(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、歯車装置のキャリアには相手部材(固定対象部材)が固定される。このため、キャリアには、相手部材を固定するためのボルト挿入孔が形成されている。したがって、キャリアの厚みは、少なくともボルト挿入孔の長さ(深さ)以上にする必要がある。
【0007】
また、歯車装置内の潤滑剤がボルト挿入孔を通じて外部に流出するのを防止しなくてはならないので、ボルト挿入孔はキャリアを貫通しないように設けられ、キャリアにおいてはボルト挿入孔が形成されていない部分(非貫通部)を残す必要がある。この非貫通部は、工具によってボルト挿入孔を穿孔する際の穿孔深さのばらつきが生じてもキャリアを貫通してしまわないように、ある程度の大きさ(厚み)に設定される。すなわち、ボルト挿入孔の穿孔時には、工具の先端がキャリアの内面に達するよりもかなり手前の位置で工具による加工を止める必要がある。
【0008】
また、ボルト挿入孔にはボルトを螺合するための雌ねじが形成される。この雌ねじは、次のような手順で設けられる。すなわち、まず、キャリアの所定の部位に工具により下穴(キリ穴)が形成され、ついで、下穴の内周面がねじ切りされることにより雌ねじが形成される。ここで、下穴の奥側の端部の形状は、工具の先端部形状に対応する形状、すなわち先細りする円錐形状を有している(
図4(B)の円錐部117参照)ので、この円錐部117及びその近傍には雌ねじを形成することができない。
【0009】
つまり、歯車装置では、キャリアの厚み方向において、ボルトを締結するのに必要なボルト挿入孔の長さを確保しつつ、非貫通部の長さを確保する必要があり、さらに下穴の円錐部がキャリアの厚み増加の原因となる。このような観点で特許文献1の歯車装置はさらなる薄型化の余地がある。
【0010】
また、特許文献2のようにキャリアの一部が揺動歯車内に突出する突出部を設けると、装置の構造が複雑になり、コストアップの原因となる。
【0011】
本発明の目的は、簡単な構造で薄型化を図ることができる偏心揺動型歯車装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の偏心揺動型歯車装置は、内周面に複数の内歯を有する外筒と、偏心部と、前記偏心部が挿入される貫通孔を有し、前記偏心部の回転に連動して前記内歯に噛み合いながら前記外筒内で回転する揺動歯車と、厚み方向に貫通するボルト挿入孔を有し、前記ボルト挿入孔に螺合されるボルトによって固定対象部材に固定され、前記揺動歯車の回転が伝達されることにより前記外筒に対して相対回転するキャリアと、前記ボルト挿入孔の開口部を塞ぐ閉塞部材と、を備える。
【0013】
この構成では、厚み方向にキャリアを貫通するボルト挿入孔が設けられるとともに、このボルト挿入孔の開口部が閉塞部材によって塞がれる構造を採用することにより、簡単な構造で薄型化を図ることができる。すなわち、この構成では、キャリアを貫通するボルト挿入孔の開口部が閉塞部材によって塞がれているので、歯車装置内の潤滑剤がボルト挿入孔を通じて外部に流出するのを阻止することができる。そして、ボルト挿入孔が厚み方向にキャリアを貫通するように形成されるので、ボルト挿入孔には従来の下穴に形成されていた円錐部は形成されない。また、キャリアを貫通する下穴を形成した後で開口部を閉塞部材によって塞ぐ構成を採用しているので、従来のようにボルト挿入孔の穿孔深さのばらつきを考慮して比較的大きな非貫通部を設ける必要もなくなる。したがって、この構成では、キャリアの厚みを従来よりもさらに低減することができる。以上のように、この構成では、特許文献2のような複雑な構造を採用しなくても、歯車装置内の潤滑剤がボルト挿入孔を通じて外部に流出するのを阻止しつつ、薄型化を図ることができる。
【0014】
前記偏心揺動型歯車装置において、前記ボルト挿入孔が、前記ボルトを螺合するための雌ねじが形成された雌ねじ部と、雌ねじが形成されておらず、前記閉塞部材の少なくとも一部分が配置される配置部と、を含み、前記雌ねじ部の内径が、前記配置部の内径と同じである形態が例示できる。
【0015】
この構成では、雌ねじ部の内径が配置部の内径と同じである。したがって、この構成では、まず、キャリアを貫通する下穴を形成し、ついで下穴の内周面の一部に雌ねじを形成することにより、キャリアにおいてボルト挿入孔を設けることができる。よって、この構成では、閉塞部材の配置部を形成する際の製造工程の増加を抑制できる。また、この構成では、配置部に雌ねじが形成されておらず、この配置部には閉塞部材の少なくとも一部分が配置されるので、例えばボルト挿入孔における軸方向の全体に雌ねじが形成されている場合に比べて配置部の内周面と閉塞部材の外周面との間の液密の度合いを高めることができる。
【0016】
また、前記偏心揺動型歯車装置において、前記ボルト挿入孔が、前記ボルトを螺合するための雌ねじが形成された雌ねじ部と、雌ねじが形成されておらず、前記閉塞部材の少なくとも一部分が配置される配置部と、を含み、前記配置部の内径が、前記雌ねじ部の内径よりも大きい形態であってもよい。
