NMR(ベンゾトリフルオライド内部標準法)で定量した結果、目的物2−トリフルオロメチルピリジンの収率は90%であった。
【0034】
実施例4 2−トリフルオロメチル安息香酸エチルの製造
実施例2と同じ反応装置を用い、5−ブロモ−2−ヨードピリジンに替えて2−ヨード安息香酸エチルを用いた以外、実施例2と同じ操作を行った。19F−NMR(ベンゾトリフルオライド内部標準法)で定量した結果、目的物2−トリフルオロメチル安息香酸エチルの収率は90%であった。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明により、室温下で安定で取り扱いが容易なトリフルオロメチル化剤が提案でき、工業的にそれを用いた各種トリフルオロメチル基含有化合物の製造が可能となった。