【0017】
この構成では、配置部の内径が雌ねじ部の内径よりも大きいので、ボルトの先端部が配置部にまたがるようにボルトを配置することが可能になり、使用するボルトの選択肢が広がる。また、この構成では、雌ねじ部と配置部との境界に段差部が形成されるので、後述する
図6(B)に示すような形態の場合に、閉塞部材を段差部において位置決めしやすくなる。
【0018】
また、前記偏心揺動型歯車装置において、前記ボルト挿入孔は、前記ボルトを螺合するための雌ねじが形成された雌ねじ部と、雌ねじが形成されておらず、前記閉塞部材の少なくとも一部分が配置される配置部と、を含み、前記配置部は、ボルト挿入方向に向かうにつれて内径が小さくなる縮径部を有し、前記閉塞部材は、前記縮径部の内面に接している形態であってもよい。
【0019】
この構成では、閉塞部材が縮径部の内面に接する構成を採用しているので、閉塞部材がボルト挿入方向に位置ずれするのが阻止される。また、この構成では、配置部に雌ねじが形成されておらず、この配置部には閉塞部材の少なくとも一部分が配置されるので、例えばボルト挿入孔における軸方向の全体に雌ねじが形成されている場合に比べて配置部の内周面と閉塞部材の外周面との間の液密の度合いを高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、偏心揺動型歯車装置において、簡単な構造で薄型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態に係る偏心揺動型歯車装置(以下、単に歯車装置という)は、例えばロボットの旋回胴や腕関節等の旋回部または各種工作機械の旋回部に用いられる減速機として構成された歯車装置である。
【0024】
(第1実施形態)
図1及び
図2に示すように、第1実施形態に係る歯車装置10は、外筒12と、キャリア14と、揺動歯車(外歯歯車)18と、クランク軸20と、閉塞部材60とを備えている。キャリア14は、厚み方向(
図1で左右方向)に貫通するボルト挿入孔14cを有する。閉塞部材60は、ボルト挿入孔14cの開口部を塞ぐためのものである。閉塞部材60については、後ほど詳しく説明する。
【0025】
外筒12は、軸方向(
図1で左右方向)に短い筒状のものであり、本体部22と、本体部22の軸方向における一側部に設けられたフランジ部24とを備えている。フランジ部24は、本体部22から径方向の外側に突出するように設けられおり、フランジ部24には、周方向に間隔をおいて等間隔にボルト挿通孔24aが設けられている。このボルト挿通孔24aは、外筒12を図外の相手部材に締結するために用いられる。
【0026】
外筒12の本体部22は、軸方向に2つに分割されている。すなわち、本体部22は、2つの部材からなり、この2つの部材を軸方向に互いに接合した構成となっている。具体的には、本体部22は、第1部材27と第2部材28とを有しており、第1部材27の第1端面27aと第2部材28の第1端面28aとが当接した状態で、第1部材27と第2部材28とは図略のボルトによって互いに締結されている。第1部材27及び第2部材28は何れも筒状に形成されており、両部材27,28は内径が同じである内周面を有している。そして、第1部材27の第1端面27aには凹部(Oリング溝)が形成されており、この凹部にOリング30が装着され、この状態で第1部材27と第2部材28とは接合されている。なお、第1部材27において、クランク軸20方向において第1端面27aとは反対側の端面となる第2端面27bは、図外の相手部材が接合される。
【0027】
第1部材27には、その外周部に前記フランジ部24が一体的に形成される一方、第1部材27の内周面には、周方向に等間隔に円形溝が複数形成されている。この円形溝には、外筒の内歯として機能する円柱状の内歯ピン32が嵌め込まれている。揺動歯車18は、この内歯ピン32の位置に対応して設けられている。すなわち、揺動歯車18は、外筒12における軸方向の一端側(
図1の右側)に寄せられている。
【0028】
第1部材27において第1端面27aとは反対側の端面である第1部材27の第2端面27bには、内周面から径方向外側の所定範囲に亘って凹部34が形成されている。この凹部34には、薄い円板状のカバー36が嵌め込まれている。カバー36は、第2端面27bと揺動歯車18との間に収まる程度の厚みであり、第1部材27から軸方向には突出しない厚みのものである。外筒12の凹部34にカバー36が取り付けられることにより、外筒12の内側空間が一方側から塞がれている。これにより、内側空間内に潤滑油が満たされる場合でも、第1部材27の第2端面27b側から油の漏れを防ぐことができる。
【0029】
第2部材28には、第1部材27とは反対側の部位において前記内周面に凹部38が形成されていて、この部位において内径が大きくなっている。この凹部38には例えばオイルシール等のシール部材40が配設される。これにより、潤滑油が第2部材28から漏れるのを防ぐことができる。なお、フランジ部24は、第1部材27ではなくて第2部材28に設けられていてもよい。
【0030】
キャリア14は、外筒12に対して軸方向の他端側(
図1の左側)から外筒12内に挿入されている。そして、キャリア14は、揺動歯車18に対してクランク軸20の軸方向における一方側に配設されている。
【0031】
キャリア14は、主軸受16によって外筒12に支持されていて、外筒12と同軸上に回転可能となっている。すなわち、キャリア14は外筒12に対して相対的に回転可能となっている。そして、キャリア14は、固定対象部材70(
図4(A)参照)に締結可能となっていて、キャリア14と外筒12との間の相対回転により、旋回部での軸回りの相対回転が可能となっている。固定対象部材70は、前述した第2端面27bに接合される相手部材とは異なる相手部材である。
【0032】
主軸受16は、クランク軸20の軸方向において揺動歯車18に対してキャリア14と同じ側にあり、外筒12の第1部材27と第2部材28とが接触しているところに配設されている。具体的に、第1部材27の第1端面27aには、内周面に対して傾斜した円錐面(第1円錐面)27dが形成され、第2部材28の第1端面28aにも、内周面に対して傾斜した円錐面(第2円錐面)28cが形成されている。この第1円錐面27dと第2円錐面28cにより、外筒12の内周面の周方向の全体に亘って延びる断面三角形状の凹状の溝となっている。
【0033】
本実施形態では、主軸受16は、クロスローラベアリングからなるが、これに限定されず、例えば4点接触玉軸受などの他の軸受を採用することもできる。主軸受16のローラ16aは、円錐面27d,28cに接するように配設されている。ローラ16aは、外筒12の周方向に間隔をおいて配設されていて、周方向に隣り合うローラ16aの転動軸が互いに直交する方向を向いている。
【0034】
一方、キャリア14の外周面において、第1部材27の第1円錐面27dと第2部材28の第2円錐面28cに対応して凹溝42が形成されている。この凹溝42は、第1部材27の第1円錐面27dに平行な第1円錐面42aと、第2部材28の第2円錐面28cに平行な第2円錐面42bとを有する。したがって、1つおきのローラ16aに対して、第1部材27の第1円錐面27dが外側転動面となり、キャリア凹溝42の第1円錐面42aが内側転動面となる。また他のローラ16aに対しては、第2部材28の第2円錐面28cが外側転動面となり、キャリア凹溝42の第2円錐面42bが内側転動面となる。言い換えると、外筒12の一部が主軸受16の外輪として機能するとともに、キャリア14の一部が主軸受16の内輪として機能している。主軸受16の内輪及び外輪がそれぞれキャリア14及び外筒12と一体的に形成されているため、外筒12が第1部材27及び第2部材28に分割されるとともに、主軸受16をキャリア14に組み付けた状態で第1部材27と第2部材28とを互いに締結するようにしている。
【0035】
キャリア14及び揺動歯車18には、それぞれ外筒12の軸心上を通る中央貫通孔14a,18aが形成されている。この中央貫通孔14a,18aには、図略の入力軸が挿通される構成としてもよいが、本実施形態では、入力軸が挿通されてはいない。キャリア14及び揺動歯車18に中央貫通孔14a,18aが設けられることにより、他のタイプの歯車装置との共用化が図られている。また、中央貫通孔14a,18aが形成されることにより、歯車装置の軽量化も図られている。なお、中央貫通孔14a,18aに入力軸を挿通させる場合には、カバー36を外した状態で、第1部材27の第2端面27bの外周側に設けた凹部(Oリング溝)27eに図略のOリングを装着し、第2端面27bを相手部材に接合させる。これにより、潤滑油が第2端面27bと相手部材との接合面から漏れるのを防ぐことができる。
【0036】
キャリア14には、クランク軸20を挿通させるためのクランク軸孔14bが貫通形成されている。また、揺動歯車18には、クランク軸20を挿通させるための第1貫通孔18bが形成されている。本実施形態では、クランク軸20が3つ設けられる構成なので、クランク軸孔14bおよび第1貫通孔18bはそれぞれ3つずつ設けられている。なお、揺動歯車18には、第2貫通孔18cが周方向に間隔をおいて複数形成されているが、この第2貫通孔18cには、本実施形態では何も挿通されていない。第2貫通孔18cは、揺動歯車18が他のタイプの歯車装置に用いられる場合に利用することができる。また揺動歯車18に第2貫通孔18cが形成されることにより、揺動歯車18の軽量化にも寄与している。
【0037】
クランク軸20は、軸本体20aと、この軸本体20aに一体的に形成された偏心部20bとを有している。本実施形態では、偏心部20bは、1つだけ設けられており、クランク軸20の端部に形成されているが、これに限定されない。偏心部が複数設けられている場合には、これらの偏心部に対応する複数の揺動歯車が設けられる。クランク軸20は、偏心部20bが第1部材27側となる姿勢で外筒12の軸方向に平行になるように配設され、偏心部20bには、転がり軸受43を介して揺動歯車18が取り付けられている。
【0038】
偏心部20bとは反対側の軸本体20aの一端部20cは、スプライン加工されており、この一端部20cには伝達歯車44が取り付けられている。伝達歯車44には、図略の駆動歯車から回転駆動力が付与され、歯車装置10は、この回転駆動力によって駆動される。
【0039】
クランク軸20は、クランク軸受48を介してキャリア14に回転可能に支持されている。本実施形態では、クランク軸受48は、1つだけ設けられており、揺動歯車18に対して主軸受16と同じ側に配設されている。クランク軸受48は、スプライン加工された端部20cと偏心部20bとの間の軸本体20aに取り付けられている。なお、クランク軸受は、複数設けられていてもよい。
【0040】
主軸受16とクランク軸受48とは、クランク軸20に直交する同一平面上に位置するように配設されている。すなわち、クランク軸20に直交する方向に見て、主軸受16とクランク軸受48とがその少なくとも一部で重なり合うように、主軸受16とクランク軸受48とが配置されている。
【0041】
クランク軸受48は、クロスローラベアリングによって構成されているが、これに限定されない。クランク軸受48は、クランク軸20とは別個に構成された内輪48bと、キャリア14とは別個に構成された外輪48cとを有し、ローラ48aが内輪48bと外輪48cとの間で転動する。
【0042】
本実施形態に係る歯車装置10では、図外のモータの駆動力によって伝達歯車44が回転すると、クランク軸20も一体的に回転する。クランク軸20の回転により、偏心部20bの揺動に伴って揺動歯車18が内歯ピン32に噛み合いながら回転する。このとき、クランク軸20は、自転しながら外筒12の軸回りを公転するので、これに伴ってキャリア14が回転する。このキャリア14の回転数は、伝達歯車44へ入力された回転数に対して所定の比率で減速された回転数となっている。
【0043】
次に、キャリア14のボルト挿入孔14c、及びこのボルト挿入孔14cに配置される閉塞部材60について説明する。
図3(A)及び
図4(A)に示すように、キャリア14には、ボルト挿入孔14cに螺合されるボルト80によって固定対象部材70が固定される。閉塞部材60は、キャリア14において、ボルト挿入孔14cの開口部14dを塞ぐためのものである。開口部14dは、ボルト挿入孔14cの両端にある2つの開口部のうち、ボルトが挿入される入口とは反対側の端面(キャリア14の内面14f)において開口する開口部である。固定対象部材70としては、例えばロボットの旋回アームや工作機械の回転テーブルなどが挙げられる。
【0044】
図3(A)に示すように、キャリア14のボルト挿入孔14cは、キャリア14の厚み方向(
図3(A)で上下方向)にキャリア14を貫通している。ボルト挿入孔14cは、キャリア14の内面14fにおいて開口する開口部14d(ボルト挿入方向Dに開口する開口部14d)と、キャリア14の外面14gにおいて開口する開口部14e(ボルト挿入方向Dの反対方向に開口する開口部14e)とを有する。ボルト80は、開口部14eからボルト挿入方向Dに沿ってボルト挿入孔14cに挿入される。
【0045】
ボルト挿入孔14cは、雌ねじ部141と、配置部142とを含む。雌ねじ部141には、ボルト80を螺合するための雌ねじ141aが形成されている。配置部142には、閉塞部材60が配置される。配置部142の内周面142aには雌ねじは形成されていない。
【0046】
配置部142は、雌ねじ部141よりもボルト挿入方向D側に設けられている。本実施形態では、配置部142は、雌ねじ部141よりもキャリア14の内面14f側(揺動歯車18側)に設けられており、雌ねじ部141は、配置部142よりもキャリア14の外面14g側に設けられている。
【0047】
本実施形態では、ボルト挿入孔14cの形状は、ボルト挿入孔14cをボルト挿入方向Dに見たときに円形である。具体的に、雌ねじ部141の形状及び配置部142の形状は、ボルト挿入孔14cをボルト挿入方向Dに見たときに円形である。
【0048】
本実施形態では、雌ねじ部141の内径D1(雌ねじ141aにおける山の部分の内径)は、配置部142の内径D2と同じであるが、これに限定されない。例えば後述する変形例3のように配置部142の内径D2が雌ねじ部141の内径D1よりも大きくてもよく、また、配置部142の内径D2が雌ねじ部141の内径D1よりも小さくてもよい。
【0049】
本実施形態では、配置部142の内径D2は、ボルト挿入方向Dの全体にわたって一定であるが、これに限定されない。例えば後述する変形例5,6のように配置部142の内径D2は、ボルト挿入方向Dの全体にわたって一定でなくてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、雌ねじ部141におけるボルト挿入方向Dの長さL1は、配置部142におけるボルト挿入方向Dの長さL2よりも大きいが、これに限定されない。ただし、キャリア14の厚みをできるだけ小さくするという観点では、配置部142の長さL2は、雌ねじ部141の長さL1よりも小さい方が好ましい。
【0051】
閉塞部材60の形及び大きさは、配置部142の形及び大きさに対応している。閉塞部材60が配置部142に配置されてボルト挿入孔14cの開口部14dが塞がれることにより、ボルト挿入孔14cを通じて歯車装置10内の潤滑剤が外部に流出するのを抑制できる。
【0052】
閉塞部材60の材料としては、合成樹脂、天然樹脂、プラスチック、合成ゴム、金属などの種々の材料を用いることができる。例えば、閉塞部材60の材料として弾性材料を用いる場合には、閉塞部材60を配置部142に挿入する際に弾性変形させて挿入できる。これにより、閉塞部材60の配置部142への配置作業が容易になるとともに、配置部142の内周面142aと閉塞部材60の外周面60bとの間の液密の度合いを高めることができる。弾性材料としては、例えば弾性を有する合成ゴムなどが挙げられる。
【0053】
また、キャリア14と閉塞部材60が共に金属により形成されている場合には、例えば溶接などの接合手段を用いて閉塞部材60を配置部142に接合することもできる。閉塞部材60がプラスチックにより形成されている場合には、例えば接着、融着などの接合手段を用いて閉塞部材60を配置部142に接合することもできる。
【0054】
図3(A),(B)に示すように、本実施形態における閉塞部材60は、円盤状の底部61と、底部61の周縁から起立する側壁部62とを含み、底部61と側壁部62に囲まれる中空部63を有しているが、これに限定されない。例えば後述する
図5(B)に示す変形例2、
図7(A)に示す変形例5、
図7(B)に示す変形例6のように中空部を有していない形態(中実の形態)であってもよい。
【0055】
閉塞部材60が中空部63を有する場合、閉塞部材60の材料コストを低減できる。また、閉塞部材60が中空部63を有し、かつ閉塞部材60が弾性材料により形成されている場合には、閉塞部材60の側壁部62がより弾性変形しやすくなるので、閉塞部材60の配置部142への配置作業がさらに容易になる。
【0056】
本実施形態では、閉塞部材60を配置部142に配置した状態(
図4(A)に示す状態)においては、配置部142の内周面142aと閉塞部材60の外周面60bとの間に隙間がほとんど形成されない。また、本実施形態では、閉塞部材60の底部61の表面60aは、キャリア14の内面14fとほぼ同一平面上に位置しているが、これに限定されない。例えば
図5(A)に示す変形例1のように閉塞部材60の底部61の表面60aがキャリア14の内面14fと同一平面上に位置していなくてもよい。
【0057】
図3(B)に示すように配置部142に配置される前の閉塞部材60の外径D3は、配置部142の内径D2とほぼ同じであるか、あるいは内径D2よりも大きい。例えば、閉塞部材60が弾性材料により形成されている場合には、閉塞部材60の外径D3は、配置部142の内径D2より大きくてもよい。この場合、閉塞部材60を配置部142に挿入する際に弾性変形させて挿入すればよく、閉塞部材60が配置部142に配置された状態では、高い液密状態を得ることができる。
【0058】
本実施形態では、閉塞部材60におけるボルト挿入方向Dの長さL3(閉塞部材60の厚みL3)は、配置部142の長さL2よりも小さいが、これに限定されない。例えば
図7(B)に示す変形例6のように閉塞部材60の厚みL3が配置部142の長さL2とほぼ同じであってもよい。また、図示は省略するが、閉塞部材60の一部分が配置部14に配置され、閉塞部材60の他の一部分が雌ねじ部141に進入していてもよい。さらに、図示は省略するが、閉塞部材60の一部分が配置部14に配置され、閉塞部材60の他の一部分が開口部14dからボルト挿入孔14cの外部に突出していてもよい。
【0059】
図4(A)に示す本実施形態では、キャリア14においてボルト挿入孔14cを厚み方向(ボルト挿入方向D)にあえて貫通させ、この貫通孔に内側からキャップ状の閉塞部材60を嵌め込む構成を採用している。具体的に、本実施形態では、まず、キャリア14にこのキャリア14を貫通する下穴(キリ穴)を形成し、ついで、この下穴における軸方向の一部分に雌ねじ141aを形成することにより雌ねじ部141が形成される。そして、雌ねじ141aが形成されない残りの部分が配置部142となる。雌ねじ部141は、ボルト80を締結するのに必要なボルト締結長さを考慮して形成される。
【0060】
なお、本実施形態では、
図3(A)に示すように閉塞部材60の厚みL3が配置部142の長さL2よりも小さく、
図4(A)に示すように閉塞部材60が雌ねじ部141から離れた位置に配置されているが、閉塞部材60を雌ねじ部141にさらに近づければ配置部142の長さL2をより小さくできるので、キャリア14をさらに薄型化することも可能である。
【0061】
一方、
図4(B)に示す参考例に係る偏心揺動型歯車装置では、歯車装置内の潤滑剤が外部に流出するのを防ぐために、貫通していない部分(非貫通部)116を残した状態でキャリア114にボルト挿入孔114cを形成している。上述したように、この非貫通部116は、工具によってボルト挿入孔を穿孔する際の穿孔深さのばらつきが生じてもキャリアを貫通してしまわないように、ある程度の大きさ(厚み)に設定される。すなわち、ボルト挿入孔の穿孔時には、工具の先端がキャリアの内面に達するよりもかなり手前の位置で工具による加工を止める必要がある。このように参考例では、ボルト挿入孔114cがキャリア114を貫通しない構成であるため、穿孔時の安全率を考慮して比較的大きな非貫通部116が設けられる。この非貫通部116の厚みL13は、キャリアの厚みが大きくなる原因の一つとなる。なお、
図4(B)に示す参考例では、ボルト挿入孔114cの雌ねじ部115の長さL1は、
図4(A)に示す本実施形態における雌ねじ部141の長さL1と同じである。
【0062】
また、この参考例では、ボルト挿入孔114cがキャリア114を貫通していないので、ボルト挿入孔114cにおける非貫通部116側の端部には、ボルト挿入孔114cを穿孔する際に用いられる工具の先端部形状に対応する形状を有する円錐部117が形成される。この円錐部117の内周面には、雌ねじを形成することはできない。したがって、参考例では、円錐部117の厚みL12がキャリアの厚み増大の原因となる。
【0063】
固定対象部材70にはボルト挿入孔71が形成されている。固定対象部材70をキャリア14に固定する際には、ボルト挿入孔71の位置をキャリア14のボルト挿入孔14cの位置に合わせた状態でボルト80のねじ部82をボルト挿入孔71に挿入し、工具をボルト80の頭部81に嵌めてボルト80を雌ねじ部141に螺合する。閉塞部材60は、
図3(A)に示すようにキャリア14の内面14f側から配置部142に挿入され、配置部142に嵌合される。なお、閉塞部材60は、キャリア14の外面14g側から配置部142に挿入されてもよい。
【0064】
(変形例1)
図5(A)は、第1実施形態の変形例1に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例1では、閉塞部材60が、配置部142において、
図4(A)に示す実施形態に比べてより奥側(雌ねじ部141側)に配置されている。
図4(A)に示す実施形態では、閉塞部材60の底部61の表面60aがキャリア14の内面14fとほぼ同一平面上に位置しているが、変形例1では、閉塞部材60の底部61の表面60aは、キャリア14の内面14fよりも奥側(雌ねじ部141側)に位置している。
【0065】
(変形例2)
図5(B)は、第1実施形態の変形例2に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例2では、閉塞部材60は、円柱形状を有している。この閉塞部材60は、
図3(A)に示す閉塞部材60のような中空部63を有しておらず、閉塞部材60の内部は中実である。
【0066】
(変形例3)
図6(A)は、第1実施形態の変形例3に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例3では、配置部142の内径D2は、雌ねじ部141の内径D1よりも大きい。これに伴い、閉塞部材60の外径は、配置部142の内径D2に適合するように調節されている。
【0067】
この変形例3では、配置部142の内径D2が雌ねじ部141の内径D1よりも大きいので、配置部142と雌ねじ部141との境界部分に段差部14hが形成されている。この段差部14hは、ボルト挿入孔14cを配置部142側から見たときに、環形状を有している。
【0068】
この変形例3では、キャリア14にこのキャリア14を貫通する下穴(キリ穴)を形成し、ついで、下穴における軸方向の一部分に雌ねじ141aを形成することにより雌ねじ部141を形成する。そして、雌ねじ141aが形成されない部分(キャリア14の内面14f側の部分)の内径をさらに大きくする加工を施して配置部142を形成する。この拡径加工は、キャリア14の内面14f側からボルト挿入方向Dの反対方向に向かって施される。なお、拡径加工は、雌ねじ141aを形成する加工よりも前に行われてもよい。
【0069】
(変形例4)
図6(B)は、第1実施形態の変形例4に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例4は、配置部142における閉塞部材60の位置が変形例3と異なっており、他の構成については変形例3と同様である。
【0070】
変形例4では、配置部142において、閉塞部材60が段差部14hに近接する状態又は段差部14hに接する状態で配置されている。すなわち、閉塞部材60における雌ねじ部141側の端面60cは、環形状の段差部14hの表面に近接又は当接している。この変形例4では、閉塞部材60を段差部14hにおいて位置決めしやすい。なお、変形例4では、閉塞部材60の表面60aがキャリア14の内面14fよりも雌ねじ部141側に位置しているが、これに限定されない。閉塞部材60の表面60aは、例えばキャリア14の内面14fと同じ位置にあってもよい(面一であってもよい)。
【0071】
(変形例5)
図7(A)は、第1実施形態の変形例5に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例5では、配置部142の内径は、ボルト挿入方向Dの全体にわたって一定ではない。変形例5の配置部142では、内径がボルト挿入方向Dに向かうにつれて小さくなる縮径部144を有する。具体的に、配置部142は、内径が一定の部位143と、前記縮径部144とを有する。内径一定部位143は、縮径部144よりも雌ねじ部141側に位置している。
【0072】
変形例5において、内径一定部位143は、省略可能である。また、縮径部144に代えて図略の拡径部(内径がボルト挿入方向Dに向かうにつれて大きくなる部位)が設けられていてもよい。
【0073】
閉塞部材60は、内径一定部位143及び縮径部144の形状に適合する形状を有する。具体的に、閉塞部材60は、外径が一定の部位64と、外径がボルト挿入方向Dに向かうにつれて小さくなる縮径部65とを有する。外径一定部位64の外面64aは、内径一定部位143の内面143aに接しており、縮径部65の外面65aは、縮径部144の内面144aに接している。この変形例5では、縮径部65の外面65aが接する縮径部144の内面144aは、閉塞部材60がボルト挿入孔14cの外に移動するのを阻止する抜け止め機能を有する。
【0074】
なお、この変形例5では、閉塞部材60は、開口部14e側からボルト挿入孔14c内に挿入される。
【0075】
(変形例6)
図7(B)は、第1実施形態の変形例6に係る歯車装置10のキャリア14のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を示す断面図である。この変形例6では、閉塞部材60における雌ねじ部141側の端面60dがボルト80のねじ部82の先端部82aと近接又は当接している点で変形例5と異なっている。これにより、閉塞部材60が配置部142において位置ずれするのが抑制される。
【0076】
また、この変形例6において、閉塞部材60が弾性材料によって形成され、かつ、閉塞部材60の端面60dがボルト80のねじ部82の先端部82aに当接している場合には、次のような効果が得られる。すなわち、閉塞部材60の端面60dがボルト80の先端部82aによってボルト挿入方向Dに押圧されることにより、閉塞部材60が弾性変形するので、配置部142の内周面142aと閉塞部材60の外周面60bとの間の液密の度合いがさらに高まる。
【0077】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る偏心揺動型歯車装置を示す断面図である。第2実施形態は、いわゆるセンタークランクタイプの歯車装置10である。以下具体的に説明するが、ここでは第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0078】
第2実施形態に係る歯車装置10では、クランク軸20が、キャリア14及び揺動歯車18の中央貫通孔14a,18aに挿通されている。すなわち、クランク軸20は、外筒12の軸心上に配置されている。
【0079】
クランク軸20には、軸方向に中央部を貫通する軸孔56が設けられており、この軸孔56には、キー溝56aが設けられている。そして、軸孔56に例えば図外の入力軸が挿入されて、クランク軸20は、入力軸と一体的に回転するようになっている。なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、クランク軸20の端部にはスプライン加工が施されておらず、伝達歯車44が省略されている。したがって、この分だけ第1実施形態に比べて更に薄型化が図られている。なお、第2実施形態では、伝達歯車44を有する形態であってもよい。この場合、伝達歯車44には、図略の駆動歯車から回転駆動力が付与され、歯車装置10は、この回転駆動力によって駆動される。
【0080】
本実施形態では、クランク軸20を回転自在に支持するクランク軸受48は、深溝玉軸受によって構成されている。
【0081】
キャリア14は、第1実施形態と異なり、クランク軸孔14bが設けられていないが、中央貫通孔14aの周囲にシャフト孔14kが複数(例えば9個)設けられている。シャフト孔14kは周方向に等間隔に配設されている。
【0082】
揺動歯車18には、キャリア14のシャフト孔14kに対応する位置に貫通孔18dが形成されている。そして、キャリア14のシャフト孔14k及び揺動歯車18の貫通孔18dに亘ってシャフト58が挿入されている。シャフト58には、貫通孔18d内に位置する部位にブッシュ90が外嵌されている。
【0083】
シャフト58はシャフト孔14kに圧入される一方で、貫通孔18dには隙間をあけた状態で挿入されている。そして、クランク軸20の回転に伴って揺動歯車18が外筒12の内歯ピン32に噛み合いながら回動すると、シャフト58の位置も外筒12の軸回りに移動するので、これによりキャリア14が回転する。
【0084】
この第2実施形態においても、キャリア14のボルト挿入孔14cには、閉塞部材60が配置されている。第2実施形態では、
図1に示す第1実施形態と同様のボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を備えているが、これに限定されない。第2実施形態においても、第1実施形態の変形例1〜6のようなボルト挿入孔14c及び閉塞部材60を採用することができる。
【0085】
以上説明したように、各実施形態及び各変形例では、厚み方向にキャリア14を貫通するボルト挿入孔14cが設けられるとともに、このボルト挿入孔14cの開口部14dが閉塞部材60によって塞がれる構造を採用することにより、簡単な構造で薄型化を図ることができる。すなわち、これらの態様では、キャリア14を貫通するボルト挿入孔14cの開口部14dが閉塞部材60によって塞がれているので、歯車装置10内の潤滑剤がボルト挿入孔14cを通じて外部に流出するのを阻止することができる。そして、ボルト挿入孔14cが厚み方向にキャリア14を貫通するように形成されるので、ボルト挿入孔14cには従来の下穴に形成されていた円錐部117は形成されない。また、キャリア14を貫通する下穴を形成した後で開口部14dを閉塞部材60によって塞ぐ構成を採用しているので、従来のようにボルト挿入孔の穿孔深さのばらつきを考慮して比較的大きな非貫通部を設ける必要もなくなる。したがって、これらの態様では、キャリア14の厚みを従来よりもさらに低減することができる。以上のように、これらの態様では、特許文献2のような複雑な構造を採用しなくても、歯車装置10内の潤滑剤がボルト挿入孔14cを通じて外部に流出するのを阻止しつつ、薄型化を図ることができる。
【0086】
また、各実施形態及び各変形例では、下穴のうち雌ねじ部141以外の部分を配置部(キャップ嵌合部)142として利用するので、
図4(B)に示す参考例におけるキャリアに比べてキャリア14の厚みを小さくできる。このようにキャリア14を薄型化することができるので、本実施形態では、特許文献2のような技術を採用する必要もないので、特許文献2の技術のように形状が複雑になり、重量もアップし、また、加工コスト、材料コストも増加することを回避できるという効果も得られる。
【0087】
また、雌ねじ部の内径が配置部の内径と同じである態様では、まず、キャリア14を貫通する下穴を形成し、ついで下穴の内周面の一部に雌ねじ141aを形成することにより、キャリア14においてボルト挿入孔14cを設けることができる。よって、ボルト挿入孔14cを形成する際の製造工程の増加を抑制できる。
【0088】
また、閉塞部材60が配置部142の縮径部144の内面144aに接する態様では、閉塞部材60がボルト挿入方向Dに位置ずれするのが阻止される。
【0089】
また、各実施形態及び各変形例では、配置部142に雌ねじが形成されておらず、この配置部142には閉塞部材60の少なくとも一部分が配置されるので、例えばボルト挿入孔14cにおける軸方向の全体に雌ねじが形成されている場合に比べて配置部142の内周面142aと閉塞部材60の外周面60bとの間の液密の度合いを高めることができる。なお、ボルト挿入孔14cにおける軸方向の全体に雌ねじ部141が形成され、配置部142が存在しなくてもよい。雌ねじ部141に閉塞部材60を配置することになるが、この場合でも、閉塞部材60の材料として弾性材料を用いることにより、雌ねじ141aと閉塞部材60の外周面60bとの間の液密の度合いを高めることができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0091】
例えば、前記実施形態では、閉塞部材60が配置部142にのみ配置され、雌ねじ部141には進入していない場合を例示したが、これに限定されない。配置部142には閉塞部材60の少なくとも一部分が配置されていればよいので、閉塞部材60の一部が雌ねじ部141に進入していてもよく、また、閉塞部材60の一部がボルト挿入孔14cの開口部14dから突出していてもよい。
【0092】
また、前記実施形態では、揺動歯車18が1つである場合を例示したが、これに限定されない。歯車装置10では、複数の揺動歯車18が設けられていてもよい。
【0093】
また、前記実施形態では、キャリア14が揺動歯車18に対してクランク軸20の軸方向における一方側にのみ配設されている場合を例示したが、これに限定されない。キャリア14は、例えば揺動歯車18に対して軸方向の一方側に配置された図略の第1端板部と、揺動歯車18に対して軸方向の他方側に配置された第2端板部とを備えるものであってもよい。
【0094】
また、キャリア14と外筒12は、どちらが固定されていてもよい。すなわち、キャリア14を固定して外筒12がキャリア14に対して相対的に回転する形態であってもよく、外筒12を固定してキャリア14が外筒12に対して相対的に回転する形態であってもよい。
【0095】
また、クランク軸受48は、クロスローラベアリングに代えて、一対の円錐ころ軸受によって構成してもよい。また、一対のアンギュラ玉軸受、複列円錐ころ軸受によって構成してもよい。
【0096】
また、前記実施形態では、クランク軸受48が揺動歯車18に対して主軸受16と同じ側にのみ配設され、クランク軸受48と主軸受16がクランク軸20に直交する同一平面上に位置するように配設されている場合を例示したが、これに限定されない。